JP2002261086A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2002261086A
JP2002261086A JP2001061360A JP2001061360A JP2002261086A JP 2002261086 A JP2002261086 A JP 2002261086A JP 2001061360 A JP2001061360 A JP 2001061360A JP 2001061360 A JP2001061360 A JP 2001061360A JP 2002261086 A JP2002261086 A JP 2002261086A
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antenna
shield member
processing chamber
plasma
dielectric wall
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Shinji Iino
伸治 飯野
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Tokyo Electron Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導結合プラズマ処理装置の利点を生かしつ
つ、デポジションに起因したコンタミネーションの問題
が生じ難く、かつ処理の均一性の高いプラズマ処理装置
を提供すること。 【解決手段】 被処理基板Gが収容される処理室4と、
処理室4内に設けられ、被処理基板Gを載置する載置台
10と、処理室4の天壁を構成する誘電体壁3と、誘電
体壁3の外側に誘電体壁から適長離隔して設けられたア
ンテナ30と、アンテナ30に500MHz以上の周波
数の高周波を印加する高周波電源34と、誘電体壁3内
側の略全面を覆うように設けられ、電波を透過しかつ前
記処理室内に生成されたプラズマからの粒子が実質的に
不透過のスリット38を有し、高周波的に接地されたシ
ールド部材36とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD)用ガラス基板等の基板にプラズマ処理を施すプラ
ズマ処理装置およびそれに用いられる電極に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばLCDや半導体デバイスの製造プ
ロセスにおいては、基板に対してエッチング等のプラズ
マ処理が多用されている。
【0003】このようなプラズマ処理を行うプラズマ処
理装置としては、従来、容量結合プラズマを用いたもの
が主流であり、その中でも反応性イオンエッチング(R
IE)が一般的であるが、RIE容量結合プラズマ処理
装置によりpoly−Si、Mo、Ti、Ta等の金属
のエッチングを高エッチングレートで行おうとすると、
プロセスの制御性およびダメージ(基板の汚染等)が問
題となる。
【0004】そこで、近時、このような金属のエッチン
グを高エッチングレートで行うことが可能な装置として
誘導結合プラズマ(ICP)を用いたものが多用されて
いる。
【0005】このようなICPを用いたICP処理装置
は、アンテナに高周波電力を印加し、発生した誘導電界
を用いて高密度プラズマを発生することができ、処理室
内を低圧、低電子温度環境下に保ち、高速イオンにより
異方性エッチングを行うことが可能であるので、pol
y−Si、Mo、Ti、Ta等の金属のエッチングを高
いエッチングレートで行うことが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ICP
においてもエッチングレートを高くすると、必然的にR
IE同様、イオンのエネルギーが高くなる傾向となり処
理室内壁への反応生成物付着(デポジション)および基
板へのダメージが問題となる。特に、アンテナとプラズ
マとを誘導結合するためには、処理室の天壁として設け
られている誘電体壁に接するようにアンテナを配置する
こととなるが、その結果、アンテナとプラズマとが容量
結合をするために、誘電体壁表面に局部的な電界の強度
部分布が発生することにより誘電体壁への部分的なデポ
ジションや削れが生じる。このようなデポジションや削
れかすは、基板上のコンタミネーションを引き起こす原
因となるため、極力排除する必要がある。
【0007】このような誘電体壁へのデポジションを軽
減するための方法として、処理室内を加熱する等の方法
が考えられているが、デポジションの原因としてはプラ
スイオンによるスパッタリング、プラズマ中の電子によ
