JPH10167067A - 鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置 - Google Patents

鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置

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JPH10167067A
JPH10167067A JP32697296A JP32697296A JPH10167067A JP H10167067 A JPH10167067 A JP H10167067A JP 32697296 A JP32697296 A JP 32697296A JP 32697296 A JP32697296 A JP 32697296A JP H10167067 A JPH10167067 A JP H10167067A
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bolt
hole
aluminum
rotor
based composite
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Takehisa Inoue
武久 井上
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Akebono Brake Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇温によって熱膨張が生じても、ボルト貫通
孔の周縁に割れや変形が生じることがなく、高速の鉄道
車両における苛酷な制動条件にも長期に亘って耐えるこ
とのできる鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合
材製ロータの締結装置を提供すること。 【解決手段】 アルミ基複合材により略円盤状に一体形
成され、内周寄りに貫通形成された複数個のボルト貫通
孔23に挿通された取り付けボルト25により鉄道車両
の車輪28の側面に締結される鉄道車両用ディスクブレ
ーキのアルミ基複合材製ロータ21の締結装置におい
て、ボルト貫通孔23と取り付けボルト25との間に嵌
装されて、半径方向で弾性変形するとともに、ボルト貫
通孔23に対して取り付けボルト25を芯出する筒状部
材35、45を設けた構成。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略円盤状に成形さ
れて鉄道車両の車輪の側面に締結される鉄道車両用ディ
スクブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両用のディスクブレーキとして
は、従来より、略円盤状のロータを鉄道車両の車輪の内
外両側面にボルトによって締結することで、車輪の両側
面に制動用の摺動面を形成したタイプのものが知られて
いる。従来のこのタイプのものでは、ロータは、鋳鉄や
鍛鋼等の鉄系材料で製造していた。しかし、近年、鉄道
車両は高速化の指向が強まり、それに伴って、車両を構
成する部品の軽量化が強く求められてきた。特に、車輪
やこの車輪に装備される前述のロータ等は直接レールに
負荷をかけるばね下質量となり、レールに与える振動や
衝撃、更には車両の走行性能にも大きな影響力を持つた
め、軽量化が重要な課題とされてきた。
【0003】そこで、近年では、軽量材であるアルミ基
複合材製のロータを開発するに至っている。ここでいう
アルミ基複合材は、アルミニウム合金の金属母相にセラ
ミック粒子等(Al2 3 ,SiO2 ,SiC等)の強
化粒子を分散させた複合材料で、比重を約2.8程度に
抑えることができ、従来の鉄系材料と比較すると、大幅
な軽量化が図れる。
【0004】図5及び図6は、このようなアルミ基複合
材によって製造される従来のロータ1の構造を示したも
のである。このロータ1は、アルミ基複合材により略円
盤状に一体形成されると共に、内周寄りに複数個のボル
ト貫通孔3が貫通形成された構成を成し、前記ボルト貫
通孔3に挿通された取り付けボルト5と該取り付けボル
ト5に螺合するナット6により、図6に示すように、鉄
道車両の車輪8の側面に締結される。
【0005】前記ロータ1の表面9は、外周側の一定範
囲が制動用の摺動面9aとなるもので、該摺動面9aの
範囲は平坦に仕上げられている。また、ロータ1の裏面
10は、車輪8の側面に当接される面で、放熱効果を高
めるために、冷却用のフィン10aをロータ中心から放
射状に突設した構造としている。
【0006】前記ボルト貫通孔3は、前記取り付けボル
ト5の軸径に適度の余裕を持たせた円形穴で、ナット6
側には、通常、ナット6の弛み止めとして、ばねワッシ
ャ11が装備される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、高速車両で
使用されるロータ1は、制動動作時には、摩擦熱によっ
て250〜300℃程度に昇温し、それに伴う熱膨張に
