JP2002261779A - シリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法及びプログラム - Google Patents

シリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法及びプログラム

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JP2002261779A
JP2002261779A JP2001053898A JP2001053898A JP2002261779A JP 2002261779 A JP2002261779 A JP 2002261779A JP 2001053898 A JP2001053898 A JP 2001053898A JP 2001053898 A JP2001053898 A JP 2001053898A JP 2002261779 A JP2002261779 A JP 2002261779A
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message
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field
reception
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JP2001053898A
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George Ichiro Hirayama
ジェオルジェ一郎 平山
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
AutoNetworks Technologies Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ISO11898準拠のシリアルバスとの上
位互換性を保ちながら、各受信側の受信通知の競合を防
ぐ。 【解決手段】 任意で自由度の高いデータフィールド内
に受信通知用フィールドを形成し、複数の受信通知用フ
ィールドRc1〜RcNに受信が成功した各電子制御ユ
ニットECU1〜ECU3のIDを個別に送信元に返信
する。この際、劣勢レベルのIDの電子制御ユニットE
CU1〜ECU3は、バスライン1上に他の優勢レベル
のIDが流れている場合に、そのときの受信通知用フィ
ールドRc1〜RcNでの返信を止め、後続する他の受
信通知用フィールドRc1〜RcNでの返信を試みる。
これにより受信通知の競合を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の電子制御
ユニットがバスライン上に接続され、一の電子制御ユニ
ットがメッセージを送信したときに、他の電子制御ユニ
ットが前記メッセージを受信した旨を前記一の電子制御
ユニットに通知するシリアルバスにおけるメッセージの
受信通知方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】CAN(Controller Area Network)通
信は、同じバスラインに接続された複数の装置間で、デ
ータ送信時に競合(コンテンション)が生じた場合で
も、データが破壊されることなく、1の装置のみがデー
タを送信し、他の装置は次の送信機会を待つように制御
するシリアル通信のプロトコルであり、例えば、自動車
電装の分野におけるエンジン制御装置、ブレーキ制御装
置、各種検知器の接続に使用することで、分散している
各装置のリアルタイム制御を、効率的に、かつ高い信頼
性で実現することができる。
【0003】用途は自動車などの乗り物に限定されず、
工場内の制御システムやビル管理、玩具、ゲーム機など
の産業機械分野にも使用可能である。
【0004】図7は自動車電装系の一例として、CAN
通信のバスライン1に複数の電子制御ユニットECU
1,ECU2が接続された構成を模式的に示す図であ
る。これらの電子制御ユニットECU1,ECU2は、
例えばナビゲーションシステム、CD(コンパクトディ
スク)プレイヤ及び電話制御機等であり、各電子制御ユ
ニットECU1,ECU2は、信号出力用のCANトラ
ンスミッタTx1、Tx2と、信号受信用のCANレシ
ーバRx1,Rx2とを通じてバスライン1に接続され
ている。尚、図7中の符号MT1は第1の電子制御ユニ
