JP2002254112A - パイプ用曲げ加工装置 - Google Patents

パイプ用曲げ加工装置

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JP2002254112A
JP2002254112A JP2001137280A JP2001137280A JP2002254112A JP 2002254112 A JP2002254112 A JP 2002254112A JP 2001137280 A JP2001137280 A JP 2001137280A JP 2001137280 A JP2001137280 A JP 2001137280A JP 2002254112 A JP2002254112 A JP 2002254112A
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bending
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Tamio Yoshino
民雄 葭野
Yoji Tashiro
庸司 田代
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工時間が短くなるパイプ用曲げ加工装置を
提供する。 【解決手段】 素材パイプ31に第1および第2の栓手
段32,33を装着し、素材パイプ31内に液体を密封
する密栓機22を備える。前記密栓機とは別体に形成
し、密栓機によって水が充填された素材パイプ31を折
曲げる折曲装置(加圧機23・折曲機24)を備える。
前記両栓手段を素材パイプ31から取外す開栓機25を
備える。これらの機械に対して素材パイプ31の受け渡
しを行う第1および第2の多関節ロボット26,27を
備える。折曲げ工程で素材パイプ31内の水を一方の栓
手段側から加圧する加圧装置とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動二輪
車、雪上車、四輪バギー車等のエンジンとマフラーとの
間を接続する排気パイプを形成するパイプ用曲げ加工装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動二輪車用の排気パイプは、ス
テンレス鋼管を所定の形状に折曲げることによって形成
している。この種の排気パイプは、パイプ内を排ガスが
円滑に流れることができるとともに、途中で圧力波が不
必要に反射することがないように、内径が一定であるこ
とが望ましい。しかし、パイプを折曲げると、曲げ外側
の部分が内側へ偏在するようになって曲げ外側の曲率が
内側の曲率より小さくなるから、従来の排気パイプにお
いては、折曲部分で部分的に偏平となり、排気通路の断
面積が小さくなってしまうという不具合があった。
【0003】このような不具合は、例えば特開平10−
58051号公報に開示されているように、折曲部分の
内部に液体を密封した状態で折曲げ加工を行うことによ
って、ある程度は解消することができる。この公報に示
されたパイプ用曲げ加工装置は、パイプの折曲部分の基
端部と先端部の内部に栓部材を挿入して折曲部分内を密
封するとともに、基端部側の栓部材から密封空間内に液
体を供給して密封空間内に液体を充填した状態で、折曲
げ加工を行うものである。折曲げは、曲げ内側に位置す
るロールダイと、曲げ外側の締型とによってパイプを挟
持し、前記液体を所定の圧力に加圧した状態で、ロール
ダイにパイプを巻き付けることによって行っている。
【0004】前記基端部側の栓部材は、折曲げ時にパイ
プの基端部を保持するクランプ装置に一体的に形成して
いる。このため、この栓部材をパイプ内に挿入する作業
を行いながらパイプをクランプ装置に装着し、その後、
パイプ内に注水し、注水終了後に折曲げ加工を行う。前
記ロールダイは、軸線方向を上下方向として配設してお
り、外周面にパイプを嵌合させる溝を形成している。す
なわち、パイプを水平にした状態で前記クランプ装置に
装着し、ロールダイに側方から押し付けて折曲げを行
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように構成し
た従来のパイプ用曲げ加工装置においては、折曲げ加工
を行うためにパイプを装填してからパイプ内に水を注入
しており、注水工程と折曲工程とを一つの装置でこの順
に行わなければならない。このため、注水作業が終了す
るのを待機しなければならず、加工時間が長くなるとい
う問題があった。
【0006】また、パイプを水平に配置した状態で注水
しているから、注水終了時にパイプ内に空気が残存して
しまうことがあった。空気が残存した状態で曲げ加工を
行うと、水を密封しているにもかかわらず折曲部分が著
しく変形してしまう。このため、従来の曲げ加工装置に
よって形成した排気パイプは、折曲部分で排気抵抗が増
大し、特にエンジンの回転域が高回転域にあるときのエ
ンジンのガス交換性が低くなり、エンジン性能が低下す
るという問題が生じる。しかも、折曲部分で通路断面積
が最小になり、ここで排気の圧力波の一部が反射してし
まうから、排気脈動を有効に利用してエンジン性能を向
上させることができない。
【0007】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、加工時間が短くなるパイプ用曲げ
加工装置を提供することを第1の目的とし、空気抜きを
確実に行うことができるパイプ用曲げ加工装置を提供す
ることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るパイプ用曲げ加工装置は、パイプの両
端部に栓手段を装着し、パイプ内に液体を密封する密栓
機と、前記密栓機とは別体に形成し、密栓機によって液
体が充填されたパイプを折曲げる折曲装置と、前記栓手
段をパイプから取外す開栓機と、これらの機械に対して
パイプの受け渡しを行う多関節ロボットと、折曲げ工程
でパイプ内の液体を一方の栓手段側から加圧する加圧装
置とを備えたものである。
【0009】本発明によれば、密栓機での注水・密封作
業と、折曲装置での折曲げ作業とを同時に行うことがで
きるから、1本のパイプに対して上述した各作業を順次
行って製造する場合に較べて待機時間を低減することが
できる。
【0010】請求項2に記載した発明に係るパイプ用曲
げ加工装置は、請求項1に記載した発明に係るパイプ用
曲げ加工装置において、密栓機は、パイプを上下方向に
延びるように立てた状態で栓手段を装着し、下側の栓手
段からパイプ内に液体を注入するとともに上側の栓手段
で空気抜きを行う構造としたものである。この発明によ
れば、パイプ内の上端から空気抜きを行うことができる
から、水を密封した部分の内部に空気が存在しない状態
で折曲げ加工を行うことができ、曲げ加工中に、曲げ外
側の部分の内面を液体で押圧することができる。
【0011】請求項3に記載した発明に係るパイプ用曲
げ加工装置は、請求項1に記載した発明に係るパイプ用
曲げ加工装置において、密栓機は、液体を貯留する槽を
備え、この槽中に浸漬させたパイプに栓手段を装着する
構造としたものである。この発明によれば、空気が存在
しない状態でパイプに栓手段が取付けられてパイプ内に
液体が密封される。このため、水を密封した部分の内部
に空気が存在しない状態で折曲げ加工を行うことがで
き、曲げ加工中に、曲げ外側の部分の内面を液体で押圧
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明に係るパイプ用曲げ加工装置の一実施の形態を図1な
いし図13によって詳細に説明する。図1は本発明に係
