JP2002265515A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合体の製造方法

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JP2002265515A
JP2002265515A JP2001072532A JP2001072532A JP2002265515A JP 2002265515 A JP2002265515 A JP 2002265515A JP 2001072532 A JP2001072532 A JP 2001072532A JP 2001072532 A JP2001072532 A JP 2001072532A JP 2002265515 A JP2002265515 A JP 2002265515A
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polymerization
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olefin
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Satoshi Ishigaki
聡 石垣
Shinji Hikuma
新次 日隈
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SunAllomer Ltd
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SunAllomer Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量のオレフィン重合体を高い重合活性
をもって得ることのできるオレフィン重合体の製造方法
を提供する。 【解決手段】 (A)固体助触媒成分、(B)メタロセ
ン化合物および(C)一般式Rn AlX3-n (式中、R
は炭素数5〜20の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基およびアミド基か
らなる群から選ばれ、これらは互いに同一でもあっても
相異なっていてもよく、nは1〜3の整数である)で表
される有機アルミニウム化合物からなる重合用触媒を重
合反応器に供給しながらオレフィンを連続的に重合する
ことを含む高分子量オレフィン重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合体
の製造方法に関する。本発明は、特に、高分子量のオレ
フィン重合体を効率よく得ることのできるオレフィン重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メタロセン触媒によりオレフィン重合体
が得られることが知られているが、得られる重合体の分
子量についてはかならずしも十分とは言えない。そのた
め、高分子量のオレフィン重合体を得るために、低温で
重合を行う方法やハフニウムを含有するメタロセン化合
物を使用する方法などが提案されている。これらの方法
では、高分子量の重合体が得られるものの未だ十分であ
るとは言いがたく、また重合触媒の重合活性が犠牲とな
ることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子量の
オレフィン重合体を高い重合活性をもって得ることので
きるオレフィン重合体の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の現状に鑑み鋭意検討した結果、特定の触媒を用いて
オレフィン重合体を連続的に製造すると、予想外にも高
分子量のオレフィン重合体が得られることを見出し、本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明
は、(A)固体助触媒成分、(B)メタロセン化合物お
よび(C)下記一般式(1) Rn AlX3-n (1) (式中、Rは炭素数5〜20の炭化水素基を表し、Xは
ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基および
アミド基からなる群から選ばれ、これらは互いに同一で
もあっても相異なっていてもよく、nは1〜3の整数で
ある)で表される有機アルミニウム化合物からなる重合
用触媒を重合反応器に供給しながらオレフィンを連続的
に重合することを含む高分子量オレフィン重合体の製造
方法を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における(A)固体助触媒
成分は、一般に、メタロセン触媒において使用される助
触媒であって、固体状のものである。具体的には、アル
ミノキサン、非配位性イオン含有化合物、有機アルミニ
ウムを除くルイス酸性化合物等を微粒子担体上に担持し
たもの、珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、無機珪
酸塩などが例示される。
【0006】アルミノキサンとしては、メチルアルミノ
キサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキ
サン、メチルイソブチルアルミノキサン等が例示され
る。また、非配位性イオン含有化合物としては、N,
N,−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n
−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボラート、トリエチルオキソニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−ジメチ
ルアニリニウム[4−(トリクロロシリル)−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル]トリス(ペンタフル
オロフェニル)ボラート、N,N−ジメチルアニリニウ
ム[4−(クロロジメチルシリル)−2,3,5,6−
テトラフルオロフェニル]トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボラート等が挙げられる。有機アルミニウムを除
くルイス酸性の化合物としては、トリフェニルボラン、
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が例示され
る。
【0007】珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物と
は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結
合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であ
り、含有されるイオンが交換可能なものをいう。より具
体的には、γ−Ti(NH4 PO 42 ・H2 O等の、
特開平10−168111号公報に記載されたものなど
である。
【0008】無機珪酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼ
オライト、珪藻土等が例示される。より具体的には、カ
オリナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、ヘ
クトライト等の、特開平10−168111号公報に記
載されたものなどである。これらは天然に産生するもの
であってもよく、合成されたものであってもよい。本発
明で使用される(A)固体助触媒成分は、非配位性イオ
ン含有化合物を含む固体助触媒成分であることが好まし
い。なかでも、非配位性イオン含有化合物が微粒子担体
に化学結合により結合したものであるものが特に好まし
い。かかるイオン性化合物が微粒子担体上に化学結合に
より結合することで、ファウリングや重合体粒子の互着
が著しく抑制され、特に塊状重合において大きな効果が
見られる。
【0009】これらは、例えば、特表平7−50157
3号公報、特開平8−143617号公報、WO96/
40796号公報、WO96/41808号公報、WO
97/19959号公報、特開2000−212225
号公報などに記載されており、(1)担体となる化合物
と、これと反応性を有する非配位性イオン含有化合物と
を接触させて調製する方法、(2)担体を形成しうる官
能基を有する非配位性イオン含有化合物、および必要に
応じて担体の前駆体、から担体を形成させることにより
調製する方法、(3)非配位性イオン含有化合物の前駆
体を担体と反応させることにより、担体上に非配位性イ
オン含有化合物を生成させる方法などである。
【0010】(1)の方法の具体例としては、ハロゲン
化シリル基や酸無水物基または酸塩化物基を有する非配
位性イオン含有化合物と、シリカやアルミナ等の水酸基
を有する担体とを接触させる方法が挙げられる。また、
水酸基やフェノキシ基を有する非配位性イオン含有化合
物と、クロロシランや有機アルミニウムで処理されたシ
リカもしくはアルミナなどの担体とを接触させる方法も
例示される。さらには、アルコキシ基やアルコキシシリ
ル基またはアミノ基等の電子供与性基を有する非配位性
イオン含有化合物と、塩化マグネシウムやアルミナ等の
電子受容性担体とを接触させる方法も例示される。
【0011】(2)の方法の具体例としては、ビニル基
等の重合性基を有する非配位性イオン含有化合物を単独
重合または共重合することにより担体を形成させる方法
が挙げられる。また、アルコキシシリル基等の縮合性基
を有する非配位性イオン含有化合物を単独でまたは他の
アルコキシシランなどともに縮合させることで担体を形
成させる方法も例示される。
【0012】(3)の方法の具体例としては、トリアリ
ールボラン等の非配位性イオン含有化合物前駆体をメタ
ル化されたポリスチレン等の担体と反応させ、非配位性
イオン含有化合物を生成させる方法などが挙げられる。
なお、前記化学結合の有無は、例えば、ジクロロメタン
やジエチルエーテル等の極性溶媒による洗浄後におい
て、非配位性イオン含有化合物またはこの化合物に含有
されるホウ素原子等が微粒子担体上に残存するか否かを
測定することにより検出可能である。
【0013】なかでも、(A)としては、下記一般式
(2) [M1 (R1a (R2b (R3 ) c (R4 −L) d- ・[M21 e+ (2) (式中、M1 はホウ素原子またはアルミニウム原子を表
し、R1 、R2 およびR 3 は炭素数1〜20の炭化水素
基もしくはハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェ
ノキシ基またはハロゲン原子を表し、これらは互いに同
一であっても相異なっていてもよく、R4 はヘテロ原子
を含んでいてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表
し、Lはシリル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホスフィノ基、
およびこれらの基の1以上を有するアルキル基もしくは
アリール基からなる群から選ばれ、a、bおよびcは0
または1〜3の整数であり、dは1〜4の整数であり、
かつ、a+b+c+d=4であり、[M21 e+
1価のカチオンを表し、M2 は(e+1)価のカチオン
を表し、X1 は任意の1価のアニオンを表し、eは0〜
3の整数である)で表される非配位性イオン含有化合物
(a−1)と微粒子状担体(a−2)とを接触させて得
られたものであるのが好ましい。
【0014】前記一般式(2)で表される非配位性イオ
ン含有化合物(a−1)において、R1 、R2 、R3
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基等のアルキル基、フェニル基、ト
リル基、ジメチルフェニル基等のアリール基が挙げら
れ、ハロゲン化炭化水素基としてはハロゲン化アリール
基が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。こ
れらのうちで好ましいものは、アルキル基、アリール基
およびハロゲン化アリール基であり、特に好ましいもの
はアリール基およびハロゲン化アリール基である。
【0015】ハロゲン化アリール基のなかでも、トリフ
ルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタ
フルオロフェニル基などのフルオロフェニル基、3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等のビス(ト
リフルオロメチル)フェニル基が好ましく、さらにはテ
トラフルオロフェニル基およびペンタフルオロフェニル
基が好ましく、特にペンタフルオロフェニル基が好まし
い。
【0016】前記非配位性イオン含有化合物(a−1)
において、R4 はヘテロ原子を含んでいてもよい、炭素
数1〜20の炭化水素基であり、具体的としてはメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチリ
デン基、プロピリデン基、o−フェニレン基、m−フェ
ニレン基、p−フェニレン基、3,5−ビス(トリフル
オロメチル)−p−フェニレン基等のビス(トリフルオ
ロメチル)フェニレン基、4−フルオロ−m−フェニレ
ン基、2−フルオロ−p−フェニレン基等のフルオロフ
ェニレン基、4,5−ジフルオロ−m−フェニレン基、
3,5−ジフルオロ−p−フェニレン基等のジフルオロ
フェニレン基、2,4,5−トリフルオロ−m−フェニ
レン基、2,4,6−トリフルオロ−m−フェニレン
基、4,5,6−トリフルオロ−m−フェニレン基、
2,3,5−トリフルオロ−p−フェニレン基、2,
3,6−トリフルオロ−p−フェニレン基等のトリフル
オロフェニレン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−
o−フェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−
m−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−
p−フェニレン基等のテトラフルオロフェニレン基が挙
げられる。
【0017】これらのうちで好ましいものは、2,4,
5−トリフルオロ−m−フェニレン基、2,4,6−ト
リフルオロ−m−フェニレン基、4,5,6−トリフル
オロ−m−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−
p−フェニレン基、2,3,6−トリフルオロ−p−フ
ェニレン基、3,4,5,6−テトラフルオロ−o−フ
ェニレン基、2,4,5,6−テトラフルオロ−m−フ
ェニレン基および2,3,5,6−テトラフルオロ−p
−フェニレン基であり、特に好ましいものは2,4,
5,6−テトラフルオロ−m−フェニレン基および2,
3,5,6−テトラフルオロ−p−フェニレン基であ
る。
【0018】前記非配位性イオン含有化合物(a−1)
において、Lはシリル基、水酸基、カルボキシル基、ア
ミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホスフィノ
基、およびこれらの基の1以上を有するアルキル基もし
くはアリール基のなかから選ばれ、好ましくはシリル基
または水酸基である。シリル基としては、例えば、下記
一般式(3) −[Si(Z12 )−Z6 −]n SiZ345 (3) (式中、Z1 、Z2 、Z3 、Z4 およびZ5 はハロゲン
原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アシルオキシ基、
アミド基および炭素数1〜20の炭化水素基からなる群
から選ばれ、Z3 、Z4 、Z5 のうちの少なくとも1つ
はハロゲン原子、アルコキシ基、フェノキシ基、アシル
オキシ基、アミド基であり、Z6 は酸素原子、イミノ
基、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20の
アリーレン基または炭素数1〜20のオキサアルキレン
基を表し、nは0または1〜10の整数である)で表わ
されるものが挙げられる。
【0019】上記シリル基の具体例としては、トリクロ
ロシリル基等のトリハロゲノシリル基、メチルジクロロ
シリル基、エチルジクロロシリル基等のアルキルジハロ
ゲノシリル基、ジメチルクロロシリル基、ジエチルクロ
ロシリル基等のジアルキルハロゲノシリル基、フェニル
ジクロロシリル基、p−トリルジクロロシリル基等のア
リールジハロゲノシリル基、ジフェニルクロロシリル基
等のジアリールハロゲノシリル基、トリメトキシシリル
基、トリエトキシシリル基等のトリアルコキシシリル
基、メチルジメトキシシリル基等のアルキルジアルコキ
シシリル基、ジメチルメトキシシリル基、ジメチルエト
キシシリル基等のジアルキルアルコキシシリル基、フェ
ニルジメトキシシリル基、トリルジメトキシシリル基等
のアリールジアルコキシシリル基、ジフェニルメトキシ
シリル基、ジトリルメトキシシリル基、ジフェニルエト
キシシリル基等のジアリールアルコキシシリル基などの
アルコキシ基含有シリル基、トリアセトキシシリル基等
のトリアシルオキシシリル基、メチルジアセトキシシリ
ル基等のアルキルジアシルオキシシリル基、ジメチルア
セトキシシリル基等のジアルキルアシルオキシシリル
基、フェニルジアセトキシシリル基等のアリールジアシ
ルオキシシリル基、ジフェニルアセトキシシリル基等の
ジアリールアシルオキシシリル基やジメチルヒドロキシ
シリル基等のアルキルヒドロキシシリル基等が挙げられ
る。
【0020】これらのうちで好ましいものは、トリクロ
ロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロ
シリル基、トリメトキシシリル基、メチルジメトキシシ
リル基、ジメチルメトキシシリル基、トリエトキシシリ
ル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシ
リル基、トリアセトキシシリル基、メチルジアセトキシ
シリル基、ジメチルアセトキシシリル基、トリヒドロキ
シシリル基、メチルジヒドロキシシリル基、ジメチルヒ
ドロキシシリル基であり、特に好ましいものはトリクロ
ロシリル基、メチルジクロロシリル基、ジメチルクロロ
シリル基である。
【0021】シリル基を有するアルキル基としては、
(トリクロロシリル)メチル基、(メチルジクロロシリ
ル)メチル基、(ジメチルクロロシリル)メチル基、
(トリメトキシシリル)メチル基、(メチルジメトキシ
シリル)メチル基、(ジメチルメトキシシリル)メチル
基、(トリエトキシシリル)メチル基、(メチルジエト
キシシリル)メチル基、(ジメチルエトキシシリル)メ
チル基などのシリルメチル基や、(トリクロロシリル)
エチル基、(メチルジクロロシリル)エチル基、(ジメ
チルクロロシリル)エチル基、(トリメトキシシリル)
エチル基、(メチルジメトキシシリル)エチル基、(ジ
メチルメトキシシリル)エチル基、(トリエトキシシリ
ル)エチル基、(メチルジエトキシシリル)エチル基、
(ジメチルエトキシシリル)エチル基などのシリルエチ
ル基などが例示される。
【0022】シリル基を有するアリール基としては、
(トリクロロシリル)フェニル基、(メチルジクロロシ
リル)フェニル基、(ジメチルクロロシリル)フェニル
基、(トリメトキシシリル)フェニル基、(メチルジメ
トキシシリル)フェニル基、(ジメチルメトキシシリ
ル)フェニル基、(トリエトキシシリル)フェニル基、
(メチルジエトキシシリル)フェニル基、(ジメチルエ
トキシシリル)フェニル基などのシリルフェニル基や、
(トリクロロシリル)エチル基、(メチルジクロロシリ
ル)エチル基、(ジメチルクロロシリル)エチル基、
(トリメトキシシリル)エチル基、(メチルジメトキシ
シリル)エチル基、(ジメチルメトキシシリル)エチル
基、(トリエトキシシリル)エチル基、(メチルジエト
キシシリル)エチル基、(ジメチルエトキシシリル)エ
チル基などのシリルエチル基などが例示される。
【0023】アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ア
ニリノ基、メチルアニリノ基、ピロリジノ基、ピペリジ
ノ基、ピペラジノ基、イミダゾリル基、ピリジル基、キ
ノリノ基などがある。アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、トリ
フルオロエチル基、エチレン−1,2−ジオキシ基など
がある。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナ
フトキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ
基、ペンタフルオロフェノキシ基などが例示される。
【0024】また、前記非配位性イオン含有化合物(a
−1)において、a、bおよびcは0または1〜3の整
数であり、dは1〜4の整数であり、かつ、a+b+c
+d=4であり、これらのうちで好ましいものはd=1
の化合物である。また、前記非配位性イオン含有化合物
(a−1)において、[M21 e+は1価のカチオ
ンであり、M2 は(e+1)価のカチオンであり、X1
は任意の1価のアニオンであり、eは0〜3の整数であ
る。ここで、M2 の具体例としては、プロトン、トリフ
ェニルカルベニウムイオン、トリ(p−トリル)カルベ
ニウムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンや
トリメチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオ
ン、トロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリ
メチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニ
ウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等の
アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、4−メチル
−ピリジニウムイオン、2−シアノピリジニウムイオ
ン、4−シアノピリジニウムイオン等のピリジニウムイ
オン、トリメチルオキソニウムイオン、トリエチルオキ
ソニウムイオン等のオキソニウムイオン、トリメチルシ
リリウムイオン、トリエチルシリリウムイオン等のシリ
リウムイオン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のア
ルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアル
カリ土類金属イオン、アルミニウム、亜鉛、鉄、チタン
等の金属イオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられ
る。
【0025】X1 の具体例としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲンイオン、メトキシド、エトキシ
ド、フェノキシド等のアルコキシドもしくはアリールオ
キシドイオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸
イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸イオンなどが例
示される。前記非配位性イオン含有化合物(a−1)に
おいて、好ましくはeは0であり、従って好ましい[M
21 e+ の具体的としては、プロトン、トリフェニ
ルカルベニウムイオン、トリ(p−トリル)カルベニウ
ムイオンなどのトリアリールカルベニウムイオンやトリ
メチルカルベニウムイオン等のカルベニウムイオン、ト
ロピリウムイオン、フェロセニウムイオン、トリメチル
アンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイ
オン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン等のアンモ
ニウムイオン、ピリジニウムイオン、4−メチル−ピリ
ジニウムイオン、2−シアノピリジニウムイオン、4−
シアノピリジニウムイオン等のピリジニウムイオン、ト
リメチルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウム
イオン等のオキソニウムイオン、トリメチルシリリウム
イオン、トリエチルシリリウムイオン等のシリリウムイ
オン、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属イオンなどが挙げられる。
【0026】これらのうちで特に好ましいものは、プロ
トン、トリフェニルカルベニウムイオン、トリ−(p−
トリル)カルベニウムイオン等のトリアリールカルベニ
ウムイオン、N,N−ジメチルアニリニウムイオン、
N,N−ジエチルアニリニウムイオン等のジアルキルア
ニリニウムイオン、トリメチルオキソニウムイオンやト
リエチルオキソニウムイオン等のトリアルキルオキソニ
ウムイオン、トリメチルシリリウムイオン、トリエチル
シリリウムイオン等のシリリウムイオンであり、最も好
ましいものはジアルキルアニリニウムイオンである。
【0027】本発明で好適に使用できる前記非配位性イ
オン含有化合物(a−1)の具体例として、ハロゲン化
シリル基を有するものを例示すると、N, N−ジメチル
アニリニウム〔4−(クロロジメチルシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、N, N−ジメチルアニリ
ニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−2,3,5,
6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボラート、N,N−ジメチルアニリニウム
(4−トリクロロシリル−2,3,5,6−テトラフル
オロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ート、N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(クロロジ
エチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(エチルジクロロ
シリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n
−ブチルアンモニウム〔4−(クロロジメチルシリル)
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチ
ルアンモニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモ
ニウム(4−トリクロロシリル−2,3,5,6−テト
ラフルオロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−
(クロロジエチルシリル)−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ラート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−(エチル
ジクロロシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフ
ェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
トリフェニルカルベニウム〔4−(クロロジメチルシリ
ル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニル
カルベニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウ
ム(4−トリクロロシリル−2,3,5,6−テトラフ
ルオロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ラート、トリフェニルカルベニウム〔4−(クロロジエ
チルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
ル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ
フェニルカルベニウム〔4−(エチルジクロロシリル)
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラートなどが挙げられ
る。
【0028】また、N, N−ジメチルアニリニウム〔4
−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス(ペン
タフルオロフェニル)ボラート、N, N−ジメチルアニ
リニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−フェニル〕
トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−
ジメチルアニリニウム(4−トリクロロシリル−フェニ
ル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,
N−ジメチルアニリニウム〔4−(クロロジエチルシリ
ル)−フェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ラート、N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(エチル
ジクロロシリル)−フェニル〕トリス(ペンタフルオロ
フェニル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム
〔4−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチ
ルアンモニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−フェ
ニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、ト
リ−n−ブチルアンモニウム(4−トリクロロシリル−
フェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラー
ト、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−(クロロジエ
チルシリル)−フェニル〕トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−
(エチルジクロロシリル)−フェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウ
ム〔4−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカ
ルベニウム〔4−(メチルジクロロシリル)−フェニ
ル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ
フェニルカルベニウム(4−トリクロロシリル−フェニ
ル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ
フェニルカルベニウム〔4−(クロロジエチルシリル)
−フェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラー
ト、トリフェニルカルベニウム〔4−(エチルジクロロ
シリル)−フェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラートなどが例示される。
【0029】さらに、N, N−ジメチルアニリニウム
〔4−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス
〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラ
ート、N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(メチルジ
クロロシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル〕ボラート、N,N−ジメ
チルアニリニウム(4−トリクロロシリルフェニル)ト
リス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
ボラート、N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(クロ
ロジエチルシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラート、N, N−
ジメチルアニリニウム〔4−(エチルジクロロシリル)
−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウ
ム〔4−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス
〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラ
ート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−(メチルジ
クロロシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル〕ボラート、トリ−n−ブ
チルアンモニウム(4−トリクロロシリルフェニル)ト
リス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4−(クロ
ロジエチルシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス
(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラート、トリ−n
−ブチルアンモニウム〔4−(エチルジクロロシリル)
−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニル〕ボラート、トリフェニルカルベニウム
〔4−(クロロジメチルシリル)−フェニル〕トリス
〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラ
ート、トリフェニルカルベニウム〔4−(メチルジクロ
ロシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル〕ボラート、トリフェニルカル
ベニウム(4−トリクロロシリル−フェニル)トリス
〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボラ
ート、トリフェニルカルベニウム〔4−(クロロジエチ
ルシリル)−フェニル〕トリス〔3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル〕ボラート、トリフェニルカル
ベニウム〔4−(エチルジクロロシリル)−フェニル〕
トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル〕ボラートなども例示される。
【0030】本発明で好適に使用できる前記非配位性イ
オン含有化合物(a−1)の具体例として、アルコキシ
シリル基を有するものを例示すると、N, N−ジメチル
アニリニウム〔4−(メトキシジメチルシリル)−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、N, N−ジメチルアニリ
ニウム〔4−(メチルジメトキシシリル)−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフル
オロフェニル)ボラート、N,N−ジメチルアニリニウ
ム(4−メトキシリル−2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラー
ト、N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(メトキシジ
エチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、
N, N−ジメチルアニリニウム〔4−(エチルジメトキ
シシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
ル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ
−n−ブチルアンモニウム〔4−(エトキシジメチルシ
リル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕ト
リス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n−
ブチルアンモニウム〔4−(メチルジエトキシシリル)
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル〕トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチ
ルアンモニウム(4−トリエトキシシリル−2,3,
5,6−テトラフルオロフェニル)トリス(ペンタフル
オロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウ
ム〔4−(エトキシジエチルシリル)−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム〔4
−(エチルジエトキシシリル)−2,3,5,6−テト
ラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボラート、トリフェニルカルベニウム〔4−(エト
キシジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラー
ト、トリフェニルカルベニウム〔4−(メチルジエトキ
シシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
ル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、トリ
フェニルカルベニウム(4−トリエトキシシリル−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニル)トリス(ペンタ
フルオロフェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウ
ム〔4−(エトキシジエチルシリル)−2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボラート、トリフェニルカルベニウム〔4−
(エチルジエトキシシリル)−2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)