より、図7に示すように、外周側が表面9側にせり出し
た略椀形に変形する。図7に示す矢印(イ)は、この略
椀形の変形時に発生する径方向の引張応力(熱応力)を
示している。
【0008】そして、ロータ1がこのような略椀形に熱
変形する際には、図8に示すように、径方向の熱膨張の
よって作用する引張応力Fのために、ロータ1のボルト
貫通孔3の一部(正確には、前記ボルト貫通孔3のロー
タ中心側の内壁面)が取り付けボルト5に強く圧接さ
れ、結果的には、ボルト貫通孔3の一部の内壁面に集中
荷重となって働く圧縮荷重のために、ボルト貫通孔3の
周縁に割れや変形が生じ易いという問題があった。
【0009】そこで、従来では、このような問題の発生
を防止する手段として、図9に示すように、ロータの径
方向の熱膨張の対策として予めボルト貫通孔3の穴径を
より大きめに設定し、取り付けボルト5とボルト貫通孔
3との間に隙間Sを画成することが行われている。一
方、ロータの径方向の熱膨張の対策として予めボルト貫
通孔3の穴径をより大きめに設定すると、取り付けボル
ト5をボルト貫通孔3に取り付ける際の芯出し、所謂中
心合わせが困難となる。取り付け時に中心のずれが生じ
ると、熱膨張時に取り付けボルト5の外壁面がボルト貫
通孔3の内壁面と当接もしくは圧接してしまい、結果的
には、ボルト貫通孔3の一部の内壁面に集中荷重となっ
て働く圧縮荷重となり、ボルト貫通孔3の周縁に割れや
変形が生じ易いという恐れがあった。したがって、上記
手段では、未だ十分な成果が得られていない。
【0010】また、実公平8−5400号公報では、ロ
ータ1の裏面10と車輪8との接触面積を増大させるこ
とでロータ1から車輪8への伝熱量を高めて、ロータ1
の昇温自体を抑えることで、ボルト貫通孔3の周縁に割
れや変形が生じることを抑制する技術が示されたが、近
年の高速車両における走行条件や制動条件では、ロータ
1の昇温を大幅に低減させることは極めて難しく、やは
り、十分な成果を得ることができないのが現状である。
【0011】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、取り付けボルトによって車輪に締結され
る鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロー
タであって、昇温によって熱膨張が生じても、ボルト貫
通孔の周縁に割れや変形が生じることがなく、高速の鉄
道車両における苛酷な制動条件にも長期に亘って耐える
ことのできる鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複
合材製ロータの締結装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るアルミ基複合材により略円盤状に一体形
成され、内周寄りに貫通形成された複数個のボルト貫通
孔に挿通された取り付けボルトにより鉄道車両の車輪の
側面に締結される鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ
基複合材製ロータの締結装置は、ボルト貫通孔と取り付
けボルトとの間に嵌装されて、半径方向で弾性変形する
とともに、該ボルト貫通孔に対して該取り付けボルトを
芯出する筒状部材を、具備することを特徴とするもので
ある。
【0013】また、本発明に係る鉄道車両用ディスクブ
レーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置は、上記目
的を達成するために、前記筒状部材に、該取り付けボル
トを嵌挿する嵌挿部と、該ボルト貫通孔の内壁面と当接
して弾性変形を受ける弾性変形部とが備えられている構
成とすることができる。
【0014】さらに、本発明に係る鉄道車両用ディスク
ブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置は、上記
目的を達成するために、前記ボルト貫通孔が、前記アル
ミ複合材製ロータに配設された第1ボルト孔と前記鉄道
車両の車輪に配設された第2ボルト孔とからなり、ま
た、前記筒状部材が、該取り付けボルトを嵌挿する嵌挿
部と、前記第1ボルト孔の内壁面と当接して弾性変形を
受ける第1弾性変形部と、前記第2ボルト孔の内壁面と
当接して弾性変形を受ける第2弾性変形部と、からなる
構成とすることができる。
【0015】ところで、昇温による熱膨張によってロー
タのボルト貫通孔の周縁に割れや変形が生じる原因の一
つとしては、熱膨張による前記ボルト貫通孔の周縁の変
位が芯ずれしたボルトの存在によって無理に拘束され
て、熱膨張に応じきれなくなることが大きな要因とな
る。
【0016】これに対し、上述した本発明の構成では、
ボルト貫通孔と取り付けボルトとの間に嵌装されて、半
径方向で弾性変形するとともに、該ボルト貫通孔に対し
て該取り付けボルトを芯出する筒状部材が備えられてい
るので、組み立て時の正確な芯出しができ、また昇温に
よる径方向の熱膨張の変位が生じても筒状部材の弾性変
形により吸収できるので、該ボルト貫通孔の内壁面の一