るパイプ用曲げ加工装置によって形成した排気パイプを
装着した自動二輪車の側面図、図2は本発明に係るパイ
プ用曲げ加工装置によって形成した排気パイプを示す図
で、同図(a)は平面図、同図(b)は車体左側から見
た状態を示す側面図である。図3は曲げ加工装置の平面
図、図4は曲げ加工装置の水循環装置の構成を示す図、
図5はパイプに栓手段を取付けた状態を示す断面図、図
6は密栓機の構成を示す図、図7は加圧機の構成を示す
側面図で、同図においては、栓手段を把持するチャック
部分を破断した状態で描いてある。
【0013】図8は折曲機の平面図、図9は折曲機の背
面図である。図10は多関節ロボットの側面図、図11
は本発明に係る曲げ加工装置によって形成した排気パイ
プの性能と従来の曲げ加工装置によって形成した排気パ
イプの性能とを比較するためのグラフで、同図はエンジ
ン回転数に対する出力の変化を示している。図12は曲
げ加工装置の構成を示すブロック図、図13は折曲機と
密栓機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【0014】図1において、符号1で示すものは、本発
明に係る曲げ加工装置によって形成した排気パイプ2を
装着した自動二輪車である。この自動二輪車1は、4サ
イクル単気筒エンジン3を搭載している。符号4は車体
フレームを示し、5は前輪、6は後輪、7は操向ハンド
ル、8はシートを示す。
【0015】前記排気パイプ2は、図2に示すように、
3箇所を折曲げることによって所定の形状に形成してお
り、一端部(上流側端部)にエンジン接続用のフランジ
11を溶接している。この排気パイプ2に形成する3箇
所の折曲部分を符号12〜14で示す。この排気パイプ
2の下流側端部には、図1に示すように、後端にマフラ
ー15を設けた後部排気パイプ16を接続している。
【0016】排気パイプ2の前記折曲部分12〜14
は、図3中に符号21で示す曲げ加工装置によって折曲
げている。この曲げ加工装置21は、排気パイプ2内に
水を充填するとともに所定の圧力をもって加圧した状態
で排気パイプ2を折曲げる構造を採っており、後述する
栓手段を用いてパイプ内に水を密封するための密栓機2
2と、折曲工程でパイプの基端部を保持するとともにパ
イプ内の水を加圧する加圧機23と、パイプの先端部を
折曲げる折曲機24と、栓手段をパイプから取外して水
を排出するための開栓機25と、パイプや栓手段を搬送
するための第1および第2の多関節ロボット26,27
と、水循環装置28(図4参照)と、上述した各装置を
制御する制御装置29(図12参照)などを備えてい
る。本発明に係る折曲装置は、前記加圧機23と折曲機
24とによって構成している。
【0017】前記密栓機22は、図5に示すように、排
気パイプ2を形成するための直管からなる素材パイプ3
1の両端部に第1および第2の栓手段32,33を取付
けて素材パイプ31内を密閉するとともに、これらの栓
手段32,33を用いて素材パイプ31内に水を充填し
て密封する。前記第1および第2の栓手段32,33
は、図5に示すように、素材パイプ31の端部を嵌入さ
せる有底円筒体34と、この有底円筒体34に支持用ボ
ルト35によって取付けた円筒状のシール用ゴム36と
を備えている。
【0018】前記シール用ゴム36は、素材パイプ31
の内周部に嵌合できるように形成しており、有底円筒体
34の底部34aと、前記支持用ボルト35の内端部に
支持させたプレート37とによって挟持している。前記
支持用ボルト35は、外端部に螺着させたナット38を
締付けることによって、前記プレート37がシール用ゴ
ム36を前記底部34a側へ押圧するように形成してい
る。すなわち、前記ナット38を締付けることによっ
て、シール用ゴム36は、有底円筒体34の底部34a
と前記プレート37とで軸線方向に挟圧されて径方向へ
膨らみ、外周面が素材パイプ31の内周面に液密になる
ように全周にわたって密着する。
【0019】第1および第2の栓手段32,33を素材
パイプ31の両端部に取付けて各栓手段32,33のシ
ール用ゴム36を素材パイプ31に密着させることによ
って、素材パイプ31内が密閉される。図5において、
素材パイプ31の下端部に取付けた第1の栓手段32
は、前記支持用ボルト35の軸心部に素材パイプ31の
内外を連通するように貫通孔39を穿設するとともに、
支持用ボルト35の外端部にカプラ40を取付けてい
る。このカプラ40は、従来からよく知られているよう
に、内部通路に逆止弁40aを有し、相手側のカプラ
(例えば図6中に符号41で示す給水用カプラ)を取付
けることによって、給水用カプラ41内に設けられる不
図示の逆止弁の押しロッドによって逆止弁40aが押し
開かれ、この反作用によって給水用カプラ41側の逆止
弁も押し開かれて前記貫通孔39と相手側カプラ内の通
路とが連通し、相手側のカプラを取外すことによって、
カプラ40の逆止弁40aと相手側カプラ(給水用カプ
ラ41)の逆止弁が各々ばね力で閉じる。逆止弁40a
は脱状態において外部から素材パイプ31内への空気の
浸入を阻止するとともに、素材パイプ31内から外部に
水を洩らさないようにする。給水用カプラ41側の逆止
弁も外部から注水管109(図4参照)内への空気の浸
入を阻止するとともに、注水管109内の水を外部に洩
らさないようにする。
【0020】他方の第2の栓手段33は、前記支持用ボ
ルト35の軸心部を通って素材パイプ31外へ延びる排
出通路42を形成するとともに、この排出通路42を開
閉する開閉弁43を取付けている。この開閉弁43の排
出口には、前記カプラ40とは異なり逆止弁40a相当
が配置されない構造のカプラ44を取付けている。ま
た、支持用ボルト35と、これに設けた前記プレート3
7には、前記排出通路42の途中から横方向へ延びる空
気抜き用の連通孔45を穿設している。この連通孔45
は、図5に示すように、第2の栓手段33を素材パイプ
31に取付けた状態で素材パイプ31内の最も高い位置
に開口するように形成している。
【0021】これらの栓手段を素材パイプ31に取付け
る密栓機22は、図6に示すように、素材パイプ31を
上下方向に延びるように立てた状態で保持するパイプ用
クランプ装置51と、第1の栓手段32を着脱自在に保
持する第1のクランプ装置52と、この第1のクランプ
装置52を昇降させるアクチュエータ54a(図12参
照)と、第2の栓手段33を着脱自在に保持する第2の
クランプ装置53と、この第2のクランプ装置53を昇
降させるアクチュエータ54b(図12参照)と、第1
の栓手段32の前記ナット38を締付けるための第1の
ナット締付機55と、第2の栓手段33の前記ナット3
8を締付けるための第2のナット締付機56と、第1の
栓手段32のカプラ40に給水用カプラ41を着脱させ
るための第1のカプラ脱着機57と、第2の栓手段33
のカプラ44に排水・空気抜き用カプラ58を着脱させ
るための第2のカプラ脱着機59と、第2の栓手段33
の開閉弁43を駆動するアクチュエータ60(図12参
照)とを備えている。なお、排水・空気抜き用カプラ5
8はカプラ44と同様に逆止弁を有さない。排水・空気
抜き用カプラ58は第1の排水管112の最上位位置に
おいて密栓機22に固定されており、水が洩れることは
ないからである。
【0022】前記第1および第2のクランプ装置52,
53は、二つの爪61,61を第1・第2の栓手段3
2,33の係合溝62に係合させることによって、これ
らの栓手段32,33を把持するように形成している。
第1のクランプ装置52は、素材パイプ31の下方に配
設し、第2のクランプ装置53は、素材パイプ31の上
