JP2002250750A - 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置 - Google Patents

電力ケーブルの絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置

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JP2002250750A
JP2002250750A JP2001103076A JP2001103076A JP2002250750A JP 2002250750 A JP2002250750 A JP 2002250750A JP 2001103076 A JP2001103076 A JP 2001103076A JP 2001103076 A JP2001103076 A JP 2001103076A JP 2002250750 A JP2002250750 A JP 2002250750A
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power
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Tomoji Minou
智次 美納
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用三相交流電圧に対して各相毎に1本ず
つ、合計3本のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断を一
括して行なう。これと共に、絶縁劣化している場合に
は、何れのCVケーブル1がどの程度劣化しているかを
特定できる様にする。又、この絶縁劣化診断を、容易且
つ正確に、しかも低コストで行なえる様にする。 【解決手段】 上記各CVケーブル1、1を活線状態と
したまま、これら各CVケーブル1、1を構成する遮蔽
層に、低周波の診断用三相交流電圧を構成する各相の交
流電圧を、診断用三相交流電源8により印加する。この
状態で、上記各遮蔽層を一括して接地する接地線7を流
れる電流を、測定器9により測定する。そして、この測
定器9により測定した電流中に含まれる電流成分のう
ち、上記診断用三相交流電圧と同一周波数の電流成分を
観察する事により、上記3本のCVケーブル1、1の絶
縁劣化診断を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る電力ケーブル
の絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置は、架橋ポリ
エチレン絶縁電力ケーブル(以下「CVケーブル」とす
る。)の絶縁劣化状態を診断する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】CVケーブルが浸水状態或は多湿状態で
使用される場合に発生する水トリーは、電気トリーに結
び付いて絶縁破壊を起こし、送電事故の原因になる。従
って、水トリー等によるCVケーブルの絶縁の劣化状態
を予め知っておく事は、送電線の事故発生を防止する為
に重要である。この様な目的でCVケーブルの絶縁劣化
を診断する方法として従来から、例えば、脈動検出法と
低周波重畳法とが知られている。
【0003】このうちの脈動検出法は、CVケーブルの
ケーブル導体に商用(電力用)交流電圧が印加されてい
る活線状態で、このCVケーブルの絶縁層が劣化してい
る事に基づいて発生する低周波成分(例えば1Hz程度の
脈動電流)を検出して観察する事により、上記絶縁層の
劣化程度を診断するものである。具体的には、上記CV
ケーブルの接地線を流れる電流から、フィルタにより商
用周波数成分を除去した後、残った上記低周波成分を増
幅して観察する事により、上記絶縁層の劣化程度を診断
する。
【0004】又、上記低周波重畳法は、CVケーブルの
ケーブル導体に商用交流電圧が印加されている活線状態
で、このCVケーブルに低周波電圧を重畳して印加した
場合に、このCVケーブルの絶縁層の劣化部を通じて流
れる、上記低周波電圧と同一周波数の損失電流を検出し
て観察する事により、上記絶縁層の劣化程度を診断する
ものである。具体的には、同じ区間を結ぶケーブル線路
に於ける商用三相交流電圧に対して各相1本ずつ、合計
3本のCVケーブルに対して上記低周波電圧(単相交流
電圧)を、測定回路中に設けたスター結線したコンデン
サの中性点から印加する。そして、この状態で、上記3
本のCVケーブルを一括して接地する接地線を流れる電
流から、上記損失電流を分離して検出する。そして、こ
の様に検出した損失電流を観察する事により、上記絶縁
層の劣化程度を診断する。又、上述の様に接地線を流れ
る電流から損失電流を分離して検出する回路には、充電
電流キャンセル方式と、標準コンデンサを用いたブリッ
ジ方式とがあり、ブリッジ方式の場合には、上記低周波
電圧を、測定回路中に存在するGPT(接地変成器)等
の中性点から印加する事も可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した脈動検出法の
場合、絶縁層が劣化している事に基づいて発生する低周
波成分のレベルがnA(ナノアンペア)程度と非常に小
さい。この為、この低周波成分が接地線を流れる電流中
の外来雑音(ノイズ)に埋もれ易い。従って、信頼性の
