JP3560556B2 - マルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法 - Google Patents

マルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送帯域が保証でき、マルチキャスト配送が可能なネットワークを介し、サーバに蓄積されたデジタル動画コンテンツをユーザ宅の端末(STB)に直接配送するビデオ・オンデマンド(VoD)システムに係り、特にユーザがコンテンツの配送を受けながら視聴を行うストリーミング配送し、かつ同一コンテンツを視聴する複数のユーザに対し一本のマルチキャストセッションで配送を行うマルチキャストVoDによる配送方法に関し、さらには早送りを除く任意のVTR操作を簡易に実現し、サーバ資源の有効利用を図るよう伝送帯域を制御する配送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭に居ながらにして好みのビデオタイトルを任意の時間に視聴できるVoDサービスは、広帯域通信インフラを活用する有力な通信サービスの一つと考えられる。動画像データの情報量は大きく(NTSC,PALのTV放送品質で216Mbps)、一般的な動画符号化方式であるMPEG1(VHSビデオの品質相当)やMPEG2(TV放送の品質相当)で圧縮後も、その平均ビットレートは前者が数100k〜1.5Mbps、後者が4〜10Mbpsに達する。そのため、数Mbps以上の高速なアクセス回線が必要となるが、CATVや衛星ネットワークといった広帯域アクセス回線の利用に加え、xDSLや光アクセス回線の普及が始まり、高速なアクセス環境を利用できるユーザ数が今後は急速に増加していくものと思われる。
【0003】
VoDシステムにおける動画コンテンツ配送方法としては、配信を受けながら視聴を行うもの(ストリーミング配送)と、コンテンツの全体を先に受信し配信完了後に視聴を開始するもの(バースト配信)の二つの形態を考えることができる。VoDサービスの中心的なコンテンツになると思われる映画タイトルの場合、平均的な作品の長さが100分前後であることから、配送すべきコンテンツのサイズは数Gbytesにも及ぶ。数Mbpsのアクセス回線を用いた場合、コンテンツの配送に数時間を要することから、バースト配送では事前に視聴を予約するような予約配送型のサービスになるものと思われる。
【0004】
一方、ストリーミング配送ではコンテンツの配送を待つことなく視聴を開始できることから、本来の意味でのオンデマンドにより近い配送形態といえる。ユーザ宅のSTB(Set−Top−Box)に到着した画像フレームは一時的にバッファリングされ、画像フレーム再生レートに従い読み出される。一定間隔で画像フレームを再生し続けるためには、STBにおけるバッファアンダーフローを回避する必要があり、配送開始から数100ms〜数秒後に視聴を開始する(予備受信時間:Pre−loading)と同時に、平均ビットレート以上の伝送帯域を確保する必要がある。コンテンツが蓄積されているビデオサーバには同時に多数のセッションが接続されるため、サーバのネットワークIO帯域がシステム全体のボトルネックとなり、収容可能な最大ユーザ数が制限されることが知られている。そこでSTBとサーバ間を一対一に配送する(True−VoD(T−VoD))のではなく、同一タイトルを要求したユーザをまとめマルチキャストセッションにより配送することが、収容可能ユーザ数を増加させる点で有効となる。複数のユーザを束ねるため、数分間のバッチング期間が必要となるが、サーバ資源を有効に活用することができる。
【0005】
図10にマルチキャストVoDのシステム構成を示す。コンテンツプロバイダーもしくは通信キャリアが用意するMPEG1やMPEG2によりデジタル符号化されたビデオタイトルはビデオザーバ100のディスク101に蓄積される。大規模なVoDシステムの場合、数Mbpsの配送ストリームを同時に数千〜数十万本サポートする必要があることから、例えばSGI2800といった処理能力の大きなサーバを利用する必要がある。SGI2800の場合ディスクIO帯域は1.6Tbpsにもなるが、ネットワークIO帯域はそれよりも数桁小さく、また大容量トラヒックを一拠点からネットワークに流入させることは困難であるため、サーバのネットワークIO帯域がボトルネックとなる。
【0006】
一方、ユーザ宅には配送されたビデオコンテンツを受信すると同時にメモリやHDDに記憶し、並行してTV受像機に複合画像を表示するSTB102、103、104が設置される。これまで検討されているストリーミング配送では、数秒間もしくは数分間にわたる画像フレームを一時的にバッファリングするのみで、再生済みのデータはバッファから除去していた。そのため、必要となる記憶装置容量は数100kB〜数10MBであった。しかし、本発明に係る配送方法ではコンテンツの全体をSTBに蓄積することを考えるため、ビデオタイトルの一本が3GB〜7.5GBになることを考えると、数本〜数10本のタイトルを保存するためには数10GB〜数100GBの容量が必要になる。現在でも例えば60GBのHDDが4万円弱で購入でき、今後も価格が低下することが予想されることから、そのコストは許容できる範囲であると思われる。また、ユーザが複数回の視聴を行うことやコピーを行う可能性があることから、著作権を保護するためにはこれらの行為に制限を加える必要があるが、例えばIntertrust社のDRM(Digital Rights Management)を利用することにより、コンテンツプロバイダーは視聴毎に料金を徴収することが可能となる。
