JP2002255831A - 二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を気密性容器に充填してなる外用剤 - Google Patents

二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を気密性容器に充填してなる外用剤

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JP2002255831A JP2001397096A JP2001397096A JP2002255831A JP 2002255831 A JP2002255831 A JP 2002255831A JP 2001397096 A JP2001397096 A JP 2001397096A JP 2001397096 A JP2001397096 A JP 2001397096A JP 2002255831 A JP2002255831 A JP 2002255831A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便に利用でき、且つニ酸化炭素により与えら
れる所期の効果を保持し得る、皮膚・粘膜に対する美容
・治療用外用剤を提供することを目的とする。 【解決手段】二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を気
密性容器に充填してなる外用剤であって、水、増粘剤及
び気泡状二酸化炭素を含有し、二酸化炭素を持続的に経
皮・経粘膜吸収させることができる外用剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素経皮・
経粘膜吸収用組成物を気密性容器に充填してなる外用剤
に関する。二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物は、該
組成物を含む皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘膜障害に伴う
かゆみ、末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍、冷感、しびれ
感;歯科疾患、皮膚粘膜損傷、化膿性皮膚疾患、角化異
常症、筋骨格系疾患及び神経系疾患からなる群から選ば
れるいずれかの疾患の予防、治療ないし化粧用外用剤と
して有用である。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来の二酸化炭素経皮・経
粘膜吸収用組成物(特開2000−319187号)の
問題点として、調製後一定の保存時間を経ると二酸化炭
素が徐々に放出されることが挙げられる。
【0003】従来の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成
物には、二酸化炭素発生補助剤と組成物を混合し、用時
調製により使用するタイプのものもあるが、用時調製で
は二酸化炭素の発生に伴う吸熱反応により二酸化炭素経
皮・経粘膜吸収用組成物が冷たくなるため、電子レンジ
や湯煎などにより調製用の材料を体温付近の温度など適
当な暖かさに暖めておくか、又は調製後に該組成物を暖
める等の必要があり、簡便とは言い難いものであった。
【0004】更に、該組成物を用時調製する場合、その
操作は煩雑であり、持ち運んで使用するには適さない等
の欠点があった。
【0005】本発明は、携帯して簡便に使用できる外用
剤、また一定量の二酸化炭素を供給できる外用剤を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】項1.二酸化炭素経皮・
経粘膜吸収用組成物を気密性容器に充填してなる外用剤
であって、前記組成物が水、増粘剤及び気泡状二酸化炭
素を含有し、二酸化炭素を持続的に経皮・経粘膜吸収さ
せることができる外用剤。 項2.該気密性容器の開封使用時まで、該組成物の含有
二酸化炭素量が初期充填量の90%以上保持されること
を特徴とする請求項1に記載の外用剤。
【0007】かゆみを伴う皮膚粘膜疾患もしくは皮膚粘
膜障害としては、水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、
貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹、痒疹、主婦
湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織
炎、膿皮症、乾癬、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠
疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などが挙げられ
る。
【0008】皮膚粘膜損傷としては、褥創、創傷、熱
傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き裂、びらん、凍瘡、
壊疸などが挙げられる。
【0009】化膿性皮膚疾患としては、尋常性ざ瘡、膿
痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿
疹などが挙げられる。
【0010】角化異常症としては、乾癬、鶏眼、たこ、
魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などが挙げられる。
【0011】筋骨格系疾患としては、慢性関節リウマ
チ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などが挙げ
られる。
【0012】歯科疾患としては、歯肉炎、歯槽膿漏、義
歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などが挙げられる。
【0013】皮膚潰瘍や冷感、しびれ感を生じる末梢循
環障害としては、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化
症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤などが挙げられ
る。
【0014】神経系疾患としては、神経痛、多発性神経
炎、スモン病などが挙げられる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の外用剤は、正常である
か、何らかの疾患や損傷による異常があるかを問わず、
血管系を有する皮膚や粘膜組織、皮下組織などに適用さ
れる。皮膚としては、手掌や足底、頭皮を含む外皮全て
が含まれる。粘膜組織としては、鼻粘膜や口腔粘膜、歯
周組織粘膜、口唇粘膜、外性器粘膜、肛門周囲粘膜など