ボラートなどが挙げられる。
【0031】本発明で好適に使用できる前記イオン性化
合物(a−1)の具体例として、ハロゲン化シリル基お
よびアルコキシシリル基以外の基を有するものを例示す
ると、N,N−ジメチルアニリニウム(4−ヒドロキシ
−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボラート、N,N−ジメチ
ルアニリニウム(4−ヒドロキシフェニル)トリス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボラート、トリ−n−ブチルア
ンモニウム(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)
ボラート、トリ−n−ブチルアンモニウム(4−ヒドロ
キシフェニル)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ート等が挙げられる。
【0032】微粒子状担体(a−2)の例としては、金
属酸化物、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、金属アル
コキシド、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、珪酸塩や有機高分
子化合物等が挙げられる。これらは、必要に応じて単独
でまたは複数を組み合わせて用いることができる。これ
らは、有機アルミニウムや有機珪素化合物などで処理さ
れていてもよい。
【0033】上記金属酸化物としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、チタニア、マグネシア、ジルコニア、カ
ルシア、酸化亜鉛等が挙げられる。上記金属ハロゲン化
物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。上
記金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。上記金属アル
コキシドとしては、例えば、マグネシウムエトキシド、
マグネシウムメトキシド等が挙げられる。上記炭酸塩と
しては、例えば、炭酸カルシウム、塩基性炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸
バリウム等が挙げられる。上記硫酸塩としては、例え
ば、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム
等が挙げられる。上記酢酸塩としては、例えば、酢酸カ
ルシウム、酢酸マグネシウム等が挙げられる。また、上
記珪酸塩としては、例えば、雲母、タルク等の珪酸マグ
ネシウムや珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム等が挙げら
れる。これらのうちで好ましいものは、シリカ、アルミ
ナ、雲母やタルク等の珪酸マグネシウムや珪酸カルシウ
ム、珪酸アルミニウム、珪酸ナトリウムなどの珪酸塩で
ある。
【0034】上記有機高分子化合物としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレ
ン−ビニルエステル共重合体の部分もしくは完全鹸化物
等のポリオレフィンおよびその変性物、ポリスチレン、
水酸基等の官能基を有するポリスチレン、架橋ポリスチ
レン、水酸基等の官能基を有する架橋ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリエステル等の熱可塑
性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
【0035】これらのうちで微粒子状担体(a−2)と
して好ましいものは、シリカ、アルミナ等の金属酸化
物、塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化物、水酸化ア
ルミニウム等の金属水酸化物、珪酸アルミニウム等の珪
酸塩や、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基
等の極性基を有する高分子化合物であり、最も好ましい
ものはシリカ、アルミナ等の金属酸化物、珪酸アルミニ
ウム等の珪酸塩、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物
などの水酸基を有するものである。
【0036】前記微粒子状担体(a−2)として最も好
ましいものにおける水酸基含有量は、通常0.1ミリモ
ル/g以上であり、好ましくは0.3ミリモル/g以
上、より好ましくは0.5ミリモル/g以上、さらに好
ましくは0.6ミリモル/g以上、よりさらに好ましく
は0.7ミリモル/g以上、特に好ましくは0.8ミリ
モル/g以上、最も好ましくは0.9ミリモル/g以上
である。水酸基含有量が上記範囲未満のものを使用する
と、重合活性が低下することがある。
【0037】これらの微粒子状担体(a−2)の平均粒
子径は、特に制限されるものではないが、通常0.1〜
2,000μmの範囲であり、好ましくは1〜1,00
0μm、より好ましくは10〜500μm、さらに好ま
しくは15〜300μm、よりさらに好ましくは20〜
200μm、特に好ましくは25〜120μm、最も好
ましくは30〜80μmの範囲である。
【0038】また、比表面積は、特に制限されるもので
はないが、通常0.1〜2,000m2 /gの範囲であ
り、好ましくは10〜1,500m2 /g、より好まし
くは100〜1,020m2 /g、さらに好ましくは2
00〜1000m2 /g、よりさらに好ましくは300
〜1000m2 /g、特に好ましくは400〜900m
2 /g、最も好ましくは500〜900m2 /gの範囲
である。
【0039】前記非配位性イオン含有化合物(a−1)
と微粒子状担体(a−2)との接触は、任意の方法によ
り行うことが可能であり、有機溶剤の非存在下に直接接
触させてもよいが、一般的には有機溶剤中で接触が行な
われる。ここで用いられる有機溶剤としては、ペンタ
ン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン
等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロベンゼン等
のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類やN,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類、メタノール、
エタノール、プロパノール、n−ブタノール等のアルコ
ール類およびそれらの混合物等が挙げられる。
【0040】前記非配位性イオン含有化合物(a−1)
と微粒子状担体(a−2)との接触は、使用する有機溶
剤やその他の条件を考慮して任意の温度で行うことが可
能であるが、通常−80℃〜+300℃の範囲で行なわ
れる。好ましい接触温度の範囲は−50℃〜+200℃
であり、さらに好ましくは0〜150℃である。また、
前記非配位性イオン含有化合物(a−1)の微粒子状担
体(a−2)に対する使用量は、特に制限されるもので
はないが、通常(a−2)100重量部に対して(a−
1)が0.0001〜1,000,000重量部の範囲
である。(a−1)の使用量を多くすると触媒の重合活
性は向上する傾向にあるが、重合活性と製造コストのバ
ランスを考慮すると、(a−1)の使用量は、微粒子状
担体(a−2)100重量部に対し、好ましくは0.1
〜10,000重量部の範囲であり、さらに好ましくは
1〜1,000重量部の範囲である。
【0041】なお、本発明における成分(A)におい
て、非配位性イオン含有化合物の含有量は、成分(A)
の1g当たり通常0.010〜0.50ミリモル/gの
範囲であり、好ましくは0.030〜0.40ミリモル
/g、より好ましくは0.050〜0.40ミリモル/
g、さらに好ましくは0.055〜0.40ミリモル/
g、よりさらに好ましくは0.060〜0.35ミリモ
ル/g、特に好ましくは0.065〜0.35ミリモル
/g、最も好ましくは0.070〜0.30ミリモル/
gの範囲である。非配位性イオン含有化合物の含有量が
上記より少ないと触媒当たりの重合活性が低下したり、
上記を超えると該非配位性イオン含有化合物当たりの重
合活性が低下したりすることがある。
【0042】また、本発明における成分(A)におい
て、上記微粒子状担体に由来する水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、アミド基等の極性基の含有量は、通常
0.01〜5.0ミリモル/gの範囲であり、好ましく
は0.05〜4.0ミリモル/g、より好ましくは0.
20〜4.0ミリモル/g、さらに好ましくは0.40
〜4.0ミリモル/g、よりさらに好ましくは0.51
〜3.5ミリモル/g、特に好ましくは0.55〜3.
0ミリモル/g、最も好ましくは0.60〜2.5ミリ
モル/g以下である。上記微粒子状担体に由来する極性
基の含有量が上記範囲において本発明の効果が顕著であ
る。
【0043】成分(A)における微粒子状担体由来の極
性基の含有量は、微粒子状担体の加熱処理や化学処理に
より調整することが可能である。具体的には、これらの
処理を行うことで極性基含有量を調整した微粒子状担体
を用いて成分(A)を調製する方法や、成分(A)を調
製した後に、これらの処理を施す方法がある。加熱処理
は、例えば、常圧下もしくは減圧下において、微粒子状
担体または成分(A)を50℃以上、好ましくは100
〜1000℃、さらに好ましくは100〜800℃の温
度範囲で加熱することにより行われる。
【0044】化学処理は、例えば、微粒子状担体に由来
する極性基と反応可能な化合物と接触させることにより
行われ、具体的にはアルキル化剤、アシル化剤、シリル
化剤、スタニル化剤、ゲルミル化剤のうちの少なくとも
1以上で処理する方法が挙げられる。この処理は、前記
非配位性イオン含有化合物(a−1)と微粒子状担体
(a−2)との接触後に、あるいは接触と同時に、アル
キル化剤、アシル化剤、シリル化剤、スタニル化剤、ゲ
ルミル化剤のうちの少なくとも1以上(a−3)と接触
させることにより行われる。
【0045】アルキル化剤の例としては、ヨウ化メチル
等のヨウ化アルキルまたは塩化ベンジル、臭化ベンジ
ル、ヨウ化ベンジル、塩化ジフェニルメチル、臭化ジフ
ェニルメチル、ヨウ化ジフェニルメチル、塩化トリフェ
ニルメチル、臭化トリフェニルメチル、ヨウ化トリフェ
ニルメチル等のα−アリール置換ハロゲン化炭化水素、
メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、等
のスルホン酸アルキル、トリメチルオキソニウムテトラ
フルオロボラート、トリエチルオキソニウムテトラフル
オロボラート等のオキソニウム塩、トリメチルスルホニ
ウムテトラフルオロボラート等のスルホニウム塩、ジフ
ェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェイト等のヨ
ードニウム塩などを挙げることができる。
【0046】アシル化剤としては、塩化アセチル、塩化
ベンゾイル等のカルボン酸ハロゲン化物や、無水酢酸、
無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物などが例示される。
シリル化剤の具体例を列挙すると、トリメチルクロロシ
ラン、トリエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルク
ロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、ジフェニ
ルメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、ト
リエチルメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、エチルトリアセトキシシランなどがある。
【0047】スタニル化剤の具体例としては、トリメチ
ルスズクロライド、トリフェニルスズクロライド、トリ
メチルスズアセテート、ジメチルスズジクロライド、ジ
ブチルスズジクロライド、ジメチルスズジアセテート、
ジブチルスズジアセテート等が挙げられる。また、ゲル
ミル化剤としては、トリメチルゲルマニウムクロライ
ド、トリフェニルゲルマニウムクロライド、ジメチルゲ
ルマニウムジクロライド、ジブチルゲルマニウムジクロ
ライド等が挙げられる。
【0048】これらの使用量は、特に制限されるもので
はないが、通常微粒子状担体(a−2)100重量部に
対して0.01重量部以上であり、好ましくは0.1重
量部以上であり、より好ましくは1.0重量部〜2,0
00重量部、より好ましくは2.0〜1,000重量
部、さらに好ましくは3.0〜800重量部、よりさら
に好ましくは5.0〜700重量部、特に好ましくは
7.0〜600重量部、最も好ましくは10〜500重
量部の範囲である。
【0049】本発明において、(B)メタロセン化合物
としては、公知のものを何ら制限無く使用可能であり、
