JP2002252239A - 樹脂硬化装置および樹脂硬化方法 - Google Patents

樹脂硬化装置および樹脂硬化方法

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JP2002252239A
JP2002252239A JP2001048241A JP2001048241A JP2002252239A JP 2002252239 A JP2002252239 A JP 2002252239A JP 2001048241 A JP2001048241 A JP 2001048241A JP 2001048241 A JP2001048241 A JP 2001048241A JP 2002252239 A JP2002252239 A JP 2002252239A
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Japan
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transport
tape
temperature
resin
heating
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JP2001048241A
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English (en)
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Masaaki Yabana
昌明 矢花
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Athlete FA Corp
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  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送状態変更部分での温度降下防止を効率的
に行うこと。 【解決手段】 この樹脂硬化装置は、素子3を封止する
ための樹脂4が塗布された搬送テープ5を炉体2内に供
給するテープ入口41と、搬送テープ5が水平に移動す
る複数の水平搬送路8と、搬送テープ5の送り方向を反
転させ上段側の水平搬送路9,10に搬送テープ5を移
行させる搬送状態変更手段6,7と、炉体2内の各水平
搬送路8,8,10に配置され樹脂4を加熱し硬化させ
る複数の加熱硬化手段11,12,13と、搬送テープ
5を炉体2外へ排出するテープ出口42とを有する。そ
して、搬送状態変更手段6,7によって反転させられ上
段側へ送られた搬送テープ5を加熱する加熱硬化手段1
2,13の設定温度を、搬送テープ5が反転される前の
下段側の加熱硬化手段11,12の設定温度より低く
し、反転後の搬送テープ5に加わる温度を反転前に比べ
高くならないようにしている。なお、樹脂硬化方法は、
この樹脂硬化装置を方法として実現している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送テープの素子
を樹脂で封止し、封止した樹脂を加熱硬化させる樹脂硬
化装置および樹脂硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、封止した樹脂を加熱硬化させる場
合は、搬送テープ上の樹脂を、発熱体としての遠赤外線
ヒータを用いて直接加熱して硬化させたり、温風を用い
て直接加熱して硬化させたりする方法が採用されてい
る。
【0003】この従来方法では、遠赤外線や温風により
樹脂を直接加熱するため、樹脂表面に「焼け」とよぶ樹
脂の変質が発生したり、樹脂の形状変形が頻繁に発生し
たりしていた。特に、直接加熱のために樹脂表面が早く
硬化し、表面の硬化皮膜により閉じこめられた溶剤が蒸
発する際に硬化皮膜を押し上げ、「ふくれ」とよぶ品質
欠陥が発生したりするという問題点を有していた。ま
た、樹脂の周辺部が加熱によって早く硬化するために、
周辺部の樹脂が搬送テープ面まで廻り込めず、搬送テー
プとの接着が悪く、剥離してしまうという問題点も有し
ていた。
【0004】このような問題点を解決するために、本出
願人は先に間接加熱に関する発明をした(特開平7−1
78368号公報参照)。この出願によって上述の問題
点は解決されたものの、反転手段によって搬送テープが
折り返されて一段毎に上方へ移動して多段式タイプの炉
の場合、搬送テープの反転部分にヒータが無く、この反
転部分で温度下降が生じ、樹脂にクラック等が発生して
いた。
【0005】このような反転部分における問題への対応
として、実開平5−57846号公報に示される技術が
採用される場合もあった。すなわち、搬送テープが折り
返される反転部分の側方にヒータを配置し、かつ搬送テ
ープが上段に移行されるに従って封止用の樹脂をより高
温度に加熱することで対応している。すなわち、図13
に示すように、搬送テープが上段に行くに従い、高温で
加熱されると共に、反転部分(送りローラ部分)での温
度下降がわずかとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
に示すような、上段に行くに従い搬送テープへの加熱温
度を高くするような炉では、下段での加熱温度が低いた
め下段側では十分な樹脂の硬化が得られない。このた
め、本来必要とされる最も高温での加熱が不十分となり
がちとなったり、高温加熱段階の他に低温加熱の段階を
付加する必要があり、炉体が大型化しがちとなってい
る。
【0007】本発明は、上述の問題点を解決するために
なされたものであり、炉体を小さくできると共に、樹脂
の硬化を安定かつ確実に行うことができる樹脂硬化装置
および樹脂硬化方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の樹脂硬化装置は、素子を封止するための樹
脂が塗布された搬送テープを炉体内に供給するテープ入
口と、搬送テープが水平に移動する複数の水平搬送路
と、搬送テープの送り方向を反転させ上段側の素平搬送
路に搬送テープを移行させる搬送状態変更手段と、炉体
内の各水平搬送路に配置され樹脂を加熱し硬化させる複
数の加熱硬化手段と、搬送テープを炉体外へ排出するテ
ープ出口とを有する樹脂硬化装置において、搬送状態変
更手段によって反転させられ上段側へ送られた搬送テー
プを加熱する上記加熱硬化手段の設定温度を、搬送テー
プが反転される前の下段側の加熱硬化手段の設定温度よ
り低くし、反転後の搬送テープに加わる温度を反転前に
比べ高くならないようにしている。
【0009】このように、下段側の加熱硬化手段の設定
