JP2002254118A - 液圧バルジ成形品およびその成形方法 - Google Patents
液圧バルジ成形品およびその成形方法Info
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Abstract
ント性に優れた金属板の液圧バルジ成形品およびその製
造方法の提供。 【解決手段】液圧バルジ成形された膨出面の相当ひずみ
が2〜10%である金属板の液圧バルジ成形品、および
ダイス穴20aとそのダイス穴の周縁部にビード溝20
gを備えたダイス押え面20bとを備えたダイス20
と、前記ビード溝に嵌合するビード山21gを有するブ
ランクホルダ押え面21bを備えたブランクホルダ21
とを用いて金属板3を液圧バルジ成形する方法であっ
て、ブランクホルダに金属板を載置し、ダイス押さえ面
とブランクホルダ押え面とで金属板を押圧狭持し、金属
板とブランクホルダ間に加工液を注入して注入した加工
液の圧力を増加させて金属薄板を前記ダイス穴内に膨出
せしめる液圧バルジ成形方法。
Description
金属板の液圧バルジ成形品およびその成形方法に関す
る。
トランクリッドなどに代表されるような金属薄板のプレ
ス成形品には、局所的な外力が加わった後に凹みが残り
にくい性質すなわち耐デント性が要求される。
開閉の際に取っ手付近に親指での押圧による凹み疵(以
下、デントという)が生ずると美観が損なわれる。ボン
ネットやトランクリッドでも閉じる際の手のひらでの押
圧によるデントが美観を損なう。手指による押圧ばかり
でなく、走行中に飛来した小石などがこれらドアパネル
やボンネットに衝突してデントを形成することもある。
りでなく、冷蔵庫のドアのような家電機器の部品でも問
題となる。デントの生じにくさ、すなわち耐デント性は
成形品の板厚と材料の降伏強度の影響を受けることが知
られており、板厚および降伏強度の減少とともに耐デン
ト性が低下する。
品の軽量化やコスト低減のために薄肉化する場合には、
耐デント性が低下しないように降伏強度を増加させる必
要がある。
の採取位置を示す図である。上記降伏強度とは、図5に
示すように金属板の成形品1の耐デント性が問題となる
部位から引張試験片2を切り出して引張試験により求め
た降伏強度である。
力σ(引張荷重/試験片の元断面積)の関係を示す。局
部的外力によってパネル部品が僅かに塑性変形するだけ
で美観上問題となるデントが発生することから、前記降
伏強度は図6における降伏点応力σyとするのが通例で
ある。σyが大きいほど耐デント性が向上することはい
うまでもない。上記の自動車パネル部品等の金属板の成
形品は、これまでプレス成形により製造されてきた。
方法を説明するための図である。図7(a)はダイス周
辺部の断面図で成形直前の状態、図7(b)は成形が完
了した状態をそれぞれ示し、図7(c)はダイスから取
り出した成形品の斜視図である。
ように素材金属薄板3(以下、ブランクという)をプレ
スベッド11に固定されたダイス4にセットし、上方か
ら図示しない駆動装置で降下せしめたプレスラム12に
取り付けられたブランクホルダ5でブランク周縁部3b
を所定の荷重でダイス押さえ面4aに押圧する。
え面4aおよびブランクホルダ面5aに対向して設けら
れた凹凸部8(以下、ビードという)でブランク周縁部
3bをクランプする。ついで、上方から図示しない別の
駆動装置で降下せしめた別のプレスラム13に取り付け
られたパンチ6をブランクホルダ5の内側空間を貫通さ
せて降下せしめる。パンチ6がダイス穴内の金属薄板3
を変形させるにつれてその金属薄板に作用する引張力が
