JP2002257508A - 凹凸検出センサ - Google Patents

凹凸検出センサ

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JP2002257508A JP2001059967A JP2001059967A JP2002257508A JP 2002257508 A JP2002257508 A JP 2002257508A JP 2001059967 A JP2001059967 A JP 2001059967A JP 2001059967 A JP2001059967 A JP 2001059967A JP 2002257508 A JP2002257508 A JP 2002257508A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成を有し、センサと検知対象物との
間に異物が存在する場合であっても精度よく検知対象物
の凹凸形状を検出できる凹凸検出センサを提供する。 【解決手段】 複数のセンサ素子がマトリクス状に配置
されてなり、各センサ素子はそれと検知対象物間に形成
される静電容量を検知し、その検知した静電容量に基い
て検知対象物の凹凸形状を検出する凹凸検出センサにお
いて、各センサ素子は、出力信号線26に接続され、検
知対象物との間で静電容量を形成する第1の感知電極2
1aと、検知対象物との間で静電容量を形成する第2の
感知電極21bと、一定の条件下において(例えば異物
が存在すると判定されたときに)第2の感知電極21b
を第1の感知電極21aと並列になるように出力信号線
26に接続する切替回路25とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋のような物体
の凹凸形状を容量値分布として捉え、その分布を電気的
に検出するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、指紋の凹凸形状を容量値分布
として捉えて指紋像を検出するセンサチップがある。か
かる検出センサチップは、図16(a)に示すように、
指紋を検出する指の表面を接触させるパッド部110を
有する。そのパッド部110において指紋の凹凸を検出
するセンサ素子112が行、列方向にマトリクス状に配
列されている。各センサ素子112はドライブ回路11
5により駆動され、センサ素子112で検知された凹凸
形状の検知結果が検出回路116により電気信号として
取り出される。なお、以下の説明では、マトリクス状に
配されたセンサ素子の一単位を「セル」という。
【0003】一つのセンサ素子112には例えば図16
(b)に示すように電極であるセンサプレート10と、
アクティブ素子であるトランジスタ119とが含まれ
る。トランジスタ119は、ドライブ回路115に接続
された一の行線115aと検出回路116に接続された
一の列線116aとにより選択される。
【0004】センサ素子112は、センサプレート10
と指の表面との間に形成される容量(以下「感知容量」
という。)の値の変化により指紋の凹凸を検出する。つ
まり、図17に示すように、指100をチップ表面(パ
ッド部)に載せると、指100の表面とセンサプレート
10間にはほぼ次式で表される感知容量Cfが生じる。
【数1】 ここで、C1はセンサプレート10とチップ表面との間
に形成される容量で一定値をとる。CSは指表面とチッ
プ表面との間に形成される容量で、チップ表面から指表
面までの距離によって変化する。なお、センサプレート
10上部は誘電体の保護膜により覆われており、C1
その保護膜の厚さ、誘電率、センサプレート10の面積
により決定される。
【0005】指紋像は指紋の凹凸であり、凹凸によって
指表面とチップ表面までの距離Δdが異なる。一方、指
表面とチップ表面間に形成される容量は距離に反比例し
て大きさが変化する。従って、図18に示すように感知
容量CfはΔdに応じてΔCだけ変化することになるの
で、このΔCが測定できれば指紋像を得ることができ
る。
【0006】従来より、ΔCを測定するのに電荷を用い
る方法がある。即ち、図19に示すように、一定電圧V
DDを発生する電圧源46を用いて、各セルの上記感知容
量C fに電荷Q(=Cf・VDD)を一度貯め、その後、充
電された電荷を検出回路116により検出することによ
り指紋像を得る。なお、電荷の充電動作はドライブ回路
115により制御される。
【0007】前述のように、感知容量Cfは指紋の凹凸
に応じてΔCだけ変化するので、感知容量Cfに蓄えら
