JP2002263969A - 部品の自動組立方法 - Google Patents

部品の自動組立方法

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孝志 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品間の寸法のマッチングを効率良く行える
部品の自動組立方法を提供する。 【解決手段】 本発明の部品の自動組立方法は、複数個
の部品A91を寸法測定してそれぞれの測定値及びスト
ックされる順番を記憶しつつストックする工程と、部品
B92の寸法を測定する工程と、部品Bの測定値に基づ
いてその部品B92と所定のすきまをもって組立可能な
部品A91をストックから選ぶ工程と、部品B92と前
記所定のすきまをもって組立可能な部品A91がストッ
クに無いときにストックの部品A91のうちストックさ
れる順番が早かったもの及び/又は測定値が寸法基準値
から離れているもの所定個とその部品B92とを排出す
る工程と、新たな部品A91を寸法測定してその測定値
及びストックされる順番を記憶しつつストックする工程
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部品間の寸法をマ
ッチングさせる部品の自動組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、玉軸受の製造工程においては、
内外輪を研削加工し、次いで超仕上げし、その後それら
の間に所定のすきま(すきま設定値)をもってボールを
介在させるように組立を行うが、各部品は寸法基準値か
らの若干のずれ(誤差)を有している。そこで組立工程
においては、外輪溝径Ma、内輪溝径Mb、ボール直径
Dとしたときの、以下の式[1]を満足する組合せを複
数の内外輪及びボールから選択している。 |Ma−Mb−2×D−(すきま設定値)|≦(許容値) [1] 上式を満足する内外輪及びボールの組合せを迅速かつ効
率的に得ることが、玉軸受の生産性に大きな影響を及ぼ
す。
【0003】特公平1−50537号公報に開示された
部品の自動組立方法では、先ず、複数個の外輪の寸法分
布が正規分布に従うと仮定してその中央値や標準偏差を
所定の値に設定し、各区分の面積が等しくなるようにそ
の正規分布の領域を複数の区分に分ける。次に、実際に
所定個数の外輪の寸法を測定して、それぞれを前記区分
に割り当て、それぞれの区分を記憶しつつストッカに収
納する。次に、一個の内輪の寸法を測定し、その内輪と
組立可能なものを、寸法測定されてストックされた所定
個数の外輪の中から一個選ぶとともに、予め寸法測定さ
れた複数のボールの中から所定個選ぶ。外輪を複数の区
分から選ぶ際に、そこに含まれる外輪の個数が多い区分
から、その内輪と組立可能なものがあるかどうかを調べ
ていくことで、上記式[1]を満足する内外輪及びボー
ルの組合せを得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】同公報に開示された部
品の自動組立方法では、中央値や正規分布を演算した
り、正規分布の領域を複数の区分に分けたりするのが煩
雑で、これらを安価な制御装置で実現しようとすると、
制御プログラムが複雑になるという側面があった。ま
た、寸法公差内にはあるものの寸法基準値からの誤差が
大きい外輪が、いつまでもストッカに残されて、結果と
してマッチング成功率(嵌合率)やマッチング迅速性の
低下を招くことがあった。本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであって、その目的は、部品間の寸法のマ
ッチングを効率良く行える部品の自動組立方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、部
品Aと、該部品Aに対して所定のすきまをもって組み立
てられる部品Bとの組合せを選択する部品の自動組立方
法において、複数個の部品Aを寸法測定してそれぞれの
測定値及びストックされる順番を記憶しつつストックす
る工程と、部品Bの寸法を測定する工程と、部品Bの測
定値に基づいてその部品Bと前記所定のすきまをもって
組立可能な部品Aをストックから選ぶ工程と、部品Bと
前記所定のすきまをもって組立可能な部品Aがストック
に無いときにストックの部品Aのうちストックされる順
番が早かったもの及び/又は測定値が寸法基準値から離