る静電吸着、化学反応、およびこれらが組み合わさった
もの等種々のものが挙げられ、このような対策ではデポ
ジションを完全に解消することは困難である。このた
め、状況に応じまたは定期的に誘電体壁のクリーニング
を実施している。
【0008】しかしながら、近時におけるLCDガラス
基板や装置の大型化にともない誘電体壁も大型化してい
るため、誘電体壁のクリーニングは困難であり、コンタ
ミネーションを引き起こすデポジションを有効に除去す
ることができないという問題がある。
【0009】また、上述のようなアンテナを誘電体壁に
接するように配置することにより発生する誘電体壁表面
での局部的な電界の強度分布によって、エッチングプロ
セスが不均一になるおそれがある。
【0010】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、誘導結合プラズマ処理装置の利点を生かしつ
つ、デポジションに起因したコンタミネーションの問題
が生じ難く、かつ処理の均一性の高いプラズマ処理装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、被処理基板が収容される処理室と、前記
処理室内に設けられ、被処理基板を載置する載置台と、
前記処理室の天壁を構成する誘電体壁と、前記誘電体壁
の外側に誘電体壁から適長離隔して設けられたアンテナ
と、前記アンテナに500MHz以上の周波数の高周波
を印加する高周波電源と、前記誘電体壁内側の略全面を
覆うように設けられ、電波を透過しかつ前記処理室内に
生成されたプラズマからの粒子が実質的に不透過のスリ
ットを有し、高周波的に接地されたシールド部材とを具
備することを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0012】また、本発明は、被処理基板が収容される
処理室と、前記処理室内に設けられ、被処理基板を載置
する載置台と、前記処理室の天壁を構成する誘電体壁
と、前記誘電体壁の外側に誘電体壁から適長離隔して設
けられたアンテナと、前記アンテナに500MHz以上
の周波数の高周波を印加する高周波電源と、前記誘電体
壁内側の略全面を覆うように設けられ、電波を透過しか
つ前記処理室内に生成されたプラズマからの粒子が実質
的に不透過のスリットを有するシールド部材と、前記シ
ールド部材に調整可能なバイアスを印加するバイアス印
加手段とを具備することを特徴とするプラズマ処理装置
を提供する。
【0013】さらに、本発明は、被処理基板が収容され
る処理室と、前記処理室内に設けられ、被処理基板を載
置する載置台と、前記処理室の天壁を構成する誘電体壁
と、前記誘電体壁の外側に誘電体壁から適長離隔して設
けられたアンテナと、前記アンテナに500MHz以上
の周波数の高周波を印加する高周波電源とを具備するこ
とを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
【0014】上記各発明において、前記処理室の側壁内
側の略全面に設けられた側壁シールド部材と、この側壁
シールド部材にバイアスを印加する第2のバイアス印加
手段とをさらに具備することが好ましい。また、前記載
置台に高周波バイアスを印加する高周波バイアス電源を
さらに具備することが好ましい。
【0015】以下、本発明の原理について説明する。高
周波電界の電界成分には静電界、磁束による誘導電界、
および電波が存在し、周波数が比較的低い領域では静電
界および誘導電界が支配的であるが、周波数が高くなる
に従って電波の寄与分が高くなる。そして、従来のIC
P処理装置は、静電界および誘導電界が支配的な13.
56MHz程度の周波数をアンテナに印加しているが、
この程度の周波数では静電界および誘導電界が支配的で
あり、アンテナとプラズマとの結合が主に容量結合およ
び誘導結合となる。このような状況下において容量結合
および誘導結合により高密度のプラズマを形成しようと
すると、これらは距離に伴う減衰が大きいため、十分な
エネルギーを得るために必然的にアンテナを誘電体壁に
接するように設ける必要がある。その結果、上述したよ
うにデポジションや削れ等に起因するコンタミネーショ
ンの問題および処理の不均一性が生じてしまうのであ
る。
【0016】そこで、本発明では、誘電体壁のデポジシ
ョンや削れ等を極力少なくするように、アンテナに供給
する周波数を、電波が強くなる500MHz以上として
相対的に静電界および誘導電界を小さくし、アンテナと
プラズマとの結合形態を電波結合が中心のものとすると
ともに、(1)アンテナと誘電体壁とを適長離隔させる
こと、またはこれに加えて(2)誘電体壁とプラズマと
の間に所定のシールドを設けることを備えるようにし
