JP2002258744A - 改竄防止機能付コンテンツ配信方法、システム、コンテンツ提供者端末、およびコンテンツ利用者端末 - Google Patents

改竄防止機能付コンテンツ配信方法、システム、コンテンツ提供者端末、およびコンテンツ利用者端末

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JP2002258744A
JP2002258744A JP2001054972A JP2001054972A JP2002258744A JP 2002258744 A JP2002258744 A JP 2002258744A JP 2001054972 A JP2001054972 A JP 2001054972A JP 2001054972 A JP2001054972 A JP 2001054972A JP 2002258744 A JP2002258744 A JP 2002258744A
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JP2001054972A
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Hiroshi Shibata
弘 柴田
Takanari Hoshiai
隆成 星合
Takamichi Sakai
隆道 酒井
Keiichi Koyanagi
恵一 小柳
Jun Maeda
潤 前田
Keiji Kanasugi
恵次 金杉
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Fujitsu Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンテンツ配信サービスにおいて、仲介者を
なくし、コンテンツ配送のリアルタイム性と、コンテン
ツ利用者、コンテンツ提供者のプライバシーの安全性を
向上させる。 【解決手段】 コンテンツ提供者端末1が信用情報発行
者端末3に信用情報発行を依頼し、信用情報と、その元
になった情報を得る。コンテンツ利用者端末21,22
コンテンツの受付条件と信用情報を復号して検証する条
件式をフィルタとして意味情報ネットワーク4に設定す
る。コンテンツ提供者端末1は受付条件等をイベントと
して意味情報ネットワーク4に送信する。イベントに含
まれる受付条件がフィルタに含まれる受付条件と一致
し、かつイベントに含まれる信用情報をフィルタとして
設定された条件式で復号した情報が元の情報に一致する
コンテンツ利用者端末がコンテンツを受信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配送データが他者
に改竄されるのを防止するコンテンツ配信方法およびシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】図17はこの種のコンテンツ配信システ
ムの従来例の構成図である。
【0003】このコンテンツ配信システムはコンテンツ
提供者端末11と、コンテンツ利用者端末121,122
と、信用情報発行者端末13と、コンテンツ仲介者端末
18と、インターネット等のネットワーク14で構成さ
れている。コンテンツ提供者端末11にはコンテンツ提
供用アプリケーション15、コンテンツ利用者端末12
1,122にはコンテンツ利用アプリケーション161
162、信用情報発行者端末13には信用情報発行用ア
プリケーション17、コンテンツ仲介者端末18にはコ
ンテンツ仲介用アプリケーション19がそれぞれインス
トールされている。
【0004】コンテンツ提供者Aはコンテンツ提供用ア
プリケーション15を用いて信用情報発行者Cと、コン
テンツに対する信用情報発行の契約を行い、信用情報発
行処理に応じた対価を支払う(1)。コンテンツ提供者
Aは、コンテンツ提供用アプリケーション15を使用
し、配信しようとするコンテンツの信用情報発行を、契
約した信用情報発行者Cに依頼し、コンテンツ提供用ア
プリケーション15は、前記コンテンツを信用情報発行
者端末13に送信する(2)。信用情報発行者端末13
はそれを受信すると、信用情報発行者Cは信用情報発行
用アプリケーション17を使用し、コンテンツの内容が
正当であることを確認した後、当該コンテンツまたはそ
の一部、あるいはそれを元に特定の計算を行って得られ
た値等を信用情報発行者Cが持つ秘密鍵で暗号化した信
用情報(ディジタル署名)を生成し、信用情報を生成す
る元になった前記情報とともにコンテンツ提供者端末1
1に返す(3)。コンテンツ利用者B1,B2はコンテン
ツ利用者端末121,122からコンテンツ利用アプリケ
ーション161,162を用いてコンテンツ仲介者端末1
8に、配信を希望するコンテンツの条件を登1録する
(4)。一方、コンテンツ提供者Aは、どのような希望
条件に合致するかを記したコンテンツと、信用情報の元
になる値(コンテンツまたはその一部、またはコンテン
ツ(の一部)を元に特定の計算を行って得られる値)
と、コンテンツが信用できるものであることを証明する
ために信用情報発行者Cがディジタル署名技術等により
生成した信用情報を合わせてコンテンツ提供者端末11
からコンテンツ仲介者端末18に送る(5)。コンテン
ツ仲介者Dはコンテンツ提供者Aから受けたコンテンツ
の中から、コンテンツ利用者B1の条件に合うコンテン
ツとその信用情報、信用情報の元になる値をコンテンツ
利用者端末121に配信し、コンテンツ利用者B1は信用
情報を復号して信用情報が正当であることを確認しコン
テンツを参照する(6)。または、コンテンツ仲介者D
がコンテンツ利用者の条件に合うコンテンツの信用情報
を復号して信用情報が正当であることを確認した後、コ
ンテンツをコンテンツ利用者に配信する。このとき、コ
ンテンツ仲介者Dに対して手数料等が発生する(7)。
コンテンツ仲介者Dはコンテンツ提供者Aから仲介料を
もらい(8)、コンテンツ提供者Aに精算する(9)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のコンテ
ンツ配信システムは、 ・仲介者が存在することによる、リアルタイム性の低下 ・仲介料の発生 ・仲介者の運営するサーバにおける負荷の集中化 ・仲介者の存在を知らなければならない ・コンテンツ利用者のプライバシー(配信希望するコン
テンツの条件)、コンテンツ提供者のプライバシー(ど
んなコンテンツを配信しようとしているか)を仲介者へ
告知しなければならないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、コンテンツ配送のリアル
タイム性を向上させ、仲介料の発生をなくし、負荷を分
散化し、コンテンツ仲介者の存在を知らなくても、不特
定多数のコンテンツ提供者から信用できるコンテンツを
受け取ることができ、コンテンツ利用者、コンテンツ提
供者のプライバシーの安全性を向上させるコンテンツ配
信方法およびシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ネットワークとして情報に付与された意
味情報を元に情報を配送する意味情報ネットワークを用
い、以下の処理を行う。 (1)コンテンツ提供者端末上のコンテンツ提供用アプ
リケーションとコンテンツ利用者端末上のコンテンツ利
用アプリケーションを意味情報ネットワークに接続す
る。 (2)一人以上のコンテンツ利用者は、コンテンツ利用
アプリケーションを使用し、配信を希望するコンテンツ
に関する受付条件を決定する。そしてコンテンツ利用ア
プリケーションは、前記コンテンツの受付条件と、公開
されている信用情報発行者の復号鍵等で信用情報を復号
して検証する条件式をフィルタとして意味情報ネットワ
ークに送信する。 (3)一人以上のコンテンツ提供者は、コンテンツ提供
用アプリケーションを使用し、配信するコンテンツおよ
びそのコンテンツの固有条件(想定するコンテンツ利用
者の受付条件)をコンテンツ提供者端末に入力する。コ
ンテンツ提供用アプリケーションは、信用情報発行者端
末へコンテンツを送り、コンテンツまたはその一部、あ
るいは信用情報発行者がコンテンツまたはその一部を元
に特定の計算を行って得られた値と、ディジタル署名技
術等によりそれを暗号化して生成した信用情報を受け取
る。そして、前記コンテンツを、前記固有条件、信用情
報、および信用情報を生成する元になった情報を条件と
するイベントとして意味情報ネットワークに送信する。 (4)イベントプレースにおいて、前記フィルタとイベ
ントとの照合が行われ、フィルタ値に示される条件に合
致したイベントが、当該フィルタを設定したコンテンツ
利用アプリケーションに転送される。コンテンツ利用ア
プリケーションが受信した前記イベントは、意味情報ネ
ットワークにおいて、信用情報(ディジタル署名)を信
用情報発行者の公開鍵で復号され、信用情報の元になっ
た情報と照合して信用情報が正しいことが確認されたも
のであり、コンテンツ利用アプリケーションは、コンテ
ンツ利用者にその参照を可能とする。 (5)前記コンテンツ利用者あるいはコンテンツ利用ア
プリケーションは、受信あるいは受信して参照したコン
テンツに対する対価をコンテンツ提供者に支払う。
【0008】本発明の実施形態を説明する前に、本発明
の前提となる、発信する情報のメッセージ性を高めた分
散型ネットワークシステムについて説明する。
【0009】分散型指向のネットワークシステムとして
は、ナップスターを用いるものが知られ、さらに、分散
性を高めたネットワークシステムとしては、Gnute
llaを用いるものが知られている。
【0010】まず、ナップスターを用いるネットワーク
システムについて説明する。ナップスター利用者は、各
ナップスター利用者が公開するファイルの情報を格納し
たナップスター社のサーバに検索要求を送信し、ナップ
スター社のサーバは検索したファイルを所有するナップ
スター利用者に関するIPアドレス等の情報を返信す
る。実際のファイルのやり取りはナップスター社のサー
バを介することなく、IPアドレスを入手した利用者が
直接目的とするファイルを所有するナップスター利用者
にアクセスすることにより行われる。
【0011】Gnutellaを用いるネットワークシ
ステムの場合には、Gnutella利用者の端末は、