温度を高くし、上段側を低くすることで、上段側の加熱
温度を下段側に比べ、高くならないようにしている。こ
のため、炉体内が上に行くほど高くなるというような温
度設定にならず、樹脂硬化に十分な温度をテープ入口部
分から搬送テープに加えることが可能となる。この結
果、炉体を小さくできると共に、樹脂硬化を安定かつ確
実に行わせることが可能となる。
【0010】また、他の発明は、上述の発明の樹脂硬化
装置に加え、搬送状態変更手段によって反転させられる
前後の搬送テープを加熱するための炉体内の各温度を、
共に同一の所定温度に対しプラスマイナス10℃以内に
納めるようにしている。
【0011】このように構成することで、フラットな温
度プロファイルを有する炉体を得ることができる。フラ
ットな温度による加熱が行えると、搬送テープが炉体内
に導入された当初から十分な加熱が可能となり、炉長を
短くできると共に、樹脂硬化を安定かつ確実に行わせる
ことが可能となる。
【0012】さらに他の発明は、上述の各発明の樹脂硬
化装置に加え、加熱硬化手段として、下段および上段の
水平搬送路にそれぞれ配置される水平搬送路用発熱体
と、搬送状態変更手段によって搬送テープの搬送が反転
される搬送状態変更区域であって搬送状態変更手段から
見て下方位置に配置される搬送状態変更部用発熱体とを
設け、各発熱体によって搬送テープを加熱している。
【0013】この構成によって、搬送テープを反転させ
るための搬送状態変更手段が配置される区域において生
じがちな温度下降を防止することが可能となる。このた
め、フラットな温度プロファイルを有する炉体を得よう
とする場合により好適なものとなる。
【0014】また、他の発明は、上述の発明の樹脂硬化
装置に加え、下段側の水平搬送路用発熱体の設定温度に
対し搬送状態変更部用発熱体の設定温度を低くし、下段
および上段の各水平搬送路と搬送状態変更区域の搬送テ
ープに加えられる温度を、共に同一の所定温度に対しプ
ラスマイナス5℃以内に納めるようにしている。
【0015】このため、よりフラットな温度プロファイ
ルを有する炉体を備える樹脂硬化装置を得ることができ
る。この結果、樹脂硬化を一層安定かつ確実に行える樹
脂硬化装置とすることができる。なお、搬送状態変更部
用発熱体が配置される区域は、下段から上段へと連通し
ており、下方側に搬送状態変更部用発熱体を配置しても
熱は十分に上方へ移行する。
【0016】さらに他の発明は、上述の各発明の樹脂硬
化装置に加え、搬送テープを折り返すための搬送状態変
更手段を複数設け、かつ水平搬送路を上下に積み重ねて
3段以上とし、各水平搬送路と各搬送状態変更区域のそ
れぞれで加熱すると共に上段に行くほどより低い温度に
加熱硬化手段の設定温度を設定している。
【0017】このように、水平搬送路を3段以上に積み
重ねると共に、上段ほど低い温度に設定しているので、
3段以上の炉体であっても一定温度(フラットな温度)
での加熱が可能となる。
【0018】また、本発明の樹脂硬化方法は、素子を封
止するための樹脂が塗布された搬送テープを炉体のテー
プ入口から供給し、炉体のテープ出口から排出するテー
プ供給排出工程と、このテープ供給排出工程中で、搬送
テープの送り方向を搬送状態変更手段で反転させつつ、
炉体内で樹脂を加熱硬化手段によって加熱し硬化させる
加熱硬化工程と、を有する樹脂硬化方法において、搬送
状態変更手段によって反転させられ上段側へ送られた搬
送テープを加熱する加熱硬化手段の設定温度を、反転さ
れる前の搬送テープ用の加熱硬化手段の設定温度より低
くし、反転後の搬送テープに加わる温度を反転前に比べ
高くならないようにしている。
【0019】このように、下段側の加熱硬化手段の設定
温度を高くし、上段側を低くすることで、上段側の加熱
温度を下段側に比べ、高くならないようにしている。こ
のため、炉体内が上に行くほど高くなるというような温
度設定にならず、樹脂硬化に十分な温度をテープ入口部
分から搬送テープに加えることが可能となる。この結
果、炉体を小さくできると共に、樹脂硬化を安定かつ確
実に行わせることが可能となる。
【0020】また、他の発明は、上述の発明の樹脂硬化
方法に加え、搬送状態変更手段によって反転させられる
前後の搬送テープを加熱するための炉体内の各温度を、
共に同一の所定温度に対しプラスマイナス10℃以内に
納めるようにしている。
【0021】このように構成することで、炉体内をフラ
ットな温度とすることができる。フラットな温度による
加熱が行えると、搬送テープが炉体内に導入された当初
から十分な加熱が可能となり、炉体を小さくできると共
に、樹脂硬化を安定かつ確実に行わせることが可能とな
る。
【0022】さらに他の発明は、上述の各発明の樹脂硬
化方法に加え、加熱硬化工程では、搬送テープが水平に
移動する水平搬送路に水平搬送路用発熱体を配置すると
共に搬送状態変更手段によって搬送テープの搬送状態が
変更される搬送状態変更区域であって搬送状態変更手段
より下方に搬送状態変更部用発熱体をさらに配置し、各
発熱体によって搬送テープを加熱している。
【0023】この構成によって、搬送テープを搬送させ
るための搬送状態変更手段が配置される区域において生
じがちな温度下降を防止することが可能となる。このた
め、フラットな温度プロファイルを有する炉体を得よう
とする場合により好適なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明による実施の形態の樹脂硬
化装置および樹脂硬化方法を図面に基づいて説明する。
図1から図5は、本発明による実施の形態を示す樹脂硬
化装置の筐体と炉体の構成図である。なお、図1および
図2は、本実施の形態の構成の概要図で、説明を分かり
易くするため主要構成のみを示している図である。図6
は、本発明に用いられる発熱体を示す図である。図7
は、水平搬送路に配置される温度センサおよびその周辺
構造を示す図であり、図8は、搬送状態変更区域に配置
される温度センサおよびその周辺構造を示す図である。
図9および図10は、図1から図5に示す樹脂硬化装置
の炉体内の温度状態を示す図である。
【0025】この実施の形態の樹脂硬化装置は、筐体1
と、筐体1上に設けられている炉体2とで主に構成され
る。そして、ボンディングされた素子3を樹脂4により
封止して固定するための搬送テープ5が、この炉体2中
を搬送される。炉体2内には、搬送テープ5を反転させ
る搬送状態変更手段となるキュアガイド6,7が設けら
れている。
【0026】さらに、炉体2内には、最下段の水平搬送
路8内の搬送テープ5と、キュアガイド6で反転された
中段の水平搬送路9内の搬送テープ5との間に加熱硬化
手段の一部となる水平搬送路用発熱体11,12が設け