ットECU1の出力信号、符号MT2は第2の電子制御
ユニットECU2の出力信号、符号BMはバスライン1
上を流れる信号をそれぞれ示している。
【0005】図6は、ISO11898で標準規格化さ
れているCANのシリアルバスのメッセージフォーマッ
トを示す図である。このメッセージフォーマットは、例
えば特開平6−236333公報等で定義されているも
のと同じであり、図6に示されているように複数のフィ
ールドに分けられる。
【0006】即ち、このメッセージフォーマットでは、
先頭部分にフレームが開始される旨を意味するフレーム
開始文字2と、各フレームを互いに識別するための識別
子3と、ビットフィールド遠隔伝送要求(データが伝送
されるべきであるか要求されるべきであるかを指示する
データ)、データバイトコード(後述のデータフィール
ド5の長さに関する情報)及び将来の拡長に対して予約
されたビット等を含む制御フィールド4と、識別子3に
よって固定された伝送すべき内容情報を含むデータフィ
ールド5と、生成多項式を用いて発生される制御語(C
RCシーケンス)を含むCRCフィールド6と、メッセ
ージの受信通知のために使用するACKフィールド7
と、フレームが終了する旨を意味するフレーム終了フィ
ールド8とから構成されている。
【0007】ここで、メッセージの受信通知において、
ACKフィールド7を使用する動作を説明する。CAN
のバスライン1上では、図8の如く、優勢レベルと劣勢
レベルの電圧レベルがある。図8中の「劣」は劣性レベ
ル、「優」は優勢レベルをそれぞれ示している。あるC
ANトランスミッタが劣勢レベルをCANのバスライン
1上へ出力中、同じCANのバスライン1上に接続され
ている他のCANトランスミッタが優勢レベルを出力し
た場合、CANのバスライン1上のレベルは優勢レベル
になる。その特性を生かしたメッセージ通知方法がCA
Nでは用いられている。
【0008】例えば、図7及び図8で示されているよう
に、第1の電子制御ユニットECU1が、第2の電子制
御ユニットECU2に対して、メッセージMT1をバス
ライン1上に出力する。尚、このメッセージMT1内の
ACKフィールド7(図6)は、図8に示したように劣
勢ビットとされる。このメッセージMT1は、バスライ
ン1上にメッセージBMとして流される。
【0009】このとき、第2の電子制御ユニットECU
2は、メッセージBM中の識別子3(図6)に基づい
て、当該メッセージBMが、当該第2の電子制御ユニッ
トECU2にとって取り込まなければならないデータで
ある旨を認識する。
【0010】ここで、何も問題がなければ、第2の電子
制御ユニットECU2は、ACKビットをメッセージの
ACKフィールド7に格納し、メッセージMT2として
バスライン1上に出力する。この際、メッセージMT2
中のACKフィールド7には、優勢レベルであるACK
ビットが格納される。かかるメッセージMT2がバスラ
イン1上へ反映されると、第1の電子制御ユニットEC
U1は、メッセージMT2をメッセージBMとして受信
し、このメッセージBM中のACKフィールド7が優勢
レベルであることを検出する。これによって、第1の電
子制御ユニットECU1は、第2の電子制御ユニットE
CU2が最初のメッセージMT1を受け取ったことを認
識する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】例えば、図9のよう
に、3台の電子制御ユニットECU1〜ECU3が同一
のバスライン1上に接続されているものとする。
【0012】ある時点で、第1の電子制御ユニットEC
U1がメッセージMT1を出力し、そのメッセージMT
1を第2の電子制御ユニットECU2及び第3の電子制
御ユニットECU3が必要としているものとする。
【0013】ここで、一方の第2の電子制御ユニットE
CU2は正当にメッセージMT1(BM)を受信した
が、他方の第3の電子制御ユニットECU3が何らかの
理由でメッセージMT1(BM)を受信しなかった場合
を考える。
【0014】この場合、図10(3)の如く、第3の電
子制御ユニットECU3は、メッセージMT1(BM)
を受信していないため、その受信したことを示すメッセ
ージMT3を出力しない。
【0015】ところが、第2の電子制御ユニットECU
2は、滞り無くメッセージMT1(BM)を受信したた
め、図10(2)の如く、この第2の電子制御ユニット
ECU2は、ACKビットをメッセージのACKフィー