高い絶縁劣化診断を行なう為には、上記低周波成分を増
幅する増幅器として、優れた高利得低雑音性を有するも
のを使用する必要があり、結果として測定装置が高価に
なる。
【0006】又、上述した低周波重畳法の場合、診断対
象ケーブルに対して低周波電圧を、スター結線したコン
デンサの中性点若しくはGPT等の中性点から印加する
必要がある。この為、上記低周波電圧を印加する装置の
少なくとも一部を、診断対象ケーブルの給電源である高
圧母線側に接続する必要があり、絶縁劣化診断を行なう
為の作業が面倒となる。又、上記低周波電圧は、上記コ
ンデンサやGPT経由で上記診断対象ケーブルに印加さ
れる為、この低周波電圧により、この診断対象ケーブル
以外にも課電を行なう必要が生じる。この為、診断対象
ケーブル以外にも課電を行なう事に伴って、この診断対
象ケーブルに印加される低周波電圧の大きさが低下する
のを防止すべく、この低周波電圧を発生させる発生器に
は、大きな出力が要求される。この為、この発生器が高
価になるだけでなく、絶縁劣化診断を行なう際のコスト
が高くなる。
【0007】又、上記低周波重畳法の場合には、接地線
を流れる電流から損失電流を分離して測定する為に、測
定電流の位相情報を用いて充電電流をキャンセルした
り、或はブリッジ回路を用いて平衡操作を行なう必要が
ある。この為、上記損失電流の測定作業が複雑になると
共に、測定した損失電流に大きな誤差が生じる可能性が
ある。そして、この様な誤差が生じた場合には、信頼性
の高い絶縁劣化診断を行なう事が難しくなる可能性があ
る。
【0008】又、上記低周波重畳法の場合には、同じ区
間を結ぶケーブル線路に於ける商用三相交流電圧に対し
て各相1本ずつ、合計3本のCVケーブルの絶縁劣化診
断を一括して行なう。ところが、3本のCVケーブルに
印加する診断用の低周波電圧が単相である為、絶縁が劣
化していると診断される場合でも、上記3本のCVケー
ブルのうちの何れのケーブルが劣化しているかを特定で
きない(特定する場合には、別途の作業が必要とな
る)。一方で、変電所等には多数本のCVケーブルが敷
設されている為、これら多数本のCVケーブルに就いて
絶縁劣化診断を効率良く行なう為には、3本のCVケー
ブルの劣化診断を一括して(或は、極力少ない回数に分
けて)行なうと共に、何れのケーブルが劣化しているか
を特定できる様にする事が望まれる。本発明の電力ケー
ブルの絶縁劣化診断方法及び電力ケーブルの絶縁劣化診
断装置は、3本の電力ケーブルの絶縁劣化診断を一括し
て(或は、極力少ない回数に分けて)行なうと共に、こ
れら3本の電力ケーブルのうちの何れの電力ケーブルが
劣化しているかを特定自在とし、しかも、絶縁劣化診断
を容易且つ正確に、しかも低コストで行なえる様にすべ
く発明したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電力ケーブルの
絶縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置のうち、請求項
1に記載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法は、それ
ぞれがケーブル導体の周囲を絶縁層により覆い、更にこ
の絶縁層の周囲を遮蔽層により覆って成る3本の電力ケ
ーブルを構成する上記各ケーブル導体に、電力用三相交
流電圧を構成する各相の交流電圧を印加したまま、これ
ら3本の電力ケーブルを構成する上記各遮蔽層若しくは
上記各ケーブル導体に、上記電力用三相交流電圧よりも
低い周波数の診断用三相交流電圧を構成する各相の交流
電圧を、上記電力用三相交流電圧を構成する各相の交流
電圧に重畳させて印加しつつ、上記各遮蔽層を一括して
接地する接地線を流れる電流を測定する。そして、この
電流中に含まれる電流成分のうち、上記診断用三相交流
電圧と同一周波数の電流成分を評価する事により、上記
各絶縁層の劣化程度を診断する。
【0010】又、請求項2に記載した電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法は、上述した請求項1に記載した方法を
実施する際に、上記診断用三相交流電圧を構成する各相
の交流電圧を印加する事に伴って上記3本の電力ケーブ
ルの静電容量を流れる充電電流の合成値が零にならない
場合に、最終的な絶縁劣化診断を行なう以前に、上記合
成値を減少若しくは実質的に零にすべく、上記診断用三
相交流電圧を構成する各相の交流電圧の大きさと位相と
のうちの少なくとも一方の調整作業を行なう。
【0011】又、請求項3に記載した電力ケーブルの絶
縁劣化診断装置は、上述した請求項1〜2の何れかに記
載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法を実施する為の
装置であって、上記診断用三相交流電圧を発生自在であ
り、且つ、この診断用三相交流電圧を構成する各相の交
流電圧を3本の電力ケーブルを構成する各遮蔽層若しく
は各ケーブル導体に印加自在である診断用三相交流電源
と、上記各遮蔽層を一括して接地する接地線を流れる電
流を測定自在な測定手段とを備える。
【0012】又、請求項4に記載した電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法は、それぞれがケーブル導体の周囲を絶
