JP2002262262A - マルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法 - Google Patents

マルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法

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JP2002262262A
JP2002262262A JP2001056160A JP2001056160A JP2002262262A JP 2002262262 A JP2002262262 A JP 2002262262A JP 2001056160 A JP2001056160 A JP 2001056160A JP 2001056160 A JP2001056160 A JP 2001056160A JP 2002262262 A JP2002262262 A JP 2002262262A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチキャストセッションを維持したまま早
送りを除く任意のVTR操作を可能とする。各セッショ
ンに割当てる伝送帯域を固定ではなく、同時接続セッシ
ョン数に応じて動的に更新し、良好な呼損率特性を達成
する。 【解決手段】 サーバ100に蓄積されたデジタル動画
コンテンツをユーザのSTB102〜104を介して配
送するのに、コンテンツの全体をSTBに保持し、動画
再生が中断するSTBのバッファアンダーフローを回避
するのに必要な最小伝送帯域を算出し、必要最小伝送帯
域に基づき呼受付判定を行い、必要最小伝送帯域以上か
つアクセス回線容量以下になる同時接続セッション数に
応じて割当て伝送帯域を動的に変更し、必要最小伝送帯
域を定期的に再計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送帯域が保証で
き、マルチキャスト配送が可能なネットワークを介し、
サーバに蓄積されたデジタル動画コンテンツをユーザ宅
の端末(STB)に直接配送するビデオ・オンデマンド
(VoD)システムに係り、特にユーザがコンテンツの
配送を受けながら視聴を行うストリーミング配送し、か
つ同一コンテンツを視聴する複数のユーザに対し一本の
マルチキャストセッションで配送を行うマルチキャスト
VoDによる配送方法に関し、さらには早送りを除く任
意のVTR操作を簡易に実現し、サーバ資源の有効利用
を図るよう伝送帯域を制御する配送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭に居ながらにして好みのビデオタイ
トルを任意の時間に視聴できるVoDサービスは、広帯
域通信インフラを活用する有力な通信サービスの一つと
考えられる。動画像データの情報量は大きく(NTS
C,PALのTV放送品質で216Mbps)、一般的
な動画符号化方式であるMPEG1(VHSビデオの品
質相当)やMPEG2(TV放送の品質相当)で圧縮後
も、その平均ビットレートは前者が数100k〜1.5
Mbps、後者が4〜10Mbpsに達する。そのた
め、数Mbps以上の高速なアクセス回線が必要となる
が、CATVや衛星ネットワークといった広帯域アクセ
ス回線の利用に加え、xDSLや光アクセス回線の普及
が始まり、高速なアクセス環境を利用できるユーザ数が
今後は急速に増加していくものと思われる。
【0003】VoDシステムにおける動画コンテンツ配
送方法としては、配信を受けながら視聴を行うもの(ス
トリーミング配送)と、コンテンツの全体を先に受信し
配信完了後に視聴を開始するもの(バースト配信)の二
つの形態を考えることができる。VoDサービスの中心
的なコンテンツになると思われる映画タイトルの場合、
平均的な作品の長さが100分前後であることから、配
送すべきコンテンツのサイズは数Gbytesにも及
ぶ。数Mbpsのアクセス回線を用いた場合、コンテン
ツの配送に数時間を要することから、バースト配送では
事前に視聴を予約するような予約配送型のサービスにな
るものと思われる。
【0004】一方、ストリーミング配送ではコンテンツ
の配送を待つことなく視聴を開始できることから、本来
の意味でのオンデマンドにより近い配送形態といえる。
ユーザ宅のSTB(Set−Top−Box)に到着し
た画像フレームは一時的にバッファリングされ、画像フ
レーム再生レートに従い読み出される。一定間隔で画像
フレームを再生し続けるためには、STBにおけるバッ
ファアンダーフローを回避する必要があり、配送開始か
ら数100ms〜数秒後に視聴を開始する(予備受信時
間:Pre−loading)と同時に、平均ビットレ
ート以上の伝送帯域を確保する必要がある。コンテンツ
が蓄積されているビデオサーバには同時に多数のセッシ
ョンが接続されるため、サーバのネットワークIO帯域
がシステム全体のボトルネックとなり、収容可能な最大
ユーザ数が制限されることが知られている。そこでST
Bとサーバ間を一対一に配送する(True−VoD
(T−VoD))のではなく、同一タイトルを要求した
ユーザをまとめマルチキャストセッションにより配送す
ることが、収容可能ユーザ数を増加させる点で有効とな
る。複数のユーザを束ねるため、数分間のバッチング期
間が必要となるが、サーバ資源を有効に活用することが
できる。
【0005】図10にマルチキャストVoDのシステム
構成を示す。コンテンツプロバイダーもしくは通信キャ
リアが用意するMPEG1やMPEG2によりデジタル
符号化されたビデオタイトルはビデオザーバ100のデ
ィスク101に蓄積される。大規模なVoDシステムの
場合、数Mbpsの配送ストリームを同時に数千〜数十
万本サポートする必要があることから、例えばSGI2
800といった処理能力の大きなサーバを利用する必要
がある。SGI2800の場合ディスクIO帯域は1.