れた電荷Qは指紋の凹凸に応じた電荷分ΔQだけ異なる
ことになる。通常、この電荷量の差は小さいため、また
出力インピーダンスを下げるという目的も合わせて、最
初にセルからの出力が電荷増幅器117に入力される。
そして、この電荷量の違いを2次元的に測定し、アナロ
グ処理回路118によってこの電荷増幅器117のアナ
ログ波形を処理することにより指紋像を得ることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図20に示す
ようにチップ表面と指表面との間に、水、油、埃などの
異物110が存在すると、指表面とチップ表面までの距
離が異物の大きさ分d1だけ長くなる。従って、図18
に示すように感知容量Cfの変化分は、異物が無いとき
のΔCに比べて、あるときはΔC'と非常に小さくなって
しまう。従って、通常時より分解能が悪くなってしまう
という問題があった。また処理回路によっては常に同じ
ぐらいの信号振幅を必要とするものもあるので、小さい
信号振幅では波形を処理できないという問題があった。
【0009】さらに、上記問題に対して、センサ素子か
らの出力信号の振幅を異物のない通常時と同じにするた
めに電荷増幅器117のゲインを変化させて信号を増幅
していた。しかし、この方法では分解能は向上せず、ま
た、電荷増幅器117のゲインをより大きくするために
より広い増幅器の帯域が必要となり、増幅器のコストが
増し、センサ全体の製造コストの上昇を招く。
【0010】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
のであり、その目的とするところは、簡易な構成を有
し、センサと検知対象物との間に異物が存在する場合で
あっても精度よく検知対象物の凹凸形状を検出できる凹
凸検出センサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題、すなわち、
異物が挿入した際の感度の問題を解決するために、第1
の手段として、異物の存在にかかわらずほぼ同様に感知
容量を変化させるようにすることが考えられる。即ち、
図12に示すように、異物が存在した場合に使用するモ
ード(モード2)と、異物が存在しない場合に使用する
モード(モード1)とを設け、凹凸センサを、異物の有
無の状況によって、モード1の曲線からモード2の曲線に
特性が変わるような構成にすることが考えられる。
【0012】また、第2の手段として、凹凸センサの各
セルへ供給する電圧源、電流源などの大きさを異物の有
無の状況によって変化させることでセンサからの出力レ
ベルを変化させることが考えられる。
【0013】そこで、本発明に係る凹凸センサは以下の
構成を有する。
【0014】本発明に係る第1の凹凸センサは、複数の
センサ素子がマトリクス状に配置されてなり、各センサ
素子は、その各センサ素子と検知対象物間に形成される
静電容量を検知し、その検知した静電容量に基いて検知
対象物の凹凸形状を検出する凹凸検出センサである。各
センサ素子は、出力信号線に接続され、検知対象物との
間で静電容量を形成する第1の感知電極と、検知対象物
との間で静電容量を形成する第2の感知電極と、所定の
条件下において第2の感知電極を第1の感知電極と並列
になるように、出力信号線に接続する切替手段とを含
む。
【0015】各センサ素子において、第1及び第2の感
知電極のそれぞれに誘電膜を介して対向する第3及び第
4の感知電極を設けてもよい。このとき、第3及び第4
の感知電極は第1及び第2の感知電極よりも検知対象物
側に配置される。
【0016】また、第3及び第4の感知電極を一体とし
て構成してもよい。
【0017】さらに、好ましくは、切替手段は、出力信
号線上の出力信号の値が所定値より小さいときに第2の
感知電極を出力信号線に電気的に接続し、出力信号の値
が所定値以上の場合は第2の感知電極と出力信号線とを
電気的に遮断する。
【0018】本発明に係る第2の凹凸センサは、複数の
センサ素子がマトリクス状に配置されてなり、各センサ
素子において検知対象物によって形成される静電容量に
電荷を充電し、充電された電荷量により検知対象物の凹
凸形状を検出するセンサであって、任意に出力電圧が変
えられ、前記各センサ素子において形成された静電容量
に電荷を充電するための電圧を供給する可変電源と、セ
ンサ素子に充電された電荷量に応じた出力信号を検出す
る検出手段と、検出手段により検出されたセンサ素子か
らの出力信号のレベルを判定し、そのレベルにしたがい
可変電源の出力電圧を切替える制御手段とを備える。
