JP2002251062A - 現像剤収納容器及び現像装置 - Google Patents

現像剤収納容器及び現像装置

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JP2002251062A
JP2002251062A JP2002033502A JP2002033502A JP2002251062A JP 2002251062 A JP2002251062 A JP 2002251062A JP 2002033502 A JP2002033502 A JP 2002033502A JP 2002033502 A JP2002033502 A JP 2002033502A JP 2002251062 A JP2002251062 A JP 2002251062A
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toner
cartridge
supply container
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English (en)
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Yutaka Ban
伴  豊
Kazuhiko Komata
一彦 小俣
Akito Kanamori
昭人 金森
Kazuyuki Miyano
和幸 宮野
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤収納容器の装着に際し、シール部材を
容易に取り外し可能とする。 【解決手段】 現像剤を収納する円筒状のトナー補給容
器12と、トナー補給容器12に設けられ現像剤を排出する
開口12aと、開口12aの周囲に取り付けられ開封可能に
シールするシール部材12cとを有し、現像装置の装着部
に着脱可能な現像剤供給容器において、装着動作に伴っ
て装着部の鍔部に係止されるロック突起17c1が設けられ
弾性変形可能な可動レバー17cを有し、ロック突起17c1
が前記鍔部に係止された後、シール部材17cをトナー補
給容器12の引き抜き方向へ引っ張ることにより開口12a
を開封することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は現像剤を使用して画
像を形成する画像形成装置に現像剤を補給するための現
像剤収納容器及び現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機や、レーザービームプリ
ンタ等の画像形成装置は、一様に帯電させた感光体ドラ
ムに選択的な露光をして潜像を形成し、その潜像を現像
剤で現像して現像像を形成し、該現像像を記録媒体に転
写して画像記録を行う。このような装置にあっては、現
像剤がなくなる都度補給しなければならないが、画像形
成装置に現像剤を補給するためのトナーカートリッジ
は、収納した現像剤を画像形成装置本体の現像剤受入容
器に一度に全量補給する、所謂補給型カートリッジと、
画像形成装置本体にカートリッジ装着後、そのまま該カ
ートリッジを据え置き、現像剤を使いきるまで徐々に現
像装置に現像剤を補給する、所謂据え置き型カートリッ
ジとに大別される。
【0003】近年、画像形成装置のコンパクト化を図る
ため、カートリッジは据え置き型が使用される傾向にあ
り、特に円筒状のカートリッジを装着時に回転して該カ
ートリッジの長手方向にスリット状に形成した現像剤排
出開口を下方よりむしろ横方向にし、現像剤攪拌部材に
よって現像剤を汲み上げるように構成したものが多くな
ってきた(例えば特開昭62−86382号、特開昭62−17098
7、実開昭63−62857号、実開昭63−188665号)。
【0004】前記のような構成にする理由は、画像形成
装置のコンパクト化のために現像装置とトナーカートリ
ッジの配置上の自由度を増すと共に、現像剤を過不足な
く補給して現像装置内の現像剤量を常に一定のレベルに
維持させるためである。
【0005】前記画像形成装置にあっては、トナーカー
トリッジ内の攪拌部材として、ステンレスを略クランク
状に屈曲して回転可能とし、これによって現像剤を攪拌
搬送するものや、或いはトナーカートリッジ内に図17に
示すような攪拌翼を回転可能に設け、この回転によって
トナーを送り出すようにしている(例えば特開平3-1318
81号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】トナーカートリッジは
前述したように円筒状であり、その周面にトナー供給開
口が長く形成されている。このようなトナーカートリッ
ジを装置本体に装着するときは、前記開口を封止してい
るシール部材を取り外す必要がある。
【0007】しかし、カートリッジを装置本体に装着す
る前にシール部材を取り外すと、カートリッジ装着に際
してトナーが漏れてしまう。そこで、トナーカートリッ
ジを装置に挿入した後でシール部材を引き抜いて取り外
すとよいが、このとき挿入したカートリッジがシール部
材とともに引き抜かれないようにしなければならない。
【0008】本発明は従来の上記点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、現像剤収納容器の装着に際し、
シール部材を容易に取り外し可能とした現像剤収納容器
及び現像装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る代表的な構成は、現像剤を収納する円筒
部と、前記円筒部に設けられ現像剤を排出する開口と、
前記開口の周囲に取り付けられ開封可能にシールするシ
ール部材と、を有し、現像装置の装着部に着脱可能な現
像剤供給容器において、装着動作に伴い前記装着部に係
止される係止部が設けられ弾性変形可能な可動部を有
し、前記係止部が前記装着部に係止された後、前記シー
ル部材を前記装着部の入口から引き抜くことにより前記
開口を開封することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施形態の説
明として、まず第1実施形態について説明し、次に他の
実施形態について説明し、最後に実験結果を示す。
【0011】《第1実施形態》本発明に係る第1実施形
態を図面を参照して具体的に説明する。ここでは、説明
の順序として、(1)トナーカートリッジを装着する現像
装置を用いる複写機の全体構成、(2)トナーカートリッ
ジの構成、(3)トナーカートリッジの現像装置への装
着、(4)トナーカートリッジから現像装置への現像剤送
り動作、(5)トナーカートリッジの現像装置からの脱着
の順に説明する。
【0012】〔複写機の全体構成〕図1は複写機の全体
構成説明図であり、図2は現像装置の構成説明図であ
る。図1において、1は原稿読取装置であり、原稿台ガ
ラス1aに載置した原稿に対し、照明ランプ1bで光照
射すると共に、ランプ1b及び走査ミラー1cを走査
し、原稿からの反射光を前記ミラー1c及び反射ミラー
1d,1e,1f、更には合焦及び変倍機能を有するレ
ンズ1gを介して像担持体である感光体ドラム2へ照射
して静電潜像を形成する。
【0013】感光体ドラム2は表面に感光層を有し、メ
インモータ3によって画像形成動作に応じて図1の矢印
方向へ回転可能である。この感光体ドラム2の周囲には
帯電装置4、現像装置5、転写装置6及びクリーニング
装置7が配置してある。そして回転する感光体ドラム2
の表面を帯電装置4で一様に帯電すると共に、前記原稿
読取装置1からの露光によって静電潜像を形成し、現像
装置5で前記静電潜像に現像剤(以下『トナー』とい
う)を転移させてトナー像を形成する。
【0014】前記現像装置5は、現像室5a内のトナー
をトナー送り部材5bによって固定磁石を内蔵した現像
スリーブ5cに送り出し、現像スリーブ5cを回転させ
ると共に、現像ブレード5dによって摩擦帯電電荷を付
与したトナー層を現像スリーブ5cの表面に形成し、そ
のトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム2へ転移させ
ることによってトナー像を形成して可視像化するもので
ある。
【0015】そして前記トナー像を搬送装置8で搬送す
る記録媒体9に、転写装置6の電圧印加によって転写す
る。この転写装置6は転写帯電器6aと分離帯電器6b
とを有しており、転写帯電器6aによってトナーと逆極