接続している相手端末の状態を定期的に確認し、メッセ
ージやファイルの検索要求を中継し合うことが行われ
る。検索結果は検索要求を行った相手に戻され、その後
のファイル転送はナップスターと同様に利用者間で直接
行われる。これにより、サーバを用いることなくネット
ワークが構築されることとなる。
【0012】これらの各ネットワークシステムのうち、
ナップスターを用いるものにおいては、本発明が問題点
とする仲介者に相当するサーバを必要とするため、本発
明の目的を達成するものではない。
【0013】Gnuetellaを用いるネットワーク
システムにおいては、サーバを用いることなくメッセー
ジやファイルの検索要求が行われるものの、発信する情
報が単なるファイルの検索要求であり、この応答を確認
した利用者によるファイルの転送が利用者間で行われる
ものであるため、オークションや逆オークション等の1
対複数でのやり取りが必要となる形態にはそぐわない。
【0014】発信する情報のメッセージ性を高めた分散
型ネットワークシステムとして以下に説明する意味情報
ネットワークシステムがあり、本発明は、このような意
味情報ネットワークシステムを用いることを前提とす
る。
【0015】まず、意味情報ネットワーク(Semantic I
nformation-Oriented Network、以下、SIONと称す
る)について概要を説明する。SIONは、意味情報に
基づいて、イベントを目的地まで配送することが可能な
ネットワークである。図18に、SIONの概念モデル
を示す。図18において、各端末22は、意味情報(Se
mantic Information:SI)をSION21に対して登
録する。一方、イベントを送信する端末22は、図19
に示す意味情報(Senmantic information)とデータ(D
ata)から構成されるイベントをSION21に送出す
る。ここでいう、意味情報とは、イベントに含まれるデ
ータの特性を記述したものであり、データのメタ情報と
して位置づけられる。例えば、意味情報は、 ・データを“東京在住者”に配送する。 ・データを“クラシックに興味のある人”に配送する。 ・データを“1Mbps以上の通信環境を有する人”に
配送する。 ・データを“目白通りを通行中の人”に配送する。 ・データを“キーワード(例えば旅行)に合致するコン
テンツを有するコンテンツプロバイダ”に配送する。等
の表現が用いられる。
【0016】SION21は、上述したような意味情報
に基づいて、データを配送すべき対象(端末、人、ソフ
トウエアなど)を動的に決定し、特定された対象者に対
して、データの配送および通知を行うことが可能な自律
分散型のメタネットワークである。このSION21を
用いることにより、ブローカを介することなく、情報提
供者が提供するに相応しいユーザに対してのみ、自身の
情報を直接提案することが可能になる。このような、ブ
ローカ非介在型(非ブローカモデル)でpeer-to-peerの
情報提案が可能なビジネスモデルを、ここでは、御用聞
きモデル(または、御用聞き型情報提案モデル、非ブロ
ーカモデル)と呼ぶ。同様に、検索サービス(ブロー
カ)を介することなく、ユーザが希望する情報を直接探
索可能な、リアルタイム情報検索も可能である。なお、
御用聞き型情報提案サービスとして、以下のサービス等
に適用することが可能である。 (1)製造会社:自社製品に興味を持ってくれそうなお
客様を中心に製品案内を送りたい。 (2)広告主:お客様ごとにパーソナライズされた広告
を送りたい。 (3)物々交換:ユーザ間の合意に基づいて、製品を売
買したり、交換したい。
【0017】なお、イベントのデータ部にどのような情
報を設定するかは、サービス依存である。例えば情報の
実体、情報へのリファレンス(URL、分散オブジェク
ト識別子等)、プロキシ(Jiniプロキシ等)、モバ
イルエージェントなど様々な利用形態が可能である。
【0018】次に、SIONの詳細について説明する。
【0019】<SIONアーキテクチャ>まず、SIO
N21のネットワークアーキテクチャについて説明す
る。図20にSION21のネットワークモデルを示
す。ここで、説明の便宜上、端末22を、イベント送信
者の送信端末31とイベント受信者の受信端末32とに
区別して表記する。イベント受信者は、受信端末32を
用いて自身が受信することを希望するイベントの意味情
報(受信するイベントのタイプと取得条件)をメタデー
タとしてSION21に登録する。これをフィルタ(Fi
lter)と呼ぶ。一方、イベント送信者は、送信端末31
を用いてSION21にイベントを送出することによ
り、SION21に刺激(Incentive)を与える。この
イベントは、図19に示すようにイベントの特性を記述
した意味情報とデータから構成される。意味情報の定義
を図21に示す。意味情報は、イベントのメタデータで
あり、かつ、意味情報タイプ(イベントタイプ)のイン
スタンスである。
【0020】SION21は、イベント受信者が登録し
たフィルタに対して、イベント送信者が送出したイベン
トを照合(フィルターリング)させるための自律分散型
の照合ネットワークである。照合の結果、イベントが通
過した(イベントに反応した)フィルタは発火(Igniti
on)し、対応するイベント受信者の受信端末32が自律
起動する。この仕組みにより、不特定多数の端末2の中
から、対象となる端末22をスケーラブルかつリアルタ
イムに探索・発見することが可能になる。
【0021】次に、イベントタイプについて説明する。
図22に、イベントのテンプレートであるイベントタイ
プの定義例を示す。図22に示すように、イベントタイ
プは、イベントタイプ名(E vent type name)と条件名
(図22においては、”Service”や”CPU power”が相
当する)、およびそれぞれの条件名に対するデータ型
(StringやLongが相当する)と条件式(==や>=が相
当する)が定義されたものである。イベントタイプ名
は、イベントタイプを一意に識別するための名称であ
る。
【0022】なお、イベントタイプの親タイプを継承可
能である。
【0023】図23に示すように、イベントタイプのデ
ータ構造に従って、イベントを作成する。イベントは、
イベントタイプ名、条件名と条件値の組み合せ、およ
び、データ部から構成される。イベントの中で定義され
た条件名、条件式、条件値が、イベントタイプと一致し
ない場合は、エラーになる。但し、イベントの中で使用
される条件名は、イベントタイプのサブセットでも良
い。
【0024】図24にフィルタの定義例を示す。フィル
タは、受け付けるイベントタイプ名(Event type nam
e)、属性名(図24においては、”CPU power”や”Ag
e”が相当する)と属性値(図24においては、200
や25が相当する)のペアーから成る。受け付けるイベ
ントタイプ名で定義されたイベントタイプに属するイベ
ントのみが、フィルタリングの対象となる。ここには、
複数のイベントタイプ名を定義することができ、さら
に、ワイルドカード(*.*)を指定することにより、
全てのイベントを対象とすることも可能である。なお、
フィルタで定義された属性名が、受け付けるイベントタ
イプ名で定義されたイベントタイプの条件名の中に存在
しない場合には、エラーとなる。但し、イベントタイプ
のサブセットでも良い。
【0025】次に、SION21の構成を説明する。図
25は、SION21の構成を示す図である。図25に
示すようにSION21は、意味情報スイッチ(Semant
ic Information-Switch、図面ではSI−SWと図示す
る)、意味情報ルータ(Semantic Information -Route
r、図面ではSI−Rと図示する)、意味情報ゲートウ
ェイ(Semantic Information-Gateway、図面ではSI−
GWと図示する)から構成される。
【0026】意味情報スイッチ(SI−SW)は、フィ
ルタとして登録された意味情報と、イベントに付与され
た意味情報を照合し、その結果、発火したイベント受信
者の端末2を起動するスイッチング機構を提供する。意
味情報スイッチ(SI−SW)と各端末2はスター型で
結合される。
【0027】意味情報ルータ(SI−R)は、意味情報
スイッチ間のイベント経路選択を行うとともに、端末2
2から意味情報スイッチに対して送出されたイベントを
他の意味情報スイッチに転送する役割を担う。これは、
意味情報に基づく動的なイべントルーティングにより達
成される。
【0028】意味情報ゲートウェイ(SI−GW)は、
イベントプレース(Event place)間でのイベントの転
送を行う。ここで、イベントプレースは、共通の意味情
報空間を保証する最小単位(オントロジードメイン)で
ある。イベントプレース内では、イベントタイプの名
称、概念、語彙、意味、関連などのオントロジー体系の
一意性が保証され、共通のオントロジーに基づいて意味
情報が記述されることになる。基本的には、イベント送
信者の端末22から送出したイベントは、イベントプレ
ース内のみで流通するが、意味情報ゲートウェイ(SI
−GW)を介することにより、異なるオントロジー体系
を有するイベントプレース間でのイベントの相互流通が
可能になる。このとき、意味情報ゲートウェイ(SI−
GW)はイベントのオントロジー変換を行った後、異な
るイベントプレースヘイベントを転送する。
【0029】<動作メカニズムとインタフェース仕様>
SION21の実現方法の一例として、分散オブジェク
ト技術を用いた実装方法を示す。ここで、SI−SW,
SI−R,SI−GWは、それぞれ、イベントプレース
オブジェクト(EPO)、シェアードリンクオブジェク
ト(SLO)、フェデレーションエージェント(FA)
と呼ばれる分散オブジェクトとして実装される。図26
を用いて、SION1の動作メカニズムと制御インタフ
ェースを詳述する。また、SION−MT(Manag
ement Tool)やSIONインタフェーサを用
いることにより、SION1のネットワークインタフェ
ースを使用することができる。また、MTを用いて、E
POの撤収・増減設、物理リンク情報の動的変更、PO
マイグレーション(POのバインド先EPOの動的変
更)、発火率の収集、人気の高い惰報や流行している情