【0019】本発明に係る第3の凹凸センサは、複数の
センサ素子がマトリクス状に配置されてなり、各センサ
素子はその各センサ素子と検知対象物間に形成される静
電容量を検知し、その検知した静電容量に基いて検知対
象物の凹凸形状を検出する凹凸検出センサである。各セ
ンサ素子は、検知対象物により形成された静電容量と、
駆動電圧とによって決定される電流を導通させる電流手
段を有し、凹凸検出センサは、各センサの電流手段に駆
動電圧を供給する可変電源と、電流手段からの電流値を
判定し、該電流値にしたがい可変電源の出力電圧を切替
える制御手段とを備える。
【0020】本発明に係る第4の凹凸センサは、複数の
センサ素子がマトリクス状に配置されてなり、各センサ
素子はその各センサ素子と検知対象物間に形成される静
電容量を検知し、その検知した静電容量に基いて検知対
象物の凹凸形状を検出する凹凸検出センサである。各セ
ンサ素子は、センサ素子により検知された静電容量に応
じて導通させる電流値を変化させる第1の電流手段と、
センサ素子により検知された静電容量に応じて導通させ
る電流値を変化させ、第1の電流手段と並列に接続され
得る第2の電流手段と、第1及び第2の電流手段からの
電流を取り出すため、それらの電流手段と接続される出
力信号線と、所定の制御信号を受けて出力信号線と第2
の電流手段との間を電気的に接続又は遮断するスイッチ
手段とを有する。さらに、凹凸検出センサは、出力信号
線を流れる電流値を判定し、電流値が所定値より小さい
ときに第2の電流手段と出力信号線との間の電気的接続
を遮断するように制御信号をスイッチ手段に出力する判
定手段を備える。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照し、本発
明の凹凸センサの実施形態を説明する。
【0022】実施の形態1.本発明の凹凸センサはマト
リクス状に配置された複数のセンサ素子(この単位を
「セル」という。)からなる。図1に、1つのセンサ素
子すなわちセルにおける構成の一部を示す。図1に示す
ように、凹凸センサの1つのセルは、一つの切替回路2
5と、導電体からなる2つのセンサプレート21a、2
1bとを含む。センサプレート21a、21bの上部に
は誘電体の保護膜31を介して、それらとほぼ同じ大き
さの導電体のセンサプレート23a、23bが、センサ
プレート21a、21bに対向してそれぞれ設けられて
いる。切替回路25はセンサプレート21a、21bと
出力信号線26とを接続する。このとき、センサプレー
ト21aと出力信号線26とは常時接続されているが、
センサプレート21bと出力信号線26とは切替回路2
5により接続/遮断が切替えられるようになっている。
すなわち、切替回路25は、出力信号線26に対してセ
ンサプレート21bをセンサプレ−ト21aに並列に接
続したり、その接続を遮断したりする。
【0023】図2は、上記のセル(センサ素子)をマト
リクス状に配置した凹凸センサの全体構成を説明した図
である。凹凸検出センサは、指紋を検出する指の表面を
接触させるパッド部10において、センサ素子12が
行、列方向にマトリクス状に配列されている。各センサ
素子12はドライブ回路42により駆動され、センサ素
子12で検知された凹凸形状の検知結果が検出回路41
により電気信号として取り出される。
【0024】一つのセンサ素子12には例えば図3
(a)、(b)に示すように電極部20と、アクティブ
素子であるトランジスタ19とが含まれる。トランジス
タ19は、ドライブ回路42に接続された一の行線42
aと検出回路41に接続された一の列線41aとにより
一の電極部20を選択する。電極部20には例えば図
1、図2に示すセンサプレート21a、21b、23
a、23b及び切替回路25が含まれる。
【0025】なお、保護膜31の厚さに比べてセルに用
いるプレート21a…の縦横寸法が十分小さい場合は、
図1に示すようにセンサプレート23a、23bを設け
るのがより高い検出精度を得る上で好ましいが、一般的
には、保護膜31の厚さに比べてセルに用いるプレート
21a…の縦横寸法が十分大きいので、上部の導電体の
プレート23a、23bを設けなくても同様の効果が得
られる。即ち、図4に示すように、図1の構成から、上
部に設けたセンサプレート23a、23bを除いた構成
としてもよい。
【0026】図1に示す構成の凹凸センサの動作を説明
する。ここで、説明の簡単化のために各センサプレート
21a、21b、23a、23bはそれぞれ同じ面積を
持つとする。つまり、各センサプレート21a、21