6Tbpsにもなるが、ネットワークIO帯域はそれよ
りも数桁小さく、また大容量トラヒックを一拠点からネ
ットワークに流入させることは困難であるため、サーバ
のネットワークIO帯域がボトルネックとなる。
【0006】一方、ユーザ宅には配送されたビデオコン
テンツを受信すると同時にメモリやHDDに記憶し、並
行してTV受像機に複合画像を表示するSTB102、
103、104が設置される。これまで検討されている
ストリーミング配送では、数秒間もしくは数分間にわた
る画像フレームを一時的にバッファリングするのみで、
再生済みのデータはバッファから除去していた。そのた
め、必要となる記憶装置容量は数100kB〜数10M
Bであった。しかし、本発明に係る配送方法ではコンテ
ンツの全体をSTBに蓄積することを考えるため、ビデ
オタイトルの一本が3GB〜7.5GBになることを考
えると、数本〜数10本のタイトルを保存するためには
数10GB〜数100GBの容量が必要になる。現在で
も例えば60GBのHDDが4万円弱で購入でき、今後
も価格が低下することが予想されることから、そのコス
トは許容できる範囲であると思われる。また、ユーザが
複数回の視聴を行うことやコピーを行う可能性があるこ
とから、著作権を保護するためにはこれらの行為に制限
を加える必要があるが、例えばIntertrust社
のDRM(Digital Rights Manage
ment)を利用することにより、コンテンツプロバイ
ダーは視聴毎に料金を徴収することが可能となる。
【0007】次に、サーバ100とSTB102、10
3、104をつなぐネットワークについて考察する。本
発明では動画データの配信を受けながら視聴を行うスト
リーミング配送を前提としているため、STBのアンダ
ーフローを回避する最小必要伝送帯域(数100k〜数
Mbps、画像フレームサイズとPre−loadin
g時間から決まる)が存在する。そのため、ビデオサー
バ100からSTB102、103、104間のEnd
−toーendで数100k〜数Mbpsの伝送帯域を
割当てる必要がある。また、同一タイトルを要求した全
ユーザに対し一本のセッションで配送を行うため、マル
チキャストセッションを確立する必要がある。以上のこ
とから、以下のネットワーク形態を考えることができ
る。
【0008】(1)ビデオサーバとSTBを衛星ネット
ワークで直接つなぐ形態。ただし、限られた伝送帯域を
全ユーザで共有することから、同時接続数を多くするこ
とができず、収容ユーザ数と提供コンテンツ数が限られ
たものになる。
【0009】(2)MPLSやATMをバックボーンと
し、数100kbps以上の伝送速度が達成できるXD
SLやCATV,FTTHをアクセス網として利用する
形態。XDSLやFTTHは今後、急速に普及していく
ものと思われるため有望な網インフラとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ビデオコンテンツの視
聴要求は特定の人気タイトルに集中する傾向があり、収
容ユーザ数が十分に多い場合、数分といった比較的短い
時間内に同一タイトルに対する要求が発生する。そこ
で、個々の要求に対しユニキャストで配送する代わりに
同一タイトルを要求した全ユーザに対してマルチキャス
トで配送すれば、サーバがサポートする同時接続セッシ
ョン数を大幅に削減できるため、システム全体のボトル
ネックとなるサーバのネットワークIO帯域にかかる負
荷を低減でき、収容可能なユーザ数を向上させることが
可能となる。マルチキャスト配送を行うには複数のユー
ザを束ねるバッチング処理を行う必要があるが、主な方
法として、以下の二つが考えられる。
【0011】(1)Window−size base
d 対象コンテンツの待ちユーザのいない状態において、最
初の視聴要求が発生した瞬間から、一定間隔Wの間だけ
バッチングを行う。すなわち、最初の要求からW後に配
送が開始され、その間に発生した同一コンテンツに対す
る視聴要求が全て束ねられ、同一のマルチキャストセッ
ションで配送を受ける。バッチサイズが不確定で特に人
気のないコンテンツではマルチキャストの効果が小さく
なるが、バッチング遅延時間の上限を時間Wで抑えられ
る長所がある。
【0012】(2)Batch−size based 一定数Fの視聴要求がバッチングされたときに配送を開
始する。バッチサイズを一定数Fに保つことができる
が、バッチング遅延時間が不定となり、視聴要求時にバ
ッチング遅延時間が確定しない問題がある。
【0013】サービスを受けるユーザの観点からすれ
ば、視聴を要求してから配送が開始されるまでの待ち時
間が確定していることが好ましく、タイトルによって大
きく変動するBatch−size basedは導入
が難しいと思われる。
【0014】この場合、間隔Wの決め方が問題となる
が、間隔Wが大きなほどバッチサイズが増加し、呼損率
が低減する。しかし、間隔Wの増加は、視聴要求から配
送が開始されるまでの待ち時間を悪化させる。一般に、
平均5分前後の待ち時間は許容範囲と考えることがで
き、本発明でも数分オーダーの間隔Wを想定する。
【0015】次に、バッチング処理によるマルチキャス
ト配送は、サーバのネットワークIO資源の消費を抑
え、収容可能ユーザ数を向上させる点で有効であるが、
VoD特有のVTR操作に対する対処が問題である。
【0016】まず、一時停止操作と再スタート操作につ
いて考える。図11の(a)に、画像フレーム1を表示
中にユーザCが一時停止操作をし(a)、3画像フレー
ム時間後に再スタート操作を行った(b)場合のSTB