報の統計情報収集などを簡単に行うことができる。
【0030】・イべントプレースファクトリの起動&初
期化(図26の(1)) まず、SION運営者は、任意のホスト上にイベントプ
レースファクトリ(EPF)を起動し、続いて、EPF
の初期化を行う。この時、EPFに対して、イべントプ
レース(EP)を生成可能なホスト名、およびEPの実
行ファイルの格納先を与える。これらを、EP生成情報
と呼ぶ。
【0031】・イべントプレースの生成要求(図26の
(2)) 次に、EP運営者は、EPFに対して、EPの生成を要
求する。このとき、EP名、およびEP属性を与える。
ここで、EP属性とは、生成されたEPが、御用聞きモ
デルもしくは問い合せモデルのどちらの目的で使用され
るかを表したものであり、イべントの流れの方向性を表
すものである。
【0032】・イべントプレースの生成(図26の
(3)) 次に、EP生成要求を受け取ったEPFは、EPを生成
する。具体的には、このとき、EPの管理を司るイべン
トプレースマネージメントオブジェクト(EPMO)が
生成される。すなわち、EPへの処理要求は、EPMO
への処理要求と同義である。EPFは、生成要求元に生
成したEP(すなわち、EPMO)の識別子を返却す
る。なお、EPMOは、図26の(1)において指定さ
れた、EPを生成可能なホストの中から、動的に決定さ
れたホストに対して生成される。EPMOの起動先ホス
トの決定方法として、サイクリックに起動先を決定す
る、トラヒックに応じて決定する、起動先ホストを明示
的に指定する、等の方法を選択できる。
【0033】・イべントプレースの初期化要求(図26
の(4)) 次に、EP運営者は、EPの初期化をEPMOに依頼す
る。このとき、シングルイべントプレースオブジェクト
もしくは、マルチプルイべントプレースオブジェクトの
指定を行う。マルチプルイべントプレースオブジェクト
を指定した場合には、イべントプレースオブジェクト
(EPO)の物理リンク情報(トポロジ)も併せて与え
る必要がある。ここで、EPOの物理リンク情報は、任
意のEPOが他のどのEPOの存在を知っているかを表
現したものである。
【0034】例えば、図27に示すように、EPO2・
42は、EPO1・41、EPO3・43、EPO4・
44の存在を知っているが、EPO3・43はEPO2
・42の存在しか知らないことを表現している。このよ
うに、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合処
理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的としたも
のである。
【0035】EPMOは、図26の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンク数に応じて、シェア
ードリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随し
て生成される。例えば、EPO2・32に対しては3個
のSLOが生成され(図中のSLO2,1、SLO2,3、S
LO2,4に対応する)、これらが、SI−Rに相当す
る。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと同
様であるが、イべントタイプ毎に使用するEPOを固定
化することも可能である。なお、EPMOは、EP内に
イべントタイプファクトリ(ETF)を生成する。EP
内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFによ
り保証される。
【0036】・イべントプレースに対するイべント送信
のためのセッション確立要求(図26の(5)) 次に、EPにセッションの確立を要求する。EPMO
は、セッション要求毎にプロキシオブジェクト(PO)
を生成する。要求元へは、POの識別子であるセッショ
ン識別子を返却する。
【0037】なお、EPMOは、POの生成時に、PO
に対して、どのEPOを使用する(どのEPOとバイン
ドする)かを指示する。この指示は、マルチプルEPO
において必要となるが、バインドするEPOの決定方法
は、EPMOのそれと同様である。EPへのセッション
確立要求時に、イべント送信のためのセッションである
か、イべント受信のためのセッションであるかを指定す
る必要がある。本例においては、イべント送信のための
セッションを指定する。
【0038】・イべントタイプの登録(図26の
(6)) 次に、POに対して、イべントタイプの登録を要求す
る。このとき、POは、ETFにイべントタイプオブジ
ェクト(ETO)の生成を要求する。さらに生成された
ETOにイべントタイプを格納する。一方、EPに、イ
べントタイプ登録を要求することができる。このとき、
EPMOは、ETFにETOの生成を要求し、生成され
たETOにイべントタイプを格納する。一般的に、イべ
ント送信者がイべントタイプを登録する場合は、PO経
由で行う。一方、EP運営者は、EPに、イべントタイ
プ登録を行う。なお、同じ名前のイベントタイプを登録
するとエラーになる。
【0039】・イべントプレースに対するイべント受信
のためのセッション確立要求(図26の(7)) 次に、EPに対してイベント受信のためのセッションの
確立を要求する。このとき、セッション確立の要求者
(イべント受信オブジェクト)は、イべントの通知先で
あるイべント受信オブジェクトの識別子、および、イべ
ントの通知方法(発火型、ルックイン型)をパラメータ
として与える。
【0040】続いて、EPMOは、セッション要求毎に
POを生成する。要求元へは、セッション識別子を返却
する。なお、EPMOは、POの生成時に、POに対し
て、使用するEPOを指示する。この指示は、マルチプ
ルEPOにおいて必要となるが、バインドするEPOの
決定方法は、EPMOのそれと同様である。
【0041】・フィルタオブジェクトの生成要求(図2
6の(8)) 次に、POに対して、フィルタオブジェクト(FO)の
生成を依頼する。このとき、POは、FFにFOの生成
を要求する。このとき、POとバインドされたEPOに
付随したFFが使用される。なお、FOの生成要求元に
は、生成されたFOの識別子がPO経由で返却される。
【0042】・フィルタ値の設定(図26の(9)) 次に、FO識別子をパラメータとして、FOへのフィル
タ値の設定を、POへ依頼する。なお、フィルタオブジ
ェクトの中に格納されているイべントタイプ名(すなわ
ち、フィルターリングの対象とするイべントタイプ名)
をキーに、FOのデータ構造(フィルタ値)が正しいか
どうかのチェックをETOに依頼することが選択的に可
能である。正しくない場合は、エラーとなる。但し、ワ
イルドカードが指定された場合には、このチェック処理
を一切行わない。
【0043】・フィルタ登録(図26の(10)) 次に、FOにフィルタ値を設定した後、Fのフィルタ識
別子をパラメータとして、POに対しフィルタの登録を
依頼する。このとき、登録要求元にフィルタ識別子が返
却される。これを契機に、イべントの受信が可能にな
る。なお、一つのPOを介して、複数のフィルタ登録が
可能であるが(これには、一つのPOを介して異なる複
数のFOをフィルタとして登録する、もしくは、同一の
FOを複数回、フィルタとして登録する場合が考えられ
るが)、一つのPOに対して登録されたすべてのフィル
タは、“ORの関係”を持つ。
【0044】・イべント送信(図26の(A)) 次に、イベント送信者は、POに対して、イべントを送
信する。このとき、POは、イべントの中に格納されて
いるイべントタイプ名をキーに、イべントのデータ構造
が正しいかどうかのチェックをETOに依頼することが
選択的に可能である。このチェック処理を選択したと
き、正しい場合は、次の処理(図26の(B))へ、正
しくない場合は、エラーとなる。
【0045】・イベントの照合依頼(図26の(B)) 次に、POはイベントをEPOに転送する。このとき、
EPOがスレッドを生成する。なお、スレッドはイベン
ト毎に生成され、各スレッドはイベントの多重処理を行
う。
【0046】・フィルタとの照合(図26の(C)) 次に、スレッド(EPO)は、イベントとフィルタを照
合することにより、フィルターリング処理を行う。これ
には、完全一致、部分一致、重みづけ一致などがあり、
フィルタ値の設定時に指定することができる。
【0047】・プロキシオブジェクトの起動(図26の
(D)) 次に、フィルタとの照合の結果、イベントがフィルタを
通過すると、対応するPOが起動されこのイベントを受
け取る。このとき、POは、受信したイベントのタイ
プ、値、イベントID等をSOに登録することが選択的
に可能である。これらの情報から、SOはイベントの発
火率(イベントタイプ毎、イベント毎)や、EP内で流
行している評判の高いイベントを測定することが可能に
なる。
【0048】・イベント受信オブジェクトの起動(図2
6の(E)) 次に、POは、イベント受信オブジェクトを起動すると
ともに、イベント受信オブジェクトに対してこのイベン
トを渡す。これが、発火型(割り込み型)のイベント通
知に対応する。
【0049】・ルックイン型のイベント通知(図26の
(F)) 一方、POがイベント受信オブジェクトを起動するので
はなく、イベント受信オブジェクト自身が、イベント受
信オブジェクトに対応するPOにスプールされているイ
ベントを、取り出すことも可能である。これがルックイ
ン型のイベント通知に対応する。イベント受信オブジェ
クトの起動契機は、サービス形態に依存して種々存在す
るが、典型的な例として、エンドユーザがイベント受信
オブジェクトにコンテンツの提案要求を行った場合が考
えられる。
【0050】<フィルタの管理方法>次に、各EPOに
おけるフィルタの管理方法を説明する。
【0051】まず、イベント受信のためのセッションを
確立する。このとき、セッション要求毎に一つのPOが
生成され、このPOは任意の一つのEPOにバインドさ
れる。このEPOには、それぞれ、一つのFFが付随し
ている。これにより、POが使用するEPOが一意に決
定され、以降の処理はすべて、PO(イベント受信用セ
ッション)を介して行われる。
【0052】次に、FOを生成し、FOに対してフィル
