JP2002255718A - 燻煙臭が減少した木酢液およびその製造方法 - Google Patents

燻煙臭が減少した木酢液およびその製造方法

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JP2002255718A
JP2002255718A JP2001054488A JP2001054488A JP2002255718A JP 2002255718 A JP2002255718 A JP 2002255718A JP 2001054488 A JP2001054488 A JP 2001054488A JP 2001054488 A JP2001054488 A JP 2001054488A JP 2002255718 A JP2002255718 A JP 2002255718A
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wood vinegar
pyroligneous acid
smell
reduced
phenol
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JP2001054488A
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Hiroyuki Omi
裕之 巨海
Taichiro Fujimura
太一郎 藤村
Tetsuo Kawai
哲夫 川合
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Shiono Koryo Kaisha Ltd
Taiko Tec Co Ltd
Original Assignee
Shiono Koryo Kaisha Ltd
Taiko Tec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】木酢液を多孔性重合樹脂またはシリカゲルに接
触させて得られる、燻煙臭またはフェノール臭が減少し
た木酢液。および当該木酢液の製造方法。更には、当該
木酢液を含有する食品、香粧品または家庭用品。 【効果】本発明の木酢液は、一部の人に嫌悪されがち
な、従来の木酢液が有する燻煙臭またはフェノール臭が
大幅に減少している。この事によって、木酢液の利用が
更に広まり、例えば本発明の木酢液を含有する食品、香
粧品または家庭用品等は、一層その嗜好性が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燻煙臭またはフェ
ノール臭が減少した木酢液およびその製造方法、更には
該木酢液を含有する食品、香粧品または家庭用品に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】木酢液
は、樹木や樹皮等を乾留するさいに得られる水溶液部分
である。
【0003】この木酢液は、木炭製造の副産物として副
次的に抽出されるものであり、通常は廃棄されていたも
のであるが、近年、天然物指向から木酢液の利用が見直
されている。しかしながら、上記木酢液は、強い燻煙臭
やフェノール臭等の刺激臭を有するので使用される商品
が限定され、その価値を低下させることがある。そのた
め、この香気の低減あるいは除去が要望されている。木
酢液からのフェノール除去方法としては、酵素処理を行
う方法(特開平10−088145)があるが、まだ十
分とはいえない。
【0004】本発明は、燻煙臭やフェノール臭が減少し
た木酢液およびその製造方法、更には該木酢液を含有す
る食品、香粧品または家庭用品を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、木酢液を多孔
性重合樹脂またはシリカゲルに接触させて得られる、燻
煙臭またはフェノール臭が減少した木酢液である。ま
た、本発明は、木酢液を多孔性重合樹脂またはシリカゲ
ルに接触させることを特徴とする、燻煙臭またはフェノ
ール臭が減少した木酢液の製造方法である。更に、本発
明は、前記木酢液を含有する食品、香粧品または家庭用
品である。
【0006】 本発明に用いる木酢液には特に限定はな
く、竹酢液や籾殻酢酸液も含まれる。また、粗木酢液や
粗木酢液を蒸留精製した蒸留木酢液も使用され、なかで
も蒸留木酢液を使用するのが好ましい。
【0007】本発明に用いる吸着剤には、多孔性重合樹
脂またはシリカゲルが用いられる。多孔性重合樹脂とし
ては、例えばイオン交換樹脂や無官能基型合成吸着剤が
挙げられるが、それらの中でも無官能基型合成吸着剤が
好ましく、例えば商品名アンバーライトXAD−4やダ
イヤイオンHP−20、ダイヤイオンSP−800が好
ましいタイプとして挙げられる。シリカゲルとしては、
無修飾型シリカゲルやアルコール類、アミン類、シラン
類を化学結合させた修飾型シリカゲルが挙げられる。
【0008】これらの吸着剤と木酢液を接触させる方法
としては特に限定はなく、例えばカラムに吸着剤を充填
し木酢液を通液する方法(以下、カラム法ともいう)、
あるいはタンクに木酢液と吸着剤とを入れ攪拌して接触
させる方法(以下、タンク法ともいう)等がある。しか
しながら取り扱いの容易さからカラム法が好ましい。
【0009】前記吸着剤と木酢液を接触させる場合の温
度は、特に限定はないが10〜30℃が好ましい。
【0010】更にカラム法での木酢液の通液速度は、S
V=1〜200の範囲が好ましい。尚、SVとは、通液
量を吸着剤量と通液時間との積で割った値である。
【0011】木酢液との接触が終了した吸着剤は、タン
ク法においては濾過等で木酢液と分離された後、アルコ
ールや水で洗浄され、カラム法においても同様にアルコ
ールや水を通液することにより洗浄される。洗浄時のア
ルコール等の使用量は吸着剤量の3〜10倍程度であ
る。この洗浄は、燻煙臭またはフェノール臭の臭気成分
を除去して、吸着剤の再利用時の取り扱い性を確保する
ために行われる。
【0012】尚、燻煙臭は、木材を形成しているリグニ
ン、セルロースおよびヘミセルロース等の熱分解によっ
て起こることが知られている。リグニンからフェノール
類が、セルロースから酸やカルボニル化合物等が生成す
るとされている。また、フェノール臭は、薬品や消毒剤
様の香気を有する各種フェノール類からの香気である。
【0013】本発明の木酢液は、燻煙臭またはフェノー
ル臭等の嫌悪されがちな臭気が低減されているので、広