例えば、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロ
ライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(1,2−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(1,3
−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロライド、ビス(n−プロピルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(n−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビ
ス(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド、ビス(1,2,4−トリメチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロライド、(メチルシクロペンタジエニル)(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロライド、(3−t−ブチ
ルシクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルシランチタニウムジ
クロライド等が挙げられる。
【0050】また、オレフィン重合体としてプロピレン
重合体を製造する場合には、プロピレンを立体規則的に
重合させるものが好ましく、より具体的に示すと、ビス
(2,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、ビス(2,4−ジメチ
ルシクロペンタジエニル)ジメチルシランジルコニウム
ジクロライド、ビス(2,3,5−トリメチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライ
ド、(メチルシクロペンタジエニル)(1−インデニ
ル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、(3−
t−ブチルシクロペンタジエニル)(1−インデニル)
ジメチルシランジルコニウムジクロライドなどが挙げら
れる。
【0051】また、(3−t−ブチルシクロペンタジエ
ニル)〔4−t−ブチル−(1−インデニル)〕ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、(メチルシクロペ
ンタジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルシランジ
ルコニウムジクロライド、(3−t−ブチルシクロペン
タジエニル)(9−フルオレニル)ジメチルシランジル
コニウムジクロライド、ビス(1−インデニル)ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス(2−メチル
−1−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロ
ライド、ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニ
ル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライド、ビス(2−エチル−1−イ
ンデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、
ビス(2−i−プロピル−1−インデニル)ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライドなども使用可能である。
【0052】さらに、特開平6−184179号公報、
特開平6−345809号公報などに記載のインデニル
骨格にさらに環が縮合した構造を有するメタロセン化合
物、すなわち、ビス(2−メチル−4,5−ベンゾ−1
−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライ
ド、ビス(2−メチル−α−アセナフト−1−インデニ
ル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)メチ
ルフェニルシランジルコニウムジクロライド、ビス(2
−メチル−α−アセナフト−1−インデニル)メチルフ
ェニルシランジルコニウムジクロライド、1,2−ビス
(2−メチル−4,5−ベンゾ−1−インデニル)エタ
ンジルコニウムジクロライド、ビス(4,5−ベンゾ−
1−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロラ
イドなども使用可能である。
【0053】また、特開平6−100579号公報、特
開平9−176222号公報などに記載されている、イ
ンデニル骨格の4位にアリール基を有するメタロセン化
合物、すなわち、ビス(2−メチル−4−フェニル−1
−インデニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライ
ド、(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジ
メチルシランジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メ
チル−4−(1−ナフチル)−1−インデニル〕ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル
−4−(2−ナフチル)−1−インデニル〕ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル−4
−(9−アントラセニル)−1−インデニル〕ジメチル
シランジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル−
4−(9−フェナントリル)−1−インデニル〕ジメチ
ルシランジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル
−4−(3,5−ジ−i−プロピル−フェニル)−6−
i−プロピル−1−インデニル〕ジメチルシランジルコ
ニウムジクロライド、ビス(2−メチル−4−フェニル
−6−i−プロピル−1−インデニル)ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライドなども使用可能である。
【0054】また、特開平10−226712号公報お
よび特開平10−279588号公報などに記載のアズ
レン骨格を有するメタロセン化合物、すなわち、ビス
(2−メチル−4−フェニル−4−ヒドロ−1−アズレ
ニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
(2−エチル−4−フェニル−4−ヒドロ−1−アズレ
ニル)ジメチルシランジルコニウムジクロライド、ビス
〔2−メチル−4−(クロロフェニル)−4−ヒドロ−
1−アズレニル〕ジメチルシランジルコニウムジクロラ
イド、ビス〔2−メチル−4−(フルオロフェニル)−
4−ヒドロ−1−アズレニル〕ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド、ビス(2−メチル−4−フェニル−
4−ヒドロ−1−アズレニル)(クロロメチル)メチル
シランジルコニウムジクロライドなども使用可能であ
る。
【0055】さらに、ビス〔2−メチル−(η5 −1−
インデニル)〕メチルフェニルシランジルコニウムジク
ロライド、1,2−ビス(η5 −1−インデニル)エタ
ンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス〔2−メチ
ル−(η5 −1−インデニル)〕エタンジルコニウムジ
クロライド、1,2−ビス〔2,4−ジメチル−(η 5
−1−インデニル)〕エタンジルコニウムジクロライ
ド、1,2−ビス〔2,4,7−トリメチル−(η5
1−インデニル)〕エタンジルコニウムジクロライド、
1,2−ビス〔2−エチル−(η5 −1−インデニ
ル)〕エタンジルコニウムジクロライド、1,2−ビス
〔2−n−プロピル−(η5 −1−インデニル)〕エタ
ンジルコニウムジクロライド、〔2−エチル−(η5
1−インデニル)〕〔2−メチル−(η5 −1−インデ
ニル)〕エタンジルコニウムジクロライド、1,2−ビ
ス(η5 −9−フルオレニル)エタンジルコニウムジク
ロライド、2−(3−t−ブチルシクロペンタジエニ
ル)−2−(η5 −1−インデニル)プロパンジルコニ
ウムジクロライド、2−(3−t−ブチルシクロペンタ
ジエニル)−2−〔4−t−ブチル−(η5 −1−イン
デニル)〕プロパンジルコニウムジクロライド、2−
(3−メチルシクロペンタジエニル)−2−(η5 −9
−フルオレニル)プロパンジルコニウムジクロライド、
2−(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)−2−
(η5 −9−フルオレニル)プロパンジルコニウムジク
ロライドなどが使用可能である。
【0056】なかでも、特開平6−100579号公報
や特開平9−176222号公報などに記載されている
インデニル骨格の4位にアリール基を有するもの、特開
平6−184179号公報や特開平6−345809号
公報などに記載されているインデニル骨格にさらに環が
縮合した構造を有するメタロセン化合物、および特開平
10−226712号公報や特開平10−279588
号公報などに記載されているアズレン骨格を有するメタ
ロセン化合物が好ましく、特にビス〔2−メチル−4,
5−ベンゾ(η5 −1−インデニル)〕ジメチルシラン
ジルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル−4−フ
ェニル−(η5 −1−インデニル)〕ジメチルシランジ
ルコニウムジクロライド、ビス〔2−メチル−4−(1
−ナフチル)−(η5 −1−インデニル)〕ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライド、ビス(2−メチル−4
−フェニル−4−ヒドロ−1−アズレニル)ジメチルシ
ランジルコニウムジクロライドが好ましい。
【0057】なお、これらのメタロセン化合物のジルコ
ニウムをチタンやハフニウム等の他の金属で置き換えた
ものや、塩素原子を他のハロゲンや水素原子、アミド
基、アルコキシ基、メチル基やベンジル基などの炭化水
素基で置き換えたものも何ら制限無く使用することがで
きる。本発明で使用される成分(C)は、前述した一般
式(1)で表される有機アルミニウム化合物である。か
かる有機アルミニウム化合物としては、公知のものが使
用可能であり、複数を併用することも可能である。上記
の有機アルミニウム化合物を使用しない場合には、本発
明の効果が認められず、高分子量のオレフィン重合体を
得ることが困難となる。
【0058】一般式(1)中、Rは炭素数5〜20の炭
化水素基であり、Rが複数存在する場合には、これらは
互いに同一であってもよく、相異なっていてもよい。R
の具体例としては、n−ペンチル基、i−ペンチル基、
シクロペンチル基、イソプレニル基、n−ヘキシル基、
i−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、
i−オクチル基、n−デシル基、i−デシル基、n−ド
デシル基、i−ドデシル基等が挙げられる。これらのう
ちで好ましいものは、炭素数5〜12のアルキル基であ
り、特に好ましくは炭素数6〜10のアルキル基であ
る。
【0059】また、一般式(1)中、Xはハロゲン原
子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基のなか
から選ばれ、これらは互いに同一であってもよく、相異
なっていてもよい。これらのうちで好ましいものは、ハ
ロゲン原子およびアルコキシ基であり、さらに好ましく
はハロゲン原子であり、最も好ましくは塩素である。さ
らに、一般式(1)中、nは1〜3の整数であり、好ま
しくは2または3であり、最も好ましくは3である。
【0060】一般式(1)で表される有機アルミニウム
化合物の具体例としては、トリ−n−ヘキシルアルミニ
ウム、トリ−i−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オ
クチルアルミニウム、、トリ−i−オクチルアルミニウ
ム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−i−デシル
アルミニウム、トリヘキサデシルアルミニウム、ビス−
3−メチル−ブチルアルミニウムメトキシド、ビス−4
−メチル−ブチルアルミニウムメトキシド、ビス−3−
メチル−ペンチルアルミニウムメトキシド、ビス−4−
メチル−ペンチルアルミニウムプロポキシド、ビス−2
−エチル−ヘキシルアルミニウムフェノキシド、2−エ
チル−ヘキシルアルミニウムジフェノキシド、ジシクロ
ヘキシルアルミニウムメトキシド、トリイソプレニルア