【0007】
次に、サーバ100とSTB102、103、104をつなぐネットワークについて考察する。本発明では動画データの配信を受けながら視聴を行うストリーミング配送を前提としているため、STBのアンダーフローを回避する最小必要伝送帯域(数100k〜数Mbps、画像フレームサイズとPre−loading時間から決まる)が存在する。そのため、ビデオサーバ100からSTB102、103、104間のEnd−toーendで数100k〜数Mbpsの伝送帯域を割当てる必要がある。また、同一タイトルを要求した全ユーザに対し一本のセッションで配送を行うため、マルチキャストセッションを確立する必要がある。以上のことから、以下のネットワーク形態を考えることができる。
【0008】
(1)ビデオサーバとSTBを衛星ネットワークで直接つなぐ形態。ただし、限られた伝送帯域を全ユーザで共有することから、同時接続数を多くすることができず、収容ユーザ数と提供コンテンツ数が限られたものになる。
【0009】
(2)MPLSやATMをバックボーンとし、数100kbps以上の伝送速度が達成できるXDSLやCATV,FTTHをアクセス網として利用する形態。XDSLやFTTHは今後、急速に普及していくものと思われるため有望な網インフラとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ビデオコンテンツの視聴要求は特定の人気タイトルに集中する傾向があり、収容ユーザ数が十分に多い場合、数分といった比較的短い時間内に同一タイトルに対する要求が発生する。そこで、個々の要求に対しユニキャストで配送する代わりに同一タイトルを要求した全ユーザに対してマルチキャストで配送すれば、サーバがサポートする同時接続セッション数を大幅に削減できるため、システム全体のボトルネックとなるサーバのネットワークIO帯域にかかる負荷を低減でき、収容可能なユーザ数を向上させることが可能となる。マルチキャスト配送を行うには複数のユーザを束ねるバッチング処理を行う必要があるが、主な方法として、以下の二つが考えられる。
【0011】
(1)Window−size based
対象コンテンツの待ちユーザのいない状態において、最初の視聴要求が発生した瞬間から、一定間隔Wの間だけバッチングを行う。すなわち、最初の要求からW後に配送が開始され、その間に発生した同一コンテンツに対する視聴要求が全て束ねられ、同一のマルチキャストセッションで配送を受ける。バッチサイズが不確定で特に人気のないコンテンツではマルチキャストの効果が小さくなるが、バッチング遅延時間の上限を時間Wで抑えられる長所がある。
【0012】
(2)Batch−size based
一定数Fの視聴要求がバッチングされたときに配送を開始する。バッチサイズを一定数Fに保つことができるが、バッチング遅延時間が不定となり、視聴要求時にバッチング遅延時間が確定しない問題がある。
【0013】
サービスを受けるユーザの観点からすれば、視聴を要求してから配送が開始されるまでの待ち時間が確定していることが好ましく、タイトルによって大きく変動するBatch−size basedは導入が難しいと思われる。
【0014】
この場合、間隔Wの決め方が問題となるが、間隔Wが大きなほどバッチサイズが増加し、呼損率が低減する。しかし、間隔Wの増加は、視聴要求から配送が開始されるまでの待ち時間を悪化させる。一般に、平均5分前後の待ち時間は許容範囲と考えることができ、本発明でも数分オーダーの間隔Wを想定する。
【0015】
次に、バッチング処理によるマルチキャスト配送は、サーバのネットワークIO資源の消費を抑え、収容可能ユーザ数を向上させる点で有効であるが、VoD特有のVTR操作に対する対処が問題である。
【0016】
まず、一時停止操作と再スタート操作について考える。図11の(a)に、画像フレーム1を表示中にユーザCが一時停止操作をし(a)、3画像フレーム時間後に再スタート操作を行った(b)場合のSTBバッファの様子を例示する。画像フレームサイズは一般に変動するが、図では簡単のため同一サイズとしている。一時停止中は画像フレームが再生されないが、その間もマルチキャストセッションから画像データが到着し続けるためSTBバッファは増加し続ける。
【0017】
図11の(b)に示すように、ユーザCのSTBバッファが溢れる前に再生が再開されれば、問題なくマルチキャストセッションによる配送を継続することが可能である。すなわち、一時停止・再スタート処理を行ったユーザCの再生ポイント(フレーム1)と、同一マルチキャストグループに属する他のユーザ(A,B)の再生ポイント(フレーム4)にずれが生じるが、その差がSTBバッファで吸収できる範囲であればマルチキャスト配送を継続することができる。しかし、停止時間が長期化し差が吸収できないほど大きくなった場合には、もはやユーザCはマルチキャーストグループに留まることができない。