られ、さらに、キュアガイド7で反転された最上段の水
平搬送路10内の搬送テープ5の上方に加熱硬化手段の
一部となる水平搬送路用発熱体13が設けられている。
なお、キュアガイド6,7によって搬送テープ5が折り
返される搬送状態変更点の真下には、搬送状態変更部用
発熱体14,15が設けられている。
【0027】炉体2内には、さらに搬送テープ5と水平
搬送路用発熱体11との間に配設され、加熱硬化手段の
一部となると共に間接加熱手段となる熱板21と、搬送
テープ5と水平搬送路用発熱体12との間に配設され、
加熱硬化手段の一部となると共に間接加熱手段となる熱
板22と、搬送テープ5と水平搬送路用発熱体13との
間に配設され、加熱硬化手段の一部となると共に間接加
熱手段となる熱板23とが設けられている。
【0028】さらに、炉体2内には、搬送テープ5を挟
んで熱板21と対向する位置に配設されている加熱硬化
手段の一部となると共に間接加熱手段となる反射板31
と、搬送テープ5を挟んで熱板22と対向する位置に配
設される同様な機能を有する反射板32と、搬送テープ
5を挟んで熱板23と対向する位置に配設されて同様な
機能を有する反射板33とが設けられている。
【0029】炉体2の壁部には、テープ入口41と、テ
ープ出口42と、最下段の水平搬送路8に窒素ガスを導
入するためのガス管43が貫通する貫通孔(図示省略)
と、中段と最上段の水平搬送路9,10にそれぞれ窒素
ガスを導入するためガス管44,45が貫通する2本の
貫通孔(図示省略)と、窒素ガス等を排出する排出口4
6と、溶剤用の排気孔47とが設けられている。
【0030】この樹脂硬化装置には、さらに、その筐体
1の下方部であって前面側に、ブレーカの収納部分を開
閉するブレーカ用開閉扉51と、温度設定や窒素ガスの
流量制御を行う操作部を配した操作パネル52と、炉体
2内の各部の温度を温度センサによって記録する記録計
が配置される温度記録計部53と、各種の雑用物が収納
される収納部54と、窒素ガスの導入量を量る流量計が
設置されている流量計部55が設けられている。
【0031】炉体2の前面側には、断熱と気密のための
表断熱扉56が観音開き可能に2対設けられている。ま
た、炉体2の背面には、背面側から炉体2内の各部を調
整できるように取っ手57を有する複数の扉が設けられ
ている。なお、炉体2の側方であってテープ入口41の
上部には各種のセンサ用の配管口2aが設置されてい
る。
【0032】炉体2内には、水平搬送路8と水平搬送路
9とを仕切る断熱剤としてのグラスウール58が入れら
れた直方体状の第1断熱仕切り部59と、水平搬送路9
と水平搬送路10とを仕切るグラスウール58が入れら
れた直方体状の第2断熱仕切り部60と、炉体2内の高
温度が筐体1の下部の制御部分に対して影響を与えない
ようにするため水平搬送路8の下方に配置されたグラス
ウール58が入れられた直方体状の第3断熱仕切り部6
1とがさらに設けられている。
【0033】素子3は、集積回路(IC)や中央演算処
理装置(CPU)等の半導体素子であり、縦横が0.5
x0.5mm〜50x50mm程度の大きさのものとな
っている。また、厚さは、0.1〜2.0mm程度とな
っている。樹脂4は、搬送テープ5が炉体2内に導入さ
れる前に樹脂封止手段によって素子3を封止する際に使
用される。樹脂4は、熱をかけた場合に気泡が出にくい
樹脂を採用しており、脱泡後、樹脂封止手段に取り付け
られる樹脂シリンジ(30ccまたは50cc)へ詰め
られる。
【0034】搬送テープ5は、ポリイミド材とされ、テ
ープ幅が35mm、48mm、70mmの3種類が使用
される。搬送テープ5の両側部には、パーフォレーショ
ン5a(図7参照)が形成されており、テープ搬送手段
に設けられているスプロケットが入り込んでこの搬送テ
ープ5を搬送するようになっている。
【0035】キュアガイド6は、第1の搬送状態変更区
域62に配置された搬送状態変更手段であり、この実施
の形態では搬送テープ5を180度折り返すものとなっ
ている。キュアガイド6を包み込むように間接加熱手段
となる熱板63が半円状に設けられている。
【0036】キュアガイド7は、第2の搬送状態変更区
域64に配置された搬送状態変更手段となっており、キ
ュアガイド6とは反対方向に搬送テープ5を180度折
り返すものとなっている。キュアガイド7にも間接加熱
手段となる半円状の熱板65が設けられている。この熱
板65は、キュアガイド7の移動を許容する許容空間6
6が生ずるように、熱板65の側方部分がキュアガイド
7から離れるように設置されている。
【0037】キュアガイド6,7は同じ大きさとはされ
ず、キュアガイド6がキュアガイド7より大径とされて
いる。これは、下段側に位置する搬送テープ5の場合、
樹脂4が搬送テープ5に対して十分には固着していない
可能性があり、下段側のキュアガイド6の径を大きくす
ることで、ゆるやかな折れ曲がりとし、樹脂4の搬送テ
ープ5からの剥離を防いでいるのである。
【0038】キュアガイド7には、搬送テープ5に巻取
方向と逆のテンションが掛かるように、重りによるカウ
ンタ・テンション機構(図示省略)が連結されている。
この機構は、キュアガイド7が水平方向に移動する機能
との組み合わせで、搬送テープ5のテンション変動時
(間欠送りの初期および搬送テープ5が軽く引っかかっ
た時)に、所定テンションでキュアガイド7を移動させ
る。
【0039】このことにより、一過性の変動に対してテ
ンションへの負荷が急激に上がることがなく搬送テープ
5の搬送を継続することができる。なお、キュアガイド
7が移動し過ぎることを防止するリミッタ(図示省略)
が設置されており、リミッタを越えると搬送テープ5の
搬送は停止させられる。
【0040】また、キュアガイド7は、上述したよう
に、加わる力によってその中心位置が水平方向にずれる
ように構成されている。これらの工夫によって、水平搬
送路8,9,10内の搬送テープ5は適切な張力でたる
みなく搬送させられる。
【0041】各水平搬送路8,9,10は、第1、第
2、第3の各断熱仕切り部59、60、61で仕切られ
た空間である。また、水平搬送路8と水平搬送路9の両
者と連通し、両者のつなぎとなる部分が第1の搬送状態
変更区域62となる。また、水平搬送路9と水平搬送路
10の両者と連通し、両者のつなぎとなる部分が第2の
搬送状態変更区域64となる。
【0042】水平搬送路用発熱体11,12,13およ
び搬送状態変更部用発熱体14,15は、それぞれ図6
に示すような形状を有するパネル型の遠赤外線ヒータ7
1が複数集まって構成される。水平搬送路用発熱体11
は、図6に示す遠赤外線ヒータ71を6個縦に並べて形
成されている。この最下段に配置される各遠赤外線ヒー