バッファの様子を例示する。画像フレームサイズは一般
に変動するが、図では簡単のため同一サイズとしてい
る。一時停止中は画像フレームが再生されないが、その
間もマルチキャストセッションから画像データが到着し
続けるためSTBバッファは増加し続ける。
【0017】図11の(b)に示すように、ユーザCの
STBバッファが溢れる前に再生が再開されれば、問題
なくマルチキャストセッションによる配送を継続するこ
とが可能である。すなわち、一時停止・再スタート処理
を行ったユーザCの再生ポイント(フレーム1)と、同
一マルチキャストグループに属する他のユーザ(A,
B)の再生ポイント(フレーム4)にずれが生じるが、
その差がSTBバッファで吸収できる範囲であればマル
チキャスト配送を継続することができる。しかし、停止
時間が長期化し差が吸収できないほど大きくなった場合
には、もはやユーザCはマルチキャーストグループに留
まることができない。
【0018】この際、もしユーザCの新しい再生ポイン
トとの差がSTBバッファで吸収可能なマルチキャスト
セッションが他にあれば、そこにユーザCを移動させる
ことができる。しかし、マルチキャストセッション間の
移動という処理がサーバに発生することと、新たにPr
e−loadingを行う必要があり、遅延が生じる問
題があるが、サーバの同時接続セッション数を増やすこ
となく配送を継続することができる。問題はそのような
セッションが他にない場合で、ユーザCの視聴を継続さ
せるためには、新たにユーザCのみをサポートするユニ
キャストセッションを設ける必要がある。このことは、
一本のセッションに束ねていたユーザを細分化すること
を意味し、マルチキャスト配送の利点が失われ、サーバ
のネットワークIO帯域の消費量を増加させる。最悪の
場合、空き資源不足から新たにユニキャストセッション
を設けることができず、ユーザCの視聴を中断させる結
果になることが予想される。
【0019】また、Jump−forwardやJum
p−backwardといった再生点を直接指定して変
更するようなVTR操作の場合(VTRにおける早送り
と巻き戻しに相当。VoDではランダムな位置に直接移
動可能)、やはり新たに生じる再生ポイントの差異がS
TBバッファで吸収できない場合には同様の問題が生じ
る。更に、早送り再生やスロー再生といった動画の再生
レートが変更される場合にも、ユニキャストセッション
が必要となる。
【0020】以上のことから、コンテンツの一部をST
Bにて保存する従来のマルチキャストVoDシステムで
はVTR操作に対する対応が困難であり、マルチキャス
ト配送の効果が低減する。
【0021】本発明の目的は、マルチキャスト・ストリ
ーミング配送型VoDシステムにおいて、マルチキャス
トセッションを維持したまま早送りを除く任意のVTR
操作を可能とする配送方法を提供することにある。
【0022】本発明の他の目的は、各セッションに割当
てる伝送帯域を固定ではなく、同時接続セッション数に
応じて動的に更新し、良好な呼損率特性を達成すること
ができる配送方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンテンツの
全体をSTBに蓄積すればマルチキャストセッションを
維持したまま早送りを除く全てのVTR操作が容易に実
現されることに着目したもので、以下の方法を特徴とす
る。
【0024】(1)サーバに蓄積されたデジタル動画コ
ンテンツをユーザのセットトップボックスに直接配送す
るビデオ・オンデマンドサービス形態とし、かつ動画コ
ンテンツを受信しながら並行して動画再生を行うストリ
ーミング配送形態とし、かつサーバ資源の有効利用を図
り呼損率を低減するマルチキャスト配送形態で動画コン
テンツを配送する方法であって、マルチキャストセッシ
ョンを維持したまま早送りを除く任意のVTR操作を可
能とするようコンテンツの全体をSTBに保持する手段
と、動画再生が中断するセットトップボックスのバッフ
ァアンダーフローを回避するのに必要な最小伝送帯域を
算出する手段と、前記必要最小伝送帯域に基づき呼受付
判定を行う手段と、前記必要最小伝送帯域以上かつアク
セス回線容量以下になる同時接続セッション数に応じて
割当て伝送帯域を動的に変更する手段と、前記必要最小
伝送帯域を定期的に再計算する手段とを有して動画コン
テンツを配送することを特徴とする。
【0025】(2)前記(1)に記載の配送方法におい
て、動画コンテンツの全体を保持するのに十分な容量の
記憶装置を前記セットトップボックスに用意し、一旦受
信したデータを再生後も廃棄せずに該セットトップボッ
クスに保存し、視聴完了時には動画コンテンツの全体を
該セットトップボックスに保持しておく手段を有して動
画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0026】(3)前記(2)に記載の配送方法におい
て、動画コンテンツの配送開始時刻から予備受信時間を
経過した後に視聴を開始し、全画像フレームサイズシー
ケンスと前記予備受信時間の時間量から前記セットトッ
プボックスバッファアンダーフローを回避するのに必要
となる伝送帯域を算出する手段を有して動画コンテンツ
を配送することを特徴とする。
【0027】(4)前記(1)に記載の配送方法におい
て、各セッションに前記(3)で算出した必要最小伝送
帯域を確保するため、他に待ちユーザのいないコンテン
ツを要求した新規要求ユーザに対し、最小必要伝送帯域
に基づいて呼受付判定を行う手段を有して動画コンテン
ツを配送することを特徴とする。
【0028】(5)前記(1)に記載の配送方法におい