タ値(受信するイベントのタイプとその取得条件)を設
定する。続いて、FO識別子をパラメータとして、フィ
ルタの登録を行う。このとき、各フィルタには、FO識
別子が格納される。各EPOは、POを介して登録され
たフィルタを以下に示す規則に基づいて管理する。
【0053】まず、フィルタに格納されているFO識別
子を用いて、FOに設定されている“受信するイベント
のタイプ”を参照する。続いて、受信するイベントのタ
イプ毎にフィルタを分類し、イベントタイプ毎に分類さ
れたフィルタを、さらにPO毎に細分類し、管理する。
【0054】この管理規則について図28を参照して、
PO1を介して、フィルタを登録する場合について説明
する。ここでは、フィルタ登録時に指定するFOの中
に、受信するイベントのタイプとして、“イベントタイ
プX”が設定されているものとする。このとき、EPO
に登録されるフィルタは、図28のフィルタ1が相当
し、同様に、PO2を介して登録されたフィルタにはフ
ィルタ2が相当する。また、各POにおいて、複数のフ
ィルタを登録することが可能であるが、登録されたフィ
ルタは“OR関係”を有するものとする。
【0055】まず、イベントタイプXのイベントがEP
Oに到着したとき、フィルタ1との照合が行われる。そ
の結果、フィルタ1が発火するとPO1が起動される。
次に、フィルタ2との照合が行われ、その結果、フィル
タ2が発火するとPO2が起動される。このとき、フィ
ルタ2とフィルタ3は“OR関係”を有するため、フィ
ルタ3との照合は行われない。このようなフィルタ管理
方法を用いることにより、一つのイベントに対する各E
POでの照合処理回数を、基本的にPO数(受信用セッ
ション数)以下にすることができる。
【0056】<イベントルーティング方法>次に、イベ
ントルーティング方法について説明する。
【0057】EPO(SI−SW)は、イベントの送受
信者(端末などのエンティティ)をセッションを介して
スター型で収容する。さらに、EPO(SI−SW)
は、イベント受信者(イベント受信オブジェクト)が登
録したフィルタと、イベント送信者が送出したイベント
を照合し、その結果、発火したフィルタに対応するイベ
ント受信者のみにイベントを通知する(合致するイベン
ト受信者にのみイベントを配送する)照合スイッチであ
る。
【0058】そのため、イベントの送信者数(イベント
数)やイベントの受信者数(フィルタ数)が増加する
と、それに比例してEPOの処理能力が飽和する。そこ
で、SIONアーキテクチャでは、スケラビリティの高
いEPを実現する手段として、マルチプルEPOを提供
する。マルチプルEPOとは、EPO数に比して、EP
のトータル処理能力をスケーラブルに向上させることを
目的とし、具体的には、以下の2つの観点からEPの高
いスケラビリティを達成する。
【0059】第一点は、負荷分散と自律分散である。こ
れは、複数のEPOに、イベントの送受信者を分散させ
ることにより、イベントのフィルターリング処理の負荷
分散を行い、処理の集中に伴うボトルネック要因を作ら
ないようにするものである。さらに、各EPOが他のE
POの影響を受けることなく、自律的に動作可能な機構
による分散協調を達成する。
【0060】第二点は、ネットワークトラヒックの削減
とフィルターリング処理の最適化である。これは、EP
O間で不要なイベントを転送しないことによる通信量の
最小化と、それに伴う無駄なフィルタリング処理の削減
を行うものである。
【0061】図27において、EPO3・43に対し、
受信するイベントのタイプとして、イベントタイプXの
フィルタが登録される場合を考える。ここで、イベント
タイプXのイベントがEPO4・44に対して送出され
たとき、EPO2・42経由でこのイベントをEPO3
・43に転送する必要がある。このとき、イベントタイ
プXのフィルタが登録されていないEPO1・41に対
して、当該イベントが転送されてはならない。このよう
なEPO間のイベントのルーティング制御を行うもの
が、シェアードリンクオブジェクト(SLO)であり、
前述したSI−Rに相当する。
【0062】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0063】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。例えば、図26において、EPO
2に対して3個のSLOが生成される。これらは、図中
のSLO2,1、SLO2,3、SLO2,4に対応する。この
SLOi,jは、EPOjからEPOjへのイベント転送を
行うシェアードリンク(SLi,j)を確立する。すなわ
ち、図22および図24に示すように、SLOi,jは、
EPOjに対してイベント受信のセッションを確立し、
一方、EPOiに対してイベント送信のセッションを確
立することにより、イベント転送のための論理リンクで
あるシェアードリンクSLi,jを確立する(シェアード
リンクとは、EPの初期化時における、SLOによるセ
ッションの確立を意味し、フィルタ登録処理を含まな
い)。
【0064】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図24において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、“イベントタイプXの
イベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場
合において、PO3は、EPO3ヘイベントタイプXの
フィルタを登録するとともに、その旨をSLO3,j(こ
こでは、SLO3,2)に通知する。SLO3,2はSL3,2
を用いて、EPO2に対してイベントタイプXのフィル
タを登録する。これは、前述したように、SLO3,2に
対して割り当てられた受信用セッションのPOを介して
行われる。同様に、このPOは、その旨を、SLO2,3
を除くその他のSLO2,jに対して通知する。SLO2,j
(j≠3)は、SL2,jを用いて、EPOヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。
【0065】このように、イベントタイプXに対して確
立された一連のパスを、イベントパスと呼ぶ。これは、
PO3を介したフィルタ登録がトリガとなって、すべて
のEPOへ、イベントタイプ毎のイベントパス設定要求
が順次、自律的に波及していくものである。すなわち、
個々のEPOは隣接するEPOのみを認識すれば良い。
そのため、イベントパスの集中管理やブロードキャスト
によるイベントパスの設定・管理方法に比べて、簡単か
つ一元的な自律ロジックでイベントパスを確立すること
が可能になる。
【0066】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図30に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。また、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0067】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0068】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
2,1が起動される。SLO2,1が、このイベントをEPO
2へ送出することにより、SLO3,2が起動される。さ
らに、SLO3,2を介して、当該イベントがEPO3へ
も転送されることになる。また、SL2,3とSL3,2間で
のイベントの無限転送を防止するために、イベントは、
制御情報の一つとして、通過したEPOの識別子を、最
新順に最大2つ保持する。
【0069】なお、前述したように、フィルタ1とフィ
ルタ2は、OR関係を有するため、フィルタ1が発火し
た場合にはフィルタ2との照合は行われない。そのた
め、フィルタ1が存在するにも関わらず、新たにフィル
タ2を登録したことに伴う、フィルターリング処理の冗
長オーバヘッドを全く生じないようにすることができ
る。これは、イベントパスを設定したときに、既設のイ
ベントパスを含めた全イベントパスの再構築を全く必要
としないことを意味し、簡単かつ一元的なイベントパス
の自律的な設定が可能になる。
【0070】また、EPO1内に、イベント受信者が確
立したセッションおよびそれを介したフィルタ登録があ
る場合には(POnのフィルタ3に対応)、SLO対応
のフィルタリング処理がすべて完了した後に、POn対
応のフィルターリング処理が行われる。すなわち、他の
EPOへのイベント転送処理を優先して行い、その後、
自EPOでの照合処理が開始される。
【0071】以上説明した、イベントルーチング方法の
更なる効果として、フィルタ登録解除時に、イベントパ
スの再構築が必要ない点が挙げられる。例えば、イベン
ト受信者3がPO3を介して、登録したフィルタの登録
解除を行った場合、登録の場合と同様に、解除要求が順
次、自律的に波及する。その結果、EPO1において、
フィルタ1の登録のみが解除されることになるが、フィ
ルタ2は存命する(これ以降は、フィルタ2がフィルタ
1の代わりにイベントを転送する)ため、イベントパス
の再構築なしに、すべての既設イベントパスの一貫性が
保証される。
【0072】このような自律分散型のルーティング制御
方法を用いることによって、EPOの相互接続と分散協
調を容易に実現することが可能になる。これに伴い、小
規模なネットワークから大規模なネットワークヘの移
行、ローカルなネットワークからグローバルなネットワ
ークヘの移行等をスムーズに行うことができる。また、
ボトムアップアプローチによるグローバルネットワーク
化を、共通のロジックで容易に達成することができる。
【0073】図31ないし図35はリング型結合を持つ
物理リンクにおけるSI−Rについて説明するために図
である。
【0074】例えば、図32に示すように、リング型結
合を持つ物理リンクにおいて、EPO2は、EPO1、
EPO3の存在を知っていることを表現している。この
ように、マルチプルEPOは、EP内でのイべント照合
処理の負荷分散によるスケラビリティ向上を目的とした
ものである。
【0075】EPMOは、図32の(1)において指定
