JP2002249572A - ポリエステル、中空成形体、およびシート状物質 - Google Patents
ポリエステル、中空成形体、およびシート状物質Info
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- JP2002249572A JP2002249572A JP2001049263A JP2001049263A JP2002249572A JP 2002249572 A JP2002249572 A JP 2002249572A JP 2001049263 A JP2001049263 A JP 2001049263A JP 2001049263 A JP2001049263 A JP 2001049263A JP 2002249572 A JP2002249572 A JP 2002249572A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アンチモン化合物以外の新規なポリエステル
重合触媒を用いて製造されたポリエステルを提供するこ
と。 【解決手段】 繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステルであって、アルミニウムもし
くはアルミニウム化合物のうち少なくともいずれか一方
と、フェノール系化合物と、を含有する触媒によって合
成されるとともに、前記ポリエステルから得られた成形
体の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、1
50℃未満であることを特徴とするポリエステル。
重合触媒を用いて製造されたポリエステルを提供するこ
と。 【解決手段】 繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステルであって、アルミニウムもし
くはアルミニウム化合物のうち少なくともいずれか一方
と、フェノール系化合物と、を含有する触媒によって合
成されるとともに、前記ポリエステルから得られた成形
体の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、1
50℃未満であることを特徴とするポリエステル。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル重合触
媒を用いて重合されたポリエステル、および、そのポリ
エステルを用いて製造された中空成形体およびシート状
物質に関するものであり、詳しくは、ゲルマニウム、ア
ンチモン化合物を触媒主成分として用いない新規のポリ
エステル重合触媒用いて重合されたポリエステル、およ
び、そのポリエステルを用いて製造された中空成形体お
よびシート状物質に関するものである。
媒を用いて重合されたポリエステル、および、そのポリ
エステルを用いて製造された中空成形体およびシート状
物質に関するものであり、詳しくは、ゲルマニウム、ア
ンチモン化合物を触媒主成分として用いない新規のポリ
エステル重合触媒用いて重合されたポリエステル、およ
び、そのポリエステルを用いて製造された中空成形体お
よびシート状物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下単に
「PET」と略称する)、ポリブチレンテレフタレート
(以下単に「PBT」と略称する)、ポリエチレンナフ
タレート(以下単に「PEN」と略称する)等に代表さ
れるポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優
れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、ボ
トル等の中空成形体、包装用や磁気テープ用等のフィル
ム、包装用等のシート、電気・電子部品用等の成形材料
などの広範な分野において使用されている。
「PET」と略称する)、ポリブチレンテレフタレート
(以下単に「PBT」と略称する)、ポリエチレンナフ
タレート(以下単に「PEN」と略称する)等に代表さ
れるポリエステルは、機械的特性、及び化学的特性に優
れており、それぞれのポリエステルの特性に応じて、ボ
トル等の中空成形体、包装用や磁気テープ用等のフィル
ム、包装用等のシート、電気・電子部品用等の成形材料
などの広範な分野において使用されている。
【0003】これらのポリエステルの中で、特にポリエ
チレンテレフタレートはその優れた透明性、機械的強
度、耐熱性、ガスバリヤ−性等の特性により炭酸飲料、
ジュース、ミネラルウオータ等の飲料用容器やグラタン
等の半調理済み冷凍食品等の容器用のシートの素材とし
て採用されておりその普及はめざましいものがある。
チレンテレフタレートはその優れた透明性、機械的強
度、耐熱性、ガスバリヤ−性等の特性により炭酸飲料、
ジュース、ミネラルウオータ等の飲料用容器やグラタン
等の半調理済み冷凍食品等の容器用のシートの素材とし
て採用されておりその普及はめざましいものがある。
【0004】一般にこのような用途に使用されるPET
は、主としてテレフタール酸、エチレングリコールを原
料とし、重縮合触媒としてアンチモン化合物、チタン化
合物、ゲルマニウム化合物およびこれらの混合物などを
用いて製造される。
は、主としてテレフタール酸、エチレングリコールを原
料とし、重縮合触媒としてアンチモン化合物、チタン化
合物、ゲルマニウム化合物およびこれらの混合物などを
用いて製造される。
【0005】これらの用途において、ポリエステル製ボ
トルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を
充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製
ボトルでは、このような熱充填処理時等に収縮、変形が
起こり問題となる。ポリエステル製ボトルの耐熱性を向
上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化
度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりす
る方法が提案されている。特に口栓部の結晶化が不十分
であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合には
キャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずる
ことがある。
トルに高温で殺菌した飲料を熱充填したり、また飲料を
充填後高温で殺菌したりするが、通常のポリエステル製
ボトルでは、このような熱充填処理時等に収縮、変形が
起こり問題となる。ポリエステル製ボトルの耐熱性を向
上させる方法として、ボトル口栓部を熱処理して結晶化
度を高めたり、また延伸したボトルを熱固定させたりす
る方法が提案されている。特に口栓部の結晶化が不十分
であったり、また結晶化度のばらつきが大きい場合には
キャップとの密封性が悪くなり、内容物の漏れが生ずる
ことがある。
【0006】また、果汁飲料、ウーロン茶およびミネラ
ルウオータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合
には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を
熱処理して結晶化する方法(特開昭55−79237号
公報、特開昭58−110221号公報等に記載の方
法)が一般的である。このような方法、すなわち口栓
部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶
化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温
でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETで
あることが好ましい。一方、胴部についてはボトル内容
物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施し
ても透明であることが要求されており、口栓部と胴部で
は相反する特性が必要である。
ルウオータなどのように熱充填を必要とする飲料の場合
には、プリフォームまたは成形されたボトルの口栓部を
熱処理して結晶化する方法(特開昭55−79237号
公報、特開昭58−110221号公報等に記載の方
法)が一般的である。このような方法、すなわち口栓
部、肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法は、結晶
化処理をする時間・温度が生産性に大きく影響し、低温
でかつ短時間で処理できる、結晶化速度が速いPETで
あることが好ましい。一方、胴部についてはボトル内容
物の色調を悪化させないように、成形時の熱処理を施し
ても透明であることが要求されており、口栓部と胴部で
は相反する特性が必要である。
【0007】前記の触媒の中で、アンチモン触媒は、安
価で、かつ優れた触媒活性を持つ触媒であるが、これを
主成分、即ち、実用的な重縮合速度が発揮される程度の
添加量にて使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析
出するため、ポリエステルに黒ずみや異物が発生すると
いう問題点を有している。このような経緯で、アンチモ
ンを全く含まないか或いはアンチモンを触媒主成分とし
て含まないポリエステルが望まれている。、アンチモン
触媒を重縮合触媒として用いたPETの結晶化速度は、
前記の異物に起因するためか、ゲルマニウム化合物やチ
タン化合物を触媒として用いた場合に比べて速く、透明
性の優れた耐熱中空成形体、特に大型の耐熱中空成形体
を得ることが非常に困難である。また、前記の異物が中
空成形体中に存在する場合があり、商品価値を低下さ
す。このような経緯で、アンチモンを全く含まないか或
いはアンチモンを触媒主成分として含まないポリエステ
ルが望まれている。またアンチモン触媒を重縮合触媒と
して用いて得られたPETをシート用素材として用いる
場合、シート成形時において次のような問題を起こす。
金属アンチモンの析出はシート成形時にフィルター詰ま
りにより押出機内の圧力上昇をもたらすため、フィルタ
ーの交換周期が短くなり、コストアップの要因となる。
またシート成形ダイスのリップ汚れを引き起こし、シー
ト表面ヘのリップ汚れ物の付着頻度が激しくなり、製品
歩留まりが悪くなる。従って、ポリエステルシートの製
造においても、異物の発生のないポリエステル重縮合触
媒が求められる。
価で、かつ優れた触媒活性を持つ触媒であるが、これを
主成分、即ち、実用的な重縮合速度が発揮される程度の
添加量にて使用すると、重縮合時に金属アンチモンが析
出するため、ポリエステルに黒ずみや異物が発生すると
いう問題点を有している。このような経緯で、アンチモ
ンを全く含まないか或いはアンチモンを触媒主成分とし
て含まないポリエステルが望まれている。、アンチモン
触媒を重縮合触媒として用いたPETの結晶化速度は、
前記の異物に起因するためか、ゲルマニウム化合物やチ
タン化合物を触媒として用いた場合に比べて速く、透明
性の優れた耐熱中空成形体、特に大型の耐熱中空成形体
を得ることが非常に困難である。また、前記の異物が中
空成形体中に存在する場合があり、商品価値を低下さ
す。このような経緯で、アンチモンを全く含まないか或
いはアンチモンを触媒主成分として含まないポリエステ
ルが望まれている。またアンチモン触媒を重縮合触媒と
して用いて得られたPETをシート用素材として用いる
場合、シート成形時において次のような問題を起こす。
金属アンチモンの析出はシート成形時にフィルター詰ま
りにより押出機内の圧力上昇をもたらすため、フィルタ
ーの交換周期が短くなり、コストアップの要因となる。
またシート成形ダイスのリップ汚れを引き起こし、シー
ト表面ヘのリップ汚れ物の付着頻度が激しくなり、製品
歩留まりが悪くなる。従って、ポリエステルシートの製
造においても、異物の発生のないポリエステル重縮合触
媒が求められる。
【0008】上記の問題を解決する方法として、触媒と
して三酸化アンチモンを用いて、かつPETの黒ずみや
異物の発生を抑制する試みが行われている。例えば、特
許第2666502号においては、重縮合触媒として三
酸化アンチモンとビスマスおよびセレンの化合物を用い
ることで、PET中の黒色異物の生成を抑制している。
また、特開平9−291141号においては、重縮合触
媒としてナトリウムおよび鉄の酸化物を含有する三酸化
アンチモンを用いると、金属アンチモンの析出が抑制さ
れることを述べている。ところが、これらの重縮合触媒
では、結局ポリエステル中のアンチモンの含有量を低減
するという目的は達成できない。
して三酸化アンチモンを用いて、かつPETの黒ずみや
異物の発生を抑制する試みが行われている。例えば、特
許第2666502号においては、重縮合触媒として三
酸化アンチモンとビスマスおよびセレンの化合物を用い
ることで、PET中の黒色異物の生成を抑制している。
また、特開平9−291141号においては、重縮合触
媒としてナトリウムおよび鉄の酸化物を含有する三酸化
アンチモンを用いると、金属アンチモンの析出が抑制さ
れることを述べている。ところが、これらの重縮合触媒
では、結局ポリエステル中のアンチモンの含有量を低減
するという目的は達成できない。
【0009】PETボトル等の透明性が要求される用途
について、アンチモン触媒の有する問題点を解決する方
法として、例えば特開平6−279579号公報では、
アンチモン化合物とリン化合物の使用量比を規定するこ
とにより透明性を改良される方法が開示されている。し
かしながら、この方法で得られたポリエステルからの中
空成形品は透明性が十分なものとはいえない。
について、アンチモン触媒の有する問題点を解決する方
法として、例えば特開平6−279579号公報では、
アンチモン化合物とリン化合物の使用量比を規定するこ
とにより透明性を改良される方法が開示されている。し
かしながら、この方法で得られたポリエステルからの中
空成形品は透明性が十分なものとはいえない。
