JP2002250374A - 鉄道車両用ブレーキディスクの締結方法 - Google Patents
鉄道車両用ブレーキディスクの締結方法Info
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Abstract
位置決めを、別体の位置決め具を用いることなく可能と
することである。 【解決手段】 複数の締結ボルトを、その軸中央部と首
下部に、それぞれストレート部13a、13bを所定の
長さで設けた位置決め兼用締結ボルト5として、車輪1
と各ブレーキディスク2a、2bの一部の各締結孔3、
4に首下部まで挿入し、ストレート部13bをブレーキ
ディスク2aの締結孔4に、ストレート部13aを車輪
1とブレーキディスク2bの両締結孔3、4に嵌合し
て、各ブレーキディスク2a、2bの中心位置決めを行
い、こののち、各ブレーキディスク2a、2bを締結す
るときに、各ストレート部13a、13bをブレーキデ
ィスク2a、2bの各締結孔4から退避させることによ
り、別体の位置決め具を用いることなくブレーキディス
ク2a、2bを中心位置決めできるようにした。
Description
ーキディスクの締結方法に関し、特にアルミニウム基複
合材製ディスクに好適な締結方法に関するものである。
輪側面取り付け型のものと車軸取り付け型のものとがあ
り、車輪側面取り付け型のディスクブレーキは、車輪側
面の空間を利用して、この空間にブレーキディスクを納
める方式のため、コンパクトな設計とすることができ
る。また、ブレーキディスクの素材としては、鋳鋼、鍛
鋼、鋳鉄、アルミニウム基複合材が用いられており、ア
ルミニウム基複合材製のブレーキディスクは軽量で摺動
特性も優れているので、その採用比率が増加している。
アルミニウム基複合材は、アルミニウム合金にSiCセ
ラミック等の粒子や繊維を分散させたものである。
スクブレーキの例を示す。このディスクブレーキは、車
輪51の両側面に一対のブレーキディスク52が重ね合
わされ、車輪51と各ブレーキディスク52にそれぞれ
設けられた各締結孔53、54を位置合わせして、これ
らの各締結孔53、54に挿通した締結ボルト55と締
結ナット56により、各ブレーキディスク52を車輪5
1に締結したものである。各ブレーキディスク52の表
面側には平坦な摺動面57が、裏面側には放熱用のフィ
ン58が設けられ、各摺動面57の両側からブレーキパ
ッド(図示省略)が押し付けられるようになっている。
かいアルミニウム基複合材で形成されており、締結時の
締め付け力で鋼製の締結部品がその表面に食い込まない
ように、各ブレーキディスク52は、平座金59の他に
弾性復元力を有する皿ばね座金60を介して締め付けら
れている。
ーキ作動時の摩擦発熱に起因するブレーキディスク52
の熱膨張代を見込んで、ブレーキディスク52の締結孔
54よりも小径に形成され、その中央部には、車輪51
の締結孔53に嵌合するストレート部61が設けられ、
締結ボルト55が車輪51に位置決め固定されるように
なっている。
1に締結する際には、まず、車輪51と各ブレーキディ
スク52の各締結孔53、54を位置合わせした状態
で、複数対の各締結孔53、54に、ゲージピンや位置
決めボルト等の別体の位置決め具を嵌め込んで、各ブレ
ーキディスク52の中心位置決めを行い、こののち、残
りの対の各締結孔53、54に締結ボルト55を挿通し
て、締結ナット56を締め付け、さらに、中心位置決め
に用いた位置決め具を抜き取って、これらの位置決め具
を抜き取った各締結孔53、54にも締結ボルト55を
挿通して、締結ナット56を締め付けている。
両用ブレーキディスクの締結方法は、ブレーキディスク
の中心位置決めに、別体の位置決め具を必要とする問題
がある。
孔が締結ボルトの軸部よりも大径に形成されて、この軸
部の回りに偏心するので、座金がブレーキディスクの表
面に偏当たりし、特に、アルミニウム基複合材製のブレ
ーキディスクを用いる場合は、この偏当たりする部分の
面圧が高くなって、座金がブレーキディスクの表面に食
い込む問題がある。この座金の偏心は、試験等のために
ブレーキディスクを取り外して元に戻すときに、車輪の
回転バランスを狂わせる原因にもなる。
レーキディスクの締結時の中心位置決めを、別体の位置
決め具を用いることなく可能とすることと、締結に用い
る座金の偏心を防止することである。