が含まれる。皮下組織としては、筋膜、皮下脂肪、真皮
などが含まれる。
【0016】二酸化炭素は、炭酸飲料や発泡性製剤のよ
うに短時間、例えば数秒から数分以内に消失するもので
はなく、本発明の組成物に気泡状態で保持され、持続的
に放出される。
【0017】本発明において、「二酸化炭素を持続的に
経皮・経粘膜吸収させることができる」とは、好ましい
具体例では、二酸化炭素を5分以上、好ましくは20分
以上、より好ましくは30分以上、さらに好ましくは1
時間以上、特に好ましくは1.5時間以上、最も好まし
くは2時間以上二酸化炭素を経皮・経粘膜吸収させるこ
とができることを意味する。
【0018】本発明において、「気泡状二酸化炭素」と
は、例えば炭酸塩と酸を反応させて二酸化炭素を発生さ
せた場合や、二酸化炭素ボンベから二酸化炭素を吹き込
んだ場合に、組成物中に気泡として含まれる二酸化炭素
を意味し、該気泡は二酸化炭素のみからなっていてもよ
く、二酸化炭素とともに空気などを含んでいてもよい。
「気泡状二酸化炭素」中の二酸化炭素の割合は30容量
%以上、好ましくは50容量%以上、さらに好ましくは
70容量%以上、特に好ましくは90容量%以上、最も
好ましくは100容量%である。
【0019】本発明において、「気密性」とは、該組成
物の調製及び密封後から、例えば3年後の開封及び使用
時までに、調製直後の該組成物の二酸化炭素含有量の9
0%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは99
%以上、特に好ましくは99.9%以上が保持されるこ
とを意味する。
【0020】本発明の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物は、密閉気密容器等に保存することにより、長期間
有効性を失うことなく使用が可能である。
【0021】本発明の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物は、損傷組織と粘膜に対してはpH5〜8で用いる
ことが好ましい。該組成物のpHが5以下では酸の刺激
により痛みを生じ、pH8以上ではアルカリによる蛋白
変性作用により組織が損傷されるおそれがある。損傷の
ない皮膚に対して本発明の組成物はpH3〜pH9で用
いることが好ましい。該組成物のpHが3未満では酸の
皮膚刺激により痛みやかぶれなどの副作用を起こすおそ
れがあり、pHが9超ではアルカリによる蛋白変性作用
により組織が損傷されるおそれがある。
【0022】本発明の組成物の製造は、常圧又は加圧の
二酸化炭素雰囲気下に行うのが、気泡状二酸化炭素中の
二酸化炭素の割合を高めるため好ましい。
【0023】本発明の組成物には、二酸化炭素の気泡を
効率よく組成物中に含ませるために界面活性剤を加える
ことができる。界面活性剤としては、以下のものが例示
される。 ・ノニオン界面活性剤:ジグリセロールジオレイン酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸グ
リセリン、モノステアリン酸グリセリン、プロピレング
リコールモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピ
レンブロックポリマー、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油エステルなど。 ・カチオン界面活性剤:ステアリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、セチルメチルアンモニウムクロライ
ド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、ミリスチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化
ベンザルコニウム、アシルグルタメート、DL-2-Pyrroli
done-5-Carboxylic Acid Salt of Ethyl N-Cocoyl-L-Ar
ginateなど。 ・アニオン界面活性剤:アシルN−メチルタウリン塩、
アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキル硫酸ナト
リウム、N−アシルアミノ酸塩、高級脂肪酸石鹸、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩など。 ・両性界面活性剤:アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−
アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリ
ニウムベタインなど。 ・非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテル、エチレンオキシド・プロピレンオキ
シドブロック共重合体など。 ・天然界面活性剤:レシチン、ラノリン、コレステロー
ル、サポニンなど。
【0024】界面活性剤の量は、水、増粘剤及び界面活
性剤の合計量あるいは組成物全量に対し、0.01〜1
0重量%、好ましくは0.05〜7重量%、より好まし
くは0.01〜5重量%、最も好ましくは0.1〜2重
量%である。
【0025】本発明の組成物の増粘剤としては、天然高
分子、半合成高分子、合成高分子、無機物からなる群の
中から選ばれる1種または2種以上を使用できる。増粘
剤の使用量は、本発明の組成物に0.1〜40重量%、
好ましくは1〜15重量%、より好ましくは3〜10重
量%含まれる。
【0026】本発明で増粘剤に用いる天然高分子の中の
植物系高分子としてはアラビアゴム、カラギーナン、ガ
ラクタン、寒天、クインスシード、グアガム、トラガン
トガム、ペクチン、マンナン、ローカストビーンガム、
小麦澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉など
があげられる。
【0027】本発明で増粘剤に用いる天然高分子の中の
微生物系高分子としてはカードラン、キサンタンガム、
サクシノグルカン、デキストラン、ヒアルロン酸、プル
ランなどがあげられる。
【0028】本発明で増粘剤に用いる天然高分子の中の
蛋白系高分子としてはアルブミン、カゼイン、コラーゲ
ン、ゼラチン、フィブロインなどがあげられる。
【0029】本発明で増粘剤に用いる半合成高分子の中
のセルロース系高分子としてはエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチ
ルエチルセルロース及びその塩類、カルボキシメチルス
ターチ及びその塩類、クロスカルメロース及びその塩
類、結晶セルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