された、EPを生成可能なホストリストの中から、EP
Oを生成するホストを動的に決定し、そこにEPOを生
成する。このとき、各EPOには、それぞれ一つのフィ
ルタファクトリ(FF)と統計情報収集オブジェクト
(SO)が常に付随して生成され、これらが、SI−S
Wに相当する。さらに、物理リンクに応じて、シェアー
ドリンクオブジェクト(SLO)が各EPOに付随して
一つ生成される。たとえば、EPO2に対しては、図中
のSLO2,3が生成される。これが、SI−Rに相当
する。EPOの起動先の決定方法は、EPMOのそれと
同様であるが、イベントタイプ毎に使用するEPOを固
定化することも可能である。なお、EPMOは、EP内
にイベントタイプファクトリ(ETF)を生成する。E
P内では一元的なイベントタイプの名前空間がETFに
より保証される。
【0076】以下にSI−Rについて詳細を説明する。
【0077】まず、EPの初期化時に、物理リンク情報
(EPOのトポロジ)に基づいて、SLOが各EPOに
付随して生成される。たとえば、図31において、EP
O2に対してSLO2,3が生成される。このSLOi,j
は、EPOjからEPOiへのイベント転送を行うシェア
ードリンク(SLi,j)を確立する。すなわち、図31
および図33に示すように、SLOi,jは、EPOjに対
してイベント受信のセッションを確立し、一方、EPO
iに対してイベント送信のセッションを確立することに
より、イベント転送のための論理リンクであるシェアー
ドリンクSLi,jを確立する(シェアードリンクとは、
EPの初期化時における、SLOによるセッションの確
立を意味し、フィルタ登録処理を含まない)。これによ
って、片方向のリング状のシェアードリンクSLi,jが
確立される。
【0078】EPの初期化後に、イベント受信者は、E
Pへのセッションを確立し、セッションを介してフィル
タを登録することが可能になる。このとき、確立済みの
シェアードリンクに従って、イベントパスが設定され
る。例えば、図33において、イベント受信者(Event
Receiver)3がPO3を介して、イベントタイプXのイ
ベント受信を行うフィルタを、EPO3へ登録した場合
を考える。このとき、PO3は、EPO3ヘイベントタ
イプXのフィルタを登録するとともに、その旨をSLO
3,1に通知する。このとき、SLO3,1には、フィルタ登
録の要求発生元がEPO3である旨がパラメータとして
与えられる。SLO3,1はSL3,1を用いて、EPO1に
対してイベントタイプXのフィルタを登録する。これ
は、前述したように、SLO3,1に対して割り当てられ
た受信用セッションのPOを介して行われる。同様に、
このPOは、その旨を、SLO1,2に対して通知する。
SLO1,2は、SL1,2を用いて、EPO2ヘフィルタを
登録する。順次同様に、すべてのEPOにイベントXに
対するパスが設定されるまで、繰り返される。なお、こ
の処理は、フィルタ登録の要求発生元(ここでは、EP
O3)の直前まで繰り返される。すなわち、SLO2,3
は、EPO3にフィルタを登録しない。
【0079】この時点でのEPO1におけるフィルタの
登録状況を図34に示す。イベント受信者3がPO3を
介してフィルタを登録した結果、フィルタ1がEPO1
に登録されることになる。イベントパスの設定とは、シ
ェアードリンク情報に基づいて、一連のEPOにイベン
ト転送のためのフィルタを登録することを指す。なお、
SLOが登録するフィルタには、受信するイベントタイ
プ名が設定されるのみであり、取得条件は設定されず、
イベントタイプ名のみのフィルターリングを行う。
【0080】この状況において、イベント受信者2がP
O2を介して、イベントタイプXのフィルタを、EPO
2へ登録したとき、前述と同様に新たなイベントパスの
設定がすべてのEPOへ波及し、その結果として、フィ
ルタ2がEPO1へ登録されることになり、イベントパ
ス設定の要求毎にフィルタが登録されることになる。
【0081】このとき、EPO1にイベントタイプXの
イベントが送出されると、フィルタ1が発火し、SLO
3,1が起動される。SLO3,1が、当該イベントをEPO
3へ送出することにより、SLO2,3が起動される。さ
らに、SLO2,3を介して、当該イベントがEPO2へ
も転送されることになる。なお、イベントの無限巡回を
防止するために、イベントは、制御情報の一つとして、
イベントが生起したEPOの識別子を保持し、イベント
の生起元EPO(SLO)に当該イベントが巡回して戻
って来たときに、当該イベントを破棄する。
【0082】次に、前述したイベントルーティング方法
とは異なるイベントルーティング方法を説明する。この
ルーティング方法は、シェアードリンク(論理リンク)
を確立するまでの手順は、前述した方法と同様である。
このイベントルーティング方法が前述した方法と異なる
のは、イベントパスを確立しない点であり、SLOi,j
がシェアードリンクSLi,jを確立する時に同時に、唯
一のフィルタを登録するようにするものである。このと
き、登録されるフィルタには、受信するイベントのタイ
プとしてワイルドカードを指定する。これによって、す
べてのイベントを転送の対象とし、イベントタイプ毎の
イベントパスを確立しないようにする。
【0083】このように意味情報にワイルドカードを指
定することによって、リング状のシェアードリンクSL
i,j内をイベントが巡回するため、全てのEPOに対し
てイベントを配送することが可能となる。
【0084】<フェデレーション方法>次に、図35を
参照してフェデレーション方法について説明する。フェ
デレーションエージェント(FA)とは、イベントプレ
ース間のフェデレーションを確立するエージェントであ
り、前述したSI−GWに相当する。例えば、イベント
プレース(Event Place)Aがイベントプレース(Event
Place)Bに対してフェデレーションを確立する場合を
考える。まず、イベントプレースAに属するFAが、イ
ベントプレースBに対して、フィルタを登録する。この
とき、イベントプレースBに属するイベント送信者がイ
ベントを送出し、その結果、このフィルタが発火する
と、FAが自律起動する。これは、FAをイベントプレ
ースBに属する一つのイベント受信者として見なすこと
ができる。次に、FAは取得したイベントを、自身が属
するイベントプレースAに対して再送出する。これは、
FAを、イベントプレースAに属する一つのイベント送
信者として見なすことができる。
【0085】このように両者の役割を併せ持つFAを用
いて、イベントプレース間のフェデレーションを容易に
実現できる。すなわち、単一イべントプレースと同じ制
御論理で、イベントプレース間のフェデレーションを実
現することが可能である。この機構を用いて、SION
1の基本構成単位であるイベントプレースを相互接続す
ることにより、グローバルな照合ネットワークをボトム
アップアプローチで構築することが可能となり、イベン
トプレース間に跨るイベントの共有を実現することがで
きる。なお、イベントプレースAとイベントプレースB
がそれぞれ異なるオントロジーを持つ場合、イベントプ
レースAに属するFAは、イベントプレースBから取得
したイベントを、イベントプレースAのオントロジーに
変換した後、イベントプレースAに送出する。
【0086】異なるオントロジー体系に跨ってイベント
転送を行う場合には、オントロジー変換が必要になる。
この変換を行う従来技術として、標準オントロジーを規
定し、他のイベントプレースにイベントを転送する場合
には、一旦、標準オントロジーに準拠した形式に変換し
た後に、イベントの転送を行う方法や、イベントプレー
スの組み合わせの数だけオントロジー変換テーブルを事
前に用意しておくなどの方法がある。
【0087】しかしながら、イベントプレースの動的な
フェデレーション(フェデレーションの動的な開始、開
始解除)に対応するためには、従来の方法は柔軟性に欠
ける。そこで、本発明では、図35に示すように、FA
が隣接するイベントプレースのオントロジー情報との差
分(変換情報)のみを、オントロジー変換テーブルに保
持するようにしている。すなわち、これは、各FAが変
換情報をそれぞれ分散して保有し、全体でオントロジー
体系の一貫性を保証する方法である。これは、イベント
プレース間の動的なフェデレーションに容易に対応する
ことが可能になるが、その反面、イベントがイベントプ
レースを跨る毎に、オントロジー変換処理が発生するた
め、従来方法に比べて、変換処理オーバヘッドが増大す
るという特徴を有している。
【0088】<コミュニティと進化型ネットワーク>次
に、SION1のキラーサービスの一つであるコミュニ
ティサービスについて説明する。コミュニティサービス
におけるエンティティは、自身のポリシに基づいて、学
習・進化・退化・消滅等を繰り返すことにより、その活
動様式を動的に決定することが可能な自律分散型の動作
主体である。コミュニティは、このようなエンティティ
に対して効率的なコミュニケーションの場を提供するも
のである。すなわち、コミュニティ内のエンティティ
は、自身とコミュニケートすべきエンティティや、自身
の振る舞いに影響を与えるエンティティを動的に探索・
発見・特定し、特定されたエンティティとインタラクシ
ョンを行うことが可能である。
【0089】このコミュニティは、特に以下の特徴を持
つエンティティを取り扱うことができる。
【0090】(1)極小粒度で、膨大な数のエンティテ
ィがコミュニティに存在する(不特定多数のエンティテ
ィ)。
【0091】(2)エンティティの属性がリアルタイム
に変化する。典型的なエンティティの属性として、位置
情報、時刻等がある。
【0092】(3)コミュニティ内のエンティティの振
る舞いに規則性がなく、行動予測が困難である。
【0093】(4)コミュニティヘの参加、コミュニテ
ィからの退去、消滅、複製等が頻繁かつ不規則に発生す
る。
【0094】(5)コミュニティ内のエンティティは、
ポリシ、属性、シナリオ等に基づいて相互にリアルタイ
ムに出会う必要がある。
【0095】このような特性を持つエンティティをサー
バやメディエータ(ブローカ)で管理し、相互にリアル
タイムに探索・発見することは性能上、容易でない。S
ION1のEPは、このような特徴を持つコミュニティ
