JP2002255535A - 改質ゾル−ゲル法シリカ粒子およびその製造方法 - Google Patents

改質ゾル−ゲル法シリカ粒子およびその製造方法

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JP2002255535A JP2001093097A JP2001093097A JP2002255535A JP 2002255535 A JP2002255535 A JP 2002255535A JP 2001093097 A JP2001093097 A JP 2001093097A JP 2001093097 A JP2001093097 A JP 2001093097A JP 2002255535 A JP2002255535 A JP 2002255535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝集性の抑えられた、流動性の高いゾル−ゲ
ル法シリカ粒子を提供する。 【解決手段】 拡散反射法で赤外分光スペクトルを測定
した際に、孤立シラノール基に基づくピーク面積(A
1)と水素結合したシラノール基に基づくピーク面積
(A2)の比(A1/A2)が0.03以上であること
を特徴とする改質ゾル−ゲル法シリカ粒子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な改質ゾル−ゲ
ル法シリカ粒子に関する。詳しくは、流動性が著しく改
善されたゾル−ゲル法シリカ粒子であり、特に、その球
状のものが液晶用スペーサーとして有用な改質ゾル−ゲ
ル法シリカ粒子を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ゾル−ゲル法シリカ粒子は、アルコール
を含有する水系溶媒中でアルキルシリケートを加水分解
触媒の存在下に加水分解し、生成したシリカ粒子を乾燥
することによって製造される。
【0003】上記方法によれば、球状で且つ単分散性の
ゾル−ゲル法シリカ粒子が得られ易く、かかるゾル−ゲ
ル法シリカ粒子は液晶用スペーサーとしての用途に好適
に使用される。上記用途において、ゾル−ゲル法シリカ
粒子は、粒径が1μm以上で、且つ粒径が揃った単分散
性の高い球状シリカ粒子が好ましいとされている。
【0004】このようなゾル−ゲル法シリカ粒子を製造
する方法として、例えば、特開平4−240112号公
報、特開平4−21515号公報、特開平8−3374
13号公報、特開平10−203820号公報などに、
その具体的な製造方法が提案されている。
【0005】上記した従来のゾル−ゲル法シリカ粒子の
製造方法は、一般に、シリカ粒子の製造条件を種々特定
した技術であり、生成したシリカ粒子を溶媒と分離し乾
燥させることにより、また場合によっては焼成させるこ
とによりゾル−ゲル法シリカ粒子が得られる。
【0006】ところが、上記ゾル−ゲル法によって得ら
れるシリカ粒子のうち、粒子径がサブミクロンから数μ
mの範囲のものは、その流動性において改良の余地があ
った。
【0007】即ち、上記ゾル−ゲル法シリカ粒子は、ス
ペーサー用途において、散布機に供給するホッパーで棚
吊りを起こしたり、散布ノズルより一定量を散布するこ
とが困難であったりする場合が多かった。また、球状粒
子に限らず、流動性の悪いゾル−ゲル法シリカ粒子は、
例えば、樹脂用充填材として使用する場合においても、
樹脂等への分散性が悪いという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、流動性に優れた改質ゾル−ゲル法シリカ粒子を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、公知
の方法によって得られたゾル−ゲル法シリカ粒子に特定
の処理を施すことによって、水素結合したシラノール基
及び孤立シラノール基に基づく赤外分光スペクトルを特
定の比率としたゾル−ゲル法シリカ粒子が、極めて高い
流動性を示すことを見い出し、本発明を完成させるに至
った。
【0010】即ち、本発明は、拡散反射法で測定される
赤外分光スペクトルについて、孤立シラノール基に基づ
くピーク面積(A1)と水素結合したシラノール基に基
づくピーク面積(A2)の比(A1/A2)が0.03
以上であることを特徴とする改質ゾル−ゲル法シリカ粒
子である。
【0011】尚、本発明において、拡散反射法による赤
外分光スペクトルの測定はKBr粉末とシリカ粒子を乳
鉢で混合したものをカップ状容器にすりきり1杯入れ、