【0018】
この際、もしユーザCの新しい再生ポイントとの差がSTBバッファで吸収可能なマルチキャストセッションが他にあれば、そこにユーザCを移動させることができる。しかし、マルチキャストセッション間の移動という処理がサーバに発生することと、新たにPre−loadingを行う必要があり、遅延が生じる問題があるが、サーバの同時接続セッション数を増やすことなく配送を継続することができる。問題はそのようなセッションが他にない場合で、ユーザCの視聴を継続させるためには、新たにユーザCのみをサポートするユニキャストセッションを設ける必要がある。このことは、一本のセッションに束ねていたユーザを細分化することを意味し、マルチキャスト配送の利点が失われ、サーバのネットワークIO帯域の消費量を増加させる。最悪の場合、空き資源不足から新たにユニキャストセッションを設けることができず、ユーザCの視聴を中断させる結果になることが予想される。
【0019】
また、Jump−forwardやJump−backwardといった再生点を直接指定して変更するようなVTR操作の場合(VTRにおける早送りと巻き戻しに相当。VoDではランダムな位置に直接移動可能)、やはり新たに生じる再生ポイントの差異がSTBバッファで吸収できない場合には同様の問題が生じる。更に、早送り再生やスロー再生といった動画の再生レートが変更される場合にも、ユニキャストセッションが必要となる。
【0020】
以上のことから、コンテンツの一部をSTBにて保存する従来のマルチキャストVoDシステムではVTR操作に対する対応が困難であり、マルチキャスト配送の効果が低減する。
【0021】
本発明の目的は、マルチキャスト・ストリーミング配送型VoDシステムにおいて、マルチキャストセッションを維持したまま早送りを除く任意のVTR操作を可能とする配送方法を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、各セッションに割当てる伝送帯域を固定ではなく、同時接続セッション数に応じて動的に更新し、良好な呼損率特性を達成することができる配送方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コンテンツの全体をSTBに蓄積すればマルチキャストセッションを維持したまま早送りを除く全てのVTR操作が容易に実現されることに着目したもので、以下の方法を特徴とする。
【0024】
(1)サーバに蓄積されたデジタル動画コンテンツをユーザのセットトップボックスに直接配送するビデオ・オンデマンドサービス形態とし、かつ動画コンテンツを受信しながら並行して動画再生を行うストリーミング配送形態とし、かつサーバ資源の有効利用を図り呼損率を低減するマルチキャスト配送形態で動画コンテンツを配送する方法であって、
マルチキャストセッションを維持したまま早送りを除く任意のVTR操作を可能とするようコンテンツの全体をセットトップボックスに保持する手段と、
動画再生が中断するセットトップボックスのバッファアンダーフローを回避するのに必要な最小伝送帯域を算出する手段と、
前記必要最小伝送帯域に基づき呼受付判定を行う手段と、
前記必要最小伝送帯域以上かつアクセス回線容量以下になる同時接続セッション数に応じて割当て伝送帯域を動的に変更する手段と、
動画コンテンツの配送を開始したセッションの配送開始後の任意の時刻において転送中の画像フレームと、この画像フレームの配送済みデータサイズを基にして、定期的にコンテンツ配送中のセッションに対して前記必要最小伝送帯域を再計算することで消費資源量を削減する手段とを有して動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0025】
(2)前記(1)に記載の配送方法において、動画コンテンツの全体を保持するのに十分な容量の記憶装置を前記セットトップボックスに用意し、一旦受信したデータを再生後も廃棄せずに該セットトップボックスに保存し、視聴完了時には動画コンテンツの全体を該セットトップボックスに保持しておく手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0026】
(3)前記(2)に記載の配送方法において、動画コンテンツの配送開始時刻から予備受信時間を経過した後に視聴を開始し、全画像フレームサイズシーケンスと前記予備受信時間の時間量から前記セットトップボックスバッファアンダーフローを回避するのに必要となる伝送帯域を算出する手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0027】
(4)前記(1)に記載の配送方法において、各セッションに前記(3)で算出した必要最小伝送帯域を確保するため、他に待ちユーザのいないコンテンツを要求した新規要求ユーザに対し、最小必要伝送帯域に基づいて呼受付判定を行う手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0028】
