JP2002263712A - 汎用性に優れる継目無鋼管の製造方法 - Google Patents
汎用性に優れる継目無鋼管の製造方法Info
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Abstract
る継目無鋼管およびその製造方法を提供できる。 【解決手段】(1) C:0.05〜0.35%、Si:0.1%〜1.0
%、Mn:0.3〜1.5%を含有し、複数スタンドの絞り圧延
機または定径圧延機で最終仕上げ圧延を行って製造され
る継目無鋼管であって、前記最終仕上げ圧延機における
外径加工度 Rd(%)が下記(a)式を満足することを特徴
とする汎用性に優れる継目無鋼管である。 (2) 上記継目無鋼管の製造方法であって、最終仕上げ圧
延機における外径加工度Rd(%)が下記(a)式を満足す
るように圧延することを特徴とする。 C(%)+Si(%)/7+Mn(%)/5≧ (Ys+3.933×WT−0.2
01×Rd−174.202)/353.413 ・・・ (a)
Description
り当て可能な、汎用性に優れる継目無鋼管の製造方法に
関し、さらに詳しくは、JISで規定する配管用炭素鋼
管(STPG、STS、STPT)、機械構造用炭素鋼鋼管(STK
M)等の広い用途の鋼管に、仕上圧延ままで、新たに熱
処理を施すことなく適用することができる継目無鋼管の
製造方法に関するものである。
管であっても、寸法精度と生産性の面で有利なことか
ら、継目無鋼管を熱間圧延で製造する方法である、いわ
ゆるマンネスマン製管法が広く採用されている。
高温度に加熱された中実の素材ビレットを被圧延材と
し、この素材ビレットを穿孔圧延機(いわゆる、ピアサ
ー)に送給して、その軸心部を穿孔して中空素管を得
る。次いで、得られた中空素管をマンドレルミルまたは
プラグミルなどの後続する延伸圧延装置に送給して延伸
圧延する。その後、再加熱炉で再加熱して、複数スタン
ドの絞り圧延機(ストレッチレデューサ)または定径圧
延機(サイザー)で最終仕上げ圧延を実施し、形状修正
およびサイジングを行う精整工程を経るとともに、常温
まで冷却して製品となる継目無管を製造する。
(STPG、STS、STPT)や機械構造用炭素鋼鋼管(STKM)
等に振り当てられる鋼管は、効率的生産の観点から、最
終仕上げ圧延工程を終了したのち、再度熱処理を施され
ることはない。したがって、これらの鋼管は、最終仕上
げ圧延後に冷却された圧延ままの状態で、製品に要求さ
れる引張強さ、降伏点(または耐力)および伸び等の機
械的性質を満足しなければならず、さらに個別のユーザ
ーから特別仕様を要求される場合には、これらを具備す
る必要もある。
に、鋼管の製品サイズの影響を受けやすいものである。
このため、従来では、圧延ままの状態で機械的性質等を
満足させるため、製品サイズ毎に適用材質を変更する方
法が採られていた。しかし、この方法では、製品サイズ
毎、および材質毎をベースとした小ロットの製造で対応
しなければならず、比較的多くの余剰鋼管が発生すると
いう問題がある。
め、素材の適用材質を限定したとしても、全ての製品サ
イズで規定される機械的性質を満足するには、規定され
た成分範囲の上限の材質のもの、さらには合金元素を追
加添加した材質のものも適用して製造しなければならな
い。このため、余剰鋼管の増加は抑制できるが、製造コ
ストが高騰するという問題がある。
−117832号公報では素材コストの低減が図れるように、
規定された成分範囲の下限値の素材、すなわち、炭素当
量で0.15〜0.45%の低合金鋼を最終圧延した鋼管を、オ
ーステナイト域温度に再加熱して、急冷し焼き戻し熱処
理を行う継目無鋼管の製造方法が提案されている。しか
し、ここで提案された製造方法では、確かに規定された
仕様を満足する継目無鋼管の製造は可能になるが、最終
圧延後に新たに熱処理が必要になることから、トータル
の製造コストの増大を促し、効率的生産の観点からは問
題がある。
S等で規定される炭素鋼、低合金鋼の製造面で有する問
題点に鑑みてなされたものであり、C、SiおよびMnの含
有量を規定する炭素鋼または低合金鋼を対象として、最
終圧延時の外径加工度 Rd(%)を製品寸法および機械
