JP2002254144A - プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法 - Google Patents

プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法

Info

Publication number
JP2002254144A
JP2002254144A JP2001052696A JP2001052696A JP2002254144A JP 2002254144 A JP2002254144 A JP 2002254144A JP 2001052696 A JP2001052696 A JP 2001052696A JP 2001052696 A JP2001052696 A JP 2001052696A JP 2002254144 A JP2002254144 A JP 2002254144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten steel
plasma
heating
gas
torch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001052696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Fukunaga
新一 福永
Kazuhisa Tanaka
和久 田中
Ryoji Nishihara
良治 西原
Yasuo Shigenaga
泰男 繁永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001052696A priority Critical patent/JP2002254144A/ja
Publication of JP2002254144A publication Critical patent/JP2002254144A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱開始の初期から二価のイオンを有するガ
スを供給してプラズマアークの出力の増大を図り、プラ
ズマトーチと溶鋼面に形成されるプラズマアークの着火
不良やアーク切れ等を無くすことができるプラズマトー
チを用いた溶鋼の加熱方法を提供する。 【解決手段】 タンディッシュ12を覆う蓋14に加熱
室13を設け、加熱室13に一対のプラズマトーチ2
3、24の挿入口15、16を備え、挿入口15、16
の上方に配置された一対のプラズマトーチ23、24を
タンディッシュ12内に挿入して、プラズマアークを形
成して溶鋼11を加熱する溶鋼の加熱方法において、加
熱室13内にアルゴンガスと異なる二価のイオンを有す
るガスを供給して雰囲気中のガス濃度を高め、プラズマ
トーチ23、24からアルゴンガスを300ノルマルリ
ットル/分以上供給してプラズマアークを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対のプラズマト
ーチを用いて、低電圧で高い出力を可能にし、溶鋼の加
熱効率を高めることができるプラズマトーチを用いた溶
鋼の加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳片は、溶鋼をタンディッシュか
ら鋳型に注湯し、鋳型による冷却と、支持セグメントか
らの散水による冷却を行って、この溶鋼を完全に凝固さ
せてからピンチロールで引き抜く連続鋳造によって製造
される。この連続鋳造では、鋳造の中期以降において、
鋳造時間の経過と共に、取鍋からの放熱等によって溶鋼
の温度が0.1〜0.5℃/分程度低下し、タンディッ
シュに注湯した溶鋼の温度が目標温度よりも低くなる。
そして、鋳造途中で、溶鋼の温度低下によって、タンデ
ィッシュの底部に形成された浸漬ノズルに詰まりを生じ
て鋳造作業が中断したり、鋳型内の湯面が変動するた
め、スラグの巻き込みや皮張り等を生じ、生産性や鋳片
の品質が低下する等の問題が発生する。
【0003】この対策として、特開昭61−22945
1号公報に記載されているように、タンディッシュの内
部に溶鋼の流路を形成し、この流路を囲むように誘導加
熱装置を配置して、この誘導加熱装置に通電してジュー
ル熱によって溶鋼を加熱することにより、放熱に見合う
温度の低下を補償している。しかし、特開昭61−22
9451号公報に記載された溶鋼の加熱方法では、タン
ディッシュの内部に溶鋼の流路を形成するため、タンデ
ィッシュの構造が複雑になり、タンディッシュの内張り
耐火物の施工が難しく、施工コストが高くなる。しか
も、溶鋼の流路を囲むように、誘導加熱装置のコイルを
配置するため、流路を構成する耐火物に割れや溶損等が
生じた際に、コイルに地金の差し込みが発生したり、コ