増大し、ブランク周縁部3bがダイス穴4eに向かって
引き込まれ始める。
し、パンチ底面6aとダイス底面4bの間で成形面7a
が形成された状態を示す。この後、パンチ6ついでブラ
ンクホルダ5を上昇させて成形品7を取り出す。
縁部7b(以下、フランジという)にはビード8による
凹凸模様7dが残る。次工程以降でフランジ7bの切断
などを行い、図5に示したような金属板のプレス成形品
1とする。
て成形面7aを伸び変形させることが重要である。
は、伸び変形が極端に小さいと弾性回復によって所定の
製品曲率半径が得られないことである。この場合には、
成形面7aの張り剛性(弾性的なたわみにくさ)が小さ
く、局部的な荷重を加えた時にべこつくという不具合が
ある。
の降伏応力σyの増加が小さいと前述の耐デント性が問
題となることである。成形面7aの材料は周囲から引張
力が作用する二軸引張状態にあり、成形面7aの伸び変
形量を増加させるには、プレス成形中の成形面7aに作
用する引張力を大きくする必要がある。金属薄板材料の
強度、板厚および成形面7aの面積が大きいほど成形面
7aを伸ばすのに必要な引張り力が大きくなる。この引
張力はパンチ6によってフランジ7bがダイス穴4eに
引き込もうとする時の抵抗(以下、絞り抵抗という)に
よって生み出される。絞り抵抗は、ブランクホルダ5の
押さえ力(以下、しわ押さえ力という)およびフランジ
7bの面積が大きいほど大きくなる。しかし、しわ押さ
え力は使用するプレス機械の能力によって制約され、フ
ランジ7bの面積は材料歩留の点から最小にされるの
で、絞り抵抗をこれらの手段で確保することは難しい。
フランジ7bが通過する際の曲げ変形によって絞り抵抗
を付与する。ビード8は、図7(c)に示すように、ダ
イス穴輪郭の直辺部などフランジの絞り抵抗が小さい部
位に配置される。
り抵抗が成形面7aを伸び変形させる力として直接的に
伝わりにくいという問題がある。この要因は二つある。
チ肩6bと材料の間の摩擦で、この摩擦力が成形面7a
の伸び変形を抑制する。パンチ底面6aの面積が大きい
ほど摩擦の影響が大きいことはいうまでもない。
げである。成形面7aで材料が伸びるためにはパンチ肩
6bを通って材料が壁側にせり出す必要があり、パンチ
肩6bでの曲げと摩擦抵抗がその邪魔をする。パンチ肩
6bの曲げ半径が小さいほどその影響が大きい。
が抑制されるので、図7(c)に示す成形深さHを増加
させても、成形面7aの伸び変形を増加させることは難
しい。プレス成形法で成形面7aに付与できる二軸引張
伸びを一軸引張伸びに換算した値(以下、成形面相当ひ
ずみという)は高々2%程度であり、張り剛性を満足し
ても耐デント性の不足が問題となる。成形面相当ひずみ
をさらに増加させ、加工硬化で成形面7aの降伏応力σ
yを向上させることは上記プレス成形法では困難であ
る。そのため、プレス成形で得られる程度の大きさの成
形面相当ひずみで耐デント性に必要な降伏応力σyが得
られるように、素材金属薄板の強度特性を選定するとい
う考え方がとられてきた。すなわち、耐デント性が問題
となるプレス成形品の板厚を減少させる場合には耐デン
ト性が低下しないように高強度の金属薄板を選定する必
要があり、鋼板の分野ではいわゆる高張力鋼板が使用さ
れるようになってきたのである。
に高強度の金属薄板を使用する場合には二つの問題があ
る。
図7(b)において伸び変形が集中するパンチ肩6bと
ダイス肩4cの間で材料が破断し易くなることである。
形後の成形面7aの弾性回復が大きくなり、所定の曲面
形状が得られなくなることである。これらの問題から素
材金属薄板の強度が制約され、例えばドアパネル用の鋼