【0010】また、特開平10−36495号公報に
は、三酸化アンチモン、リン酸およびスルホン酸化合物
を使用した透明性に優れたポリエステルの連続製造法が
開示されている。しかしながら、このような方法で得ら
れたポリエステルは熱安定性が悪く、得られた中空成形
品のアセトアルデヒド含量が高くなるという問題を有し
ている。
は、三酸化アンチモン、リン酸およびスルホン酸化合物
を使用した透明性に優れたポリエステルの連続製造法が
開示されている。しかしながら、このような方法で得ら
れたポリエステルは熱安定性が悪く、得られた中空成形
品のアセトアルデヒド含量が高くなるという問題を有し
ている。
【0011】三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒に
代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコ
キシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物
がすでに提案されているが、これらを用いて製造された
ポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、また
ポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。
また、結晶化速度が非常に遅く、前記の耐熱中空成形体
を製造する際の口栓部の結晶化に時間がかかり、生産性
が落ちるという問題点もある。
代わる重縮合触媒の検討も行われており、テトラアルコ
キシチタネートに代表されるチタン化合物やスズ化合物
がすでに提案されているが、これらを用いて製造された
ポリエステルは溶融成形時に熱劣化を受けやすく、また
ポリエステルが著しく着色するという問題点を有する。
また、結晶化速度が非常に遅く、前記の耐熱中空成形体
を製造する際の口栓部の結晶化に時間がかかり、生産性
が落ちるという問題点もある。
【0012】このような、チタン化合物を重縮合触媒と
して用いたときの問題点を克服する試みとして、例え
ば、特開昭55−116722号では、テトラアルコキ
シチタネートをコバルト塩およびカルシウム塩と同時に
用いる方法が提案されている。また、特開平8−735
81号によると、重縮合触媒としてテトラアルコキシチ
タネートをコバルト化合物と同時に用い、かつ蛍光増白
剤を用いる方法が提案されている。ところが、これらの
技術では、テトラアルコキシチタネートを重縮合触媒と
して用いたときのPETの着色は低減されるものの、P
ETの熱分解を効果的に抑制することは達成されていな
い。
して用いたときの問題点を克服する試みとして、例え
ば、特開昭55−116722号では、テトラアルコキ
シチタネートをコバルト塩およびカルシウム塩と同時に
用いる方法が提案されている。また、特開平8−735
81号によると、重縮合触媒としてテトラアルコキシチ
タネートをコバルト化合物と同時に用い、かつ蛍光増白
剤を用いる方法が提案されている。ところが、これらの
技術では、テトラアルコキシチタネートを重縮合触媒と
して用いたときのPETの着色は低減されるものの、P
ETの熱分解を効果的に抑制することは達成されていな
い。
【0013】チタン化合物を触媒として用いて重縮合し
たポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する他の試
みとして、例えば、特開平10−259296号では、
チタン化合物を触媒としてポリエステルを重縮合した後
にリン系化合物を添加する方法が開示されている。しか
し、重縮合後のポリマーに添加剤を効果的に混ぜ込むこ
とは技術的に困難であるばかりでなく、コストアップに
もつながり実用化されていないのが現状である。
たポリエステルの溶融成形時の熱劣化を抑制する他の試
みとして、例えば、特開平10−259296号では、
チタン化合物を触媒としてポリエステルを重縮合した後
にリン系化合物を添加する方法が開示されている。しか
し、重縮合後のポリマーに添加剤を効果的に混ぜ込むこ
とは技術的に困難であるばかりでなく、コストアップに
もつながり実用化されていないのが現状である。
【0014】アルミニウム化合物は一般に触媒活性に劣
ることが知られている。アルミニウム化合物の中でも、
アルミニウムのキレート化合物は他のアルミニウム化合
物に比べて重縮合触媒として高い触媒活性を有すること
が報告されているが、上述のアンチモン化合物やチタン
化合物と比べると十分な触媒活性を有しているとは言え
ず、アルミニウム化合物を触媒として用いて重縮合した
ポリエステルを中空成形体やフィルム等に用いた例は知
られていなかった。
ることが知られている。アルミニウム化合物の中でも、
アルミニウムのキレート化合物は他のアルミニウム化合
物に比べて重縮合触媒として高い触媒活性を有すること
が報告されているが、上述のアンチモン化合物やチタン
化合物と比べると十分な触媒活性を有しているとは言え
ず、アルミニウム化合物を触媒として用いて重縮合した
ポリエステルを中空成形体やフィルム等に用いた例は知
られていなかった。
【0015】アンチモン化合物以外で優れた触媒活性を
有しかつ熱安定性並びに熱酸化安定性に優れたポリエス
テルを与える触媒としては、ゲルマニウム化合物がすで
に実用化されているが、この触媒は非常に高価であると
いう問題点や、重縮合中に反応系から外へ留出しやすい
ため反応系の触媒濃度が変化し重縮合の制御が困難にな
るという課題を有しており、触媒主成分として使用する
ことには問題がある。
有しかつ熱安定性並びに熱酸化安定性に優れたポリエス
テルを与える触媒としては、ゲルマニウム化合物がすで
に実用化されているが、この触媒は非常に高価であると
いう問題点や、重縮合中に反応系から外へ留出しやすい
ため反応系の触媒濃度が変化し重縮合の制御が困難にな
るという課題を有しており、触媒主成分として使用する
ことには問題がある。
【0016】また、ポリエステルの溶融成形時の熱劣化
を抑制する方法として、ポリエステルから触媒を除去す
る方法も挙げられる。ポリエステルから触媒を除去する
方法としては、例えば特開平10−251394号公報
には、酸性物質の存在下にポリエステル樹脂と超臨界流
体である抽出剤とを接触させる方法が開示されている。
しかし、このような超臨界流体を用いる方法は技術的に
困難である上にコストアップにもつながるので好ましく
ない。
を抑制する方法として、ポリエステルから触媒を除去す
る方法も挙げられる。ポリエステルから触媒を除去する
方法としては、例えば特開平10−251394号公報
には、酸性物質の存在下にポリエステル樹脂と超臨界流
体である抽出剤とを接触させる方法が開示されている。
しかし、このような超臨界流体を用いる方法は技術的に
困難である上にコストアップにもつながるので好ましく
ない。
【0017】上記の中空成形体口栓部の結晶化速度およ
び胴部の透明性の問題点を解決するために、特開平10
−287799号公報においては、示差走査熱量計によ
る昇温時結晶化温度が140〜162℃、降温時結晶化
温度が175〜190℃のポリエステルと、昇温時結晶
化温度が165〜180℃、降温時結晶化温度が150
〜170℃のポリエステルの混合物を用いて口栓部の加
熱結晶化速度が速く、しかも胴部が不透明化しないポリ
エステル容器の製造方法が開示されている。しかしなが
ら、重縮合触媒として、アンチモン化合物、チタン化合
物、ゲルマニウム化合物およびこれらの混合物を用いる
場合には、このような方法では前記のような問題点があ
り、満足できるものではない。
び胴部の透明性の問題点を解決するために、特開平10
−287799号公報においては、示差走査熱量計によ
る昇温時結晶化温度が140〜162℃、降温時結晶化
温度が175〜190℃のポリエステルと、昇温時結晶
化温度が165〜180℃、降温時結晶化温度が150
〜170℃のポリエステルの混合物を用いて口栓部の加
熱結晶化速度が速く、しかも胴部が不透明化しないポリ
エステル容器の製造方法が開示されている。しかしなが
ら、重縮合触媒として、アンチモン化合物、チタン化合
物、ゲルマニウム化合物およびこれらの混合物を用いる
場合には、このような方法では前記のような問題点があ
り、満足できるものではない。
【0018】以上のような経緯で、アンチモンおよびゲ
ルマニウム以外の金属(成分)を触媒の主たる金属成分
とする重縮合触媒を用いて得られたポリエステルおよび
それからなる安価な中空成形体やシート状物が望まれて
いる。
ルマニウム以外の金属(成分)を触媒の主たる金属成分
とする重縮合触媒を用いて得られたポリエステルおよび
それからなる安価な中空成形体やシート状物が望まれて
いる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アンチモン
化合物以外の新規なポリエステル重合触媒を用いて製造
されたポリエステル、および、そのポリエステルを利用
した中空成形体およびシート状物質を提供するものであ
る。
化合物以外の新規なポリエステル重合触媒を用いて製造
されたポリエステル、および、そのポリエステルを利用
した中空成形体およびシート状物質を提供するものであ
る。
【0020】また、本発明は、アンチモン化合物または
ゲルマニウム化合物を触媒主成分として含まず、アルミ
ニウムを主たる金属成分とし、触媒活性に優れ、かつ触
媒の失活もしくは除去をすることなしに、溶融成形時の
熱劣化が効果的に抑制されて熱安定性に優れ、異物発生
が少なく透明性にも優れ、結晶性が高く、さらには色調
も優れたポリエステルを提供する。
ゲルマニウム化合物を触媒主成分として含まず、アルミ
ニウムを主たる金属成分とし、触媒活性に優れ、かつ触
媒の失活もしくは除去をすることなしに、溶融成形時の
熱劣化が効果的に抑制されて熱安定性に優れ、異物発生
が少なく透明性にも優れ、結晶性が高く、さらには色調
も優れたポリエステルを提供する。
【0021】本発明はまた、前記触媒を使用した中空成
形体およびシート状物質の溶融成形を行う際の熱安定
性、異物の発生、生産性が改善されており、バージンの
樹脂を使用してもまた成形時に発生する屑を再利用して
も品位に優れた製品が得られるポリエステルを提供する
ことにある。
形体およびシート状物質の溶融成形を行う際の熱安定
性、異物の発生、生産性が改善されており、バージンの
樹脂を使用してもまた成形時に発生する屑を再利用して
も品位に優れた製品が得られるポリエステルを提供する
ことにある。
【0022】本発明の別の目的は、アンチモン化合物ま
たはゲルマニウム化合物を触媒主成分として含まず、ア
ルミニウムを主たる金属成分とし、触媒活性に優れ、か
つ触媒の失活もしくは除去をすることなしに、異物発生
が少なく透明性にも優れたポリエステルを提供する。
たはゲルマニウム化合物を触媒主成分として含まず、ア
ルミニウムを主たる金属成分とし、触媒活性に優れ、か
つ触媒の失活もしくは除去をすることなしに、異物発生
が少なく透明性にも優れたポリエステルを提供する。
【0023】本発明はまた、前記触媒を使用した中空成
形体およびシート状物質の異物の発生、生産性が改善さ
れており、バージンの樹脂を使用してもまた成形時に発
生する屑を再利用しても品位に優れた製品が得られるポ
リエステルを提供することにある。
形体およびシート状物質の異物の発生、生産性が改善さ
れており、バージンの樹脂を使用してもまた成形時に発
生する屑を再利用しても品位に優れた製品が得られるポ
リエステルを提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリエステ
ルは、請求項1記載のように、繰返し単位としてエチレ
ンテレフタレートを含有するポリエステルであって、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有する
触媒によって合成されるとともに、前記ポリエステルか
ら得られた成形体の、示差走査型熱量計による昇温時結
晶化温度が、150℃未満であることを特徴とするポリ
エステルである。
ルは、請求項1記載のように、繰返し単位としてエチレ
ンテレフタレートを含有するポリエステルであって、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有する
触媒によって合成されるとともに、前記ポリエステルか
ら得られた成形体の、示差走査型熱量計による昇温時結
晶化温度が、150℃未満であることを特徴とするポリ
エステルである。
【0025】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項2記載のように、繰返し単位としてエチレンテレフタ
レートを含有するポリエステルであって、アルミニウム
もしくはアルミニウム化合物のうち少なくともいずれか
一方と、リン化合物と、を含有する触媒によって合成さ
れるとともに、前記ポリエステルから得られた成形体
の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、15
0℃未満であることを特徴とするポリエステルである。
項2記載のように、繰返し単位としてエチレンテレフタ
レートを含有するポリエステルであって、アルミニウム
もしくはアルミニウム化合物のうち少なくともいずれか
一方と、リン化合物と、を含有する触媒によって合成さ
れるとともに、前記ポリエステルから得られた成形体
の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、15
0℃未満であることを特徴とするポリエステルである。
【0026】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項3記載のように、請求項1記載の発明において、前記
触媒としてさらにリン化合物を用いることを特徴とする
ポリエステルである。
項3記載のように、請求項1記載の発明において、前記
触媒としてさらにリン化合物を用いることを特徴とする
ポリエステルである。
【0027】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項4記載のように、請求項2または3記載の発明におい