ルミニウムなどがあり、好ましくはトリ−n−ヘキシル
アルミニウム、トリ−i−ヘキシルアルミニウム、トリ
−n−オクチルアルミニウム、トリ−i−オクチルアル
ミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリ−i−
デシルアルミニウムであり、特に好ましくはトリ−n−
ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ムであり、最も好ましくはトリ−n−オクチルアルミニ
ウムである。
【0061】本発明において使用される触媒は前記の触
媒成分(A)、(B)および(C)を接触させることに
より調製される。これらの成分は同時に接触させてもよ
く、また遂次に接触させてもよい。また、調製の方法に
特に制限はなく、重合もしくは予備重合を行う反応器に
各成分を別々に供給し、反応器内で接触させて調製して
もよいが、好ましくは予め反応器の外で各成分を接触さ
せて調製される。
【0062】上記の各触媒成分を重合もしくは予備重合
を行なう反応器に別々に供給し、反応器内で本発明で用
いる触媒を調製する場合においては、各成分をそのまま
供給してもよいが、ヘキサン、ヘプタン、トルエンなど
の有機溶剤や、あるいはパラフィン系、ナフテン系、芳
香族系のオイル、グリースなどに分散させた状態で導入
してもよい。
【0063】反応器の外で接触させて触媒を調製する場
合には、一般的には有機溶剤中で接触が行なわれる。こ
れに使用可能な有機溶剤としては、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水
素、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル等のエーテル類やそれらの混合物等が挙げられる。
【0064】接触温度は、接触を行う成分の組み合わ
せ、使用する有機溶剤やその他の条件を考慮して任意に
決定されるが、通常−70℃〜+200℃の範囲、好ま
しくは−50℃〜+150℃の範囲、特に好ましくは−
20℃〜+100℃の範囲、最も好ましくは0〜80℃
の範囲である。また、接触の時間は任意であり、通常
0.5〜600分の範囲であり、好ましくは1〜300
分の範囲、さらに好ましくは3〜120分の範囲であ
る。なお、各成分を逐次に接触させる場合には、各接触
段階において異なる温度および時間で接触を行うことも
可能である。
【0065】各成分を上記の有機溶剤中で接触させて触
媒を調製した後は、そのまま重合を行なう反応器に供給
してもよく、液相を固液分離や減圧留去等により除去し
てから供給してもよい。また、ヘキサン、ヘプタン、デ
カンやトルエンなどの溶剤で洗浄を行なった後に供給す
ることも可能である。さらには、各成分を連続的または
間欠的に触媒調製装置に供給し、触媒調製を連続して行
いながら重合反応器や予備重合を行う反応器に供給する
ことも可能である。
【0066】本発明において、前記(A)に対する
(B)の使用量は、通常(A)の100重量部に対し
て、(B)が0.01〜80重量部であり、好ましくは
0.05〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜20
重量部、特に好ましくは0.5〜10重量部の範囲であ
る。また、前記(A)が、非配位性イオン含有化合物が
微粒子状担体に化学結合したものである場合、(A)に
対する(B)の使用量は(B)中に含有されるジルコニ
ウム等の遷移金属1モルに対して、(A)中の非配位性
イオン含有化合物が0.05〜100モルであることが
好ましく、より好ましくは0.1〜50モル、さらに好
ましくは1〜10モル、特に好ましくは2.5〜4.0
モルの範囲である。
【0067】前記(B)と(C)の使用量は、(B)に
含有される遷移金属1モルに対して、通常1〜1 00、
000モルの範囲であり、好ましくは10〜50、00
0モルの範囲、さらに好ましくは50〜10、000モ
ルの範囲である。なお、前記オレフィン重合用触媒は、
少量のオレフィンを予備重合した予備重合触媒とするこ
とも可能である。予備重合において、オレフィンは、前
記重合用触媒1g当たり、通常0.01〜2、000
g、好ましくは0.05〜1,500g、より好ましく
は0.1〜1,000g、さらに好ましくは0.5〜5
00g、特に好ましくは1.0〜300gの範囲となる
ように重合される。
【0068】ここで使用されるオレフィンに制限はな
く、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン等の直鎖状オレフィンや、4−メチル
−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐オレ
フィン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセ
ン、ビニルノルボルナン、ビニルノルボルネン、エチリ
デンノルボルネン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエ
ン等の環状オレフィンなどが使用される。これらのうち
で好ましいものは、エチレン、プロピレン、1−ブテン
等の直鎖状オレフィン、ビニルシクロヘキサン等の環状
オレフィンであり、特にプロピレンを主成分として含む
ことが好ましい。
【0069】予備重合の方法に特に制限はなく、任意の
希釈剤中、あるいは希釈剤の非存在下に液状または気体
のオレフィンと接触させることにより行なわれる。予備
重合の温度は、特に制限されるものではなく、通常−8
0℃〜+150℃の範囲であり、好ましくは0〜100
℃、より好ましくは10〜90℃、さらに好ましくは2
0〜80℃の範囲である。予備重合を行った後は、その
まま重合に使用してもよく、また洗浄や乾燥などの工程
を経た後に使用することも可能である。さらには、各成
分を連続的または間欠的に予備重合反応器に供給し、連
続して予備重合を行うことも可能であり、この方法で得
られた予備重合触媒は、通常、単離されることなく、連
続的または間欠的に重合反応器に供給される。
【0070】本発明において、高分子量オレフィン重合
体は、前記成分(A)、(B)および(C)からなる触
媒を重合反応器に供給し、連続的にオレフィンを重合す
ることにより製造される。すなわち、前記触媒、オレフ
ィンおよび必要に応じて希釈剤等を連続的または間欠的
に重合を行う反応器に供給しながら、重合反応を停止す
ることなく、生成する重合体を連続的または間欠的に重
合反応器より取り出すことにより高分子量オレフィン重
合体の製造が行われる。
【0071】触媒の供給速度は、任意であるが、定常状
態における重合反応器中のオレフィン重合体濃度が、通
常10重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好
ましくは25重量%以上、さらに好ましくは30重量%
以上、よりさらに好ましくは35重量%以上、特に好ま
しくは40重量%以上の一定値となるように供給され
る。
【0072】重合反応器に供給された触媒の重合反応器
中における平均滞留時間は、通常5〜300分の範囲で
あり、好ましくは10〜180分、さらに好ましくは2
0〜150分の範囲である。平均滞留時間が短いと、触
媒当たりのオレフィン重合量が低くなり、ゲルの発生や
着色などにより成型品の外観に悪影響を及ぼすことがあ
る。
【0073】触媒の供給方法は、任意であり、ヘキサン
やヘプタンなどの不活性溶剤に分散されたスラリーの状
態で連続的または間欠的に供給する方法、少量のヘキサ
ンやヘプタンなどの不活性溶剤により沈降した固体状の
触媒を間欠的に圧入する方法、オイル等の高粘度媒体中
に分散させたものを圧入する方法、窒素などの不活性気
体により固体状の触媒を連続的または間欠的に圧入する
方法などが可能である。
【0074】重合反応器に供給された触媒により、触媒
中に含有される(A)固体助触媒成分1g当たり好まし
くは3,000g以上、より好ましくは6,000g以
上、さらに好ましくは8,000g以上、さらに好まし
くは10,000g以上、よりさらに好ましくは12,
000g以上、特に好ましくは14,000g以上、最
も好ましくは16,000g以上のオレフィンが重合さ
れる。オレフィンの重合量が上記未満では、得られるオ
レフィン重合体の成型品にゲルが発生したり、着色が起
こったりすることがある。
【0075】上記触媒により重合されるオレフィンに制
限はなく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン等の直鎖状オレフィンや、4−メ
チル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐
オレフィン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキ
セン、ビニルノルボルナン、ビニルノルボルネン、エチ
リデンノルボルネン、ノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン等の環状オレフィンなどが使用される。これらのう
ちで好ましいものは、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン等の直鎖状オレフィンであり、特にプロピレンを主成
分として含むことが好ましい。
【0076】これらのオレフィンは、定常状態における
重合反応器中のオレフィン重合体濃度が、通常10重量
%以上、好ましくは15重量%以上、より好ましくは2
0重量%以上、さらに好ましくは25重量%以上、より
さらに好ましくは28重量%以上、特に好ましくは30
重量%以上の一定値となるように供給される。上記オレ
フィンの重合に当たっては、その方法に特に制限はな
く、液体モノマー中で行なう塊状重合、プロパン、ブタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の不活性溶剤の存在下に液相
中で行うスラリー重合、気相モノマー中で行う気相重合
などが可能であり、かかるオレフィン重合体が不均一状
態で重合媒体中に分散した状態で重合が行われることが
好ましい。さらには、液体媒体中で重合を行う方法、す
なわち、塊状重合およびスラリー重合が好ましく、最も
好ましくは塊状重合であり、特に重合媒体中に気相が実
質的に存在しない状態で行なうことが好ましい。また、
これらの重合方法を併用することも可能である。
【0077】重合温度は、任意であるが、通常は0〜1
20℃の範囲であり、好ましくは20〜100℃の範囲
であり、さらに好ましくは40℃〜95℃、特に好まし
くは50℃〜90℃の範囲であり、最も好ましくは60
℃〜85℃の範囲である。また、重合時の圧力は、液相
中の重合においては常圧〜7.0MPa、気相中では常
圧〜5.0MPaの範囲が一般的であり、得ようとする
オレフィン重合体の性質や生産性などを考慮して適当な
範囲で選択することができる。
【0078】上記重合方法を行なうための重合反応器と
しては、連続的にオレフィン重合体の製造が行えるもの
であれば公知のものが使用可能である。例えば、スラリ
ー重合または塊状重合を行う場合には、オートクレーブ
型、チューブラー型、ループ型などの反応器が使用可能
であり、それらを複数組み合わせて使用することもでき
る。重合媒体中に気相が実質的に存在しない状態で重合
を行うには、ループ型の反応器を用いることが好まし
い。気相重合を行う場合には、塔型、横形などの反応器
が使用可能であり、攪拌には循環ガスにより流動床を形
成させる方法、攪拌羽による方法などが採用される。
【0079】本発明は、高分子量のオレフィン重合体を
製造することを目的とするものであるが、水素等の分子
量調節剤の使用を排除するものではない。本発明の方法
において、水素等の分子量調節剤を使用することによ
り、従来より広い分子量範囲のオレフィン重合体を製造
することが可能である。また、多段重合により広い分子
量分布の重合体を製造する場合や生成するオレフィン重
合体の分子量を微調整する場合などにおいて、任意に分
子量調節剤を使用することも可能である。
【0080】生成したオレフィン重合体は、排出弁や排
出管等を通じて重合反応器より排出され、未反応のモノ
マーや溶剤と分離される。その後、一般的には、触媒の
分解や乾燥、添加剤の配合、造粒などの工程が行われ
る。本発明により得られるオレフィン重合体がプロピレ
ン重合体である場合、得られる重合体は、通常80,0
00以上の重量平均分子量を有する高分子量の重合体で
あり、好ましくは100,000以上であり、より好ま
しくは、105,000以上、さらに好ましくは11
0,000以上、よりさらに好ましくは115,000
以上、特に好ましくは120,000以上、最も好まし
くは125,000以上の重量平均分子量を有する。
【0081】また、本発明により得られるオレフィン重
合体の分子量分布、すなわち、重量平均分子量Mwと数
平均分子量Mnの比Mw/Mnは、通常1.5以上であ
り、好ましくは2.0〜20.0の範囲、より好ましく
は2.3〜15.0の範囲、さらに好ましくは2.6〜
12.0の範囲、よりさらに好ましくは2.8〜10.