性の電圧を印加することにより、搬送された記録媒体9
にトナー像を転写し、転写後の記録媒体9に対して分離
帯電器6bで電圧印加して感光体ドラム2から分離す
る。
【0016】トナー像を記録媒体9に転写した後に感光
体ドラム2の表面に残留したトナーは、クリーニングブ
レード7aで掻き落とし、回収トナー溜め7bへ回収す
るクリーニング装置7によって除去する。
【0017】一方、搬送装置8は、装置本体の下方に上
下カセット8a1,8a2が装着してあり、それぞれのカセ
ット8a1,8a2に収容した記録媒体9がピックアップロ
ーラ8b1,8b2によって一枚ずつレジストローラ対8c
へ供給可能となっている。前記カセット8a1,8a2又は
手差しトレイ8dから供給された記録媒体9は、前記感
光体ドラム2による画像形成動作と同期して回転するレ
ジストローラ対8cにより搬送され、転写装置6の位置
で前述したようにトナー像が転写される。
【0018】そして像転写後の記録媒体9を搬送ベルト
8eにより、駆動ローラ10a及びヒータを内蔵した加熱
押圧ローラ10bからなる定着装置10へ搬送し、この定着
手段10で熱及び圧力を印加して転写像を定着し、排出ロ
ーラ対8fによって装置外へ排出する。
【0019】尚、この実施形態に係る複写機は、原稿ガ
ラス1aの上部に原稿自動給送装置11が装着してあり、
複数枚の原稿を自動的に一枚毎に分離給送可能にしてい
る。尚、この原稿自動給送装置11の構成は、公知である
ために具体的な説明は省略する。
【0020】〔トナーカートリッジ〕次に現像剤収納容
器としてのトナーカートリッジCの構成について説明す
る。このトナーカートリッジCは、図2及び図3に示す
ように、カートリッジ装着手段となる現像装置5のカー
トリッジ装着部5eに装着し、そのまま据え置いてトナ
ーを使いきるまで徐々に現像室5aへトナーを補給す
る、所謂据え置き型(ビルトイン)のカートリッジであ
る。
【0021】トナーカートリッジCは図4の部品分解図
に示すように、トナー補給容器12、フランジ13,14、攪
拌部材15、キャップ16及び把手部材17からなる。以下、
各部材について順次説明し、続いて組立て方法について
説明する。
【0022】{トナー補給容器}まずトナー補給容器12
について説明すると、図4に示すように、これは円筒状
部材であり、その長手方向に延びるスリット状のトナー
排出開口12aを設け、円筒両端部には後述するフランジ
13,14の突起と嵌合して位置決めするための切欠12bが
設けてある。
【0023】前記容器12の軸線方向の内法長さとして
は、約 160mm〜 400mmの範囲で設定するのが好ましく、
より好ましくは約 180mm〜 330mm、最も好ましくは約20
0mm〜310mmに設定するのが望ましい。
【0024】前記円筒の内法長さが 160mmよりも短い
と、現像室内に供給されたトナーが現像スリーブ5cの
長手方向端部に充分行きわたらず、白抜け等の画像不良
を発生させ易くなる。一方、円筒の内法長さが400mmを
越える場合には、容器挿入方向の現像装置5の長さが大
きくなり、現像装置5をコンパクト化する上で好ましく
ない。もっとも、前記長さは画像を記録する記録媒体9
のサイズ(A3、A4、B4サイズ等)に応じて適宜変
更することが好ましい。
【0025】また容器12の内法半径としては、約10mm〜
50mmの範囲に設定するのが好ましく、より好ましくは約
15mm〜35mm、最も好ましくは約25mm〜30mmに設定するの
が望ましい。
【0026】容器12の内法半径がが10mmよりも小さい場
合には、容器内に装着される攪拌部材15がトナーをほぐ
す能力、容器内から現像室にトナーを搬出する能力が低
下するために好ましくない。また前記半径が50mmを越え
る場合には、容器内に装着された攪拌部材15のトナー攪
拌時の回転トルクが大きくなるために好ましくない。
【0027】尚、本実施形態では容器12は、その内法半
径55mm、肉厚 0.8mm、円筒の軸線方向の内法長さ 297.5
mm の円筒である。また前記トナー排出開口12aの長手
方向長さはトナー補給容器12の長手方向長さと略等しく
296mmであり、短手方向長さは7mmである。
【0028】前記トナー補給容器12は後述する攪拌部材
15との関係上、円筒の内径精度及び真円度を高精度に出
すことが好ましい。そのために、容器12を構成する材質
としては熱可塑性樹脂が最も好適で、中でもアクリロニ
トリル・スチレン・ブタジエン共重合体(ABS)、ポ
リエステルは、精度が出し易く、且つ比較的安価であ
り、しかも落下衝撃にも強いことから特に好ましく、次
いで耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)も好ましく
利用出来る。尚、熱可塑性樹脂以外には紙やアルミニウ
ム等も利用可能である。
【0029】熱可塑性樹脂で容器12を製造する方法とし
ては、押出成型後にトナー排出開口12aと切欠12bとを
プレス加工によって形成するのが好適で、より好ましく
はコア冷却タイプと呼ばれる内部サイジングを行うこと
で内径精度及び真円度をより高くすることが可能であ
る。更に好ましい製造方法としては、射出成型を利用す
ることが挙げられ、押出成型よりも更に精度が向上し、
フィルム状シール部材のヒートシールやフランジ13,14
のホットメルト接着等の熱履歴によって変形することも
ない。
【0030】射出成型によって製造する場合、特願平5
-64803号に記載の如く、どちらかのフランジと丸筒とを
一体的に成型すれば、部品点数及び組立て工程を減少出
来るので好ましく、成型機としては高速高圧射出成型機
を利用するのがより好ましい。この場合、射出圧力が50
0〜1500kgf/cm2 、樹脂の充填時間は 0.005〜0.02秒程
度が好適である。
【0031】前記トナー補給容器12の開口12aはシール
部材12cで封止される。このシール部材12cはトナーカ
ートリッジCを使用開始するときに、オペレータによっ
て剥離するものである。
【0032】シール部材12cはフィルム状の可撓性シー
トで、例えばポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、
エチレン酢酸ビニル系接着層を積層してなり、厚さ約50
μm〜200μm 程度、より好ましくは 100μm 〜 150μm
程度が好適である。シール部材12cは物流過程における
温湿度変動、気圧変動、振動、落下衝撃等によってもト
ナー漏れの発生を防止するに充分で、しかも引き剥がし
可能な強度でトナー補給容器12に固着する。この引き剥
がし強度は、シール部材12cを180度折り返して長手方
向に引いた場合で、最大値が10kgf 以下、より好ましく
は6kgf 以下、最も好ましくは 4.5kgf 以下とすること
が望ましい。
【0033】シール部材12cを容器12に接着する方法と
しては、熱板溶着、インパルスシール、超音波溶着、高
周波溶着等が利用出来、特に熱板溶着が好ましい。
【0034】シール部材12cの全長は、トナー排出開口
12aの長手方向の長さの2倍以上に設定してあり、前記
開口12aの周囲に固着されていない部分を 180度折り返
して引手とし、粘着剤、ホットメルト接着剤、両面テー
プ等の手段により、シール部材12cの固着部分、トナー
補給容器12、フランジ13、把手部材17のいずれかに軽く
固定する。
【0035】{フランジ}フランジ13,14は前述した筒
状のトナー補給容器12の両端部に取り付けるものであ
り、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体
(ABS)、ポリエステル、或いは耐衝撃性ポリスチレ
ン(HIPS)のような熱可塑性樹脂を射出成型して製
造する。このフランジ13,14は周面にそれぞれ2個の突
起13a1,13a2、14a1,14a2を有し、これらの突起13a1,
13a2、14a1,14a2を前述したトナー補給容器12の切欠12
bに嵌合して位置決めする。
【0036】更に、一方のフランジ13にはトナーを充填
するための充填口13bがあり、その充填口内部には十字
状のリブ13cが形成してあり、その中心には後述する攪
拌部材15を軸支するための軸孔13dが形成してある。
尚、前記充填口13bの口径は、トナー補給容器12の内径
の50%以上、より好ましくは60%以上に設定するのが望
ましい。これはトナー充填時間及び充填効率を向上させ
るためである。