ルド7に格納し、これをメッセージMT2としてバスラ
イン1上に出力する。この際、メッセージMT2中のA
CKフィールド7には、優勢レベルであるACKビット
が格納される。かかるメッセージMT2が、図10
(4)の如く、メッセージBMとしてバスライン1上へ
反映されると、第1の電子制御ユニットECU1は、こ
のメッセージBMを受信し、このメッセージBM中のA
CKフィールド7が優勢レベルであることを検出する。
【0016】即ち、第3の電子制御ユニットECU3が
メッセージMT1(BM)の受信に失敗しているにも拘
わらず、第1の電子制御ユニットECU1は、第2の電
子制御ユニットECU2からのメッセージMT2(B
M)中のACKフィールド7の優勢であるACKビット
を認識してしまう(図10(4))ため、第1の電子制
御ユニットECU1は第3の電子制御ユニットECU3
がメッセージMT1(BM)を受け取らなかったことを
認識できない。
【0017】そこで、この発明の課題は、3台以上の電
子制御ユニットが同一のバスライン上に接続される場合
に、各電子制御ユニットのメッセージの受信通知を誤り
なく実行し得るシリアルバスにおけるメッセージの受信
通知方法及びプログラムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1に記載の発明は、複数の電子制御ユニットがバ
スライン上に接続され、一の電子制御ユニットがメッセ
ージを送信したときに、他の電子制御ユニットが前記メ
ッセージを受信した旨を前記一の電子制御ユニットに通
知するシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法
であって、前記メッセージ中に、所与のデータを格納す
る所与フィールドと、任意のデータを格納するデータフ
ィールドとを含め、前記データフィールド内に、各電子
制御ユニットが前記メッセージを受信した旨を示す複数
の受信通知用フィールドを各電子制御ユニットに対して
個別に形成し、受信先の前記各電子制御ユニットは、前
記メッセージを受信した旨を前記受信通知用フィールド
に個別に格納して送信元の前記電子制御ユニットに返信
する。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法であ
って、前記受信通知用フィールドは、前記各電子制御ユ
ニット毎に予め一意に付与された識別子が格納される。
【0020】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法であ
って、前記各電子制御ユニットが、送信元の前記電子制
御ユニットから与えられた前記メッセージを受信した時
に、一の前記受信通知用フィールドに当該各電子制御ユ
ニットの前記識別子を格納して前記バスラインに送信す
る第1の工程と、前記各電子制御ユニットが、前記識別
子が前記バスラインに与えられた際に、前記識別子のビ
ット毎に、前記バスラインの遷移状態が優勢レベルか劣
勢レベルかを判断する第2の工程と、前記第2の工程に
おいて、自己が前記バスラインに送信した前記識別子の
ビットの遷移状態と、前記バスライン上での実際の遷移
状態が異なっていると判断した場合に、前記一の前記受
信通知用フィールドへの前記識別子の格納を停止し、且
つ後続する前記受信通知用フィールドに前記識別子を格
納する第3の工程とを備える。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載のシリアルバスにおけるメッ
セージの受信通知方法を実現するプログラムである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一の実施の形態
に係るシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法
を説明する。尚、この実施の形態の構成は、基本的には
図9と同様であり、ただし、各メッセージMT1〜MT
3内のデータフィールド5内のデータ形式のみが従来例
と異なるものである。このため、この実施の形態におい
ては、従来例と同様の要素については同一符号を付して
いる。尚、この明細書では、所与のデータを格納するた
めのフレーム、即ち、フレーム開始文字2、識別子3、
制御フィールド4、CRCフィールド6、ACKフィー
ルド7、及びフレーム終了フィールド8を所与フィール
ドと称することにする。
【0023】このシリアルバスにおけるメッセージの受