た。
【0017】すなわち、(1)に関しては、電界成分の
うち電波は距離に対する減衰が小さいため、アンテナを
誘電体壁から離すことが可能となり、アンテナを誘電体
壁から適長離隔させることによりアンテナが直接及ぼす
悪影響ならびに容量結合の悪影響を小さくすることがで
き、プラズマに対して均一な電界供給を行うことができ
る。
【0018】また、(2)に関しては、誘電体壁内側の
略全面に、電波を透過しかつ前記処理室内に生成された
プラズマからの粒子(イオン、電子、反応生成物等)が
実質的に不透過のスリットを設けることにより、プラズ
マの生成に影響を与えずに誘電体壁へのデポジションを
著しく抑制することができる。また、このようなシール
ド部材を接地することにより、アンテナとプラズマとが
容量結合をすることを防止することができ、アンテナの
局部的な電界の影響を小さくすると同時に、静電界によ
る誘電体壁へのデポジションや削れを一層有効に防止す
ることができる。さらにこのようなシールド部材にバイ
アス印加機構を設け、プロセス中の状況に応じてバイア
ス電圧等を調整することにより、その状況下で生じるシ
ールド部材へのデポジションの付着自体をも防止するこ
とができ、一層有効にコンタミネーションを防止するこ
とができる。また、長時間の処理によりシールド部材に
デポジションが生じた場合でも、例えば、載置台に高周
波バイアスを印加するとともに、シールド部材に所定の
バイアスを印加することによりシールド部材をプラズマ
クリーニングすることが可能となる。
【0019】したがって、これらを適宜組み合わせるこ
とにより、誘導結合プラズマ処理装置の利点を生かしつ
つ、デポジションに起因したコンタミネーションの問題
が生じ難く、かつ処理の均一性の高いプラズマ処理装置
を得ることができる。
【0020】また、前記処理室の側壁内側の全面に側壁
シールド部材を設け、この側壁シールド部材にバイアス
電圧を印加するようにすることにより、処理室の側壁へ
のデポジションを有効に防止することができるととも
に、デポジションの状態に応じてバイアス電圧等を調整
することにより、側壁シールド部材へのデポジションの
付着自体を防止することができ、さらに一層効果的にコ
ンタミネーションを防止することができる。また、この
側壁シールド部材にデポジションが生じた場合でも、例
えば、載置台に高周波バイアスを印加するとともに、側
壁シールド部材に所定のバイアスを印加することにより
側壁シールド部材をプラズマクリーニングすることが可
能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態について説明する。図1は本発明のプラズ
マ処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用プラ
ズマエッチング装置を示す断面図である。このプラズマ
エッチング装置1は、基本構造は従来のICPエッチン
グ装置と同様であり、チャンバー2を備えている。この
チャンバー2は、例えば表面がアルマイト処理(陽極酸
化処理)されたアルミニウムからなる角筒形状に形成さ
れている。このチャンバー2内の中央部にはチャンバー
2内を上下に仕切るように水平に設けられた誘電体壁3
が設けられており、誘電体壁3の下側が被処理基板であ
るLCDガラス基板Gを処理する処理室4、上側がアン
テナ室5となっている。すなわち、誘電体壁3は処理室
4の天壁として機能する。なお、誘電体壁3は、後述す
る上部シールド部材36上に載置される。誘電体壁3
は、例えば石英やアルミナ等のセラミックスで形成され
ている。この誘電体壁3は一体に形成されていてもよい
し、4分割され、分割体が枠体にはめ込まれるように構
成されていてもよい。
【0022】処理室4の底部には角柱状のサセプタ支持
台7が設けられており、さらにこのサセプタ支持台7の
上には、絶縁板8を介して被処理基板であるLCDガラ
ス基板Gを載置するためのサセプタ(載置台)10が設
けられている。このサセプタ10はアルマイト処理(陽
極酸化処理)されたアルミニウムからなる。また、サセ
プタ10の外周および上面周縁には絶縁部材11が設け
られている。
【0023】サセプタ10には、高周波電力を供給する
ための給電線12が接続されており、この給電線12に
は整合器13および下部高周波電源14が接続されてい
る。下部高周波電源14からは高周波バイアスとして例
えば6MHzの高周波電力がサセプタ10に供給され
る。
【0024】チャンバー2の側壁2bから処理室4内に
突出するように複数のガス吐出ノズル16が設けられて
おり、このガス吐出ノズル16にはガスライン17を介
してガス供給機構18が接続されている。そして、プラ
