JP2002255887A - トロポロン化合物の精製方法 - Google Patents

トロポロン化合物の精製方法

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JP2002255887A
JP2002255887A JP2001059460A JP2001059460A JP2002255887A JP 2002255887 A JP2002255887 A JP 2002255887A JP 2001059460 A JP2001059460 A JP 2001059460A JP 2001059460 A JP2001059460 A JP 2001059460A JP 2002255887 A JP2002255887 A JP 2002255887A
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tropolone compound
tropolone
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hinokitiol
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Katsuya Shimizu
克也 清水
Yuji Hayashi
裕司 林
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロポロン化合物の製造において、安価且つ
簡便な方法で製品純度および白色度を効率的に高めるこ
とができる有用な精製方法を提供する。 【解決手段】 シクロペンタジエン類とジクロロケテン
とを反応させてジクロロケテン付加体を得、該ジクロロ
ケテン付加体を加溶媒分解することによって得られた粗
トロポロン化合物の精製方法であって、1種もしくは2
種以上の物質よりなりHildebrandの溶解度パ
ラメータδが8.0以上の溶媒を用いて粗トロポロン化
合物を晶析することを特徴とするトロポロン化合物の精
製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロポロン化合物
の精製方法に関するものである。さらに詳しくは、抗菌
・抗カビ作用をはじめ防虫作用などにも優れる有用な物
質であるトロポロン化合物の製造において、安価且つ簡
便な方法で製品純度および白色度を効率的に高めること
ができる有用な精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トロポロン化合物の合成法は種々知られ
ている。その中で、シクロペンタジエンにジクロロケテ
ンを付加させ、得られたジクロロケテン付加体を加溶媒
分解する方法は、シクロペンタジエンなどの原料が入手
しやすく工程数も少ないので、工業的に実施する上で有
利な方法である。しかしながらこの方法では、ジクロロ
ケテン付加反応および加溶媒分解反応においてトロポロ
ン化合物と分離困難な雑多な不純物が副生するという問
題があった。こうした不純物を除き、高純度のトロポロ
ン化合物を得るために、従来種々の方法が採用されてい
る。
【0003】例えば特公昭51−33901号公報に
は、上記の合成法で得られた粗トロポロン化合物(ヒノ
キチオール)に10%水酸化ナトリウムを加えて酸性成
分を抽出除去した後、希塩酸を加えてトロポロン化合物
を析出させてエーテル抽出し、該エーテル層から85%
リン酸でトロポロン化合物を抽出した後リン酸層を水で
希釈してトロポロン化合物を析出させるという極めて煩
雑な精製を施した後さらにカラムクロマトグラフィーと
リグロインによる晶析を実施するという精製法が記され
ている。このような精製法は、実験室規模では辛うじて
実施可能であるが、工程数が多く且つ煩雑な操作を要す
るので精製コストが極めて高く、工業的規模では到底実
施できるものではない。
【0004】特開平08−040971号公報には、上
記の合成法で得られた粗トロポロン化合物(ヒノキチオ
ール)を減圧下蒸留した後リグロインで晶析するという
方法が記されている。この方法は比較的簡便ではある
が、本発明者らの実験の結果この方法による精製効果は
十分なものではなく、白色度の低い結晶しか得られず、
近年特に精製度の要求水準が高度化している化粧品用途
などへの応用は困難であった。以上のように従来技術で
は、前記の合成法により製造された粗トロポロン化合物
を、簡便且つ効果的に精製することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の合成
法により製造された粗トロポロン化合物を、簡便且つ効
果的に精製する方法を提供することを目的とし、特に工
業的規模での実施に好適な方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、前記の合成法によ
り製造された粗トロポロン化合物に含有される不純物
が、特定の溶解度パラメータを有する溶媒で晶析するこ
とにより効率的に分離できることを見出し、本発明を完
成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0007】1)1種もしくは2種以上の物質よりな
り、Hildebrandの溶解度パラメータδが8.