板の場合の降伏点は250MPa、引張強さは380M
Pa前後が上限とされている。したがって、耐デント性
の点から素材鋼板を薄くすることが制約され、自動車の
パネル部品用の鋼板では0.7mm程度が下限となって
いる。成形面相当ひずみを増加させ、加工硬化によって
降伏強度を向上させることができれば、張り剛性を満足
する範囲で素材鋼板の板厚をさらに薄くしても耐デント
性を確保することが可能となる。
面(プレス成形品における成形面に相当)における相当
ひずみが2%以上である耐デント性に優れたた金属板の
液圧バルジ成形品およびその製造方法を提供することに
ある。
うな状況に鑑み、成形面における相当ひずみを2%以上
と高めることを目標に実験、検討した結果、以下の知見
を得るに至った。
変形が抑制されるのは、成形の初期段階において素材金
属板がパンチ底の曲面およびパンチ肩部に巻き付き、パ
ンチと素材金属板間の摩擦抵抗およびパンチ肩部での曲
げ抵抗がパネル面の伸びを阻害している。したがって、
成形面の伸び変形を増加させて耐デント性を向上させる
ためには成形面の中央領域から伸び変形が開始する成形
方法を採用する必要がある。
形方法が最適である。
もので、その要旨は以下の通りである。
ひずみが2〜10%である金属板の液圧バルジ成形品。
したダイス穴とそのダイス穴の周縁部全周にビード溝を
有するダイス押え面とを備えたダイスと、前記ビード溝
に嵌合するビード山を有するブランクホルダ押え面を備
えたブランクホルダとを用いて金属板を液圧バルジ成形
する方法であって、ブランクホルダに金属板を載置し、
ダイス押さえ面とブランクホルダ押え面とで金属板を押
圧狭持し、ダイス穴に対向する部位の金属板とブランク
ホルダ間に加工液を注入し、その液圧により金属板を前
記ダイス穴内に膨出せしめ、ダイス穴の内郭形状と同一
形状に成形する金属板の液圧バルジ成形方法。
面とで金属板に加える押圧力を制御することによりダイ
ス穴への金属板の流入量を成形加工中に調整することに
より、膨出面の相当ひずみ量を調整する請求項2に記載
の液圧バルジ成形方法。ここで、相当ひずみとは、膨出
面における二軸引張り伸びを一軸引張り伸びに換算した
値をいう。
品の成形方法の実施態様の一例を説明するための図であ
る。図1(a)は、金属板をブランクホルダにセットし
た成形直前のダイス周辺の断面図、図1(b)は成形完
了状態を示すダイス周辺の断面図、図1(c)は液圧バ
ルジ成形品の斜視図である。
いう)を図示しないプレス機のベッド31に固定された
ブランクホルダ21の上面にセットし、ダイス20を取
り付けたプレス機のスライド30を図示しない駆動装置
で降下せしめ、図示しない加圧装置でブランク3をブラ
ンクホルダ21に所定の力(以下、ダイス押え力とい
う)で押しつけた状態を示す。
上下関係を逆にしても特に問題はないが、以下に述べる
成形終了後の加工液の排出の容易さを考慮すれば、図1
(a)に示す上下関係が好ましい。
同一内郭形状のダイス穴20aを有し、以後の成形工程
においてダイス穴内の空気を外部に逃がす空気抜き孔2
0dが穿たれている。空気抜き孔20dは成形品にその
圧痕が残らないように、例えば隅R部20fに設ける。
ブランクホルダ21には、ダイス穴20aに対面するブ
ランクホルダ上面に開口している加工液注入路21dお
よび加工液排出路21eが設けられている。これら注入
路および排出路は着脱自在の継ぎ手22を介して、それ
ぞれ外部配管23、24に連結されている。ダイス面2
0bにはダイス穴20aの周囲を取り囲むビード溝20
gが設けられており、またこれに対向してブランクホル
ダ面21bに設けられたビード山21gが設けられてい
