JP2002263180A - 揮発性液体の揮散装置 - Google Patents

揮発性液体の揮散装置

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JP2002263180A
JP2002263180A JP2001069768A JP2001069768A JP2002263180A JP 2002263180 A JP2002263180 A JP 2002263180A JP 2001069768 A JP2001069768 A JP 2001069768A JP 2001069768 A JP2001069768 A JP 2001069768A JP 2002263180 A JP2002263180 A JP 2002263180A
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volatile
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lid
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Takamasa Muramoto
孝允 村本
Toshio Abe
敏夫 阿部
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Fumakilla Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】揮散装置の構成部品数の低減により、廃棄物数
量を削減するとともに製造効率を高め、さらに、揮発性
液体の揮散量の調整が容易で取扱いやすい揮発性液体の
揮散装置を提供すること。 【解決手段】揮発性液体3を吸液・揮散するための吸液
材1が仕切栓2に挿通され、仕切栓2の上部に形成され
た吸液材1の揮散部1aが垂直方向に起立し、仕切栓2
の下部に形成された吸液材1の吸液部1bが容器本体4
内に収容された揮発性液体3に浸漬され、該仕切栓2と
容器本体4とが嵌合され、蓋体7と吸液材1の揮散部1
aとの空隙に揮発性液体3の蒸気が揮散するための揮散
窓8が開閉自在に形成され、蓋体7を上下方向に移動さ
せることによって該揮散窓8の大きさを調整しうるよう
に、蓋体7が前記仕切栓2と接合されてなる揮発性液体
の揮散装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性液体の揮散
装置に関する。さらに詳しくは、消臭剤、芳香剤、防虫
剤、殺虫剤などの揮発性液体を吸液材で吸い上げ、大気
中にその揮発性液体の蒸気を揮散させるための揮散装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、容器中の揮発性液体を吸い上げ、
大気中にその揮発性液体の蒸気を発散させるための揮散
装置は、揮発性液体を吸い上げる芯などの吸液材と、吸
い上げた揮発性液体を揮散させるための比較的大きい表
面積を有するマットなどの揮散材とから構成されてい
る。
【0003】この揮散装置は、吸液材と揮散材とが別素
材からなる揮散装置と、吸液材と揮散材とが同一素材か
らなる揮散装置に大別される。近年、これらの中では、
その構成部品数が少なくてすむことから、後者の揮散装
置が主流となりつつある(実公昭62-2051 号公報、実公
平5-32125号公報)。
【0004】しかしながら、従来の吸液材と揮散材とが
同一素材からなる揮散装置は、確かに吸液材と揮散材と
が別素材からなる揮散装置と対比して、その構成部品数
が少ないとう利点があるが、例えば、吸い上げおよび揮
散のための吸液兼揮散材、吸液兼揮散材の引っ張り支持
具、吸液兼揮散材の挿通中栓、液体を収容する容器体、
引っ張り支持具を取り付けた容器体の密閉キャップ、揮
散開口を有する蓋体というように、数多くの構成部品を
必要とするので、製造効率が悪いのみならず、その廃棄
処理時に分別するのが煩雑であるという欠点がある。
【0005】なお、揮散装置の中には、吸い上げおよび
揮散の吸液兼揮散材、吸液兼揮散材の引っ張り支持具、
液体を収容する容器体、容器体の密閉および引っ張りの