めに、この発明は、鉄道車両の車輪の両側面に、一対の
ブレーキディスクを重ね合わせて、これらの車輪と各ブ
レーキディスクにそれぞれ設けられた等径の各締結孔を
位置合わせし、これらの位置合わせした各締結孔に締結
ボルトを挿通して、締結ボルトの先端部に締結ナットを
螺着し、締結ボルトの頭部と一方のブレーキディスクの
間、および締結ナットと他方のブレーキディスクの間
に、それぞれ座金を介在させて、一対のブレーキディス
クを車輪に締結する鉄道車両用ブレーキディスクの締結
方法において、前記締結ボルトの少なくとも2本以上、
望ましくは3本以上の複数本のものを、その首下部と軸
中央部とに、前記等径の各締結孔に嵌合するストレート
部をそれぞれ所定の長さで設けた位置決め兼用締結ボル
トとし、この複数本の位置決め兼用締結ボルトを、前記
重ね合わされた車輪と一対のブレーキディスクの複数の
各締結孔に首下部まで挿入して、前記首下部のストレー
ト部を前記締結ボルト頭部側のブレーキディスクの締結
孔に嵌合し、前記軸中央部のストレート部を前記車輪と
締結ナット側のブレーキディスクの両締結孔に嵌合し
て、これらの一対のブレーキディスクの中心位置決めを
行い、これらの位置決め兼用締結ボルトが挿入されてい
ない他の前記位置合わせした各締結孔に締結ボルトを挿
通し、これらの締結ボルトをその頭部側と締結ナット側
とに座金を介在させて締め付けることにより、前記中心
位置決めされた一対のブレーキディスクを車輪に固定
し、こののち、前記各位置決め兼用締結ボルトを前記各
締結孔から抜き取って、これらの各位置決め兼用締結ボ
ルトをその頭部側に座金を介在させて、前記抜き取った
各締結孔に再び挿入し、前記締結ナット側にも座金を介
在させて、前記一対のブレーキディスクを締結するとき
に、前記各位置決め兼用締結ボルトの首下部のストレー
ト部を前記締結ボルト頭部側のブレーキディスクの締結
孔から退避させ、前記軸中央部のストレート部を、前記
締結ナット側のブレーキディスクの締結孔から退避させ
て、前記車輪の締結孔にのみ嵌合させる方法を採用した
ものである。
を、その首下部と軸中央部とに、等径の各締結孔に嵌合
するストレート部をそれぞれ所定の長さで設けた位置決
め兼用締結ボルトとして、重ね合わされた車輪と一対の
ブレーキディスクの各締結孔に、これらの位置決め兼用
締結ボルトを首下部まで挿入し、首下部のストレート部
を締結ボルト頭部側のブレーキディスクの締結孔に、軸
中央部のストレート部を車輪と締結ナット側のブレーキ
ディスクの両締結孔に嵌合して、各ブレーキディスクの
中心位置決めを行い、この中心位置決めされた一対のブ
レーキディスクを、位置合わせされたその他の各締結孔
で締結ボルトにより車輪に固定し、こののち、ブレーキ
ディスクを締結するときに、首下部と軸中央部のストレ
ート部を、各々締結ボルト頭部側と締結ナット側のブレ
ーキディスクの締結孔から退避させることにより、各ブ
レーキディスクの締結孔に熱膨張代を確保して、別体の
位置決め具を用いることなく、各ブレーキディスクを中
心位置決めできるようにした。
の中心孔を前記締結孔と等径とし、前記位置決め兼用締
結ボルトの先端部に、前記締結ナット側の座金の中心孔
に嵌合するストレート部を所定の長さで設け、これらの
各座金を介在させて前記一対のブレーキディスクを締結
するときに、前記首下部のストレート部を前記ボルト頭
部側の座金の中心孔に嵌合させ、前記先端部のストレー
ト部を、前記締結ナット側の座金の中心孔に嵌合させ
て、前記締結ナット側のブレーキディスクの締結孔から
は退避させることにより、各座金をこれらのストレート
部で固定して、その偏心を防止することができる。
の各座金の外面側に、それぞれ弾性復元力を有する別の
座金を介在させることにより、ブレーキディスク締結時
に過大な締め付け力が生じないようにし、ブレーキディ
スクを鋼よりも軟らかいアルミニウム基複合材で形成し
た場合でも、座金のブレーキディスク表面への食い込み
を防止することができる。
実施形態を説明する。図1は、本発明に係るブレーキデ
ィスクの締結方法を適用した鉄道車両用ディスクブレー
キを示す。このディスクブレーキは、車輪1の両側面に
一対のブレーキディスク2a、2bが重ね合わされ、車
輪1と各ブレーキディスク2a、2bにそれぞれ設けら
れた締結孔3、4に挿通された位置決め兼用締結ボルト
5と締結ナット6により、各ブレーキディスク2が車輪