0〜20.0の溶媒を用いて粗トロポロン化合物を晶析
することを特徴とする、トロポロン化合物の精製方法。 2)粗トロポロン化合物が、シクロペンタジエン類とジ
クロロケテンとを反応させて得られたジクロロケテン付
加体を加溶媒分解することによって得られた粗トロポロ
ン化合物であることを特徴とする、1)記載のトロポロ
ン化合物の精製方法。 3)トロポロン化合物が、ヒノキチオールであることを
特徴とする、1)または2)記載のトロポロン化合物の
精製方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき具体的に説明
する。本発明でいうトロポロン化合物、シクロペンタジ
エン類およびジクロロケテン付加体とは、それぞれ下記
式(1)、(2)および(3)で表される。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】ただし、R1からR3はそれぞれ同一でも異
なってもよく、水素、または直鎖または分岐のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基を
表し、直鎖状または分岐状を問わない。また不飽和結合
が含まれていてもかまわない。また酸素、ケイ素、ハロ
ゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。
【0013】アルキル基としては例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,
1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチ
ルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オク
チル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5
−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0014】アルケニル基としては一般式−CH=CR
45で表され、アルキニル基としては一般式−CH≡C
−R4で表される。 R4、R5は、それぞれ同一でも異な
ってもよく、水素または炭化水素基であり、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メ
チルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシ
ル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウン
デシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニ
ル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルな
どが挙げられる。
【0015】シクロアルキル基としては、例えばシクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロ
ペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、
シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘ
キセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3
−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘキサジ
エン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イ
ル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−イル、
2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプテン−
1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シクロオク
チル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シクロオク
テン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙
げられる。
【0016】また酸素が含まれるものとしては、今まで
述べた基に一般式−OR6や一般式−COOR7で表され
る置換基が有するものが挙げられる。R6やR7は、それ
ぞれ同一でも異なってもよく、水素または炭化水素基で
あり例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1
−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペ
ンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デ
シル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5
−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0017】また今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩
素、臭素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもか
まわない。前記式(1)で表されるトロポロン類の中
で、4位にイソプロピル基を有する4−イソプロピルト