る。これらビードによりブランク周縁部3bがクランプ
されている。
部の拡大断面図である。図2(a)は、成形前のクラン
プ状態を示す図、図2(b)は成形途中のビード部の金
属板の状態を示す図、図2(c)は、ビード山をブラン
クホルダ面ではなくダイス面に設けた場合を示す図であ
る。
とビード山21gの間隔g1は、後述する加工液をシー
ルするのに重要であり、ビード溝20gがビード山21
gに沿ってブランクが押しつけられるように設定する。
間隔g1はブランク3の板厚tと同一でよいが、ブラン
ク3をクランプする際にビード山21gに当接する部位
で板厚が減少する場合には、それを見込んで間隔g1を
板厚tよりも小さくしておくのがよい。なお、間隔g1
を小さくし過ぎると、ビード山21gより外側でブラン
ク周縁部3bを押さえられなくなるので、この後の成形
工程でブランク周縁部にしわが生ずる危険がある。
ンプした後、図示しないポンプにより、配管23から加
工液注入路21dを通して加工液を、ダイス穴20aと
対向する部位のブランク3とブランクホルダ21との間
に注入する。ブランク3とブランクホルダ21間には空
気が残っており、また加工液注入路21dから加工液と
ともに空気が入ってくることがあるので、この空気を加
工液とともに加工液排出路21eから配管24を通して
排出する。
空気によってスムースに行われなくなるのを防止するた
めである。この後、配管24の延長上にある図示しない
バルブを閉じ、加工液の圧力を増加させると、ダイス穴
20a内のブランク3は膨出し、点線で示すドーム状の
膨出部30aが形成される。ブランク周縁部3bがクラ
ンプされているので、膨出部30aは二軸引張状態で伸
ばされ、その伸び変形量はドーム中心部で最も大きい。
ドームの頂部がダイス面20bに接触した後は、接触域
の拡がりとともに伸び変形が大きい領域がその周縁部に
拡大していく。なお、接触部ではダイス内郭部20cと
の摩擦抵抗によって伸び変形が増加しにくくなるので、
ダイス内郭部20cは平滑に仕上げておくことが望まし
い。
郭部全体に接触し、成形が終了した状態を示す。この
後、加工液25の圧力を低下させ、配管24の延長上の
図示しないバルブを解放して加工液を排出し、ダイス2
0を上昇させ、図1(c)に示す成形品40を取り出
す。しかる後、ビード模様40cを有するフランジ40
bは必要部位を残して切り落とされ、図5に示すような
液圧バルジ成形品となる。本発明の成型品は、液圧バル
ジ成形加工によりブランクに膨出部を成形した製品であ
り、膨出部の形状は限定されなく、耐デント性が問題と
なる自動車の外板や家電製品および電気機器のパネル部
品等である。金属板は、主に鋼板であるがアルミニウム
やその合金等の金属板も含む。
終了時に最大となるように設定するのが通例である。
状態を示すクランプ部周辺の断面図である。例えば、図
3に示すように、ダイス内郭部で最も曲率半径が小さい
隅R部20fにブランクを押しつけるのに必要な加工液
25の圧力が最大となる。
(b)におけるフランジ40bとブランクホルダ周縁部
21bから加工液が漏れないようにシールすることが重
要であることはいうまでもない。上記成形法でのシール
は、主としてビード山21gとブランクの間に作用する
面圧で行う。もちろん、ダイス押え力によるブランクホ
ルダ面21bとフランジ40bの間でのシールもある程
度は可能であるが、大面積のフランジ全体をシールする
のはプレス機のスライド30の加圧能力から限界があ
る。また、成形中にフランジ40bがダイス穴20aに
向かって流入すると、フランジの周方向部位によって肉