タ71は、縦L1が400mmで、幅L2が100mm
となっており、最大容量が700Wとされている。ま
た、連続的に並べられた2つが共通の温度センサによっ
て制御されている。このため、最下段の6個の遠赤外線
ヒータ71のための温度センサは3つとされている。
【0043】なお、遠赤外線ヒータ71は、遠赤外放射
セラミックヒータからなるヒータ部72と、ヒータ部7
2を保持する支持本体部73と、係合のためのフック部
74とを有している。そして、ヒータ部72が熱源部分
となる。
【0044】水平搬送用発熱体12は、水平搬送路8に
配置される遠赤外線ヒータ71と同じ形状の5つの遠赤
外線ヒータ71から構成されている。ただし、その最大
容量は400Wとされている。また、搬送テープ5の搬
送順に2つずつが一対となって温度制御されている。こ
のため、キュアガイド7に最も近い1つの遠赤外線ヒー
タ71のみは、当該1個に対し、1つの温度センサによ
って制御される構成となっている。
【0045】水平搬送路用発熱体13は、水平搬送路8
に配置される遠赤外線ヒータ71と同じ形状、同じ容量
の5つの遠赤外線ヒータ71から構成されている。その
温度制御は、キュアガイド7に最も近い1つの遠赤外線
ヒータ71を1個の温度センサで制御し、他の4つを連
続して並ぶ2つを1対として各1対に対して1個の温度
センサで制御している。
【0046】最下段に配置される水平搬送路用発熱体1
1および最上段に配置される水平搬送路用発熱体13を
構成する遠赤外線ヒータ71の容量を700Wと高くし
ているのは、テープ入口41やテープ出口42から冷た
い空気が炉体2内に入り込むため強力加熱が必要となる
ためである。中段の遠赤外線ヒータ51の容量を400
Wとして小さくしているのは、中段は微妙な制御を必要
とするためであることと、最下段から上昇してくる熱を
利用できるため、強力な加熱を必要としないためであ
る。
【0047】なお、炉体2のテープ入口41付近は、炉
体2の中央部と比較して熱がより多く放散されかつ冷却
されるので、設定温度を炉体2の中央部より高くするこ
とにより水平搬送路8のフラットな温度範囲を広くで
き、水平搬送路8での樹脂硬化時間をより長くすること
ができる。
【0048】しかし、搬送テープ5が炉体2内に初めて
導入される水平搬送路8は、樹脂に「ふくれ」が生じな
い昇温速度で加熱できかつキュアガイド6で搬送テープ
5が曲げられるまでに樹脂と搬送テープ5の接着強度が
大きくなるような温度プロファイルとなる。この実施の
形態では、水平搬送路8の遠赤外線ヒータ71の温度設
定は、3つの温度センサによる3ヶ所において同一温度
に設定され、昇温速度の調整は、搬送テープ5の送り速
度で調整している。11ヶ所に配設された温度センサに
よる遠赤外線ヒータ71の加熱能力は、ON−OFFの
デュティ比がそれぞれ50%前後になるように設計され
ている。
【0049】搬送状態変更部用発熱体14,15は共
に、図6に示す遠赤外線ヒータ71の半分の形状となる
小型遠赤外線ヒータ75から構成されている。すなわ
ち、縦がL1/2で幅がL2とされている。その出力容
量はそれぞれ350Wとされている。また、温度センサ
はそれぞれ1個ずつ配置される。
【0050】熱板21,22,23は、それぞれ平板状
の縦長に形成された銅板とされ、均熱作用をなすもの
で、各水平搬送路用発熱体11,12,13の熱を受け
てその熱を均一化して搬送テープ5側に伝えるものとな
っている。各熱板21,22,23は、その幅(図2参
照)が各水平搬送路用発熱体11,12,13の幅より
広くされ、熱源となる各発熱体11,12,13の熱の
有効活用を図っている。なお、熱板23は、反射板33
と共に、図3に示すように、遠赤外線ヒータ71が配置
されている部分よりさらにテープ出口42側まで伸びて
いる。これによって搬送テープ5をしっかり温めるもの
となっている。
【0051】搬送テープ5と各熱板21,22,23と
の距離を、各熱板21,22,23と各水平搬送路用発
熱体11,12,13との距離に比べ小さくしている
(図2参照)。また、図2に示すように、各熱板21,
22,23の幅を搬送テープの幅より広くしている。こ
れらは、各熱板21,22,23による熱の均一化作用
を高めると共に均一化されている熱をその均一状態のま
まで搬送テープ5に伝達させるためである。これによっ
て水平搬送路用発熱体11,12,13の熱を効率的か
つ均一化して搬送テープ5に伝えることが可能となる。
【0052】各熱板21,22,23の搬送テープ5側
には、図7に示すように、温度センサとしての熱電対8
1が固定部材82によって取り付けられている。この熱
電対81は、取り付けられる各熱板21,22,23の
温度を測定するもので、各発熱体11,12,13,1
4,15の温度制御のために利用される。
【0053】水平搬送路8には、3対で計6個の遠赤外
線ヒータ71が配置されており、少なくとも各対の温度
制御のために3つの熱電対81が設置されている。同様
に水平搬送路9,10にも各3つの熱電対81が配置さ
れ、全水平搬送路8,9,10中に計9個の熱電対81
が設置される。さらに、各搬送状態変更区域62,64
に配置される搬送状態変更部用発熱体14,15の温度
制御用に、各1個の熱電対81が設置される。
【0054】このようにして、少なくとも全11個の熱
電対81が配置され、炉体2内は11のブロックに区分
され各ブロックが独立して温度制御される構成となって
いる。なお、この実施の形態では、11ブロックに区分
されてはいるが、その11ブロック中、2つの遠赤外線
ヒータ71で1ブロックを構成しているブロックが計7
個ある。この7個のブロックについては、それぞれ1個
の遠赤外線ヒータ71に対し1個の熱電対81を配置す
る構成としており、結局、炉体2内に、計18個の熱電
対81を配置したものとしている。
【0055】各熱電対81は、図7に示すように、1つ
の遠赤外線ヒータ71の略中央に対向(実際は各熱板2
1,22,23をはさんで対向)するように配置され
る。各熱電対81と各遠赤外線ヒータ71,75は、操
作パネル52内に配置される温調器に接続される。な
お、図7では、遠赤外線ヒータ71は1つのみ示してい
るが、横方向に同じものが並ぶと共に、熱電対81も対
応して並んで配置される。
【0056】また、搬送状態変更部用発熱体14,15
の場合は、半円状の熱板63,65のキュアガイド6,
7に面している側であって最も側方(搬送状態変更点8
3の近傍)に設置されている(図8参照)。しかし、こ
の搬送状態変更区域62,64については、熱板63,
65のキュアガイド6,7に面していない側、すなわち
搬送状態変更部用発熱体14,15側に熱電対81を取