方に配設している。この実施の形態では、素材パイプ3
1をパイプ用クランプ装置51で所定高さ位置に保持し
た状態で、第1のクランプ装置52をアクチュエータ5
4aで上昇させることにより、第1のクランプ装置52
で保持した第1の栓手段32を素材パイプ31に下方か
ら嵌合させ、第2のクランプ装置53をアクチュエータ
54bで下降させることにより、第2のクランプ装置5
3で保持した第2の栓手段33を上方から嵌合させる。
この後、第1のナット締付け機55でナット38を締付
け、第1の栓手段32を素材パイプ31に水密に連結
し、第2のナット締付け機56でナット38を締付け、
第2の栓手段33を素材パイプ31に水密に連結する。
【0023】第1および第2のナット締付機55,56
は、それぞれナット38に嵌合するソケット63をナッ
ト38に対して進退できるように設けている。前記ソケ
ット63は、各々独立のモータ64に歯車結合させてあ
り、ナット38に嵌合させた状態で各々のモータ64に
よって回転させる。また、第1のナット締付機55は、
図5中に符号Lで示す設定締付寸法を検出するための締
付け量センサ55aと、ナット38の締付けトルクを検
出するためのトルクセンサ55bとを備えている。これ
らのセンサは制御装置29に接続している。この制御装
置29には、前記センサによって異常を検出したときに
警報機29a(図12参照)と表示装置29bとによっ
て警報を発する回路を採っている。前記警報機29aは
赤色回転灯によって構成し、表示装置29bはディスプ
レイモニタによって構成している。
【0024】すなわち、ナット38の締付け量を締付け
量センサ55aによって検出し、所定の回転速度で締付
け中にトルクセンサ55bによって検出した締付けトル
クが小さいにも拘わらず前記L値が所定値以上となる場
合には、締付けを停止し、警報機29aを作動させ、表
示装置29bに異常内容を表示させる。また、ナット3
8の締付けトルクをトルクセンサ55bによって検出
し、所定の回転速度で締付け中に前記L値が所定値に達
する以前に急激に所定締付けトルク以上となる場合、締
付けを停止し、警報機29aを作動させ、表示装置29
bに異常内容を表示させる。これにより、シール用ゴム
36の劣化やへたり、ねじ面の錆び等の不具合に対応で
きるようになる。
【0025】また、密栓機22には、図6に示すよう
に、第1および第2の栓手段32,33の識別符号(図
示せず)を読み取るための読み取り装置22aを備えて
いる。栓手段32,33は、複数のパイプ種別(例えば
4種)毎に少なくとも4セット用意されており、個々に
識別符号が付与されている。前記読み取り装置22a
は、前記識別符号のデータを制御装置29に送出する。
このデータが入力された制御装置29は、それぞれの栓
手段の使用回数をメモリ29c(図12参照)に記憶さ
せる。また、制御装置29は、栓手段毎の使用回数を表
示装置29bに表示させ、使用回数が限界使用回数を上
回ったときには、警報機29aを作動させてオペレータ
に交換を促すか、自動的に他の使用可能な栓手段に交換
する。なお、使用回数を記憶する手段としては、半導体
メモリの他に、機械式カウンターを用いてもよい。
【0026】前記加圧機23は、図7に示すように、素
材パイプ31の一端に取付けた第1の栓手段32を着脱
自在に保持するクランプ装置65と、このクランプ装置
65を素材パイプ31の長手方向に沿って移動させるク
ランプ装置用アクチュエータ66(図12参照)と、第
1の栓手段32のカプラ40に接続して素材パイプ31
内と後述する高圧ポンプの吐出系とを連通させるための
加圧用カプラ67と、この加圧用カプラ67を第1の栓
手段32のカプラ40に着脱させるためのカプラ脱着機
68(図12参照)と、高圧ポンプと加圧機23との間
の水供給系の空気抜きを行うための空気抜き装置69と
を備えている。
【0027】前記クランプ装置65は、先端部65aに
円周方向に複数の割り(図示せず)を形成し、図示して
いない拡幅具の作用により先端部65aが拡がるように
構成している。すなわち、このクランプ装置65は、前
記先端部65aを第1の栓手段32の円筒部32a内に
挿入した状態で上述したように拡げることによって、円
筒部32aを内側から強固に保持する。クランプ装置用
アクチュエータ66は、図3中に符号70で示すレール
に沿って前記クランプ装置65を素材パイプ31の長手
方向に前進後退移動させる移動動作と、クランプ装置6
5を素材パイプ31の周方向へ回動させる回動動作とを
行えるように構成している。
【0028】前記加圧用カプラ67は、上述した密栓機
22の給水用カプラ41と同等の構造のもので、図7に
示すように、支軸71によって加圧機23のフレーム7
2に支持させている。支軸71の内部に水通路(図示せ
ず)を形成し、支軸71の外端部に取付けた加圧管73
によって後述する高圧ポンプに接続している。
【0029】この実施の形態では、前記支軸71を前記
フレーム72に移動自在に支持させ、圧縮コイルばね7
4によってカプラ接続方向(図7においては右方向)へ
付勢されるようにしている。この構造を採ることによっ
て、加圧用カプラ67を第1の栓手段32のカプラ40
と接続できる位置に移動させることができるとともに、
カプラ接続時の衝撃を緩和させることができる。
【0030】カプラ脱着機68は、前記密栓機22に設
けたものと同等の構造のものを使用しており、クランプ
装置65と一体的に移動できるようにしている。前記空
気抜き装置69は、前記加圧用カプラ67に着脱する空
気抜き用カプラ75を加圧機23のフレーム72に支持
部材76と支持軸77とを介して支持させている。前記
支持軸77は、軸線が素材パイプ31の長手方向と平行
になる状態で前記クランプ装置65の真上に配設してい
る。前記支持部材76は、前記支持軸77を軸線回りに
回動自在に支持するとともに、支持軸77を軸線方向に
移動自在に支持している。図7は、支持軸77を軸線回
りに回動させて空気抜き用カプラ75をクランプ装置6
5の側方へ移動させた状態で描いてある。
【0031】前記折曲機24は、図8および図9に示す
ように、曲率の小さい(曲率半径の大きい)折曲げを行
うための第1のロールダイ81Aと、第1のロールダイ
81Aの下側に配置される曲率の大きい(曲率半径の小
さい)折曲げを行うための第2のロールダイ81Bと、
第1のロールダイ81Aの第1のパイプ保持部81Ab
に素材パイプ31を押付けクランプする第1のシリンダ
装置82Aと、第2のロールダイ81Bの第2のパイプ
保持部81Bbに素材パイプ31を押付けクランプする
第2のシリンダ装置82Bと、第1および第2のロール
ダイ81A,81Bと一体となって回転可能とされると
ともに、第1および第2のシリンダ装置82A,82B
が取付けられる支持台83と、支持台83を回転駆動す
る曲げ加工用アクチュエータ84と、加工用アクチュエ
ータ84の他端を回転可能に支持するとともに、一体化
された第1および第2のロールダイ81A,81Bおよ
び支持台83を回転可能に支持する基台85と、この基
台85を上下させる昇降アクチュエータ85aと、第1
および第2のロールダイ81A,81Bの回転角を検知
する回転角センサ86と、素材パイプ31を保持するた
めのパイプ保持装置24aを備えている。
【0032】前記第1および第2のロールダイ81A,
81Bの外周部には、それぞれ素材パイプ31が嵌合す
る断面半円状の溝81Aa,81Baをロールダイ81
A,81Bの周方向に延びるように形成している。この
実施の形態では、曲率が異なる折曲部分を複数のロール
ダイ81A,81Bによって成形することができるよう
に、第1および第2のロールダイ81A,81Bに溝8