イルに結露が生じて電気的な短絡事故等を招くため、誘
導加熱装置を安定して使用するには問題がある。この問
題を解決する方法として、特公平3−243254号公
報には、タンディッシュを覆う蓋の加熱室内に挿入する
1本のプラズマトーチにアルゴンガスを供給しながら通
電してプラズマアークを形成し、このプラズマアークが
安定した後、アルゴンガスに窒素(N)ガスを混合した
ガスをプラズマトーチに供給することで、プラズマアー
クの出力の増大を図る方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
3−243254号公報に記載された方法では、加熱を
開始する際に一度、アルゴンガスのみの雰囲気にするこ
とで、プラズマトーチと溶鋼面に形成されるプラズマア
ークの着火不良やアーク切れ(消火)を抑制するため、
高価なアルゴンガスの使用量が増加し、加熱コストが高
くなる。しかも、加熱の初期にプラズマアークの出力の
増大を図ることができず、溶鋼の昇熱を十分に行うこと
ができない。更に、雰囲気中のアルゴンガス濃度を高め
るため、外気の遮断を十分に行う必要があり、タンディ
ッシュのシール構造が複雑になる。また、プラズマアー
クが安定した後、アルゴンガスに窒素ガスを混合したガ
スをプラズマトーチに供給して加熱室の雰囲気を調整す
るので、プラズマアークが不安定になり易く、加熱作業
の作業性が悪化する等の問題がある。
【0005】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、加熱開始の初期から二価のイオンを有するガスを供
給してプラズマアークの出力の増大を図り、プラズマト
ーチと溶鋼面に形成されるプラズマアークの着火不良や
アーク切れ等を無くすことができるプラズマトーチを用
いた溶鋼の加熱方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明の
プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法は、タンディッ
シュを覆う蓋に加熱室を設け、該加熱室に一対のプラズ
マトーチの挿入口を備え、該挿入口の上方に配置された
該一対のプラズマトーチを、該挿入口を介して前記タン
ディッシュ内に挿入し、該一対のプラズマトーチの先端
と溶鋼の表面にプラズマアークを形成して前記溶鋼を加
熱する溶鋼の加熱方法において、前記加熱室内にアルゴ
ンガスと異なる二価のイオンを有するガスを供給して雰
囲気中のガス濃度を高め、前記プラズマトーチからアル
ゴンガスを300ノルマルリットル/分以上供給してプ
ラズマアークを形成する。この方法により、溶鋼の加熱
を開始する際、プラズマトーチと溶鋼の間にアルゴンガ
ス流を形成しているため、プラズマトーチと溶鋼の間に
形成されるプラズアークの着火不良やアーク切れが抑制
され、しかも、加熱開始の初期から加熱室内に二価の元
素を含有するガスを供給するため、プラズマアークの出
力の増大を図ることができる。更に、加熱室の雰囲気中
の酸素濃度を所定値以下に維持できれば良く、シール構
造が簡素化でき、加熱途中での雰囲気の調整を無くすこ
とができる。
【0007】ここで、前記二価のイオンを有するガス
は、窒素ガスを用いるとよい。これにより、タンディッ
シュと蓋とのシール構造を簡素化でき、外気が加熱室内
に侵入した際のプラズマアークに与える影響を小さくす
ることができる。
【0008】更に、前記加熱室の窒素ガス濃度を5〜6
0重量%にするのが好ましい。加熱室内の雰囲気中の窒
素ガス濃度を所定の範囲にしているので、プラズマトー
チからのプラズマアークの着火不良やアーク切れを抑制
し、プラズマアークの出力も増大させることができる。
ここで、雰囲気中の窒素ガス濃度が5重量%未満では、
プラズマアークの着火不良やアーク切れ等を少なくでき
るが、プラズマアークの出力の増大効果が小さくなり、
加熱効果が減少する。一方、雰囲気中の窒素ガス濃度が
60重量%を超えると、窒素ガス濃度が増加するのに比
べてプラズマアークの出力の増大が小さくなり、逆に、
プラズマアークの着火不良やアーク切れ等が発生する。
【0009】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図1は本発明の一実施の形態に係る
プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法に適用される加
熱装置の全体図、図2は雰囲気中N濃度とプラズマトー
チの出力指数の関係を表すグラフ、図3は雰囲気中N濃
度と着火不良発生指数の関係を表すグラフである。図1
に示すように、本発明の一実施の形態に係るプラズマト
ーチを用いた溶鋼の加熱方法に適用される加熱装置10
は、溶鋼11を貯湯するタンディッシュ12と、このタ
ンディッシュ12を覆う蓋14と、蓋14に設けた加熱