り付けるようにしても良い(図8の1点鎖線参照)。
【0057】なお、搬送状態変更部用発熱体14の中心
N1の真上部分は、キュアガイド6の搬送状態変更点8
3と熱板63との空間の略中心位置となっている。ま
た、搬送状態変更部用発熱体15の中心N2の真上部分
は、キュアガイド7の搬送状態変更点83と熱板65と
の間の空間であるたるみ許容空間66の略中心位置とな
っている。
【0058】反射板31,32,33は、鏡面加工され
たステンレス鋼材から形成されており、各発熱体11,
12,13の幅L2(この実施の形態では、100m
m)と略同一の幅を有する長方形の平板となっている。
テープ入口41は、炉体2の前面側から見て左側面部下
方に配置され、樹脂封止手段から搬送されてくる搬送テ
ープ5を炉体2内へ導入する部分となっている。テープ
出口42は、炉体2の前面側から見て右側面部上方に配
置され、炉体2内を通ってきた搬送テープ5をテープ収
納手段側へ排出するものとなっている。
【0059】水平搬送路8に配される窒素ガス用のガス
管43は、テープ入口41付近の下方から炉体2内へ導
入され、反射板31の下方空間中をキュアガイド6の近
傍まで横方向に延びている。ガス管43は、炉体2内へ
の導入部では1本であるが、導入後2つに分岐し、水平
搬送路8内では、図2に示すように2本となっている。
そして、ガス管43の上方に噴出穴が複数設けられ、そ
れぞれの噴出穴から窒素ガスが上方に噴出するようにな
っている。
【0060】水平搬送路9に配される窒素ガス用のガス
管44は、キュアガイド6の近傍の下方から炉体2内へ
導入される。そして、キュアガイド6が配置されている
空間を垂直に上昇し、第2断熱仕切り部60の所で横方
向へ直角に曲げられ、反射板32と第2断熱仕切り部6
0との間の空間中をキュアガイド7の近傍まで横方向に
延びている。このガス管44は1本となっており、図2
に示すようにガス管44の下方に噴出穴が複数設けら
れ、それぞれの噴出穴から窒素ガスが下方に噴出され
る。
【0061】水平搬送路10に設置される窒素ガス用の
ガス管45は、ガス管44と同様にキュアガイド6の近
傍の下方から炉体2内へ導入され、垂直に上昇してい
る。そして、第2断熱仕切り部60を貫通し、この第2
断熱仕切り部60上に配され、キュアガイド7の近傍ま
で延びている(図2参照)。このガス管45も1本で、
図2に示すように、ガス管45の上方に噴出穴が複数設
けられ、それぞれの噴出穴から窒素ガスが上方に噴出さ
れる構成となっている。
【0062】なお、各ガス管43,44,45に設けら
れた噴出穴の位置は、搬送テープ5に直接窒素ガスが当
たらない構造であれば、上、下、左、右のいずれでも良
い。さらに、窒素ガスの流れに乱流が生じにくいように
微細な孔径を多数連続的に有する連続多孔体を噴出穴を
覆うように配設しても良い。
【0063】排出口46は、テープ入口41側の上方で
あって、窒素ガスを導入するガス管43の炉体2内への
導入位置の略真上に配置されている。排出口46には、
排気量を調整するためのバタフライダンパ84と炉体2
内の窒素ガス等を強制的に排気する強制排気ファン85
とが取り付けられている。また、排出口46に風量計が
取り付けられ、その風量計の値によってバタフライダン
パ84の角度や強制排気ファン85の毎分の回転数を調
整できるようになっている。
【0064】排気孔47は、下段となる水平搬送路8の
前半分の区域であって、炉体2の背面側に設けられてい
る。この排気孔47は、樹脂封止手段によってポッティ
ングされる樹脂4内の硬化剤等の溶剤が炉体2内で加熱
されることで炉体2中へ飛び出してくるが、その溶剤を
炉体2外へ排出するものである。この炉体2内へ飛び出
してくる溶剤をそのままにすると、搬送テープ5の表面
に張りつくこととなり搬送の妨げになる等の問題が発生
する。
【0065】この実施の形態では、排気孔47を、テー
プ入口41に最も近い遠赤外線ヒータ71が配置される
部分の奥側に配置している。このように、加熱開始部分
に排気孔47を配置させることで、溶剤の悪影響を排除
している。なお、この排気孔47は、水平搬送路8の中
央よりテープ入口41側に配設されれば、かなりの排除
効果を有するものとなる。
【0066】また、この実施の形態では、図示しない静
電対策用のイオナイザ装置が設けられており、キュアガ
イド6,7の部分で吹き出すように設計されている。イ
オナイザによって搬送テープ5の接離、すなわちキュア
ガイド6,7と搬送テープ5との接離をスムーズにし、
搬送機能を向上させている。
【0067】この樹脂硬化装置は、素子3がインナーリ
ードボンディングされた搬送テープ5を供給し、樹脂封
止とプリキュア(仮硬化)とをインラインにて行い、リ
ールに巻き取る全自動機の中の一部に組み込まれるもの
である。すなわち、ボンディング済みの素子3を有する
搬送テープ5をテープ送り出し手段にて樹脂封止手段に
送り、樹脂4のポッティングを行った後の搬送テープ5
が送り込まれてくるプリキュア装置となっている。この
樹脂硬化装置によって樹脂4の加熱が行われ、テープ収
納手段によって搬送テープ5が巻き取られることとな
る。
【0068】この実施の形態では、搬送テープ5は、間
欠的に送られ、平均すると炉体2内を毎秒2〜200m
mで搬送される。また、炉体2の有効加熱長は、約74
00mm(炉内長は約8400mm)とされている。こ
のため、搬送テープを毎秒5mmの速度で搬送すると、
約28分でテープ入口41からテープ出口42まで搬送
されることとなる。
【0069】この樹脂硬化装置の仕様は、上述した仕様
の他に、次のような仕様を有するものとなっている。す
なわち、使用温度が60〜200℃で、11ブロック独
立制御方式(オンオフパルス式PID制御)で、さらに
温度記録は12または24点式で、上下限のアラーム付
きとなっている。加えて、炉体2内の搬送テープ5の過
負荷検出機構や高温・低温警報機能が付いており、ま
た、300℃の温度ヒューズが付加されており、過昇温
防止が図られている。さらに、ウイークリータイマが付
いており、毎週の自動運転が可能となっている。
【0070】次に、以上のように構成された樹脂硬化装
置の動作について説明する。
【0071】まず、樹脂硬化装置の炉体2内の温度を所
望の温度プロファイルとなるように、各ブロックの遠赤
外線ヒータ71,75の温度をそれぞれ設定する。この
設定は、温度センサが固定された搬送テープを実際に搬
送させて測温し、炉体2内のそれぞれの場所(各ブロッ
ク)が所望の温度となるように遠赤外線ヒータ71,7
5の温度を設定する。この温度設定は、熱電対81を利
用して行われる。
【0072】各ヒータ71,75の温度設定がなされた
後、搬送テープ5が導入される。搬送テープ5は、テー