1Aa,81Baを上下方向に離間させて二つ形成して
いる。
【0033】折曲機24の前記第1および第2のシリン
ダ装置82A,82Bは、前記二つの溝81Aa,81
Baに対応するように上下方向に離間させて設けてい
る。前記アクチュエータ84は、油圧シリンダ84aを
駆動源として支持台83の一端部を押圧する。折曲機2
4の前記パイプ保持装置24aは、前記基台85に固定
した第1のクランプ治具24bと、この第1のクランプ
治具24bと協働して素材パイプ31を挟持する第2の
クランプ治具24cと、この第2のクランプ治具24c
を駆動するための押圧シリンダ24dとによって構成し
ている。このパイプ保持装置24aにより素材パイプ3
1を曲げ加工中に保持することによって、パイプ真直部
に曲げ荷重が伝達されるのを阻止することができ、この
部分が不必要に曲がるのを阻止することができる。
【0034】前記開栓機25は、図3に示すように、折
曲加工後の素材パイプ31(排気パイプ2)に取付けら
れている第1および第2の栓手段32,33を保持する
第1および第2のクランプ装置87,88と、これらの
クランプ装置87,88が保持した第1・第2の栓手段
32,33のナット38を緩めるための第1および第2
のナット緩め機89,90とを備えている。
【0035】この開栓機25の第1・第2のクランプ装
置87,88とナット緩め機89,90は、密栓機22
で使用したクランプ装置52,53とナット締付機5
5,56と略同じ構造になるように形成しており、第1
のクランプ装置87・ナット緩め機89と、第2のクラ
ンプ装置88・ナット緩め機90とを水平方向(図3に
おいては左右方向)に並べて配設している。この実施の
形態では、第1および第2のクランプ装置87,88の
間に製品取出し用のシュート91を配設し、栓手段3
2,33を取外した素材パイプ31(排気パイプ2)を
取出すことができるようにしている。また、この開栓機
25の下部には、開栓後にパイプ内から流出する水を受
ける水受け部材25a(図4参照)を設けている。
【0036】前記第1および第2の多関節ロボット2
6,27は、図10に示すように、床92に固定した基
台93と、この基台93に支持させた二つのアーム9
4,95と、先端側のアーム95の先端部に取付けたパ
イプ把持用のクランプ96とを備えている。これらの多
関節ロボット26,27が素材パイプ31を搬送できる
範囲を図3中に二点鎖線で示す。
【0037】図3において左側に位置する第1の多関節
ロボット26は、図3中に符号97で示す素材パイプ用
ストッカから素材パイプ31を密栓機22に搬送する移
送動作と、密栓機22から素材パイプ31を加圧機23
および折曲機24に搬送する移送動作と、図3中に符号
98で示す栓手段用支持台から第1および第2の栓手段
32,33を密栓機22に搬送する移送動作と、図3中
に符号99で示す栓手段用移送装置の下流側端部から第
1および第2の栓手段32,33を前記栓手段用支持台
98に搬送する移送動作とを行う。前記栓手段用移送装
置99は、図3において右側の端部(上流側端部)に載
置した第1および第2の栓手段32,33を他端部へ移
動させる構造のものである。なお、第1の多関節ロボッ
ト26によることなく、素材パイプ用ストッカ97から
第1および第2の栓手段32,33の密栓動作領域ま
で、素材パイプ31を搬送する搬送装置を、密栓機22
に一体的に設けてもよい。
【0038】第2の多関節ロボット27は、加圧機23
および折曲機24から素材パイプ31を開栓機25に搬
送する移送動作と、開栓機25から素材パイプ31を製
品取出し用シュート91に搬送する移送動作と、開栓機
25から第1および第2の栓手段32,33を前記栓手
段用移送装置99の上流側端部に搬送する移送動作とを
行う。図3において、素材パイプ用ストッカ97と栓手
段用支持台98に隣接するように配置した符号100で
示すものは、不良品を排出するための不良品用シュート
である。
【0039】前記水循環装置28は、図4に示すよう
に、水を貯留するための第1および第2の水タンク10
1,102と、第1の水タンク101の水を第2の水タ
ンク102に送る循環ポンプ103と、前記密栓機22
に水を供給するための注水ポンプ104と、折曲工程で
前記加圧機23に水を供給するための高圧ポンプ105
などを備えている。前記第1の水タンク101と第2の
水タンク102は、連通管106によって互いに連通さ
せており、循環ポンプ103によって両タンク101,
102の水が循環するようにしている。循環ポンプ10
3と第2の水タンク102との間には、フィルター10
7を介装している。
【0040】前記第1の水タンク101は、市水導入管
101aから水を供給できるように構成している。この
止水導入管101aの下流側端部には、制御装置29に
よって制御される電磁弁からなる水供給元弁101bを
接続している。第1の水タンク101と第2の水タンク
102の水位を検出するために、第2の水タンク102
に水位センサ102aを設け、水の蒸発などにより水位
が低下し、水位センサ102aによって検出された水位
が予め定めた下限水位を下回ったときに、制御装置29
によって前記水供給元弁101bが開かれて水が補充さ
れる。水位センサ102aによって検出された水位が所
定の上限水位に達したときに水供給元弁101bが閉じ
られて水の補充が停止する。
【0041】また、前記第1の水タンク101には、図
4中に符号101cで示す沈殿タンクを接続している。
この沈殿タンク101cの上方に前記開栓機25の水受
け部材25aを配設し、開栓機25でパイプ内から排出
された水を水受け部材25aから沈殿槽101cに流下
させる。この構造を採ることによって、曲げ加工後に排
水を第1の水タンク101に導いて再利用することがで
きる。
【0042】前記注水ポンプ104および高圧ポンプ1
05は、それぞれ入泡検知センサ108を通して第2の
水タンク102の水を吸込むようにしている。この入泡
検知センサ108は、各ポンプ104,105に吸込ま
れる水に含まれる気泡を検出し、検出データを後述する
制御装置29に出力する。この入泡検知センサ108に
よって気泡が検出されたときには、給水異常として制御
装置29が両ポンプ104,105を停止させる。
【0043】前記注水ポンプ104の吐出側は、注水管
109によって前記給水用カプラ41に接続しており、
給水用カプラ41が第1の栓手段32のカプラ40に接
続している状態で素材パイプ31内に水を供給する。な
お、前記注水ポンプ104の上流側に設けた入泡検知セ
ンサ108は、図4中に二点鎖線で示すように前記注水
管109の途中に介装することもできる。素材パイプ3
1の上端部に位置する第2の栓手段33のカプラ44に
接続した排水・空気抜き用カプラ58は、出泡検知セン
サ110と流量センサ111とを介装した第1の排水管
112を接続している。この第1の排水管112の下流
側端部は、第1の水タンク101に水を戻すように形成
している。
【0044】前記出泡検知センサ110は、空気抜きが
完了したか否かを判定するために設けており、第1の排
水管112を流れる水に含まれる気泡を検出し、検出デ
ータを制御装置29に出力する。前記流量センサ111
は、第1の排水管112を流れる水の流量を検出し、検
出データを制御装置29に出力する。
【0045】前記高圧ポンプ105の吐出側は、加圧管
73によって前記加圧機23の加圧用カプラ67に接続
しており、この加圧用カプラ67が素材パイプ31側の
カプラ40や、このカプラと同構造の空気抜き装置の空
気抜き用カプラ75に接続している状態でこれらに水を