赤外光を試料表面で拡散反射させた時の吸収スペクトル
を測定する方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリカ粒子に
ついて詳細に説明する。
【0013】本発明に用いるゾル−ゲル法シリカ粒子の
製造方法は、水系溶媒中でアルキルシリケートを加水分
解及び重縮合する方法が特に制限なく使用される。
【0014】上記アルキルシリケートは、一般式 Si
(OR)で表わすことができる。式中、Rは炭素数1
〜7のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜4のア
ルキル基である。このようなアルキルシリケートとして
は、メチルシリケート(テトラメトキシシラン)、エチ
ルシリケート(テトラエトキシシラン)、プロピルシリ
ケート(テトラプロポキシシラン)、ブチルシリケート
(テトラブトキシシラン)などが挙げられる。
【0015】また、水系溶媒としては、単分散性の高い
球状のゾル−ゲル法シリカ粒子を得るためには、アルコ
ール水溶液が好ましい。該アルコールとしては、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル等のモノアルコール類を単独あるいは2種以上を混合
して用いても良いし、更にエチレングリコール、グリセ
リン等の多価アルコール類を上記に添加しても良い。
【0016】更に、上記水系溶媒には、加水分解触媒と
して、アルカリを存在させることが好ましい。かかるア
ルカリとしては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウムおよび各種のアミン類などが用いられるが、
中でもアンモニアが好適に用いられる。
【0017】加水分解反応は、水系溶媒にアルキルシリ
ケートを添加して加水分解を行なうと共に、重縮合せし
めることによって行われ、ゲルを生成する。
【0018】この場合、ゲル体は、前記水系溶媒の種類
や反応条件などを調整することによって粒子状或いは、
塊状物として得ることができる。これらの条件は公知の
条件より適宜選択することができる。
【0019】そして、塊状物として得られたゾル−ゲル
法シリカは、これを粉砕することにより、ゾル−ゲル法
シリカ粒子とすることができる。
【0020】上記のようにして得られるゾル−ゲル法シ
リカ粒子のうち、本発明の方法が好適に適用されるもの
は、平均粒子径の下限が0.01μm、好ましくは、
0.1μm、特に、0.2μmであり、平均粒径の上限
が、100μm、好ましくは30μm、特に20μmで
ある。
【0021】また、スペーサーシリカの用途において
は、特に、単分散性を表す指標としては標準偏差値が3
0%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1
0%以下のシリカ粒子が好適である。
【0022】本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子の特
徴は、上記のゾル−ゲル法によるシリカ粒子において、
拡散反射法で測定される赤外分光スペクトルについて、
孤立シラノール基に基づくピーク面積(A1)と水素結
合したシラノール基に基づくピーク面積(A2)の比
(A1/A2)が0.03以上、好ましくは、0.05
以上、さらに好ましくは、0.05〜0.5、さらに好
ましくは0.1〜0.4に調整されたことにある。
【0023】ここでいう孤立シラノール基に基づくピー
クとは、波数3740cm−1〜3760cm−1にピ
ークトップを持つピークであり、水素結合したシラノー
ル基に基づくピークとは、波数3640cm−1〜36
80cm−1にピークトップを持つピークである。
【0024】拡散反射による赤外分光スペクトルは、例
えば以下の方法で測定する。
【0025】バックグラウンドは、乳鉢で粉砕したKB
r粉末をカップ状測定容器にすりきり1杯入れて装置に
セットし、赤外光を試料表面で拡散反射させた時の吸収
スペクトルを測定する。サンプルは、シリカ粒子を70
0℃で10時間乾燥させた後、シリカ粒子とKBr粉末
とを乳鉢でよく混合し、カップ状測定容器にすりきり1
杯入れ、バックグラウンドと同様に測定する。
【0026】また、A1、A2は下記の方法によって求
めた値である。即ち、代表的なスペクトルを示す図1に
従って説明すれば、孤立シラノール基に基づくピーク面
積(A1)は、波数3720cm−1(B1)と376
0cm−1(B2)の2点を結ぶ直線をベースラインと