て、サーバ資源を有効利用するため、同時接続セッショ
ン数に応じて、各セッションに割当てる伝送帯域を動的
に更新する手段を有して動画コンテンツを配送すること
を特徴とする。
【0029】(6)前記(1)に記載の配送方法におい
て、未伝送データ量が少なくなるにつれ以後の伝送に必
要な伝送帯域が小さくなることを利用し、周期的にコン
テンツ配送中のセッションに対して前記必要最小伝送帯
域を再計算することで消費資源量を削減する手段を有し
て動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態および実施形態
に基づいたシミュレーションについて、以下に項分けし
て詳細に説明する。
【0031】(1)最小必要伝送帯域 サーバにはM個のビデオコンテンツが蓄積されており、
コンテンツm(1≦m≦M)の画像フレーム数をNm
コンテンツmのn番目(1≦n≦Nm)の画像フレーム
サイズ〔bits〕をXn(m)とする。ここでは、S
TBバッファアンダーフロー(画像データの到着が間に
合わず、一定間隔Tでの画像再生が継続できない状態)
を回避するのに必要な最小伝送帯域α(m)〔bps〕
を導出する。
【0032】いま、コンテンツmの伝送開始時刻を
s、Pre−loading遅延量をD〔sec〕と
すると(すなわちユーザは時刻ts+Dに再生を開始で
きる)、VTR操作がなかった場合の画像フレームnの
再生時刻Snは、
【0033】
【数1】Sn=ts+D+(n−1)T …(1) となり、画像データの転送レートをb〔bps〕とする
と、画像フレームnの末尾がSTBに到着する時刻Fn
は、
【0034】
【数2】
【0035】となる。1≦n≦NmにおいてFn≦Sn
満たされれば、STBバッファアンダーフローが回避で
きる。すなわち、転送レートbが全てのn(1≦n≦N
m)について、
【0036】
【数3】
【0037】を満足すればよい。よって、コンテンツm
の最小必要伝送帯域α(m)は以下のように求まる。
【0038】
【数4】
【0039】この最小必要伝送帯域α(m)はO
(Nm)の計算量で得られるが、ライブ中継とは異なり
VoDではXn (m)は既知であるので、Pre−load
ing時間量Dを予め与えればα(m)を事前に計算し
テーブルに用意しておくことも可能である。
【0040】早送り以外のVTR操作が発生した後の画
像フレーム再生時刻は式(1)で示した値よりも大きく
なるので、転送レートbが最小必要伝送帯域α(m)以
上であればVTR操作後もSTBアンダーフローを回避
できる。
【0041】(2)伝送帯域の変更処理 VoDの伝送帯域に関する従来の研究では、STBのバ
ッファアンダーフローを回避するという伝送帯域の下限
に関する制限と、STBのバッファ溢れを回避するとい
う伝送レートの上限に関する制限の双方を考慮する必要
があった。
【0042】しかし、コンテンツの全体をSTBに蓄積
する場合にはバッファ溢れを考慮する必要がなく、前記
の(1)で導出した最小必要伝送帯域α(m)以上であ
れば任意のレートで伝送することが可能である。
【0043】WWWコンテンツのダウンロードやFTP
ファイル転送といったサービスでは、転送スループット
が待ち時間を決めるため、ユーザの感知する品質に直接
影響するが、VoDサービスでは最小必要伝送帯域さえ
満足していれば、ユーザの感知する品質に影響を与えな
い。
【0044】しかし、VoDサービスの需要は24時間
の周期で大きく変動し、特に夕方から深夜にかけてピー
クが訪れることが知られている。ピーク時間帯には数多
くの視聴要求が発生するため、個々のセッションに割当
てる伝送帯域が小さなほど呼損率が低減し、収容可能な
ユーザ数が増加する。しかし、それ以外の需要が少ない
アイドル時間帯では、ネットワークIO帯域の大部分が
空いているにもかかわらず必要最小帯域のみが割当てら
れるため、セッション保留時間を短縮することができな
い。もし、アイドル時間帯に大きな伝送帯域を割当てる
ことができれば、平均同時接続セッション数を抑えるこ
とができ、特にアイドル時間帯からピーク時間帯に入っ
た時分の同時接続数が緩和され、更なる呼損率の低減が
期待される。
【0045】そこで、本実施形態では、同時接続数に応
じて各セッションに割当てる伝送帯域を変更し、可能な
限り各セッションに割当てる伝送帯域を大きな値とす
る。図1に割当て帯域を視聴要求量に応じて変化させる
ことの効果を概念的に示す。
【0046】以下、同時接続セッション数kが変化した
とき(配送開始時と配送完了時)の、コンテンツms
配送するマルチキャストセッションsの割当帯域(転送
レート)bsの更新方法を示す。セッションsには一人
以上のユーザが収容されているが、そのユーザ集団のア
クセス回線伝送容量のうち最小のものをAsとすると、
nは、α(ms)≦bs≦Asの範囲で任意の値をとるこ
とができる。そこでb sを、次のように再計算するもの
とする。
【0047】
【数5】
【0048】ただし、サーバのネットワークIO帯域を
B〔bps〕とする。すなわち、各セッションに最小必
要伝送帯域α(ms)をまず割当て、残ったIO帯域資
源を、最大可能伝送帯域Asを超えない範囲でAsとα
(ms)の差に比例して配分する。
【0049】(3)呼受付処理 コンテンツmを配送するセッションは最低でもα(m)
の伝送帯域を確保する必要がある。そこで、他に待ちユ
ーザのいないコンテンツを要求したユーザ(新規要求ユ
ーザ)に対し、空きIO帯域がα(m)以上あるかどう
かに応じて要求の受付可否判定を行う。バッチング中で
あるコンテンツを要求したユーザに対しては呼受付処理