供給する。空気抜き用カプラ75は、図4および図7中
に符号113で示す第2の排水管に接続しており、この
第2の排水管113によって水や空気を第1の水タンク
101に排出するようにしている。第2の排水管113
にも出泡検知センサ110を介装し、制御装置29によ
って空気抜きが完了したか否かを判定できるようにして
いる。
【0046】高圧ポンプ105に接続した前記加圧管7
3には、三方弁114と圧力センサ115とを介装して
いる。三方弁114は、高圧ポンプ105が吐出した水
の供給先を前記加圧用カプラ67と第1の水タンク10
1の何れか一方に切換えることができるように接続して
ある。すなわち、この三方弁114は、高圧ポンプ10
5と加圧用カプラ67とが接続される第1の形態と、三
方弁114を介して高圧ポンプ105と第1の水タンク
101と加圧用カプラ67とが相互に接続される放圧の
ための第2の形態を採ることができる。なお、加圧用カ
プラ67は給水用カプラ41と同様、脱状態において外
部からの空気の浸入を阻止するとともに、加圧管73内
の水が洩れない逆止弁が設けられている。カプラ75も
カプラ40と同様の構造を採り逆止弁40aと同様の逆
止弁を有する。
【0047】前記圧力センサ115は、前記三方弁11
4より加圧用カプラ67側で加圧管73内の水圧を検出
し、検出データを制御装置29に出力する。この実施の
形態では、高圧ポンプ105として空気駆動式のプラン
ジャポンプを採用し、吐出圧調整装置116(図12参
照)が駆動用空気の圧力を変化させることによって、高
圧ポンプ105の吐出圧が増減するようにしている。前
記吐出圧調整装置116は、制御装置29から送出され
た指令値に対応させて駆動用空気の圧力を増減させる。
前記指令値は、前記圧力センサ115が検出した水圧
と、予め定めた目標水圧とが一致するように制御装置2
9が設定する。すなわち、高圧ポンプ105の吐出圧が
目標水圧に一致するように高圧ポンプ105がフィード
バック制御される。
【0048】前記目標水圧は、排気パイプ2の形状に対
応させて設定する。例えば、折曲部分の曲率に対応させ
て目標水圧を設定する。すなわち、曲率が相対的に大き
い(曲率半径が相対的に小さい)折曲部分は、曲率が相
対的に小さい折曲部分より水圧が高い状態で折曲げる。
折曲中には、折曲げ中の水圧が一定になるように制御し
たり、折曲部分の曲げ角度が大きくなるほど水圧が高く
なるように制御する。折曲部分の曲げ角度は、折曲機2
4に設けた曲げ回転角センサ86によって検出する。
【0049】また、前記高圧ポンプ105は、ポンプス
トロークセンサ105aを設け、作動状態が制御装置2
9によって常に検出される。例えば、曲げ加工中にパイ
プに亀裂が発生したり栓手段のシール性能が低下したと
きには、急激に圧力が低下し、前記フィードバック制御
により昇圧させるために高圧ポンプ105のポンプスト
ローク回数が増加するが、この現象をポンプストローク
センサ105aによって検出することができる。この実
施の形態では、ポンプストローク回数が低減していない
にも拘わらず圧力が低下した場合や、ポンプストローク
回数が所定数を越えているにも拘わらず所定圧力を越え
ない場合には、制御装置29が高圧ポンプの作動を停止
させ、警報機29aを作動させるとともに、表示装置2
9bに異常内容を表示させる。
【0050】次に、この実施の形態による曲げ加工装置
21の動作を説明する。図示していない操作盤のスター
トスイッチをON操作すると、先ず、第1の多関節ロボ
ット26が素材パイプ用ストッカ97の素材パイプ31
を把持し、上下方向に延びるように立てた状態で密栓機
22に装填する。密栓機22に素材パイプ31が装填さ
れると、先ず、パイプ用クランプ装置51が素材パイプ
31を保持し、第1および第2のクランプ装置52,5
3およびアクチュエータ54a,54bにより第1およ
び第2の栓手段32,33を素材パイプ31に嵌合させ
る。なお、これらの栓手段32,33は、密栓機22に
よる前回の注水工程が終了した後に第1の多関節ロボッ
ト26によって栓手段用支持台98から搬送されたもの
である。
【0051】両栓手段を素材パイプ31に嵌合させた
後、第1および第2のナット締付機55,56によって
両栓手段のナット38を締付ける。このとき、第1のナ
ット締付機55は、ソケット63を上昇させた後に回転
させ、第2のナット締付機56は、ソケット63を下降
させた後に回転させる。ナット38の締付けが終了した
後、ソケット63を初期位置に復帰させる。
【0052】その後、第1および第2のカプラ脱着機5
7,59が作動を開始し、第1の栓手段32のカプラ4
0に給水用カプラ41を接続するとともに、第2の栓手
段33のカプラ44に排水・空気抜き用カプラ58を接
続する。そして、開閉弁43用アクチュエータ60が第
2の栓手段33の開閉弁43を開いた後、注水ポンプ1
04が作動を開始し、素材パイプ31内に第1の栓手段
32を通して下方から水が供給される。
【0053】素材パイプ31内が水で満たされると、水
は第2の栓手段33の排水通路42から開閉弁43を通
って第1の排水管112に排出されるようになり、この
第1の排水管112に介装した流量センサ111に検出
される。これとともに、水に含まれる気泡が出泡検知セ
ンサ110によって検出される。第1の排水管112を
流れる水から気泡が検出されなくなるまで上述した状態
が維持され、出泡検知センサ110からの検知信号によ
り気泡が検出されなくなった後、あるいは流量センサ1
11からの流量信号を積分して得られる総流量が素材パ
イプ31を水で充填するに充分な量以上であると確認さ
れた後に注水ポンプ104が停止するとともに、開閉弁
用アクチュエータ60が開閉弁43を閉じる。また、第
1のカプラ脱着機57が給水用カプラ41を第1の栓手
段32のカプラ40から取外すとともに、第2のカプラ
脱着機59が排水・空気抜き用カプラ58をカプラ44
から取外す。この実施の形態で示すように素材パイプ3
1を立てて下方から水を注入するとともに上方から空気
を流出させることによって、空気抜きを確実に行うこと
ができる。
【0054】このように注水工程が終了した後であっ
て、加圧機23および折曲機24で先に折曲げ加工され
ていた素材パイプ31が搬出された後、第1の多関節ロ
ボット26が密栓機22から素材パイプ31を加圧機2
3および折曲機24に搬送する。この搬送時には、先
ず、第1の多関節ロボット26が密栓機22の素材パイ
プ31を把持し、密栓機22のパイプ用クランプ装置5
1が素材パイプ31を開放するとともに栓手段用クラン
プ装置52,53が第1および第2の栓手段32,33
を開放する。次に、第1の多関節ロボット26が素材パ
イプ31を密栓機22から取出し、加圧機23および折
曲機24に装填する。
【0055】このとき、素材パイプ31は、両端部が第
1および第2の栓手段32,33によって閉塞されて水
が密封された状態で、基端部(第1の栓手段32側の端
部)が加圧機23のクランプ装置65に保持されるとと
もに、先端部(第2の栓手段33側の端部)が折曲機2
4の第1のクランプ装置82に保持される。加圧機23
のクランプ装置65に素材パイプ31を保持させるとき
には、第1の栓手段32のカプラ40を加圧機23の加
圧用カプラ67に接続する。
【0056】加圧機23は、上述したように素材パイプ
31を装填する以前に、少なくとも1回は高圧ポンプ1
05と加圧用カプラ67との間の水通路の空気抜きを行
っておくか、折曲げ生産性向上のため素材パイプ31の
折曲げ本数が数十本、数百回あるいは1ロット本数毎に
空気抜きが実施される。この空気抜きは、空気抜き装置
69のカプラ75を加圧用カプラ67に接続し、高圧ポ