部が取り付けボルトにより圧迫されるという不都合が生
じない。さらに、本発明の構成では、筒状部材の嵌装に
より前記ボルト貫通孔と取り付けボルトとの間にガタツ
キがないので、鉄道車両の車輪の側面にアルミ基複合材
製ロータをバランス良く取り付けることができる。
【0017】また、請求項2に記載のように、前記筒状
部材が、該取り付けボルトを嵌挿する嵌挿部と、該ボル
ト貫通孔の内壁面と当接して弾性変形を受ける弾性変形
部とを具備する構成では、熱膨張によるロータの径方向
の変位と車輪の径方向の変位に対して、フレキシブルに
追随することが可能となり、ロータ本体には熱膨張時に
無理な拘束力が作用しない理想的な取り付け状態が得ら
れる。
【0018】また、請求項3に記載のように、前記ボル
ト貫通孔が、前記アルミ基複合材製ロータに配設された
第1ボルト孔と前記鉄道車両の車輪に配設された第2ボ
ルト孔とからなり、前記筒状部材が、該取り付けボルト
を嵌挿する嵌挿部と、前記第1ボルト孔の内壁面と当接
して弾性変形を受ける第1弾性変形部と、前記第2ボル
ト孔の内壁面と当接して弾性変形を受ける第2弾性変形
部とを、具備する構成では、熱膨張によるロータの径方
向の変位と車輪の径方向の変位に対して、個々にフレキ
シブルに追随することが可能となり、ロータ本体には熱
膨張時に無理な拘束力が作用しない理想的な取り付け状
態が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により、本発
明を説明する。図1乃至図2は本発明に係る鉄道車両用
ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置
の一実施形態を示したもので、図1は本発明の一実施形
態の鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロ
ータの締結装置20を示す要部の断面図、図2は本発明
の上記一実施形態の筒状部材の斜視図である。
【0020】図1に示した如く、本発明の一実施形態の
鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製ロータ
の締結装置20は、ボルト貫通孔23に挿通された取り
付けボルト25と、取り付けボルト25と螺合してロー
タ21を車軸28に固定するナット26と、ボルト貫通
孔23と取り付けボルト25との間に嵌装されて、半径
方向で弾性変形するととともに、ボルト貫通孔23と該
取り付けボルト25とを芯出する筒状部材35と、を備
えた構成となっている。なお、図1において、締結装置
20は、車軸28の中心線Xに対して対称形状としてい
るので、中心線Xより上部を詳細に図示し、下部を省略
する。
【0021】このロータ21は、アルミ基複合材により
略円盤状に一体形成されると共に、内周寄りに複数個の
第1ボルト貫通孔23aが貫通形成された構成を成し、
また、鉄系材料よりなる鉄道車両の車輪28は、第1ボ
ルト貫通孔23aと対応する位置において複数個の第2
ボルト貫通孔23bが貫通形成された構成を成す。該第
1ボルト貫通孔23aと第2ボルト貫通孔23bとでボ
ルト貫通孔23が画成される。ここでいうアルミ基複合
材は、アルミニウム合金の金属母相にセラミック粒子等
の強化粒子を分散させた複合材料で、セラミックとして
具体的には、Al2 3 ,SiO2 ,SiC等の材料成
分を使用する。
【0022】ロータ21は、挿通孔23に挿通された取
り付けボルト25にナット26を螺合するにより、図1
に示すように、鉄道車両の車輪28の側面に締結され
る。
【0023】ロータ21の表面29は、外周側の一定範
囲が制動用の摺動面29aとなるもので、該摺動面29
aの範囲は平坦に仕上げられている。また、ロータ21
の裏面30は、車輪28の側面に当接される面で、放熱
効果を高めるために、冷却用のフィン30aをロータ中
心から放射状に突設した構造としている。
【0024】第1ボルト貫通孔23a及び第2ボルト貫
通孔23bは、それぞれ取り付けボルト25の軸径に適
度の余裕を持たせた円形穴として形成されている。ま
た、取り付けボルト25には、制動時のロータ21の温
度上昇によるロータ21の板厚方向の熱膨張を弾性変形
により許容する皿ばね26aが装備される。該皿ばね2
6aは、2枚の平ワッシャ26bに挟まれた状態で、ナ
ット26とロータ21の表面29との間に配設されてい
る。
【0025】図2に示すように、本発明の上記一実施形
態の筒状部材35は、2つの第1弾性変形部37と、軸
方向で2つの第1弾性変形部37の間に配設される1つ
の第2弾性変形部38と、軸方向でそれぞれ第1弾性変
形部37と第2弾性変形部38との間に配設される取り
付けボルト25と嵌合する2つの嵌合部36とを、備え
る。
【0026】第1弾性変形部37は、軸方向端部で開口
し且つ周方向で等間隔に分配配設された複数の略U字状
のスリット37bと、周方向でそれぞれ隣合うスリット
37b間に設けられる断面片持ち梁形状の膨出部37a
とから構成されている。該膨出部37aの最大外径は、
円筒部材35がボルト貫通孔23に挿入装着された時