(5)前記(1)に記載の配送方法において、サーバ資源を有効利用するため、同時接続セッション数に応じて、各セッションに割当てる伝送帯域を動的に更新する手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態および実施形態に基づいたシミュレーションについて、以下に項分けして詳細に説明する。
【0031】
(1)最小必要伝送帯域
サーバにはM個のビデオコンテンツが蓄積されており、コンテンツm(1≦m≦M)の画像フレーム数をN、コンテンツmのn番目(1≦n≦N)の画像フレームサイズ〔bits〕をX(m)とする。ここでは、STBバッファアンダーフロー(画像データの到着が間に合わず、一定間隔Tでの画像再生が継続できない状態)を回避するのに必要な最小伝送帯域α(m)〔bps〕を導出する。
【0032】
いま、コンテンツmの伝送開始時刻をt、Pre−loading遅延量をD〔sec〕とすると(すなわちユーザは時刻t+Dに再生を開始できる)、VTR操作がなかった場合の画像フレームnの再生時刻Sは、
【0033】
【数1】
=t+D+(n−1)T …(1)
となり、画像データの転送レートをb〔bps〕とすると、画像フレームnの末尾がSTBに到着する時刻Fは、
【0034】
【数2】
Figure 0003560556
【0035】
となる。1≦n≦NにおいてF≦Sが満たされれば、STBバッファアンダーフローが回避できる。すなわち、転送レートbが全てのn(1≦n≦N)について、
【0036】
【数3】
Figure 0003560556
【0037】
を満足すればよい。よって、コンテンツmの最小必要伝送帯域α(m)は以下のように求まる。
【0038】
【数4】
Figure 0003560556
【0039】
この最小必要伝送帯域α(m)はO(N)の計算量で得られるが、ライブ中継とは異なりVoDではX (m)は既知であるので、Pre−loading時間量Dを予め与えればα(m)を事前に計算しテーブルに用意しておくことも可能である。
【0040】
早送り以外のVTR操作が発生した後の画像フレーム再生時刻は式(1)で示した値よりも大きくなるので、転送レートbが最小必要伝送帯域α(m)以上であればVTR操作後もSTBアンダーフローを回避できる。
【0041】
(2)伝送帯域の変更処理
VoDの伝送帯域に関する従来の研究では、STBのバッファアンダーフローを回避するという伝送帯域の下限に関する制限と、STBのバッファ溢れを回避するという伝送レートの上限に関する制限の双方を考慮する必要があった。
【0042】
しかし、コンテンツの全体をSTBに蓄積する場合にはバッファ溢れを考慮する必要がなく、前記の(1)で導出した最小必要伝送帯域α(m)以上であれば任意のレートで伝送することが可能である。
【0043】
WWWコンテンツのダウンロードやFTPファイル転送といったサービスでは、転送スループットが待ち時間を決めるため、ユーザの感知する品質に直接影響するが、VoDサービスでは最小必要伝送帯域さえ満足していれば、ユーザの感知する品質に影響を与えない。
【0044】
しかし、VoDサービスの需要は24時間の周期で大きく変動し、特に夕方から深夜にかけてピークが訪れることが知られている。ピーク時間帯には数多くの視聴要求が発生するため、個々のセッションに割当てる伝送帯域が小さなほど呼損率が低減し、収容可能なユーザ数が増加する。しかし、それ以外の需要が少ないアイドル時間帯では、ネットワークIO帯域の大部分が空いているにもかかわらず必要最小帯域のみが割当てられるため、セッション保留時間を短縮することができない。もし、アイドル時間帯に大きな伝送帯域を割当てることができれば、平均同時接続セッション数を抑えることができ、特にアイドル時間帯からピーク時間帯に入った時分の同時接続数が緩和され、更なる呼損率の低減が期待される。
【0045】
そこで、本実施形態では、同時接続数に応じて各セッションに割当てる伝送帯域を変更し、可能な限り各セッションに割当てる伝送帯域を大きな値とする。図1に割当て帯域を視聴要求量に応じて変化させることの効果を概念的に示す。
【0046】
以下、同時接続セッション数kが変化したとき(配送開始時と配送完了時)の、コンテンツmを配送するマルチキャストセッションsの割当帯域(転送レート)bの更新方法を示す。セッションsには一人以上のユーザが収容されているが、そのユーザ集団のアクセス回線伝送容量のうち最小のものをAとすると、bは、α(m)≦b≦Aの範囲で任意の値をとることができる。そこでbを、次のように再計算するものとする。
【0047】
【数5】
Figure 0003560556
【0048】
ただし、サーバのネットワークIO帯域をB〔bps〕とする。すなわち、各セッションに最小必要伝送帯域α(m)をまず割当て、残ったIO帯域資源を、最大可能伝送帯域Aを超えない範囲でAとα(m)の差に比例して配分する。
【0049】