的性質との関係で制御することによって、多品種の鋼管
に振り当て可能な、汎用性に優れる継目無鋼管の製造方
法を提供することを目的としている。
題を解決するため、素材の化学組成および製品の機械的
性質との関係について種々検討を重ねた結果、JISで
規定する配管用炭素鋼管や機械構造用炭素鋼鋼管に適用
される炭素鋼または低合金鋼では、機械的性質のうち降
伏応力 Ys(N/mm2)と製品肉厚 WT(mm)と最終仕上げ
圧延機における外径加工度 Rd(%)の間には一定の相
関が有り、これらの相関は、さらに素材の化学組成と関
連づけられることを知見した。
ものであり、下記の継目無鋼管の製造方法を要旨として
いる。
Si:0.1〜1.0%およびMn:0.3〜1.5%を含有する素材ビ
レットを穿孔圧延および延伸圧延して、複数スタンドの
絞り圧延機または定径圧延機で最終仕上げ圧延を行うに
際し、前記最終仕上げ圧延機における外径加工度 Rd
(%)が下記(a)式を満足するように圧延することを特
徴とする汎用性に優れる継目無鋼管の製造方法である。
化学組成、製品の下限降伏応力 Ys(N/mm 2)、製品
肉厚 WT(mm)および最終仕上げ圧延機における外径加
工度 Rd(%)の相関を明らかにしたことに特徴があ
る。以下、これらの関係を項分けして説明する。 1.素材の化学組成について C:0.05〜0.35% Cは鋼管の常温強度を確保するのに必須の元素である
が、含有量が0.05%未満では所定の強度が確保できず、
一方、含有量が0.35%を超えると、鋼管の靭性および溶
接性を劣化させる。このため、C含有量を0.05〜0.35%
とした。
され残存する元素である。所要の常温強度を確保するの
に必須の元素であるが、含有量が多くなりすぎると、鋼
管の靭性および溶接性を劣化させる。このため、Si含有
量は0.1〜1.0%とした。
るが、含有量が少なすぎると所定の強度が確保できず、
一方、含有量が過剰になると、鋼管の靭性および溶接性
を劣化させる。このため、Mn含有量は0.3〜1.5%とし
た。
は、鋼管の強度、靱性および溶接性に及ぼす影響に基づ
いて、その範囲を規定している。通常、鋼管の強度、靱
性および溶接性に及ぼす影響指数としてC当量が用いら
れるが、下記の(b)式によって算出される。
規定するが、その他にP:0.0200%以下、S:0.0200%
以下、Ni:0.20%以下、Mo:0.10%以下、Cr:0.10%以
下、Ti:0.020%以下、Nb:0.010%以下、V:0.020%
以下、sol.Al:0.050%以下等の元素のうち1種または
2種以上を適宜含有することができる。 2.製品の下限降伏応力 Ys(N/mm2)、製品肉厚 WT
(mm)および最終仕上げ圧延機における外径加工度 Rd
(%)の相関について 前述の通り、JISで規定する配管用炭素鋼管、機械構
造用炭素鋼鋼管では、要求される製品品質として、引張
強さ、降伏点(または耐力)、伸び、さらにへん平性、
曲げ性が規定されている。本発明者らの検討によれば、
これらの品質特性のうち、下限降伏応力(N/mm2)を
具備させるようにすれば、自ずから他の特性も満足させ
ることが可能であり、さらに配管用、機械構造用鋼管と
して必要な溶接性も確保できることを確認している。
0)相当の215N/mm2を満足する場合での、最終仕上げ
圧延機の外径加工度 Rd(%)と素材の化学組成との関
係を、製品肉厚 WT(mm)をパラメータとして示した図
である。縦軸は、素材鋼の化学組成をC当量(C%+Mn
%/5+Si%/7)で表している。また、供試した鋼管の
仕上寸法は、外径139.7mm×肉厚30.0mmおよび外径50.8m
m×肉厚4.0mmとした。
上の降伏応力を確保しようとすると、鋼管寸法が厚肉材
(30.0mm)であるか、または薄肉材(4.0mm)であるか
に拘わらず、最終仕上げ圧延機の外径加工度 Rd(%)
を大きくすると、素材のC当量を低減することができ
る。これらのことから、素材のC当量、製品肉厚 WT(m
m)および最終仕上げ圧延機の外径加工度 Rd(%)の間
には一定の相関があることが分かる。
05〜0.35%、Si:0.1〜1.0%、Mn:0.3〜1.5%を前提と
して、これらの関係を多重回帰分析した結果、下記(a)