ズマを生成するためのガスがガス供給機構18からガス
ライン17を通ってガス吐出ノズル16に至り、このガ
ス吐出ノズル16から処理室4内へ吐出される。
【0025】チャンバー2の底壁2cには排気管21が
接続されており、この排気管21には排気装置22が接
続されている。排気装置22はターボ分子ポンプなどの
真空ポンプを備えており、これにより処理室4内を所定
の減圧雰囲気まで真空引き可能なように構成されてい
る。また、チャンバー2の側壁には基板搬入出口24
と、この基板搬入出口24を開閉するゲートバルブ25
が設けられており、このゲートバルブ25を開にした状
態で基板Gが隣接するロードロック室(図示せず)との
間で搬送されるようになっている。
【0026】一方、アンテナ室5内には、アンテナ30
が設けられており、このアンテナ30は後述するように
して給電管31とその中の給電棒(図1では図示せず)
に接続されている。給電管31内の給電棒は、チャンバ
ー2の上方に延び、チャンバー2の外側において整合器
33および上部高周波電源34が接続されている。上部
高周波電源34からは500MHz以上の周波数の高周
波電力が出力され、その高周波電力が整合器33を介し
てアンテナ30に供給される。このようにアンテナ30
に高周波電力が供給されることにより、処理室4内にプ
ラズマ生成用の電界が形成される。このアンテナ30
は、誘電体壁3から適長離隔して設けられている。この
離隔距離は上部高周波電源34の周波数に応じて設定さ
れ、例えば、周波数が500MHzのときに50mmに
なるように設定される。なお、周波数がさらに高い場合
は、離隔距離をさらに大きくしても、プラズマ密度の低
下度合いは小さい。
【0027】図2の平面図および図3の拡大断面図に示
すように、給電管31は、整合器33から下方に延びる
主管31aと、主管31aの下端から水平に十字状に4
方向に延びる水平管31bと、各水平管31bから下方
へ延びる4つの垂直管31cとを有している。そして、
給電棒32は、主管31a内を延びる主部32aと、水
平管31b内を延びる水平部32bと、垂直管31c内
を延びる垂直部32cとを有している。また、アンテナ
30は、図2の平面図に示すように、4つのアンテナ部
30a、30b、30c、30dを有しており、各アン
テナ部は給電管31の4つの垂直管31cの下端に対応
する位置に設けられている。アンテナ部30a、30
b、30c、30dはいずれも4つのアンテナ片a,
b,c,dが十字状に配置されてなり、これらのうちア
ンテナ片a,bが給電棒32の垂直部32cに接続され
ており、アンテナ片c,dが給電管31の垂直管31c
に接続されている。したがって、アンテナ片c,dに高
周波電力が直接供給され、アンテナ片c,dは接地され
る。
【0028】誘電体壁3の下には、誘電体壁3の全面に
密着するように誘電体壁3より大面積の板状導電体、例
えばステンレス鋼からなる上部シールド部材(シールド
部材)36が水平に配置されている。この上部シールド
部材36は、図4の平面図に示すように、枠体37の中
に4つの分割部36aが形成されており、各分割部36
aには中央に向かって45度傾斜した多数のスリット3
8が略全面に形成されている。これらスリット38は、
開口幅と開口間の幅とが同じ長さになるように等間隔で
形成されており、上面の開口と下面の開口とが開口幅分
ずれている。したがって、スリット38は上面の開口と
下面の開口とが重なり合わず、処理室4からのプラズマ
粒子が上方に透過することが防止される。一方、スリッ
ト38はアンテナ30からの電波は透過する。また、各
分割部36aの上面の周囲にはシール部材39が設けら
れており、このシール部材39により上部シールド部材
36と誘電体壁3とがシールされている。チャンバー2
の側壁2bからは絶縁体からなるフランジ状の支持部材
40が突出しており、上部シールド部材36はこの支持
部材40により支持されている。支持部材40の上面に
周回するようにシール部材41が設けられており、支持
部材40と上部シールド部材36とはこのシール部材4
1によりシールされている。そして、上記シール部材3
9とシール部材41により処理室4とアンテナ室5とが
隔離されている。
【0029】上記上部シールド部材36には、第1のバ
イアス印加機構42が接続されている。この第1のバイ
アス印加機構42は、ローパスフィルター43と、電圧
可変の直流電源44と2つのスイッチ45,46とを有
しており、上部シールド部材36に正負いずれも所望の
大きさのバイアス電圧を印加することができるようにな
っている。また、上部シールド部材36には接地線47
が接続されており、コンデンサー48を介して高周波的
に接地されている。