厚変化が異なるためにフランジ面の加圧力が小さい部位
が生じ、シールができなくなる。これに対し、ビード山
21gでの面圧によるシールは、ダイス押え力が小さく
ても成形の全過程で有効に行うことができる。
図2(a)に示すように、ビード溝20gでのビード山
21gへの押しつけでシールが可能である。加工液の圧
力が増加して図2(b)に示すように膨出部40aに作
用する引張り力が増加すると、ビード山21gに巻き付
いているブランク3の板厚も若干減少し、ビード溝20
gによるビード山21gへの押しつけ力が消滅する。し
かし、成形途中の膨出部40aからの矢印ロで示す引張
力によってブランクがビード山21gに押しつけられる
ので、その面圧によってシールが行われる。加工液圧力
が増加するほどビード山21gでの面圧が増加して、シ
ール能力が向上するという機能もある。なお、ビード山
21gにブランクを押しつけるためには矢印ハで示すビ
ード山21gの外側からの引張力も必要で、成形終了時
点においてもビード山21gの外側にフランジが残るよ
うにしておく必要がある。
ダ面21bではなくダイス面20bに設けた場合には、
加工液圧力が大きくなるにつれてシールが難しくなる。
図2(c)はこの状況を示し、ビード山21gから内側
のブランクの板厚が減少すると、加工液のシールはビー
ド溝肩部21i、21jで行わざるを得ない。これらの
部位でのブランクの巻き付き角θ2、θ3は、図2
(b)でのビード山20gへの巻き付き角θ1よりも小
さく、かつ板厚減少によってさらに巻き付き角が減少す
るので加工液が漏れ易い。したがって、ビード山21g
はブランクホルダ面21bに設けることが推奨される。
よびビード溝断面形状が円弧状のいわゆる丸ビードが示
されているが、必ずしも丸ビードに限定されるものでは
ない。ダイス穴20a内のブランクの膨出に伴う引張り
力によってビード山21gあるいはビード溝肩部20
i、20jでブランクが破断しないように丸みを持た
せ、必要に応じてダイス押え力を低下させた時にフラン
ジがビード山21gとビード溝20gの間を通過できる
ような形状であればよい。
おいては製品膨出面となる膨出部40aの中央部から伸
び変形が開始され、それが周辺に拡大していくので、図
7で示したプレス成形法よりも大きな膨出面相当ひずみ
を与えることができる。膨出面相当ひずみを大きくする
には、膨出部40aの大部分の領域がダイス内郭部20
cに接触するまでの過程でダイス穴20aへのフランジ
40bの流入を防止すればよい。また、これ以上に膨出
面相当ひずみを大きくする必要がある場合には、図1
(c)に示す膨出深さHを増加させ、図1(a)におい
てダイス内郭部20cに接触するまでのドーム状膨出部
40aの高さを大きくとればよい。逆に、膨出深さHが
大きい条件で膨出面相当ひずみを適当な大きさに抑制す
る必要がある場合には、ダイス押さえ力を低下させるな
どの手段で成形の初期段階からフランジ流入を適宜許容
すればよい。膨出面相当ひずみを適当な大きさに抑制す
るのは、膨出面の板厚の影響を考慮する必要があること
による。
厚減少が張り剛性の低下をもたらすという問題がある。
第2に、膨出面相当ひずみが増加するにつれて降伏強度
σyの上昇代が小さくなる一方、板厚減少の影響で耐デ
ント性が向上しなくなると考えられる。
10MPa、引張強さ370MPaの薄鋼板を使用し、
図1における内郭部20cが平面寸法400mm角、底
面曲率半径2000mmのダイスを用いて、膨出面相当
ひずみを変化させた図1cに示す深さH=50mmの成
形品40を作製し、膨出部40aの中央に半径25mm
の半球状ゴム圧子を介して集中荷重を負荷し、深さ0.