0の範囲、特に好ましくは3.0〜10.0の範囲、最
も好ましくは3.2〜8.0の範囲である。
【0082】さらに、本発明の方法により得られるオレ
フィン重合体においては、室温におけるキシレン可溶分
が通常5.0重量%以下であり、好ましくは4.0重量
%以下、より好ましくは3.0重量%以下、さらに好ま
しくは2.0重量%以下、よりさらに好ましくは1.6
重量%以下、特に好ましくは1.3重量%以下、最も好
ましくは1.0重量%以下である。本発明の方法により
得られるオレフィン重合体は、キシレン等の溶剤に可溶
な成分の含有量が少なく、各種の用途に適している。
【0083】なお、本発明の方法により得られるオレフ
ィン重合体がプロピレン重合体である場合、下記の構造
【0084】
【化1】
【0085】で表される、メチル基が隣接したプロピレ
ンの2,1−挿入に基づく位置不規則性単位が含まれて
いてもよく、通常この位置不規則性単位の量は0.05
〜3.00モル%の範囲である。なお、プロピレンの
2,1−挿入にもとづく位置不規則性単位の割合P(モ
ル%)は13C−NMRの測定結果をもとに求めることが
できる。上記(a)のメチル基に由来するピークは、テ
トラメチルシラン基準で16.5〜18.0ppmに出
現する(複数出現することもある)。従って、この範囲
に出現する全ピークの面積と、全メチル基に由来するピ
ーク(17.0〜22.5ppmの範囲に現れる)の面
積から、下記式(4)に従ってPを算出することができ
る。なお、メチル基が隣接した2,1−挿入にもとづく
位置不規則性単位が1単位形成されると、上記(a)に
由来するピークは2単位形成されることに注意を要す
る。
【0086】 P=(0.5×Ia /It )×(100−F) (4) Ia :(a)のメチル基に由来するピークの面積 It :全メチル基に由来するピークの面積 F:プロピレン以外のα−オレフィン含量(モル%) また、上記プロピレン重合体がプロピレンの単独重合体
である場合、この位置不規則性単位の割合は、好ましく
は0.10〜2.00モル%の範囲、より好ましくは
0.15〜1.80モル%の範囲、さらに好ましくは
0.20〜1.60モル%の範囲、よりさらに好ましく
は0.25〜1.4モル%の範囲、特に好ましくは0.
30〜1.40モル%の範囲、最も好ましくは0.35
〜1.30モル%の範囲である。
【0087】さらに、上記プロピレン重合体がプロピレ
ンの共重合体である場合、この位置不規則性単位の割合
は、好ましくは0.10〜1.80モル%の範囲、より
好ましくは0.15〜1.60モル%の範囲、さらに好
ましくは0.20〜1.40モル%の範囲、よりさらに
好ましくは0.23〜1.20モル%の範囲、特に好ま
しくは0.27〜1.00モル%の範囲、最も好ましく
は0.30〜0.90モル%の範囲である。
【0088】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらの例により何ら限定されるものでは
ない。なお、例中に述べる各種の特性は、下記の方法に
より測定したものである。 1.13C−NMRの測定 日本電子製JNM−GSX400により以下の条件で測
定した。
【0089】測定モード:プロトンデカップリング法、
パルス幅:8.0μs、パルス繰り返し時間:3.0
s、積算回数:20,000回、測定温度:120℃、
内部標準:ヘキサメチルジシロキサン、溶媒:1,2,
4−トリクロロベンゼン/ベンゼン−d6(容量比3/
1)、試料濃度:0.1g/ml) 2.プロピレンの2,1−挿入にもとづく位置不規則性
単位の割合の測定13 C−NMRの測定結果をもとに前記(1)式により算
出した。
【0090】3.重量平均分子量と数平均分子量の比M
w/Mnの測定 (1)検量線の作製 0.1重量%のBHT(2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール)を含む1,2,4−トリクロロベン
ゼン10mlに、分子量の異なる3種の標準ポリスチレ
ン試料(昭和電工(株)社製)をそれぞれ2mg入れ、
室温、暗所において1時間溶解し、その後GPC測定に
よりピークトップの溶出時間の測定を行った。この測定
を繰り返し、計12点(分子量580から850万)の
分子量とピークトップの溶出時間より、3次式近似で検
量線を作製した。
【0091】(2)重量平均分子量Mw、数平均分子量
Mnの測定 試験管に0.1重量%のBHTを含む5mlの1,2,
4−トリクロロベンゼンを採り、これにポリプロピレン
(試料)約2.5mgを投入した。この試験管に栓をし
た後、160℃の恒温槽で2時間かけて試料を溶解させ
た。得られた溶液を焼結フィルターで濾過した後、濾液
をWaters社製ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー装置150Cを用いて測定し、得られたクロマト
グラムからMwおよびMnを求め、これらの分子量の比
Mw/Mnを算出た。なお、GPCのその他の測定条件
は以下のとおりである。
【0092】検出器:示差屈折率計 カラム:昭和電工(株)製Shodex HT−G(1
本)および昭和電工(株)製Shodex HT−80
6M(2本)を直列に接続したもの カラム温度:140℃ 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(BHT0.1
重量%を含む) サンプル注入量:0.5ml 溶媒流量:1ml/分 装置内でのサンプル注入待ち時間:30分(ポリスチレ
ンは5分) 4.キシレン可溶分Xsの測定 プロピレン重合体約2gを正確に秤量し(これをW
(g)とする)、これを窒素気流下で250mlの沸騰
キシレンに溶解させた。その後、この溶液を25℃まで
冷却し、30分間放置し、生成した沈殿を速やかに濾過
した。得られた濾液の100mlを採取して、恒量を求
めたアルミ容器に入れ、これを窒素気流下で加熱するこ
とによりキシレンを蒸発させた。蒸発残分の重量を求め
(これをm(g)とする)、下記式(5)よりプロピレ
ン重合体のキシレン可溶分Xsを求めた。
【0093】 Xs(重量%)=m×250/W (5) 5.メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K7210に準拠し、230℃、2.16kg
荷重で測定した。 固体助触媒成分(A)の調製 5リットルのフラスコにシリカ500gを取り、窒素気
流下に120℃で6時間乾燥した。室温まで冷却後、ジ
クロロメタン3リットルを加え、攪拌しながら100g
のN,N−ジメチルアニリニウム〔4−(クロロジメチ
ルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ
ル〕トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラートを50
0mlのジクロロメタンに溶解させた溶液を2時間かけ
て滴下した。2時間還流後、室温まで冷却し、上澄み液
を除去した。その後2.5リットルのジクロロメタンで
5回洗浄した。得られた非配位性イオン含有化合物が微
粒子状担体に化学結合した助触媒成分の非配位性イオン
含量は0.11ミリモル/gであった。
【0094】実施例1 150リットルのループ型重合反応器(第1の重合反応
器)にプロピレンを60kg/時間の速度で供給した。
次いで、メタロセン化合物としてビス(2−メチル−4
−フェニル−1−インデニル)ジメチルシランジルコニ
ウムジクロライド(MPIZ)、前記に従って調製した
固体助触媒成分(A)およびトリ−n−オクチルアルミ
ニウム(以下、TNOAと略すことがある)の混合物を
20kg/時間のイソブタンにより第1の重合反応器に
供給(それぞれ10マイクロモル(μmol)/時間、
0.4g/時間および0.1モル/時間の供給速度に相
当)し、25℃で予備重合を行なった。第1の重合反応
器から排出された反応混合物を70℃に設定された29
0リットルの第2のループ型流通式重合反応器に連続的
に供給した。第2の重合反応器にはプロピレンを50k
g/時間、エチレンを2.0kg/時間の速度で連続的
に供給しながら連続的に重合を行った。MFRが2.1
g/10分のプロピレン共重合体が31kg/時間の速
度で製造された。第2の重合反応器中におけるプロピレ
ン重合体濃度は24重量%であり、固体助触媒成分1g
当たりのプロピレン共重合体生成量は78,000gで
あった。また、予備重合された触媒の第2の重合反応器
中における滞留時間は55分であった。
【0095】実施例2 TNOAの代わりにトリ−n−ヘキシルアルミニウム
(以下、TNHAと略すことがある)を用いた以外は同
様にして、実施例1の操作を繰り返した。MFRが2.