信通知方法は、図9の如く、各電子制御ユニットECU
1〜ECU3に、それぞれを一意に識別するためのID
(識別子)を予め割り付けておくとともに、送信メッセ
ージMT1〜MT3内のデータフィールド5の一部分を
各電子制御ユニットECU1〜ECU3の受信通知用フ
ィールド(IDフィールド)Rc1〜RcN(これらを
総称して符号「Rc」とする)として使用し、バスライ
ン(シリアルバス)1上でメッセージBM中の制御フィ
ールド4が流れていることを検出した各電子制御ユニッ
トECU1〜ECU3が、この制御フィールド4に後続
する各受信通知用フィールド(IDフィールド)Rc1
〜RcN内に、受信が成功した電子制御ユニットECU
1〜ECU3のIDを格納してバスライン1上に返信す
るようにしている。
【0024】具体的には、各電子制御ユニットECU1
〜ECU3で生成される各メッセージMT1〜MT3内
のデータフィールド5は、その先頭部分に、図1のよう
に、各電子制御ユニットECU1〜ECU3が適正に受
信できた旨をそれぞれ示す第1〜第Nの受信通知用フィ
ールド(IDフィールド)Rc1〜RcNを固定ビット
領域として含んでおり、これらの第1〜第Nの受信通知
用フィールドRc1〜RcNに後続して、データ内容を
意味するデータ内容フィールドDtが設定される。
【0025】データフィールド5のビット長は、ISO
11898に準拠した長さに設定される。これにより、
例えば図2のように、この実施の形態に準拠した特殊な
電子制御ユニットECU1,ECU3と、この実施の形
態に準拠しない一般的なISO11898準拠の電子制
御ユニットECU2,ECU4とが混合されて同一のバ
スライン1上に接続される場合に、この実施の形態に準
拠したメッセージMT1,MT3の送受信が第1の電子
制御ユニットECU1と第3の電子制御ユニットECU
3との間でのみ行れれば、一般的な第2の電子制御ユニ
ットECU2及び第4の電子制御ユニットECU4は問
題なく動作する。
【0026】ここで、受信通知用フィールドRcをデー
タフィールド5内に含めるのは次の理由による。ISO
11898では、データフィールド5以外の所与フィー
ルド2〜4,6〜8ではビット数やデータ値が制約され
ているので、仮にデータフィールド5以外の所与フィー
ルド2〜4,6〜8を受信通知用フィールドRcとして
使用すると、上位互換性は保てなくなってしまう。特
に、一般的な第2の電子制御ユニットECU2または第
4の電子制御ユニットECU4がマスターとして機能
し、バスライン1上のデータ通信を監視している場合
は、データフィールド5以外の所与フィールド2〜4,
6〜8を受信通知用フィールドRcとして使用すると、
通信エラーを検出してエラー通報を行う可能性があり、
正常なバス動作が損なわれる。これに対し、データフィ
ールド5内のデータ値の内容は、ISO11898で厳
密に制約されているわけではなく、任意のデータを格納
することが許容されているので、たとえ一般的な第2の
電子制御ユニットECU2及び第4の電子制御ユニット
ECU4がバスライン1上を監視していても、この実施
の形態特有の受信通知方法に準拠したデータ通信は問題
なく動作するのである。ただし、この実施の形態におい
て特有の受信通知方法に準拠したメッセージは、一般的
な第2の電子制御ユニットECU2及び第4の電子制御
ユニットECU4に対しては送信できない。
【0027】尚、ISO11898では、データフィー
ルド5は0〜8バイトと定義されている。したがって、
一般的な第2の電子制御ユニットECU2及び第4の電
子制御ユニットECU4との通信互換性を保つために、
[受信通知用フィールドRcのバイト数+データ内容フ
ィールドDtのバイト数]の和が、8バイトを超えない
ように設定される。
【0028】また、データフィールド5内において、受
信通知用フィールドRcを先頭に設定しているのは、当
該受信通知用フィールドRcを制御フィールド4の直後
に配置することで、各電子制御ユニットECU1〜EC
U4間の同期ズレを低減するためである。
【0029】尚、上記のようにデータフィールド5内に
受信通知用フィールドRcを含ませる動作は、各電子制
御ユニットECU1〜ECU3(図9)内に搭載された
CPUが、フラッシュROM等の所定の記憶部内に予め
格納されたソフトウェアプログラムによって規定されて
いる。
【0030】このシリアルバスにおけるメッセージの受
信通知方法を、図3及び図4のフローチャート及び図5
のタイミングチャートに沿って説明する。尚、図3は、