プ入口41から供給され、キュアガイド6,7により反
転させられてテープ出口42から排出される。テープ入
口41から供給された搬送テープ5は、キュアガイド6
で反転されるまでの加熱開始段階において、次のように
加熱される。
【0073】すなわち、素子3を封止した樹脂4は、遠
赤外線ヒータ71からなる水平搬送路用発熱体11によ
って加熱された熱板21により間接的に加熱されると共
に、熱板21と対向する位置に配設された反射板31に
より熱板21の熱が輻射され搬送テープ5の裏面側を間
接的に加熱する。この結果、搬送テープ5の表面側と裏
面側が均一に加熱される。これにより、樹脂4は、熱板
21と反射板31により間接的に加熱されるために、
「焼け」、「ふくれ」、形状変形もなく樹脂4を硬化さ
せることができる。また、搬送テープ5面への樹脂4の
廻り込みを容易にし、搬送テープ5と樹脂4の周辺部と
の密着性が高められ、搬送テープ5に樹脂4を密着させ
ることができる。
【0074】キュアガイド7で反転されるまでの加熱中
間段階において、搬送テープ5は遠赤外線ヒータ71か
ら構成される水平搬送路用発熱体12により加熱された
熱板22とその熱板22からの輻射熱を反射する反射板
32とにより間接的に加熱される。これにより、樹脂4
の硬化が促進される。
【0075】キュアガイド7で反転されてテープ出口4
2までの加熱最終段階において、搬送テープ5は、水平
搬送路用発熱体13により加熱された熱板23と、その
熱板23からの輻射熱を反射する反射板23とにより間
接的に加熱される。これにより、樹脂4の硬化が更に促
進される。
【0076】なお、炉体2は、気密性を保つようになっ
ているので、筐体1に設けられた貫通孔から窒素ガス導
入用のガス管43,44,45を導入し、炉体2に設け
られた排出口46から排出することで、炉体2内を無酸
化雰囲気状態に保つことができ、樹脂硬化の安定化を図
ることができる。また、テープ入口41付近で発生する
溶剤を排気孔47から排出することで搬送がスムーズと
なり、また樹脂硬化の品質を向上させることができる。
【0077】次に、樹脂硬化装置の炉体2内の温度制御
について説明する。
【0078】図9にこの炉体2内の温度プロファイルを
示す。図において、左端がテープ入口41側で右側がテ
ープ出口42側となっている。実線がこの実施の形態の
炉体2内の温度プロファイルで、一部破線となっている
部分が、搬送状態変更部用発熱体14,15が存在しな
い場合の温度プロファイルとなっている。図9で○付き
の数字で示されているものが先に示したブロックを示
し、水平搬送路8では、3つのブロックがテープ
入口41側から順に配置されている。
【0079】次に、第1の搬送状態変更区域62に、第
4のブロックが配置され、その後、中段の水平搬送路
の中に1対2つの遠赤外線ヒータ75からなる第5,第
6ブロックがきて、次に、1つの遠赤外線ヒータ7
5からなる第7のブロックが配置されている。さら
に、第2の搬送状態変更区域64に第8のブロックが
設置されている。そして、最上段の水平搬送路10中に
3つのブロック(10)(11)(ブロック10と11の明細
書中の表記については、○に代えて()を使用。以下、同
じ)が配置される。ここで、第9のブロックは、1つ
の遠赤外線ヒータ71からなり、(10)(11)の2つのブロ
ックは、それぞれ2つの遠赤外線ヒータ71から構成さ
れている。
【0080】各ブロックにおける各遠赤外線ヒータ7
1,75に対する熱電対81による設定温度は、次の表
1のとおりとなっている。
【表1】
【0081】表1に示すような温度設定を行うことで、
図9に示す温度プロファイルが得られる。この図9に示
す温度プロファイルは、搬送テープ5に温度センサを付
けて炉体2内を毎秒約4mmの速度で流し、計35分間
をかけて搬送テープ5をテープ入口41からテープ出口
42まで搬送させたときの実測値となっている。
【0082】図9に示されるように、搬送テープ5がテ
ープ入口41に入り4分間搬送されると、その温度は約
120℃となる。すなわち、この例で示す炉体2の温度
設定は、120℃の一定温度に炉体2内を設定する例で
あり、第1のブロックの後半位置で、炉体2内は所望
の温度となることを示している。この120℃の所望温
度に対し、第11番目のブロック(11)の前半位置までの
各場所でプラスマイナス5℃以内に納まるような温度プ
ロファイルとなる。
【0083】図9の点線で示す部分は、この位置に遠赤
外線ヒータ75が配置されていない場合を示すもので、
所定温度(この例では120℃)に対し、約12℃の温
度低下が現れている。図9の実線で示されるように、第
2のブロックから第10のブロック(10)までは120
℃の温度に対し、プラスマイナス5℃以内に完全に納ま
る温度プロファイルとなっている。
【0084】このように炉体2内を一定の温度にするた
めには、下段の水平搬送路8の各遠赤外線ヒータ71の
設定温度は、表1に示すように135〜137℃の間に
設定され、中段の水平搬送路9の各遠赤外線ヒータ71
の温度は、下段に比べ約10℃低い値、すなわち122
〜126℃の間に設定される。また、最上段の水平搬送
路10中の各遠赤外線ヒータ71の温度は、中段に比
べ、さらに数度低い値、すなわち117〜120℃に設
定されている。
【0085】なお、水平搬送路8と水平搬送路9のつな
ぎとなる第1の搬送状態変更区域62の遠赤外線ヒータ
75(第4のブロックのもの)の温度設定は、次の第
5のブロックと略同一の124℃とされる。水平搬送
路9と水平搬送路10のつなぎとなる第2の搬送状態変
更区域64の遠赤外線ヒータ75(第8のブロックの
もの)の温度設定は、次の第9のブロックと同一の1
20℃とされている。また、図9に示す温度プロファイ
ルを有する炉体2は、そのバタフライダンパ84の開き
角度が約30度とされ、排出口46からの排気速度が毎
秒0.5mとされている。
【0086】次に、最後の2つのブロック(10)(11)の遠
赤外線ヒータ71の電源をオフにし、ブロックからブ
ロックまでの加熱温度を一定にした例を図10に示
す。この例では、各ブロックにおける設定温度を次の表
2に示すものとしている。
【表2】
【0087】この図10に示す温度プロファイルの場
合、搬送テープ5を毎秒5mmの速度で搬送し、その搬
送テープ5に固定された温度センサで炉体2内を計測し
たものとなっている。テープ入口41から搬送テープ5
が入り、約3分搬送されると約120℃での加熱部とな
る。この炉体2は、125℃の温度で、ブロックから
ブロックまでの搬送テープ5を加熱するようにしたも
ので、ブロックからブロックまでは125℃に対し
てプラスマイナス5℃以内の温度となるようにされてい