れているもの所定個とその部品Bとを排出する工程と、
新たな部品Aを寸法測定してその測定値及びストックさ
れる順番を記憶しつつストックする工程とを含むことを
特徴とする部品の自動組立方法によって達成される。ま
た、本発明の前記目的は、部品Aと、部品Bと、前記部
品A及びBの間に所定のすきまをもって組み入れられる
部品Cとの組合せを選択する部品の自動組立方法におい
て、一又は複数種類の寸法の部品Cを適宜用意する工程
と、複数個の部品Aを寸法測定してそれぞれの測定値及
びストックされる順番を記憶しつつストックする工程
と、部品Bの寸法を測定する工程と、部品Bの測定値に
基づいてその部品Bと前記所定のすきまをもって部品C
を組入れ可能な部品Aをストックから選ぶ工程と、部品
Bとの間に部品Cを前記所定のすきまをもって組入れ可
能な部品Aがストックに無いときにストックの部品Aの
うちストックされる順番が早かったもの及び/又は測定
値が寸法基準値から離れているもの所定個とその部品B
とを排出する工程と、新たな部品Aを寸法測定してその
測定値及びストックされる順番を記憶しつつストックす
る工程とを含むことを特徴とする部品の自動組立方法に
よって達成される。なお、ストックから部品Aを一個の
みを排出するときは、ストックされる順番が最も早かっ
たもの又は測定値が寸法基準値から最も離れているもの
を排出するように構成できる。
【0006】本発明においては、煩雑な中央値や正規分
布の演算を行わず、マッチングが成立しなかった際に部
品Bのみならずストックされた部品Aも排出する。な
お、このとき排出する部品Aは一個に限らず、複数個で
もよい。部品Aを複数個排出する場合、ストックされる
順番が早かったものと、測定値が寸法基準値から離れて
いるものとを排出してもよい。図6に示すように、例え
ば外輪(内輪でもよい)を多数加工するとき、研削工具
の熱膨張などに起因して、仕上がり寸法が寸法基準値か
ら大きくずれるようなロットがある。図6では、400
0〜5000個のロットで仕上がり寸法が寸法基準値か
ら大きくずれており、このロットのものは寸法公差内に
はあっても、マッチング不良(嵌合不良)を引き起こし
易い。従来のように、ストックした外輪を一切排出しな
いのでは、このロットのところでストッカにマッチング
不良になり易い外輪ばかりがストックされることとな
り、嵌合率が著しく下がる。せっかくストックした部品
Aを排出するのは、一見非効率的に思えるが、本発明者
は発想を転換して本発明を想到した。つまり、マッチン
グが成立しなかった際には、ストックされた部品Aのう
ち、今後もマッチングされる可能性が低いと思われるも
のを一又は複数個排出するのである。本発明によれば、
例えば寸法誤差が大きいなどの部品Aがいつまでもスト
ックされることがなくなり、総合的には部品間の寸法の
マッチングを従来より効率良く行うことができる。
【0007】本発明を実施する部品の自動組立装置は、
以下の構成とすることができる。すなわち、部品Aと、
該部品Aに対して所定のすきまをもって組み立てられる
部品Bとの組合せを選択する部品の自動組立装置におい
て、部品Aを寸法測定する測定手段と、寸法測定された
複数個の部品Aがストックされるストッカと、部品Aの
寸法測定値及びストックされる順番を記憶する記憶手段
と、部品Bの寸法を測定する測定手段と、部品Bの寸法
測定値を記憶する記憶手段と、制御手段とを含み、該制
御手段は、部品Bの測定値に基づいてその部品Bと前記
所定のすきまをもって組立可能な部品Aをストックから
選ぶ動作と、部品Bと前記所定のすきまをもって組立可
能な部品Aがストックに無いときにストックの部品Aの
うちストックされる順番が早かったもの及び/又は測定
値が前記寸法基準値から離れているものを排出のために
選ぶ動作とを行うことができ、制御手段によって排出の
ために選ばれた部品Aとそのときの部品Bとを排出する
排出手段を更に備えたことを特徴とする部品の自動組立
装置である。なお、同一の記憶手段によって、部品Aの
寸法測定値及びストックされる順番並びに部品Bの寸法
測定値を記憶するようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳細に説明する。図1に、本発明の部品の自動
組立方法の一例を実施可能な自動組立装置を示す。本装
置10は、玉軸受の内外輪及びボールの寸法マッチング
を行うものである。自動組立装置10は、内輪92をそ
こに転がして供給する傾斜溝状の内輪シュート11を備