【0037】また他方のフランジ14には攪拌部材15を挿
入するための孔14bが形成してあると共に、この孔14b
の周囲には後述する攪拌部材15のギア部15a2の外周面を
支持するためのリング状鍔部14cが設けてある。そして
鍔部14cの一部にはギア部15a2に設けたリング状リブ15
a3を係止するための爪部14dが設けてある。
【0038】前記フランジ13,14は、シート部材12cを
取り付けたトナー補給容器12の両端に嵌合して結合す
る。この結合方法としては、ホットメルト接着、超音波
溶着、粘着テープ巻き付け等の方法が利用出来、特にホ
ットメルト接着が簡便、且つ充分な密閉性と接着強度が
得られるために好ましい。更にホットメルト接着剤を、
トナー補給容器12の端部内面に塗布する方法がホットメ
ルト接着剤が外側へはみ出すおそれがないために、特に
好ましい。
【0039】尚、フランジ13,14に設けた前記突起13a
1,13a2、14a1,14a2の高さやトナー排出開口12aとの
位置関係等については後述する。
【0040】{攪拌部材}攪拌部材15は、図4及び図5
に示すように、攪拌軸15aと、これに取り付けられる攪
拌翼15bとからなる。
【0041】(攪拌軸)攪拌軸15aは、例えば断面略H
字形状の棒状部材であり、軸方向一方端には前記フラン
ジ13の軸孔13dに嵌入する嵌入部15a1が形成してあり、
他方端には駆動系と連結するギア部15a2が形成してあ
る。このギア部15a2には外周面にリング状のリブ15a3が
設けてある。また軸胴部には数カ所に攪拌翼15bを取り
付けるためのカシメボス15a4が形成してある。
【0042】前記攪拌軸15aは真直度を出すことが重要
であり、このために攪拌軸15aの縦断面形状としては略
H字型、略L字型、略T字型等の反り難い形状にするの
が好ましいが、特に断面略H字型にするのが最も好まし
い。
【0043】攪拌軸15aの材質としては、軸両端の軸支
部分の摺動性と耐クリープ性を考慮すると、ポリアセタ
ール(POM)が最も好ましい。また製造方法として
は、製法の容易性から射出成型が好ましく用いられる。
【0044】(攪拌翼)前記攪拌軸15aに取り付ける攪
拌翼15bは、軸15aから少なくとも2方向以上へ張り出
した翼部を有するものであり、本実施形態では2方向へ
張り出した可撓性の主翼部15b1と補助翼部15b2を有する
ものである。主翼部15b1は軸15aの略全長にわたって端
面を有し、且つ所々にスリット15b3を有する。そして前
記スリット15b3部分と連通して矩形状の孔部15b4を有し
ている。補助翼部15b2は前記スリット15b3に対応する位
置に端面を有する。
【0045】また前記攪拌翼15bの長手方向中央部には
攪拌軸15aのカシメボス15a4が嵌入するカシメ孔部15b5
が複数設けてある。
【0046】前記攪拌翼15bを構成する材質としては、
適度な弾性と耐クリープ性のあるものが利用出来、例え
ばポリウレタンゴムのシートやゴム引き布でもよいが、
特に好ましいのはポリエステル(PET)のフィルムで
ある。そして厚さは約50μm〜500μm 程度が好ましく、
特に好ましくは約 150μm 〜 300μm が好適である。前
記厚さが約50μm よりも薄いと弾性が弱くなってトナー
搬送力が低下し、約500μmよりも厚くなると、弾性が強
くなり過ぎて攪拌翼15bが容器12の内壁に摺擦して回転
するときに大きな回転トルクが必要となる。尚、本実施
形態では厚さを 188μm で構成している。
【0047】攪拌翼15bの加工方法としては、前記のよ
うな材質をプレス加工で打ち抜いて製造するのが高精度
且つ安価であるために好ましい。
【0048】前記の如くして製造した攪拌軸15aと攪拌
翼15bは、カシメボス15a4をカシメ孔部15b5に挿入し、
且つ熱カシメ、或いは超音波カシメによって両者を結合
して一体化する。この攪拌部材15をトナー補給容器12内
に挿入し、両端をフランジ13,14で支持して回転可能に
取り付ける。尚、この攪拌部材15の取り付け方法は後述
する。
【0049】ここで、前記攪拌翼15bの形状について説
明する。攪拌翼15bは攪拌軸15aから少なくとも2方向
以上の方向に張り出していることが好ましく、特に本実
施形態のように2方向に張り出した翼部がそれぞれトナ
ー補給容器12の内壁に摺擦する接線の長さを異ならせる
ようにするのが望ましい。即ち、一方の主翼部15b1は所
々にスリット15b3を設けているものの、攪拌翼15aの略
全長にわたっているので充分な復元力を持ち、高いトナ
ー搬送能力を有する。しかも、主翼部15b1に設けたスリ
ット15b3と矩形孔部15b4のために回転トルクを上昇させ
ることもない。更に前記スリット15b3と孔部15b4の位置
に対応した部分にのみ張り出した補助翼部15b2により、
トナー残量を極めて少なくすることが出来る。このよう
にすることにより、例えば2方向に均等に張り出した翼
部の場合と比較すると、本実施形態の形状にした攪拌翼
15bにあってはトナー搬送能力が高いにも拘わらず、回
転トルクはむしろ小さくなる。
【0050】前記トナー搬送能力の向上及び回転トルク
の低減の観点から、主翼部15b1に設けるスリット15b3の
幅は約 0.5mm〜3mmであることが好ましい。またスリッ
ト相互間の間隔は約20mm〜60mm、より好ましくは約30mm
〜55mmに、最も好ましくは約34mm〜52mmに設定するのが
望ましい。
【0051】前記矩形孔部15b4の回転軸方向の長さは前
記スリット相互間の間隔の約20%〜80%であることが好
ましい。また前記孔部15b4の攪拌軸15aに平行で、該軸
15aに近い方の辺が、略攪拌軸15aに接するように構成
するのが望ましい。
【0052】また送り出すトナー残量を少なくし、且つ
回転トルクを低減する観点から、前記補助翼部15b2の端
面の回転軸方向長さは、スリット15b3の幅よりも約5mm
〜15mm長くなるように設定することが好ましい。
【0053】次に前記攪拌翼15b1,15b2の回転半径方向
の距離について説明する。これはトナー補給容器12aの
内法半径よりも若干長く、回転時に容器12aの内壁を軽
く摺擦しながら回転する。これにより、攪拌翼15b1,15
b2は軽く撓みながら回転し、トナー排出開口12aにおい
て攪拌翼15b1,15b2の弾性で復元して突出したときに、
トナーを弾き飛ばすことによりトナー供給効果を高める
ものである。
【0054】そのために、攪拌部材15の回転中心から翼
部の先端までの距離は、トナー補給容器12の内法半径よ
りも約 0.5mm〜5mm、より好ましくは 1.0mm〜4mm、最
も好ましくは1.5mm〜3mm程度長くなるように構成する
ことか望ましい。
【0055】前記長さが 0.5mmよりも短いと攪拌翼の充
分な復元が望めず、逆に3mmよりも長いとトナー搬送能
力が必要以上に大きくなるために、過剰のトナーを現像
室5aに送り込んでトナーの凝集を発生させるばかり
か、回転トルクも大きくなってしまうために好ましくな
い。
【0056】尚、本実施形態では前述したように、攪拌
軸15aと攪拌翼15bとを個別に構成し、これをカシメに
よって一体化した例を示したが、好ましくは攪拌軸15a
と攪拌翼15bとを射出成型等によって一体的に構成する
のがよい。このようにすれば、部品点数や組立て工程を
減少することが出来るばかりか、回転軸中心から翼部先
端までの長さの精度を出す上でも有利である。
【0057】この場合は、射出成型機は高速高圧射出成
型機を利用するのが好ましく、軸部の肉厚部分と翼部の
肉薄部分を同時に精度よく成型するのに適している。こ
の一体射出成型の場合、射出圧力は約500kgf/cm2 〜150
0kgf/cm2 、樹脂の充填時間は約 0.005秒〜0.02秒程度
が好適である。前記値で攪拌軸15aと攪拌翼15bとが一
体となった攪拌部材15を射出成型してみたが、攪拌翼15
bの部分に波打ち等の不都合は発生しなかった。
【0058】更に好ましい製造方法としては、ガスアシ
スト射出成型機を用いることが挙げられる。この場合は
攪拌軸15aを中空にすることが出来るので、攪拌軸15a
の真直度を出す上で非常に好都合であり、断面形状とし
ては中空の二方取りした円形が最も好ましい。この二方
取りは攪拌翼15bを取り付けるための座面とするためで
ある。
【0059】{キャップ}キャップ16はトナー補給容器
12にトナーを充填した後、フランジ13に設けた充填口13