て、前記リン化合物が、ホスホン酸系化合物、ホスフィ
ン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホス
ホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、もしくは、
ホスフィン系化合物のうち少なくともいずれか一つを含
むことを特徴とするポリエステルである。
項4記載のように、請求項2または3記載の発明におい
て、前記リン化合物が、ホスホン酸系化合物、ホスフィ
ン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホス
ホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、もしくは、
ホスフィン系化合物のうち少なくともいずれか一つを含
むことを特徴とするポリエステルである。
【0028】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項5記載のように、請求項2〜4のいずれかに記載の発
明において、前記リン化合物が、下記式(1)〜(3)
で表される化合物のうち少なくともいずれか一つを含む
ことを特徴とするポリエステルである。
項5記載のように、請求項2〜4のいずれかに記載の発
明において、前記リン化合物が、下記式(1)〜(3)
で表される化合物のうち少なくともいずれか一つを含む
ことを特徴とするポリエステルである。
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】(式(1)〜(3)中、R1、R4、R5、
R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素
基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基また
はアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構
造や芳香環構造を含んでもよい。) また、本発明に係るポリエステルは、請求項6記載のよ
うに、請求項2〜5のいずれかに記載の発明において、
前記リン化合物が、リンの酸もしくは金属塩化合物のう
ち少なくともいずれか一方を含むことを特徴とするポリ
エステルである。
R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素
基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基また
はアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構
造や芳香環構造を含んでもよい。) また、本発明に係るポリエステルは、請求項6記載のよ
うに、請求項2〜5のいずれかに記載の発明において、
前記リン化合物が、リンの酸もしくは金属塩化合物のう
ち少なくともいずれか一方を含むことを特徴とするポリ
エステルである。
【0033】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項7記載のように、請求項2〜6のいずれかに記載の発
明において、前記リン化合物が、少なくとも下記化学式
(4)の部分を含むことを特徴とするポリエステルであ
る。
項7記載のように、請求項2〜6のいずれかに記載の発
明において、前記リン化合物が、少なくとも下記化学式
(4)の部分を含むことを特徴とするポリエステルであ
る。
【0034】
【化12】
【0035】また、本発明に係るポリエステルは、請求
項8記載のように、請求項1〜7のいずれかに記載の発
明において、前記ポリエステルの極限粘度が0.55〜
1.50デシリットル/グラムであることを特徴とする
ポリエステルである。
項8記載のように、請求項1〜7のいずれかに記載の発
明において、前記ポリエステルの極限粘度が0.55〜
1.50デシリットル/グラムであることを特徴とする
ポリエステルである。
【0036】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
9記載のように、請求項1〜8のいずれかに記載のポリ
エステル1〜50重量部と、示差走査型熱量計により測
定した成形体の昇温時結晶化温度が165〜180℃で
あるとともに、繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステル100重量部と、の混合物を
成形してなることを特徴とする中空成形体である。
9記載のように、請求項1〜8のいずれかに記載のポリ
エステル1〜50重量部と、示差走査型熱量計により測
定した成形体の昇温時結晶化温度が165〜180℃で
あるとともに、繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステル100重量部と、の混合物を
成形してなることを特徴とする中空成形体である。
【0037】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
10記載のように、請求項9記載の発明において、示差
走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温度
が165〜180℃であるとともに、繰返し単位として
エチレンテレフタレートを含有するポリエステルが、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有する
触媒によって合成されたことを特徴とする中空成形体で
ある。
10記載のように、請求項9記載の発明において、示差
走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温度
が165〜180℃であるとともに、繰返し単位として
エチレンテレフタレートを含有するポリエステルが、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有する
触媒によって合成されたことを特徴とする中空成形体で
ある。
【0038】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
11記載のように、請求項9記載の発明において、示差
走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温度
が165〜180℃であるとともに、繰返し単位として
エチレンテレフタレートを含有するポリエステルが、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、リン化合物と、を含有する触媒によ
って合成されたことを特徴とする中空成形体である。
11記載のように、請求項9記載の発明において、示差
走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温度
が165〜180℃であるとともに、繰返し単位として
エチレンテレフタレートを含有するポリエステルが、ア
ルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なくと
もいずれか一方と、リン化合物と、を含有する触媒によ
って合成されたことを特徴とする中空成形体である。
【0039】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
12記載のように、請求項10記載の発明において、示
差走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温
度が165〜180℃であるとともに、繰返し単位とし
てエチレンテレフタレートを含有するポリエステルに含
有されるフェノール系化合物が、さらにリン化合物を含
有することを特徴とする中空成形体である。
12記載のように、請求項10記載の発明において、示
差走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化温
度が165〜180℃であるとともに、繰返し単位とし
てエチレンテレフタレートを含有するポリエステルに含
有されるフェノール系化合物が、さらにリン化合物を含
有することを特徴とする中空成形体である。
【0040】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
13記載のように、請求項11または12記載の発明に
おいて、示差走査型熱量計により測定した成形体の昇温
時結晶化温度が165〜180℃であるとともに、繰返
し単位としてエチレンテレフタレートを含有するポリエ
ステルに含有されるリン化合物が、ホスホン酸系化合
物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化
合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合
物、もしくは、ホスフィン系化合物のうち少なくともい
ずれか一つを含むことを特徴とする中空成形体である。
13記載のように、請求項11または12記載の発明に
おいて、示差走査型熱量計により測定した成形体の昇温
時結晶化温度が165〜180℃であるとともに、繰返
し単位としてエチレンテレフタレートを含有するポリエ
ステルに含有されるリン化合物が、ホスホン酸系化合
物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化
合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合
物、もしくは、ホスフィン系化合物のうち少なくともい
ずれか一つを含むことを特徴とする中空成形体である。
【0041】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
14記載のように、請求項11〜13のいずれかに記載
の発明において、示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記一般式
(1)〜(3)で表される化合物のうち少なくともいず
れか一つを含むことを特徴とする中空成形体である。
14記載のように、請求項11〜13のいずれかに記載
の発明において、示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記一般式
(1)〜(3)で表される化合物のうち少なくともいず
れか一つを含むことを特徴とする中空成形体である。
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】(式(1)〜(3)中、R1、R4、R5、
R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素
基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基また
はアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構
造や芳香環構造を含んでいてもよい。) また、本発明に係る中空成形体は、請求項15記載のよ
うに、請求項11〜13のいずれかに記載の発明におい
て、示差走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結
晶化温度が165〜180℃であるとともに、繰返し単
位としてエチレンテレフタレートを含有するポリエステ
ルに含有されるリン化合物が、リンの酸もしくは金属塩
化合物のうち少なくともいずれか一方を含むことを特徴
とする中空成形体である。
R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素
基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基また
はアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構
造や芳香環構造を含んでいてもよい。) また、本発明に係る中空成形体は、請求項15記載のよ
うに、請求項11〜13のいずれかに記載の発明におい
て、示差走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結
晶化温度が165〜180℃であるとともに、繰返し単
位としてエチレンテレフタレートを含有するポリエステ
ルに含有されるリン化合物が、リンの酸もしくは金属塩
化合物のうち少なくともいずれか一方を含むことを特徴
とする中空成形体である。
【0046】また、本発明に係る中空成形体は、請求項
16記載のように、請求項11〜13のいずれかに記載
の発明において、示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記化学式
(4)の部分を含むことを特徴とする中空成形体であ
る。
16記載のように、請求項11〜13のいずれかに記載
の発明において、示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記化学式
(4)の部分を含むことを特徴とする中空成形体であ
る。
【0047】
【化16】
【0048】また、本発明に係るシート状物質は、請求
項17記載のように、請求項1〜8のいずれかに記載の
ポリエステルを成形してなることを特徴とするシート状
物質である。
項17記載のように、請求項1〜8のいずれかに記載の
ポリエステルを成形してなることを特徴とするシート状
物質である。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明は、アンチモン化合物以外
の新規の重縮合触媒を用いて製造されたポリエステルを
提供するものである。本発明に係るポリエステルを製造
するのに使用される重縮合触媒は、アルミニウム化合物
と、リン化合物またはフェノール系化合物、特にフェノ
ール部を同一分子内に有するリン化合物とからなるポリ
エステル重合触媒である。なお、ここで、フェノール部