縁層により覆い、更にこの絶縁層の周囲を遮蔽層により
覆って成る3本の電力ケーブルを構成する上記各ケーブ
ル導体に、電力用三相交流電圧を構成する各相の交流電
圧を印加したまま、これら3本の電力ケーブルのうちの
2本の電力ケーブルを構成する上記各遮蔽層若しくは上
記各ケーブル導体に、上記電力用三相交流電圧よりも低
い周波数の診断用二相交流電圧を構成する各相の交流電
圧を、上記電力用三相交流電圧を構成する各相の交流電
圧に重畳させて印加しつつ、上記各遮蔽層を一括して接
地する接地線を流れる電流を測定し、この電流中に含ま
れる電流成分のうち、上記診断用二相交流電圧と同一周
波数の電流成分を評価する事により、上記各絶縁層の劣
化程度を診断する。
【0013】又、請求項5に記載した電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法は、上述した請求項4に記載した方法を
実施する際に、上記診断用二相交流電圧を構成する各相
の交流電圧を印加する事に伴って、これら各相の交流電
圧を印加する2本の電力ケーブルの静電容量を流れる充
電電流の合成値が零にならない場合に、最終的な絶縁劣
化診断を行なう以前に、上記合成値を減少若しくは実質
的に零にすべく、上記診断用二相交流電圧を構成する各
相の交流電圧の大きさと位相とのうちの少なくとも一方
の調整作業を行なう。
【0014】又、請求項6に記載した電力ケーブルの絶
縁劣化診断装置は、上述した請求項4〜5の何れかに記
載した電力ケーブルの絶縁劣化診断方法を実施する為の
装置であって、上記診断用二相交流電圧を発生自在であ
り、且つ、この診断用二相交流電圧を構成する各相の交
流電圧を3本の電力ケーブルのうちの2本の電力ケーブ
ルを構成する各遮蔽層若しくは各ケーブル導体に印加自
在である診断用二相交流電源と、上記各遮蔽層を一括し
て接地する接地線を流れる電流を測定自在な測定手段と
を備える。
【0015】
【作用】上述の様に構成する本発明の電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置によれば、3本の
電力ケーブルの絶縁劣化診断を一括して(或は、極力少
ない回数に分けて)行なうと共に、これら3本の電力ケ
ーブルのうちの何れの電力ケーブルが劣化しているかを
特定できる。又、絶縁劣化診断を容易且つ正確に、しか
も低コストで行なえる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項1〜3に対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例
の場合には、3本のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断
を同時に行なう。即ち、同じ区間を結ぶケーブル線路に
於ける商用(電力用)三相交流電圧に対して各相1本ず
つ、合計3本のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断を一
括して行なう。これら各CVケーブル1、1は、周知の
通り、ケーブル導体2の周囲を架橋ポリエチレン製の絶
縁層3により覆い、更にこの絶縁層3の周囲を導電材製
の遮蔽層4により覆って成る。そして、このケーブル導
体2の端部に設けた端子5を、図示しない商用三相交流
電源に通じさせている。
【0017】又、上記各CVケーブル1、1を構成する
遮蔽層4、4の端部には、それぞれ導線6、6の一端を
接続している。そして、これら各導線6、6の他端を1
本の接地線7の一端に接続する事により、上記各遮蔽層
4、4を一括して接地している。又、図1〜2に示した
絶縁劣化診断を行なう状態で、上記各導線6、6と上記
接地線7とを跨ぐ部分に診断用三相交流電源8を、この
接地線7の途中部分に測定手段である測定器9を、それ
ぞれ接続している。このうちの測定器9は、上記接地線
7を流れる電流を測定自在である。又、上記診断用三相
交流電源8は、上記商用三相交流電源から上記各ケーブ
ル導体2、2に印加される商用三相交流電圧(50Hz又
は60Hz)よりも低い周波数(例えば1Hz)の診断用三
相交流電圧を発生自在であり、且つ、この診断用三相交
流電圧を構成する各相の交流電圧を、上記各導線6、6
を介して上記各遮蔽層4、4に印加自在である。
【0018】本例の場合、上述の様な診断用三相交流電
源8は、図2に詳示する様に、1個の三相低周波発生器
10と、それぞれ3個ずつの、絶縁アンプ11、11
と、トランス12、12と、重畳用抵抗13、13と、
商用周波バイパス用コンデンサ14、14とを備える。
このうちの三相低周波発生器10は、三相低周波電圧を
発生自在であり、且つ、この様に発生させる三相低周波
電圧を構成する各相の交流電圧の大きさ及び位相を、任
意に変化させる事ができる。但し、本例の場合、上記三
相低周波発生器10は、後述する零点調整を行なう場合
を除き、上記三相低周波電圧として三相平衡なもの(各
相の交流電圧の大きさが等しく、且つ、これら各相の交
流電圧の位相が互いに120度ずつずれているもの)を
発生させる。この様な三相低周波発生器10で発生した
三相低周波電圧を構成する各相の交流電圧は、それぞれ
上記絶縁アンプ11、11とトランス12、12とによ
り、大地及び上記測定器9に対し絶縁した上で、所定の
信号レベルとインピーダンスとに変換する。そして、こ
の様に変換した各相の交流電圧の大きさを、上記重畳用