ロポロン(β−ツヤプリシン、別名ヒノキチオール)、
4−位にイソプロペニル基を有するβ−ドラブリン、3
位にイソプロピル基を有するα−ツヤプリシン、5位に
イソプロピル基を有するγ−ツヤプリシンは、青森ヒバ
や台湾ヒノキの精油中に含まれる天然物であり、その安
全性の高さから有用性が高く広く用いられている物質で
ある。
【0018】中でも、4−イソプロピルトロポロン(ヒ
ノキチオール)は、上記精油中に最も多く含まれる成分
のひとつであり、天然抽出品を端緒として用途が広が
り、近年では化学合成品が主流となって様々な分野で利
用されている。この化学合成品のほとんどが前記の化学
合成法によるものであり、ジクロロケテン付加反応や加
溶媒分解反応による雑多な不純物を如何に効率よく除去
するかが課題となるが、本発明者らの実験の結果、ヒノ
キチオールの場合には特にこうした不純物の除去が困難
であり、本発明の有用性が顕著に示される。
【0019】シクロペンタジエン類とジクロロケテンと
を反応させてジクロロケテン付加体を合成する方法、お
よび該ジクロロケテン付加体を加溶媒分解することによ
って粗トロポロン化合物を合成する方法は公知の方法に
準じればよい。例えば特公昭51−33901号公報や
特開平08−040971号公報にそれらの方法の例が
示されている。本発明の晶析においては、1種もしくは
2種以上の物質よりなり溶解度パラメーターが8.0以
上の溶媒を用いることが必須要件である。この要件を満
足しないと、ジクロロケテン付加反応および加溶媒分解
反応において副生する雑多な不純物を十分分離すること
ができず、満足のゆく精製効果が得られない。
【0020】本発明でいう溶解度パラメーターとは、H
ildebrandの溶解度パラメータδであり、下記
式(1)で表される。 δ=(△EV/V)1/2 (1) ここで、Vは溶媒のモル容積を表す。△EVは25℃に
おける溶媒の蒸発熱を表し、下記式(2)で計算され
る。 △EV〔cal/mol〕=−3.542+23.7Tb+0.020Tb (2)
【0021】(Tb:絶対温度で表した溶媒の沸点)混
合溶媒の溶解度パラメーターδmixは、各溶媒の溶解度
パラメーターより下記式(3)で計算される。 δmix=(x11δ1+ x22δ2+・・+ xnnδn)/( x11+x22 +・・+xnn) (3)
【0022】ここで、xとVはそれぞれ各溶媒のモル分
率とモル容積を表す。本発明の晶析で用いる溶媒は、溶
解度パラメータが8.0〜20.0のものであれば制限
はない。例えば、メタノール、エタノール、1−プロパ
ノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタ
ノール、シクロペンタン、シクロヘキサン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケト
ン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、アセトニ
トリルなどを単独で用いてもよいし、2種以上を混合し
て用いてもよい。また、溶解度パラメータが8.0未満
の溶媒(例:ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、リグロイン)や溶解度パラメーターが20.0を越
える溶媒(例:水)と溶解度パラメータが8.0〜2
0.0の溶媒の混合物を用いてもよい。
【0023】以上のように本発明では、Hildebr
andの溶解度パラメータδが8.0〜20.0の溶媒
であれば制限なく用いることができるが、より精製効果
が高まるという意味で、溶解度パラメーターが8.0か
ら19.0の溶媒が好ましい。さらに好ましくは8.0
〜18.0である。また、晶析後の溶媒除去の容易性や
人体に対する安全性などの観点から、エタノールもしく
はエタノールと水の混合物が好ましい。
【0024】本発明の晶析における温度およびトロポロ
ン化合物濃度は、用いる溶媒の溶解度曲線(温度−トロ
ポロン化合物溶解度)に応じて適宜決定すればよい。好
ましい温度は−50〜100℃である。−50℃未満で
は運転コスト面での不利益が大きく、一方100℃を越
えると溶媒の蒸発が顕著になり晶析中の濃度変化の問題
などが発生する。好ましいトロポロン化合物濃度は、
0.05〜80wt%である。0.05wt%未満では
多量の溶媒を要するという意味で精製効率が悪く、一方
80wt%を越えると結晶析出時の固−液攪拌が困難に
なり、工業的実施において支障を来す。
【0025】本発明においては、前述の合成法により得
られた粗トロポロン化合物に対して直接本発明の晶析を
施してもよいが、晶析の前に粗トロポロン化合物を減圧
蒸留して低沸点成分および高沸点成分を除去しておく方
がより精製効果が高まる。本発明のトロポロン化合物の
精製方法は、前記の合成法で製造された粗トロポロンの
精製において特に有用であるが、β−ツヤプリシン(ヒ
ノキチオール)、β−ドラブリン、α−ツヤプリシン、
γ−ツヤプリシンなどの天然トロポロン化合物を、青森
ヒバや台湾ヒノキの精油から抽出する場合の精製方法と
しても有効である。
【0026】以下に本発明の実施例を説明するが、本発
明は以下の例によって限定されるものではない。なお、
実施例等における各種測定は以下の方法にしたがった。 <トロポロン化合物純度分析> ガスクロマトグラフ 装置:島津製作所GC−14A、島津製作所クロマトパ
ックCR−4A カラム:J&Wサイエンティフィック社キャピラリーカ
ラムDB−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜
厚0.25μm) 温度条件:カラム100℃×2分→250℃(10℃/