ための支持具を取り付けた蓋体の合計4部品から構成さ
れるものも提案されている。
【0006】しかしながら、このタイプの揮散装置は、
蓋体で吸液兼揮散材を大気に直接曝す形式であり、蓋体
も小さいため、使用している間に吸液兼揮散材の表面に
ホコリなどが付着し、液体の揮散量が次第に低下するの
で、一定した液体の揮散量を維持することが困難である
という欠点がある。また、液体の揮散量の調整は、容器
上部から突出している吸液兼揮散材の長さを調節するこ
とによって行われるが、容器上部から突出している吸液
兼揮散材の長さが長い場合には、不安定で倒れやすく、
また容器から吸液兼揮散材を誤って引っ張り過ぎて容器
から抜き取ってしまった場合には、使用できなくなると
いう欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、揮散装置の構成部品数
の低減により、廃棄物数量を削減するとともに製造効率
を高め、さらに、揮発性液体の揮散量の調整が容易で取
扱いやすい揮発性液体の揮散装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)揮発性液体を吸液・揮散するための吸液材が仕切
栓に挿通され、仕切栓の上部に形成された吸液材の揮散
部が垂直方向に起立し、仕切栓の下部に形成された吸液
材の吸液部が容器本体内に収容された揮発性液体に浸漬
され、該仕切栓と容器本体とが嵌合され、蓋体と吸液材
の揮散部との空隙に揮発性液体の蒸気が揮散するための
揮散窓が開閉自在に形成され、蓋体を上下方向に移動さ
せることによって該揮散窓の大きさを調整しうるよう
に、蓋体が前記仕切栓と接合されてなる揮発性液体の揮
散装置、(2)仕切栓が、吸液材を載置するための載置
部、および蓋体を上下方向に移動させるための蓋体保持
部を有する前記(1)記載の揮発性液体の揮散装置、
(3)吸液材の揮散部の下端と仕切栓の載置部との間に
通気空間を形成してなる前記(1)または(2)記載の
揮発性液体の揮散装置、(4)吸液材の揮散部の下端と
仕切栓の載置部との間隙が、2mm以上である前記
(3)記載の揮発性液体の揮散装置、ならびに(5)仕
切栓が、吸液材の揮散部を起立して保持させるための凹
部を有する前記(2)〜(4)いずれか記載の揮発性液
体の揮散装置に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の揮発性液体の揮散装置
は、前記したように、揮発性液体を吸液・揮散するため
の吸液材が仕切栓に挿通され、仕切栓の上部に形成され
た吸液材の揮散部が垂直方向に起立し、仕切栓の下部に
形成された吸液材の吸液部が容器本体内に収容された揮
発性液体に浸漬され、該仕切栓と容器本体とが嵌合さ
れ、蓋体を上下方向に移動させることによって蓋体と仕
切栓との間で形成される揮発性液体の蒸気が揮散するた
めの揮散窓の大きさを調整しうるように、蓋体が吸液材
の揮散部の外周に配設されたものである。
【0010】したがって、本発明の揮発性液体の揮散装
置は、該揮散装置を構成している構成部品数が少なく、
その製造工程の簡略化が図られるのみならず、使用後の
廃棄物数量を削減することができるという、環境に優し
い装置である。
【0011】以下、本発明の揮発性液体の揮散装置を図
面に基づいて説明するが、本発明はかかる図面に記載の
態様のみに限定されるものではない。
【0012】図1は、本発明の揮散装置の一実施態様を
示す一部切欠き概略説明図である。図1において、揮発
性液体3を吸液し、かつ揮散するための吸液材1が仕切
栓2に配設された挿入孔2aを介して仕切栓2に挿入さ
れている。
【0013】吸液材1は、仕切栓2の上部に揮散部1a
を形成し、またその下部には吸液部1bを形成してい
る。本発明に用いられる吸液材1は、このように揮散部
1aと吸液部1bとを有するが、両者が一体化されてい
るので、揮発性液体3が常に安定して吸液材1に保持さ
れるという利点がある。
【0014】吸液材1としては、揮発性液体3を吸い上
げるとともに、揮散させる素材であればよい。その具体
例としては、天然パルプ板、フェルト、不織布、濾紙、
紙、吸水性処理が施された樹脂ビーズの焼結体や発泡体
などの吸水性素材が挙げられるが、本発明はかかる例示