に、第1ボルト貫通孔23aの内壁面と当接し弾性変形
するように、第1ボルト貫通孔23aの内径よりも僅か
に大きく設定されている。
【0027】第2弾性変形部38は、筒状部材35の軸
方向略中央に位置しており、円筒部材35がボルト貫通
孔23に挿入装着された時に、第2ボルト貫通孔23b
の内壁面と当接して弾性変形を受ける断面両持梁形状の
膨出部38aにより構成されている。該膨出部38aの
最大外径は、円筒部材35がボルト貫通孔23に挿入装
着された時に、第2ボルト貫通孔23bの内壁面と当接
し弾性変形するように、第2ボルト貫通孔23bの内径
よりも僅かに大きく設定されている。また、軸方向で膨
出部37aと膨出部38aとの間には、それぞれ、嵌合
部36が配設されており、その最小内径と取り付けボル
ト25の軸径とが、取り付けボルト25を筒状部材35
に挿入したときに、それらが嵌合できるよう、略同一に
設定されている。
【0028】したがって、円筒部材35は、嵌合部36
と取り付けボルト25との嵌合により取り付けボルト2
5に対して芯出しされるとともに、膨出部37a、38
aとボルト貫通孔23との弾性的な圧接により、取り付
けボルトとボルト貫通孔23との芯出しを行う。また、
円筒部材35は、膨出部38aを断面両持梁形状とする
ことによって鉄系材の車輪の第2ボルト貫通孔23bと
強く圧接するとともに、膨出部37aを断面片持ち梁形
状とすることによりアルミ基複合材のロータ21の第1
ボルト貫通孔23aを弱く圧接するように構成している
ので、制動時に摺動面の摩擦で高温に昇温するロータ2
1の昇温による熱膨張に伴う変位を膨出部37aによっ
て拘束することがない。即ち、ローター21の熱膨張に
伴う半径方向の変位は、膨出部37aの弾性変形として
許容することができる。
【0029】図3乃至図4は本発明に係る鉄道車両用デ
ィスクブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置の
他の実施形態を示したもので、図3は本発明の他の実施
形態の鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材製
ロータの締結装置40を示す要部の断面図、図4は本発
明の上記他の実施形態の筒状部材の斜視図である。な
お、図3乃至図4において、図1乃至図2に示した本発
明の一実施形態と同一の部材もしくは同一機能の部材に
ついては、同一の参照番号を付すことでその説明を省略
する。
【0030】図3乃至図4に示すように、本発明の上記
他の実施形態の筒状部材45は、2つの第1弾性変形部
47と、軸方向で2つの第1弾性変形部47の間に配設
される1つの第2弾性変形部48と、軸方向でそれぞれ
第1弾性変形部47と第2弾性変形部48との間に配設
される取り付けボルト25と嵌合する2つの嵌合部46
とを、備える。なお、図3において、締結装置40は、
車軸28の中心線Xに対して対称形状としているので、
中心線Xより上部を詳細に図示し、下部を省略する。
【0031】第1弾性変形部47は、周方向で等間隔に
分配配設された複数の略U字状の開口部47bと、開口
部47bにより画成される片持ち梁形状で且つ半径方向
に膨出する膨出部47aとから構成されている。該膨出
部47aの最大外径は、円筒部材45がボルト貫通孔2
3に挿入装着された時に、第1ボルト貫通孔23aの内
壁面と当接し弾性変形するように、第1ボルト貫通孔2
3aの内径よりも僅かに大きく設定されている。
【0032】第2弾性変形部48は、筒状部材35の軸
方向略中央に位置しており、円筒部材45がボルト貫通
孔23に挿入装着された時に、第2ボルト貫通孔23b
の内壁面と当接して弾性変形を受ける断面両持梁形状の
膨出部48aにより構成されている。該膨出部48aの
最大外径は、円筒部材35がボルト貫通孔23に挿入装
着された時に、第2ボルト貫通孔23bの内壁面と当接
し弾性変形するように、第2ボルト貫通孔23bの内径
よりも僅かに大きく設定されている。また、軸方向で膨
出部47aと膨出部48aとの間並びに軸方向両端部に
は、4つの嵌合部46が配設されており、その最小内径
と取り付けボルト25の軸径とが、取り付けボルト25
を筒状部材45に挿入したときに、それらが嵌合できる
よう、略同一に設定されている。筒状部材45に4つの
嵌合部46の配設することによって、図1乃至図2に示
した軸方向両端部に嵌合部を持たない図1乃至図2に示
した実施態様の円筒部材35に比して、半径方向におけ
るガタツキをより効果的に低減することが可能となる。
【0033】したがって、円筒部材45は、嵌合部46
と取り付けボルト25との嵌合により取り付けボルト2
5に対して芯出しされるとともに、膨出部47a、48
aとボルト貫通孔23との弾性的な圧接により、取り付
けボルト25とボルト貫通孔23との芯出しを行う。ま
た、円筒部材45は、膨出部48aが断面両持梁形状と
されることにより鉄系材の車輪の第2ボルト貫通孔23
bと強く圧接するとともに、膨出部47aが断面片持ち
梁形状とされることによりアルミ基複合材のロータ21