した時のB1、B2間のピーク面積として求める。ま
た、水素結合したシラノール基に基づくピーク面積(A
2)は、波数3500cm−1(B3)と3790cm
−1(B4)の2点を結ぶ直線をベースラインとした時
のB3、B4間のピーク面積(A3)からA1を差し引
いた値(A3−A1)として求める。
【0027】上記A1で示されるピーク面積は、ゾル−
ゲル法シリカ粒子の表面に存在する孤立シラノール基の
相対量を示し、A2で示されるピーク面積は、該粒子の
表面に存在する水素結合したシラノール基の相対量をそ
れぞれ示す。
【0028】従来のゾル−ゲル法シリカ粒子は、上記A
1/A2の比が一般に低く、本発明の上記範囲を満足す
ることができない。そして、このように該比が低い従来
のゾル−ゲル法シリカ粒子は、流動性が悪い。
【0029】これに対して、本発明の改質ゾル−ゲル法
シリカ粒子は、かかる比が前記特定の値以上と、孤立シ
ラノール基の割合を増大せしめることにより、極めて優
れた流動性を示す。
【0030】本発明において、拡散反射法による赤外分
光スぺクトルを再現性良く取得するために、測定の前処
理として、700℃で10時間、空気中で加熱乾燥し
て、シリカ粒子に吸着している水分を除去する操作が行
われる。
【0031】なお、上記加熱乾燥は、ゾル−ゲル法シリ
カ粒子の赤外分光スぺクトルを測定するために行なうも
のである。したがって、かかる測定において本発明の範
囲を満足するゾル−ゲル法シリカ粒子は、加熱乾燥をす
る前のものでも、加熱乾燥後のものでも、良好な流動性
を示し、どちらについても本発明の改質ゾル−ゲル法シ
リカ粒子に含まれる。
【0032】本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子の製
造方法は特に限定されない。好適な製造方法としては、
ゾル−ゲル法シリカ粒子をガス中で、アンモニアの存在
下に、100℃以上の温度で加熱処理する方法が挙げら
れる。
【0033】従来は、アンモニア存在下に加熱処理を行
なうと刺激臭が発生し有害であることから、ゾル−ゲル
法シリカ粒子を乾燥する際も、純水による洗浄や、エバ
ポレーターによるアンモニアの除去を行なった後に加熱
する方法が一般的であった。
【0034】しかしながら、本発明者らは、ゾル−ゲル
法シリカ粒子をガス中で、アンモニアの存在下に、10
0℃以上の温度で加熱処理する方法によって、工業的に
有利に本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子が得られる
ことを見出した。
【0035】上記の加熱処理の温度が100℃未満では
時間がかかり過ぎる。また、該加熱処理温度の上限は、
アンモニアの分解温度未満であるが、経済性から、30
0℃、特に、200℃が適当である。
【0036】上記ガスとしては、経済性より空気が使用
される。また、該ガス中のアンモニアの濃度は特に制限
されないが、好ましくは10ppm以上、好ましくは1
00ppm以上である。一方、アンモニアは有害なため、
高濃度の場合は危険性も伴う。従って、10重量%以下
の範囲、好ましくは1重量%以下、更に1000ppm
以下の範囲が好ましい。
【0037】上記の加熱処理時間は、10分〜数日の範
囲、好ましくは1時間〜24時間の範囲が好適である。
【0038】上記のゾル−ゲル法シリカ粒子をアンモニ
アの雰囲気下で100〜200℃の温度で加熱処理する
好適な態様として下記の方法が挙げられる。 (1)乾燥状態のゾル−ゲル法シリカ粒子をアンモニア
ガスの雰囲気下で100〜200℃の温度で加熱処理す
る方法。 (2)アンモニアの存在下にゾル−ゲル法シリカ粒子を
製造後、該アンモニアが残存する条件で、該粒子のアル
コール洗浄を行った後、100〜200℃で、加熱処理
する方法。 (3)ゾル−ゲル法シリカ粒子を酸洗した後、アンモニ
ア水に浸漬し、続いてアルコールで洗浄後に100〜2
00℃で加熱処理する方法。
【0039】上記(1)〜(3)の方法は、それぞれ単
独で実施しても良いし、必要に応じて組み合わせて実施
することもできる。
【0040】なお、上記(2)および(3)の方法につ
いては、これらの方法で製造されたシリカ粒子は、シリ
カ粒子内部にアンモニアを含有しているため、加熱処理
時にシリカ内部からアンモニアガスが発生し、(1)と
同様にアンモニアガスの雰囲気下で加熱処理することに
なる。
【0041】最後の洗浄で使用するアルコールとして
は、沸点の低いアルコール、例えばメタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコール等を用いることができ