の実行環境として位置づけられる。すなわち、コミュニ
ティはEPのメタ実行環境であり、EPを直接用いるこ
とに比して、抽象度の高いコミュニケーションの場を提
供するものである。コミュニティの実行環境にEPを用
いることにより、コミュニティ内のすべてのエンティテ
ィは、ブローカを介することなく、コミュニケーション
すべきエンティティを直接発見することができる。これ
は、コミュニティ内のエンティティのコミュニケーショ
ンは、EP内のイベントの送受信として実装されるため
である。
【0096】図36にコミュニティの概念モデルを示
す。ユーザエージェント(UA)、情報・サービス提供
エージェント(ISA)がコミュニティ内のエンティテ
ィに相当する。UAはユーザの代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、ユーザの嗜好、動作環境、
位置情報、状況、傾向などに応じて、自身の振る舞いを
動的に決定し、インタラクションすべきISAや他のU
Aを探索し、それらとインタラクションする。ISAは
情報提供者やサービス提供者の代理人として自律的に振
る舞うエージェントであり、提供者の意図に基づいて、
インタラクションすべきUAや他のISAを探索する。
すなわち、自身の情報を提供するのに相応しいユーザを
探索して特定する。
【0097】一方、コミュニティエージェント(Com
A)は、コミュニティの運営を司るエージェントであ
る。EP運営者は、運営ポリシに基づいて、SION−
MTを介したSIONの制御・運営を行う。従って、C
omAは、EP運営者をエージェント化したものと見な
すことができる。基本的に、コミュニティの運営ポリシ
はComAによって規定される。例えば、UA、ISA
などのエンティティに対するコミュニティヘの参加、退
去、消滅、複製などの認可、コミュニティ内に流通させ
る情報の把握と統制(相応しくないイベントの削除な
ど)、コミュニティ内の統計情報(トレンド情報、評判
の高い情報など)の管理などを自身の運営ポリシに基づ
いて司る。
【0098】また、コミュニティの高いスケーラビリテ
ィやリライアビリティの保証を達成するため、負荷状況
や障害状況に応じて、EPおよびEPOの増減設、撤
収、マイグレーション等のSION制御を実行する。す
なわち、SION21とComAを組み合わせることに
より、SION21は自律分散型ネットワークから、学
習、成長、進化が可能な進化型ネットワークヘと発展す
る。このように、ComAはコミュニティ内のエンティ
ティの振る舞いを統制するとともに、SION1を自己
組織化するための役割を担う。さらに、コミュニティ間
のコラボレーションにより、コミュニティ間での情報の
共有が可能である。例えば、コミュニティAにおいて流
通している情報の中で、人気が高いトップ10のみを、
コミュニティBに流通させることができる。以下に処理
の流れを示す。
【0099】まず、コミュニティBのComAが、イベ
ントプレースBのFAに対して、“コミュニティAにお
いて流通している情報の中で、人気が高いトップ10の
みを、コミュニティBに流通させる”旨を指示する。
【0100】次にFAは、イベントプレースAに対し
て、トップ10のイベントタイプを問い合わせる。これ
を受けて、イベントプレースAは、配下の統計情報収集
オブジェクト(SO)に問い合わせ、その結果を、FA
に返却する。
【0101】次に、FAは取得したイベントタイプを基
に、オントロジー変換テーブルを作成するとともに、イ
ベントプレースAに対しフィルタを設定する。以降、F
Aは、イベントプレースAから、当該イベントを受信可
能になる。
【0102】次にFAは、イベントプレースAから取得
したイベントを、オントロジー変換テーブルに基づいて
オントロジー変換し、それをイベントプレースBへと送
出する。
【0103】以上説明したような形態によれば、以下の
2点の効果を得ることができる。
【0104】第1に、分散オブジェクト環境上にSIO
Nのネットワーク環境を容易に構築できる。
【0105】第2に、サービスアプリケーションをエン
ティティとしてコミュニティに参加させることにより、
簡単にイベントを送出したり、必要なイベントをピック
アップすることが可能になり、相互にコミュニケション
を図ることが可能になる。
【0106】以上説明したように、SIONでは、以下
の効果を得ることができる。
【0107】FAを介したイベントプレース間のフェデ
レーション機構により、他のイベントプレースのみで流
通していたイベントを、自イベントプレース内に取り込
むことができる。逆に、他のイベントプレースにイベン
トを送出することにより、自イベントプレース内で流通
しているイベントをアドバタイズできる。このように、
異なるイベントプレース間で、イベントの共有が可能に
なるとともに、オントロジーを考慮したイベントプレー
ス間の相互運用により、ボトムアップアプローチによる
グローバルな自律分散型の照合ネットワークを構築する
ことが可能になる。
【0108】マルチプルEPOの機構により、フィルタ
リング処理を複数のEPOに負荷分散させることが可能
になるとともに、自律的に動作するEPO間のイベント
ルーチング機構により、ネットワークトラヒックを最小
限に抑えることが可能になる。これにより、結果的にE
Pのトータルスループットをスケーラブルに向上させる
ことが可能となる。
【0109】ブローカを介することなく、自身に相応し
いエンティティを直接探索・発見することが可能とな
る。例えば、情報提供者は、ユーザの存在を知ることな
く、自身が提供する情報に相応しいユーザを特定するこ
とができる。同様に、ユーザは情報提供者の存在を知る
ことなく、自身の嗜好に相応しい情報提供者を探索・発
見することができる。すなわち、ユーザと情報提供者は
互いに等価的である。これにより、特定のブローカに頼
ることなく、自身のポリシに従って、リアルタイムに情
報を発信することが可能になる。また、探索対象となる
エンティティの数が膨大な場合やエンティティが探索対
象ドメインに頻繁に出入りする場合において、非ブロー
カモデルに基づく探索技術が特に有効となる。
【0110】SIONにおいては、意味情報の終端点が
ネットワークとなる。一方、端末間でpeer-to-peer接続
を行う方法においては、意味情報の終端点が端末になる
ため、端末の中身を外部に公開することになる。従っ
て、SIONは後者の方法と比べて、高いセキュリティ
とプライバシ保護を実現することが可能である。
【0111】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0112】図1は本発明の一実施形態の改ざん防止機
能付コンテンツ配信システムの構成図である。
【0113】本実施形態の改ざん防止機能付コンテンツ
配信システムはコンテンツ提供者端末1とコンテンツ利
用者端末21,22と信用情報発行者端末3と意味情報ネ
ットワーク4で構成されている。
【0114】コンテンツ提供者端末1にはコンテンツ提
供用アプリケーション5がインストールされ、コンテン
ツ利用者端末21,22にはそれぞれコンテンツ利用アプ
リケーション61,62がインストールされ、信用情報発
行者端末3には信用情報発行用アプリケーション7がイ
ンストールされている。各端末1,21,22にCORB
A(Common Object Resource Broken Architecture)
準拠のORB(ObjectResource Broken)等ミドルウェ
アと、イベントプレースファクトリ生成機構をインスト
ールして自身の端末においてイベントプレースを生成し
てそれを使用するか、あるいは他のネットワークシステ
ム上にあるイベントプレースへアクセスしてセッション
を確立する等して、意味情報ネットワーク4に接続され
ている。
【0115】次に、本実施形態の動作を、コンサート開
催情報をコンテンツとする例について説明する。 (1)コンテンツ提供者Aは、信用情報発行者Cと、コ
ンテンツに対する信用情報発行の契約を行い、信用情報
発行処理に応じた対価を支払う(支払いを行う時点は必
ずしも契約時とは限らず、信用情報発行ごと、あるいは
それを複数まとめて後払い等の方法もある)。 (2)コンテンツ提供者Aは、コンテンツ提供用アプリ
ケーション5を使用し、図12のような端末1上のアプ
リケーション画面から配信しようとするコンテンツの信
用情報発行を、契約した信用情報発行者Cに依頼する。
コンテンツ提供用アプリケーション5は、前記コンテン
ツを信用情報発行者端末3に送信する。信用情報発行者
端末3はそれを受信すると、信用情報発行者Cは信用情
報発行用アプリケーション7を使用し、図11のような
端末3上のアプリケーション画面からコンテンツの内容
が正当であること(たとえば成人向けでない、真実であ
る、提供者や制作者に偽りがないなど)を確認した後、
信用情報を発行する旨を入力する。信用情報発行用アプ
リケーション7は、当該コンテンツまたはその一部、あ
るいはそれを元に特定の計算を行って得られた値等を信
用情報発行者Cが持つ秘密鍵で暗号化した信用情報(デ
ィジタル署名)を生成し、信用情報を生成する元になっ
た前記情報とともにコンテンツ提供者端末1に返す。 (3)コンテンツ利用者B1,B2は、それぞれコンテン
ツ利用アプリケーション61,62を使用し、図2、図3
のようなアプリケーション画面から希望するコンテンツ
の受付条件を入力する。例として、コンテンツ利用者B
1は図2、コンテンツ利用者B2は図3の情報をそれぞれ
受付条件に設定したとする。このとき、コンテンツ利用
アプリケーション61,62は、イベント受信のためのセ
ションを確立すると、フィルタオブジェクトの生成を行
い、このフィルタオブジェクトに、たとえばコンテンツ
利用者B1は図6、コンテンツ利用者B2は図7のような
フィルタ値を設定する。これには、信用情報を復号して
検証する条件式を含んでいる。なお、イベントプレース
に対して、図5のようなイベントタイプがすでに登録さ
れているものとする。 (4)コンテンツ提供者Aは、自身の端末1においてコ
ンテンツ提供用アプリケーション5を使用し、図4のよ
うな端末上のアプリケーション画面から、提供するコン
テンツの固有条件を示す情報を入力する。このとき、コ
ンテンツ提供者Aの使用したコンテンツ提供用アプリケ