のみに限定されるのもではない。
【0015】また、これら素材は、揮発性液体を吸液し
た状態でpHが6〜8であることが望ましい。
【0016】吸液材1の吸液速度は、所望の放出量に応
じた液量の揮発性液体3を揮散部1aに供給するなどの
観点から、5mm/分以上であることが望ましい。
【0017】ここで、本明細書にいう吸液材1の「吸液
速度」とは、試験片(長さ200mm、幅20mm、厚
さ2.5mm)を作製し、試験片の下端部分を揮発性液
体に20mm浸漬し、浸漬時から試験片が揮発性液体を
吸液し、その吸液長さが180mmとなるまでに要する
時間をいう。
【0018】吸液材1の形状は、ある程度の厚さがあ
り、略平板状であって、比較的高い強度と柔軟性を兼ね
備えたものが取扱いやすさ、耐久性などの観点から好ま
しい。
【0019】吸液材1の形状は、好ましくは、いわゆる
片形状、すなわちL字形の形状を有し、仕切栓2を介し
て、その上部に揮散部1aを有し、またその下部には吸
液部1bを有する。
【0020】揮散部1aの大きさ(長さ、高さ、横幅)
は、特に限定されず、商品形状などを考慮して適宜決め
ればよいが、その大きさや安定感などを考慮した場合、
縦方向の長さをできるだけ短くし、横幅を広げることが
望ましい。この揮散部1aは、例えば、図3に示される
ように、渦巻状に巻回して使用に供することができるほ
か、いわゆるアコーディオンや蛇腹のように折り曲げて
使用に供することもできる。
【0021】揮散部1aからの揮発性液体3の揮散速度
は、効率よく揮発性液体3を大気中に放出させることが
できるようにするために、1cm2 あたり0.01g/
hr以上であることが好ましい。なお、揮散速度の上限
値は、使用する揮発性液体3の種類や本発明の揮散装置
の有効期間などを考慮して適宜決定することができる。
【0022】吸液部1bの形状は、特に限定がないが、
通常、等幅を有する長方形状などであることが、裁断時
の切れ端の無駄をなくし、取り数を増大させる観点から
好ましい。
【0023】吸液部1bの横幅は、揮散部1aにおける
揮発性液体3の揮散量との関係で適宜決定することがで
きる。吸液部1bの横幅は、通常、揮散量に対して吸液
量が相対的に少なくなりすぎないようにし、効率よく揮
発性液体3の揮散を行う観点から、例えば、揮散部の面
積が100cm2 であるとき、15mm以上であること
が望ましい。なお、吸液部1bの横幅の最大値は、特に
限定がなく、本発明の揮散装置の形状や生産性などを考
慮して決定することができる。しかし、あまりにも大き
い場合、却ってコスト高となるばかりでなく、使用後の
廃棄物量が多くなることから、吸液部1bの横幅は、3
0mm以下、好ましくは25mm以下であることが望ま
しい。
【0024】なお、揮発性液体3としては、特に限定が
なく、一般に使用されている消臭剤、芳香剤、防虫剤、
殺虫剤などを含有する揮発性液体3を用いることができ
る。揮発性液体3は、容器本体4内に収容されている。
【0025】容器本体4の容量は、使用する揮発性液体
3の種類や本発明の揮散装置の有効期間などを考慮して
適宜決定することができる。通常、容器本体4の容量
は、100〜500mL程度が取り扱いやすく、設置し
やすい大きさであるが、業務用や長期間の使用などを考
慮した場合には、大容量であることが好ましい。容器本
体4は、その内部に収容されている揮発性液体3の残液
量を外部から確認することができるようにするために、
例えば、ポリカーボネート、AS樹脂、アクリル樹脂、
ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの薄
肉で光透過性を有する樹脂などで形成され、着色されて
いてもよい。
【0026】仕切栓2の上部に形成された吸液材1の揮
散部1aは、垂直方向に起立されている。このように、
揮散部1aが起立されているので、吸液材1の揮散部1
aから効率よく揮発性液体3を揮散させ、大気中に拡散
させることができる。
【0027】なお、吸液材1の揮散部1aの起立状態を
安定して保持させるためには、例えば、図4に示される
ように、吸液材1の厚さに対応する横幅の凹部2fを仕
切栓2に配設しておくことが好ましい。
【0028】仕切栓2の下部に形成された吸液材1の吸