抵抗13、13により調整し、上記診断用三相交流電圧
を構成する各相の交流電圧を得る。そして、この様にし
て得た各相の交流電圧を、それぞれ上記各遮蔽層4、4
及び上記商用周波バイパス用コンデンサ14、14に、
互いに並列に印加する。
【0019】尚、本例の場合、上記三相低周波電圧が三
相平衡である場合に得られる診断用三相交流電圧は、や
はり三相平衡である。又、上記診断用三相交流電圧を構
成する各相の交流電圧の大きさは、上記商用周波バイパ
ス用コンデンサ14、14の静電容量を上記各CVケー
ブル1、1の静電容量よりも十分に大きくすると、上記
各CVケーブル1、1の静電容量によらず、上記重畳用
抵抗13、13との関係だけで、ほぼ一定となる。又、
上記三相低周波発生器10としてコンピュータを使用す
る場合、3ch以上のD/A変換器を使用して、上記三
相低周波電圧を発生させる事もできる。この場合には、
上記三相低周波発生器10を安価にできる。
【0020】上述の様な診断装置を使用して、本発明の
電力ケーブルの絶縁劣化診断方法を実施する場合には、
上記各CVケーブル1、1を構成するケーブル導体2、
2に商用三相交流電圧を構成する各相の交流電圧を印加
したまま(即ち、これら各CVケーブル1、1を活線状
態としたまま)、前記各遮蔽層4、4に診断用三相交流
電圧を構成する各相の交流電圧を、上記診断用三相交流
電源8により印加する。そして、この状態で、前記接地
線7を流れる電流を、前記測定器9により測定する。特
に、本例の場合には、この測定器9により測定した電流
中に含まれる電流成分のうち、上記診断用三相交流電圧
と同一周波数の電流成分(次述する合成電流i0 )を観
察する事により、上記各CVケーブル1、1を構成する
絶縁層3、3の劣化程度を診断する。
【0021】即ち、上述の様に各遮蔽層4、4に診断用
三相交流電圧を構成する各相の交流電圧を印加すると、
これら各遮蔽層4、4と上記各ケーブル導体2、2との
間に、それぞれ上記診断用三相交流電圧と同一周波数の
電流が流れる。これら各電流の正体は、上記各CVケー
ブル1、1の静電容量C、Cを流れる充電電流、並び
に、これら各CVケーブル1、1を構成する各絶縁層
3、3に劣化部17(抵抗値R)が生じている場合に
は、この劣化部17を流れる電流である。そして、これ
ら各電流は、上記各ケーブル導体2、2及び高圧母線等
を通じてGPT等の中性点15に達し、当該部分で合成
されて合成電流i0 となる。そして、この合成電流i0
は、上記中性点15を接地する接地線16を流れ、更に
この接地線16から直接、或は大地経由で、上記測定器
9を設けた接地線7に流れ込む。そこで、この接地線7
に流れ込んだ上記合成電流i0 を、上記測定器9により
測定して観察する。
【0022】ところで、上記診断用三相交流電圧は三相
平衡であるから、上記各CVケーブル1、1の静電容量
C、Cが互いに等しい場合には、これら各静電容量C、
Cを流れる充電電流は、互いに三相平衡になる。即ち、
これら各充電電流を合成すると、これら各充電電流同士
が互いに相殺して零になる。この為、上記各CVケーブ
ル1、1を構成する絶縁層3、3が劣化していない(何
れの絶縁層3、3にも上記劣化部17が生じていない)
場合には、この劣化部17を流れる電流も零になる為、
上記測定器9により測定される合成電流i0 は、零にな
る。
【0023】これに対して、上記各絶縁層3、3のう
ち、少なくとも1個の絶縁層3(図2に示した例では、
同図の一番右のCVケーブル1を構成する絶縁層3)が
劣化している(当該絶縁層3に上記劣化部17が生じて
いる)場合には、この劣化部17を流れる電流が発生す
る。この為、上記測定器9により測定される合成電流i
0 として、上記劣化部17を流れる電流(劣化信号)が
検出される。この劣化信号の位相は、上記劣化部17が
生じたCVケーブル1に印加された診断用交流電圧の位
相に等しい。この為、上記劣化信号の位相を観察する事
により、診断対象となる3本のCVケーブル1、1のう
ち、何れのCVケーブル1の絶縁層3が劣化しているか
を特定できる。又、上記劣化信号の大きさは、当該絶縁
層3の劣化程度を表す。この為、この劣化信号の大きさ
を評価するか、或は、この劣化信号から当該絶縁層3の
絶縁抵抗(=当該CVケーブル1に印加した診断用の交
流電圧÷当該劣化信号)を計算し、この絶縁抵抗を評価
する事により、当該絶縁層3の劣化程度を診断できる。
尚、上記劣化部17が2本以上のCVケーブル1、1に
生じている場合、上記測定器9により測定される合成電
流i0 は、これら各劣化部17を流れる電流の合成波と
なる。この場合でも、上記各劣化部17の抵抗値Rは、
それぞれ大きさが異なり、これら各劣化部17を流れる
電流の大きさも異なる為、上記合成波を観察すれば、何
れのCVケーブル1がどの程度劣化しているかを診断で
きる。
【0024】一方、実際の線路では、上記各CVケーブ
ル1、1の静電容量C、Cの大きさが互いに若干異なる
場合がある。この場合、上記診断用三相交流電圧として
三相平衡なものを使用すると、上記各静電容量C、Cを
流れる充電電流が互いに三相平衡でなくなり、これら各
充電電流を合成しても、これら各充電電流同士が完全に
は相殺し切れず、合成値が零にならなくなる。従って、
この場合には、上記測定器9により測定される合成電流
0 中に、上記劣化信号だけでなく、上述の様に相殺し
切れなかった分の充電電流が現れる。