【0030】一方、処理室4にはチャンバー2の側壁2
bの内周に沿って角筒状の下部シールド部材(側壁シー
ルド部材)50が設けられており、側壁2bとの間には
絶縁体からなるスペーサ51が介在されている。この下
部シールド部材50の基板搬入出口24に対応する位置
には基板Gが可能な開口52が形成されている。
【0031】上記下部シールド部材50には、第2のバ
イアス印加機構53が接続されている。この第2のバイ
アス印加機構53は、ローパスフィルター54と、電圧
可変の直流電源55と2つのスイッチ56,57とを有
しており、下部シールド部材50に正負いずれも所望の
大きさのバイアス電圧を印加することができるようにな
っている。また、下部シールド部材50には接地線58
が接続されており、コンデンサー59を介して高周波的
に接地されている。
【0032】このように構成されるプラズマエッチング
装置1においては、まず、ゲートバルブ25を開放し、
基板Gを図示しないロードロック室から基板搬入出口2
4および下部シールド部材50の開口52を介して処理
室4内へと搬入し、サセプタ10上に載置する。この場
合に、基板Gの受け渡しはサセプタ10の内部を挿通し
サセプタ10から突出可能に設けられたリフターピン
(図示せず)によって行われる。その後、ゲートバルブ
25を閉じ、排気装置22によって、処理室4内が所定
の真空度まで真空引きされる。
【0033】その後、上部高周波電源34から整合器3
3を介してアンテナ30に周波数が500MHz以上の
高周波電力を供給するとともに、ガス供給機構18から
ガスライン17およびガス吐出ノズル16を介して処理
室4内にプラズマ生成用のガスが吐出される。そして、
アンテナ30により処理室4内に形成された電界により
供給されたガスのプラズマが生成される。一方、下部高
周波電源14から整合器13を介してサセプタ10に高
周波バイアスが印加され、プラズマ中のイオンが基板G
に引き込まれる。この状態で基板G上に形成された所定
の膜にエッチング処理が施される。
【0034】この場合に、従来のICP処理装置は、静
電界および誘導電界が支配的な13.56MHz程度の
周波数をアンテナに印加しているため、アンテナとプラ
ズマとの結合が主に容量結合および誘導結合となって十
分なエネルギーを得るために必然的にアンテナを誘電体
壁に接するように設ける必要があり、その結果、上述し
たようにデポジションや削れ等に起因するコンタミネー
ションの問題および処理の不均一性が生じていた。
【0035】これに対して、本実施形態のようにアンテ
ナ30に電波が強くなる500MHz以上の周波数の高
周波電力を印加して相対的に静電界および誘導電界を小
さくし、アンテナとプラズマとの結合形態を距離に対す
る減衰が小さい電波結合が中心のものとすることができ
るため、アンテナ30を誘電体壁3から離すことが可能
となり、したがって、アンテナ30を誘電体壁3から適
長離隔することにより、アンテナ30が直接与える悪影
響ならびに静電結合および誘導結合の悪影響を極力排除
して、プラズマに対して均一な電界供給を行うことがで
きる。
【0036】また、誘電体壁3の内側の全面を覆うよう
に上部シールド部材36を設け、この上部シールド部材
36に、電波を透過しかつ処理室内に生成されたプラズ
マからの粒子が実質的に不透過のスリット38を設けた
ので、プラズマの生成に影響を与えずに誘電体壁3への
デポジションを著しく抑制することができる。また、こ
のような上部シールド部材36を高周波的に接地したの
で、アンテナ30と処理室4に形成されたプラズマとが
容量結合をすることを防止することができ、アンテナ3
0の局部的な電界の影響を小さくすることができると同
時に、静電界による誘電体壁3へのデポジションや削れ
を一層有効に防止することができる。さらに第1のバイ
アス印加機構42により上部シールド部材36にバイア
スを印加し、そのバイアスをプロセス中の状況に応じて
調整することにより、そのプロセスの状況下で生じる上
部シールド部材36へのデポジションの付着自体をも防
止することができ、一層有効にコンタミネーションを防
止することができる。例えば、プラスイオンの流入によ
るデポジションまたは削れの影響がある場合は、シース
電位とほぼ同程度の電圧を印加することでイオンの加速
度を減衰させることによりイオンの流入を削減する。ま
た、高電位の電界によりイオンより軽い電子の衝突が増
加することによって、上部バイアス部材36が負に帯電
し、その結果上部バイアス部材36に負の静電気が発生
しプラスイオン等の粒子吸着を起こすようなプロセスに
おいては、所定の大きさの負の電位を印加することによ
って帯電を防止する。この場合には、図示はしていない