図9に示す各電子制御ユニットECU1〜ECU3がメ
ッセージMT1〜MT3を送信する際の動作手順を示す
フローチャート、図4は、各電子制御ユニットECU1
〜ECU3がバスライン1上のメッセージBMを受信す
る際のひとつの動作例を示すフローチャートである。
【0031】図9のように、3台の電子制御ユニットE
CU1〜ECU3がバスライン1上に接続されている状
態で、図3中のステップS01で、例えば第1の電子制
御ユニットECU1が、制御フィールド4をバスライン
1上に送信する。このときに第1の電子制御ユニットE
CU1がバスライン1上に送信するデータフィールド5
のうち受信通知用フィールドRc1〜RcN内のデータ
は、図5(1)のように劣勢データとされる。
【0032】各電子制御ユニットECU1〜ECU3
は、図4中のステップT01において、バスライン1上
に流される制御フィールド4を受信する。各電子制御ユ
ニットECU1〜ECU3は、ステップT02で、制御
用の変数X,Yにそれぞれ値「1」を格納して初期化す
る。ここで、変数Yは、何番目の受信通知用フィールド
(IDフィールド)Rc1〜RcNであるかを示す受信
通知用フィールド番号、変数Xは、各受信通知用フィー
ルドRc1〜RcN内において何番目のビットであるか
を示すビット番号を意味している。尚、各受信通知用フ
ィールドRc1〜RcNのビット数は、例えば3〜4ビ
ットのIDを含むに十分な固定長のフォーマット(図5
中の符号Tw)で予め定義付けられているものとする。
【0033】次に、ステップT03において、各電子制
御ユニットECU1〜ECU3は、受信通知用フィール
ドRcのうちのY番目(No.Y)の受信通知用フィー
ルド(IDフィールド)Rc1〜RcN内に、IDを構
成するデータのうちのX番目(No.X)のビットを格
納し、これをバスライン1に送信する。尚、初期状態で
は、X及びYのいずれの値もが「1」であるので、1番
目である第1の受信通知用フィールドRc1の1ビット
目を格納してバスライン1上に送信することになる。こ
こで、具体例として、第2の電子制御ユニットECU2
が、第1の受信通知用フィールドRc1の1ビット目に
優勢データを格納してバスライン1上に送信することと
する。
【0034】次に、ステップT04において、第2の電
子制御ユニットECU2は、バスライン1上の第1の受
信通知用フィールドRc1の1ビット目のデータを受信
し、この受信したデータが、自分自身の送信したデータ
(優勢データ)と同一かどうかを判断する。ここでは、
第2の電子制御ユニットECU2が優勢データをバスラ
イン1上に送信しているため、この優勢データがバスラ
イン1を支配しており、従って、第2の電子制御ユニッ
トECU2は、バスライン1上の第1の受信通知用フィ
ールドRc1の1ビット目のデータが、自分自身の送信
したデータ(優勢データ)と同一である旨を判断し、次
のステップT05に進む。
【0035】ステップT05では、Xの値が、第1の受
信通知用フィールドRc1のうちの最終ビットであるか
否かを判断する。この時点では、上述のようにXの値が
「1」であるため、最終ビットでないものとしてステッ
プT06に進む。
【0036】ステップT06では、変数Xをインクリメ
ントする。そして、再びステップT03に戻る。
【0037】このようにして、第2の電子制御ユニット
ECU2から送信された優勢データが1ビットずつ(即
ち、変数Xの値がインクリメントされながら)、バスラ
イン1上に送信され、最終的には、ステップT05でX
の値が最終ビットであると判断され、この時点で、図5
(2)中の符号ID2のように、第2の電子制御ユニッ
トECU2に予め固有に付与されたIDをバスライン1
上に送信したことになる。このID2は、バスライン1
上のメッセージBMの一部として他の電子制御ユニット
ECU1,ECU3が認識する(図5(4))。このと
きの図5中のID2は、「優(ロー)、劣(ハイ)、優
(ロー)、優(ロー)」という4ビットのデータとして
実現されている例である。第2の電子制御ユニットEC
U2は、自己のID2をバスライン1上に送信した後
に、IDの送信を終了する(ステップT08)。
【0038】ここで、図4に示す処理ルーチンは、第2
の電子制御ユニットECU2だけでなく、第3の電子制
御ユニットECU3も実行している。第3の電子制御ユ
ニットECU3のID(符号ID3)は、図5(3)の
如く、第2の電子制御ユニットECU2のID(符号I