(3)呼受付処理
コンテンツmを配送するセッションは最低でもα(m)の伝送帯域を確保する必要がある。そこで、他に待ちユーザのいないコンテンツを要求したユーザ(新規要求ユーザ)に対し、空きIO帯域がα(m)以上あるかどうかに応じて要求の受付可否判定を行う。バッチング中であるコンテンツを要求したユーザに対しては呼受付処理は不要であり無条件に収容される。
【0050】
さて、時刻tにコンテンツmに対する新規要求が発生した場合、このユーザに対する呼受付処理を説明する。視聴要求がサーバに到着してから、実際に配送が開始されネットワークIO帯域が消費されるのはバッチング遅延時間であるW後である。そのため、呼受付判定は、時刻t+Wの空き資源量に基づき行う必要がある。時刻tにおいて、コンテンツを配送中のマルチキャストセッション集合をΦaとし、バッチング中のマルチキャストセッション侯補集合(配送を開始していないが将来配送予定)をΦとする。バッチング時間Wは全コンテンツに対し一定であるとすると、tにおいてバッチング中であったセッション侯補はt+Wにおいて全て配送を開始している。よって、時刻t+Wにおける消費資源量は、
【0051】
【数6】
Figure 0003560556
【0052】
でその上限を抑えられる。実際にはtからt+Wの間に配送が完了し、割当て帯域を開放したセッションがある場合があり、これより少なくなるが、セッション保留時間に対してバッチング時間Wが十分に短いことから式(4)を用いて呼受付処理を行う。すなわち、サーバのネットワークIO帯域Bに対し、
【0053】
【数7】
Figure 0003560556
【0054】
を満足するときのみ、この新規要求を受け付ける。この結果、全てのセッションは各々の最小必要伝送帯域以上の転送レートを確保することができる。
【0055】
なお、式(2)で求めたα(m)は、コンテンツ転送開始時点から転送完了時点までの全期間において最小限必要になる伝送帯域であり、コンテンツの一部が既に転送されている場合には、それ以後の転送に必要となる伝送帯域はα(m)よりも小さくなる。よって、接続中セッションの最小必要伝送帯域を定期的に再計算することにより、収容可能なセッション数がさらに向上することが予想されるが、これについては後述の(5)で説明する。
【0056】
(4)処理プロセス
ここでは割当て帯域の更新例を図2に示し、前記までに述べた本実施形態における処理プロセスをまとめる。図2の例ではコンテンツ数Mを3とし(便宜上、各々のコンテンツをA,B,Cと表記する)、サーバのネットワークIO帯域Bを12Mbpsとする。また、最小必要伝送帯域α()を各々、α(A)=5Mbps、α(B)=3Mbps、α(C)=4Mbpsとし、アクセス回線容量は全ユーザとも10Mbpsであるとする。
【0057】
時刻tにおいて、セッションS1がコンテンツAを配送中であるとする。他に配送中のセッションは無く、またバッチング中のセッション侯補もないことから、セッションS1は最大可能帯域である10Mbpsを割当てられている。時刻tにおいて、ユーザU1がコンテンツBを要求したとする。コンテンツBはバッチング中でなく、これは新規要求であることから呼受付判定処理が実施されるが、式(5)を満足することから収容される。コンテンツBの配送はバッチング遅延W後(時刻t)であり、tにおいてはセッションS1の割当て帯域に変化はないことに注意する必要がある。
【0058】
続いて、ユーザU2がコンテンツBを要求しているが、既に同一コンテンツをユーザU1が要求し、バッチング中であることから呼受付判定は行わず、直ちに収容される(ユーザU4についても同様)。
【0059】
続いて、時刻tにユーザU3がコンテンツCを要求しているが、これは新規要求であることから呼受付判定を行い、配送中セッションS1とバッチング中のセッション侯補S2の最小必要帯域和(α(A)十α(B))とコンテンツCの最小必要帯域α(C)の総和がB以下であることから、やはり収容される。
【0060】
続いて、ユーザU5がコンテンツAを要求しているが、新規要求であることから(コンテンツAは配送中であるが、このマルチキャストセッションにユーザU5を途中から加えることはできない)呼受付判定を行う。式(5)を満たさないことから、この要求は呼損となる。
【0061】
時刻tにてユーザU1により起動されたコンテンツBのバッチング処理が完了し、ユーザU1とこの間に同一コンテンツを要求したユーザU2,U4に対し、コンテンツBのマルチキャスト配送が開始される。この瞬間、同時接続セッション数に変化が生じることから、式(3)に従いS1とS2の割当て帯域が設定される(例では6.67Mbpsと5.33Mbps)。S2にて配送を受ける三人のユーザは、配送開始からPre−lodeing遅延である時間D後に視聴を開始する。
【0062】
時刻tにてセッションS1の配送が完了し、それが開放されるが、同時接続数に変化が生じることからセッションS2の割当て帯域が更新される。この場合、アクセス回線容量である10Mbpsを割当てられる。時刻tにてユーザU3により起動されたバッチング処理が完了し、コンテンツCの配送が開始される。このとき、式(3)に従いセッションS2とS3の割当て帯域が各々、5.69Mbps、6.31Mbpsと計算される。