3g/10分のプロピレン共重合体が27kg/時間の
速度で製造された。第2の重合反応器中におけるプロピ
レン重合体濃度は21重量%であり、固体助触媒成分1
g当たりのプロピレン共重合体生成量は68,000g
であった。また、予備重合された触媒の第2の重合反応
器中における滞留時間は55分であった。
【0096】実施例3 TNOAの代わりにトリ−n−デシルアルミニウム(以
下、TNDAと略すことがある)を用いた以外は同様に
して、実施例1の操作を繰り返した。MFRが2.6g
/10分のプロピレン共重合体が25kg/時間の速度
で製造された。第2の重合反応器中におけるプロピレン
重合体濃度は19重量%であり、固体助触媒成分1g当
たりのプロピレン共重合体生成量は63,000gであ
った。また、予備重合された触媒の第2の重合反応器中
における滞留時間は55分であった。
【0097】実施例4 エチレンを使用せず、重合反応器中の水素濃度がプロピ
レンに対して200ppm(モル比)となるようにして
プロピレンの単独重合を行った以外は同様にして、実施
例1の操作を繰り返した。MFRが7.8g/10分の
プロピレン共重合体が25kg/時間の速度で製造され
た。第2の重合反応器中におけるプロピレン重合体濃度
は19重量%であり、固体助触媒成分1g当たりのプロ
ピレン共重合体生成量は63,000gであった。ま
た、予備重合された触媒の第2の重合反応器中における
滞留時間は55分であった。
【0098】比較例1 TNOAの代わりにトリ−n−ブチルアルミニウム(以
下、TNBAと略す)を用い、MPIZ、固体助触媒成
分(A)およびTNBAの混合物を20kg/時間のイ
ソブタンにより第1の重合反応器に供給(それぞれ30
マイクロモル/時間、0.9g/時間および0.3モル
/時間の供給速度に相当)した以外は同様にして、実施
例1の操作を繰り返した。MFRが4.1g/10分の
プロピレン共重合体が25kg/時間の速度で製造され
た。第2の重合反応器中におけるプロピレン重合体濃度
は19重量%であり、固体助触媒成分1g当たりのプロ
ピレン共重合体生成量は28,000gであった。ま
た、予備重合された触媒の第2の重合反応器中における
滞留時間は55分であった。
【0099】比較例2 TNOAの変わりにTNBAを用い、MPIZ、固体助
触媒成分(A)およびTNBAの混合物を20kg/時
間のイソブタンにより第1の重合反応器に供給(それぞ
れ30マイクロモル/時間、0.9g/時間および0.
3モル/時間の供給速度に相当)した以外は同様にして
実施例4の操作を繰り返した。MFRが22g/10分
のプロピレン重合体が27kg/時間の速度で製造され
た。第2の重合反応器中におけるプロピレン重合体濃度
は21重量%であり、固体助触媒成分1g当たりのプロ
ピレン共重合体生成量は30,000gであった。ま
た、予備重合された触媒の第2の重合反応器中における
滞留時間は55分であった。
【0100】比較例3 1)メタロセン溶液の調製 窒素気流下30mlのフラスコにMPIZを2.5マイ
クロモル採取し、このフラスコに室温で成分(C)とし
て0.5モル/リットル−TNBAのヘキサン溶液を
5.0ml加え、室温で1時間撹拌した。
【0101】2)重合用触媒の調製(成分(A)との接
触) 窒素気流下に、30mlフラスコに前記固体助触媒成分
(A)を10mg採取後、上記で得たメタロセン溶液を
0.5mlおよび0.5モル/リットル−TNBA/ヘ
キサン溶液を2.0ml添加し、30℃で10分間撹拌
し、重合用触媒のスラリーを得た。
【0102】3)プロピレンとエチレンの共重合 1 .5リットルのオートクレーブに0.5モル/リット
ル−TNBAのヘキサン溶液1ml、およびプロピレン
8モルを加え、65℃に昇温した後、上記重合用触媒を
オートクレーブ中に圧入し、重合を開始した。重合開始
1分後、エチレンをその分圧が0.25MPaとなるま
で導入し、70℃でプロピレンとエチレンを共重合し
た。エチレン導入から15分後、メタノールを圧入して
重合を停止させた。未反応のプロピレンを除去し、18
0gのプロピレン共重合体を得た。得られたプロピレン
共重合体のMFRは14g/10分であった。
【0103】比較例4 TNBAの代わりにTNOAを用いた以外は同様にし
て、比較例3の操作を繰り返して、200gのプロピレ
ン共重合体を得た。得られたプロピレン共重合体のMF
Rは15g/10分であった。上記の実施例および比較
例の結果を下記の表1にまとめて示す。
【0104】
【表1】
【0105】実施例1、4および比較例1、2から、本
発明においては特定の有機アルミニウムを使用している
ため、より高分子量の重合体が得られることがわかる。
また、比較例3および4から、バッチ式の重合において
は特定の有機アルミニウムを使用しても重合体の分子量
に大きな変化がないことがわかる。
【0106】
【発明の効果】上記に説明した如く、本発明によれば、
高分子量のオレフィン重合体を高い重合活性をもって得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられる触媒系を示すフロー
チャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB01A AC01A AC09A AC10A AC18A AC19A AC20A AC26A AC27A AC28A BA00A BA01B BB00A BB01B BC12B BC16B BC17B BC18B CA14C CA16C CA22C CA24C CA25C CA27C CA28C CA29C CA30C CA36C CA38C CA49C CB08C CB09C CB33C CB35C CB37C CB38C CB55C CB56C CB94C CB95C CB96C EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB10 EB17 EC01 FA02 GA01 GA05 GA06 4J128 AA01 AB01 AC01 AC09 AC10 AC18 AC19 AC20 AC26 AC27 AC28 AD00 AE00 BA00A BA01B BB00A BB01B BC12B BC16B BC17B BC18B CA14C CA16C CA22C CA24C CA25C CA27C CA28C CA29C CA30C CA36C CA38C CA49C CB08C CB09C CB33C CB35C CB37C CB38C CB55C CB56C CB94C CB95C CB96C EA01 EB02 EB04 EB05 EB07 EB10 EB17 EC01 FA02 GA01 GA05 GA06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)固体助触媒成分、(B)メタロセ
    ン化合物および(C)下記一般式(1) Rn AlX3-n (1) (式中、Rは炭素数5〜20の炭化水素基を表し、Xは
    ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基および
    アミド基からなる群から選ばれ、これらは互いに同一で
    もあっても相異なっていてもよく、nは1〜3の整数で
    ある)で表される有機アルミニウム化合物からなる重合
    用触媒を重合反応器に供給しながらオレフィンを連続的
    に重合することを含む高分子量オレフィン重合体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 (A)固体助触媒成分が非配位性イオン
    含有化合物を含む固体助触媒成分である、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 (A)固体助触媒成分が下記一般式
    (2) [M1 (R1a (R2b (R3 ) c (R4 −L) d- ・[M21 e+ (2) (式中、M1 はホウ素原子またはアルミニウム原子を表
    し、R1 、R2 およびR 3 は炭素数1〜20の炭化水素
    基もしくはハロゲン化炭化水素基、アルコキシ基、フェ
    ノキシ基またはハロゲン原子を表し、これらは互いに同
    一であっても相異なっていてもよく、R4 はヘテロ原子
    を含んでいてもよい、炭素数1〜20の炭化水素基を表
    し、Lはシリル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ホスフィノ基、
    およびこれらの基の1以上を有するアルキル基もしくは
    アリール基からなる群から選ばれ、a、bおよびcは0
    または1〜3の整数であり、dは1〜4の整数であり、
    かつ、a+b+c+d=4であり、[M21 e+
    1価のカチオンを表し、M2 は(e+1)価のカチオン
    を表し、X1 は任意の1価のアニオンを表し、eは0〜
    3の整数である)で表される非配位性イオン含有化合物
    (a−1)と微粒子状担体(a−2)とを接触させて得
    られたものである、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 重合用触媒が、前記(B)と(C)を予
    め接触させた後に、(A)を接触させたものである、請
    求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 オレフィン重合体がプロピレン重合体で
    ある、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 重合用触媒がオレフィンの少なくとも1
    種を予備重合した予備重合触媒である、請求項1〜5の
    いずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記重合用触媒によりオレフィンを連続
    的に予備重合し、予備重合触媒を連続的に調製する、請
    求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記重合用触媒を構成する各成分を、予
    備重合を行なう前にあらかじめ接触させて前記触媒を調
    製した後、この触媒を予備重合を行なう反応器に供給す
    る、請求7記載の方法。
  9. 【請求項9】 重合用触媒中に含まれる(A)固体助触
    媒成分1g当たり少なくとも3000gのオレフィンを
    重合する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 オレフィン重合体が不均一状態で重合
    媒体中に分散した状態でオレフィンを連続的に重合す
    る、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 0〜120℃の範囲でオレフィンを連
    続的に重合する、請求項1〜10のいずれかに記載の方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002275206A (ja) * 2001-03-16 2002-09-25 Japan Polychem Corp オレフィン重合用触媒及びそれを用いたオレフィンの重合方法

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