粉末セルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシ
プロピルセルロースなどがあげられる。
【0030】本発明で増粘剤に用いる半合成高分子の中
の澱粉系高分子としてはアルファー化澱粉、部分アルフ
ァー化澱粉、カルボキシメチル澱粉、デキストリン、メ
チル澱粉などがあげられる。
【0031】本発明で増粘剤に用いる半合成高分子の中
のアルギン酸系高分子としてはアルギン酸ナトリウム、
アルギン酸プロピレングリコールエステルなどがあげら
れる。
【0032】本発明で増粘剤に用いる半合成高分子の中
のその他の多糖類系高分子としてはコンドロイチン硫酸
ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなどがあげられ
る。
【0033】本発明で増粘剤に用いる合成高分子として
は、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メ
タアクリル酸−アクリル酸エチルコポリマー、メタアク
リル酸−メタアクリル酸エチルコポリマー、メタアクリ
ル酸エチル・メタアクリル酸塩化トリメチルアンモニウ
ムエチルコポリマー、メタアクリル酸ジメチルアミノエ
チル・メタアクリル酸メチルコポリマーなどがあげられ
る。
【0034】本発明で増粘剤に用いる無機物としては含
水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、コロイダルアルミ
ナ、ベントナイト、ラポナイトなどがあげられる。
【0035】水は、本発明の組成物に60〜99.9重
量%程度、好ましくは75〜99重量%程度、より好ま
しくは85〜97重量%程度含まれる。
【0036】本発明の組成物に気泡状の二酸化炭素を含
有、保持させる方法としては、水と増粘剤を含む組成物
に炭酸ガスボンベなどを用いて二酸化炭素を直接吹き込
む方法がある。
【0037】また、反応により二酸化炭素を発生する物
質を水と増粘剤を含む組成物中で反応させて二酸化炭素
を発生させることにより本発明の組成物中に二酸化炭素
を含有、保持させることができる。
【0038】本発明に用いる炭酸塩としては、酸と反応
して二酸化炭素を発生するものであれば特に限定されな
いが、好ましくは炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ
炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、セ
スキ炭酸リチウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム、
セスキ炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグ
ネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸
水酸化マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、セスキ
炭酸塩、塩基性炭酸塩があげられこれらの1種または2
種以上が用いられる。
【0039】本発明に用いる酸としては、有機酸、無機
酸のいずれでもよく、これらの1種または2種以上が用
いられる。
【0040】有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸等の直鎖脂肪酸、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸等のジカルボン酸、グルタミン酸、アスパラギ
ン酸等の酸性アミノ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、α−オキ
シ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、サリチル酸、没
食子酸、トロパ酸、アスコルビン酸、グルコン酸等のオ
キシ酸などがあげられる。
【0041】無機酸としてはリン酸、リン酸二水素カリ
ウム、リン酸二水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜
硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリ
ウム、酸性へキサメタリン酸ナトリウム、酸性ヘキサメ
タリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピ
ロリン酸カリウム、スルファミン酸などがあげられる。
【0042】本発明の組成物は化粧料としては、美白、
肌質改善、そばかす改善、肌の若返り、肌の引き締め、
部分痩せ、除毛後の再発毛抑制、髪の艶改善効果などが
あり、クリーム、ジェル、ペースト、パック、マスクな
どの形状で使用できる。また、香料や色材が添加でき、
香料としては天然香料、合成香料、調合香料などがあげ
られる。
【0043】本発明の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物は製造に必要な全ての成分を一つの容器中で同時に
混合攪拌するだけでも製造できるが、増粘剤が粉体等の
固形物の場合は、延びがよく使いやすいものとするため
には、増粘剤をあらかじめ液体の保湿剤で分散させてお
き、それ以外の成分を溶解もしくは分散させた液に徐々
に加えてゆっくり混合攪拌することが好ましい。保湿剤
の量としては、増粘剤との混合液が入った容器を傾けた
ときに流れ出る程度の流動性を持つような量を選べばよ
いが、増粘剤の重量に対して60〜500重量%、好ま
しくは80〜400重量%、より好ましくは100〜3
00重量%、さらに好ましくは120〜250重量%、
最も好ましくは130〜200重量%である。保湿剤と
してはグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ジグリセリンなどがあげられる。
【0044】保湿剤の量としては、組成物全体量を基準
として0.1〜25重量%程度、好ましくは1〜20重
量%程度、より好ましくは3〜15重量%程度である。
本発明の組成物が特に水、増粘剤、保湿剤と二酸化炭素
からなる場合には、組成物全体の重量に対して水60〜
99.8重量%、増粘剤0.1〜20重量%、保湿剤
0.1〜20重量%が好ましい。
【0045】本発明の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物は、例えば真空乳化機などの密閉式攪拌混合機内で
容器内の空気を二酸化炭素に置換することにより、原料
を混合攪拌するだけで製造できるが、原料に界面活性剤
を加えることにより、多くの気泡状二酸化炭素を短時間
で含有保持させることができる。界面活性剤の該組成物
中の含有量としては、10重量%以下、好ましくは0.