ーション5は、たとえば図8のようなイベントを生成
し、イベントプレースに送信する。 (5)イベントプレ―スにおいて、前記フィルタとイベ
ントとの照合が行われ、フィルタ値に示される条件に合
致したイベントが、当該フィルタを設定したコンテンツ
利用アプリケーションに転送される。コンテンツ提供用
アプリケーション5が使用したイベントプレースと、コ
ンテンツ利用アプリケーションが使用したイベントプレ
ース間は、イベントプレースのフェデレーション機能に
より、情報の相互流通が可能であるため、前記イベント
はいくつかのイベントプレースを経由して、目的のコン
テンツ利用アプリケーションが使用しているイベントプ
レースへ最終的に転送される。図1では、コンテンツ利
用者B1は図2のフィルタと合致することにより図8の
イベントを受信するが、コンテンツ利用者B2は図3の
フィルタが合致しないため図8のイベントを受信しな
い。 (6)コンテンツ利用アプリケーションが受信した前記
イベントは、意味情報ネットワーク4において、信用情
報(ディジタル署名)を信用情報発行者Cの公開鍵で復
号され、信用情報の元になった情報と照合して信用情報
が正しいことが確認されたものであり、コンテンツ利用
アプリケーションは、コンテンツ利用者B 1にその参照
を可能にする。たとえば、コンテンツ利用アプリケーシ
ョンは図9に示すように、受信イベントに含まれるタイ
トル等を表示する。信用情報発行者Cの公開鍵(復号
鍵)は、トレーダ等の他の手段によって公開されてお
り、コンテンツ利用アプリケーションはそれを自由に取
得できるものとする。また、信用情報がコンテンツ(の
一部)に特定の計算を行って得られる値を元に作られて
いる場合は、その計算方法も公開されており、コンテン
ツ利用アプリケーションは、コンテンツにその計算を適
用して受信した信用情報の元になる情報との一致を調べ
ることで、その信用情報が間違いなく受信コンテンツに
対して付けられたものであることを確認できる。 (7)コンテンツ利用者B1はコンテンツ提供者Aに対
価を支払う。一例として、コンテンツ利用者B1が図9
に示されるタイトル等を指定し、その閲覧を要求する
と、コンテンツ全体を表示するとともにコンテンツ提供
者AのIDで示される口座に代金振込処理を行う。
【0116】図13〜図16の例では、銀行の残高情報
を配信する際に、信用情報を付与する方法としてSch
norrのデジタル署名技術を適用して配信する方法を
示す。
【0117】コンテンツ提供者Aが、信用情報発行者C
に、配送するコンテンツ(銀行の残高情報の発送)に対
する信用情報発行を依頼する際、図13に示すような端
末1上のアプリケーション画面から必要なデータを入力
する。また、コンテンツ提供者Aがコンテンツ(残高情
報)を配信する場合、当該情報にSchnorrデジタ
ル署名方式を使用して作成したデジタル署名を付した図
14に示すようなイベントを意味ネットワーク4に送信
する。図15はこのデジタル署名情報を作成するための
計算方法の一例を示している。
【0118】この方法では、p,qが素数であり、αは
【0119】
【外1】 の位数qの要素、qはp−1の約数、Hは一方向性ハッ
シュ関数であり、p,q,α,Hは利用者すなわち、情
報提供者および情報受信者すべてに共通な公開鍵とな
る。図の例では、p=31,q=5,α=4,H(m,
r)=m modrとする。ここで、modとは、割り
算の余りの値を求める演算子である。^はべき乗を計算
する演算子である。
【0120】信用情報発行者は、秘密鍵として
【0121】
【外2】 の要素の中からxを選び、
【0122】
【外3】 をチェック用の公開鍵とする。この例ではx=3,y=
2としている。
【0123】この値を用いて、信用情報発行者は、銀行
の残高情報に署名情報を含める処理を行い、作成したイ
ベントを情報提供者に渡す。このイベントの値の作成手
順としては、
【0124】
【外4】 の要素であるkの値を2として、
【0125】
【外5】 となる。この値を用いて、銀行コード値(ここでは43
0)をハッシュ関数Hから、チェック情報A=H(43
0,16)=14、
【0126】
【外6】 が算出される。これらの値A,Bを図14のようにイベ
ントのプロパティ値に挿入する。他の情報すなわち、口
座番号、年月日(ここでは8桁の整数値としている)、
残高に関する署名方法も同様である。
【0127】当該イベントは、図16のようなフィルタ
条件により、署名情報が正しいかどうかをチェックする
ことができる。信用情報1すなわち銀行コードの値のチ
ェックとして、
【0128】
【外7】 に対して、A=A’が成り立てば署名情報が正しいた
め、信用できる情報であると判断して、当該フィルタを
設定したコンテンツ利用者に受信される。
【0129】コンテンツ利用者は、希望するコンテンツ
(残高情報)を受け付けるため、Schnorrデジタ
ル署名の検証式を使用した、図16に示すようなフィル
タを意味情報ネットワーク4に設定する。
【0130】これにより、コンテンツ利用者B1,B2
コンテンツ提供者Aがお互いの存在を知らなくても、仲
介者なしで、コンテンツ利用者B1,B2はコンテンツ提
供者Aから希望に合い信用できるコンテンツをリアルタ
イムに受け取ることができる。
【0131】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、 ・コンテンツ配送のリアルタイム性が向上し、 ・仲介料の発生を不要とし、 ・負荷が仲介者に集中することがなくなり、 ・仲介者の存在を知らなくても、コンテンツ提供者から
コンテンツ利用者へ適切かつ信用できるコンテンツの配
送ができ、 ・コンテンツ利用者のプライバシー保護が図れる、とい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の改竄防止機能付コンテン
ツ配信システムの構成図である。
【図2】コンテンツ利用者B1が、希望するコンテンツ
の受付条件を入力する際の、端末21におけるコンテン
ツ利用アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図3】コンテンツ利用者B2が、希望するコンテンツ
の受付条件を入力する際の、端末22におけるコンテン
ツ利用アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図4】コンテンツ提供者Aが、提供するコンテンツの
条件を入力する際の、端末1におけるコンテンツ提供用
アプリケーションの画面の一例を示す図である。
【図5】コンテンツ配信を行うため、意味情報ネットワ
ーク4において定義されるイベントタイプの一例を示す
図である。
【図6】コンテンツ利用者B1が、希望するコンテンツ
を受け付けるため、意味情報ネットワーク4に設定され
るフィルタ条件の一例を示す図である。
【図7】コンテンツ利用者B2が、希望するコンテンツ
を受け付けるため、意味情報ネットワーク4に設定され
るフィルタ条件の一例を示す図である。
【図8】コンテンツ提供者Aが、コンテンツを配信する
ため、意味情報ネットワーク4に発信するイベントの一
例を示す図である。
【図9】コンテンツ利用者に、受信して信用情報を確認
したイベントに含まれるタイトルを表示し、参照を可能
とするコンテンツ利用アプリケーション画面の一例を示
す図である。
【図10】図1のコンテンツ配信システムのシーケンス
図である。
【図11】信用情報発行者Cが、コンテンツに対する信
用情報を発行する際の、端末3における信用情報発行用
アプリケーション画面の一例を示す図である。
【図12】コンテンツ提供者Aが、配信するコンテンツ
に対する信用情報発行を依頼する際の、端末1における
コンテンツ提供用アプリケーション画面の一例を示す図
である。
【図13】コンテンツ提供者Aが、配信するコンテンツ
に対する信用情報発行を依頼する際の、端末1における
コンテンツ提供用アプリケーション画面の一例(銀行の
残高情報の配送)を示す図である。
【図14】コンテンツ提供者Aが、コンテンツ(残高情
報)を配信するため、当該情報にSchnorrデジタ
ル署名方式を使用して作成したデジタル署名情報を付与
し、意味情報ネットワーク4に発信するイベントの一例
を示す図である。
【図15】コンテンツ(残高情報)にデジタル署名情報
を付与する一例として、Schnorrデジタル署名方
式を使用して、デジタル署名情報を作成するための計算
方法の一例を示す図である。
【図16】コンテンツ利用者が、希望するコンテンツ
(残高情報)を受け付けるため、Schnorrデジタ
ル署名方式の検証式を使用した、意味情報ネットワーク
4に設定されるフィルタ条件の一例を示す図である。
【図17】従来の改竄機能付コンテンツ配信システムの
構成図である。
【図18】意味情報ネットワークの概念モデルを示す図
である。
【図19】イベントの構成を示す説明図である。
【図20】意味情報ネットワークのモデルを示す図であ
る。
【図21】意味情報の定義を示す説明図である。
【図22】イベントタイプの定義例を示す説明図であ
る。
【図23】イベントの一例を示す説明図である。
【図24】フィルタの定義例を示す説明図である。
【図25】意味情報ネットワークの構成を示す図であ
る。
【図26】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図27】物理リンクを示す説明図である。
【図28】フィルタの管理方法を示す説明図である。
【図29】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図30】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図31】意味情報ネットワークの動作メカニズムと制
御インタフェースを示す説明図である。
【図32】物理リンクを示す説明図である。
【図33】イベントルーティング方法を示す説明図であ
る。
【図34】フィルタの登録状況を示す説明図である。
【図35】フェデレーション方法を示す説明図である。