b、23a、23bの容量を各々C1、C2、CS1、CS2
とすると、C1=C2=C S1=CS2=Cとなる。
【0027】まず、異物が存在しない時は図5に示すよ
うに切替回路25のスイッチを制御し、センサプレート
21bと出力信号線26との接続を遮断する。このと
き、セルにおいて、センサプレート21aと、それと対
向のセンサプレート23aとがセンサ電極として使用さ
れ、センサプレート21b、23bはセンサ電極として
使用されない。すなわち、センサプレート21a、23
aと指100の表面との間にできる感知容量Cfはほぼ
次式で表される。
【数2】
【0028】一方、異物が存在する場合は、図6に示す
ように切替回路25のスイッチを制御し、センサプレー
ト21bと出力信号線26を接続する。このとき、セル
において、センサプレート21a、23aとともに、セ
ンサプレート21b、23bもセンサ電極として使用さ
れる。つまり、二つのセンサプレート21aと21b
は、一つのセンサプレートとして動作する。故に、感知
容量Cfはほぼ次式の値をとる。
【数3】 このように、切替回路25でセンサプレート21bの接
続を切替えることにより、感知容量を変更することがで
きる。
【0029】図7に感知容量Cfの特性を示す。図7は
1セルあたり2つのセンサプレートを含む場合の感知容
量の特性を示しており、モード1の曲線はセンサプレー
トを1つのみ使用する場合の容量変化を、モード2の曲線
はセンサプレートを2つ並列に接続して使用する場合の
容量変化を示した図である。ここではd0=500nmとした
ので500nmから容量が変化する。この図より切替回路
25のスイッチをオンすることでモード1からモード2の
特性に移行できるのがわかる。つまり、モード1を異物
が存在しない通常状態での検出時に使用し、モード2を
異物が存在する場合の検出時に使用することで、異物が
存在する場合であっても高い検出感度を維持でき、検出
時の分解能を向上できる。
【0030】例えば、異物の大きさを200nmとすると、
モード1のままだとCf≦8fFの範囲でしか出力できな
いが、モード2に切替えることでCf≦17fFの範囲で出
力できるようになる。
【0031】以上のように、検出状況に応じて、セル中
のセンサプレート数を切替えて容量変化特性を切替える
ことにより、検出能力の分解能が改善され、また、出力
変化も増幅できる。なお、異物の存在の判定は、例え
ば、センサにより検出された検出値を所定値と比較し、
検出値が所定値より小さい場合に異物が存在していると
判断することにより可能である。
【0032】実施の形態2.図8に本発明に係る凹凸セ
ンサの別の実施形態を示す。図8に示す例では、図1に
示す構成において、上部に設けた2つのセンサプレート
23a、23bを一体とした1つのセンサプレート23
cを設けている。
【0033】このように構成された凹凸センサの動作を
以下に説明する。説明の簡単化のために二つのセンサプ
レート21a、21bは同じ面積を持つとする。従っ
て、センサプレート21a、21bとプレート23c間
に形成される容量をそれぞれC1、C2とすると、C1=C
2(≡C/2)となる。
【0034】異物が存在しないときは、図9に示すよう
に切替回路25のスイッチをオフにする。この場合、セ
ンサプレート21bは切り離され、センサプレート21
aのみが検出動作に寄与することになる。よって、セン
サプレートと指表面の間にできる感知容量Cfはほぼ次式
で表される。
【数4】
【0035】次に異物が存在する時は図10に示すよう
に切替回路25のスイッチをオンにする。すると二つの
センサプレート21a、21bは等価的に一つのセンサ
プレートと同じ働きをするので、感知容量はほぼ次式の
値をとる。
【数5】 このように、切替回路25でセンサプレート21bの接
続を切替えることにより、感知容量を変更することがで
きる。
【0036】図11に本実施形態での感知容量の特性を
示す。ここではd0=500nmとしたので図のように500nm
から容量が変化する。また、センサプレートの個数は1
セルあたり3つとし、モード1は1つのセンサプレートの
みを使用したときの容量変化、モード2は3つのセンサ
プレートを使用したときの容量変化を示す曲線である。
この図より切替回路25のスイッチをオンすることでモ
ード1からモード2の特性に移行できるのがわかる。モー
ド1を異物が存在しない通常状態での検出時に使用し、
モード2を異物が存在する場合の検出時に使用すること
で、異物が存在する場合であっても高い検出感度を維持
でき、検出時の分解能を向上できる。