を同一分子内に有するリン化合物は、リン化合物でもあ
るフェノール系化合物という意味である。
の新規の重縮合触媒を用いて製造されたポリエステルを
提供するものである。本発明に係るポリエステルを製造
するのに使用される重縮合触媒は、アルミニウム化合物
と、リン化合物またはフェノール系化合物、特にフェノ
ール部を同一分子内に有するリン化合物とからなるポリ
エステル重合触媒である。なお、ここで、フェノール部
を同一分子内に有するリン化合物は、リン化合物でもあ
るフェノール系化合物という意味である。
【0050】本発明に係るポリエステルを製造するのに
使用される重縮合触媒を構成するアルミニウムないしア
ルミニウム化合物としては、金属アルミニウムのほか、
公知のアルミニウム化合物は限定なく使用できる。
使用される重縮合触媒を構成するアルミニウムないしア
ルミニウム化合物としては、金属アルミニウムのほか、
公知のアルミニウム化合物は限定なく使用できる。
【0051】本発明に係るポリエステルから得られた成
形体の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、
150℃未満とするためには、下記の手法を用いること
ができる。すなわち、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ナイロン樹脂やポリアセタール樹脂などの結晶
性熱可塑性樹脂をポリエステル樹脂に配合する手法を用
いることができる。また、カオリン、タルクなどの無機
核剤をポリエステル樹脂に配合する方法を用いることが
できる。また、モンタン酸ワックスなどの有機核剤をポ
リエステル樹脂に配合する方法を用いることができる。
また、イセチオン酸誘導体を共重合する方法を用いるこ
とができる。
形体の、示差走査型熱量計による昇温時結晶化温度が、
150℃未満とするためには、下記の手法を用いること
ができる。すなわち、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン樹脂、ナイロン樹脂やポリアセタール樹脂などの結晶
性熱可塑性樹脂をポリエステル樹脂に配合する手法を用
いることができる。また、カオリン、タルクなどの無機
核剤をポリエステル樹脂に配合する方法を用いることが
できる。また、モンタン酸ワックスなどの有機核剤をポ
リエステル樹脂に配合する方法を用いることができる。
また、イセチオン酸誘導体を共重合する方法を用いるこ
とができる。
【0052】アルミニウム化合物としては、具体的に
は、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸
アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミ
ニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウ
ム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、
クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどの
カルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン
酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸
塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサ
イド、アルミニウムn−プロポキサイド、アルミニウム
iso−プロポキサイド、アルミニウムn−ブトキサイ
ド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムア
ルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、ア
ルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルア
セトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート
ジiso−プロポキサイドなどのアルミニウムキレート
化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分
加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これ
らのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物
が好ましく、これらの中でもさらに酢酸アルミニウム、
塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化ア
ルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートが
とくに好ましい。
は、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸
アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミ
ニウム、アクリル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニ
ウム、ステアリン酸アルミニウム、安息香酸アルミニウ
ム、トリクロロ酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、
クエン酸アルミニウム、サリチル酸アルミニウムなどの
カルボン酸塩、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン
酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸
塩、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサ
イド、アルミニウムn−プロポキサイド、アルミニウム
iso−プロポキサイド、アルミニウムn−ブトキサイ
ド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムア
ルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、ア
ルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルア
セトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート
ジiso−プロポキサイドなどのアルミニウムキレート
化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分
加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これ
らのうちカルボン酸塩、無機酸塩およびキレート化合物
が好ましく、これらの中でもさらに酢酸アルミニウム、
塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化ア
ルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートが
とくに好ましい。
【0053】アルミニウムないしアルミニウム化合物の
使用量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸
や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニッ
トのモル数に対して0.001〜0.05モル%が好ま
しく、さらに好ましくは、0.005〜0.02モル%
である。使用量が0.001モル%未満であると触媒活
性が十分に発揮されない場合があり、使用量が0.05
モル%以上になると、熱安定性や熱酸化安定性の低下、
アルミニウムに起因する異物の発生や着色の増加が問題
になる場合が発生する。この様にアルミニウム成分の添
加量が少なくても本発明に使用される重合触媒は十分な
触媒活性を示す点に大きな特徴を有する。その結果熱安
定性や熱酸化安定性が優れ、アルミニウムに起因する異
物や着色が低減される。
使用量としては、得られるポリエステルのジカルボン酸
や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニッ
トのモル数に対して0.001〜0.05モル%が好ま
しく、さらに好ましくは、0.005〜0.02モル%
である。使用量が0.001モル%未満であると触媒活
性が十分に発揮されない場合があり、使用量が0.05
モル%以上になると、熱安定性や熱酸化安定性の低下、
アルミニウムに起因する異物の発生や着色の増加が問題
になる場合が発生する。この様にアルミニウム成分の添
加量が少なくても本発明に使用される重合触媒は十分な
触媒活性を示す点に大きな特徴を有する。その結果熱安
定性や熱酸化安定性が優れ、アルミニウムに起因する異
物や着色が低減される。
【0054】本発明に使用される重縮合触媒を構成する
フェノール系化合物としては、フェノール構造を有する
化合物であれば特に限定はされないが、たとえば、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノー
ル、2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−オクチル−4−n−プロピ
ルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オ
クチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル
−2−エチル−6−tert−オクチルフェノール、2
−イソブチル−4−エチル−6−tert−ヘキシルフ
ェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−
イソプロピルフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3
−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−
ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエ
チレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4,4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,
N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,
5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−
tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−
トリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌ
レート、トリス(4−tert−ブチル−2,6−ジメ
チル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナ
メート]メタン、ビス[(3,3−ビス(3−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッ
ド)グリコールエステル、N,N’−ビス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニル]ヒドラジン、2,2’−オギザミドビス
[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t
ert−ブチル−4−メチル−6−(3−tert−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1
−ジメチル2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシシン
ナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸アルキルエステル、テトラキス−
[メチル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタン、チオジエチレンービス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレ
ン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビ
ス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコー
ル−ビス−[−3−(3’−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)]プロピオネート、
1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]
ブタンなどを挙げることができる。これらは、同時に二
種以上を併用することもできる。これらのうち、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス−[メチル−3−(3’,5’−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、チオジエチレンービス[3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]が好ましい。
フェノール系化合物としては、フェノール構造を有する
化合物であれば特に限定はされないが、たとえば、2,
6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル、2,6−ジシクロヘキシル−4−メチルフェノー