ンプ105によって水を循環させて行い、第2の排水管
113に設けた出泡検知センサ110によって水中の気
泡が検出されなくなったときに終了する。空気抜き工程
が終了すると、加圧用カプラ67が空気抜き用カプラ7
5から脱とされる。
【0057】素材パイプ31を加圧機23と折曲機24
に装填した後、第1の多関節ロボット26は密栓機22
に新たに第1および第2の栓手段32,33を装填し、
次の素材パイプ31を素材パイプ用ストッカ97から密
栓機22へ搬送する。なお、第1および第2の栓手段3
2,33は、予め複数組用意しておき、栓手段用支持台
98に載置させておく。このように次の素材パイプ31
が密栓機22に装填された後、密栓機22は再び注水作
業を行う。すなわち、折曲げ加工を加圧機23と折曲機
24で行っている一方で、次の素材パイプ31に対して
注水が密栓機22によって行われる。
【0058】加圧機23と折曲機24に素材パイプ31
を装填した後に、高圧ポンプ105を作動させて素材パ
イプ31内の水の圧力を上昇させる。この圧力上昇時に
は、折曲部分の曲率に対応させて設定した目標水圧の約
90%の圧力に達した後にフィードバック制御によって
目標水圧まで徐々に昇圧させる。目標水圧に達した後、
折曲機24の曲げ加工用アクチュエータ84によって支
持台83を駆動し、素材パイプ31をロールダイ81に
巻き付けるようにして折曲げる。
【0059】この折曲げ加工は、素材パイプ31の基端
部を加圧機23で保持するとともに、先端部を上側の第
1のロールダイ81Aの第1のパイプ保持部81Abに
第1のシリンダ装置82Aのピストン先端部82Aaを
押付けてクランプした状態で、加工用アクチュエータ8
4のピストンを伸長し、素材パイプ31の先端部より加
圧機23寄り部を第1のロールダイ81Aの溝81Aa
に巻き付けるようにして行う。また、この折曲げは、曲
げ回転角センサ86によって検出した角度が折曲部分の
設計上の折曲げ角度に達するまで行う。折曲げ加工時に
加圧機23は、折曲げ時に素材パイプ31に過大な引張
り荷重が加えられることがないように、折曲工程中に折
曲機24側(図3においては右側)へクランプ装置65
を移動させる。
【0060】折曲げ時には、クランプ装置65の移動に
よっても素材パイプ31の長手方向の伸びは僅かに発生
するので、折曲部分内の容積が増大して水圧が低下す
る。しかし、高圧ポンプ105と素材パイプ31内との
間の圧力センサ115によって圧力低下が検出され、素
材パイプ31内の水圧が目標水圧を保つように高圧ポン
プ105の吐出圧がフィードバック制御される。このた
め、折曲工程の全域にわたって折曲部分内が目標水圧に
維持される。前記目標水圧は、折曲げ角度が大きくなる
(折曲部分の長さが長くなる)にしたがって徐々に増大
させる。
【0061】この実施の形態では、図2に示した排気パ
イプ2の3箇所の折曲部分12〜14を下流側から順に
折曲げる。すなわち、折曲機24の第1のパイプ保持部
81Abと第1のシリンダ装置82Aで素材パイプ31
を保持した状態で最も下流側の折曲部分12と中央の折
曲部分13とを折曲げ、第2のパイプ保持部81Bbと
第2のシリンダ装置82Bで素材パイプ31を保持した
状態で最も上流側の折曲部分14を折曲げる。
【0062】最も下流側の折曲部分12を折曲げた後に
中央の折曲部分13を折曲げるためには、先ず、下流側
の折曲部分12の折曲げが終了した後に折曲機24のピ
ストン先端部82Aaを後退させて素材パイプ31を開
放させるとともに曲げ加工用アクチュエータ84を初期
位置に復帰させる。この段取り替え時には、高圧ポンプ
105から水が第1の水タンク101へ戻されるように
三方弁114を切換える。次に、加圧機23のクランプ
装置65を回転させるとともに折曲機24側へ移動さ
せ、中央の折曲部分13を形成する部位を第1のロール
ダイ81Aの溝81Aaに嵌合させる。
【0063】そして、第1のパイプ保持部81Abにピ
ストン先端部82Aaを押付けて素材パイプ31の先端
部を再び保持させ、折曲機24の曲げ加工用アクチュエ
ータ84を作動させて中央の折曲部分13を折曲げる。
折曲げ時には、三方弁114を切換えて高圧ポンプ10
5から素材パイプ31内に水圧を作用させ、前回の折曲
げ時と同様に高圧ポンプ105の吐出圧力をフィードバ
ック制御する。中央の折曲部分13は、下流側の折曲部
分12と同じ曲率を有するが曲げ角度は小さい(折曲部
分が鈍角)ので、折曲部分12より目標水圧を低く設定
される。曲げ角度が小さい場合、偏平になり難いので大
きな水圧を必要としないからである。
【0064】中央の折曲部分を折曲げた後、ピストン先
端部82Aaを後退させて排気パイプ31を開放させる
とともに曲げ加工用アクチュエータ84を初期位置に復
帰させ、折曲機24の基台を上下させる昇降アクチュエ
ータ85aを駆動して基台を上昇させる。この段取り替
え時にも高圧ポンプ105から水が第1の水タンク10
1へ戻されるように三方弁114を切換える。前記上昇
動作によって、折曲機24の第2のパイプ保持部81B
bと第2のシリンダ装置82Bで素材パイプ31の先端
部を保持できるようになる。加圧機23のクランプ装置
65は、上述したように下降した後に素材パイプ31を
回転させるとともに折曲機24側へ移動し、最後の折曲
部分14をロールダイ81の下側の溝81bに嵌合させ
る。
【0065】この位置決めが終了した後に、折曲機24
の第2のパイプ保持部81Bbと第2のシリンダ装置8
2Bで素材パイプ31の先端部を保持させ、曲げ加工用
アクチュエータ84を作動させて最後の折曲部分14を
折曲げる。この折曲げ時にも、三方弁114を切換えて
高圧ポンプ105から素材パイプ31内に水圧を作用さ
せ、高圧ポンプ105の吐出圧力をフィードバック制御
する。折曲部分14は他の部分より曲率が大きく(曲率
半径が小さく)第2のロールダイ81Bの下側の溝81
Baの溝半径が上側の溝81Aaの溝半径より大きい場
合には、折曲時の目標水圧を曲率に対応させて増大させ
る。なお、曲げ完成品の曲率半径より、ロールダイの溝
半径を僅かに小さくし、かつ曲げ完成品の曲げ角度よ
り、折曲機24における折曲げの曲げ角度を大きくし、
スプリングバック現象が起きても正しい完成品形状が得
られるようにする。
【0066】3箇所の折曲部分12〜14を折曲げた後
には、高圧ポンプ105による加圧を停止するととも
に、素材パイプ31内を減圧させる。このときには、三
方弁114を切換え、高圧ポンプ105と第1の水タン
ク101および素材パイプ31内を連通させ、素材パイ
プ31内の水圧を低下させて高圧ポンプ105を停止さ
せる。その後、第2の多関節ロボット27に素材パイプ
31を把持させ、加圧機23のカプラ脱着機68によっ
て第1の栓手段32のカプラ40から加圧用カプラ67
を外すとともに、加圧機23と折曲機24から素材パイ
プ31を取外す。
【0067】折曲げ後の素材パイプ31は、第2の多関
節ロボット27が開栓機25に搬送し、第1の栓手段3
2を開栓機25の第1のクランプ装置87に装填する。
このように第2の多関節ロボット27によって素材パイ
プ31を加圧機23および折曲機24から取外した後、
加圧機23および折曲機24は、第1の多関節ロボット
26によって密栓機22から次の素材パイプ31が搬送
され、この素材パイプ31に対して曲げ加工を行う。
【0068】前記開栓機25の第1のクランプ装置87
に素材パイプ31の一端の第1の栓手段32が装填され
ると、この第1のクランプ装置87が第1の栓手段32
を保持した状態で第1のナット緩め機89が第1の栓手
段32のナット38を緩める。このようにナット38を