い範囲、たとえば、食品、香粧品、医薬品および家庭用
品などの用途に幅広く使用されることが可能となる。即
ち、菓子、健康飲料等の食品;皮膚化粧料、石鹸、シャ
ンプー、リンス、入浴剤等の香粧品;皮膚外用抗菌剤等
の医薬;ペットや生ゴミの臭い消し等の消臭・脱臭剤、
生鮮食料品の鮮度保持剤、台所または家具・家屋等の殺
菌洗浄剤等の家庭用品;更には土壌改良材等に広く使用
され、これら商品は一層その嗜好性が高まる。
【0014】 前記商品中の本発明の木酢液の含有量
は、特に制限されず、通常用いられている量と同程度で
ある。即ち、食品、例えば健康飲料では0.01から1
0重量%;香粧品、例えば皮膚化粧料では0.01から
10重量%、例えば入浴剤では0.1から100重量
%;家庭用品、例えば台所の殺菌洗浄剤では0.1から
100重量%が挙げられる。また、前記商品の木酢液以
外の成分は、水等従来使用されている成分が用いられ
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。
【0016】実施例1 多孔性重合樹脂タイプの充填剤(三菱化学(株)製、商
品名ダイヤイオンHP-20)50gを内径4cm、高
さ49cmのガラス製カラムに充填し、酢酸エチル25
0gに浸せき、95%アルコール250gで洗浄置換
後、さらに250gの蒸留水で洗浄した。次に、市販の
木酢液250mLを通液速度SV=10でカラムに通液
して、わずかに黄褐色を有する透明な木酢液230mL
を得た。得られた木酢液を3名でパネルしたところ、市
販の木酢液に較べて、ほとんど燻煙臭およびフェノール
臭臭の香気が消失し、酸臭と甘さのある香気を保持する
と全員が評価した。
【0017】実施例2 実施例1に較べて、充填剤量を1/5に、市販の木酢液
を2倍にして製造を行った。即ち、実施例1と同じ充填
剤10gを内径2.5cm、高さ39cmのガラスカラ
ムに充填し、酢酸エチル50gに浸せき、95%アルコ
ール50gに洗浄置換後、さらに50gの蒸留水で洗浄
した。次に、実施例1と同じ木酢液500mLを通液速
度SV=10でカラムに通液して、淡黄褐色を有する透
明な木酢液480mLを得た。得られた木酢液を3名で
パネルしたところ、市販の木酢液に較べて、燻煙臭およ
びフェノール臭の香気が低減し、一方、酸臭と甘さのあ
る香気を保持すると全員が評価した。
【0018】試験例1 実施例1,2でカラムを通過した本発明の木酢液と通過
する前の市販木酢液をエーテルとペンタンの混合溶剤で
抽出して、GCとGC−MSで香気成分を分析した。
尚、GCの条件は、カラム:DB−WAX 0.25m
m×60m.温度:50℃で5分間保持,3℃/分で2
40℃まで昇温および保持。GC−MSの条件は、GC
条件と同一で、イオン化電圧は70eVである。分析結
果を表1に示す。この表からカラムを通過した本発明の
木酢液中には、燻煙臭やフェノール臭の原因となったフ
ルフラール、5−メチルフルフラール、および2−メト
キシフェノール、フェノール、2−メトキシ−4−メチ
ルフェノール等のフェノール類成分が、実施例1で得た
木酢液は約1/100に、実施例2で得た木酢液は約1
/2〜1/3に減少していることがわかる。
【表1】
【0019】実施例3、比較例1 台所用の殺菌洗浄剤 市販の木酢液および実施例1で得られた木酢液を用い
て、表2に示す処方で台所用の殺菌洗浄剤を2種調製し
た。得られた実施例3および比較例1の 台所用の殺菌
洗浄剤を用いて、3名のパネルに各家庭で評価してもら
ったところ、全員が実施例1で得られた木酢液を用いた
本発明の殺菌洗浄剤(実施例3)の方が、比較例1に較
べて、燻煙臭およびフェノール臭の香気が気にならず、
優れていると評価した。
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明の木酢液は、一部の人に嫌悪され
がちな、従来の木酢液が有する燻煙臭またはフェノール
臭が大幅に減少している。この事によって、木酢液の利
用が更に広まり、例えば本発明の木酢液を含有する食
品、香粧品または家庭用品等は、一層その嗜好性が高ま
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/10 B01J 20/10 D 20/26 20/26 A // C11D 3/382 C11D 3/382 3/48 3/48 (72)発明者 藤村 太一郎 大阪府大阪市淀川区新高5丁目17番75号 塩野香料株式会社大阪工場内 (72)発明者 川合 哲夫 大阪府大阪市淀川区新高5丁目17番75号 塩野香料株式会社大阪工場内 Fターム(参考) 4B021 LW02 LW03 LW04 LW06 LW10 MC01 MC08 MK05 MQ04 4B035 LC02 LC05 LK07 LK19 LP59 4G066 AA22B AB06D AB07D AE10B BA22 CA02 CA52 DA10 4H003 AB18 DA02 DA10 DA17 EB46 FA34 4H011 AA02 AA03 BA03 BB06 BB22 DA12 DG03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木酢液を多孔性重合樹脂またはシリカゲ
    ルに接触させて得られる、燻煙臭またはフェノール臭が
    減少した木酢液。
  2. 【請求項2】 木酢液を多孔性重合樹脂またはシリカゲ
    ルに接触させることを特徴とする、燻煙臭またはフェノ
    ール臭が減少した木酢液の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の木酢液を含有する食品、
    香粧品または家庭用品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105384A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Keiji Tsuchiya 備長炭木酢液入り洗浄組成物
JP2007517526A (ja) * 2004-01-13 2007-07-05 マステルタステ 煙香から由来する低風味抗微生物薬
JP2013537044A (ja) * 2010-09-14 2013-09-30 リチャード・フィリップ・フレンド 無味の燻液を使用して肉を処理するためのプロセス

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