【0025】但し、本例の場合には、上記診断用三相交
流電圧の周波数を、商用三相交流電圧の周波数(50Hz
又は60Hz)よりも十分に小さくしている(例えば1Hz
にしている)。この為、上記診断用三相交流電圧を印加
する事に伴って上記各静電容量C、Cを流れる充電電流
の大きさを、十分に小さくできる(商用三相交流電圧を
印加する事に伴って上記各静電容量C、Cを流れる充電
電流と比較して、50分の1又は60分の1にでき
る)。この為、上述の様に相殺し切れなかった分の充電
電流も小さくなり、上記合成電流i0 中に現れたこの充
電電流が、上記劣化信号を観察する事に対する大きな障
害となる事はない。
【0026】この様に、上記合成電流i0 中に現れる充
電電流の存在は、上記劣化信号を観察する事に対する大
きな障害となる事はないが、絶縁劣化診断の信頼性をよ
り向上させる為には、上記合成電流i0 中に現れる充電
電流を低減若しくは消失させる事が望ましい。この為
に、本例の場合、上記各CVケーブル1、1の静電容量
C、Cの大きさが互いに異なる場合には、上記診断用三
相交流電圧を印加する事に伴って上記各静電容量C、C
を流れる充電電流が互いに三相平衡の関係(合成すると
相殺して零になる関係)になる様に、上記診断用三相交
流電圧を構成する各相の交流電圧の大きさと位相とのう
ちの少なくとも一方を調整する(所謂零点調整を行な
う)。
【0027】この様な調整作業は、好ましくは、上記各
CVケーブル1、1を構成するケーブル導体2、2に商
用三相交流電圧を印加していない状態(即ち、これら各
CVケーブル1、1の停電状態)で行なう。この理由
は、上記CVケーブル1が活線状態の場合よりも停電状
態の場合の方が、前記劣化部17の抵抗値Rが大きくな
る為である。即ち、この様に劣化部17の抵抗値Rが大
きくなれば、診断回路内を流れる劣化信号が小さくなっ
て、上述の様な調整作業を行ない易くなる為である。但
し、この様な調整作業は、上記各CVケーブル1、1が
活線状態にある場合でも行なう事ができる。又、この様
な調整作業は、例えば、上記測定器9と前記診断用三相
交流電源8とを接続する状態で設けた制御器の働きによ
り、自動的に行なう事もできる。尚、充電電流の位相
は、元々の診断用三相交流電圧の位相に対して90度進
むので、充電電流と劣化信号とは区別できる。従って、
上記零点調整により、劣化信号が埋もれる事はない。
【0028】上述の様にして、本例の電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法及び電力ケーブルの絶縁劣化診断装置に
よれば、3本のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断を一
括して行なえると共に、これら3本のCVケーブル1、
1のうちの何れのCVケーブル1の絶縁層3が劣化して
いるかを特定できる。この為、変電所等に敷設された多
数のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断を効率良く行な
える。又、本例の場合、診断用三相交流電圧は、上記各
CVケーブル1、1を構成する遮蔽層4、4の側から印
加している。この為、上記診断用三相交流電圧を印加す
る為の診断用三相交流電源8を高圧母線の一部に接続す
る事なく、診断作業を容易に行なえる。又、この場合、
診断用三相交流電圧により充電する静電容量は、実質的
に上記3本のCVケーブル1、1に関するもののみとな
る。この為、上記診断用三相交流電源8として比較的出
力が小さいものを使用しても、上記各CVケーブル1、
1に印加する診断用三相交流電圧の大きさを十分に確保
できる。この為、上記診断用三相交流電源8を安価にで
きると共に、絶縁劣化診断を行なう際のコストを少なく
できる。
【0029】又、本例の場合、測定器9により測定した
合成電流i0 中には、診断用三相交流電圧を印加した事
に伴って生じた充電電流が殆ど含まれておらず、劣化信
号が明確に現れる。従って、前述した従来の診断方法の
様に、測定電流から充電電流をキャンセルして劣化信号
を取り出す等の作業を行なう必要がない。この為、これ
らの作業を行なう必要がない分、絶縁劣化診断を容易且
つ正確に行なえる。又、上記劣化信号は、印加する診断
用三相交流電圧を大きくする事により、大きくできる。
この為、この劣化信号をノイズに埋もれにくくして、劣
化診断の信頼性の向上を図れる。更に、この場合、上記
劣化信号を増幅する増幅器として、高利得低雑音に優れ
たものを使用する必要がなくなる為、この増幅器を安価
にできる。
【0030】次に、図3は、やはり請求項1〜3に対応
する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例
の場合も、上述した第1例の場合と同様にして、3本の
CVケーブル1、1の絶縁劣化診断を一括して行なう。
但し、上述した第1例では、診断用三相交流電圧を上記
各CVケーブル1、1を構成する遮蔽層4、4の側から
印加したが、本例の場合には、この診断用三相交流電圧
を上記各CVケーブル1、1を構成するケーブル導体
2、2の側から印加している。
【0031】本例の場合、この様な診断用三相交流電圧
を印加する為の診断用三相交流電源8aは、1個の三相
低周波発生器10と、それぞれ3個ずつの、電力増幅器
18、18と、避雷器19、19と、商用周波バイパス