緩めた後、第2の多関節ロボット27が素材パイプ31
を第1のクランプ装置87から引出すようにして外す。
この作業によって、第1の栓手段32が開栓機25に残
り、素材パイプ31から外れる。素材パイプ31内に充
填されていた水は、開栓機25の下方に設けた排水装置
(図示せず)に流下し、第1の水タンク101に戻され
る。
【0069】次に、第2の多関節ロボット27が第2の
栓手段33を開栓機25の第2のクランプ装置88に装
填する。この第2のクランプ装置88でも第1のクラン
プ装置87での取外し作業と同一の作業が行われ、第2
の栓手段33が素材パイプ31から取外される。このよ
うに素材パイプ31の両端から栓手段32,33を取外
した後、第2の多関節ロボット27が素材パイプ31を
製品取出し用シュート91に載置させる。このシュート
91によって素材パイプ31が製品取出し口(図示せ
ず)に移動する。
【0070】上述したように素材パイプ31をシュート
91に搬送した第2の多関節ロボット27は、開栓機2
5に残存する第1および第2の栓手段32,33を栓手
段用移送装置99の上流側端部に搬送し、加圧機23お
よび折曲機24での次の素材パイプ31に対する折曲げ
加工が終わるのを待機する。栓手段用移送装置99に載
置された二つの栓手段32,33は、栓手段用移送装置
99の下流側端部まで移送された後、第1の多関節ロボ
ット26によって栓手段用支持台98に搬送される。
【0071】このように構成したパイプ用曲げ加工装置
21においては、図13に示すように、加圧機23・折
曲機24での折曲げ作業と、密栓機22での注水・密封
作業とが同時に行われる。なお、図13には示していな
いが、開栓作業も折曲げ加工と平行して行われる。この
ため、1本の素材パイプ31に対して上述した各作業を
順次行って製造する場合に較べて待機時間が少なくな
り、加工時間を可及的短くすることができる。
【0072】前記曲げ加工装置21の密栓機22は、素
材パイプ31を上下方向に延びるように立てた状態で第
1および第2の栓手段32,33を装着し、下側の第1
の栓手段32から素材パイプ31内に注水するとともに
上側の第2の栓手段33で空気抜きを行うから、素材パ
イプ31内の上端から空気抜きを行うことができる。こ
のため、水を密封した部分の内部に空気が存在しない状
態で折曲げ加工を行うことができ、曲げ加工中に、曲げ
外側の部分の内面を液体で押圧することができる。
【0073】このパイプ用曲げ加工装置21によって折
曲げられた排気パイプ2の折曲部は、パイプ内に密封し
た水を曲率に対応する圧力で加圧しながら折曲げている
から、折曲げ中に折曲部分内の圧力が低下することがな
く、折曲げ時に曲げ外側が内側へ凹むように変形するこ
とがない。この結果、折曲部分での偏平率が92%以上
になるように成形できた。ここでいう偏平率とは、外形
が円形のほぼ均一肉厚のパイプが前記折曲部で変形し、
略楕円形となるが、この略楕円形の短径(前記折曲部で
の最小外径)を折曲げ前のパイプ外径で除した値に10
0を乗算した値である。また、この実施の形態で示した
ように、1本の排気パイプ2に複数の折曲部分12〜1
4を形成する場合であっても、それぞれの折曲部分の曲
率に対応させて水圧を設定しているから、全ての折曲部
分で偏平率が92%以上になるように成形することがで
きる。
【0074】また、折曲部分の曲げ角度が大きいほど水
圧を増大させて折曲げているから、折曲げ中に折曲部分
内の圧力が低下するのを阻止することができる。このた
め、折曲部分の曲げ角度が大きくても偏平率が高くなる
ように折曲げることができ、この実施の形態で示したよ
うに、この折曲部分の長さが異なる3箇所の折曲部分を
全ての折曲部分で前記偏平率が92%以上になるように
成形することができた。
【0075】折曲部分の偏平率が92%以上の排気パイ
プ2は、直線状部分での内径と折曲部分の内径との差、
すなわちパイプ内側の断面積の差が少なくなり、パイプ
内を排ガスが円滑に流れることができるとともに、途中
で圧力波が反射することが少なくなる。このため、この
排気パイプ2を用いることによってエンジン3の出力を
向上させることができる。この排気パイプ2を取付けた
エンジン3の出力変化と、従来の排気パイプ2を取付け
たエンジン3の出力変化の違いを図11に示す。
【0076】図11においては、この実施の形態による
曲げ加工装置21によって成形した排気パイプ2を用い
た場合を実線で示し、従来の排気パイプ2を用いた場合
を破線で示している。同図から明らかなように、この実
施の形態による曲げ加工装置21によって成形した排気
パイプ2を用いることによって、高回転域での出力(最
大出力)が増大する。
【0077】(第2の実施の形態)密栓機は図14に示
すように構成することができる。図14は密栓機の他の
実施の形態を示す側面図で、同図において、前記図1な
いし図13によって説明したものと同一もしくは同等の
部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略
する。
【0078】図14に示す密栓機22は、水を貯留した
水槽201の底に、素材パイプ31を保持するためのパ
イプ用クランプ装置51と、第1および第2の栓手段3
2,33を着脱自在に保持する第1および第2のクラン
プ装置52,53とを配設し、水槽201の中(水中)
で素材パイプ31に第1および第2の栓手段32,33
を取付ける構造を採っている。
【0079】両栓手段32,33のナット38を締付け
るナット締付機55,56は、ソケット63を支持する
軸202のみを水槽内に側方から挿入している。この軸
202は、水槽201の側壁203に設けたシール部材
204を貫通しており、回転と軸線方向への平行移動を
行っても水が水槽外に漏洩することがないようにしてい
る。
【0080】このように構成した密栓機22において
は、第1の多関節ロボット26によって素材パイプ31
を斜めに傾斜させた状態で水槽中に浸漬させ、パイプ用
クランプ装置51に保持させた状態で第1および第2の
栓手段32,33を取付ける。この取付け作業が終了す
ることによって、素材パイプ31内に水が密封される。
すなわち、第1の実施の形態を採る場合で行う空気抜き
作業が不要になる。このため、第2の栓手段33は、空
気抜きをするための構造を採らなくてよいから、単なる
盲栓として機能するだけの簡単な構造に形成することが
できる。
【0081】
【実施例】上述した実施の形態で示した排気パイプ2
は、材質がSUS304Lで、外形が円形で外径が約3
8mm、厚みがほぼ均一の0.8mmの素材パイプ31を曲
げ加工することによって形成した。折曲部分の曲率半径
は、3箇所とも約60mm(溝の半径は58mm)とし、折
曲げ時の水圧は、折曲げ角度が33.5°の場合は11
0kg/cm2、折曲げ角度が180°の場合は155kg/c
m2 とした。このような条件で折曲げを行ったところ、
偏平率は97%であった。なお、上記実施の形態の排気
パイプは、外形が円形で略均一肉厚をもつステンレス製
のものであったが、本願発明はこれのみに限らず、外形
が円形で偏肉した排気パイプや、外形が矩形、あるいは
多角形の排気パイプや、材料面において普通鋼パイプに
溶融アルミメッキをしたもの、あるいは耐熱性の銅系合
金製のものにも適用可能である。外形が異形あるいは均
一肉厚をもたないパイプにおいても、パイプ内側に内圧
を加えて折曲げ成形し、折曲により外径が縮む側での最
小外径をこの最小外径を測定した箇所に相当する折曲げ
前のパイプ外径で除した値に100を乗算した値である
偏平率が92%以上であるものは、折曲げ部で排気脈動
を乱さず、排気脈動を有効に活用可能である。