【0037】例えば異物の大きさが200nmの場合、モー
ド1の場合、Cf≦12fFの範囲でしか出力できないが、
モード2に切り替わることでCf≦17fFの範囲で出力で
きるようになる。従って、分解能が改善され、さらに、
出力変化も増幅できることになる。
【0038】実施の形態3.センサプレート上に形成さ
れる感知容量の変化により凹凸を検出するセルにおい
て、その感知容量を検出する方法として、感知容量Cf
に電荷を充電し、充電された電荷量を測定して感知容量
を検出する方法がある。この場合、充電のために各セル
に印加する電圧値を変化させることによって蓄える電荷
量を変化させることができる。そこで、本実施形態で
は、指表面とセンサ電極との間に異物が存在すると判断
された場合は、通常検出時よりも大きな印加電圧により
セルを充電するようにする。
【0039】図13は、各セルから感知容量を検出する
ための構成を示した図である。通常時(異物が存在しな
いとき)においては、スイッチS1が閉じて感知容量C
fに可変電源45より電圧V0が印加される。このとき、
充電される電荷量Q0はQ0=Cf・V0となる。次に、ス
イッチS1が開き、スイッチS2が閉じることにより、
充電された電荷Q0に応じて流れる電流ID1が検出回路
41により検出される。判定回路43aは検出回路41
からの検出結果に基き異物の有無を判定し、異物等が存
在していると判定したときは可変電源45を制御する。
可変電源45は異物等が存在していると判定された場合
は、印加電圧をV0からV1(V1>V0)に変化させ、そ
の後、この電圧V1で感知容量Cfを充電する。これによ
り、充電される電荷量はQ1(=Cf・V1)となり、V1
>V0であるため、充電される電荷量が大きくなり(Q1
>Q0)、分解能が改善される。
【0040】実施の形態4.感知容量を検出する方法と
して、容量を電圧に変換する容量電圧変換回路(以下
「C−V変換回路」という。)を用い、容量を電圧とし
て検出する方法がある。この方法では、C−V変換回路
から出力される電圧の変化が小さい場合はその信号を増
幅する必要がある。そこで、例えば、図14に示すよう
にC−V変換回路から出力される電圧の微小電圧変化を
MOSトランジスタ48のゲートに入力して、出力信号
を増幅する方法が考えられる。これはMOSトランジス
タ48の流す電流はゲート電圧変化の2乗に比例するこ
とを利用したものである。MOSトランジスタの流す飽
和電流IDは次式で表される。
【数6】 但し、VSは電源電圧、VGはゲート電圧、Vthは閾値電
圧、βは増幅率である。
【0041】この方法では、MOSトランジスタの流す
電流が電源電圧の2乗にも比例していることから、図1
4に示すように電源電圧VDDを変化させることで出力電
圧を変化させることができる。異物が無い時の電源電圧
をVSとすると、MOSトランジスタの飽和電流はID
D0である。判定回路43bは検出回路41からの検出
電流値に基き、検出電流値が所定値よりも小さく異物が
存在すると判定したときは、可変電源45の出力電圧V
DDの値をVSからVS'(VS'>VS)に制御する。このと
き、MOSトランジスタの飽和電流値IDは次式とな
る。
【数7】 VS'>VSであることから、出力電流が大きくなり(ID'
>ID)、分解能が改善される。
【0042】実施の形態5.図14に示した構成におい
て、異物が存在する場合に、1つのセルにおいて1つ以上
のMOSトランジスタを並列に接続させて出力電流値を
増やすようにしてもよい。
【0043】即ち、図15に示すように、MOSトラン
ジスタ48と並列に追加のMOSトランジスタ49を設
ける。追加のMOSトランジスタ49はスイッチS4を
介してMOSトランジスタ48と並列に接続されたり、
切り離されたりする。この接続/切り離しの動作は判定
回路43cにより制御される。追加のMOSトランジス
タ49は、そのゲートがMOSトランジスタ48と同様
にC−V変換回路47の出力に接続され、C−V変換回
路47からの出力値に応じて変化する電流を導通させ
る。
【0044】判定回路43cは異物が存在しないと判定
した時は、MOSトランジスタ48のみを用いるよう
に、MOSトランジスタ49を切り離し、これによっ
て、出力電流IDは1つのMOSトランジスタの飽和電
流ID0の値と等しくなる。一方、異物が存在すると判定
した時は、判定回路43cはMOSトランジスタ49が
MOSトランジスタ48と並列に接続されるように接続
を制御し、これにより、出力電流IDは2×ID0とな
る。このように、異物が存在する時に、感知容量に応じ