室13と、タンディッシュ12内の溶鋼11を加熱する
プラズマ装置17とを有している。更に、タンディッシ
ュ12には、蓋14に設けたノズル孔18を挿通して、
取鍋(図示しない)からタンディッシュ12内へ溶鋼1
1を供給するロングノズル19と、加熱室13で加熱さ
れた溶鋼11を図示しない鋳型に注湯するためのノズル
20とが設けられている。このロングノズル19と加熱
室13の間には、タンディッシュ12の両側側壁に接す
る耐火物からなる上堰21を設けている。この上堰21
の上端は、蓋14の内側に接しており、下部は、溶鋼1
1内に浸漬され、ロングノズル19側の溶鋼11の上方
に存在するスラグ22を遮断して、上堰21の下方を溶
鋼11が通過できるように上堰21が配置されている。
【0010】更に、プラズマ装置17は、図示しない電
極の周囲からプラズマガスを形成するアルゴンガスの吹
き出し孔を備えた一対のプラズマトーチの一例であるア
ノードトーチ23とカソードトーチ24を有し、アノー
ドトーチ23とカソードトーチ24は、加電装置25に
コード26、27によって電気的に導通している。この
アノードトーチ23及びカソードトーチ24と加電装置
25は、加熱室13に設けた挿入口15、16の上方に
配置された図示しない昇降装置に載置されており、挿入
口15、16を介してタンディッシュ12内への挿入と
退避を自在に行うことができる。
【0011】次に、本発明の一実施の形態に係るプラズ
マトーチを用いた溶鋼の加熱方法について説明する。ロ
ングノズル19からタンディッシュ12内に溶鋼11の
供給を開始する。この溶鋼11の供給と共に、少量のス
ラグ22がタンディッシュ12内に混入するが、殆どの
スラグ22は上堰21によって遮断され、加熱室13の
外、即ちロングノズル19側に集積する。そして、タン
ディッシュ12内の溶鋼11が30トンになった時点
で、ノズル20からの鋳型への注湯が連続して行われ、
タンディッシュ12の溶鋼11は、常に30トンを維持
するようにロングノズル19から供給される。この注湯
によって、取鍋からロングノズル19を介して供給され
る溶鋼11量が全体量(約200トン)の半分を過ぎる
と、取鍋やロングノズル19等の放熱により、タンディ
ッシュ12内に供給された溶鋼11の温度が目標温度よ
りも低下する。
【0012】従って、昇降装置を作動させ、アノードト
ーチ23とカソードトーチ24を下降させ、加熱室13
に設けた挿入口15、16から、タンディッシュ12内
に挿入し、溶鋼11の表面から100〜500mm上方
位置にアノードトーチ23とカソードトーチ24の先端
が来るように保持する。そして、アノードトーチ23と
カソードトーチ24の吹き出し孔から溶鋼11の表面に
向かうアルゴンガスの流れを形成し、加電装置25から
アノードトーチ23とカソードトーチ24に、1000
〜5000アンペアの電流を流してアルゴンガスをイオ
ン化し、溶鋼11の表面とアノードトーチ23間、溶鋼
11の表面とカソードトーチ24間にプラズマアークを
発生させる。同時に、加熱室13の雰囲気中のガス濃度
を高めるために、アルゴンガスと異なる二価のイオンを
有するガスの一例である窒素(N)ガスを加熱室13に
供給する。その際、加熱室13内に供給するアルゴンガ
スの吹き込み量と窒素(N)ガスの吹き込み量を調整
し、加熱室13内の雰囲気中のNガス濃度が5〜60重
量%になるようにする。
【0013】図2に示すように、加熱室13の雰囲気中
のNガス濃度を5〜60重量%にすることにより、プラ
ズマアークを形成する際の電気抵抗を増加させることが
でき、同一の電流値にも係わらずにアノードトーチ2
3、カソードトーチ24の出力を1.2〜1.5倍に高
めることができ、溶鋼11の加熱効果を向上させること
ができる。更に、加熱室13の雰囲気中にアルゴンガス
のみが存在する場合と同等の出力を保障する場合は、よ
り小さい電流を流すことができるので、溶鋼11の加熱
装置10のプラズマ装置17を小型化することも可能に
なる。しかし、雰囲気中のNガス濃度が高くなると、溶
鋼11の表面とアノードトーチ23、カソードトーチ2
4の先端(電極)の間の電気的な抵抗が増加する。図3
に示すように、電気的な抵抗が増加すると、アノードト
ーチ23、カソードトーチ24に供給するアルゴンガス
量が250ノルマルリットル(NL)/分以下の場合
(図中×)、着火不良発生指数が高くなり、プラズアー
クの吹き消え等のトラブルも発生する。この着火不良や
吹き消え等のトラブルは、アルゴンガス量を300NL
/分以上供給することによって解消することができる。
しかし、アルゴンガス量の上限は1000NL/分であ
り、この値を超えると、溶鋼11のスプラッシュが発生
してアノードトーチ23とカソードトーチ24の寿命が
低下する。即ち、プラズマアークが最も不安定である着
火開始時期にアノードトーチ23とカソードトーチ24