bを閉塞するものであり、低密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、ポリプロピレン等の材質(好ましくは低
密度ポリエチレン)によって底部を有する円筒状に形成
した部材からなる。
【0060】このキャップ16を充填口13bに圧入するこ
とにより、充填口13bを密閉し、トナー漏れを防止す
る。
【0061】{把手部材}次に把手部材17について説明
すると、これはトナー補給容器12内にトナーを充填した
後、充填口13bを密閉したキャップ16を覆うと共に、ト
ナーカートリッジCを現像装置5に着脱するときの把手
となるものである。その構成は、図4及び把手部材の断
面説明図である図6に示すように、嵌合部17aと把手部
17b及びトナーカートリッジCの回転を阻止するための
ロック手段を構成する可動レバー17cを一体的に構成し
ている。この把手部材17の材質としては、ポリプロピレ
ン(PP)、或いはアクリロニトリル・スチレン・ブタ
ジエン共重合体(ABS)、又は耐衝撃性ポリスチレン
(HIPS)のような熱可塑性樹脂が利用出来るが、そ
の有する弾性力によって可動な可動部であるレバー17c
を有することから、特にポリプロピレンが好ましく用い
られる。
【0062】嵌合部17aは把手部材17をフランジ13に嵌
合する部分であり、筒状に形成されると共に、筒状端部
には前述したフランジ13の突起13a1,13a2と対応した位
置に切欠17a1が設けてあると共に、その内周面の数カ所
(本実施形態では円周方向等間隔で3箇所)に係止爪17
a2が設けてある。この切欠17a1をフランジ13の突起13a
1,13a2に嵌合して位置決めすると共に、係止爪17a2を
フランジ13の外周面に対応して設けた係止凹部13eにハ
メ殺し状態に係止(所謂パッチン止め)することによ
り、把手部材17をフランジ13に嵌合係止する。
【0063】また前記嵌合部17aの内面には数本(特に
限定はないが、4本程度が好ましい)のリブ17a3が設け
てある。このリブ先部における相互間の内径はキャップ
16の外径と略等しく、把手部材17をフランジ13に嵌合す
ると、前記リブ内径部分がキャップ16の外周面を押さえ
るようにしている。更に前記リブ17a3の所定位置には段
部17a4が設けてあり、この段部17a4は把手部材17をフラ
ンジ13に嵌合したときに、図6に示すように、キャップ
16の端部を押さえる位置にある。
【0064】これにより、把手部材17をフランジ13に嵌
合するとキャップ16が完全に隠蔽されると共に、リブ17
a3によって押さえられ、キャップ16が充填口13bから脱
落することが完全に防止される。
【0065】尚、把手部材17をフランジ13に取り付ける
方法としては、前述したパッチン止めに限定する必要は
なく、ホットメルト接着や超音波溶着、圧入嵌合、粘着
テープ巻き付け等の種々の方法が可能である。しかし、
簡便性であることから前述したパッチン止めが特に好ま
しい。またパッチン止めの場合、前述したハメ殺し状態
の係止でなく、着脱可能にするようにしてもよい。
【0066】可動レバー17cは、前記嵌合部17aの一部
に切込みを入れ、嵌合部17aの弾性により上下動可能に
したものであり、所定位置にロック突起17c1を突設して
いる。このロック突起17c1は、後述するようにトナーカ
ートリッジCを現像装置5に回転して装着したときに、
現像装置5の所定位置に係止して画像形成時にトナーカ
ートリッジCの回転を阻止するものである。
【0067】{トナーカートリッジの組立て方法}次に
前述した各部材を組み付け、トナーカートリッジCを組
立てる手順について説明する。
【0068】前述したように、まずトナー補給容器12の
開口12aにシート部材12cを取り付けて前記開口12aを
塞ぎ、このトナー補給容器12の両端部内面にホットメル
ト接着剤を塗布する。そしてフランジ13,14に設けた突
起13a1,13a2、14a1,14a2をトナー補給容器12の切欠12
bに嵌合するように位置合わせし、フランジ13,14をト
ナー補給容器12の両端部に嵌入接着する。
【0069】次に攪拌軸15aに攪拌翼15bを取り付けた
攪拌部材15を、フランジ14の孔14bから差し込んで前記
トナー補給容器12内へ組み付けるわけであるが、攪拌翼
15bは可撓性を有する薄手のものであり、且つ主翼部15
b1の端部から補助翼部15b2の端部までの長さが前記孔14
bの径よりも大きいために、そのままでは差し込み難
い。
【0070】そこで、図7(b)に示すように、フラン
ジ14に治具18を取り付ける。この治具18は、大径孔から
小径孔へ連続した漏斗状の孔18aが穿孔してあり、この
漏斗孔18aの小径部はフランジ14の孔14bと同じ大きさ
に設定してある。そして治具18をフランジ14に取り付け
ると前記小径部と孔14bとが連通する。このため、攪拌
部材15を前記治具18の漏斗孔18aから挿入すると、翼部
15b1,15b2は漏斗孔18aの面に沿って撓み、かつ孔面に
ガイドされながらフランジ14の孔14bにスムーズに挿入
される。
【0071】前記の如くして攪拌部材15をトナー補給容
器12内へ挿入し、攪拌部材15の挿入先端に設けた嵌入部
15a1をフランジ13の軸孔13dに嵌入する。このとき前記
嵌入を容易にするために、図7(b)に示すように、フ
ランジ13に治具19を取り付ける。
【0072】前記治具19は、フランジ13の充填口13bに
嵌入し得る外径を有し、且つ充填口13bに設けた十字リ
ブ13cを避けられるように十字溝(図示せず)が切って
ある。そして治具19の挿入先端には漏斗状の穴19aが形
成してあり、先端部は大径であり、徐々にその穴径が小
さくなり、最小径部は軸孔13dに連続するようになって
いる。このため、トナー補給容器12のフランジ14側から
挿入された攪拌部材先端の嵌入部15a1は、前記漏斗穴19
aにガイドされてスムーズに軸孔13dに嵌入する。
【0073】前記のように嵌入部15a1を軸孔13dに嵌入
した後、攪拌部材15を強く押し込むと、ギア部15a2に設
けたリング状リブ15a3(図4参照)がフランジ14の爪部
14dに係止して(所謂パッチン止め)回転軸方向に移動
不能となり、且つギア部15a2の外周がフランジ14のリン
グ状鍔部14c(図4参照)に支持されて回転半径方向に
移動不能となる。このため、攪拌部材15は両フランジ1
3,14に両端が支持され、ガタツクことなく回転可能と
なる。尚、この攪拌部材15の取り付けに際し、フランジ
14の孔14bと攪拌部材15のギア部15a2の間からトナーが
漏れるのを防止するために、前記間にトナー漏れ防止シ
ールを取り付けておくのが好ましい。
【0074】次に前記治具18,19を取り外し、充填口13
bからトナーを充填する。これは例えば図8に示すよう
に、現像ホッパー30を利用する等によってトナー(本実
施形態では一成分磁性トナー)Tを充填することが出来
る。この現像ホッパー30は、漏斗状の本体30aの上部
に、トナーTを充填するための供給口30bが形成されて
おり、また下端部にはトナーカートリッジCの充填口13
bに適合するアダプタ30cが装着されている。更に本体
30aの内部には、回転自在のオーガ30dが配置され、こ
のオーガ30dの回転を適宜制御することによって、トナ
ーの充填速度を調整する。尚、本体30aの内面等にフッ
素処理を施す等して、摩擦係数を低減させるようにする
と、現像ホッパー30からトナーカートリッジCに対する
トナーの充填効率をよくすることが可能である。このよ
うにしてトナーTを充填した後、その充填口13bにキャ
ップ16を圧入して充填口13bを閉塞する。
【0075】次にフランジ13の突起13a1,13a2と把手部
材17の切欠17a1とを位置合わせし、把手部材17をの嵌合
部17aをフランジ13に圧入すると、嵌合部17aに設けた
係止爪17a2がフランジ13の係止凹部13eに係止して脱落
不能状態に固定される。これによって前述の如くキャッ
プ16が完全に隠蔽されると共に、リブ17a3によってキャ
ップ16が固定される(図6参照)。
【0076】前述の如くして図3に示すようなトナーカ
ートリッジCを組み立てることが出来る。
【0077】〔トナーカートリッジの現像装置への装
着〕前記トナーカートリッジCを、図9に示すように、
現像装置5にのカートリッジ装着部5eに挿入して装着
する。即ち、現像装置5は、図2に示すように、現像室
5a側にトナーカートリッジCを装着するカートリッジ
装着部5eを有しており、この装着部5eと現像室5a