は不要であり無条件に収容される。
【0050】さて、時刻t0にコンテンツmに対する新
規要求が発生した場合、このユーザに対する呼受付処理
を説明する。視聴要求がサーバに到着してから、実際に
配送が開始されネットワークIO帯域が消費されるのは
バッチング遅延時間であるW後である。そのため、呼受
付判定は、時刻t0+Wの空き資源量に基づき行う必要
がある。時刻t0において、コンテンツを配送中のマル
チキャストセッション集合をΦaとし、バッチング中の
マルチキャストセッション侯補集合(配送を開始してい
ないが将来配送予定)をΦbとする。バッチング時間W
は全コンテンツに対し一定であるとすると、t0におい
てバッチング中であったセッション侯補はt0+Wにお
いて全て配送を開始している。よって、時刻t0+Wに
おける消費資源量は、
【0051】
【数6】
【0052】でその上限を抑えられる。実際にはt0
らt0+Wの間に配送が完了し、割当て帯域を開放した
セッションがある場合があり、これより少なくなるが、
セッション保留時間に対してバッチング時間Wが十分に
短いことから式(4)を用いて呼受付処理を行う。すな
わち、サーバのネットワークIO帯域Bに対し、
【0053】
【数7】
【0054】を満足するときのみ、この新規要求を受け
付ける。この結果、全てのセッションは各々の最小必要
伝送帯域以上の転送レートを確保することができる。
【0055】なお、式(2)で求めたα(m)は、コン
テンツ転送開始時点から転送完了時点までの全期間にお
いて最小限必要になる伝送帯域であり、コンテンツの一
部が既に転送されている場合には、それ以後の転送に必
要となる伝送帯域はα(m)よりも小さくなる。よっ
て、接続中セッションの最小必要伝送帯域を定期的に再
計算することにより、収容可能なセッション数がさらに
向上することが予想されるが、これについては後述の
(5)で説明する。
【0056】(4)処理プロセス ここでは割当て帯域の更新例を図2に示し、前記までに
述べた本実施形態における処理プロセスをまとめる。図
2の例ではコンテンツ数Mを3とし(便宜上、各々のコ
ンテンツをA,B,Cと表記する)、サーバのネットワ
ークIO帯域Bを12Mbpsとする。また、最小必要
伝送帯域α()を各々、α(A)=5Mbps、α
(B)=3Mbps、α(C)=4Mbpsとし、アク
セス回線容量は全ユーザとも10Mbpsであるとす
る。
【0057】時刻t0において、セッションS1がコン
テンツAを配送中であるとする。他に配送中のセッショ
ンは無く、またバッチング中のセッション侯補もないこ
とから、セッションS1は最大可能帯域である10Mb
psを割当てられている。時刻t1において、ユーザU
1がコンテンツBを要求したとする。コンテンツBはバ
ッチング中でなく、これは新規要求であることから呼受
付判定処理が実施されるが、式(5)を満足することか
ら収容される。コンテンツBの配送はバッチング遅延W
後(時刻t3)であり、t1においてはセッションS1の
割当て帯域に変化はないことに注意する必要がある。
【0058】続いて、ユーザU2がコンテンツBを要求
しているが、既に同一コンテンツをユーザU1が要求
し、バッチング中であることから呼受付判定は行わず、
直ちに収容される(ユーザU4についても同様)。
【0059】続いて、時刻t2にユーザU3がコンテン
ツCを要求しているが、これは新規要求であることから
呼受付判定を行い、配送中セッションS1とバッチング
中のセッション侯補S2の最小必要帯域和(α(A)十
α(B))とコンテンツCの最小必要帯域α(C)の総
和がB以下であることから、やはり収容される。
【0060】続いて、ユーザU5がコンテンツAを要求
しているが、新規要求であることから(コンテンツAは
配送中であるが、このマルチキャストセッションにユー
ザU5を途中から加えることはできない)呼受付判定を
行う。式(5)を満たさないことから、この要求は呼損
となる。
【0061】時刻t3にてユーザU1により起動された
コンテンツBのバッチング処理が完了し、ユーザU1と
この間に同一コンテンツを要求したユーザU2,U4に
対し、コンテンツBのマルチキャスト配送が開始され
る。この瞬間、同時接続セッション数に変化が生じるこ
とから、式(3)に従いS1とS2の割当て帯域が設定
される(例では6.67Mbpsと5.33Mbp
s)。S2にて配送を受ける三人のユーザは、配送開始
からPre−lodeing遅延である時間D後に視聴
を開始する。
【0062】時刻t4にてセッションS1の配送が完了
し、それが開放されるが、同時接続数に変化が生じるこ
とからセッションS2の割当て帯域が更新される。この
場合、アクセス回線容量である10Mbpsを割当てら
れる。時刻t5にてユーザU3により起動されたバッチ
ング処理が完了し、コンテンツCの配送が開始される。
このとき、式(3)に従いセッションS2とS3の割当
て帯域が各々、5.69Mbps、6.31Mbpsと計
算される。
【0063】(5)最小必要伝送帯域の再計算 前記の(3)呼受付処理で述べたように、新規要求に対
する呼受付判定は転送処理中およびバッチング中のセッ
ションの最小必要伝送帯域α(m)の総和がサーバのI
O帯域B以内か否かで行っている。前記の(1)最小必
要伝送帯域による設定ではα(m)をコンテンツmごと
にPre−loading時間Dから求めていたが、こ
れはコンテンツの転送開始時点において必要となる最小
伝送帯域である。コンテンツの一部が転送された後の時
点において、それ以後の転送での最小必要伝送帯域は式