液部1bは、容器本体4内に収容された揮発性液体3に
浸漬されている。
【0029】仕切栓2と容器本体4とは嵌合により、一
体化されている。かかる嵌合としては、例えば、ネジ嵌
合、強制嵌合などが挙げられるが、本発明は、かかる例
示のみに限定されるものではない。なお、仕切栓2と容
器本体4との間に間隙が存在している場合には、容器本
体4内に収容されている揮発性液体3が漏出するおそれ
があるので、両者間を例えば、図4に示されるように、
シールパッキン5で封止しておいたり、あるいは超音波
や高周波を利用して仕切栓2と容器本体4とを融着一体
化させておくことが好ましい。
【0030】吸液材1の揮散部1aの下端1cは、仕切
栓2の載置部2bと接するように配置されていてもよい
が、吸液材1の揮散部1aの下端1cと載置部2bとの
間には、図4に示されるように、空間6が形成されてい
ることが、揮散部1aの周囲の空気の流通および対流を
向上させ、揮散部1aの全面から揮発性液体3の蒸気を
効率よく均一に揮発させる観点から好ましい。
【0031】吸液材1の揮散部1aの下端1cと載置部
2bとの間の空間6は、例えば、載置部2bよりも上方
に突起部2cを仕切栓2に形成させ、突起部2c上に吸
液材1の下端1cを載置することによって形成すること
ができる。
【0032】吸液材1の揮散部1aの下端1cと仕切栓
2の載置部2bとの間隙dは、吸液材1の揮散部1aの
周囲の空気の対流を向上させる観点から、2mm以上、
好ましくは5mm以上であることが好ましい。間隙dの
最大長は、特に限定がないが、揮散装置を小型化させる
観点から、15mm以下、好ましくは10mm以下であ
ることが望ましい。
【0033】なお、仕切栓2の突起部2cには、吸液材
1が仕切栓2から移動しないようにするために、図4に
示されているように、突起部2cには、さらに、吸液材
1を固定するための固定部2dが配設されていることが
好ましい。特に、吸液材1が揮発性液体3を吸液したと
きに吸液材1が柔らかくなり、吸液材1の揮散部1aの
形状が保持されがたくなる場合、固定部2dは、その揮
散部1aの形状を保持するという重要な役割を果たす。
【0034】固定部2dの形状については、特に限定が
ないが、例えば、図4に示されているように、吸液材1
の形状に対応した形状を有することが好ましい。固定部
2dは、全周に配設されている必要がなく、吸液材1を
固定しうるのであれば、一部切り欠きなどが設けられて
いてもよい。また、固定部2dの肉厚についても、特に
限定がなく、通常、吸液材1を保持し、吸液材1の揮散
部1aからの揮発性液体3の揮散を阻害しない程度の厚
さであればよい。
【0035】固定部2dの長さは、吸液材1の大きさな
どによって異なるので一概には決定することができない
が、通常、吸液材1の揮散部1aの形状を保持するため
の支柱としての役割を果たし、揮散部1aからの揮発性
液体3の揮散を阻害しないようにする観点から、吸液材
1の揮散部1aの長さの約5〜90%、好ましくは約1
0〜80%であることが望ましい。
【0036】また、仕切栓2において、吸液材1の固定
部2dと相対する側には、さらに、揮散部1aを効果的
に保持するために、図4に示されるように、固定補助部
2eが形成されていてもよい。固定補助部2eは、吸液
材1の揮散部1aの保持性を高めるために、吸液材1の
下端1cが固定補助部2eと固定部2dとの間で挟まれ
るように配設されていることが好ましい。したがって、
吸液材1の下端1cは、前述したように、固定部2dと
固定補助部2eとの間で形成された凹部2fに挿入され
ていることが好ましい。固定補助部2eの大きさおよび
長さは、吸液材1の揮散部1aからの揮発性液体3の揮
散や蓋体7の上下動を阻害せず、また吸液材1の揮散部
1aを十分に保持しうるのであればよく、本発明は、か
かる大きさおよび長さによって限定されるものではな
い。なお、図1において、蓋体7は、内部に収容されて
いる吸液材1の揮散部1aの状況を容易に把握すること
ができるようにするために、一部切り欠かれているが、
現実には、蓋体7の下端は、平滑面であることが好まし
い。
【0037】蓋体7と吸液材1の揮散部1aとの間に揮