用コンデンサ14、14と、重畳用貫通型トランス2
0、20とを備えた、低インピーダンス電源としてい
る。このうちの重畳用貫通型トランス20は、通常、電
流の測定や電圧の注入等を行なう為に使用されるもの
で、環状の鉄心(コア)に導線を巻回して成る。診断用
三相交流電圧を印加する場合には、上記各重畳用貫通型
トランス20、20を、ぞれぞれ上記ケーブル導体2、
2の周囲を囲む状態で配置すると共に、上記三相低周波
発生器10により三相低周波電圧を発生する。この結
果、上記各重畳用貫通型トランス20、20を介して上
記各ケーブル導体2、2に、上記診断用三相交流電圧を
構成する各相の交流電圧が印加される。
【0032】尚、図3に示した診断回路図では、図示の
便宜上、上記各重畳用貫通型トランス20、20を、上
記各ケーブル導体2、2のうち、上記各遮蔽層4、4及
び絶縁層3、3の端部から露出した部分の周囲に配置し
ている。但し、実際の診断作業では、上記各重畳用貫通
型トランス20、20は、上記遮蔽層4、4及びこれら
各遮蔽層4、4の接地線の周囲を囲む状態で配置し、且
つ、この状態で上記各ケーブル導体2、2に診断用三相
交流電圧を印加する。尚、上記遮蔽層4、4と当該遮蔽
層4、4に接続した接地線とは、互いに折り返した状態
で上記各重畳用貫通型トランス20、20の内側に配置
する。これは、各遮蔽層4、4と接地線とに互いに逆方
向の低周波交流電圧を惹起させて互いに相殺し、上記各
ケーブル導体2、2にのみ上記診断用三相交流電圧を印
加する為である。
【0033】又、本例の場合も、上記各CVケーブル
1、1の静電容量C、C(図1参照)の大きさが互いに
異なる場合に、好ましくは、上記診断用三相交流電圧を
印加する事に伴って上記各静電容量C、Cを流れる充電
電流が互いに三相平衡の関係(合成すると相殺して零に
なる関係)になる様に、上記診断用三相交流電圧を構成
する各相の交流電圧の大きさと位相とのうちの少なくと
も一方を調整する(所謂零点調整を行なう)。本例の場
合、この様な零点調整は、上記三相低周波発生器10に
より発生する三相低周波電圧の大きさ及び位相、上記各
電力増幅器18、18の利得、上記各重畳用貫通型トラ
ンス20、20を構成するコイルの巻き数等を調整する
事により行なえる。
【0034】上述した様な本例の場合には、診断用三相
交流電圧を上記ケーブル導体2、2の側から印加する
為、上記各遮蔽層4、4の周囲を覆うシース(図示せ
ず)の絶縁抵抗が低下している場合でも、このシースを
通じて大地等に電流が流れると言った、診断上の不都合
を生じにくくできる。又、診断用二相交流電源21が、
重畳用貫通型トランス20、20を使用した低インピー
ダンス電源である為、診断対象となる上記各CVケーブ
ル1、1を接続する他のケーブルや負荷等の影響を受け
にくくでき、印加する電圧を十分に大きくできる。この
為、信頼性の高い絶縁劣化診断を行なえる。
【0035】又、本例の場合も、上述した第1例の場合
と同様、絶縁劣化診断に関する総ての作業を、上記各C
Vケーブル1、1の端部付近で行なえる。又、上記各ケ
ーブル導体2、2に対する診断用三相交流電圧の印加
は、前記各重畳用貫通型トランス20、20を介して
(上記各ケーブル導体2、2に直接接続する事なく)行
ない、上記各CVケーブル1、1に対する絶縁劣化診断
装置の電気的な接続は、上記各遮蔽層4、4に対しての
み行なえば良い。この為、本例の場合も、上述した第1
例の場合と同様、絶縁劣化診断装置の一部を上記各CV
ケーブル1、1の給電源である高圧母線側に接続する
(例えばGPT等にアクセスする)必要がなく、絶縁劣
化診断を行なう為の作業が面倒になる事はない。
【0036】更に、本例の場合には、診断用三相交流電
圧を上記各ケーブル導体2、2の側から印加する為、診
断対象となる3本のCVケーブルを構成する各ケーブル
導体を、1つの遮蔽層により一括して遮蔽する構造のケ
ーブルに対しても実施できる。但し、この場合には、各
CVケーブルのケーブル導体及び絶縁層を遮蔽層から露
出させて、各ケーブル導体毎に独立して診断用三相交流
電圧を印加する事が必要である。その他の構成及び作用
は、上述した第1例の場合と同様である。
【0037】次に、図4は、請求項4〜6に対応する、
本発明の実施の形態の第3例を示している。上述した第
1〜2例では、診断用の印加電圧として診断用三相交流
電圧を使用したが、本例の場合には、診断用の印加電圧
として診断用二相交流電圧{商用交流電圧(50Hz又は
60Hz)よりも周波数が低い(例えば1Hz程度の)電
圧}を使用する。本例の場合には、この様な診断用二相
交流電圧を使用して、上述した第1〜2例の場合と同様
の原理{即ち、診断用の電圧を印加する事に伴って静電
容量C、C(図1参照)を流れる充電電流を相殺し、実
質的に劣化部17(図1参照)を流れる電流(劣化信
号)のみを測定可能とする事}により、2本のCVケー
ブル1、1の絶縁劣化診断を一括して行なう。
【0038】本例の場合、上記診断用二相交流電圧を印
加する為の診断用二相交流電源21は、それぞれ1個ず
つの、単相低周波発生器22と、電力増幅器18と、そ
れぞれ2個ずつの、避雷器19、19と、商用周波バイ
パス用コンデンサ14、14と、重畳用貫通型トランス
20、20とを備えた、低インピーダンス電源としてい
る。本例の場合も、上述した第2例の場合と同様、診断
用の印加電圧である、上記診断用二相交流電圧を構成す