た電流を導通させるトランジスタの数を増加させること
により、出力電流を増大させることにより分解能を改善
することができる。なお、追加するトランジスタの数は
3以上の多数であってもよい。
【0045】
【発明の効果】本発明に係る第1の凹凸センサによれ
ば、簡易な構成で状況に応じてセンサ素子の感知容量の
変化特性を切替えることが可能であるため、例えば、検
知対象物とセンサ素子との間に異物が存在する場合と存
在しない場合で切替えることにより、異物が存在すると
きであっても、凹凸形状検出時の分解能を向上すること
ができる。また、感知電極を検知対象物側に対向して設
けてもよく、これにより保護膜の厚さが電極面積に比し
て大きいときに特に精度よく凹凸の検出が可能となる。
【0046】本発明に係る第2の凹凸センサによれば、
センサ素子に形成される感知容量に充電することにより
凹凸を検出する場合に、充電電圧を状況に応じて切替え
ることが可能であるため、例えば、検知対象物とセンサ
素子との間に異物が存在する場合と存在しない場合で切
替えることにより、異物が存在するときであっても、凹
凸形状検出時の分解能を向上させることができる。
【0047】本発明に係る第3の凹凸センサによれば、
センサ素子が感知容量と、駆動電圧とによって決定され
る電流を導通させる手段を有する場合に、その手段の駆
動電圧を状況に応じて切替えることが可能であるため、
例えば、検知対象物とセンサ素子との間に異物が存在す
る場合と存在しない場合で切替えることにより、異物が
存在するときであっても、凹凸形状検出時の分解能を向
上させることができる。
【0048】本発明に係る第4の凹凸センサによれば、
凹凸形状検出時に使用する電流手段の数を状況に応じて
切替えることが可能であるため、例えば、検知対象物と
センサ素子との間に異物が存在する場合と存在しない場
合で切替えることにより、異物が存在するときであって
も、凹凸形状検出時の分解能を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る凹凸センサの実施の形態1の電
極構成を説明した図。
【図2】 凹凸センサの全体構成図。
【図3】 凹凸センサにおけるセルの構成例を説明した
図。
【図4】 実施の形態1の凹凸センサの別の電極構成を
説明した図。
【図5】 実施の形態1の凹凸センサの動作を説明する
ための図(異物が存在しない場合)。
【図6】 実施の形態1の凹凸センサの動作を説明する
ための図(異物が存在する場合)。
【図7】 実施の形態1の凹凸センサの感知容量の特性
を示した図。
【図8】 本発明に係る凹凸センサの実施の形態2の電
極構成を説明した図。
【図9】 実施の形態2の凹凸センサの動作を説明する
ための図(異物が存在しない場合)。
【図10】 実施の形態2の凹凸センサの動作を説明す
るための図(異物が存在する場合)。
【図11】 実施の形態2の凹凸センサの感知容量の特
性を示した図。
【図12】 本発明に係る凹凸センサの考え方を説明す
るための図。
【図13】 本発明に係る凹凸センサの実施の形態3の
構成を説明した図。
【図14】 本発明に係る凹凸センサの実施の形態4の
構成を説明した図。
【図15】 本発明に係る凹凸センサの実施の形態5の
構成を説明した図。
【図16】 (a)従来の凹凸センサの全体構成図、及
び、(b)凹凸センサにおけるセルの構成例を説明した
図。
【図17】 従来の凹凸センサの動作を説明するための
図(異物が存在しない場合)。
【図18】 従来の凹凸センサの感知容量の特性を示し
た図。
【図19】 従来の凹凸センサの感知容量の検出のため
の構成を説明した図。
【図20】 従来の凹凸センサの動作を説明するための
図(異物が存在する場合)。
【符号の説明】
21a,21b,23a,23b,23c センサプレ
ート、 25 切替回路、 26 信号線、 31 誘
電体保護膜、 41 検出回路、 42 ドライブ回
路、 43a〜43c 判定回路、 45 可変電源、
47 C−V変換回路 48,49 MOSトランジ
スタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 行雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA43 BA29 DA02 DA05 DD07 HA04 2G060 AA08 AD06 AE40 AF10 AG05 5J050 AA01 AA49 BB23 DD06 EE08 FF21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のセンサ素子がマトリクス状に配置