1に締結されている。各ブレーキディスク2a、2bの
表面側には平坦な摺動面7が、裏面側には放熱用のフィ
ン8が設けられ、各摺動面7の両側からブレーキパッド
9が押し付けられるようになっている。
も軟らかいアルミニウム基複合材で形成されており、締
結時の締め付け力で鋼製の締結部品がその表面に食い込
まないように、各ブレーキディスク2a、2bの表面
は、平座金10の他に弾性復元力を有する2枚の皿ばね
座金11を介して締め付けられ、過大な締め付け力が生
じないようになっている。
(a)に示すように、先端部に設けられたねじ部12に
締結ナット6が螺着され、その軸中央部、首下部および
ねじ部12側の先端部に、それぞれストレート部13
a、13b、13cが設けられ、これらのストレート部
13a、13b、13cの間に小径部14a、14bが
設けられている。なお、締結ナット6には切り込み15
が設けられ、この切り込み15から回り止め用の止めピ
ン16が差し込まれている。
cは、それぞれ等径に形成された車輪1の締結孔3、お
よび各平座金10の中心孔に嵌合されており、位置決め
兼用締結ボルト5が車輪1に位置決め固定されるととも
に、各平座金10が締結ボルト5の軸部の回りに偏心し
ないように固定されている。また、各ブレーキディスク
2a、2bの締結孔4には、各小径部14a、14bが
嵌挿され、締結孔4と位置決め兼用締結ボルト5の軸部
との間には、熱膨張代としての隙間が形成されている。
用いて各ブレーキディスク2a、2bを車輪1に締結す
る手順を説明する。まず、車輪1と各ブレーキディスク
2a、2bの各締結孔3、4を位置合わせした状態で、
図2(b)に示すように、これらの位置合わせされた各
締結孔3、4に、位置決め兼用締結ボルト5を首下部ま
で挿入し、首下部のストレート部13bをブレーキディ
スク2aの締結孔4に嵌合させ、軸中央部のストレート
部13aを、車輪1の締結孔3とブレーキディスク2b
の締結孔4の両方に嵌合させて、各ブレーキディスク2
a、2bの中心位置決めを行なう。この中心位置決めに
使用する各締結孔3、4は、例えば、車輪1と各ブレー
キディスク2a、2bの周方向に複数個開けられたもの
のうちの一つおきとすることができる。
首下部まで挿入した各締結孔3、4以外の各締結孔3、
4に、他の位置決め兼用締結ボルト5を挿通し、図2
(a)に示したように、これらの位置決め兼用締結ボル
ト5の頭部側と締結ナット6側とに平座金10と皿ばね
座金11を介在させて、締結ナット6を締め付ける。
結孔3、4についても、首下部まで挿入した位置決め兼
用締結ボルト5を一旦抜き取ったのち、これらの各位置
決め兼用締結ボルト5の頭部側に平座金10と皿ばね座
金11を介在させて、抜き取った各締結孔3、4に再び
挿入し、締結ナット6側にも平座金10と皿ばね座金1
1を介在させて、図2(a)に示したように、締結ナッ
ト6を締め付ける。このとき、前述したように、各平座
金10は位置決め兼用締結ボルト5の首下部と先端部の
各ストレート部13b、13cで、偏心しないように固
定される。
たせるために、全ての締結ボルトを位置決め兼用締結ボ
ルトとしたが、ブレーキディスクの位置決めに必要な複
数のもののみを位置決め兼用締結ボルトとし、他のもの
には従来と同様の締結ボルトを用いることもできる。
複合材製のものとしたが、本発明に係るブレーキディス
クの締結方法は、鋼鉄系のブレーキディスクを使用する
場合にも適用でき、この場合は、座金を平座金のみとし
てもよい。
レーキディスクの締結方法は、少なくとも複数の締結ボ
ルトを、その首下部と軸中央部とに、車輪と一対のブレ
ーキディスクに設けられた等径の各締結孔に嵌合するス
トレート部をそれぞれ所定の長さで設けた位置決め兼用
締結ボルトとして、重ね合わされた車輪と一対のブレー
キディスクの各締結孔に、これらの位置決め兼用締結ボ
ルトを首下部まで挿入し、首下部のストレート部を締結
ボルト頭部側のブレーキディスクの締結孔に、軸中央部
のストレート部を車輪と締結ナット側のブレーキディス
クの両締結孔に嵌合して、各ブレーキディスクの中心位
置決めを行い、この中心位置決めされた一対のブレーキ
ディスクを、位置合わせされたその他の各締結孔で締結
ボルトにより車輪に固定し、こののち、ブレーキディス
クを締結するときに、首下部と軸中央部のストレート部
を、各々締結ボルト頭部側と締結ナット側のブレーキデ
ィスクの締結孔から退避させるようにしたので、別体の