ル、2,6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、
2,6−ジ−tert−アミル−4−メチルフェノー
ル、2,6−ジ−tert−オクチル−4−n−プロピ
ルフェノール、2,6−ジシクロヘキシル−4−n−オ
クチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル
−2−エチル−6−tert−オクチルフェノール、2
−イソブチル−4−エチル−6−tert−ヘキシルフ
ェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−
イソプロピルフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3
−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−
ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオジエ
チレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4,4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,
N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1,3,
5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−
tert−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−
トリス[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌ
レート、トリス(4−tert−ブチル−2,6−ジメ
チル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、テトラキス[メチレン(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナ
メート]メタン、ビス[(3,3−ビス(3−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシッ
ド)グリコールエステル、N,N’−ビス[3−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニル]ヒドラジン、2,2’−オギザミドビス
[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2−t
ert−ブチル−4−メチル−6−(3−tert−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[1,1
−ジメチル2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、2,2−ビス[4−(2−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシシン
ナモイルオキシ))エトキシフェニル]プロパン、β−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸アルキルエステル、テトラキス−
[メチル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−
ブチルフェニル)ブタン、チオジエチレンービス[3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、エチレンビス(オキシエチレ
ン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビ
ス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコー
ル−ビス−[−3−(3’−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)]プロピオネート、
1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシ]−5−tert−ブチルフェニル]
ブタンなどを挙げることができる。これらは、同時に二
種以上を併用することもできる。これらのうち、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス−[メチル−3−(3’,5’−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、チオジエチレンービス[3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]が好ましい。
【0055】これらのフェノール系化合物を共重合ポリ
エステルの重合時に添加することによってアルミニウム
化合物の触媒活性が向上するとともに、重合した共重合
ポリエステルの熱安定性も向上する。
エステルの重合時に添加することによってアルミニウム
化合物の触媒活性が向上するとともに、重合した共重合
ポリエステルの熱安定性も向上する。
【0056】これらのフェノール系化合物の使用量とし
ては、得られる共重合ポリエステルのジカルボン酸や多
価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットの
モル数に対して5×10-7〜0.01モルが好ましく、
更に好ましくは1×10-6〜0.005モルである。本
発明では、フェノール系化合物にさらにリン化合物をと
もに用いても良い。
ては、得られる共重合ポリエステルのジカルボン酸や多
価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成ユニットの
モル数に対して5×10-7〜0.01モルが好ましく、
更に好ましくは1×10-6〜0.005モルである。本
発明では、フェノール系化合物にさらにリン化合物をと
もに用いても良い。
【0057】本発明に使用される重縮合触媒を構成する
リン化合物としては特に限定はされないが、ホスホン酸
系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイ
ド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系
化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一
種または二種以上の化合物を用いると触媒活性の向上効
果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種
以上のホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効
果がとくに大きく好ましい。
リン化合物としては特に限定はされないが、ホスホン酸
系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイ
ド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系
化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる一
種または二種以上の化合物を用いると触媒活性の向上効
果が大きく好ましい。これらの中でも、一種または二種
以上のホスホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効
果がとくに大きく好ましい。
【0058】なお、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸
系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン
酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化
合物とは、それぞれ下記式(5)〜(10)で表される
構造を有する化合物のことを言う。
系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン
酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化
合物とは、それぞれ下記式(5)〜(10)で表される
構造を有する化合物のことを言う。
【0059】
【化17】
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】ホスホン酸系化合物としては、たとえば、
メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸
ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホ
スホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルなどが
挙げられる。ホスフィン酸系化合物としては、たとえ
ば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸
メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホ
スフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホ
スフィン酸フェニルなどが挙げられる。ホスフィンオキ
サイド系化合物としては、たとえば、ジフェニルホスフ
ィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイ
ド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられ
る。ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化
合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合
物、ホスフィン系化合物の中では、リン化合物として
は、下記式(11)〜(16)で表される化合物を用い
ることが好ましい。
メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニ
ル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸
ジエチル、フェニルホスホン酸ジフェニル、ベンジルホ
スホン酸ジメチル、ベンジルホスホン酸ジエチルなどが
挙げられる。ホスフィン酸系化合物としては、たとえ
ば、ジフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸
メチル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、フェニルホ
スフィン酸、フェニルホスフィン酸メチル、フェニルホ
スフィン酸フェニルなどが挙げられる。ホスフィンオキ
サイド系化合物としては、たとえば、ジフェニルホスフ
ィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィンオキサイ
ド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられ
る。ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化
合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合
物、ホスフィン系化合物の中では、リン化合物として
は、下記式(11)〜(16)で表される化合物を用い
ることが好ましい。
【0066】
【化23】
【0067】
【化24】
【0068】
【化25】
【0069】
【化26】
【0070】
【化27】
【0071】
【化28】
【0072】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
【0073】また、本発明に使用される重縮合触媒を構
成するリン化合物としては、下記一般式(17)〜(1
9)で表される化合物を用いると特に触媒活性の向上効
果が大きく好ましい。
成するリン化合物としては、下記一般式(17)〜(1
9)で表される化合物を用いると特に触媒活性の向上効
果が大きく好ましい。
【0074】
【化29】
【0075】
【化30】
【0076】
【化31】
【0077】(式(17)〜(19)中、R1、R4、R
5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基ま
たはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表
す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の
炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数
1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基はシ
クロヘキシルなどの脂環構造やフェニルやナフチルなど
の芳香環構造を含んでいてもよい。) 本発明に使用される重縮合触媒を構成するリン化合物と
しては、上記式(17)〜(19)中、R1、R4、
R5、R6が芳香環構造を有する基である化合物がとくに
好ましい。
5、R6はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはハロゲン基またはアルコキシル基ま
たはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表
す。R2、R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の
炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数
1〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基はシ
クロヘキシルなどの脂環構造やフェニルやナフチルなど
の芳香環構造を含んでいてもよい。) 本発明に使用される重縮合触媒を構成するリン化合物と
しては、上記式(17)〜(19)中、R1、R4、
R5、R6が芳香環構造を有する基である化合物がとくに
好ましい。
【0078】本発明に使用される重縮合触媒を構成する
リン化合物としては、たとえば、メチルホスホン酸ジメ
チル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン
酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホ
スホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベ
ンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、
ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン
酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィ
ン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィン
オキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが
挙げられる。これらのうちで、フェニルホスホン酸ジメ
チル、ベンジルホスホン酸ジエチルがとくに好ましい。
リン化合物としては、たとえば、メチルホスホン酸ジメ
チル、メチルホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン
酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホ
スホン酸ジフェニル、ベンジルホスホン酸ジメチル、ベ
ンジルホスホン酸ジエチル、ジフェニルホスフィン酸、
ジフェニルホスフィン酸メチル、ジフェニルホスフィン
酸フェニル、フェニルホスフィン酸、フェニルホスフィ
ン酸メチル、フェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニ
ルホスフィンオキサイド、メチルジフェニルホスフィン
オキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどが
挙げられる。これらのうちで、フェニルホスホン酸ジメ
チル、ベンジルホスホン酸ジエチルがとくに好ましい。
【0079】リン化合物の使用量としては、得られるポ
リエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカル
ボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して5×10
-7〜0.01モルが好ましく、更に好ましくは1×10
-6〜0.005モルである。
リエステルのジカルボン酸や多価カルボン酸などのカル
ボン酸成分の全構成ユニットのモル数に対して5×10
-7〜0.01モルが好ましく、更に好ましくは1×10
-6〜0.005モルである。
【0080】さらには、フェノール化合物がリン化合物
であることが好ましい。ここでフェノール化合物がリン
化合物であるとは、フェノール部を同一分子内に有する
リン化合物を意味する。
であることが好ましい。ここでフェノール化合物がリン
化合物であるとは、フェノール部を同一分子内に有する
リン化合物を意味する。
【0081】本発明に使用される重縮合触媒を構成する
フェノール部を同一分子内に有するリン化合物として
は、フェノール構造を有するリン化合物であれば特に限
定はされないが、フェノール部を同一分子内に有する、
ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィ
ンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホス
フィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より
選ばれる一種または二種以上の化合物を用いると触媒活
性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種
または二種以上のフェノール部を同一分子内に有するホ
スホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果がとく
に大きく好ましい。
フェノール部を同一分子内に有するリン化合物として
は、フェノール構造を有するリン化合物であれば特に限
定はされないが、フェノール部を同一分子内に有する、
ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィ
ンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホス
フィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より
選ばれる一種または二種以上の化合物を用いると触媒活
性の向上効果が大きく好ましい。これらの中でも、一種
または二種以上のフェノール部を同一分子内に有するホ
スホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果がとく
に大きく好ましい。
【0082】また、本発明に使用される重縮合触媒を構
成するフェノール部を同一分子内に有するリン化合物と
しては、下記一般式(20)〜(22)で表される化合
物を用いると特に触媒活性が向上するため好ましい。
成するフェノール部を同一分子内に有するリン化合物と
しては、下記一般式(20)〜(22)で表される化合
物を用いると特に触媒活性が向上するため好ましい。
【0083】
【化32】
【0084】
【化33】
【0085】
【化34】
【0086】(式(20)〜(22)中、R1はフェノ
ール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基など
の置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭
化水素基を表す。R4,R5,R 6はそれぞれ独立に水
素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲ
ン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基
を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2,R3は
それぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水
酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1
〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐
構造やシクロヘキシルなどの脂環構造やフェニルやナフ
チルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の
末端どうしは結合していてもよい。) フェノール部を同一分子内に有するリン化合物として
は、たとえば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p
−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロ
キシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェ
ニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェ
ニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニ
ルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホス
フィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホス
フィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン
酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−
ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−
ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス
(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサ
イド、および下記式(23)〜(26)で表される化合
物などが挙げられる。これらのうちで、下記式(25)
で表される化合物およびp−ヒドロキシフェニルホスホ
ン酸ジメチルがとくに好ましい。
ール部を含む炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基など
の置換基およびフェノール部を含む炭素数1〜50の炭
化水素基を表す。R4,R5,R 6はそれぞれ独立に水
素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはハロゲ
ン基またはアルコキシル基またはアミノ基などの置換基
を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2,R3は
それぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水
酸基またはアルコキシル基などの置換基を含む炭素数1
〜50の炭化水素基を表す。ただし、炭化水素基は分岐
構造やシクロヘキシルなどの脂環構造やフェニルやナフ
チルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。R2とR4の
末端どうしは結合していてもよい。) フェノール部を同一分子内に有するリン化合物として
は、たとえば、p−ヒドロキシフェニルホスホン酸、p
−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジメチル、p−ヒドロ
キシフェニルホスホン酸ジエチル、p−ヒドロキシフェ
ニルホスホン酸ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェ
ニル)ホスフィン酸、ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ホスフィン酸メチル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)
ホスフィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルフェニ
ルホスフィン酸、p−ヒドロキシフェニルフェニルホス
フィン酸メチル、p−ヒドロキシフェニルフェニルホス
フィン酸フェニル、p−ヒドロキシフェニルホスフィン
酸、p−ヒドロキシフェニルホスフィン酸メチル、p−
ヒドロキシフェニルホスフィン酸フェニル、ビス(p−
ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス
(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド、ビ
ス(p−ヒドロキシフェニル)メチルホスフィンオキサ
イド、および下記式(23)〜(26)で表される化合
物などが挙げられる。これらのうちで、下記式(25)
で表される化合物およびp−ヒドロキシフェニルホスホ
ン酸ジメチルがとくに好ましい。
【0087】
【化35】
【0088】
【化36】
【0089】
【化37】
【0090】
【化38】
【0091】上記の式(25)にて示される化合物とし
ては、SANKO−220(三光株式会社製)があり、
使用可能である。
ては、SANKO−220(三光株式会社製)があり、
使用可能である。
【0092】これらのフェノール部を同一分子内に有す
るリン化合物をポリエステルの重合時に添加することに
よってアルミニウム化合物の触媒活性が向上するととも
に、重合したポリエステルの熱安定性も向上する。
るリン化合物をポリエステルの重合時に添加することに
よってアルミニウム化合物の触媒活性が向上するととも
に、重合したポリエステルの熱安定性も向上する。
【0093】フェノール部を同一分子内に有するリン化
合物の使用量としては、得られるポリエステルのジカル
ボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成
ユニットのモル数に対して5×10-7〜0.01モルが
好ましく、更に好ましくは1×10-6〜0.005モル
である。
合物の使用量としては、得られるポリエステルのジカル
ボン酸や多価カルボン酸などのカルボン酸成分の全構成
ユニットのモル数に対して5×10-7〜0.01モルが
好ましく、更に好ましくは1×10-6〜0.005モル
である。
【0094】本発明では、リン化合物としてリンの金属
塩化合物を用いることが好ましい。本発明に使用される
重合触媒を構成する好ましいリン化合物であるリンの金
属塩化合物とは、リン化合物の金属塩であれば特に限定
はされないが、ホスホン酸系化合物の金属塩を用いると
触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物の金
属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ金属塩など
が含まれる。