る。上記の中でも乾燥しやすいメタノールが特に好まし
い。上記シリカ粒子からアルコールを除去するには、ろ
過や遠心分離などの方法が利用できるが、風乾などでも
良い。
【0042】加熱処理には、市販の乾燥器等が使用でき
るが、乾燥させる際には容器に蓋をして容器内がアンモ
ニア雰囲気になるようにすることが好ましい。
【0043】本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子のう
ち、球状のものは液晶用のスペーサーとして好適に利用
することができる。即ち、アンモニアとアルコールの溶
媒中で、アルキルシリケートを加水分解することによっ
て製造された、単分散性の高いゾル−ゲル法シリカ粒子
を、アンモニアの雰囲気下で加熱処理することによって
得られる、本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子は、凝
集性が低く流動性が高い、実用的には極めて有用な液晶
用スペーサーとして提供できる。
【0044】ところで、本発明の改質ゾル−ゲル法シリ
カ粒子は、凝集性が低く流動性が高いという特徴があ
る。かかる性質の指標としては、後で詳述するように、
篩を用いて篩った際の篩上残量を流動性の指標とするこ
とができる。
【0045】本発明の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子は、
かかる篩上残量が40%以下、好ましくは30%以下、
更に好ましくは20%以下を達成することが可能であ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の改質ゾル
−ゲル法シリカ粒子は、極めて流動性が高く、特に、液
晶用スペーサーとして使用した場合には、凝集性が抑え
られ、流動性が高いために、散布面への供給が極めてス
ムースであり、有用である。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。 (赤外分光スペクトルの測定方法)拡散反射による赤外分
光スペクトルは、以下の方法で測定した。測定装置とし
て、Bio−Rad社製フーリエ変換赤外分光測定装置
を用いた。バックグラウンドは、乳鉢で粉砕したKBr
粉末をカップ状測定容器にすりきり1杯入れて装置にセ
ットし、赤外光を試料表面で拡散反射させた時の吸収ス
ペクトルを測定した。サンプルは、シリカ粒子を700
℃で10時間乾燥させた後、シリカ粒子20mgとKB
r粉末180mgとを乳鉢でよく混合し、カップ状測定
容器にすりきり1杯入れ、バックグラウンドと同様に測
定した。
【0048】尚、A1、A2は前記の方法によって求め
た。 (流動性の評価方法)粒子の流動性は、振動篩を用いて
評価した。即ち、粒子1gを目開き75μmの篩(ステ
ンレス製)に入れ、振動数60Hz、振幅1mmで1分
間、振動篩で篩った後の篩上残量(重量%)を測定する
ことによった。粒子の凝集性が弱く(分散性が良く)、
流動性が良い場合は篩上残量が少なく、粒子の凝集性が
強く、流動性が悪い場合は篩上残量が多い。
【0049】実施例1 (1)攪拌機付きのガラス製反応容器(内容積5L)
に、イソプロピルアルコールおよびアンモニア水(25
重量%)をそれぞれ400gおよび100g仕込み、よ
く混合して反応液を調製した。次に、反応液の温度を3
0℃に保ちつつ、エチルシリケート(関東化学(株)、品
名;テトラエトキシシラン、純度;3N)を5g加え、
30分間攪拌して核粒子を生成させた。次いで、エチル
シリケート(Si(OEt)、コルコート(株)、品
名;エチルシリケート28)を8.3g/minの速度
で、アンモニア水(25重量%)を2.7g/minの
速度で、それぞれ別々に反応液中に液中同時滴下した。
滴下開始から4時間後に滴下を終了し、エチルシリケー
トを合計で2,000g、アンモニア水を640g滴下
した。さらに1時間攪拌を続けた後、系内の溶液を取り
出し、5Lのビーカーに移して静置した。粒子が沈降し
た後に上澄み液を分離し、シリカケークを得た(シリカ
ケークAとする)。
【0050】(2)上記シリカケークAにメタノール2
Lを加えて攪拌した後、静置することによって粒子を沈
降させた。上澄み液を捨てた後、1%アンモニア水2L
を加えて1時間攪拌した。
【0051】さらに、1%アンモニア水による洗浄操作
を1回、メタノールによる洗浄操作を3回行なうことに
より溶媒をメタノールに置換し、生成したシリカケーク