が、交流電源を設けて交流電位を印加することによって
も帯電を防止することができる。
【0037】長期間の処理により、上部シールド部材3
6にデポジションが生じた場合でも、上部シールド部材
36に負の電位(例えば、−100V)を印加するとと
もに、サセプタ10に高周波電力を印加することによ
り、クリーニングガスを用いた反応性イオンエッチング
(RIE)によるクリーニングが実施され、上部シール
ド部材36を短時間にクリーニングすることができる。
なお、このとき上部高周波電源34はオフにすることで
上部シールド部材36をプラズマクリーニングすること
が可能となる。
【0038】さらに、処理室4の側壁内側の略全面に下
部シールド部材50を設け、第2のバイアス印加機構5
3により下部シールド部材50にバイアスを印加し、そ
のバイアスをプロセス中の状況に応じて調整することに
より、そのプロセスの状況下で生じる下部シールド部材
50へのデポジションの付着自体をも防止することがで
き、一層有効にコンタミネーションを防止することがで
きる。例えば、プラスイオンの流入によるデポジション
または削れの影響がある場合や、高電位の電界によりイ
オンより軽い電子の衝突が増加することによって、下部
バイアス部材50が負に帯電し、その結果下部バイアス
部材50に負の静電気が発生しプラスイオン等の粒子吸
着を起こすようなプロセスの場合に、上記上部シールド
部材36の場合と同様にしてデポジションの付着を防止
することができる。
【0039】下部シールド部材50にも長時間の処理に
よりデポジションが生じる場合があるが、その場合も上
部シールド部材36と同様に、下部シールド部材50に
負の電位(例えば、−100V)を印加するとともに、
サセプタ10に高周波電力を印加することにより、クリ
ーニングガスを用いた反応性イオンエッチング(RI
E)によるクリーニングが実施され、下部シールド部材
50を短時間にクリーニングすることができる。
【0040】本実施形態のプラズマ処理装置によれば、
以上のような作用により、誘導結合プラズマ処理装置の
利点を生かしつつ、デポジションに起因したコンタミネ
ーションの問題が生じ難く、かつ処理の均一性の高いプ
ラズマ処理装置を得ることができる。
【0041】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の
形態では、上部シールド部材として45度のスリットを
形成したが、電波を透過しかつプラズマからの粒子が実
質的に不透過であればそのスリットの角度および形状は
問わない。ただし、角度が45度よりも小さくなる(よ
り水平に近づいた状態)と電波が透過しにくくなるため
好ましくない。上記実施形態では下部シールド部材を設
けたがこれは必須なものではなく、また、アンテナと誘
電体壁とを適長離隔させること、および誘電体壁とプラ
ズマとの間にシールド部材を設けることの両方を行って
いるがいずれか一方でもよい。さらに、アンテナの形状
も上記実施形態に示したものに限るものではない。さら
にまた、被処理基板としてLCDガラス基板を用い、こ
れにエッチングを施す場合について説明したが、これに
限らず、処理対象としては半導体ウエハ等の他の基板で
あってもよく、またプラズマ処理もエッチングに限ら
ず、スパッタリング、CVD等の他の処理であってもよ
い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
誘電体壁のデポジションや削れ等を極力少なくするよう
に、アンテナに供給する周波数を、電波が強くなる50
0MHz以上として相対的に静電界および誘導電界を小
さくし、アンテナとプラズマとの結合形態を電波結合が
中心のものとするとともに、(1)アンテナと誘電体壁
とを適長離隔させること、またはこれに加えて(2)誘
電体壁とプラズマとの間に所定のシールドを設けること
を備えるようにしたので、誘導結合プラズマ処理装置の
利点を生かしつつ、デポジションに起因したコンタミネ
ーションの問題が生じ難く、かつ処理の均一性の高いプ
ラズマ処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置を
示す断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置に
適用されたアンテナを示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置に
適用されたアンテナを示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置に
適用された上部シールド部材を示す平面図。
【符号の説明】