01〜7重量%、より好ましくは0.1〜5重量%、最
も好ましくは0.5〜3重量%である。
【0046】本発明の二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物は、親油性物質を加えることにより美肌効果や創傷
治癒促進効果等の有効性を損なうことなく皮膚粘膜から
除去しやすい組成物にできる。親油性物質としては天然
油脂、半合成油脂、合成油脂のいずれも制限なく使え
る。親油性物質の該組成物中の含有量としては、0.0
1〜10重量%、より好ましくは0.3〜5重量%、最
も好ましくは0.5〜3重量%である。
【0047】本発明の組成物は気密性の密閉容器に入れ
て外用剤として使用される。容器は本発明組成物に含ま
れる気泡状二酸化炭素が減少もしくは消失しないように
完全密閉式が好ましく、該組成物中の含有二酸化炭素量
が、開封使用時まで90%以上保持される容器であれば
よい。
【0048】該容器の容量は、治療、予防又は美容目的
とする症状や、治療、予防又は美容等の用途に応じて適
宜選択できる。疾患の治療において、本発明の外用剤
が、一回の塗布につき少量の使用で充分である場合、例
えば口内炎治療用の外用剤であれば、特に限定されない
が、例えば2g容量の容器を用い得る。また、一回の塗
布につき比較的多量に使用すべき場合、例えば床擦れ治
療用の外用剤であれば、特に限定されないが、例えば10
0g容量の容器を用い得る。
【0049】該容器の材質は気体が透過しないものであ
ればよく、例えばナイロンとエチレンビニルアルコール
の複合物、ポリエチレンナフタレート、メタキシリレン
ジアミンとアジピン酸のポリアミド、ポリアクリロニト
リル、エチレンビニルアルコール、塩化ビニリデン、ポ
リプロピレン等が挙げられ、容器の形状等に応じて適宜
選んで使用できる。
【0050】該容器の形状は、チューブ状、袋状、パウ
チ状、シリンジ(注射器)状、アンプル状など、内部に
気体を密閉でき、内容物を容易に取り出せるものであれ
ばよく、ここに例示された以外でも、通常用いられる形
状であれば特に制限されないが、好ましくはチューブ状
である。
【0051】本発明の外用剤は、複数回の使用が可能な
タイプでも、1回分の投与量(ユニットドーズ)が充填
され1回の使用で使い切るタイプでもよい。
【0052】また、該容器の栓又はふたは、複数回の使
用のつど繰返し密封できるタイプでも、1度の使用につ
き1度の開封で廃棄するタイプでもよい。栓或いはふた
を有さない場合は、開封時に破る使い捨てタイプや開閉
自在のジッパーチャック付きのタイプ等でもよく、用途
に合わせて適宜選択し得る。
【0053】好ましくは、本発明の外用剤に用いる容器
は、最初の開封時にチューブの口部分を折るか又はねじ
って開封し1回の使用で使い切るタイプの容器、或い
は、チューブの口部分に調製後アルミ箔の密閉シールが
してあり初回の開封時に該シールを剥がして開封する、
密封用ゴムパッキング付きの容器がよい。
【0054】本発明の外用剤の容器の材質及び形状を工
夫すれば、組成物をその都度はかり取る手間が省けるの
で、1回分の使用量の医薬組成物を簡便に得ることがで
きる。
【0055】本発明の一実施態様として、チューブから
例えばcm単位で一定の組成物を繰り出すと一定量の二酸
化炭素を含有する一投与量の外用剤を供給できるよう、
容器の材質及び形状を工夫できる。
【0056】更に、本発明の一実施態様として、シリン
ジ状容器の側面につけた目盛りに沿って該組成物を繰り
出すと一定量の二酸化炭素を含有する一投与量の外用剤
を得られるよう、容器の材質及び形状を工夫できる。
【0057】二酸化炭素は高温下において体積が膨張し
拡散しやすくなることから、本発明における該組成物の
容器の密閉条件を満たすものとしては、耐熱性が高く、
長期保存中の温度変化等による二酸化炭素の拡散を防ぐ
ような材質又は構造をとるものが好ましい。
【0058】該条件を満たす耐熱性が高い材質として
は、特に限定されないが、例えばナイロンとエチレンビ
ニルアルコールの複合物、メタキシリレンジアミンとア
ジピン酸のポリアミド等、上に記載の材質が用いられ得
る。
【0059】該条件を満たす耐熱性が高い構造として
は、特に限定されないが、例えば金属シートのコーティ
ング外層とビニールシートの内層からなる二重構造等が