とを開口部5fを介して連通している。そして前記連通
部分には開口部5fを開閉可能なシャッタ部材20を設け
ている。このシャッタ部材20はトナーカートリッジCの
着脱に伴って回動する。
【0078】次に前記シャッタ部材20の構成及びトナー
カートリッジCの装着手順について説明する。
【0079】{シャッタ部材}シャッタ部材20はトナー
カートリッジCを装着部5eに装着していないときは、
図10(a)に示すように、開口部5fを閉鎖して現像室
5aから装着部5e側へトナーが逆流しないようにす
る。尚、この閉鎖状態にあっては、シャッタ部材20はカ
ートリッジ装着部5eの内天面に取り付けたバネ部材29
によって押さえされ、ずり落ちが防止されている。
【0080】またトナーカートリッジCを装着部5eに
装着したときは、シャッタ部材20が回転し、図10(b)
に示すように、開口部5fを開放してトナーカートリッ
ジCから現像室5aへトナーを補給可能にするものであ
る。
【0081】このシャッタ部材20は、図11に示すよう
に、トナー補給容器12の周面形状に沿った半円筒面の一
部に開口20aを有している。そして開口20aの形状及び
大きさは、トナー補給容器12のトナー排出開口12aと略
同一又はシャッタ部材20の開口20aの方が若干大きい。
このシャッタ部材20はSUS等の板金を打ち抜き、曲げ
加工したものが好ましく用いられ、開口20aの内周囲に
はトナー漏れを防止するためにシール部材20bを取り付
けている(図10参照)。このシール部材20bは弾性体で
あることが好ましく、ポリエステルシートやポリウレタ
ンの発泡体等がより好ましく用いられる。装着部5eに
トナーカートリッジCを挿入すると、前記シール部材20
bがトナーカートリッジCの外側面に当接してシャッタ
部材20とトナーカートリッジCの間からトナーが漏れる
のを防止する。また図10に示すように、現像室5aの開
口5f周囲とシャッタ部材20との間にも前記と同様なシ
ール部材21を設け、両者間からのトナー漏れを防止して
いる。
【0082】{トナーカートリッジの装着手順}次にオ
ペレータが前述したトナーカートリッジCを現像装置5
へ装着する手順について説明する。まずトナーカートリ
ッジCを装着する概略手順を図12を参照して説明する
と、装着する場合には複写機のサイドカバー22を開け
(図12(a))、使用済みトナーカートリッジCを抜き
取った後、現像装置5のカートリッジ装着部5eに新し
いトナーカートリッジCのトナー排出開口12cが上方を
向くようにして挿入する(図12(b))。次に前記トナ
ー排出開口12aを塞いでいるシール部材12cを引き抜い
た後(図12(c))、トナー排出開口12aの位置が現像
装置5の開口部5fと一致するように、トナーカートリ
ッジCを略90度回転してセットする(図12(d)。この
ときトナーカートリッジCは、後述するように攪拌部材
15の回転につれ回りしないようにロックされる。そして
前記サイドカバー22を閉じてトナーカートリッジCの装
着を完了する(図12(e))。
【0083】尚、トナーカートリッジCを脱着する場合
には、可動レバー17cを操作して前記ロックを解除し
(図12(f))、前記装着する場合と逆に操作して現像
装置5から取り外すことが出来る。
【0084】次に前記手順に従ってオペレータがトナー
カートリッジCを現像装置5へ装着するときの、各部の
作用について説明する。
【0085】トナーカートリッジCをカートリッジ装着
部5eに挿入する場合、装着部5eの挿入側端部には、
図13(a)(b)に示すように、フランジ14に設けた突
起14a1,14a2と対応する位置に2個の溝23a,23cが設
けてあり、両者が一致しないとトナーカートリッジCを
挿入出来ないようになっている。フランジ13にも突起13
a1,13a2が設けてあるが、その角度位置は突起14a1,14
a2に合わせ、且つ対応する突起13a1,13a2をそれぞれ同
一形状か、または突起13a1,13a2を小さくしてあるため
に、フランジ突起13a1,13a2も前記溝23a,23bに自動
的に挿入可能である。尚、前記溝23aとフランジ突起14
a1の形状を、トナーカートリッジCの種類(トナーの種
類等により使用する現像装置が異なる)毎に変えておく
ことにより、種類の異なるトナーカートリッジCを誤っ
て装着してしまうことを防止することが出来る。
【0086】前記2個のフランジ突起14a1,14a2は大き
さを違えてあり、且つ 180度反対の位置に来ないように
配設してあるので、トナーカートリッジCの挿入角度は
一義的に決定される。そしてトナーカートリッジCの挿
入時にはトナー排出開口12aが略上方を向くように構成
している。これは、トナーカートリッジCの着脱時にト
ナーが飛散するのを防止するためで、特に使用済みトナ
ーカートリッジCを引き出した際に、内部に残留した微
量のトナーがこぼれて飛散しないようにするためであ
る。
【0087】そして図13(a)に示すように、カートリ
ッジ装着部5eの内面には、カートリッジ挿入方向に平
行なガイドレール24が設けてあり、フランジ突起14a1は
これに沿って挿入されていく。従って、オペレータがト
ナーカートリッジCを所定位置まで挿入しきらないと、
トナーカートリッジCを装着方向(図13(b)の矢印方
向)に回転させることは出来ない。このガイドレール24
は、図13(a)に示すように、カートリッジ装着部5e
の挿入前部及び奥部において途切れており、トナーカー
トリッジCを所定位置まで挿入しきると、フランジ突起
14a1が前記ガイドレール24から外れると共に、フランジ
13の突起13a2が溝23bから外れ、トナーカートリッジC
を装着方向に回転させることが出来るようになる。
【0088】またカートリッジ装着部5eのカートリッ
ジ挿入側縁部には、図13(a)に示すように、鍔部25が
設けてある。そしてオペレータが前記のようにしてトナ
ーカートリッジCをカートリッジ装着部5eに挿入しき
ると、図14(a)示すように、可動レバー17cが弾性変
形してロック突起17c1が前記鍔部25を乗り越える。これ
により、オペレータがシール部材12cの端部12c1を掴ん
でトナー排出開口12aを覆っているシール部材12cを引
き抜くときでも、前記のように係止部としてのロック突
起17c1が被係止部としての鍔部25に係止するために、ト
ナーカートリッジCがシール部材12cの引き抜きに連れ
てカートリッジ装着部5eから引き抜かれてしまうこと
はない。
【0089】またトナーカートリッジCを完全に挿入し
終えると、図11に示すように、シャッタ部材20とはトナ
ー排出開口12aとシャッタ開口20aとが連通した状態と
なり、しかもフランジ突起13a1,13a2、14a1,14a2がそ
れぞれシャッタ部材20の4隅を挟み込むようにしてシャ
ッタ部材20の両端部と係合する。これにより、トナーカ
ートリッジCの回転によってシャッタ部材20が一体的に
回転可能となる。
【0090】ここで、トナー排出開口12aのシール部材
12cを引き剥がすが、トナーカートリッジCは完全にカ
ートリッジ装着部5e内に収まっているために、トナー
が飛散したり、こぼれ出てくることはない。特に従来ト
ナーカートリッジ内でのトナーの長手方向における偏り
を解消するために、トナーカートリッジを振るというこ
とが一般的に行われているが、このようにトナー補給容
器12内のトナーが充分に空気を含んで容器内のトナー嵩
密度が低下し、流動性が高いトナーカートリッジにあっ
ては、本実施形態のように構成するとトナー飛散防止の
効果が顕著である。
【0091】さて、オペレータは前記シール部材12cを
引き剥がしてトナーカートリッジCを開封したら、次に
トナーカートリッジCを回転し、トナー排出開口12aを
所定の向きにする。本実施形態では現像装置5の開口5
fがトナーカートリッジCの略真横にあるため、トナー
排出開口12aは略水平方向を向かせる。前述したよう
に、トナーカートリッジCのフランジ突起13a1,13a2、
14a1,14a2によってシャッタ部材20を挟み込むように係
合しているために、トナーカートリッジCの把手部17b
を持って回転させるとシャッタ部材20が従動して一体的
に回転する。このときトナーカートリッジCの外面とシ
ャッタ部材20の間、及び現像室5aとシャッタ部材20の
間はシール部材20b,21によって密着性が保持されてい
る。
【0092】尚、前記トナーカートリッジCを回転して