の先端(電極)と溶鋼11の表面の間をアルゴンガスで
覆い、しかも、先端(電極)からの通電によってアルゴ
ンガスのイオン化が良好になってプラズマアークの形成
が促進されるため、プラズマアークが不安定になること
なく、着火不良の指数を、加熱室13の雰囲気中にアル
ゴンガスのみが存在する場合の発生指数と略同一にする
ことができる。しかも、プラズマアークの吹き消えも防
止してプラズマアークを安定させることができる。そし
て、着火を開始してから、直ちにアノードトーチ23、
カソードトーチ24の出力を高めることができる。
【0014】このプラズマアークによって、プラズマア
ーク熱及び輻射熱により溶鋼11が加熱され、放熱によ
って低下したタンディッシュ12内の溶鋼11の温度が
目標温度以内に昇温される。また、溶鋼11の加熱作業
の途中で、加熱室13の雰囲気の調整を行う必要がない
ので、加熱作業中のプラズマアークが安定し、加熱作業
を容易に行うことができる。なお、二価のイオンを有す
るガスとしては、N、CO、He、Ne等のガス、又は
これ等の混合ガスを用いることができ、タンディッシュ
内に侵入する外気を考慮するとNガスを用いるのが好ま
しい。
【0015】加熱室13内へのNガスの供給方法とし
て、着火開始時期は加熱室13内に直接吹き込みを行
い、プラズマアークが安定した領域ではプラズマトーチ
23、24から供給するアルゴンガスにNガスを直接混
合しても良い。このように加熱された溶鋼11は、ノズ
ル20を経て、鋳型に注湯され、鋳型による冷却と、鋳
型の下流側に配置された支持セグメントからの散水によ
って凝固し、鋳片として後工程に搬送される。
【0016】次に、本発明に係るプラズマトーチを用い
た溶鋼の加熱方法の実施例について説明する。取鍋から
ロングノズルを介して溶鋼をタンディッシュ内に供給
し、取鍋の残量が150トンになった時点で、タンディ
ッシュ内の溶鋼温度が目標温度よりも5℃低くなったの
で、昇降装置を作動してアノードトーチとカソードトー
チを昇降装置を介して下降させて加熱室に設けた挿入口
から、タンディッシュ内に挿入し、溶鋼の表面から15
0mmの位置に保持した。同時に、アノードトーチとカ
ソードトーチの先端から350ノルマルリットル(N
L)/分のアルゴンガスを吹き出して、溶鋼表面に向か
うアルゴンガスの流れを形成し、加熱室内の雰囲気中の
Nガス濃度を5重量%、20重量%、50重量%、60
重量%にそれぞれ調整して加熱室の初期加熱を行い、着
火不良の有無、吹き消えの有無、アルゴンガスのみを用
いた場合を指数1とした場合のプラズマアークの出力を
調査した。
【0017】実施例1は、アノードトーチとカソードト
ーチの先端から350NL/分のアルゴンガスを供給
し、加熱室の雰囲気中のNガス濃度を5重量%にした場
合であり、着火不良や吹き消えが無く、プラズマアーク
の出力を1.2倍にすることができた。更に、アルゴン
ガス量を700NL/分にし、アノードトーチとカソー
ドトーチの先端を溶鋼の表面から450mmの位置に保
持して加熱室の雰囲気中のNガス濃度を5重量%にした
場合についても行ったが、同様に、着火不良や吹き消え
が無く良好であった。実施例2は、アノードトーチとカ
ソードトーチの先端から350NL/分のアルゴンガス
を供給し、加熱室の雰囲気中のNガス濃度を20重量%
にした場合であり、着火不良や吹き消えが無く、プラズ
マアークの出力を1.42倍にすることができた。実施
例3は、アノードトーチとカソードトーチの先端から3
50NL/分のアルゴンガスを供給し、加熱室の雰囲気
中のNガス濃度を50重量%にした場合であり、着火不
良発生指数(吹き消え)が1.1とやや低下したが加熱
作業への支障が小さく、プラズマアークの出力を1.5
倍にすることができた。実施例4は、アノードトーチと
カソードトーチの先端から350NL/分のアルゴンガ
スを供給し、加熱室の雰囲気中のNガス濃度を60重量
%にした場合であり、着火不良発生指数(吹き消え)が
1.1とやや低下したが加熱作業への支障が小さく、プ
ラズマアークの出力を1.5倍にすることができた。こ
れに対し、アノードトーチとカソードトーチの先端から
350NL/分のアルゴンガスを供給し、加熱室の雰囲
気をアルゴンガスにした場合では、着火不良発生指数
(吹き消え)が1.0と安定したもののプラズマアーク
の出力ガ1.0と低くなり、加熱効率を向上させること
ができなかった。
【0018】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨
を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、一対のプラズマトーチを用いた場合につい
て説明したが、一本の陽極プラズマトーチを配置し、溶
鋼側を陰極にした加熱装置にも、着火開始初期から二価
のイオンを有するガスを用いて、プラズマアークの出力