(2)より求めた値よりも小さくなるため、定期的に転
送処理中セッションの最小必要伝送帯域を再計算すれ
ば、より多くのセッションが収容できる可能性がある。
【0064】そこで、時刻tsにてコンテンツmの配送
を開始したセッションの時刻t0(t 0>ts)における
転送中の画像フレームがk0、画像フレームk0の配送済
みデータサイズがσである場合の時刻t0以降の最小必
要伝送帯域を求める。
【0065】画像フレームn(k0≦n≦Nm)の再生時
刻Snは、やはり式(1)で与えられる。画像データの
転送レートがb〔bps〕のとき、画像フレームn(k
0≦n≦Nm)の末尾がSTBに到着する時刻Fnは、
【0066】
【数8】
【0067】となる。k0≦n≦NmにおいてFn≦Sn
満たされればSTBバッファアンダーフローが回避でき
る。よって、時刻t0においてコンテンツmの画像フレ
ームk0を転送中のセッションにおける最小必要伝送帯
域はδ=ts−t0+Dとすると以下のように求まる。
【0068】
【数9】
【0069】(6)シミュレーション 以上までの各項を基にした本実施形態の配送方法のシミ
ュレーションを行った。このシミュレーションについて
以下に詳細に説明する。
【0070】(a)シミュレーション条件 Wuerzburg大学にて公開されているMPEG1
によりエンコードされた18本の動画コンテンツの画像
フレームサイズシーケンスを用いる。以下の表1にMP
EG1のエンコードパラメータを示す。また、表2に1
8本のソース各々の平均フレームサイズXとフレームサ
イズの変動係数CoVをまとめる。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】シミュレーションで用いたM個のコンテン
ツ各々について、ランダムにこれら18本のソースの中
から1本を選択し、固定的に割当てる。コンテンツの長
さは平均120分とし、105分〜135分の間からラ
ンダムに選択した。ただし、動画ソースのランダム数が
40000(27.8分相当)であるため、最後の4フ
レームを削除した39996フレーム(3333Go
P)を繰り返すことにより任意時間長のコンテンツを作
成した。
【0074】次に、適切なPre−loading遅延
時間Dを調べるため、MPEGソースを120分に拡大
した場合のDに対する最小必要伝送帯域αを式(2)に
より計算した結果を図3に示す。図示のように、100
ミリ秒あたりまでは遅延時間Dの増加に対し、最小必要
伝送帯域αは大きく低減するが、その後は5〜10秒あ
たりまで緩やかに低減し、それよりも大きくなると特性
の改善はほとんど見られなくなる。ユーザの待ち時間は
D以上、D+W以下となるが、Wを5分前後に選定する
ことを考えると、Dは数秒に設定するのが望ましい。そ
こで、以下の評価では、D=5秒とした。なお、煩雑に
なるのを避けるため図では6本のMPEGソースについ
てのみ示しているが、他の12本についても同様な傾向
が得られた。表2にD=5秒としたときの最小必要伝送
帯域αをまとめる。
【0075】ユーザからの視聴要求は到着率λ(t)
〔/sec〕のポアソン過程に従いサーバに到着する。
VoDサービスに対する需要は24時間周期で大きく変
動することが知られており、到着率は時間t〔hour
s〕の関数となる。ここでは図4に示すモデルでλ
(t)を与える。これは二つのVoD試験サービスで得
られた視聴要求の発生パターンをモデル化したものであ
り、アイドル期間中は一定レートで要求が発生し、6時
間にわたるピーク時間帯では三角形特性を呈する。試験
サービスの観測結果から、ピーク時の到着率はアイドル
時の5倍としている、一日あたりの平均発生要求数をU
とすると、U=36×3600λ0となる。シミュレー
ションでは、平均発生要求数Uを与えることによりλ0
を決定する。
【0076】サーバに到着した視聴要求は、各々独立に
パラメータθ=0.271のZipf分布に従い、M個
のコンテンツ中から確率pm=c/(mの1−θ乗)で
コンテンツmを選択する。アクセス回線容量は全ユーザ
とも同一で10Mbpsとした。
【0077】(b)時系列特性 図5にαの再計算を行わない場合における平均同時接続
数と各セッションに対する平均割当て伝送帯域の時系列
特性を示す。ただし、コンテンツ数M=500、一日の
平均要求数U=150000、ネットワークIO帯域B
=2.488Gbps、バッチング間隔W=295秒
(Pre−loading遅延が5秒なのでユーザの最
大待ち時間は5分)とした。シミュレーションは三日分
行い、そのうちの第二日目と第三日目を図示している。
また、統計は15分間隔で行い、その間の平均値をプロ
ットしてある。
【0078】図4に示すパターンで需要を変化させた
が、需要の増加する18時〜21時において同時接続セ
ッション数も増加している。一方、0時〜6時の範囲で
同時接続セッション数は減少しているが、需要の減少す
る21時〜24時の期間とは、3時間から6時間のずれ
がある。これは、ピーク時の割当て帯域が小さく、セッ
ション保留時間が数時間に及ぶことが原因である。同時
接続セッション数の少ないアイドル時間帯では、各セッ
ションに最大割当て可能伝送レートであるアクセス回線
容量10Mbpsが確保されていることがわかる。需要
が増加するにつれ割当て帯域が減少し、ピーク時には最
小必要帯域である数100kbpsにまで割当て帯域が
減少している。そして需要が減少し、同時接続セッショ
ン数が減少するにつれ、割当て帯域は増加される。
【0079】以上のことから、本実施形態では需要の変
動に対して各セッションに割当てる伝送帯域が適切に修