えている。内輪シュート11の側面には、間欠的に一個
ずつ内輪92を下方に放す供給ユニット12と、供給ユ
ニット12から転がってきた内輪92を停止するための
ソレノイド13とが設けられている。ソレノイド13に
略対向する位置には、内輪92の溝径を測定するセンサ
14が設けられている。
【0009】また、自動組立装置10は、外輪91をそ
こに転がして供給する傾斜溝状の上部外輪シュート16
aを備えている。上部外輪シュート16aの側面には、
間欠的に一個ずつ外輪91を下方に放す供給ユニット1
7と、供給ユニット17から転がってきた外輪91を停
止するための第一ソレノイド18とが設けられている。
ソレノイド18に略対向する位置には、外輪91の溝径
を測定するセンサ19が設けられている。さらに、上部
外輪シュート16aの側面には、第一ソレノイド18か
ら転がってきた外輪91を停止するための第二ソレノイ
ド20と、第二ソレノイド20によって停止された外輪
91を上部外輪シュート16aから不良外輪ストア22
へと押し出すことができる第一排出プッシャ21とが設
けられている。
【0010】第二ソレノイド20から転がってきた外輪
91は、このシュート16aの下部に配置されたストッ
カ23内にストックされる。ストッカ23は、複数個
(例えば20個)のストック場所を有している。ストッ
カ23は、上部外輪シュート16aが延びる方向に対し
て略垂直方向に延びるレール23a上で可動に配置され
ている。ストッカ23は、モータ(例えばステッピング
モータ)24によって駆動されてレール23a上を移動
し、空となったストック場所にいつでも外輪91をスト
ックできるように構成されている。
【0011】ストッカ23には、自動組立装置10の内
部に備えられた第二排出プッシャ25が突没可能な(進
退可能な)孔(図示せず)が設けられており、第二排出
プッシャ25がその孔を貫通してストッカ23内の外輪
91を押し出せるようになっている。こうしてストッカ
23から押し出された外輪91は、下部外輪シュート1
6bへと運ばれる。
【0012】図1に示した装置を制御する回路の例を図
2に示す。図2は、マイクロコンピュータを用いて構成
した制御回路の例を示しているが、制御回路の形態は特
にこれに限定されず、配線論理回路などによって実装さ
れてもよい。制御回路30は、中央処理ユニット(CP
U)31、ROM32、RAM33、入力バッファ3
5、出力バッファ36、及びこれらを結合するバス34
を備えている。
【0013】入力バッファ35は、内輪及び外輪の溝径
センサ14,19からそれぞれ測定したデータを受信し
て一時蓄積するバッファで、A/D変換機能やレジスタ
機能を有するブロックである。また入力バッファ35
は、モータ24からストッカの位置情報も受信する。出
力バッファ36は、モータ24、内輪供給ユニット1
2、外輪供給ユニット17、内輪シュートのソレノイド
13、外輪シュートの第一ソレノイド18及び第二ソレ
ノイド20、第一排出プッシャ21、第二排出プッシャ
25に接続されている。出力バッファ36は、バス34
から受信したデータに基づいてこれらの出力装置を駆動
する駆動回路を有するブロックである。
【0014】ROM32には、後述する制御プログラム
などの各種プログラムが記憶されている。RAM33に
は、各部品の寸法許容値などの条件データや、センサ1
4,19で検出した溝径データやストッカ内での外輪の
ストック位置などが一時的に記憶される。これらのデー
タの転送はバス34を介して行われ、これらのデータの
演算処理や制御はCPU31で行われる。
【0015】図3に、ボール供給装置の一例を示す。こ
のボール供給装置40は、5種類の寸法のボールを貯留
・供給できる構成になっている。貯留部41は、5個の
ホッパ41a〜41eからなっており、各ホッパには異
なる寸法のボールが収納される。各ホッパ41a〜41
eから伸びたフレキシブルシュート42は、シャッタ部
43に接続されている。シャッタ部43は、各フレキシ
ブルシュート42に対応したシャッタ(ソレノイド)4
3a〜43eを備えている。シャッタ43a〜43eを
開閉することで、所定の寸法のボールが取り出される。
なお、シャッタ43a〜43eは、図2に示した制御回
路30によって開閉されてもよい。
【0016】本発明の部品の自動組立方法(制御プログ
ラム)の一例を以下に説明する。予め、図3に示したボ
ール供給装置40の各ホッパ41a〜41eに、寸法基