D2)よりも劣勢の「優(ロー)、劣(ハイ)、劣(ハ
イ)、優(ロー)」に予め設定されているものとする。
【0039】この場合、第3の電子制御ユニットECU
3が図4に示す処理ルーチンを、上記の第2の電子制御
ユニットECU2と同様に実行するに当たって、ID3
の1ビット目(即ち、Xの値が「1」)がID2と同じ
「優(ロー)」であり、またID3の2ビット目(即
ち、Xの値が「2」)がID2と同じ「劣(ハイ)」で
あるため、上述した第2の電子制御ユニットECU2と
同様に、ステップT03〜T06の処理を繰り返す。し
かしながら、ID3の3ビット目(即ち、Xの値が
「3」)においては「劣(ハイ)」であり、ID2の3
ビット目の「優(ロー)」と異なっている。したがっ
て、ID3の3ビット目(即ち、Xの値が「3」)の場
合、ステップT04において、第3の電子制御ユニット
ECU3が「劣(ハイ)」のビットをバスライン1上に
送信しているのにも拘わらず、バスライン1上のデータ
が第2の電子制御ユニットECU2からの優勢データで
ある「優(ロー)」(符号tα)に支配されて、自分自
身が送信したビットと異なっている旨を判断する。この
場合、第3の電子制御ユニットECU3は、自分自身よ
り優勢な他の電子制御ユニット(具体的には第2の電子
制御ユニットECU2)が優先的にバスライン1を使用
しているものと判断し、次のステップT07に進む。
【0040】ステップT07では、受信通知用フィール
ドを変更する処理を行う。具体的には、変数Yの値をイ
ンクリメントする。この場合は、変数Yの値を「1」か
ら「2」に変更することになる。また、変数Xの値を
「1」に初期化する。そして、ステップT03に戻る。
【0041】ステップT03では、2(=Y)番目の第
2の受信通知用フィールドRc2にID3の1(=X)
ビット目を格納してバスライン1上に送信する。この時
点では、第2の電子制御ユニットECU2は既に前の第
1の受信通知用フィールドRc1においてID2を送信
し終えているため、この第2の電子制御ユニットECU
2がバスライン1に送信するデータは全て劣勢データで
ある。したがって、バスライン1上では、新たな第3の
電子制御ユニットECU3からのID3のビットが優勢
を保つため、ステップT04においては、第3の電子制
御ユニットECU3にとって、バスライン1上のビット
が自分自身の送信したビットに一致していることを判断
する。そして、ステップT05に進み、Xの値が、第1
の受信通知用フィールドRc1のうちの最終ビットであ
るか否かを判断する。この時点では、上述のようにXの
値が「1」であるため、最終ビットでないものとしてス
テップT06に進む。
【0042】ステップT06では、変数Xをインクリメ
ントする。そして、再びステップT03に戻る。
【0043】このようにして、第3の電子制御ユニット
ECU3から送信された優勢データが1ビットずつ(即
ち、変数Xの値がインクリメントされながら)、バスラ
イン1上に送信され、最終的には、図5(3)中の符号
ID3のように、第3の電子制御ユニットECU3に予
め固有に付与されたIDをバスライン1上に送信するこ
とになる(ステップT08)。このID3は、バスライ
ン1上のメッセージBMの一部として他の電子制御ユニ
ットECU1,ECU2が認識する(図5(4))。
【0044】再び図3に戻り、メッセージMT1を送信
しようとしている第1の電子制御ユニットECU1は、
ステップS02において、受信通知用フィールドの最初
(No.1)の第1の受信通知用フィールドRc1を受
信し、続いてステップS03において次(No.2)の
第2の受信通知用フィールドRc2を受信する。このよ
うにして、全ての受信通知用フィールドRc1〜RcN
を第1の電子制御ユニットECU1が受信(ステップS
04)した後、自らが出力したメッセージMT1が全て
の電子制御ユニットECU2,ECU3に届いた旨を確
認し、ステップS05において、データ内容フィールド
Dt(図1)をバスライン1上に送信する。
【0045】このように、3台以上の電子制御ユニット
ECU1〜ECU3が同一のバスライン1上に接続され
ている場合に、受信側の各電子制御ユニットECU2,
ECU3のうち優勢レベルの低い電子制御ユニットEC
U3が、他の電子制御ユニットECU2よりプライオリ
ティが低いと認識し、その時点でIDの出力を取り止め
て、Tw後の次の受信通知用フィールドRc1〜RcN
に再出力するので、それぞれの電子制御ユニットECU