正されることが確認された。
【0080】(c)αの再計算による効果 コンテンツを配送中の全セッションに対する最小必要伝
送帯域を、式(6)により固定間隔Tαで再計算する。
図6にM=500、U=15000、B=622Mbp
s、W=295秒、D=5秒としたときの、修正間隔T
αに対する平均必要伝送帯域和(コンテンツを配送中の
全セッションに対する最小必要伝送帯域の総和の時間平
均値)を示す。修正間隔Tαが短いほど最小必要伝送帯
域和が低減するが、再計算を行わない場合(初期値利
用)と比較して約28%小さくなっている(Tα=30
の場合)。続いて、以下の表3にTαに対する呼損率を
まとめる(T0=∞はαの再計算を行わない場合)。
【0081】
【表3】
【0082】予想に反して、αを再計算した場合も呼損
率はほとんど変化しないことがわかる。呼損が発生する
Peak時間帯には、各セッションに割当てられる伝送
帯域は必要最小伝送声域α(m,k0,δ,σ)に近づ
くが、α(m,k0,δ,σ)を再計算することによ
り、配送中セッションの消費伝送帯域を削減できる。し
かし、伝送すべきデータ量に変化はなく、その分、セッ
ション保留時間が増加する。
【0083】一方、新規要求の要求帯域は全データが未
転送なため、式(2)で算出されるα(m)となり再計
算の恩恵はない。よって、呼損率に変化がみられないも
のと思われる。
【0084】以上の考察から、特に最小必要伝送帯域の
更新を行う必要はないことがわかった。
【0085】(d)他方式との比較 図7に一日あたりの平均視聴要求数Uに対する平均バッ
チサイズ(一本のマルチキャストセッションに収容され
るユーザ数)を示す。ネットワークIO帯域Bを622
Mbpsとし、コンテンツ数Mを20、100、50
0、バッチング期間Wを295秒(最大待ち時間5
分)、595秒(最大待ち時間10分)とした。ユニキ
ャスト配送を行うT−VoDではバッチサイズが1にな
ることから、マルチキャスト配送における平均セッショ
ン数はT−VoDに対して平均バッチサイズの逆数倍と
なる。よって、マルチキャスト配送を行うことにより、
セッション数が大きく抑えられることがわかる。特に、
バッチング期間を長くするほどより多くの視聴要求を束
ねられることから、またコンテンツ数が少ないほど同一
のコンテンツに対して要求が集中することから、バッチ
サイズは大きくなる。ただし、収容ユーザ数が少ない場
合にはバッチングによる効果は小さい。
【0086】図8にUに対する呼損率特性を示す。M=
20のときと、M=100,W=595のときは呼損が
観測されなかった。図より、マルチキャスト配送を行う
ことにより呼損が大きく低減していることがわかる。例
えば、呼損率0.01を満足させるためには、T−Vo
Dでは一日あたりの要求が約7,500になるよう収容
ユーザ数を抑える必要があるが、マルチキャスト配送で
は約30,000の要求に対応することができる(W=
295,M=100の場合)。
【0087】以上のことから、用意するサーバのネット
ワークIO帯域に対して収容ユーザ数が少なく、ユニキ
ャスト配送を用いても呼損率を十分に低く抑えられる場
合には即時配送が可能なT−VoDを採用し、収容ユー
ザ数が多い場合にはマルチキャスト配送を採用するのが
望ましく、VTR操作に対応するために本実施形態を用
いることが有効である。
【0088】次に、マルチキャストセッションs上のコ
ンテンツ転送レートは、Pre−loading時間か
ら決まるコンテンツ毎に固有の最小必要伝送帯域α(m
s)以上、最小アクセス回線容量As以下の範囲で任意の
値をとることができるが、本実施形態では伝送帯域を有
効利用する目的から、同時接続セッション数に応じて動
的に伝送帯域を設定している。そこで、動的割当ての有
効性を明らかにするため、帯域を固定的にα(ms)に
設定する場合(最小帯域割当て方式)と、固定的にAs
に設定する場合(最大帯域割当て方式)とで呼損率を比
較評価する。
【0089】図9に、一日あたりの平均視聴要求数Uに
対する呼損率特性を示す。ただし、M=500、U=1
50,000,B=2,488Gbpsとした。帯域を固
定に割当てる場合には、保留時間が長くなっても各セッ
ションが消費する伝送帯域の少ない最小帯域割当て方式
が良好な特性を示している。
【0090】しかし、動的に帯域を割当てる本実施形態
では、最小帯域割当て方式よりも、さらに良好な特性を
示している。例えば、呼損率0.01を満たす一日当た
りの許容可能要求数は、最小帯域割当て方式が約62,
000であるのに対し、本実施形態では約116,00
0である。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、マルチ
キャスト・ストリーミング配送型のVoDシステムにお
いて、コンテンツ全体をSTBに保持することにより、
早送りを除いた任意のVTR操作がマルチキャストセッ
ションを維持したまま可能とし、同時接続セッション数
に応じて割当て伝送帯域を更新することにより呼損率を
低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における動的帯域制御の効果
を説明するための図。
【図2】実施形態における割当て帯域の更新例。
【図3】本発明のシミュレーションにおけるPre−l
oadingに対する最小必要帯域特性。
【図4】本発明のシミュレーションにおける需要パター
ン。
【図5】本発明のシミュレーションにおける時系列特
性。
【図6】本発明のシミュレーションにおける再計算周期
・最小必要伝送帯域和の平均値特性。