塩化合物を用いることが好ましい。本発明に使用される
重合触媒を構成する好ましいリン化合物であるリンの金
属塩化合物とは、リン化合物の金属塩であれば特に限定
はされないが、ホスホン酸系化合物の金属塩を用いると
触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物の金
属塩としては、モノ金属塩、ジ金属塩、トリ金属塩など
が含まれる。
【0095】また、上記したリン化合物の中でも、金属
塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、
Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用
いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの
うち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
塩の金属部分が、Li、Na、K、Be、Mg、Sr、
Ba、Mn、Ni、Cu、Znから選択されたものを用
いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。これらの
うち、Li、Na、Mgがとくに好ましい。
【0096】本発明に使用される重合触媒を構成するリ
ンの金属塩化合物としては、下記一般式(27)で表さ
れる化合物から選択される少なくとも一種を用いると触
媒活性の向上効果が大きく好ましい。
ンの金属塩化合物としては、下記一般式(27)で表さ
れる化合物から選択される少なくとも一種を用いると触
媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0097】
【化39】
【0098】(式(27)中、R1は水素、炭素数1〜
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50
の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカル
ボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは
1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+
mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを
表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘ
キシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル
などの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。R3O-として
はたとえば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、ア
セテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げら
れる。
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50
の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカル
ボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは
1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+
mは4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを
表す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘ
キシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチル
などの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。R3O-として
はたとえば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、ア
セテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げら
れる。
【0099】上記一般式(27)で表される化合物の中
でも、下記一般式(28)で表される化合物から選択さ
れる少なくとも一種を用いることが好ましい。
でも、下記一般式(28)で表される化合物から選択さ
れる少なくとも一種を用いることが好ましい。
【0100】
【化40】
【0101】(式(28)中、R1は水素、炭素数1〜
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを
含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の
整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以
下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭
化水素基はシキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造や
フェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。R3O-としてはたと
えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテー
トイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基またはカルボニルを
含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは1以上の
整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは4以
下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表す。炭
化水素基はシキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造や
フェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。R3O-としてはたと
えば、水酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテー
トイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0102】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
【0103】上記式(28)の中でも、Mが、Li,N
a、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、
Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果
が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgが
とくに好ましい。
a、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、Cu、
Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上効果
が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、Mgが
とくに好ましい。
【0104】リンの金属塩化合物としては、リチウム
[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリ
ウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エ
チル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホスホン酸
エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチル)メチル
ホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エ
チル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベリリ
ウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ストロンチウ
ムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マンガンビス
[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナ
トリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]、
ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[(9−アンスリル)メチルホ
スホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ク
ロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグネシウムビス
[4−クロロベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム
[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、マグネシウ
ムビス[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、フェ
ニルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[フェニ
ルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フェニルホスホン酸
エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム
[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリ
ウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エ
チル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナト
リウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビ
ス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸
ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]
がとくに好ましい。
[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリ
ウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エ
チル]、カリウム[(2−ナフチル)メチルホスホン酸
エチル]、マグネシウムビス[(2−ナフチル)メチル
ホスホン酸エチル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エ
チル]、ナトリウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベリリ
ウムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、ストロンチウ
ムビス[ベンジルホスホン酸エチル]、マンガンビス
[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸ナ
トリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]、
ナトリウム[(9−アンスリル)メチルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[(9−アンスリル)メチルホ
スホン酸エチル]、ナトリウム[4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[4−ヒドロ
キシベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[4−ク
ロロベンジルホスホン酸フェニル]、マグネシウムビス
[4−クロロベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム
[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、マグネシウ
ムビス[4−アミノベンジルホスホン酸メチル]、フェ
ニルホスホン酸ナトリウム、マグネシウムビス[フェニ
ルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[フェニルホスホン酸
エチル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム
[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、ナトリ
ウム[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチル]、マ
グネシウムビス[(1−ナフチル)メチルホスホン酸エ
チル]、リチウム[ベンジルホスホン酸エチル]、ナト