    されてなり、各センサ素子は該各センサ素子と検知対象
    物間に形成される静電容量を検知し、その検知した静電
    容量に基いて検知対象物の凹凸形状を検出する凹凸検出
    センサにおいて、 各センサ素子は、出力信号線に接続され、検知対象物と
    の間で静電容量を形成する第1の感知電極と、検知対象
    物との間で静電容量を形成する第2の感知電極と、所定
    の条件下において第2の感知電極を第1の感知電極と並
    列になるように、出力信号線に接続する切替手段とを備
    えることを特徴とする凹凸検出センサ。
  2. 【請求項2】 前記各センサ素子において、第1及び第
    2の感知電極のそれぞれに誘電膜を介して対向する第3
    及び第4の感知電極を設け、該第3及び第4の感知電極
    は第1及び第2の感知電極よりも検知対象物側に配置さ
    れることを特徴とする請求項1記載の凹凸検出センサ。
  3. 【請求項3】 前記第3及び第4の感知電極を一体とし
    たことを特徴とする請求項2記載の凹凸検出センサ。
  4. 【請求項4】 前記切替手段は、出力信号線上の出力信
    号の値が所定値より小さいときに第2の感知電極を出力
    信号線に電気的に接続し、前記出力信号の値が前記所定
    値以上のときは第2の感知電極と出力信号線とを電気的
    に遮断することを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか一に記載の凹凸検出センサ。
  5. 【請求項5】 複数のセンサ素子がマトリクス状に配置
    されてなり、各センサ素子において検知対象物によって
    形成される静電容量に電荷を充電し、該充電された電荷
    量により検知対象物の凹凸形状を検出するセンサであっ
    て、 任意に出力電圧が変えられ、前記各センサ素子において
    形成された静電容量に電荷を充電するための電圧を供給
    する可変電源と、 前記センサ素子に充電された電荷量に応じた出力信号を
    検出する検出手段と、 該検出手段により検出されたセンサ素子からの出力信号
    のレベルを判定し、該レベルにしたがい前記可変電源の
    出力電圧を切替える制御手段とを備えたことを特徴とす
    る凹凸検出センサ。
  6. 【請求項6】 複数のセンサ素子がマトリクス状に配置
    されてなり、各センサ素子は該各センサ素子と検知対象
    物間に形成される静電容量を検知し、その検知した静電
    容量に基いて検知対象物の凹凸形状を検出する凹凸検出
    センサにおいて、 各センサ素子は、検知対象物により形成された静電容量
    と、駆動電圧とによって決定される電流を導通させる電
    流手段を有し、 凹凸検出センサは、各センサの電流手段に駆動電圧を供
    給する可変電源と、電流手段からの電流値を判定し、該
    電流値にしたがい可変電源の出力電圧を切替える制御手
    段とを備えることを特徴とする凹凸検出センサ。
  7. 【請求項7】 複数のセンサ素子がマトリクス状に配置
    されてなり、各センサ素子は該各センサ素子と検知対象
    物間に形成される静電容量を検知し、その検知した静電
    容量に基いて検知対象物の凹凸形状を検出する凹凸検出
    センサにおいて、 各センサ素子は、該センサ素子により検知された静電容
    量に応じて導通させる電流値を変化させる第1の電流手
    段と、該センサ素子により検知された静電容量に応じて
    導通させる電流値を変化させ、第1の電流手段と並列に
    接続され得る第2の電流手段と、第1及び第2の電流手
    段からの電流を取り出すため、それらの電流手段と接続
    される出力信号線と、所定の制御信号を受けて出力信号
    線と第2の電流手段との間を電気的に接続又は遮断する
    スイッチ手段とを有し、 凹凸検出センサは、出力信号線を流れる電流値を判定
    し、該判定した電流値が所定値以下のときに第2の電流
    手段と出力信号線との間の電気的接続を接続し、該判定
    した電流値が所定値より大きいときに第2の電流手段と
    出力信号線との間の電気的接続を遮断するように制御信
    号を前記スイッチ手段に出力する判定手段を備えること
    を特徴とする凹凸検出センサ。
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