る各相の交流電圧は、上記各重畳用貫通型トランス2
0、20を介して、診断対象となる2本のCVケーブル
1、1を構成するケーブル導体2、2の側から印加す
る。但し、本例の場合、上記単相低周波発生器22は、
単相の低周波電圧を発生するものである。この為、この
様な単相の低周波電圧から二相交流電圧を得られる様に
すべく、上記各ケーブル導体2、2に対する上記各重畳
用貫通型トランス20、20の配置の方向を軸方向に関
して互いに逆にする事で、これら各重畳用貫通型トラン
ス20、20から上記各ケーブル導体2、2に印加され
る交流電圧の位相が、互いに逆になる様にしている。
【0039】尚、本例の構造とは異なるが、上記診断用
二相交流電圧を印加する為の診断用二相交流電源は、低
周波発生器として二相低周波電圧を発生できるもの(二
相低周波発生器)を使用すると共に、これら各相の低周
波電圧に対して1個ずつの電力増幅器を使用するもので
あっても良い。
【0040】又、本例の場合も、上記各CVケーブル
1、1の静電容量C、C(図1参照)の大きさが互いに
異なる場合に、好ましくは、上記診断用二相交流電圧を
印加する事に伴って上記各静電容量C、Cを流れる充電
電流が互いに二相平衡の関係(合成すると相殺して零に
なる関係)になる様に、上記診断用二相交流電圧を構成
する各相の交流電圧の大きさと位相とのうちの少なくと
も一方を調整する(所謂零点調整を行なう)。本例の場
合、この様な零点調整は、上記各重畳用貫通型トランス
20、20を構成するコイルの巻き数等を調整する事に
より行なえる。又、上述した様な別構造の診断用二相交
流電源(二相低周波発生器と2個の電力増幅器とを含ん
で構成するもの)を使用する場合、上記零点調整は、こ
の二相低周波発生器により発生する二相低周波電圧の大
きさ及び位相、上記各電力増幅器の利得、上記各重畳用
貫通型トランス20、20を構成するコイルの巻き数等
を調整する事により行なえる。
【0041】前述した様に、本例の場合には、上述の様
な診断用二相交流電源21を含んで構成する絶縁劣化診
断装置により、上述した第1〜2例の場合と同様の原理
で、2本のCVケーブル1、1の絶縁劣化診断を一括し
て行なう。但し、同じ区間を結ぶ3本のCVケーブル
1、1から、2本のCVケーブル1、1の組を、互いに
異なる組み合わせで2組選択し、これら各組のCVケー
ブル1、1に就いての絶縁劣化診断作業を1回ずつ(合
計2回の診断作業を)行なえば、これら3本のCVケー
ブル1、1に就いての絶縁劣化診断を行なえる。この場
合に、これら3本のCVケーブル1、1から選択する2
本のCVケーブル1、1の組を3組とし(即ち、総ての
組み合わせを選択し)、これら各組のCVケーブル1、
1に就いての絶縁劣化診断作業を1回ずつ(合計3回の
診断作業を)行なえば、絶縁劣化したCVケーブル1の
特定と、その絶縁劣化度合いの診断とを、高精度で行な
える。
【0042】尚、本例の構造とは異なるが、上記重畳用
貫通型トランス20及び商用周波バイパス用コンデンサ
14及び避雷器19の組を3組(本例では2組)用意す
ると共に、これら各重畳用貫通型トランス20、20
を、それぞれ上記3本のCVケーブル1、1に組み付け
て、更に、これら各重畳用貫通型トランス20、20の
うち前記電力増幅器18から二相低周波電圧の供給を受
ける2個の重畳用貫通型トランス20、20を、絶縁劣
化診断を行なう際に切換器により切り換え自在とすれ
ば、上述の様にして行なう、3本のCVケーブル1、1
に就いての絶縁劣化診断作業の容易化を図れる。
【0043】上述の様に、本例の場合には、同じ区間を
結ぶ3本のCVケーブル1、1に就いての絶縁劣化診断
を行なう為に、少なくとも2回の測定作業を行なう必要
がある。但し、本例の場合には、診断用の印加電圧を二
相交流電圧とした事に伴い、絶縁劣化診断装置(特に、
診断用二相交流電源21)の構造の簡略化を図れる。特
に、本例の場合には、重畳用貫通型トランス20、20
を使用して各相の交流電圧を印加する事に伴い、低周波
発生器として単相のもの(単相低周波発生器22)を使
用できる為、絶縁劣化診断装置の構造を大幅に簡略化で
きる。この結果、絶縁劣化診断装置の低価格化を十分に
図れる。その他の構成及び作用は、前述した第1例、或
は、上述した第2例の場合と同様である。
【0044】尚、上述した第3例では、診断用二相交流
電圧をケーブル導体2、2の側から印加する場合に就い
て示したが、請求項4〜6に記載した発明は、診断用二
相交流電圧を、遮蔽層4、4の側から印加する場合でも
実施できる。
【0045】又、上述した実施の形態では、診断用の印
加電圧を、診断対象となる各CVケーブルを構成する遮
蔽層又はケーブル導体から直接印加する場合に就いて説
明した。但し、本発明を実施する場合、診断用の印加電
圧は、上記各CVケーブルを構成するケーブル導体と導
通する高圧母線側(例えば、GPT等の中性点等)から
印加しても良い。
【0046】
【発明の効果】本発明の電力ケーブルの絶縁劣化診断方
法及び絶縁劣化診断装置は、以上に述べた通り構成され
作用する為、多数の電力ケーブルの絶縁劣化診断を効率
良く行なえると共に、この絶縁劣化診断を容易且つ正確
に、しかも低コストで行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す診断回路
図。
【図2】診断装置を構成する回路をより具体的に示す