を取り出した(シリカケークBとする)。上記シリカケ
ークBを良く解しながらガラスビーカーに入れ、ゆるく
蓋をかぶせて150℃の乾燥機に24時間入れて乾燥さ
せ、シリカ粒子を得た(乾燥シリカ粒子Bとする)。
【0052】(3)上記乾燥シリカ粒子Bを電子顕微鏡
で観察したところ、粒子径が約2.1μmの粒径の揃っ
た単分散性の高い球状シリカ粒子であることがわかっ
た。また、特に粉砕や解砕処理が必要な凝集粒はなく、
流動性を評価したところ、篩上残量は16重量%であっ
た。
【0053】上記乾燥シリカ粒子Bを700℃の電気炉
で10時間、空気中で加熱処理した後に赤外分光スペク
トルを測定した結果、孤立シラノール基のピーク面積
(A1)と水素結合したシラノール基のピーク面積(A
2)の比(A1/A2)は0.06であった。上記の加
熱処理後のシリカ粒子にも凝集粒はなく、篩上残量は1
8重量%であった。
【0054】実施例2 (1)実施例1と同様に(1)の操作を行ない、取り出
したシリカケークAのうち140gとメタノール400
g、イソプロピルアルコール400gを攪拌機付きのガ
ラス製反応容器(内容積5L)に入れて攪拌後、アンモ
ニア水(25重量%)160gを加え、40℃に保持し
た。
【0055】次いで、エチルシリケートを3.3g/m
inの速度で、アンモニア水(25重量%)を2.9g
/minの速度で、それぞれ別々に反応液中に液中同時
滴下した。滴下開始から4時間後に滴下を終了し、エチ
ルシリケートを800g、アンモニア水を700g滴下
した。さらに1時間攪拌を続けた後、系内の溶液を取り
出し、5Lのビーカーに移して静置した。粒子が沈降し
た後に上澄み液を分離し、シリカケークを得た(シリカ
ケークCとする)。
【0056】このシリカケークCを用いて上記と同じ操
作を繰り返し、シリカケークを得た(シリカケークDと
する)。
【0057】(2)その後、上記シリカケークDにメタ
ノール2Lを加えて攪拌し、静置することによって粒子
を沈降させ、上澄み液を分離した。次に、粒子を濾過
し、1%アンモニア水2Lを加えて10分間攪拌した。
(これをシリカスラリーDとする) さらに、1%アンモニア水による洗浄操作を1回、メタ
ノールによる洗浄操作を3回行なうことにより溶媒をメ
タノールに置換し、生成したシリカケークを取り出した
(シリカケークEとする)。上記シリカケークEを良く
解しながらガラスビーカーに入れ、ゆるく蓋をかぶせて
150℃の乾燥機に24時間入れて乾燥させ、シリカ粒
子を得た(乾燥シリカ粒子Eとする)。
【0058】(3)上記乾燥シリカ粒子Eを電子顕微鏡
で観察したところ、粒子径が約6.3μmの粒径の揃っ
た単分散性の高いシリカであることがわかった。また、
特に粉砕や解砕処理が必要な凝集粒はなく、流動性を評
価したところ、篩上残量は12重量%であった。
【0059】上記乾燥シリカ粒子Eを700℃の電気炉
で10時間、空気中で加熱処理した後に赤外分光スペク
トルを測定した結果、A1/A2は0.09であった。
加熱処理後も凝集粒はなく、篩上残量は15重量%であ
った。
【0060】比較例1 実施例2の(1)と同様にしてシリカケークDを得た。
このシリカケークDにメタノール2Lを加えて攪拌し、
静置することによって粒子を沈降させ、上澄み液を分離
した。次に、粒子を濾過し、純水2Lを加えて10分間
攪拌した。(この状態をシリカスラリーFとする)得ら
れたシリカスラリーFをエバポレーターにかけ、スラリ
ー中のアンモニアとメタノールを取り除いた。その後、
上澄み液を取り除いてシリカケークを取り出し、150
℃の乾燥機に24時間入れて乾燥させ、シリカ粒子を得
た(乾燥シリカ粒子Fとする)。
【0061】得られたシリカ粒子Fは、0.5mm程度
の凝集粒が認められ、流動性を評価したところ、篩上残
量は60%であった。
【0062】また、シリカ粒子Fを700℃の電気炉で
10時間、空気中で加熱処理した後に赤外分光スペクト
ルを測定した結果、孤立シラノール基のピークは観察さ
れず、A1/A2比はほとんどゼロであった。加熱処理
後の篩上残量は80重量%であった。
【0063】実施例3 (1)実施例2と同様にしてシリカケークEを得た。
【0064】続いて、上記シリカケークを純水中に分散
させ、遠心分離機を用いて固液分離を行なった。上澄み
を捨てた後、次にシリカ100gに対して純水2L、6
0重量%の硝酸約0.1Lを加えて12時間攪拌した。
その後、pHが6を超えるまで純水でデカンテーション
を繰り返した。
【0065】(2)続いて、上記シリカケークに1重量