いるときは、図13(a)に示すように、フランジ13の突
起13a2がカートリッジ装着部5eに設けた段部26に係止
しているために、回転途中でトナーカートリッジCを引
き抜こうとしても、前記突起13a2が段部26に規制されて
引き抜くことは出来ない。
【0093】ここで、本実施形態におけるトナーカート
リッジCのフランジ突起と、トナー排出開口12aとの関
係について説明する。まずフランジ突起はトナー排出開
口12aの長手方向延長線上から外れた位置にあれば、少
なくともフランジ13,14のどちらか一方のみに設けてあ
る場合でもシャッタ部材20を回転させることは可能であ
る。しかし、シャッタ部材20の開閉に伴う作用力をシャ
ッタ部材20及びトナーカートリッジCの回転軸方向両端
部に略均等に分散することでトナーカートリッジCの変
形を少なくし、シャッタ部材20の開閉の移動をよりスム
ーズにするには、前記フランジ突起がトナーカートリッ
ジCの回転軸方向両端に少なくとも1つずつ設けてある
方が好ましく、更には本実施形態のようにトナーカート
リッジCの軸方向両端部にトナー排出開口12aの延長線
を挟むようにして対向する位置に開操作用と閉操作用そ
れぞれ2つの突起13a1,13a2、14a1,14a2を設けている
のがより好ましい。
【0094】また前記突起13a1,13a2、14a1,14a2は、
トナー補給容器12上に該容器12と一体的に成型若しくは
別部材として溶着、接着等してもよいが、強度的、コス
ト的な観点からすれば、本実施形態のようにトナー補給
容器12の軸方向両端に取り付けるフランジ13,14に一体
的に成型してある方がより好ましい。
【0095】更にフランジ突起13a1,13a2、14a1,14a2
のトナー排出開口12a側の端部は、シャッタ部材20の開
閉動作時に、該シャッタ部材20と係合する部位であり、
シャッタ開閉の作用力が最もかかるところである。その
ため、その係合面にかかる作用力の分力が、トナー補給
容器12の筒の中心線から離れる方向に作用する分力及び
筒の中心に向かって作用する分力は、可能な限り小さい
ことが好ましい。そのために、前記フランジ突起13a1,
13a2、14a1,14a2のトナー排出開口12a側の側端は、該
部分の円筒の外周面接線に対して略垂直であることが好
ましい。
【0096】また突起13a1,13a2、14a1,14a2の高さ
は、シャッタ部材20と確実に係合し、シャッタ部材20を
開閉させるため、トナー補給容器12の外周面よりも約2
mm〜10mmの範囲で突出していることが好ましく、4mm〜
6mmであればより好ましい。この突出量が2mmよりも小
さいと、係合部のかかり量が少なく、シャッタ部材20の
開閉時にシャッタ部材20の係合部が突起13a1,13a2,14
a1,14a2に乗り上げ作動不良を起こし易くなる。逆に前
記突出量が10mmよりも大きいと、現像装置5のカートリ
ッジ装着部5eのコンパクト化の妨げとなって好ましく
ない。
【0097】次に前記トナー排出開口12aと、該開口12
aを挟んで対向して設けられた突起13a1,13a2(第1の
突起)及び14a1,14a2(第2の突起)との筒周方向の位
置関係は、図15に示すように、トナー補給容器12の円筒
中心とトナー排出開口12aの長手方向の中心c1とを結ん
だ直線と、円筒中心とシャッタ部材開操作用の突起13a
1,14a1のトナー排出開口側の側端とを結んだ直線との
なす角度をθ1、トナー補給容器12の円筒中心とトナー
排出開口12aの長手方向の中心c1とを結んだ直線と、円
筒中心とシャッタ部材閉操作用の突起13a2,14a2のトナ
ー排出開口側の側端とを結んだ直線とのなす角度をθ2
とした場合、角度θ1 は約20度〜90度の範囲に、より好
ましくは約30度〜50度、最も好ましくは約40度〜50度に
設定するのが望ましい。また前記角度θ2は約70度〜 16
0度の範囲に、より好ましくは約 105度〜 130度、最も
好ましくは約 110度〜 120度に設定するのが望ましい
(尚、本実施形態では前記角度θ1を45±1度、θ2
115±1度に設定している)。
【0098】前記角度θ1 が20度、θ2 が70度よりも小
さいと、剛性の弱いトナー補給容器12のトナー排出開口
12aに突起13a1,13a2、14a1,14a2が近くなるため、シ
ャッタ部材20の開閉動作中にトナー排出開口12aの変形
が生じ易くなると共に、シャッタ開口20aの周囲に付設
するシール部材20bを設けるスペースが得られなくなっ
てしまうので好ましくない。また前記角度θ1が90度、
θ2 が 160度よりも大きいと、シャッタ部材20の周方向
長さが必然的に長くなり、シャッタ部材20の開閉に伴う
操作力が不要に大きくなってしまうために好ましくな
い。
【0099】尚、本実施形態にあっては前述のようにト
ナー補給容器12の長手方向両端にそれぞれ一対のシャッ
タ部材開操作用の突起13a1,14a1及びシャッタ部材閉操
作用の突起13a2,14a2を設けたが、前記突起をトナー補
給容器12の長手方向一方端にのみ設けた場合は、前記場
合と同様の理由により、トナー排出開口12aを挟んで対
向した突起の位置は、円筒の中心とトナー排出開口12a
の長手方向の中心とを結んだ直線と、円筒の中心と前記
突起のトナー排出開口12a側の側端とを結んだ直線との
なす角度が約20度〜160度の範囲に設定することが望ま
しい。
【0100】さて、カートリッジ装着部5eに挿入した
トナーカートリッジCを、装着方向に回転すると、前記
のようにシャッタ閉操作用のフランジ突起13a1,14a1が
シャッタ部材20に係止してカートリッジCとシャッタ部
材20とが一体的に回転する。この回転は、図13(a)に
示すように、フランジ突起13a2,14a2がカートリッジ装
着部5eに設けた段部27に突き当たった時点で規制され
る。このときトナー補給容器12及びシャッタ部材20の開
口12a,20aは略水平方向を向き、現像装置5の開口部
5fと連通する(図10(b)参照)。
【0101】このように、トナー補給容器12を回転規制
位置まで回転すると、図14(b),(c)に示すよう
に、可動レバー17cが弾性変形し、ロック突起17c1がカ
ートリッジ装着部5eに設けた鍔部25の端部25aを乗り
越えて該端部に自動的に係止してロックする。これによ
り、トナーカートリッジCを図14(b)において時計回
り方向に回転しようとしても、前記ロック突起17c1が鍔
部端部に係止しているために、回転が規制される。
【0102】尚、前記ロック突起17c1はトナーカートリ
ッジCを装着方向に回転したときに前記端部25aを乗り
越え易いように、前記回転方向へ傾斜した傾斜面17c2が
形成してある。このために可動レバー17cを押さえなく
ても、トナーカートリッジCを装着方向に回転させ、ロ
ック突起17c1が鍔部端部25aに当接すると前記傾斜面17
c2に沿って可動レバー17cが弾性変形し、ロック突起17
c1が端部25aを乗り越える。そして乗り越えた時点で可
動レバー17cが弾性復帰して自動的に係止する。このと
きのクリック感により、オペレータはトナーカートリッ
ジCが確実にロックされたことを知ることが出来る。
【0103】前記トナーカートリッジCの装着により、
図13(a)に示すように、攪拌部材15のギア部15a2が装
置本体側の駆動ギア28と連結し、駆動回転可能となる。
【0104】〔トナー送り動作〕前述の如くしてトナー
カートリッジCを現像装置5に装着して画像形成を行う
が、次に画像形成時におけるトナーカートリッジC内の
トナー送り動作について説明する。
【0105】画像形成時には攪拌部材15に駆動力が伝達
され、該部材15が図10(b)の時計回り方向に、例えば
10.2rpm の速度で回転する。これによってトナー補給容
器12内のトナーは、攪拌翼15bによって充分に攪拌、均
一化され、且つ適度に帯電を付与されながらトナー排出
開口12a、シャッタ開口20a、現像装置開口部5fを通
って現像装置5の現像室5aに送られる。このときトナ
ー排出開口12aが略水平方向を向いているために、一度
に大量の未攪拌、未帯電のトナーが現像装置5へ殺到す
るようなことはない。そして現像が進行していくと、ト
ナー補給容器12内のトナーは減少していくが、攪拌部材
15によるトナー送り出し力が充分であるために、現像装
置5の現像室5a内のトナーは常に一定量に保たれる。
【0106】これは攪拌翼15bが弾性体であって、しか