の第1ボルト貫通孔23aと弱く圧接するように構成し
ているので、制動時に摺動面の摩擦で高温に昇温するロ
ータ21の昇温による熱膨張に伴う変位を膨出部47a
によって拘束することがない。即ち、ローター21の熱
膨張に伴う半径方向の変位は、膨出部47aの弾性変形
として許容することができる。
【0034】なお、上述の実施態様において、円筒部材
35、45は、すべてのボルト貫通孔に対応して設ける
ことが好ましいが、周方向で少なくとも3か所以上設け
るようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基
複合材製ロータの締結装置によれば、ボルト貫通孔と取
り付けボルトとの間に嵌装されて、半径方向で弾性変形
するとともに、該ボルト貫通孔に対して該取り付けボル
トを芯出する筒状部材が備えられているので、組み立て
時の正確な芯出しができ、また昇温による径方向の熱膨
張の変位が生じても筒状部材の弾性変形により吸収でき
るので、該ボルト貫通孔の内壁面の一部が取り付けボル
トにより圧迫されるという不都合が生じない。したがっ
て、ボルト貫通孔の周縁に割れや変形が生じることがな
く、高速の鉄道車両における過酷な制動条件にも長期に
亘って耐えることができる。さらに、本発明の構成で
は、筒状部材の嵌装により前記ボルト貫通孔と取り付け
ボルトとの間にガタツキがないので、鉄道車両の車輪の
側面にアルミ基複合材製ロータをバランス良く取り付け
ることができる。したがって、制動トルクの伝達及び鉄
道用レールからの上下振動負荷に対してもガタツキを低
減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のアルミ基複合材製ロータ
の締結装置を示す要部の断面図である。
【図2】本発明の上記一実施形態の筒状部材の斜視図で
ある。
【図3】本発明の他の実施形態のアルミ基複合材製ロー
タの締結装置を示す要部の断面図である。
【図4】本発明の上記他の実施形態の筒状部材の斜視図
である。
【図5】従来の鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基
複合材製ロータの斜視図。
【図6】従来の鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基
複合材製ロータの車輪に取り付けた状態の断面図。
【図7】鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基複合材
製ロータの熱膨張による変形を示す斜視図。
【図8】従来の鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基
複合材製ロータにおける熱膨張時に発生する問題を示す
断面図。
【図9】従来の対応策を示す断面図。
【符号の説明】
21 ロータ 23 ボルト貫通孔 25 取り付けボルト 26 ナット 26a 皿ばね 26b 平ワッシャ 28 車輪 29 表面 30 裏面 35、45 筒状部材 36、46 嵌合部 37、47 第1弾性変形部 38、48 第2弾性変形部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ基複合材により略円盤状に一体形
    成され、内周寄りに貫通形成された複数個のボルト貫通
    孔に挿通された取り付けボルトにより鉄道車両の車輪の
    側面に締結される鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ
    基複合材製ロータの締結装置において、 ボルト貫通孔と取り付けボルトとの間に嵌装されて、半
    径方向で弾性変形するとともに、該ボルト貫通孔に対し
    て該取り付けボルトを芯出する筒状部材を、具備するこ
    とを特徴とする鉄道車両用ディスクブレーキのアルミ基
    複合材製ロータの締結装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状部材が、該取り付けボルトを嵌
    挿する嵌挿部と、該ボルト貫通孔の内壁面と当接して弾
    性変形を受ける弾性変形部と、を具備することを特徴と
    する請求項1に記載の鉄道車両用ディスクブレーキのア
    ルミ基複合材製ロータの締結装置。
  3. 【請求項3】 前記ボルト貫通孔が、前記アルミ基複合
    材製ロータに配設された第1ボルト孔と前記鉄道車両の
    車輪に配設された第2ボルト孔とからなり、 前記筒状部材が、該取り付けボルトを嵌挿する嵌挿部
    と、前記第1ボルト孔の内壁面と当接して弾性変形を受
    ける第1弾性変形部と、前記第2ボルト孔の内壁面と当
    接して弾性変形を受ける第2弾性変形部とを、具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用ディスク
    ブレーキのアルミ基複合材製ロータの締結装置。
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