02mmのデントを生ずる荷重(以下、デント荷重とい
う)を調査した。
相当歪みとの関係を示す図である。図4から明らかなよ
うに、膨出面相当ひずみの増加とともにデント荷重は増
加するが、膨出面相当ひずみ10%付近でデント荷重が
飽和し、これ以上の膨出面相当ひずみではデント荷重が
低下する傾向がある。したがって、膨出面の相当ひずみ
の上限を10%とした。一方、膨出面相当ひずみが2%
未満のものは従来のプレス成形法でも得られるので、下
限を2%とした。
軸引張り伸びへの換算は、一般に使用される下記の式を
用いることによりおこなうことができる。
MPa、引張強さ370MPaの薄鋼板を使用し、図7
(a)における底面6aが平面寸法400mm角、曲率
半径2000mmのパンチ6を用いて、図7(c)に示
す深さH=50mmの成形品7を作製した。この時の成
形面相当ひずみは1.5%であった。成形面7aの中央
に半径25mmの半球状ゴム圧子を介して集中荷重を負
荷したところ、深さ0.02mmのデントが生ずる荷重
デント荷重は14kgであった。一方、図1で説明した
本発明の方法によれば、図4に示すように、膨出面相当
ひずみを2〜10%に選択することにより、19kg〜
29kgのデント荷重が得られ、プレス成形法では達成
困難な高い耐デント性を有するパネル部品が得られた。
90MPa、引張強さ350MPaの薄鋼板を使用し、
実施例1と同一のダイスを用いてプレス成形法により、
図7(c)に示す深さH=50mmの成形品7を作製し
た。この時の成形面相当ひずみは1.8%であった。実
施例1と同様の試験方法でデント荷重を調査したところ
18kgであった。一方、前記薄鋼板とほぼ同一の強度
特性を有する板厚0.65mm、降伏点180MPa、
引張強さ350MPaの薄鋼板を使用し、図1で説明し
た本発明の方法により前記プレス成形法と同一寸法の図
1cに示した成形品40を作製した。成形面相当ひずみ
は5%であった。同様の試験方法でデント荷重を調査し
たところ20kgであった。すなわち、本発明の成形方
法により、同等以上の耐デント性を有する成形品を約1
4%薄厚の鋼板で製作できた。
液圧バルジ成形品の膨出面の伸び変形を従来のプレス成
形法よりも大きくすることが可能であり、加工硬化によ
ってパネル面の耐デント性を向上させることができる。
その結果、使用する金属板の板厚を減らすことが可能で
あり、成形品の重量およびコストの低減に大きな効果を
奏する。
するためのダイス周辺部の断面図である。
説明するための図である。
を説明するための図である。
図である。
るための図である。
を説明するための図である。
ための図である。
Claims (3)
- 【請求項1】液圧バルジ成形された膨出面の相当ひずみ
が2〜10%であることを特徴とする金属板の液圧バル
ジ成形品。 - 【請求項2】成形品の外郭形状と同じ内郭形状をしたダ
イス穴とそのダイス穴の周縁部全周にビード溝を有する
ダイス押え面とを備えたダイスと、前記ビード溝に嵌合
するビード山を有するブランクホルダ押え面を備えたブ
ランクホルダとを用いて金属板を液圧バルジ成形する方
法であって、ブランクホルダに金属板を載置し、ダイス
押さえ面とブランクホルダ押え面とで金属板を押圧狭持
し、ダイス穴に対向する部位の金属板とブランクホルダ
間に加工液を注入し、その液圧により金属板を前記ダイ
ス穴内に膨出せしめ、ダイス穴の内郭形状と同一形状に
成形することを特徴とする金属板の液圧バルジ成形方
法。 - 【請求項3】ダイス押え面とブランクホルダ押え面とで
金属板に加える押圧力を制御することによりダイス穴へ
の金属板の流入量を成形加工中に調整することにより、
膨出面の相当ひずみ量を調整すること特徴とする請求項
2に記載の液圧バルジ成形方法。
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JP2001053777A JP3775226B2 (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 液圧バルジ成形方法 |
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JP (1) | JP3775226B2 (ja) |
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