図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同
様の図。
【図4】同第3例を示す、図2と同様の図。
【符号の説明】
1 CVケーブル 2 ケーブル導体 3 絶縁層 4 遮蔽層 5 端子 6 導線 7 接地線 8、8a 診断用三相交流電源 9 測定器 10 三相低周波発生器 11 絶縁アンプ 12 トランス 13 重畳用抵抗 14 商用周波バイパス用コンデンサ 15 中性点 16 接地線 17 劣化部 18 電力増幅器 19 避雷器 20 重畳用貫通型トランス 21 診断用二相交流電源 22 単相低周波発生器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれがケーブル導体の周囲を絶縁層
    により覆い、更にこの絶縁層の周囲を遮蔽層により覆っ
    て成る3本の電力ケーブルを構成する上記各ケーブル導
    体に、電力用三相交流電圧を構成する各相の交流電圧を
    印加したまま、これら3本の電力ケーブルを構成する上
    記各遮蔽層若しくは上記各ケーブル導体に、上記電力用
    三相交流電圧よりも低い周波数の診断用三相交流電圧を
    構成する各相の交流電圧を、上記電力用三相交流電圧を
    構成する各相の交流電圧に重畳させて印加しつつ、上記
    各遮蔽層を一括して接地する接地線を流れる電流を測定
    し、この電流中に含まれる電流成分のうち、上記診断用
    三相交流電圧と同一周波数の電流成分を評価する事によ
    り、上記各絶縁層の劣化程度を診断する電力ケーブルの
    絶縁劣化診断方法。
  2. 【請求項2】 診断用三相交流電圧を構成する各相の交
    流電圧を印加する事に伴って3本の電力ケーブルの静電
    容量を流れる充電電流の合成値が零にならない場合に、
    最終的な絶縁劣化診断を行なう以前に、上記合成値を減
    少若しくは実質的に零にすべく、上記診断用三相交流電
    圧を構成する各相の交流電圧の大きさと位相とのうちの
    少なくとも一方の調整作業を行なう、請求項1に記載し
    た電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2の何れかに記載した電力ケ
    ーブルの絶縁劣化診断方法を実施する為の電力ケーブル
    の絶縁劣化診断装置であって、診断用三相交流電圧を発
    生自在であり、且つ、この診断用三相交流電圧を構成す
    る各相の交流電圧を3本の電力ケーブルを構成する各遮
    蔽層若しくは各ケーブル導体に印加自在である診断用三
    相交流電源と、上記各遮蔽層を一括して接地する接地線
    を流れる電流を測定自在な測定手段とを備えた電力ケー
    ブルの絶縁劣化診断装置。
  4. 【請求項4】 それぞれがケーブル導体の周囲を絶縁層
    により覆い、更にこの絶縁層の周囲を遮蔽層により覆っ
    て成る3本の電力ケーブルを構成する上記各ケーブル導
    体に、電力用三相交流電圧を構成する各相の交流電圧を
    印加したまま、これら3本の電力ケーブルのうちの2本
    の電力ケーブルを構成する上記各遮蔽層若しくは上記各
    ケーブル導体に、上記電力用三相交流電圧よりも低い周
    波数の診断用二相交流電圧を構成する各相の交流電圧
    を、上記電力用三相交流電圧を構成する各相の交流電圧
    に重畳させて印加しつつ、上記各遮蔽層を一括して接地
    する接地線を流れる電流を測定し、この電流中に含まれ
    る電流成分のうち、上記診断用二相交流電圧と同一周波
    数の電流成分を評価する事により、上記各絶縁層の劣化
    程度を診断する電力ケーブルの絶縁劣化診断方法。
  5. 【請求項5】 診断用二相交流電圧を構成する各相の交
    流電圧を印加する事に伴って、これら各相の交流電圧を
    印加する2本の電力ケーブルの静電容量を流れる充電電
    流の合成値が零にならない場合に、最終的な絶縁劣化診
    断を行なう以前に、上記合成値を減少若しくは実質的に
    零にすべく、上記診断用二相交流電圧を構成する各相の
    交流電圧の大きさと位相とのうちの少なくとも一方の調
    整作業を行なう、請求項4に記載した電力ケーブルの絶
    縁劣化診断方法。
  6. 【請求項6】 請求項4〜5の何れかに記載した電力ケ
    ーブルの絶縁劣化診断方法を実施する為の電力ケーブル
    の絶縁劣化診断装置であって、診断用二相交流電圧を発
    生自在であり、且つ、この診断用二相交流電圧を構成す
    る各相の交流電圧を3本の電力ケーブルのうちの2本の
    電力ケーブルを構成する各遮蔽層若しくは各ケーブル導
    体に印加自在である診断用二相交流電源と、上記各遮蔽
    層を一括して接地する接地線を流れる電流を測定自在な
    測定手段とを備えた電力ケーブルの絶縁劣化診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220116965A (ko) * 2021-02-16 2022-08-23 한국수력원자력 주식회사 복수의 케이블에 대한 열화 진단 방법 및 복수의 케이블에 대한 열화 진단 장치

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