【図36】コミュニティモデルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 コンテンツ提供者端末 21,22 コンテンツ利用者端末 3 信用情報発行者端末 4 意味情報ネットワーク 5 コンテンツ提供用アプリケーション 61,62 コンテンツ利用アプリケーション 7 信用情報発行用アプリケーション 11 コンテンツ提供者端末 121,122 コンテンツ利用者端末 13 信用情報発行者端末 14 ネットワーク 15 コンテンツ提供用アプリケーション 161,162 コンテンツ利用アプリケーション 17 信用情報発行用アプリケーション 18 コンテンツ仲介者端末 19 コンテンツ仲介用アプリケーション A コンテンツ提供者 B1,B2 コンテンツ利用者 C 信用情報発行者 D コンテンツ仲介者 21 意味情報ネットワーク(SION) 22 端末 SI−SW 意味情報スイッチ SI−R 意味情報ルータ SI−GW 意味情報ゲートウェイ EPO イベントプレースオブジェクト SLO シェアードリンクオブジェクト FA フェデレーションエージェント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04L 9/32 H04L 9/00 673A (72)発明者 星合 隆成 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 酒井 隆道 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 小柳 恵一 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 前田 潤 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 金杉 恵次 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5B075 KK02 KK07 KK54 KK66 PR08 UU40 5B085 AA08 AE29 CA00 5J104 AA07 AA09 KA02 LA01 LA03 LA06 NA02 NA11 NA12 NA18 PA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1台のコンテンツ提供者端末
    から少なくとも1台のコンテンツ利用者端末にコンテン
    ツを配信する方法であって、 前記コンテンツ提供者端末上のコンテンツ提供用アプリ
    ケーションと前記コンテンツ利用者端末上のコンテンツ
    利用アプリケーションを、前記ネットワークである意味
    情報ネットワークに接続し、 前記コンテンツ提供者端末がコンテンツ信用情報発行者
    端末に、配信しようとするコンテンツを送信し、信用情
    報発行を依頼し、 前記コンテンツ信用情報発行者端末が、前記コンテンツ
    またはその一部あるいはそれを元に特定の計算を行な
    い、その結果得られた値を信用情報発行者が持つ秘密鍵
    で暗号化して作成した信用情報を、信用情報の元になっ
    た情報とともに前記コンテンツ提供者が受信し、 前記コンテンツ利用者端末にコンテンツ利用者によって
    入力された、コンテンツの受付条件と、前記信用情報を
    復号して検証する条件式をフィルタとして、前記意味情
    報ネットワークに設定し、 前記コンテンツ提供者端末にコンテンツ提供者によって
    入力された、前記コンテンツと、想定するコンテンツ利
    用者の受付条件である固有条件、前記信用情報、および
    該信用情報を生成する元になった情報をイベントとして
    前記意味情報ネットワークに送信し、 前記イベントに含まれる受付条件がフィルタとして設定
    された受付条件と一致し、かつ前記イベントに含まれる
    信用情報をフィルタとして設定された条件式で復号した
    情報が元の情報に一致するコンテンツ利用者端末が前記
    コンテンツを受信する改竄防止機能付コンテンツ配信方
    法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1台のコンテンツ提供者端末
    から少なくとも1台のコンテンツ利用者端末にコンテン
    ツを配信する方法であって、 前記コンテンツ提供者端末上のコンテンツ提供用アプリ
    ケーションを、前記ネットワークである意味情報ネット
    ワークに接続し、 前記コンテンツ提供者端末がコンテンツ信用情報発行者
    端末に、配信しようとするコンテンツを送信し、信用情
    報発行を依頼し、 前記コンテンツ信用情報発行者端末が、前記コンテンツ
    またはその一部あるいはそれを元に特定の計算を行な
    い、その結果得られた値を信用情報発行者が持つ秘密鍵
    で暗号化して作成した信用情報と、信用情報の元になっ
    た情報を受信し、 前記コンテンツ提供者端末にコンテンツ提供者によって
    入力された、前記コンテンツと、想定するコンテンツ利
    用者の受付条件である固有条件、前記信用情報、および
    該信用情報を生成する元になった情報をイベントとして
    前記意味情報ネットワークに送信する改竄防止機能付コ
    ンテンツ配信方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1台のコンテンツ提供者端末
    から少なくとも1台のコンテンツ利用者端末にコンテン
    ツを配信する方法であって、 前記コンテンツ利用者端末上のコンテンツ利用アプリケ
    ーションを、前記ネットワークである意味情報ネットワ
    ークに接続し、 前記コンテンツ利用者端末にコンテンツ利用者によって
    入力された、コンテンツの受付条件と、前記信用情報を
    復号して検証する条件式をフィルタとして、前記意味情
    報ネットワークに設定し、 コンテンツ提供者端末が前記意味情報ネットワークに送
    信したイベントに含まれる、コンテンツの受付条件がフ
    ィルタとして設定された受付条件と一致し、かつ前記イ
    ベントに含まれる信用情報をフィルタとして設定された
    条件式で復号した情報が元の情報に一致するコンテンツ
    利用者端末が前記コンテンツを受信する改竄防止機能付
    コンテンツ配信方法。
  4. 【請求項4】 コンテンツ提供用アプリケーションを含
    む少なくとも1台のコンテンツ提供者端末と、 コンテンツ利用アプリケーションを含む少なくとも1台
    のコンテンツ利用者端末と、 コンテンツ信用情報発行者端末と、 前記コンテンツ提供用アプリケーションと前記コンテン
    ツ利用アプリケーションを接続する意味情報ネットワー
    クを有し、 前記コンテンツ提供用アプリケーションは、コンテンツ
    信用情報発行者端末に、配信しようとするコンテンツを
    送信し、信用情報発行を依頼し、前記コンテンツ信用情
    報発行者端末が、前記コンテンツまたはその一部あるい
    はそれを元に特定の計算を行ない、その結果得られた値
    を信用情報発行者が持つ秘密鍵で暗号化して作成した信
    用情報を、信用情報の元になった情報とともに前記コン
    テンツ提供者が受信する手段と、前記コンテンツ提供者
    端末にコンテンツ提供者によって入力された、前記コン
    テンツと、想定するコンテンツ利用者の受付条件である
    固有条件、前記信用情報、および該信用情報を生成する
    元になった情報をイベントとして前記意味情報ネットワ
    ークに送信する手段を有し、 前記コンテンツ利用アプリケーションは、前記コンテン
    ツ利用者端末にコンテンツ利用者によって入力された、
    コンテンツの受付条件と、前記信用情報を復号して検証
    する条件式をフィルタとして、前記意味情報ネットワー
    クに設定する手段と、前記イベントに含まれる受付条件
    がフィルタとして設定された受付条件と一致し、かつ前
    記イベントに含まれる信用情報をフィルタとして設定さ
    れた条件式で復号した情報が元の情報に一致すると、前
    記コンテンツを受信する手段を含む改竄防止機能付コン
    テンツ配信システム。
  5. 【請求項5】 ネットワークを介してコンテンツ利用者
    端末にコンテンツを配信するコンテンツ提供者端末であ
    って、 コンテンツ信用情報発行者端末に、配信しようとするコ
    ンテンツを送信し、信用情報発行を依頼し、前記コンテ
    ンツ信用情報発行者端末が、前記コンテンツまたはその
    一部あるいはそれを元に特定の計算を行ない、その結果
    得られた値を信用情報発行者が持つ秘密鍵で暗号化して
    作成した信用情報を、信用情報の元になった情報ととも
    に受信する手段と、前記コンテンツ提供者端末にコンテ
    ンツ提供者によって入力された、前記コンテンツと、想
    定するコンテンツ利用者の受付条件である固有条件、前
    記信用情報、および該信用情報を生成する元になった情
    報をイベントとして前記ネットーワークである意味情報
    ネットワークに送信する手段を含み、前記意味情報ネッ
    トワークに接続されるコンテンツ提供用アプリケーショ
    ンを有するコンテンツ提供者端末。
  6. 【請求項6】 ネットワークを介してコンテンツ提供者
    端末から配信されたコンテンツを受取るコンテンツ利用
    者端末であって、 前記コンテンツ利用者端末にコンテンツ利用者によって
    入力された、コンテンツの受付条件と、前記信用情報を
    復号して検証する条件式をフィルタとして、前記ネット
    ーワーク意味情報ネットワークに設定する手段と、前記
    コンテンツ提供者端末が前記意味情報ネットワークに送
    信したイベントに含まれる、コンテンツの受付条件がフ
    ィルタとして設定された受付条件と一致し、かつ前記イ
    ベントに含まれる信用情報をフィルタとして設定された
    条件式で復号した情報が元の情報に一致すると、前記コ
    ンテンツを受信する手段を含み、前記意味情報ネットワ
    ークに接続されるコンテンツ利用アプリケーションを有
    するコンテンツ利用者端末。
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