準値に対して±2.5μmの溝径寸法誤差を有するボー
ル、0μmの溝径寸法誤差を有するボール(ちょうど寸
法基準値のボール)、±5μmの溝径寸法誤差を有する
ボールを貯留しておく。これにより、内外輪の許容寸法
差は±10μmとなる。つまり、例えばちょうど寸法基
準値の内輪があったとき、外輪は外輪の寸法基準値から
±10μmの範囲で寸法がずれていることが許容され
る。図1に示す自動組立装置10を起動した後、上部外
輪シュート16aに設けられた供給ユニット17から一
個の外輪91を転がし、第一ソレノイド18の突出した
ピンでその外輪91を停止するとともにセンサ19で外
輪溝径Maを測定する(図4のS101)。
【0017】次に、その外輪91の溝径Maが寸法公差
内かどうか判断する(図4のS102)。外輪溝径Ma
が寸法公差内であれば、第一ソレノイド18のピン及び
第二ソレノイド20のピンを引込めてその外輪91を下
方に転がすとともに、モータ24によりストッカ23を
駆動してストッカ23の所定ストック位置に収納する。
この際、その外輪91の溝径Ma、ストック位置、スト
ッカ23に収納される順番をRAM33に記憶する。ス
トッカ23に収納される順番の情報形態としては、1、
2、3、・・・という番号でも、収納時間でもよい(図
4のS103)。外輪溝径Maが寸法公差外であれば、
第一ソレノイド18のピンを引込めてその外輪91を第
二ソレノイド20のピンで受け止めるとともに、第一排
出プッシャ21によりその外輪91を不良外輪ストア2
2へと押し出す(図4のS104)。
【0018】ストッカ23内に所定個(例えば20個)
の外輪91が収納されて満杯になるまで、上記作業を続
ける(図4のS105)。なお、この初期ストック工程
は、外輪91の溝径Maを測定して記憶しこれをストッ
ク位置にストックするとともに、溝径Mbを測定した1
個の内輪92とその都度マッチングを行い、マッチング
が成功した場合にはその外輪91及び内輪92を取り出
し、マッチング不良の場合にはその外輪91をストック
するように構成してもよい。
【0019】次に、内輪シュート11に設けられた供給
ユニット12から一個の内輪92を転がし、ソレノイド
13の突出したピンでその内輪92を停止するとともに
センサ14で内輪92の溝径Mbを測定する(図4のS
106)。
【0020】次に、その内輪92の溝径Mbが寸法公差
内かどうか判断する(図4のS107)。内輪溝径Mb
が寸法公差外であれば、ソレノイド13のピンを引込め
てその内輪92を下方に転がすとともに排出する(図4
のS109)。内輪シュート11の下部には、転がって
きた内輪92をそのまま組立工程へ転がしたり、転がっ
てきた内輪92を排出シュート11dへ転がしたりでき
る適宜な切替手段11cが設けられている。この切替手
段11cは、図2に示した制御回路によって駆動されて
もよい。なお、不良内輪の排出機構はこの形態に限定さ
れず、例えば、上述した不良外輪の排出機構と同様なも
のを採用してもよい。
【0021】内輪溝径Mbが寸法公差内であれば、その
内輪92とストッカ23の中の外輪91とボールとにつ
いて、上述した式[1]を計算する(図4のS10
8)。なお、ボールの直径Dはここでは5種類ある。計
算結果から、その内輪92とマッチング可能な外輪9
1、即ちその外輪91と前記内輪92との間に所定のす
きまをもってボールを組入れ可能な外輪91がストッカ
23の中にあるか、判断する(図4のS110)。な
お、全ての内外輪、ボールについて計算を完了する以前
に、マッチング可能な外輪91及びボールが見つかった
場合、その見つかった時点でS108の計算を中止して
もよい。
【0022】マッチングが成立した場合は、その内輪9
2と外輪91とを取り出す(図4のS111)。ストッ
カ23から外輪91を取り出す際には、モータ24を駆
動してその外輪91のストック位置を第二排出プッシャ
25の位置に合わせるとともに、第二排出プッシャ25
によりその外輪91を下部外輪シュート16bへと運
ぶ。下部外輪シュート16bの側面には、転がってきた
外輪91をそのまま組立工程へ転がしたり、転がってき
た外輪91を排出シュート16dへ転がしたりできる適
宜な切替手段16cが設けられている。この切替手段1
6cは、図2に示した制御回路によって駆動されてもよ
い。
【0023】マッチングが成立しなかった場合は、その
内輪92と、ストッカ23内の外輪のうちストックされ
る順番が最も早かった外輪91又は測定値Maが寸法基