る。
【0088】このような温度プロファイルにするため、
水平搬送路8のブロックの設定温度に比べ、水平搬
送路9のブロックの設定温度を低くしている。ま
た、水平搬送路10中のブロックの設定温度をブロッ
クより低くしている。また、第1の搬送状態変更
区域62となるブロックの設定温度を下段側のブロッ
クの設定温度に比べ低く、また第2の搬送状態変更
区域64となるブロックの設定温度を下段側のブロッ
クに比べ低くしている。
【0089】第4のブロックや第8のブロックに遠
赤外線ヒータ75が存在しない場合、その地点で大きく
温度が下降する。しかし、各実施の形態では、図9や図
10に示すように、第4、第8のブロックにおいて
それ以前のブロックに対し温度下降は生じていない。
【0090】次に、最初のブロックの温度を徐々
に上昇するようにし、ブロックからブロック(10)まで
の加熱温度を一定にした例を図11に示す。この例で
は、各ブロックにおける設定温度を次の表3に示すもの
としている。
【表3】
【0091】図11に示す温度プロファイルの場合、搬
送テープ5を毎秒5mmの速度で搬送し、その搬送テー
プ5に固定された温度センサで炉体2内を計測したもの
となっている。テープ入口41から搬送テープ5が導入
され約5分経過すると、その場所での加熱温度は約12
0℃となる。その後、さらに5分間搬送された位置(第
4のブロックの位置)では約140℃となる。この炉
体2は、140℃の温度でブロックからブロック(10)
までの搬送テープ5を加熱するように温度設定されたも
ので、ブロックからブロック(10)までは140℃に対
してプラスマイナス5℃以内にその加熱温度が納められ
ている。
【0092】この図11に示す温度プロファイルでも搬
送状態変更区域62,64に配置される搬送状態変更部
用発熱体14,15の存在によって第4と第8のブロッ
クにおいて温度下降が生じていない。なお、炉体2
内を図10,11に示す温度プロファイルとなるように
する場合、バタフライダンパ84の開き角度を約30度
とし、排出口46からの排気速度を毎秒0.5mとして
いる。
【0093】上述の各実施の形態は、本発明の好適な実
施の形態の例であるが、発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更実施可能である。たとえば、熱源となる加熱手
段としての各ヒータ71,75を遠赤外線ヒータではな
く、単なる赤外線ヒータや電熱ヒータ等他の加熱手段と
しても良い。また、熱板21,22,23や反射板3
1,32,33を設けるのが好ましいが、搬送状態変更
区域62,64での温度下降防止のみの観点から言え
ば、必ずしもそれらを設けなくても良い。また熱板とし
ては、銅材の他に真鍮やアルミニウム材としたり、銅板
やアルミニウム板に樹脂等をコーティングしたものとし
ても良い。さらに、遠赤外線放射材料や黒体輻射に近い
黒色材にしても良い。
【0094】また、搬送状態変更点83の真下に搬送状
態変更部用発熱体14,15を配置するのが好ましい
が、搬送状態変更手段となるキュアガイド6,7から見
て下方位置に配置すれば、温度下降防止の面では従来以
上の効果を発揮する。さらに上述の実施の形態における
搬送状態変更部用発熱体14,15に加え、実開平5−
57846号公報に示されるように、キュアガイド6,
7の真横に配置するヒータを付加したり、キュアガイド
6,7の上方位置に配置するヒータを付加したりしても
良い。
【0095】また、温度プロファイルを図12に示すよ
うなものとしても良い。すなわち、図12(A)では、
テープ入口41から最初のブロックでは急激に温度が
上昇し、ブロックで安定した一定の温度となり、キ
ュアガイド6が配置される部分(ブロック)で温度が
さらに上昇する。そして、中段の水平搬送路9のブロッ
ク、搬送状態変更区域62のブロック、上段の
水平搬送路10のブロック(10)の各ブロックで所定温
度WAで一定となるように各ヒータ71,75が温度設
定されている。この場合も、ブロックの設定温度
よりブロック(10)の設定温度が低くされている。
【0096】さらに、図12(B)では、テープ入口4
1から最初のブロックまでは急激に温度が上昇し、ブ
ロックで所定温度WBに達する。そして、ブロック
では、その所定温度WBとなるように、各ヒー
タ71,75の温度設定がなされている。すなわち、ブ
ロックの設定温度に比べ、ブロックの設定
温度が低くされている。なお、ブロックからブロック
(11)にかけては、徐々に加熱温度が低くなるようにされ
ている。
【0097】さらに、上述の各実施の形態では、キュア
ガイド6,7により搬送方向を180度反転する例を示
したが、中段の搬送路を斜め上方に向かう搬送路とし、
キュアガイド6,7による方向変更を150度程度とし
ても良い。また、3段炉とせず、1段炉、2段炉、4段
炉、5段炉等種々の炉に本発明を適用することができ
る。さらに、キュアガイド6,7の半円を覆うように設
けられる熱板63,65を設けず、搬送テープ5を搬送
状態変更部用発熱体14,15で直接加熱するようにし
ても良い。また、各水平搬送路8,9,10の遠赤外線
ヒータ71の数を増やしたり減らしたりしても良い。た
とえば、各水平搬送路8,9,10について、遠赤外線
ヒータ71の数を8,7,7としたり、4,3,3とし
たりしても良い。また、キュアガイド6,7の位置を工
夫することで遠赤外線ヒータ71の数を各段とも同じ数
としても良い。
【0098】
【発明の効果】本発明の樹脂硬化装置および樹脂硬化方
法によれば、炉体内の下段側の加熱硬化手段の設定温度
に比べ、上段側の加熱硬化手段の設定温度を低くしてい
るので、上段側が高い温度となることを防止できる。ま
た、上段側の温度を制御しやすいものとすることができ
る。これにより、炉体内の温度を各段において一定化さ
せ、加熱温度をフラット化させることが可能となり、炉
長を短くできると共に樹脂の硬化を安定かつ確実に行う
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の樹脂硬化装置の筐体
と炉体の概要断面図と、その一部拡大図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】図1および図2の樹脂硬化装置の詳細構成を示
す図で、前面の表断熱扉を取り外した状態の正面図であ
る。
【図4】図3の上方から見た平面図である。
【図5】図3の左側方から見た側面図である。
【図6】図1から図5に示す樹脂硬化装置に使用される
発熱体となる遠赤外線ヒータを示す図で、(A)は斜視
図で、(B)は正面図で、(C)は(B)の右から見た
側面図である。
【図7】図1から図5に示す樹脂硬化装置に使用される