【0063】
(5)最小必要伝送帯域の再計算
前記の(3)呼受付処理で述べたように、新規要求に対する呼受付判定は転送処理中およびバッチング中のセッションの最小必要伝送帯域α(m)の総和がサーバのIO帯域B以内か否かで行っている。前記の(1)最小必要伝送帯域による設定ではα(m)をコンテンツmごとにPre−loading時間Dから求めていたが、これはコンテンツの転送開始時点において必要となる最小伝送帯域である。コンテンツの一部が転送された後の時点において、それ以後の転送での最小必要伝送帯域は式(2)より求めた値よりも小さくなるため、定期的に転送処理中セッションの最小必要伝送帯域を再計算すれば、より多くのセッションが収容できる可能性がある。
【0064】
そこで、時刻tにてコンテンツmの配送を開始したセッションの時刻t(t>t)における転送中の画像フレームがk、画像フレームkの配送済みデータサイズがσである場合の時刻t以降の最小必要伝送帯域を求める。
【0065】
画像フレームn(k≦n≦N)の再生時刻Sは、やはり式(1)で与えられる。画像データの転送レートがb〔bps〕のとき、画像フレームn(k≦n≦N)の末尾がSTBに到着する時刻Fは、
【0066】
【数8】
Figure 0003560556
【0067】
となる。k≦n≦NにおいてF≦Sが満たされればSTBバッファアンダーフローが回避できる。よって、時刻tにおいてコンテンツmの画像フレームkを転送中のセッションにおける最小必要伝送帯域はδ=t−t+Dとすると以下のように求まる。
【0068】
【数9】
Figure 0003560556
【0069】
(6)シミュレーション
以上までの各項を基にした本実施形態の配送方法のシミュレーションを行った。このシミュレーションについて以下に詳細に説明する。
【0070】
(a)シミュレーション条件
Wuerzburg大学にて公開されているMPEG1によりエンコードされた18本の動画コンテンツの画像フレームサイズシーケンスを用いる。以下の表1にMPEG1のエンコードパラメータを示す。また、表2に18本のソース各々の平均フレームサイズXとフレームサイズの変動係数CoVをまとめる。
【0071】
【表1】
Figure 0003560556
【0072】
【表2】
Figure 0003560556
【0073】
シミュレーションで用いたM個のコンテンツ各々について、ランダムにこれら18本のソースの中から1本を選択し、固定的に割当てる。コンテンツの長さは平均120分とし、105分〜135分の間からランダムに選択した。ただし、動画ソースのランダム数が40000(27.8分相当)であるため、最後の4フレームを削除した39996フレーム(3333GoP)を繰り返すことにより任意時間長のコンテンツを作成した。
【0074】
次に、適切なPre−loading遅延時間Dを調べるため、MPEGソースを120分に拡大した場合のDに対する最小必要伝送帯域αを式(2)により計算した結果を図3に示す。図示のように、100ミリ秒あたりまでは遅延時間Dの増加に対し、最小必要伝送帯域αは大きく低減するが、その後は5〜10秒あたりまで緩やかに低減し、それよりも大きくなると特性の改善はほとんど見られなくなる。ユーザの待ち時間はD以上、D+W以下となるが、Wを5分前後に選定することを考えると、Dは数秒に設定するのが望ましい。そこで、以下の評価では、D=5秒とした。なお、煩雑になるのを避けるため図では6本のMPEGソースについてのみ示しているが、他の12本についても同様な傾向が得られた。表2にD=5秒としたときの最小必要伝送帯域αをまとめる。
【0075】
ユーザからの視聴要求は到着率λ(t)〔/sec〕のポアソン過程に従いサーバに到着する。VoDサービスに対する需要は24時間周期で大きく変動することが知られており、到着率は時間t〔hours〕の関数となる。ここでは図4に示すモデルでλ(t)を与える。これは二つのVoD試験サービスで得られた視聴要求の発生パターンをモデル化したものであり、アイドル期間中は一定レートで要求が発生し、6時間にわたるピーク時間帯では三角形特性を呈する。試験サービスの観測結果から、ピーク時の到着率はアイドル時の5倍としている、一日あたりの平均発生要求数をUとすると、U=36×3600λとなる。シミュレーションでは、平均発生要求数Uを与えることによりλを決定する。
【0076】
サーバに到着した視聴要求は、各々独立にパラメータθ=0.271のZipf分布に従い、M個のコンテンツ中から確率p=c/(mの1−θ乗)でコンテンツmを選択する。アクセス回線容量は全ユーザとも同一で10Mbpsとした。
【0077】
(b)時系列特性
図5にαの再計算を行わない場合における平均同時接続数と各セッションに対する平均割当て伝送帯域の時系列特性を示す。ただし、コンテンツ数M=500、一日の平均要求数U=150000、ネットワークIO帯域B=2.488Gbps、バッチング間隔W=295秒(Pre−loading遅延が5秒なのでユーザの最大待ち時間は5分)とした。シミュレーションは三日分行い、そのうちの第二日目と第三日目を図示している。また、統計は15分間隔で行い、その間の平均値をプロットしてある。