も攪拌翼15bの回転半径がトナー補給容器の筒半径より
も若干長く、翼先端がトナー排出開口12aから僅かに外
へ飛び出すように構成されているためである。即ち、攪
拌翼15bは容器12の内壁に摺擦しながら回転していると
きに撓んで付勢された状態だったものが、トナー排出開
口12aにさしかかると、攪拌翼15bの弾性で復元する際
に、トナーを跳ね飛ばすようにしてトナーを現像装置5
へ送り込むためである。
【0107】前記トナー跳ね飛ばし作用は、トナー補給
容器12内にトナー量が多いときは、多量のトナーが抵抗
となるために顕著ではなく、過剰のトナーを現像装置5
へ送り込んでトナーの凝集と、これに起因する画像不良
の発生を防止する。しかも、攪拌翼15bが撓むので、回
転トルクの上昇が防止される。一方、トナー補給容器12
内のトナー量が少なくなるに従って、攪拌翼15bの復元
動作がスムーズに行われるようになり、高いトナー送り
込み力が発揮される。
【0108】これにより、トナー補給容器12内のトナー
は殆ど残ることなく現像装置5へ送り込むことが出来
る。また前記攪拌翼15bが容器内壁に摺擦するために、
トナーの粗粒発生が防止される。
【0109】尚、前述したように攪拌翼15bがトナー補
給容器12の内壁に摺擦しながら回転するために、攪拌部
材15の回転にトナーカートリッジCがつれ回りすること
が考えられるが、本実施形態にあっては前述したよう
に、ロック突起17c1がカートリッジ装着部5eの鍔部25
に係止しているために(図14(b),(c)参照)、ト
ナーカートリッジCがつれ回りすることなく、トナー排
出開口12aの位置(特に下側縁の角度位置)が常に安定
的に保証され、トナー供給量及び画像品質の安定化が保
証される。
【0110】尚、前記トナーカートリッジCを装着した
状態において、トナー排出開口12aの下側縁がトナー補
給容器12の円筒軸線に対して水平方向を0度とした場
合、±10度の角度範囲に、より好ましくは±5度の角度
範囲にあるように設定するのが好ましい。本実施形態で
は前記角度が−3.6度となるように設定している。
【0111】〔現像装置からのトナーカートリッジの脱
着〕次に前記トナーカートリッジCを現像装置5から取
り外す場合には、図14(b),(c)に示す状態から、
オペレータが把手部材17に設けた可動レバー17cを把手
部17b側へ押し下げ、ロック突起17c1と鍔部25の端部25
aとの係止状態を解除しながらトナーカートリッジCを
時計回り方向に回転し(シャッタ部材20も一体的に回転
する)、トナー排出開口12aが上向きの状態に戻した
後、トナーカートリッジCをカートリッジ装着部5eか
ら引き抜く。このとき、トナーカートリッジCの装着時
と逆に、トナー排出開口12aが上向きになるまで回転さ
せないと、トナーカートリッジCを引き抜けないように
なっている。
【0112】前記トナーカートリッジCは装着、使用、
脱着のすべての過程を通じ、トナー補給容器12aの外面
とシャッタ部材20とは密着した状態にあり、シール性が
維持される。従って、現像装置5から取り外した使用済
みトナーカートリッジCの外面にトナーの付着はなく、
オペレータが手や衣服をトナーで汚すことなく、使用済
みのトナーカートリッジCを処分することが出来る。更
に、前述したように、攪拌部材15の高いトナー送り込み
力により、使用済みカートリッジC中に残留したトナー
の量も極めて少ないために、使用済みカートリッジCを
処分する過程においても、トナーがこぼれたり、飛散し
たりすることがない。
【0113】《他の実施形態》次に他の実施形態につい
て説明する。まず攪拌部材15の他例を図16に示す。尚、
前述した第1実施形態と同一機能を有する部分は同一符
号を付して説明を援用する。図16に示す実施形態にあっ
ては、主翼部15b1及び補助翼部15b2が途中から攪拌部材
15の回転方向に対して下流側へ屈曲している。この形状
の場合、翼部の先端側の部分がトナーに対して斜めに向
かっていくので、攪拌部材15の回転トルクをより低くす
る効果がある。
【0114】更に前記形状の攪拌部材15の場合、攪拌翼
先端がトナー排出開口12aにさしかかり、翼部の弾性が
開放されてトナーを跳ね飛ばす際に、トナーを水平方向
に送り込む力の成分が増加し、トナーをトナー補給容器
12の底部よりトナー排出開口12aまで汲み上げるのみな
らず、トナー排出開口12aから現像装置5へと送り込む
力が増強される。
【0115】従って、現像室5aとカートリッジ装着部
5eとが略水平に並んでいるコンパクトな現像装置にお
いては、攪拌翼15bを前記の如く構成するのが有効であ
る。また前記のように、攪拌翼15bを途中で屈曲させる
と、攪拌翼先端とトナー補給容器12の内壁面との接触角
が、前述した第1実施形態の場合と比較して小さくなる
ために、トナーの粗粒もより発生し難くなる。
【0116】ここで、攪拌翼15bを前記のように途中か
ら屈曲する場合、前述したトナー送り込み力の増加及び
回転トルクの減少の観点から、その屈曲角度は約0度〜
90度に、より好ましくは約20度〜90度に、最も好ましく
は約40度〜90度に設定するのが望ましい。また前記屈曲
した翼部の屈曲部が、翼部の回転径方向全長の回転軸か
ら約50%〜95%、より好ましくは約60%〜90%、最も好
ましくは約70%〜80%の位置となるように構成するのが
望ましい。
【0117】また前記現像装置5によってトナー像を形
成する像担持体としては、前述した第1実施形態の感光
体ドラムに限定されることなく、例えば次のものが含ま
れる。まず感光体としては光導電体が用いられ、光導電
体としては例えばアモルファスシリコン、アモルファス
セレン、酸化亜鉛、酸化チタン及び有機光導電体(OP
C)等が含まれる。また前記感光体を搭載する形状とし
ては、例えばドラム状、ベルト状等の回転体及びシート
状等が含まれる。尚、一般的にはドラム状又はベルト状
のものが用いられており、例えばドラムタイプの感光体
にあっては、アルミ合金等のシリンダー上に光導電体を
蒸着又は塗工等を行ったものである。
【0118】更に前述した第1実施形態では、現像装置
5を用いた画像形成装置として複写機を例示したが、ト
ナーを使用して画像を形成する装置であれば、前記複写
機に限定する必要はなく、例えばレーザービームプリン
タやLEDプリンタ、ファクシミリ装置等であっても本
発明を適用することが可能であることはいうまでもな
い。
【0119】《実験結果》 〔実験−1〕前述した第1実施形態で示したトナーカー
トリッジCを用い、内径55mm、内法全長322.5mm の円筒
状のトナー補給容器12に図5に示すような攪拌部材15を
セットし、これに一成分トナーを380g充填して図2に
示すような現像装置5に装着して画出しテストを行っ
た。攪拌部材15の回転数は10.2rpm とした。A4サイズ
の5.24%原稿を使用し間欠耐久モードで画出しをしなが
ら、現像室5a内のトナー量とトナー補給容器12内のト
ナー量とを測定した。
【0120】ここで現像室5a内のスペースから、現像
装置内のトナー量は約100gが適正量である。画出し当初
は現像室5a内は空であるため、トナー補給容器12から
現像室5aへトナーがどんどん供給され、比較的急激に
現像室5a内のトナー量は増加するが、約100gに達す
ると飽和して一定値を保つようになった。
【0121】こうして画出しの進行とともにトナー補給
容器12内のトナー量は減少する一方であるが、それにも
関わらず現像室5a内のトナー量はずっと 100g前後に
維持された。やがてトナー補給容器12内のトナーをほぼ
全部使い切ると、現像室5a内のトナー量も減りはじめ
た。
【0122】現像室内に配設されたトナー量検出手段
は、現像室内のトナー量が70g以下になると作動するよ
うに設定してあるため、やがて現像室内のトナー量が70
g以下となったときにトナー補給容器12の交換を促す表
示を出した。この時までに約7000枚の画出しが行われて
いた。
【0123】現像室5a内のトナー量として70gは、た
とえベタ黒であっても良好な画像が得られるのに充分な
量であり、なおかつ新しいトナーカートリッジCに交換
して新しいトナーが入ってきても、自己コンタミによる
反転カブリの発生しない充分な量である。
【0124】こうして画出しを終了したトナー補給容器
12中のトナー残量を調べたところ、3〜5gの極めて低
いレベルであった。
【0125】同様のテストをA4サイズの25%原稿を使
って行ったところ、約1500枚の画出しをした時点でトナ