を高めることができる。更に、加熱室内に供給する二価
のイオンを有するガスは、NガスとCOガス等を混合し
て使用することができる。
【0019】
【発明の効果】請求項1〜3記載のプラズマトーチを用
いた溶鋼の加熱方法においては、タンディッシュを覆う
蓋に加熱室を設け、加熱室に一対のプラズマトーチの挿
入口を備え、挿入口の上方に配置された一対のプラズマ
トーチを、挿入口を介してタンディッシュ内に挿入し、
一対のプラズマトーチの先端と溶鋼表面にプラズマアー
クを形成して溶鋼を加熱する溶鋼の加熱方法において、
加熱室内にアルゴンガスと異なる二価のイオンを有する
ガスを供給して雰囲気中のガス濃度を高め、プラズマト
ーチからアルゴンガスを300ノルマルリットル/分以
上供給してプラズマアークを形成するので、加熱開始の
初期からプラズマアークの出力の増大を図ることがで
き、着火不良や吹き消え等を抑制し加熱途中での雰囲気
の切り替えを無くして加熱作業簡略化や加熱作業の安定
化を図ることができる。
【0020】請求項2記載のプラズマトーチを用いた溶
鋼の加熱方法においては、二価のイオンを有するガスと
して、窒素ガスを用いるので、タンディッシュと蓋との
シール構造の簡素化が可能になり、しかも、外気が加熱
室内に侵入した際のプラズマアークへの影響を小さくで
き、加熱室のシール等の保全を容易に行うことができ、
タンディッシュや蓋等の使用寿命を向上することができ
る。
【0021】請求項3記載のプラズマトーチを用いた溶
鋼の加熱方法においては、加熱室の窒素ガス濃度を5〜
60重量%にするので、プラズマアークの着火不良やア
ーク切れを抑制してプラズマアークの出力も増大させる
ことができ、しかも、溶鋼の加熱効率を向上することが
でき、電力コスト、プラズ装置の小型化等が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラズマトーチを
用いた溶鋼の加熱方法に適用される加熱装置の全体図で
ある。
【図2】雰囲気中N濃度とプラズマトーチの出力指数の
関係を表すグラフである。
【図3】雰囲気中N濃度と着火不良発生指数の関係を表
すグラフである。
【符号の説明】
10:加熱装置、11:溶鋼、12:タンディッシュ、
13:加熱室、14:蓋、15:挿入口、16:挿入
口、17:プラズマ装置、18:ノズル孔、19:ロン
グノズル、20:ノズル、21:上堰、22:スラグ、
23:アノードトーチ、24:カソードトーチ、25:
加電装置、26:コード、27:コード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西原 良治 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 繁永 泰男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 Fターム(参考) 4E014 AA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンディッシュを覆う蓋に加熱室を設
    け、該加熱室に一対のプラズマトーチの挿入口を備え、
    該挿入口の上方に配置された該一対のプラズマトーチ
    を、該挿入口を介して前記タンディッシュ内に挿入し、
    該一対のプラズマトーチの先端と溶鋼の表面にプラズマ
    アークを形成して前記溶鋼を加熱する溶鋼の加熱方法に
    おいて、前記加熱室内にアルゴンガスと異なる二価のイ
    オンを有するガスを供給して雰囲気中のガス濃度を高
    め、前記プラズマトーチからアルゴンガスを300ノル
    マルリットル/分以上供給してプラズマアークを形成す
    ることを特徴とするプラズマトーチを用いた溶鋼の加熱
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマトーチを用いた
    溶鋼の加熱方法において、前記二価のイオンを有するガ
    スは、窒素ガスであることを特徴とするプラズマトーチ
    を用いた溶鋼の加熱方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプラズマトーチを用いた
    溶鋼の加熱方法において、前記加熱室の窒素ガス濃度を
    5〜60重量%にすることを特徴とするプラズマトーチ
    を用いた溶鋼の加熱方法。
JP2001052696A 2001-02-27 2001-02-27 プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法 Withdrawn JP2002254144A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052696A JP2002254144A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052696A JP2002254144A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002254144A true JP2002254144A (ja) 2002-09-10