【0078】
図4に示すパターンで需要を変化させたが、需要の増加する18時〜21時において同時接続セッション数も増加している。一方、0時〜6時の範囲で同時接続セッション数は減少しているが、需要の減少する21時〜24時の期間とは、3時間から6時間のずれがある。これは、ピーク時の割当て帯域が小さく、セッション保留時間が数時間に及ぶことが原因である。同時接続セッション数の少ないアイドル時間帯では、各セッションに最大割当て可能伝送レートであるアクセス回線容量10Mbpsが確保されていることがわかる。需要が増加するにつれ割当て帯域が減少し、ピーク時には最小必要帯域である数100kbpsにまで割当て帯域が減少している。そして需要が減少し、同時接続セッション数が減少するにつれ、割当て帯域は増加される。
【0079】
以上のことから、本実施形態では需要の変動に対して各セッションに割当てる伝送帯域が適切に修正されることが確認された。
【0080】
(c)αの再計算による効果
コンテンツを配送中の全セッションに対する最小必要伝送帯域を、式(6)により固定間隔Tαで再計算する。図6にM=500、U=15000、B=622Mbps、W=295秒、D=5秒としたときの、修正間隔Tαに対する平均必要伝送帯域和(コンテンツを配送中の全セッションに対する最小必要伝送帯域の総和の時間平均値)を示す。修正間隔Tαが短いほど最小必要伝送帯域和が低減するが、再計算を行わない場合(初期値利用)と比較して約28%小さくなっている(Tα=30の場合)。続いて、以下の表3にTαに対する呼損率をまとめる(T=∞はαの再計算を行わない場合)。
【0081】
【表3】
Figure 0003560556
【0082】
予想に反して、αを再計算した場合も呼損率はほとんど変化しないことがわかる。呼損が発生するPeak時間帯には、各セッションに割当てられる伝送帯域は必要最小伝送声域α(m,k,δ,σ)に近づくが、α(m,k,δ,σ)を再計算することにより、配送中セッションの消費伝送帯域を削減できる。しかし、伝送すべきデータ量に変化はなく、その分、セッション保留時間が増加する。
【0083】
一方、新規要求の要求帯域は全データが未転送なため、式(2)で算出されるα(m)となり再計算の恩恵はない。よって、呼損率に変化がみられないものと思われる。
【0084】
以上の考察から、特に最小必要伝送帯域の更新を行う必要はないことがわかった。
【0085】
(d)他方式との比較
図7に一日あたりの平均視聴要求数Uに対する平均バッチサイズ(一本のマルチキャストセッションに収容されるユーザ数)を示す。ネットワークIO帯域Bを622Mbpsとし、コンテンツ数Mを20、100、500、バッチング期間Wを295秒(最大待ち時間5分)、595秒(最大待ち時間10分)とした。ユニキャスト配送を行うT−VoDではバッチサイズが1になることから、マルチキャスト配送における平均セッション数はT−VoDに対して平均バッチサイズの逆数倍となる。よって、マルチキャスト配送を行うことにより、セッション数が大きく抑えられることがわかる。特に、バッチング期間を長くするほどより多くの視聴要求を束ねられることから、またコンテンツ数が少ないほど同一のコンテンツに対して要求が集中することから、バッチサイズは大きくなる。ただし、収容ユーザ数が少ない場合にはバッチングによる効果は小さい。
【0086】
図8にUに対する呼損率特性を示す。M=20のときと、M=100,W=595のときは呼損が観測されなかった。図より、マルチキャスト配送を行うことにより呼損が大きく低減していることがわかる。例えば、呼損率0.01を満足させるためには、T−VoDでは一日あたりの要求が約7,500になるよう収容ユーザ数を抑える必要があるが、マルチキャスト配送では約30,000の要求に対応することができる(W=295,M=100の場合)。
【0087】
以上のことから、用意するサーバのネットワークIO帯域に対して収容ユーザ数が少なく、ユニキャスト配送を用いても呼損率を十分に低く抑えられる場合には即時配送が可能なT−VoDを採用し、収容ユーザ数が多い場合にはマルチキャスト配送を採用するのが望ましく、VTR操作に対応するために本実施形態を用いることが有効である。
【0088】
次に、マルチキャストセッションs上のコンテンツ転送レートは、Pre−loading時間から決まるコンテンツ毎に固有の最小必要伝送帯域α(m)以上、最小アクセス回線容量A以下の範囲で任意の値をとることができるが、本実施形態では伝送帯域を有効利用する目的から、同時接続セッション数に応じて動的に伝送帯域を設定している。そこで、動的割当ての有効性を明らかにするため、帯域を固定的にα(m)に設定する場合(最小帯域割当て方式)と、固定的にAに設定する場合(最大帯域割当て方式)とで呼損率を比較評価する。
【0089】