準値から最も離れている外輪91とを排出する(図4の
S112)。ストックされる順番が最も早かったという
ことは、ストッカ23に最も長くストックされているこ
とを意味し、このような外輪91は今後もマッチングが
成立する可能性が低いものである。測定値Maが寸法基
準値から最も離れている外輪91も、今後マッチングが
成立する可能性が低いものである。
【0024】次に、外輪91が嵌合成立に基づいて取り
出されるか嵌合不成立に基づいて排出されるかして空に
なったストッカ23のストック位置に、新たな外輪91
を上部外輪シュート16aの供給ユニット12から一個
下方に転がして、その外輪91の溝径Maを測定する
(図4のS101に戻る)。
【0025】このように、マッチングが成立する可能性
が低い外輪91を排出し、そのストック位置に新たな外
輪91を補充して、ストッカ23をマッチングが成立す
る可能性が高い外輪91で満たしておくことで、煩雑な
演算などを経ることなく、嵌合率の著しい向上が可能と
なる。また、マッチングに要する時間も短縮されて、生
産性の向上が可能となる。
【0026】図5に基づいて、本発明実施例の効果を説
明する。図5に示すグラフは、横軸は供給ユニット12
から一個供給された内輪92の寸法誤差(寸法基準値か
らのずれ)を表し、縦軸はその内輪92に対する外輪9
1・ボールの嵌合率を表す。この嵌合率は、各寸法誤差
の内輪92について所定回数マッチングを行ったうちの
嵌合不成立となった割合を1から減じた値を百分率で表
したものである。グラフ中、●は上述したような本発明
実施例による結果を示し、×は従来のようにストッカか
ら外輪を排出しない方法(比較例)による結果を示す。
寸法誤差が±10μmの範囲では、ボールの選択次第で
調整が効くため実施例でも比較例でも略100%の嵌合
率であったが、寸法誤差が±10μmを越えた範囲で
は、実施例と比較例とで結果に大きな差が生じ、実施例
は比較例に対して極めて高い嵌合率を得た。
【0027】なお、本発明は前述した実施形態、実施例
に限定されるものではなく、適宜な変形、改良等が可能
である。例えば、複数個の内輪をストッカに収納して、
一個ずつの外輪に対してマッチングを調べるように構成
してもよい。また、玉軸受等の軸受の組立に限らず、本
発明は他の様々な部品の組立に適用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
部品間の寸法のマッチングを効率良く行える部品の自動
組立方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を実施可能な自動組立装置
示す概略斜視図である。
【図2】図1の自動組立装置の制御手段を説明する回路
図である。
【図3】ボールの供給装置を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態を説明するフローチャート
である。
【図5】本発明の効果を説明するグラフである。
【図6】寸法誤差の発生を説明するグラフである。
【符号の説明】
10 玉軸受の自動組立装置(部品の自動組立装
置) 14,19 溝径センサ(測定手段) 23 ストッカ 25 第二排出プッシャ(排出手段) 91 外輪(部品A) 92 内輪(部品C)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品Aと、該部品Aに対して所定のすき
    まをもって組み立てられる部品Bとの組合せを選択する
    部品の自動組立方法において、 複数個の部品Aを寸法測定してそれぞれの測定値及びス
    トックされる順番を記憶しつつストックする工程と、部
    品Bの寸法を測定する工程と、部品Bの測定値に基づい
    てその部品Bと前記所定のすきまをもって組立可能な部
    品Aをストックから選ぶ工程と、部品Bと前記所定のす
    きまをもって組立可能な部品Aがストックに無いときに
    ストックの部品Aのうちストックされる順番が早かった
    もの及び/又は測定値が寸法基準値から離れているもの
    所定個とその部品Bとを排出する工程と、新たな部品A
    を寸法測定してその測定値及びストックされる順番を記
    憶しつつストックする工程とを含むことを特徴とする部
    品の自動組立方法。
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