発性液体3の蒸気が揮散するための揮散窓8が形成され
ている。また、蓋体7を上下方向に移動させることによ
って揮散窓8の大きさを調整しうるように、蓋体7が仕
切栓2と接合されている。
【0038】蓋体7は、その内部に収容されている吸液
材1の揮散部1aを外部から視認しうるようにするため
に、例えば、ポリカーボネート、AS樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
の薄肉で光透過性を有する樹脂などで形成され、着色さ
れていてもよい。
【0039】蓋体7は、上下動が可能であり、蓋体7を
上方向に移動させることによって揮散窓8の大きさを調
整することができ、また下端まで移動させることによっ
て吸液材1の周囲空間を閉鎖系に保持することができ
る。蓋体7を揮散装置に取付ける手段には特に限定がな
い。例えば、図4に示されているように、仕切栓2と一
体成形によって蓋体7の外周に配置された、蓋体保持部
9により、蓋体7を仕切栓2と接合させることができ
る。なお、図1においては、蓋体保持部9は、蓋体7の
外周に配設されているが、本発明はかかる態様のみに限
定されるものではなく、蓋体7の内周に配設されていて
もよい。
【0040】蓋体7を下端にまで移動させたときに、吸
液材1の周囲空間が閉鎖系となるようにすることが、揮
散装置を使用しないときに、揮発性液体3の蒸気が外部
空間に逃散したり、あるいは揮散装置を転倒させてしま
ったときに外部に揮発性液体3が漏出しないようにする
観点から好ましい。このように吸液材1の周囲空間を閉
鎖系とする手段としては、例えば、図4に示されている
ように、蓋体保持部9の内面に螺子部9aを形成させて
おき、この螺子部9aと、蓋体7の外周に配設された螺
子部7aとを螺子嵌合させる手段を採用することができ
る。なお、螺子部9aの底面には、気密性向上の観点か
ら、必要により、シールパッキン9bが配設されていて
もよい。
【0041】また、蓋体7を上方向に移動させたときに
形成される揮散窓8の大きさを任意に調整しうるように
することが、揮散窓8から揮散される揮発性液体3の揮
散量を適宜調整することができる観点から好ましい。こ
のように、揮散窓8の大きさを任意に調整しうるように
するためには、例えば、図4に示されているように、蓋
体7の外周下部にスライド用凸部7bが形成され、ま
た、蓋体保持部9の内面上部にスライド用凸部7bに対
応する形状を有するスライド溝9cが形成されているこ
とが好ましい。この蓋体7のスライド用凸部7bと、蓋
体保持部9のスライド溝9cとは、螺子嵌合と同様に蓋
体7を回転させることにより、上下動が可能なように螺
合されていることが好ましい。このように蓋体7のスラ
イド用凸部7bおよび蓋体保持部9のスライド溝9cを
配設することにより、蓋体7を軽く回転させるだけで蓋
体7と仕切栓2との間で形成されている揮散窓8の大き
さを任意に調整することができる。
【0042】なお、蓋体7のスライド用凸部7bは、蓋
体保持部9の螺子部9aの上端9dと、螺子嵌合によっ
て圧着しうる形状を有するようにしておいてもよい。こ
のように、蓋体7を回転させることにより、蓋体7のス
ライド用凸部7bと蓋体保持部9の螺子部9aの上端と
を締めつけることによって圧着させる場合には、吸液材
1の揮散部1aの周囲空間の気密性が高められるととも
に、揮発性液体3の漏出を防止することができるという
利点がある。したがって、この場合、前述したようなシ
ールパッキン9bをあえて使用する必要がないという利
点がある。
【0043】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定される
ものではない。
【0044】実施例1〔吸液部の横幅による吸液量の影
響〕 室温(約25℃)、相対湿度60%の室内で、揮発性液
体を収容した揮散装置を用い、吸液部と揮散部とが一体
化されている吸液材を用い、揮散部の幅を一定にしてお
き、吸液部の横幅を変更して吸液材が飽和する時間を以
下の試験方法にしたがって調べた。その結果を表1に示
す。
【0045】〔試験方法〕L字形〔L字の縦(揮散部)
の長さ:200mm、その幅:50mm;L字の横(吸
液部)の長さ:150mm、その幅:表1に示すように