分)。注入口300℃、 検出器300℃(FID) <トロポロン化合物白色度測定> 分光光度計(430nmにおける透過率をもって白色度
の指標とした。) 装置:日立製作所 U−2000 溶媒:エタノール 試料濃度:10.0wt%
【0027】
【実施例1】1−イソプロピルシクロペンタジエン7
5.11kg(0.694kmol)を含むヘキサン溶
液727.08kgをグラスライニングを施したジャケ
ット式反応器に仕込み、溶液温度を0℃に冷却した。該
溶液を撹拌しつつ、該溶液に対しジクロロアセチルクロ
ライド107.44kg(0.729mol)およびト
リエチルアミン 77.21kg(0.763mol)
を同時に1.5時間かけて滴下し、ジクロロケテン付加
反応を実施した。その間、溶液温度が0〜5℃の範囲に
維持されるよう、ジャケットに冷媒を流通させて反応熱
を除去した。ジクロロアセチルクロライドとトリエチル
アミンの滴下終了後、反応液に水200kgと濃塩酸
5.4kgを添加し、15分間撹拌した。その後15分
間静置して有機層と水層を分離させた後、反応器底端か
ら水層を抜き出し、続けて有機層を抜き出した。該有機
層からヘキサンを減圧留去し、粗ジクロロケテン付加体
181.37kg(純度83%、0.687kmol)
を得た(収率99.0%)。
【0028】得られた粗ジクロロケテン付加体を、ター
シャリーブタノール/水/酢酸=931.8kg/24
7.2kg/247.2kgの混合溶媒に溶解し、グラ
スライニングを施した還流冷却器付反応器に仕込み還流
温度まで昇温した。該溶液を撹拌しつつ、還流状態でト
リエチルアミン486.6kg(4.81kmol)を
3時間かけて滴下し、加溶媒分解反応を実施した。滴下
終了後さらに1.5時間加熱還流した後、室温まで冷却
した。水1392kgと濃塩酸108kg加えた後、タ
ーシャリーブタノールを減圧留去した後トルエン150
0kgを加えて45℃で15分間撹拌した。撹拌を停止
した15分間静置して有機層と水層を分離させた。得ら
れた有機層に純水1000kgを加え15分間攪拌し
た。撹拌を停止した後15分間静置して有機層と水層を
分離させた。得られた有機層からトルエンを減圧留去
し、粗ヒノキチオール113.3kgを得た(純度8
5.2%、0.588kmol)(収率85.6%)。
【0029】得られた粗ヒノキチオールをグラスライニ
ングを施した単蒸留装置で減圧下に単蒸留し(140℃
/10mmHg)、粗ヒノキチオール100.1kgを
留出物として得た(純度91.5%、0.558kmo
l)(収率94.9%)。ガラス製晶析槽中に、単蒸留
により得られた粗ヒノキチオール100.0gと混合溶
媒(δ=15.6)400.0g〔エタノール(δ=1
1.2)200.0gと水(δ=21.2)200.0
gの混合物〕を加え、40℃で30分間攪拌して均一溶
液とした後、緩やかに攪拌しつつ2時間かけて22℃ま
で温度を下げ、種晶(ヒノキチオール結晶)10mgを
添加し、さらに4時間かけて0℃まで温度を下げてヒノ
キチオールの結晶を析出させた。
【0030】析出した結晶をガラス製装置で吸引濾過に
より採取した。採取した結晶を0℃に冷却した溶媒(エ
タノール:水=1:1重量比)100.0gで2回洗浄
した後真空乾燥し、ヒノキチオールの結晶69.9gを
得た(収率76.4%)。得られた結晶は、ガスクロマ
トグラフ純度99.9%、白色度(430nm透過率)
90.5%と良好な精製度であった。
【0031】
【実施例2】ガラス製晶析槽中に、実施例1と同様の方
法で製造した粗ヒノキチオール100.0gと混合溶媒
(δ=14.6)〔エタノール(δ=11.2)24
0.0gと水(δ=21.2)160.0gの混合物〕
を加え、実施例1と同様の方法で晶析操作を行い、ヒノ
キチオールの結晶を析出させた。析出した結晶をガラス
製装置で吸引濾過により採取した。採取した結晶を0℃
に冷却した溶媒(エタノール:水=3:2重量比)10
0.0gで2回洗浄した後真空乾燥し、ヒノキチオール
の結晶68.9gを得た(収率75.3%)。得られた
結晶は、ガスクロマトグラフ純度99.8%、白色度
(430nm透過率)90.7%と良好な精製度であっ
た。
【0032】
【実施例3】ガラス製晶析槽中に、実施例1と同様の方
法で製造した粗ヒノキチオール100.0gとエタノー
ル(δ=11.2)400.0gを加え、20℃で30
分間攪拌して均一溶液とした後、緩やかに攪拌しつつ2
時間かけて0℃まで温度を下げ、種晶(ヒノキチオール
結晶)10mgを添加し、さらに4時間かけて−20℃
まで温度を下げてヒノキチオールの結晶を析出させた。
析出した結晶をガラス製装置で吸引濾過により採取し
た。採取した結晶を−20℃に冷却したエタノール5
0.0gで2回洗浄した後真空乾燥し、ヒノキチオール
の結晶64.3gを得た(収率70.3%)。得られた
結晶は、ガスクロマトグラフ純度99.5%、白色度
(430nm透過率)91.3%と良好な精製度であっ
た。
【0033】
【実施例4】エタノールの代わりにメタノール(δ=1
2.9)を用いた以外は実施例3と同様の方法で晶析、
洗浄、乾燥操作を行いヒノキチオールの結晶63.6g
を得た(収率69.5%)。得られた結晶は、ガスクロ
マトグラフ純度99.4%、白色度(430nm透過
率)91.1%と良好な精製度であった。
【0034】
【実施例5】エタノールの代わりに酢酸エチル(δ=
8.6)を用いた以外は実施例3と同様の方法で晶析、
洗浄、乾燥操作を行いヒノキチオールの結晶64.1g
を得た(収率70.1)。得られた結晶は、ガスクロマ
トグラフ純度99.7%、白色度(430nm透過率)
90.0%と良好な精製度であった。
【0035】
【実施例6】エタノールの代わりにトルエン(δ=8.