温度センサとその周辺の構造を示す斜視図である。
【図8】図1から図5に示す樹脂硬化装置に使用される
搬送状態変更部用発熱体とその周辺の構造を示す図で、
(A)は第1の搬送状態変更区域部分を示し、(B)は
第2の搬送状態変更区域部分を示す図である。
【図9】図1から図5に示す樹脂硬化装置の炉体内の温
度プロファイルの1例を示す図である。
【図10】図1から図5に示す樹脂硬化装置の炉体内の
温度プロファイルの他の例を示す図である。
【図11】図1から図5に示す樹脂硬化装置の炉体内の
温度プロファイルのさらに他の例を示す図である。
【図12】図1から図5に示す樹脂硬化装置の炉体内の
温度プロファイルの他の2つの変更例を示す図である。
【図13】従来の樹脂硬化装置中の炉内の温度プロファ
イルを示す図である。
【符号の説明】
1 筐体 2 炉体 3 素子 4 樹脂 5 搬送テープ 6,7 キュアガイド(搬送状態変更手段) 8,9,10 水平搬送路 11,12,13 水平搬送路用発熱体(加熱硬化手段
の一部) 14,15 搬送状態変更部用発熱体(加熱硬化手段の
一部) 21,22,23 熱板(加熱硬化手段の一部であり間
接加熱手段) 31,32,33 反射板(加熱硬化手段の一部であり
間接加熱手段) 41 テープ入口 42 テープ出口 43,44,45 ガス管 46 排出口 47 排気孔 62 第1の搬送状態変更区域 64 第2の搬送状態変更区域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 BB26Z BB93Z CA47 DA04 DC22 4F042 AA22 DB02 DB06 DB19 DC01 DF15 DF26 4F203 AM32 DA12 DB01 DC01 DC07 DC11 DD01 DJ11 DK07 DL01 DM23 DN04 5F061 AA01 BA05 DA16 DB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素子を封止するための樹脂が塗布された
    搬送テープを炉体内に供給するテープ入口と、上記搬送
    テープが水平に移動する複数の水平搬送路と、上記搬送
    テープの送り方向を反転させ上段側の上記水平搬送路に
    上記搬送テープを移行させる搬送状態変更手段と、上記
    炉体内の上記各水平搬送路に配置され上記樹脂を加熱し
    硬化させる複数の加熱硬化手段と、上記搬送テープを上
    記炉体外へ排出するテープ出口とを有する樹脂硬化装置
    において、 上記搬送状態変更手段によって反転させられ上段側へ送
    られた搬送テープを加熱する上記加熱硬化手段の設定温
    度を、搬送テープが反転される前の下段側の上記加熱硬
    化手段の設定温度より低くし、反転後の搬送テープに加
    わる温度を反転前に比べ高くならないようにしたことを
    特徴とする樹脂硬化装置。
  2. 【請求項2】 前記搬送状態変更手段によって反転させ
    られる前後の前記搬送テープを加熱するための炉体内の
    各温度を、共に同一の所定温度に対しプラスマイナス1
    0℃以内に納めるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の樹脂硬化装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱硬化手段として、前記下段およ
    び上段の水平搬送路にそれぞれ配置される水平搬送路用
    発熱体と、前記搬送状態変更手段によって前記搬送テー
    プの搬送が反転される搬送状態変更区域であって前記搬
    送状態変更手段から見て下方位置に配置される搬送状態
    変更部用発熱体とを設け、前記各発熱体によって前記搬
    送テープを加熱することを特徴とする請求項1または2
    記載の樹脂硬化装置。
  4. 【請求項4】 前記下段側の水平搬送路用発熱体の設定
    温度に対し前記搬送状態変更部用発熱体の設定温度を低
    くし、前記下段および上段の各水平搬送路と前記搬送状
    態変更区域の前記搬送テープに加えられる温度を、共に
    同一の所定温度に対しプラスマイナス5℃以内に納める
    ようにしたことを特徴とする請求項3記載の樹脂硬化装
    置。
  5. 【請求項5】 前記搬送テープを折り返すための前記搬
    送状態変更手段を複数設け、かつ前記水平搬送路を上下
    に積み重ねて3段以上とし、前記各水平搬送路と前記各
    搬送状態変更区域のそれぞれで加熱すると共に上段に行
    くほどより低い温度に前記加熱硬化手段の設定温度を設
    定したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項
    記載の樹脂硬化装置。
  6. 【請求項6】 素子を封止するための樹脂が塗布された
    搬送テープを炉体のテープ入口から供給し、上記炉体の
    テープ出口から排出するテープ供給排出工程と、このテ
    ープ供給排出工程中で、上記搬送テープの送り方向を搬
    送状態変更手段で反転させつつ、上記炉体内で上記樹脂
    を加熱硬化手段によって加熱し硬化させる加熱硬化工程
    と、を有する樹脂硬化方法において、 上記搬送状態変更手段によって反転させられ上段側へ送
    られた搬送テープを加熱する上記加熱硬化手段の設定温
    度を、反転される前の搬送テープ用の上記加熱硬化手段
    の設定温度より低くし、反転後の搬送テープに加わる温
    度を反転前に比べ高くならないようにしたことを特徴と
    する樹脂硬化方法。
  7. 【請求項7】 前記搬送状態変更手段によって反転させ
    られる前後の前記搬送テープを加熱するための炉体内の
    各温度を、共に同一の所定温度に対しプラスマイナス1
    0℃以内に納めるようにしたことを特徴とする請求項6
    記載の樹脂硬化方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱硬化工程では、前記搬送テープ
    が水平に移動する水平搬送路に水平搬送路用発熱体を配
    置すると共に上記搬送状態変更手段によって前記搬送テ
    ープの搬送状態が変更される搬送状態変更区域であって
    前記搬送状態変更手段より下方に搬送状態変更部用発熱
    体をさらに配置し、前記各発熱体によって上記搬送テー
    プを加熱することを特徴とする請求項6または7記載の
    樹脂硬化方法。
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