1〜ECU3の受信通知が競合することなく適正に受信
通知用フィールドRc1〜RcNを送信元に返信でき
る。したがって、各電子制御ユニットECU1〜ECU
3のメッセージBMの受信通知を誤りなく実行すること
が可能となる。
【0046】特に、受信通知用フィールドRc1〜Rc
Nを、自由度の高いデータフィールド5内に設定してい
るので、一般的なISO11898準拠のシリアルバス
との上位互換性を保ちながら、メッセージを送信したE
CUがそのメッセージを必要としているECUが受信で
きたか否かを識別できるようにして、通信の信頼性を向
上することが可能となる。
【0047】尚、上記実施の形態では、3台の電子制御
ユニットECU1〜ECU3がバスライン1上に接続さ
れている例を示したが、2台または4台以上の電子制御
ユニットが接続されても差し支えないことは言うまでも
ない。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、データ
フィールド内に、各電子制御ユニットがメッセージを受
信した旨を示す複数の受信通知用フィールドを各電子制
御ユニットに対して個別に形成し、受信先の各電子制御
ユニットが、メッセージを受信した旨を受信通知用フィ
ールドに個別に格納して送信元の電子制御ユニットに返
信するので、複数の電子制御ユニット同士の間で受信通
知用フィールドのデータが競合することがなくなり、全
ての電子制御ユニットが適正にメッセージを受信してい
るかどうかを送信側が容易に判断でき、通信の信頼性を
向上することが可能となる。特に、任意のデータを格納
することが許容されて自由度の高いデータフィールド内
に受信通知用フィールドを形成するので、例えばISO
11898準拠のシリアルバスとの上位互換性を保ちな
がらも、送信側が受信通知を受けることが可能となる。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、受信通知
用フィールドは、各電子制御ユニット毎に予め一意に付
与された識別子が格納されるので、この識別子により全
ての電子制御ユニットが適正にメッセージを受信してい
るかどうかを送信側が容易に判断できる。
【0050】請求項3に記載の発明によれば、各電子制
御ユニットが、送信元の電子制御ユニットから与えられ
たメッセージを受信した時に、一の受信通知用フィール
ドに当該各電子制御ユニットの識別子を格納してバスラ
インに送信し、続いて、各電子制御ユニットが、識別子
がバスラインに与えられた際に、識別子のビット毎に、
バスラインの遷移状態が優勢レベルか劣勢レベルかを判
断し、自己がバスラインに送信した識別子のビットの遷
移状態と、バスライン上での実際の遷移状態が異なって
いると判断した場合に、一の受信通知用フィールドへの
識別子の格納を停止し、且つ後続する受信通知用フィー
ルドに識別子を格納するので、複数の電子制御ユニット
が、その識別子の各ビットの優先順位(プライオリテ
ィ)の高いものから順に受信通知を行うことができる。
したがって、各電子制御ユニットの受信通知が競合する
ことなく送信元に適正に受信通知用フィールドを送信で
き、メッセージの受信通知を誤りなく実行することが可
能となる。
【0051】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
ないし請求項3のいずれかに記載のシリアルバスにおけ
るメッセージの受信通知方法をプログラムで実現するの
で、上記受信通知方法の処理が自動的に行われて便利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係るシリアルバス
におけるメッセージの受信通知方法において使用される
メッセージ中のデータフィールドのフォーマットを示す
図である。
【図2】この発明の一の実施の形態に係るシリアルバス
に複数の電子制御ユニットが接続された状態例を示すブ
ロック図である。
【図3】この発明の一の実施の形態に係るシリアルバス
におけるメッセージの受信通知方法におけるメッセージ
の送信元の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】この発明の一の実施の形態に係るシリアルバス
におけるメッセージの受信通知方法におけるメッセージ
の受信先の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】この発明の一の実施の形態に係るシリアルバス
におけるメッセージの受信通知方法を示すタイミングチ