図9に、一日あたりの平均視聴要求数Uに対する呼損率特性を示す。ただし、M=500、U=150,000,B=2,488Gbpsとした。帯域を固定に割当てる場合には、保留時間が長くなっても各セッションが消費する伝送帯域の少ない最小帯域割当て方式が良好な特性を示している。
【0090】
しかし、動的に帯域を割当てる本実施形態では、最小帯域割当て方式よりも、さらに良好な特性を示している。例えば、呼損率0.01を満たす一日当たりの許容可能要求数は、最小帯域割当て方式が約62,000であるのに対し、本実施形態では約116,000である。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、マルチキャスト・ストリーミング配送型のVoDシステムにおいて、コンテンツ全体をSTBに保持することにより、早送りを除いた任意のVTR操作がマルチキャストセッションを維持したまま可能とし、同時接続セッション数に応じて割当て伝送帯域を更新することにより呼損率を低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における動的帯域制御の効果を説明するための図。
【図2】実施形態における割当て帯域の更新例。
【図3】本発明のシミュレーションにおけるPre−loadingに対する最小必要帯域特性。
【図4】本発明のシミュレーションにおける需要パターン。
【図5】本発明のシミュレーションにおける時系列特性。
【図6】本発明のシミュレーションにおける再計算周期・最小必要伝送帯域和の平均値特性。
【図7】本発明のシミュレーションにおける平均バッチサイズ特性。
【図8】本発明のシミュレーションにおけるバッチングの有無による呼損率比較結果。
【図9】本発明のシミュレーションにおける帯域割当て方式間の呼損率比較結果。
【図10】マルチキャストVoDシステム構成。
【図11】マルチキャストストリームを継続できる例。
【符号の説明】
100…ビデオサーバ
101…ディスク
102、103、104…STB

Claims (5)

  1. サーバに蓄積されたデジタル動画コンテンツをユーザのセットトップボックスに直接配送するビデオ・オンデマンドサービス形態とし、かつ動画コンテンツを受信しながら並行して動画再生を行うストリーミング配送形態とし、かつサーバ資源の有効利用を図り呼損率を低減するマルチキャスト配送形態で動画コンテンツを配送する方法であって、
    マルチキャストセッションを維持したまま早送りを除く任意のVTR操作を可能とするようコンテンツの全体をセットトップボックスに保持する手段と、
    動画再生が中断するセットトップボックスのバッファアンダーフローを回避するのに必要な最小伝送帯域を算出する手段と、
    前記必要最小伝送帯域に基づき呼受付判定を行う手段と、
    前記必要最小伝送帯域以上かつアクセス回線容量以下になる同時接続セッション数に応じて割当て伝送帯域を動的に変更する手段と、
    動画コンテンツの配送を開始したセッションの配送開始後の任意の時刻において転送中の画像フレームと、この画像フレームの配送済みデータサイズを基にして、定期的にコンテンツ配送中のセッションに対して前記必要最小伝送帯域を再計算することで消費資源量を削減する手段と、
    を有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
  2. 請求項1に記載の配送方法において、動画コンテンツの全体を保持するのに十分な容量の記憶装置を前記セットトップボックスに用意し、一旦受信したデータを再生後も廃棄せずに該セットトップボックスに保存し、視聴完了時には動画コンテンツの全体を該セットトップボックスに保持しておく手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
  3. 請求項2に記載の配送方法において、動画コンテンツの配送開始時刻から予備受信時間を経過した後に視聴を開始し、全画像フレームサイズシーケンスと前記予備受信時間の時間量から前記セットトップボックスバッファアンダーフローを回避するのに必要となる伝送帯域を算出する手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビデオオンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
  4. 請求項1に記載の配送方法において、各セッションに請求項3で算出した必要最小伝送帯域を確保するため、他に待ちユーザのいないコンテンツを要求した新規要求ユーザに対し、最小必要伝送帯域に基づいて呼受付判定を行う手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
  5. 請求項1に記載の配送方法において、サーバ資源を有効利用するため、同時接続セッション数に応じて、各セッションに割当てる伝送帯域を動的に更新する手段を有して動画コンテンツを配送することを特徴とするマルチキャスト・ビデオ・オンデマンドによる動画コンテンツの配送方法。
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