9)を用いた以外は実施例3と同様の方法で晶析、洗
浄、乾燥操作を行いヒノキチオールの結晶62.4gを
得た(収率68.2%)。得られた結晶は、ガスクロマ
トグラフ純度99.9%、白色度(430nm透過率)
90.5%と良好な精製度であった。
【0036】
【実施例7】1−イソプロピルシクロペンタジエンの代
わりにシクロペンタジエンを用いた以外は実施例1と同
様の方法で粗トロポロンを製造した(純度89.5
%)。ガラス製晶析槽中に、得られた粗トロポロン10
0.0gと混合溶媒(δ=15.6)400.0g〔エ
タノール(δ=11.2)200.0gと水(δ=2
1.2)200.0gの混合物〕を加え、20℃で30
分間攪拌して均一溶液とした後、緩やかに攪拌しつつ2
時間かけて0℃まで温度を下げ、種晶(トロポロン結
晶)10mgを添加し、さらに4時間かけて−20℃ま
で温度を下げてトロポロンの結晶を析出させた。析出し
た結晶をガラス製装置で吸引濾過により採取した。採取
した結晶を−20℃に冷却した溶媒(エタノール:水=
1:1重量比)50.0gで2回洗浄した後真空乾燥
し、トロポロンの結晶57.5gを得た(収率64.3
%)。得られた結晶は、ガスクロマトグラフ純度99.
1%、白色度(430nm透過率)90.5%と良好な
精製度であった。
【0037】
【比較例1】ガラス製晶析槽中に、実施例1と同様の方
法で製造した粗ヒノキチオール100.0gとリグロイ
ン(δ=7.0〜7.6)を加え、実施例1と同様の方
法で晶析操作を行い、ヒノキチオールの結晶を析出させ
た。析出した結晶をガラス製装置で吸引濾過により採取
した。採取した結晶を0℃に冷却したリグロイン10
0.0gで2回洗浄した後真空乾燥し、ヒノキチオール
の結晶70.1gを得た(収率76.6%)。得られた
結晶は、ガスクロマトグラフ純度97.1%、白色度
(430nm透過率)75.3%と精製度が低く黄ばん
でいた。
【0038】
【比較例2】リグロインの代わりにヘキサン(δ=7.
3)を用いた以外は比較例1と同様の方法で晶析、洗
浄、乾燥操作を行いヒノキチオールの結晶69.4gを
得た(収率75.8%)。得られた結晶は、ガスクロマ
トグラフ純度96.5%、白色度(430nm透過率)
73.7%と精製度が低く黄ばんでいた。上記の実施例
および比較例により、本発明方法が製品結晶純度および
白色度を高める、効果的な方法であることが実証され
た。
【0039】
【発明の効果】本発明により、抗菌・抗カビ作用はじめ
防虫作用などにも優れる有用なトロポロン化合物の製造
において、安価且つ簡便な方法で製品結晶の純度および
白色度を効率的に高めることができる有用な精製方法を
提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種もしくは2種以上の物質よりなり、
    Hildebrandの溶解度パラメータδが8.0〜
    20.0の溶媒を用いて粗トロポロン化合物を晶析する
    ことを特徴とする、トロポロン化合物の精製方法。
  2. 【請求項2】 粗トロポロン化合物が、シクロペンタジ
    エン類とジクロロケテンとを反応させて得られたジクロ
    ロケテン付加体を加溶媒分解することによって得られた
    粗トロポロン化合物であることを特徴とする、請求項1
    記載のトロポロン化合物の精製方法。
  3. 【請求項3】 トロポロン化合物が、ヒノキチオールで
    あることを特徴とする、請求項1または2記載のトロポ
    ロン化合物の精製方法。
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