ー量検出手段が作動した。このときトナー補給容器12内
のトナー残量は5〜10gであった。
【0126】トナー残量と汚れの関係は、トナー補給容
器12の形状、特にトナー排出開口12aの大きさにより左
右されるが、前述した実施形態のごとく、トナー排出開
口12aが7mmと狭い場合には10g程度までのトナー残量
であれば、廃棄処理の過程でトナーがこぼれたり飛散し
たりするようなことはまずない。
【0127】〔実験−2〕前記実験−1と同様のトナー
補給容器12に 380gのトナーを充填し、トナー排出開口
12aを開封しない状態で攪拌部材15を10.2rpmの速さで1
0時間連続して回転させた。
【0128】前記10時間連続回転は7000枚の画出しに相
当するものである。このとき回転トルクの測定を続けた
が、初期に僅かに低下した後は一定レベルを保ち続け、
上昇するようなことはなかった。
【0129】更に10時間回転終了後に、トナー補給容器
12内のトナーを取り出して150mesh(100 μm )の目開
きの篩い網に通したところ、網上に残留する粗粒の発生
はなかった。尚、このトナーの重量平均粒径は7.6μm
であった。
【0130】〔実験−3〕図17に示す従来例の攪拌部材
を前述した第1実施形態と同一のトナー補給容器12に組
み込んで同様の実験を行った。この攪拌部材50は、回転
軸51の一方側に弾性体からなる保持部材52を介してトナ
ー送り羽根53を設け、このトナー送り羽根53の回転半径
方向に延びたスリット54を設けたものであり、トナー送
り羽根53の回転半径は円筒55の内半径と同一にしたもの
である。
【0131】その結果A4サイズ4%原稿の場合、6300
枚の画出し後にトナー量検出手段が作動し、この時のト
ナー補給容器内のトナー残量は10〜20gであった。
【0132】同様にA4サイズ15%原稿の場合には、20
〜35g ものトナーが容器内に残留した。この状態だとト
ナー補給容器を僅かに傾けただけでもトナーの飛散が発
生した。
【0133】そこで攪拌部材の回転数を31.2rpm に上げ
たところ、トナー残量は減少したが、前記実験−2と同
様のを実施したところ、微量の粗粒(100 μm 以上)の
発生が認められた。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にあっては
シール部材を装着部の入口から引き抜くことにより開口
を開封する動作に伴って現像剤供給容器が装着部より引
き抜かれてしまうのを簡単な構成で防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機の全体構成説明図である。
【図2】現像装置の構成説明図である。
【図3】トナーカートリッジの斜視説明図である。
【図4】トナーカートリッジの部品分解説明図である。
【図5】攪拌部材の説明図である。
【図6】把手部材を取り付けた部分の断面説明図であ
る。
【図7】トナー補給容器に攪拌部材を組み付ける説明図
である。
【図8】トナーを充填する説明図である。
【図9】現像装置とトナーカートリッジの斜視説明図で
ある。
【図10】(a)はトナーカートリッジを装着部に挿入
した状態説明図、(b)は挿入したトナーカートリッジ
を回転して使用可能状態にした状態説明図である。
【図11】シャッタ部材とトナーカートリッジの突起と
の係止状態の説明図である。
【図12】トナーカートリッジの装着手順を示す説明図
である。
【図13】トナーカートリッジとカートリッジ装着部の
関係説明図である。
【図14】(a)はトナーカートリッジをカートリッジ
装着部に挿入した状態説明図、(b),(c)はトナー
カートリッジをカートリッジ装着部にロックした状態説
明図である。
【図15】トナー排出開口とフランジ突起の位置関係を
示す説明図である。
【図16】攪拌部材の他の実施形態の説明図である。
【図17】実験に用いた従来例の攪拌部材の説明図であ
る。
【符号の説明】
1…原稿読取装置、1a…原稿台ガラス、1b…照明ラ
ンプ、1c〜1f…ミラー、1g…レンズ、2…感光体
ドラム、3…メインモータ、4…帯電装置、5…現像装
置、5a…トナー収容部、5b…トナー送り部材、5c
…現像スリーブ、5d…現像ブレード、5e…カートリ
ッジ装着部、5f…開口部、6…転写装置、6a…転写
帯電器、6b…分離帯電器、7…クリーニング手段、7
a…クリーニングブレード、7b…回収トナー溜め、8
…搬送装置、8a1,8a2…カセット、8b1,8b2…ピッ
クアップローラ、8c…レジストローラ、8d…手差し
トレイ、8e…搬送ベルト、8f…排出ローラ、9…記
録媒体、10…定着装置、10a…駆動ローラ、10b…加熱
押圧ローラ、11…原稿自動給送装置、12…トナー補給容
器、12a…トナー排出開口、12b…切欠、12c…シール
部材、12c1…端部、13…フランジ、13a1,13a2…突起、
13b…充填口、13c…リブ、13d…軸孔、13e…係止凹
部、14…フランジ、14a1,14a2…突起、14b…孔、14c
…リング状鍔部、14d…爪部、15…攪拌部材、15a…攪
拌軸、15a1…嵌入部、15a2…ギア部、15a3…リング状リ
ブ、15a4…カシメボス、15b…攪拌翼、15b1…主翼部、
15b2…補助翼部、15b3…スリット、15b4…孔部、15b5…
カシメ孔部、16…キャップ、17…把手部材、17a…嵌合
部、17a1…切欠、17a2…係止爪、17a3…リブ、17a4…段
部、17b…把手部、17c…可動レバー、17c1…ロック突
起、17c2…傾斜面、18…治具、18a…漏斗孔、19…治
具、19a…漏斗穴、20…シャッタ部材、20a…開口、20
b…シール部材、21…シール部材、22…サイドカバー、
23a,23b…溝、24…ガイドレール、25…鍔部、25a…
端部、26…段部、27…段部、28…ギア、29…バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金森 昭人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮野 和幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AA03 AA05 AA06 AA09 AA35 AB03 AB06 AB07 AD06 AD13 AE03 EA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤を収納する円筒部と、前記円筒部
    に設けられ現像剤を排出する開口と、前記開口の周囲に
    取り付けられ開封可能にシールするシール部材と、を有
    し、現像装置の装着部に着脱可能な現像剤供給容器にお
    いて、 装着動作に伴い前記装着部に係止される係止部が設けら
    れ弾性変形可能な可動部を有し、前記係止部が前記装着
    部に係止された後、前記シール部材を前記装着部の入口
    から引き抜くことにより前記開口を開封することを特徴
    とする現像剤供給容器。
  2. 【請求項2】 前記装着部に装着された前記円筒部を回
    動させて前記開口が略上方を向いた状態から略水平を向
    いた状態にすることにより前記開口から前記現像装置へ
    現像剤を供給可能な状態とする前に、前記開口の開封を
    行うことを特徴とする請求項1記載の現像剤供給容器。
  3. 【請求項3】 前記可動部を弾性変形させて前記係止部
    と前記装着部との係止状態を解除することによって前記
    円筒部を引き抜き可能な状態とすることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の現像剤供給容器。
  4. 【請求項4】 前記可動部と対向するように設けられる
    把手部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3
    のいずれか1項に記載の現像剤供給容器。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の現像剤供給容器を着脱可能に装着する装着部と、
    前記係止部と係止可能な被係止部と、を有し、前記現像
    剤供給容器により供給された現像剤を用いて像担持体上
    に形成された潜像を現像することを特徴とする現像装
    置。
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