式を得ることができる。
方、(a)式の右辺は、製品の下限降伏応力 Ys(N/m
m2)、製品肉厚 WT(mm)および最終仕上げ圧延機にお
ける外径加工度 Rd(%)の関連を表している。したが
って、縦目無鋼管の製造において、最終圧延機の外径加
工度 Rd、製品肉厚 WTおよび下限降伏応力 Ysの関係が
上記(a)式を満足するような製造条件を採用することに
よって、JISで規定する配管用炭素鋼管(STPG、ST
S、STPT)、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM)等の広い用
途に適用できる鋼管を製造することができる。
件で製造された鋼管であれば、新たに熱処理を施すこと
なく、仕上圧延直後のものであっても、また仕掛り在庫
のものであっても、所定用途の炭素鋼鋼管、または低合
金鋼鋼管として振り当てることが可能となる。特に、個
別ユーザーから特定成分の含有量を規定されている場合
であっても、本発明の継目無鋼管を適用すれば、余剰鋼
管の積み上げを抑制することができる。
最終仕上げ圧延機は3ロール式15〜26スタンドのストレ
ッチレデューサであり、または2ロール若しくは3ロー
ル式5〜12スタンドのサイザーである。さらに、製管温
度の例としては、再加熱炉設定温度を900〜1050℃と
し、仕上げ温度を700〜950℃とする場合がある。
を確認するため、C、Si、Mnをそれぞれ含有する素材ビ
レットを準備した。この素材ビレットを加熱炉で1250℃
に加熱後、ピアサーで穿孔して中空素管とし、引き続き
マンドレルミルで延伸圧延して仕上げ圧延用素管を製造
した。次に、仕上げ圧延用素管を1100℃に再加熱してか
らストレッチレヂューサを通して外径27.2mm×肉厚3.5m
m、外径50.8mm×肉厚5.5mm、外径88.9mm×肉厚10.0mmお
よび外径139.7mm×肉厚30.0mmの鋼管を製造した。
機械的性質を測定するとともに、溶接試験を行い、溶接
性の評価を実施した。素材ビレットの化学組成、鋼管の
目標値、仕上圧延条件、機械的性質のうち降伏応力、お
よび溶接性の評価結果を表1および表2に示す。
のいずれも満足するNo.1〜3材、No.10〜13、No.22〜2
3およびNo.33材は、ストレッチレデューサで仕上圧延を
したままの状態であっても、製品として要求される降伏
応力を満足し、優れた溶接性を発揮することが分かる。
したがって、これらは、JISで規定する配管用炭素鋼
管(STPG、STS、STPT)、機械構造用炭素鋼鋼管(STK
M)のいずれの用途の鋼管にも振り当てることができ
る。その他の供試材は、素材の化学組成、または前記
(a)式の条件を具備しないため、降伏応力が不足であっ
たり、溶接割れの発生があることからこれらに振り当て
ることができない。
によれば、最終仕上げ圧延機における外径加工度 Rd
(%)を、素材の化学組成、目標降伏応力および目標肉
厚に応じてコントロールすることによって、仕上圧延後
に新たに熱処理を施すことなく、多品種の鋼管に振る当
てすることができる。これにより、製造コストの低減が
図れ、一層の継目無鋼管の効率的な多品種少量生産が可
能になる。
N/mm2を満足する場合における、最終仕上げ圧延機の
外径加工度 Rd(%)と素材の化学組成との関係を、製
品肉厚 WT(mm)をパラメータとして示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】質量%で、C:0.05〜0.35%、Si:0.1〜
1.0%およびMn:0.3〜1.5%を含有する素材ビレットを
穿孔圧延および延伸圧延して、複数スタンドの絞り圧延
機または定径圧延機で最終仕上げ圧延を行うに際し、前
記最終仕上げ圧延機における外径加工度 Rd(%)が下
記(a)式を満足するように圧延することを特徴とする汎
用性に優れる継目無鋼管の製造方法。 C(%)+Si(%)/7+Mn(%)/5 ≧ (Ys+3.933×WT−0.201×Rd−174.202)/353.413 ・・・ (a) ここで、 Ys:製品の下限降伏応力(N/mm2) WT:製品肉厚(mm)
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