ャートである。
【図6】ISO11898に準拠した一般的なメッセー
ジのフォーマットを示す図である。
【図7】2台の電子制御ユニットが同一のバスライン上
に接続された状態を示すブロック図である。
【図8】図7におけるメッセージの受信通知方法を示す
タイミングチャートである。
【図9】3台の電子制御ユニットが同一のバスライン上
に接続された状態を示すブロック図である。
【図10】図9におけるメッセージの受信通知方法を示
すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 バスライン 2 フレーム開始文字 3 識別子 4 制御フィールド 5 データフィールド 6 CRCフィールド 7 ACKフィールド 8 フレーム終了フィールド Dt データ内容フィールド ECU1〜ECU4 電子制御ユニット Rc(Rc1〜RcN) 受信通知用フィールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 ジェオルジェ一郎 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社オートネットワーク技術研究所内 Fターム(参考) 5K032 BA06 BA08 CC03 CD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の電子制御ユニットがバスライン上
    に接続され、一の電子制御ユニットがメッセージを送信
    したときに、他の電子制御ユニットが前記メッセージを
    受信した旨を前記一の電子制御ユニットに通知するシリ
    アルバスにおけるメッセージの受信通知方法であって、 前記メッセージ中に、 所与のデータを格納する所与フィールドと、 任意のデータを格納するデータフィールドとを含め、 前記データフィールド内に、各電子制御ユニットが前記
    メッセージを受信した旨を示す複数の受信通知用フィー
    ルドを各電子制御ユニットに対して個別に形成し、 受信先の前記各電子制御ユニットは、前記メッセージを
    受信した旨を前記受信通知用フィールドに個別に格納し
    て送信元の前記電子制御ユニットに返信することを特徴
    とするシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシリアルバスにおける
    メッセージの受信通知方法であって、 前記受信通知用フィールドは、前記各電子制御ユニット
    毎に予め一意に付与された識別子が格納されることを特
    徴とするシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のシリアルバスにおける
    メッセージの受信通知方法であって、 前記各電子制御ユニットが、送信元の前記電子制御ユニ
    ットから与えられた前記メッセージを受信した時に、一
    の前記受信通知用フィールドに当該各電子制御ユニット
    の前記識別子を格納して前記バスラインに送信する第1
    の工程と、 前記各電子制御ユニットが、前記識別子が前記バスライ
    ンに与えられた際に、前記識別子のビット毎に、前記バ
    スラインの遷移状態が優勢レベルか劣勢レベルかを判断
    する第2の工程と、 前記第2の工程において、自己が前記バスラインに送信
    した前記識別子のビットの遷移状態と、前記バスライン
    上での実際の遷移状態が異なっていると判断した場合
    に、前記一の前記受信通知用フィールドへの前記識別子
    の格納を停止し、且つ後続する前記受信通知用フィール
    ドに前記識別子を格納する第3の工程とを備えるシリア
    ルバスにおけるメッセージの受信通知方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のシリアルバスにおけるメッセージの受信通知方法を
    実現するプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8347009B2 (en) 2009-07-29 2013-01-01 Denso Corporation Communication system having a plurality of communication nodes

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