変更、揮発性液体に浸漬させる長さ:30mm〕の厚紙
(厚さ:2.5mm)を吸液材として用い、この吸液材
の揮散部を垂直に起立させ、20mm間隔に並列に並べ
た状態で、揮発性液体(香料:2.0%、界面活性剤:
2.5%、エチルアルコール:10.0%、イオン交換
水:85.5%)を入れた容器(縦:195mm、横:
240mm、高さ:3.5mm)内の揮発性液体に吸液
部の一部を浸漬させて吸液材の経時重量を測定し、吸液
材の飽和に要する時間を調べた。また、測定時間を42
0分間とし、試験を3回繰り返した。
【0046】なお、各吸液材の飽和に要する時間、およ
び飽和終了時前又は測定終了時前30分間の吸液量は、
表1に示すとおりである。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示された結果から、吸液部の横幅が
10〜15mmを境に飽和に要する時間が長くなり、吸
液部の横面が5mmまたは10mmでは測定時間(42
0分間)以内に飽和せず、吸液量が少ないことがわか
る。
【0049】実施例2〔吸液材の揮散部からの揮発性液
体の揮散量〕 室温(約25℃)、相対湿度60%の室内で、実施例1
で用いられた揮発性液体で飽和状態の吸液材を使用し、
以下の試験方法に準じて揮散量を求めた。その結果を表
2に示す。
【0050】〔試験方法〕実施例1で用いたのと同じ揮
発性液体で飽和状態になった吸液材を用い、その吸液部
の横幅を表2に示すように変更し、揮散部を垂直に起立
させた状態で揮発性液体を入れた200mL容のビーカ
ーに吸液部の下端の30mmを浸漬し、30分間経過後
に揮発性液体の揮散量を測定した。その試験を5回繰り
返した。
【0051】
【表2】
【0052】また、実施例2の結果から、吸液材の揮散
部の面積100cm2 あたりの揮散量は、約0.7〜
0.8g/30分であり、この揮散量に見合うだけの吸
液量を補給するためには、実施例1の結果から、吸液部
の横幅は10mm以上が好ましく、さらに好ましくは1
5mm以上であることがわかる。
【0053】実施例1〜2の結果から、吸液材の揮散部
の面積に対する吸液材の吸液部の面積の比率が約15%
以上である場合には、揮発性液体の揮散量に対する吸液
量が多く、揮散効率が良好となることがわかる。
【0054】実施例3〔吸液材の揮散部の下端と仕切栓
の載置部との間隙による揮発性液体の揮散量の影響〕 吸液部と揮散部とを有する吸液材を、仕切栓を介して挿
通し、吸液部が容器本体内の揮発性液体中に浸漬された
状態で、揮散部を渦巻き状に巻回させ、仕切栓に垂直に
起立させて載置させた。
【0055】次に、吸液材の揮散部の下端と仕切栓の載
置部との間隙による揮発性液体の揮散量の影響を以下の
試験方法に基づいて調べた。その結果を表3に示す。
【0056】〔試験方法〕実施例1と同様にして揮発性
液体350mLを入れた420mL容の樹脂容器〔直
径:90mm、高さ:75mm、開口部の直径:50m
m〕に揮散量を調整するための蓋体を支える2本の蓋体
保持部を対側に備えた仕切栓つき載置台(直径:73m
m)を嵌合し、渦巻き状(直径:60mm)の揮散部
(横:200mm、高さ:50mm)および吸液部
(幅:25mm、長さ:100mm)を有する吸液材
を、仕切栓の開口部を介して挿通し、揮散部を載置部上
に垂直に起立して載置した。次に、吸液材の揮散部の下
端と仕切栓の載置部との間隙を表3に示すように調整
し、揮散量の経時変化を室温で調べた。なお、載置部と
蓋体の開放は40mmの高さに固定した。
【0057】
【表3】
【0058】表3に示された結果から、揮散装置におい
て、吸液材の揮散部の下端と仕切栓の載置部との間隙が
大きくなるにしたがって、揮発性液体の揮散量が増大す
ることがわかる。したがって、吸液材の揮散部の下端と
仕切栓の載置部との間に間隙を配設することが好ましい
ことがわかる。
【0059】実施例4〔揮散装置の蓋体の揮散調節にお
ける揮発性液体の揮散量〕 室温(約25℃)、相対湿度60%の雰囲気中で、揮発
性液体(香料:2.0%、界面活性剤:2.5%、エチ
ルアルコール:10.0%、イオン交換水:85.5
%)を収容した揮散装置を用い、吸液部と揮散部とが一
体化されている吸液材を用い、蓋体で揮散量を調節した