%のアンモニア水を加えて、24時間攪拌した。メタノ
ールによるデカンテーションを二回繰り返すことによっ
て溶媒をメタノールに置換し、生成したシリカケークを
取り出した(シリカケークGと言う)。
【0066】(3)上記シリカケークGを良く解しなが
ら、ガラスビーカーに入れ、ゆるく蓋をかぶせて150
℃の乾燥機に24時間入れて乾燥させた(乾燥シリカ粒
子Gとする)。
【0067】得られた乾燥シリカ粒子Gは、特に粉砕や
解砕処理が必要な凝集粒はなく、流動性を評価したとこ
ろ、篩上残量は7%を示した。また、乾燥シリカ粒子G
を700℃の電気炉で10時間、空気中で加熱処理した
後に赤外分光スペクトルを測定した結果、A1/A2比
は0.16であった。加熱処理後も篩上残量は10重量
%であった。
【0068】比較例2 実施例3と同様に(1)の操作を行なった後、(2)の
過程でアンモニア水の代わりに純水を用いること以外は
実施例3と同様にしてシリカケークを得た(シリカケー
クHとする)。
【0069】得られたシリカケークHに対し、実施例3
の(3)と同様の操作を行なって乾燥シリカ粒子を得た
(乾燥シリカ粒子Hとする)。
【0070】得られた乾燥シリカ粒子Hは、0.5mm
程度の凝集粒が認められ、また流動性を評価したとこ
ろ、篩上残量は75重量%であった。
【0071】また、乾燥シリカ粒子Hを700℃の電気
炉で10時間、空気中で加熱処理した後に赤外分光スペ
クトルを測定した結果、孤立シラノール基のピークは観
察されず、A1/A2比はほぼゼロであった。加熱処理
後も篩上残量は68重量%であった。
【0072】実施例4 実施例3と同様に(1)の操作を行なった後、(2)の
過程でアンモニア水の代わりに純水を用いること以外は
実施例3と同様にしてシリカケークを得た(シリカケー
クHとする)。
【0073】得られたシリカケークHを、ガスパージ可
能な石英ガラス製の加熱管に入れ、アンモニアガスを導
入しながら、150℃で2時間加熱し、乾燥シリカ粒子
を得た(乾燥シリカ粒子Iとする)。
【0074】得られた乾燥シリカ粒子Iは、特に粉砕や
解砕処理が必要な凝集粒は認めらず、流動性を評価した
ところ、篩上残量は15%であった。また、乾燥シリカ
粒子Iを700℃の電気炉で10時間、空気中で加熱処
理した後に赤外分光スペクトルを測定した結果、A1/
A2比は0.12であった。加熱処理後も、篩上残量は
18重量%であった。
【0075】上記実施例1〜4と比較例1〜2より、ア
ンモニアの存在下で加熱処理することによってA1/A
2比が増大し、シリカ粒子の流動性が向上することが明
らかになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリカ粒子の拡散反射による赤外分光スペク
トル
フロントページの続き Fターム(参考) 4G072 AA25 AA28 BB05 CC13 DD03 DD04 GG01 GG03 HH14 HH30 JJ11 JJ23 LL06 MM21 MM28 PP17 RR05 SS02 TT01 UU07 UU30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散反射法で測定される赤外分光スペク
    トルについて、孤立シラノール基に基づくピーク面積
    (A1)と水素結合したシラノール基に基づくピーク面
    積(A2)の比(A1/A2)が0.03以上であるこ
    とを特徴とする改質ゾル−ゲル法シリカ粒子。
  2. 【請求項2】 球状である請求項1記載の改質ゾル−ゲ
    ル法シリカ粒子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の改質ゾル−ゲル法シリカ
    粒子よりなる液晶用スペーサー。
  4. 【請求項4】 ゾル−ゲル法シリカ粒子をガス中で、ア
    ンモニアの存在下に100℃以上の温度で加熱処理する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の改質ゾル−ゲ
    ル法シリカ粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゾル−ゲル法シリカ粒子が、アンモニア
    とアルコールとを含有する水系溶媒中でアルキルシリケ
    ートを加水分解及び重縮合して得られたものである請求
    項4記載の改質ゾル−ゲル法シリカ粒子の製造方法。
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