位置決め具を用いることなくブレーキディスクを中心位
置決めすることができる。
の中心孔を前記締結孔と等径とし、前記位置決め兼用締
結ボルトの先端部に、前記締結ナット側の座金の中心孔
に嵌合するストレート部を所定の長さで設け、これらの
各座金を介在させて前記一対のブレーキディスクを締結
するときに、前記首下部のストレート部を前記ボルト頭
部側の座金の中心孔に嵌合させ、前記先端部のストレー
ト部を、前記締結ナット側の座金の中心孔に嵌合させ
て、前記締結ナット側のブレーキディスクの締結孔から
は退避させることにより、各座金をこれらのストレート
部で固定して、その偏心を防止することができる。
用した鉄道車両用ディスクブレーキを示す縦断面図
スクの中心位置決めをする状態を示す縦断面図
大して示す縦断面図
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄道車両の車輪の両側面に、一対のブレ
ーキディスクを重ね合わせて、これらの車輪と各ブレー
キディスクにそれぞれ設けられた等径の各締結孔を位置
合わせし、これらの位置合わせした各締結孔に締結ボル
トを挿通して、締結ボルトの先端部に締結ナットを螺着
し、締結ボルトの頭部と一方のブレーキディスクの間、
および締結ナットと他方のブレーキディスクの間に、そ
れぞれ座金を介在させて、一対のブレーキディスクを車
輪に締結する鉄道車両用ブレーキディスクの締結方法に
おいて、前記締結ボルトの少なくとも2本以上の複数本
のものを、その首下部と軸中央部とに、前記等径の各締
結孔に嵌合するストレート部をそれぞれ所定の長さで設
けた位置決め兼用締結ボルトとし、この複数本の位置決
め兼用締結ボルトを、前記重ね合わされた車輪と一対の
ブレーキディスクの複数の各締結孔に首下部まで挿入し
て、前記首下部のストレート部を前記締結ボルト頭部側
のブレーキディスクの締結孔に嵌合し、前記軸中央部の
ストレート部を前記車輪と締結ナット側のブレーキディ
スクの両締結孔に嵌合して、これらの一対のブレーキデ
ィスクの中心位置決めを行い、これらの位置決め兼用締
結ボルトが挿入されていない他の前記位置合わせした各
締結孔に締結ボルトを挿通し、これらの締結ボルトをそ
の頭部側と締結ナット側とに座金を介在させて締め付け
ることにより、前記中心位置決めされた一対のブレーキ
ディスクを車輪に固定し、こののち、前記各位置決め兼
用締結ボルトを前記各締結孔から抜き取って、これらの
各位置決め兼用締結ボルトをその頭部側に座金を介在さ
せて、前記抜き取った各締結孔に再び挿入し、前記締結
ナット側にも座金を介在させて、前記一対のブレーキデ
ィスクを締結するときに、前記各位置決め兼用締結ボル
トの首下部のストレート部を前記締結ボルト頭部側のブ
レーキディスクの締結孔から退避させ、前記軸中央部の
ストレート部を、前記締結ナット側のブレーキディスク
の締結孔から退避させて、前記車輪の締結孔にのみ嵌合
させるようにしたことを特徴とする鉄道車両用ブレーキ
ディスクの締結方法。 - 【請求項2】 前記位置決め兼用締結ボルト頭部側の座
金の中心孔を前記締結孔と等径とし、前記位置決め兼用
締結ボルトの先端部に、前記締結ナット側の座金の中心
孔に嵌合するストレート部を所定の長さで設け、これら
の各座金を介在させて前記一対のブレーキディスクを締
結するときに、前記首下部のストレート部を前記ボルト
頭部側の座金の中心孔に嵌合させ、前記先端部のストレ
ート部を、前記締結ナット側の座金の中心孔に嵌合させ
て、前記締結ナット側のブレーキディスクの締結孔から
は退避させるようにした請求項1に記載の鉄道車両用ブ
レーキディスクの締結方法。 - 【請求項3】 前記ブレーキディスクをアルミニウム基
複合材で形成し、前記締結ボルト頭部側および締結ナッ
ト側の各座金の外面側に、それぞれ弾性復元力を有する
別の座金を介在させた請求項1または2に記載の鉄道車
両用ブレーキディスクの締結方法。
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JP2001048373A JP4592979B2 (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 鉄道車両用ブレーキディスクの締結方法 |
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