Family

ID=18913290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052696A Withdrawn JP2002254144A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002254144A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8440314B2 (en) 2009-08-25 2013-05-14 TDY Industries, LLC Coated cutting tools having a platinum group metal concentration gradient and related processes
JP2018098122A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 新日鐵住金株式会社 プラズマ加熱装置における黒鉛電極の異常放電抑制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8440314B2 (en) 2009-08-25 2013-05-14 TDY Industries, LLC Coated cutting tools having a platinum group metal concentration gradient and related processes
JP2018098122A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 新日鐵住金株式会社 プラズマ加熱装置における黒鉛電極の異常放電抑制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080096799A (ko) 용융물 온도의 영향을 미치는 경우 전극의 부식을 방지하기위한 방법 및 장치
JP7167646B2 (ja) 溶鋼への合金添加方法
KR20110049785A (ko) 플로트 유리의 제조 장치 및 제조 방법
JPH026073A (ja) プラズマトーチ
JP2950986B2 (ja) プラズマアーク式トーチのための渦流リング及び流れ制御方法
US5900168A (en) Plasma cutting method
JP2002254144A (ja) プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱方法
WO1989007499A1 (en) Superheating and microalloying of molten metal by contact with a plasma arc
JP4456284B2 (ja) プラズマトーチを用いた溶鋼の加熱装置
JP4653348B2 (ja) 溶鋼加熱用プラズマトーチ
JP2024014995A (ja) 鋼の連続鋳造方法
US3723630A (en) Method for the plasma-ac remelting of a consumable metal bar in a controlled atmosphere
JP2002283016A (ja) プラズマトーチを用いたタンディッシュ内溶鋼の加熱装置
JP2008105042A (ja) 溶鋼注湯用ノズルの予熱方法
JP2002143991A (ja) タンディッシュ内溶鋼の加熱方法
JP2002178111A (ja) 溶鋼の加熱用プラズマトーチ
JP3995597B2 (ja) 溶鋼加熱に用いるプラズマトーチ
JP5512941B2 (ja) シリコンの精製装置および精製方法
JPS5921253B2 (ja) 鋼塊の製造法
JP6834554B2 (ja) タンディッシュ内溶鋼の加熱方法
Kittaka et al. Twin-torch type tundish plasma heater “NS-plasma II” for continuous caster
JP2007024396A (ja) 誘導加熱溶解炉
JP2003518439A (ja) 新規な鋳造用出湯炉
JP2006029674A (ja) 精錬装置及び精錬方法
KR910003358Y1 (ko) 아아크식 전기로의 전극 냉각장치

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513