挙げられる。
【0060】また、本発明における該組成物の容器とし
ては、二酸化炭素の膨張に伴う該容器の膨張に耐え得る
強度を有する材質又は構造をとるものが望ましい。
【0061】該条件を満たす容器の厚みとしては、特に
限定されないが、例えば15〜25μmの範囲が好まし
い。
【0062】
【発明の効果】本発明の外用剤は、二酸化炭素経皮・経
粘膜吸収用組成物を気密性容器に充填したものであるの
で、医薬としての品質及び効果が従来よりも長期に渡っ
て保たれ、充分に実用に供することができる。
【0063】本発明の外用剤を使用すれば、該容器によ
り該組成物中の二酸化炭素含有率が保持されるため、美
容・医療の目的に係わらず所期の効果が得られる。
【0064】更に、本発明の外用剤を保存する該容器の
有するガスバリア性によって外部からの酸素、水分、雑
菌や腐食性ガス等の侵入を遮断するため酸化、水酸化及
び吸湿を防ぎ、安全性も保たれ、従来に比べて長期のあ
いだ品質が維持され得る。
【0065】本発明の二酸化炭素含有経皮・経粘膜吸収
用組成物の外用剤は、開放系で調製しても2ないし3日
間は二酸化炭素ガスの拡散が最小限に抑えられ、品質が
確保される。
【0066】本発明の外用剤の容器として、本発明にお
いて選択される特定の形状及び特定の樹脂を複合して得
られる材質を使用すれば、該組成物中の二酸化炭素の拡
散を防いで該組成物を充分に密閉し得、二酸化炭素の保
持率において優れた効果が得られる。
【0067】また、本発明の一実施態様により該組成物
を特定の材質を用いた容器に保存すれば、美肌効果や創
傷治癒促進効果等の有効性を損なうことなく、該組成物
の二酸化炭素含有量を90%以上保持することが可能で
あり、実用にも供することができる。
【0068】本発明の外用剤を使用すれば、該容器から
二酸化炭素含有経皮・経粘膜吸収用組成物を容易に取り
出すことができるため、使用時に時間と場所を選ばず簡
単に利用でき、該外用剤の携帯が可能になり、該外用剤
を使用する上での利便性が格段に向上する。
【0069】本発明の一実施態様として、上述のような
1回使い切りタイプの容器を用いれば、輸送、貯蔵及び
携帯に便利であることに加えて簡単に使用できる。ま
た、該組成物が含有する二酸化炭素の保持性を高めるこ
とができ、時と場所を選ばず誰でも新鮮な使用感を得る
ことができる。
【0070】また、本発明の一実施態様として、上述の
ような、初回の開封時にアルミ箔のシールを剥がして使
用する、密封用ゴムパッキング付きの容器を用いれば、
該組成物が含有する二酸化炭素の保持性を高めることが
でき、時と場所を選ばず誰でも新鮮な使用感を得ること
ができる。また、一度で使い切らない場合には、保存性
が高いため、数回に分けても新鮮な状態で使用すること
ができる。
【0071】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0072】実施例1 <二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物の組成例>本発
明の外用剤に用い得る二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組
成物の組成を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】実施例2 <本発明外用剤の含有二酸化炭素濃度定量法>本発明の
外用剤に用い得る二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物
に含有される二酸化炭素量の測定法を以下に示す。 1.ジェル33gとAC顆粒(酸の顆粒剤)1.5gを混合す
る。 2.直ちにジェルを1.0又は5.0g正確に量り、滅菌瓶(2
50mL)の底面にスパテルで塗布する。 3.N2置換した後、直ちに水酸化バリウム(8.19mM)を
250mL加え、2h以上スターリングバーにて攪拌し(一定
速度)、反応させる。 4.15min放置後、水酸化バリウムをN2置換した遠心管
に20mLを2本とり、遠心分離する(10,000rpm (11,500
g), 20min)。 5.2本の遠心管から、上清25mLをホールピペットにて
採取する。 6.スターリングバーにて攪拌しながら、シュウ酸(4.