1;プラズマエッチング装置 2;チャンバー 3;誘電体壁 4;処理室 5;アンテナ室 10;サセプタ(載置台) 14;下部高周波電源(高周波バイアス電源) 30;アンテナ 34;上部高周波電源(高周波電源) 36;上部シールド部材(シールド部材) 38;スリット 42;第1のバイアス印加機構(バイアス印加手段) 47,58;接地線 50;下部シールド部材(側壁シールド部材) 53;第2のバイアス印加機構(第2のバイアス印加手
段) G;LCDガラス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 BC01 BC06 CA25 DA02 EB01 EB42 EC09 EC30 FC15 4K030 CA06 FA01 JA18 KA30 LA18 5F004 AA13 BA20 BB11 BB29 CA03 5F045 AA08 BB02 BB14 DP04 EB02 EH02 EH06 EH20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板が収容される処理室と、 前記処理室内に設けられ、被処理基板を載置する載置台
    と、 前記処理室の天壁を構成する誘電体壁と、 前記誘電体壁の外側に誘電体壁から適長離隔して設けら
    れたアンテナと、 前記アンテナに500MHz以上の周波数の高周波を印
    加する高周波電源と、 前記誘電体壁内側の略全面を覆うように設けられ、電波
    を透過しかつ前記処理室内に生成されたプラズマからの
    粒子が実質的に不透過のスリットを有し、高周波的に接
    地されたシールド部材とを具備することを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記シールド部材に調整可能なバイアス
    を印加するバイアス印加手段をさらに具備することを特
    徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 被処理基板が収容される処理室と、 前記処理室内に設けられ、被処理基板を載置する載置台
    と、 前記処理室の天壁を構成する誘電体壁と、 前記誘電体壁の外側に誘電体壁から適長離隔して設けら
    れたアンテナと、 前記アンテナに500MHz以上の周波数の高周波を印
    加する高周波電源と、 前記誘電体壁内側の略全面を覆うように設けられ、電波
    を透過しかつ前記処理室内に生成されたプラズマからの
    粒子が実質的に不透過のスリットを有するシールド部材
    と、 前記シールド部材に調整可能なバイアスを印加するバイ
    アス印加手段とを具備することを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  4. 【請求項4】 被処理基板が収容される処理室と、 前記処理室内に設けられ、被処理基板を載置する載置台
    と、 前記処理室の天壁を構成する誘電体壁と、 前記誘電体壁の外側に誘電体壁から適長離隔して設けら
    れたアンテナと、 前記アンテナに500MHz以上の周波数の高周波を印
    加する高周波電源とを具備することを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記処理室の側壁内側の略全面に設けら
    れた側壁シールド部材と、この側壁シールド部材に調整
    可能なバイアスを印加する第2のバイアス印加手段とを
    さらに具備することを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 前記載置台に高周波バイアスを印加する
    高周波バイアス電源をさらに具備することを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプラズマ
    処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006185992A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Plasma Ion Assist Co Ltd プラズマ成膜装置のクリーニング方法
JP2020092031A (ja) * 2018-12-06 2020-06-11 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
CN113632592A (zh) * 2019-03-20 2021-11-09 日新电机株式会社 等离子体处理装置

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