【0082】すなわち、真直部の形状および折曲げ方向
によっては、折曲げ部でパイプ内側の断面積が減少する
もののみでなく、増加するものもある(折曲により外径
が縮む側での折曲げ前外径が折曲により外径が伸びる側
の折曲げ前外径より大きい場合等)。増加するものでは
折曲げ部が膨張室として機能してしまい、180°位相
がずれた反射波がエンジン側に戻るようになり、エンジ
ンの排気脈動を乱し、性能を低下させてしまうが、偏平
率が92%以上であるものはこのようなことがなく、排
気脈動を有効に活用可能である。
【0083】なお、上記実施の形態のパイプ曲げ加工装
置においては、曲げ対象として外形が円形で略均一肉厚
をもつステンレス製の排気パイプを例示したが、本願発
明はこれのみに限らず、外形が円形で偏肉したパイプ
や、外形が矩形、あるいは多角形のパイプや、材料面に
おいて普通鋼パイプに溶融アルミメッキをしたもの、あ
るいは耐熱性の銅系合金製のものを対象とすることがで
きる。また、エンジン排気ガス以外にも各種気体や液体
等を送るためのパイプも曲げ対象とすることができる。
【0084】本願発明のパイプ曲げ加工装置によれば、
外形が異形あるいは均一肉厚をもたないパイプにおいて
も、パイプ内側に内圧を加えて折曲げ成形し、折曲によ
り外径が縮む側での最小外径をこの最小外径を測定した
箇所に相当する折曲げ前のパイプ外径で除した値に10
0を乗算した値である偏平率が92%以上とすることが
でき、この偏平率が92%以上の排気パイプにおいて
は、折曲げ部で排気脈動を乱さず、排気脈動を有効に活
用可能である。
【0085】すなわち、真直部の形状および折曲げ方向
によっては、折曲げ部でパイプ内側の断面積が減少する
もののみでなく、増加するものもある(折曲により外径
が縮む側での最小外径が折曲により外径が伸びる側の外
径より大きい場合等)。増加するものでは折曲げ部が膨
張室として機能してしまい、180°位相がずれた反射
波がエンジン側に戻るようになり、エンジンの排気脈動
を乱し、性能を低下させてしまうが、偏平率が92%以
上であるものはこのようなことがなく、排気脈動を有効
に活用可能である。
【0086】また、上記のように偏平率が92%以上の
各種気体や液体等を送るためのパイプにおいても、断面
形状および断面積の急変がなく、輸送抵抗を少なくでき
る。なおまた、構造部材として曲げパイプを使用する場
合では、偏平率を92%以上とすることで曲げ強度上、
外観上優れたものとすることができる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、密
栓機での注水・密封作業と、折曲装置での折曲げ作業と
を同時に行うことができるから、1本のパイプに対して
上述した各作業を順次行って製造する場合に較べて待機
時間を低減することができる。このため、加工時間が短
くなるパイプ用曲げ加工装置を提供することができる。
【0088】請求項2記載の発明によれば、パイプ内の
上端から空気抜きを行うことができるから、液体を密封
した部分の内部に空気が存在しない状態で折曲げ加工を
行うことができ、曲げ加工中に、曲げ外側の部分の内面
を液体で押圧することができる。このため、折曲部分の
内径と直線状部分での内径との差が少なくなり、パイプ
内を排ガスが円滑に流れることができるとともに、途中
で圧力波が反射することが少なくなる。したがって、こ
の発明に係るパイプ用曲げ加工装置によって曲げ加工を
行った排気パイプを用いることにより、エンジンの出力
を向上させることができる。
【0089】請求項3記載の発明によれば、空気が存在
しない状態でパイプに栓手段が取付けられてパイプ内に
液体が密封されるから、液体を密封した部分の内部に空
気が存在しない状態で折曲げ加工を行うことができ、曲
げ加工中に、曲げ外側の部分の内面を液体で押圧するこ
とができる。このため、折曲部分の内径と直線状部分で
の内径との差が少なくなり、パイプ内を排ガスが円滑に
流れることができるとともに、途中で圧力波が反射する
ことが少なくなる。したがって、この発明に係るパイプ
用曲げ加工装置によって曲げ加工を行った排気パイプを
用いることにより、エンジンの出力を向上させることが
できる。また、専ら空気を排出するための空気抜き工程
を実施しなくてよいから、このパイプ用曲げ加工装置に
よれば、加工時間をより一層短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る曲げ加工装置によって形成した
排気パイプを装着した自動二輪車の側面図である。
【図2】 本発明に係る曲げ加工装置によって形成した
排気パイプを示す図である。
【図3】 曲げ加工装置の平面図である。
【図4】 曲げ加工装置の水循環装置の構成を示す図で
ある。
【図5】 パイプに栓手段を取付けた状態を示す断面図
である。
【図6】 密栓機の構成を示す図である。
【図7】 加圧機の構成を示す側面図である。
【図8】 折曲機の平面図である。
【図9】 折曲機の背面図である。
【図10】 多関節ロボットの側面図である。
【図11】 本発明に係る曲げ加工装置によって形成し
た排気パイプの性能と従来の曲げ加工装置によって形成
した排気パイプの性能とを比較するためのグラフであ
る。
【図12】 曲げ加工装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図13】 折曲機と密栓機の動作を説明するためのタ
イムチャートである。
【図14】 密栓機の他の実施の形態を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
2…排気パイプ、22…密栓機、23…加圧機、24…
折曲機、25…開栓機、26…第1の多関節ロボット、
27…第2の多関節ロボット、31…素材パイプ、32
…第1の栓手段、33…第2の栓手段、201…水槽。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パイプの両端部に栓手段を装着し、パイ
    プ内に液体を密封する密栓機と、前記密栓機とは別体に
    形成し、密栓機によって液体が充填されたパイプを折曲
    げる折曲装置と、前記栓手段をパイプから取外す開栓機
    と、これらの機械に対してパイプの受け渡しを行う多関
    節ロボットと、折曲げ工程でパイプ内の液体を一方の栓
    手段側から加圧する加圧装置とを備えたことを特徴とす
    るパイプ用曲げ加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のパイプ用曲げ加工装置に
    おいて、密栓機は、パイプを上下方向に延びるように立
    てた状態で栓手段を装着し、下側の栓手段からパイプ内
    に液体を注入するとともに上側の栓手段で空気抜きを行
    う構造としたことを特徴とするパイプ用曲げ加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のパイプ用曲げ加工装置に
    おいて、密栓機は、液体を貯留する槽を備え、この槽中
    に浸漬させたパイプに栓手段を装着する構造としたこと
    を特徴とするパイプ用曲げ加工装置。
JP2001137280A 2000-12-25 2001-05-08 パイプ用曲げ加工装置 Pending JP2002254112A (ja)

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Cited By (6)

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