14mM)で滴定を行う(指示薬;フェノールフタレイン
液)。
【0075】実施例3 調製直後の本発明外用剤と、一定期間保存後の同一外用
剤との二酸化炭素含有量を測定し、比較試験を行った。
実施例1に組成を記載の該外用剤につき、調製直後のも
のとこれを常温で6ヶ月保存したものとを実施例2の二
酸化炭素測定法に基づく二酸化炭素濃度測定に供した。
その結果、ジェル中に含有される二酸化炭素量の6ヶ月
保存前後での変動は無視できる程度であった。このこと
から、本発明の態様に従い二酸化炭素含有組成物を気密
性容器に充填すれば、該外用剤は医薬又は美容用組成物
として二酸化炭素による効果が失われず一定の品質が保
たれ、充分に使用できることが明らかとなった。
【0076】実施例4 <本発明外用剤の含有二酸化炭素測定結果例>本発明の
外用剤に用い得る二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物
内で生成し含有される二酸化炭素量の測定結果を以下に
示す。
【0077】
【表2】
【0078】また、表2の結果より得られるグラフを図
1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外用剤に用い得る二酸化炭素経皮・経
粘膜吸収用組成物(商品名:メディプローラー/メディ
プローラーW)内で生成し含有される二酸化炭素量の測
定結果を示す説明図である。実施例4において、実施例
1の組成物を気密性容器に充填した外用剤について、実
施例2の方法を用いてサンプル重量(Sample weight
(g))当たりの二酸化炭素量(Calculated CO2 (mL))を
測定した。該グラフから、本発明の外用剤において発生
し含有される二酸化炭素ガス量は一定であることが確認
された。すなわち、一定量のジェルとAC顆粒を混合すれ
ば一定量の二酸化炭素ガスがジェル中に取り込まれてお
り、一定の品質を保持することが明らかとなった。ま
た、該外用剤の量を測定すれば、生成する二酸化炭素量
が一義的に決定できることが確認できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 9/00 9/10 101 9/10 101 17/00 17/00 17/02 17/02 17/04 17/04 17/06 17/06 17/08 17/08 17/12 17/12 17/16 17/16 19/02 19/02 21/00 21/00 25/04 25/04 27/02 27/02 29/00 29/00 101 101 31/10 31/10 37/08 37/08 Fターム(参考) 4C083 AA112 AB032 AB131 AB312 AC112 AC122 AC172 AC302 AD222 AD272 AD302 CC02 DD41 EE12 EE13 EE14 4C086 AA01 AA02 HA06 HA21 MA01 MA04 MA63 NA14 ZA02 ZA08 ZA33 ZA36 ZA45 ZA67 ZA89 ZA90 ZA94 ZA96 ZB15 ZB37 ZB38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物を気
    密性容器に充填してなる外用剤であって、前記組成物が
    水、増粘剤及び気泡状二酸化炭素を含有し、二酸化炭素
    を持続的に経皮・経粘膜吸収させることができる外用
    剤。
  2. 【請求項2】該気密性容器の開封使用時まで、該組成物
    の含有二酸化炭素量が初期充填量の90%以上保持され
    ることを特徴とする請求項1に記載の外用剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004078185A1 (ja) * 2003-03-04 2004-09-16 Neochemir Inc. 二酸化炭素の経皮経粘膜吸収方法および美容方法、並びに治療方法
JP2014062087A (ja) * 2012-09-03 2014-04-10 Daizo:Kk 塗布用組成物および該塗布用組成物を用いた塗布製品
CN104415052A (zh) * 2013-09-03 2015-03-18 魏春红 一种皮肤外用组合物及其制备方法

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JP2014062087A (ja) * 2012-09-03 2014-04-10 Daizo:Kk 塗布用組成物および該塗布用組成物を用いた塗布製品
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