【図7】本発明のシミュレーションにおける平均バッチ
サイズ特性。
【図8】本発明のシミュレーションにおけるバッチング
の有無による呼損率比較結果。
【図9】本発明のシミュレーションにおける帯域割当て
方式間の呼損率比較結果。
【図10】マルチキャストVoDシステム構成。
【図11】マルチキャストストリームを継続できる例。
【符号の説明】
100…ビデオサーバ 101…ディスク 102、103、104…STB
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C025 AA30 DA10 5C053 FA23 FA28 GA11 GB37 HA32 LA06 LA07 5C064 BA01 BB05 BB10 BC10 BC18 BC23 BC25 BD02 BD08 5K030 GA03 HA08 HB03 HC01 JT04 LC01 LD06 LD17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーバに蓄積されたデジタル動画コンテ
    ンツをユーザのセットトップボックスに直接配送するビ
    デオ・オンデマンドサービス形態とし、かつ動画コンテ
    ンツを受信しながら並行して動画再生を行うストリーミ
    ング配送形態とし、かつサーバ資源の有効利用を図り呼
    損率を低減するマルチキャスト配送形態で動画コンテン
    ツを配送する方法であって、 マルチキャストセッションを維持したまま早送りを除く
    任意のVTR操作を可能とするようコンテンツの全体を
    STBに保持する手段と、 動画再生が中断するセットトップボックスのバッファア
    ンダーフローを回避するのに必要な最小伝送帯域を算出
    する手段と、 前記必要最小伝送帯域に基づき呼受付判定を行う手段
    と、 前記必要最小伝送帯域以上かつアクセス回線容量以下に
    なる同時接続セッション数に応じて割当て伝送帯域を動
    的に変更する手段と、 前記必要最小伝送帯域を定期的に再計算する手段と、を
    有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマル
    チキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテン
    ツの配送方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の配送方法において、動
    画コンテンツの全体を保持するのに十分な容量の記憶装
    置を前記セットトップボックスに用意し、一旦受信した
    データを再生後も廃棄せずに該セットトップボックスに
    保存し、視聴完了時には動画コンテンツの全体を該セッ
    トトップボックスに保持しておく手段を有して動画コン
    テンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビ
    デオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の配送方法において、動
    画コンテンツの配送開始時刻から予備受信時間を経過し
    た後に視聴を開始し、全画像フレームサイズシーケンス
    と前記予備受信時間の時間量から前記セットトップボッ
    クスバッファアンダーフローを回避するのに必要となる
    伝送帯域を算出する手段を有して動画コンテンツを配送
    することを特徴とするマルチキャスト・ビデオオンデマ
    ンドによる動画コンテンツの配送方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の配送方法において、各
    セッションに請求項3で算出した必要最小伝送帯域を確
    保するため、他に待ちユーザのいないコンテンツを要求
    した新規要求ユーザに対し、最小必要伝送帯域に基づい
    て呼受付判定を行う手段を有して動画コンテンツを配送
    することを特徴とするマルチキャスト・ビデオ・オンデ
    マンドによる動画コンテンツの配送方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の配送方法において、サ
    ーバ資源を有効利用するため、同時接続セッション数に
    応じて、各セッションに割当てる伝送帯域を動的に更新
    する手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴
    とするマルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動
    画コンテンツの配送方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の配送方法において、未
    伝送データ量が少なくなるにつれ以後の伝送に必要な伝
    送帯域が小さくなることを利用し、周期的にコンテンツ
    配送中のセッションに対して前記必要最小伝送帯域を再
    計算することで消費資源量を削減する手段を有して動画
    コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト
    ・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方
    法。
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