ときの揮発性液体の揮散量を以下の試験方法に基づいて
調べた。その結果を表4に示す。
【0060】〔試験方法〕図3に示されるように、吸液
材1(材質:厚紙)の揮散部1a(長さ:200mm、
幅:50mm、厚さ:2.5mm)を「の」の字に巻回
した(直径:約50mm)。
【0061】実施例1と同様にして揮発性液体400m
Lを入れた420mL容の樹脂容器〔直径:90mm、
高さ:75mm、開口部の直径:50mm〕に揮散量を
調整するための蓋体を支える2本の蓋体保持部を対側に
備えた仕切栓つき載置台(直径:73mm)を嵌合し
た。
【0062】次に、図4に示されるように、揮散部1a
(横:200mm、高さ:50mm)および吸液部
(幅:25mm、長さ:100mm)を有する吸液材
(厚さ:2.5mmの厚紙)の下端1cと仕切栓2の載
置部2bとの隙間dが5mmとなるように、仕切栓の開
口部を介して挿通し、吸液材1を揮散装置の仕切栓2の
載置部2bに垂直に起立して載置した。
【0063】仕切栓2から蓋体7を上方向に移動させて
揮散部1aの下端1cから15mm、30mmまたは4
5mmの位置に固定した揮散窓8を形成し、揮散部1a
から揮発性液体の揮散量の経時変化を調べた。その結果
を図5に示す。
【0064】なお、図5において、A、BおよびCは、
それぞれ、揮散窓の高さが45mm、30mmおよび1
5mmのときの揮発性液体の揮散量の経時変化を示す。
【0065】図5に示された結果から、揮散装置の蓋体
を上下動させて揮散窓の大きさを調節することにより、
任意に揮散性液体の揮散量を調節することができること
がわかる。
【0066】
【発明の効果】本発明の揮発性液体の揮散装置によれ
ば、揮散装置の構成部品数の低減により、廃棄物数量を
削減するとともに製造効率を高め、さらに、揮発性液体
の揮散量の調整が容易で取扱いやすいという効果が奏さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の揮散装置の一実施態様を示す一
部切欠き概略斜視図である。
【図2】図2は、吸液速度を調べるときに用いられる試
験片の概略説明図である。
【図3】図3は本発明の揮散装置に用いられる吸液材の
概略斜視図である。
【図4】図4は本発明の揮散装置の概略断面図である。
【図5】図5は本発明の実施例4における揮発性液体の
揮散量の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 吸液材 1a 吸液材の揮散部 1b 吸液材の吸液部 2 仕切栓 3 揮発性液体 4 容器本体 7 蓋体 8 揮散窓

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性液体を吸液・揮散するための吸液
    材が仕切栓に挿通され、仕切栓の上部に形成された吸液
    材の揮散部が垂直方向に起立し、仕切栓の下部に形成さ
    れた吸液材の吸液部が容器本体内に収容された揮発性液
    体に浸漬され、該仕切栓と容器本体とが嵌合され、蓋体
    と吸液材の揮散部との空隙に揮発性液体の蒸気が揮散す
    るための揮散窓が開閉自在に形成され、蓋体を上下方向
    に移動させることによって該揮散窓の大きさを調整しう
    るように、蓋体が前記仕切栓と接合されてなる揮発性液
    体の揮散装置。
  2. 【請求項2】 仕切栓が、吸液材を載置するための載置
    部、および蓋体を上下方向に移動させるための蓋体保持
    部を有する請求項1記載の揮発性液体の揮散装置。
  3. 【請求項3】 吸液材の揮散部の下端と仕切栓の載置部
    との間に通気空間を形成してなる請求項1または2記載
    の揮発性液体の揮散装置。
  4. 【請求項4】 吸液材の揮散部の下端と仕切栓の載置部
    との間隙が、2mm以上である請求項3記載の揮発性液
    体の揮散装置。
  5. 【請求項5】 仕切栓が、吸液材の揮散部を起立して保
    持させるための凹部を有する請求項2〜4いずれか記載
    の揮発性液体の揮散装置。
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