リウム[ベンジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビ
ス[ベンジルホスホン酸エチル]、ベンジルホスホン酸
ナトリウム、マグネシウムビス[ベンジルホスホン酸]
がとくに好ましい。
【0105】本発明に使用される重合触媒を構成する別
の好ましいリン化合物であるリンの金属塩化合物は、下
記一般式(29)で表される化合物から選択される少な
くとも一種からなるものである。
の好ましいリン化合物であるリンの金属塩化合物は、下
記一般式(29)で表される化合物から選択される少な
くとも一種からなるものである。
【0106】
【化41】
【0107】(式(29)中、R1、R2はそれぞれ独立
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。R4O-としてはたとえば、水
酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオン
やアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1以
上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは
4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表
す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキ
シルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルな
どの芳香環構造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(30)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。R4O-としてはたとえば、水
酸化物イオン、アルコラートイオン、アセテートイオン
やアセチルアセトンイオンなどが挙げられる。lは1以
上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+mは
4以下である。Mは(l+m)価の金属カチオンを表
す。nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキ
シルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルな
どの芳香環構造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(30)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
【0108】
【化42】
【0109】(式(30)中、Mn+はn価の金属カチオ
ンを表す。nは1,2,3または4を表す。) 上記式(29)または(30)の中でも、Mが、Li,
Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、C
u、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上
効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、M
gがとくに好ましい。
ンを表す。nは1,2,3または4を表す。) 上記式(29)または(30)の中でも、Mが、Li,
Na、K、Be、Mg、Sr、Ba、Mn、Ni、C
u、Znから選択されたものを用いると触媒活性の向上
効果が大きく好ましい。これらのうち、Li、Na、M
gがとくに好ましい。
【0110】特定のリンの金属塩化合物としては、リチ
ウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン
酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カリウム
[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベ
リリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウム
ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、ニッケルビス[3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、銅ビス
[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]がとく
に好ましい。
ウム[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン
酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、カリウム
[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸エチル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸]、ベ
リリウムビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルホスホン酸メチル]、ストロンチウム
ビス[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル]、バリウムビス[3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸フェニル]、マンガンビス[3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、ニッケルビス[3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]、銅ビス
[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホン酸エチル]、亜鉛ビス[3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]などが挙げられる。これらの中で、リチウム[3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸エチル]、ナトリウム[3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチ
ル]、マグネシウムビス[3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル]がとく
に好ましい。
【0111】本発明において、別の実施形態は、リン化
合物のアルミニウム塩から選択される少なくとも一種を
含むことを特徴とするポリエステル重合触媒である。リ
ン化合物のアルミニウム塩に他のアルミニウム化合物や
リン化合物やフェノール系化合物などを組み合わせて使
用しても良い。
合物のアルミニウム塩から選択される少なくとも一種を
含むことを特徴とするポリエステル重合触媒である。リ
ン化合物のアルミニウム塩に他のアルミニウム化合物や
リン化合物やフェノール系化合物などを組み合わせて使
用しても良い。
【0112】本発明に使用される重合触媒を構成する好
ましい成分であるリン化合物のアルミニウム塩とは、ア
ルミニウム部を有するリン化合物であれば特に限定はさ
れないが、ホスホン酸系化合物のアルミニウム塩を用い
ると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物
のアルミニウム塩としては、モノアルミニウム塩、ジア
ルミニウム塩、トリアルミニウム塩などが含まれる。
ましい成分であるリン化合物のアルミニウム塩とは、ア
ルミニウム部を有するリン化合物であれば特に限定はさ
れないが、ホスホン酸系化合物のアルミニウム塩を用い
ると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。リン化合物
のアルミニウム塩としては、モノアルミニウム塩、ジア
ルミニウム塩、トリアルミニウム塩などが含まれる。
【0113】上記したリン化合物のアルミニウム塩の中
でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の
向上効果が大きく好ましい。
でも、芳香環構造を有する化合物を用いると触媒活性の
向上効果が大きく好ましい。
【0114】本発明に使用される重合触媒を構成するリ
ン化合物のアルミニウム塩としては、下記一般式(3
1)で表される化合物から選択される少なくとも一種を
用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
ン化合物のアルミニウム塩としては、下記一般式(3
1)で表される化合物から選択される少なくとも一種を
用いると触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
【0115】
【化43】
【0116】(式(31)中、R1は水素、炭素数1〜
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50
の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカル
ボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは
1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+
mは3である。nは1以上の整数を表す。炭化水素基は
シキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルや
ナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。上記のR3O-
としてはたとえば、水酸化物イオン、アルコラートイオ
ン、エチレングリコラートイオン、アセテートイオンや
アセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。R3は、水素、炭素数1〜50
の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基またはカル
ボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。lは
1以上の整数、mは0または1以上の整数を表し、l+
mは3である。nは1以上の整数を表す。炭化水素基は
シキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルや
ナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。上記のR3O-
としてはたとえば、水酸化物イオン、アルコラートイオ
ン、エチレングリコラートイオン、アセテートイオンや
アセチルアセトンイオンなどが挙げられる。
【0117】リン化合物のアルミニウム塩としては、
(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウ
ム塩、(1−ナフチル)メチルホスホン酸のアルミニウ
ム塩、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアル
ミニウム塩、ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、ベンジルホスホン酸のアルミニウム塩、(9−アン
スリル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、2−メチルベンジルホスホン酸エチルのアルミニウ
ム塩、4−クロロベンジルホスホン酸フェニルのアルミ
ニウム塩、4−アミノベンジルホスホン酸メチルのアル
ミニウム塩、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルの
アルミニウム塩、フェニルホスホン酸エチルのアルミニ
ウム塩などが挙げられる。これらの中で、(1−ナフチ
ル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、ベンジ
ルホスホン酸エチルのアルミニウム塩がとくに好まし
い。
(1−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウ
ム塩、(1−ナフチル)メチルホスホン酸のアルミニウ
ム塩、(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチルのアル
ミニウム塩、ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、ベンジルホスホン酸のアルミニウム塩、(9−アン
スリル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、2−メチルベンジルホスホン酸エチルのアルミニウ
ム塩、4−クロロベンジルホスホン酸フェニルのアルミ
ニウム塩、4−アミノベンジルホスホン酸メチルのアル
ミニウム塩、4−メトキシベンジルホスホン酸エチルの
アルミニウム塩、フェニルホスホン酸エチルのアルミニ
ウム塩などが挙げられる。これらの中で、(1−ナフチ
ル)メチルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、ベンジ
ルホスホン酸エチルのアルミニウム塩がとくに好まし
い。
【0118】本発明における別の実施形態は、下記一般
式(32)で表されるリン化合物のアルミニウム塩から
選択される少なくとも一種からなるポリエステル重合触
媒である。リン化合物のアルミニウム塩に、他のアルミ
ニウム化合物やリン化合物やフェノール系化合物などを
組み合わせて使用しても良い。
式(32)で表されるリン化合物のアルミニウム塩から
選択される少なくとも一種からなるポリエステル重合触
媒である。リン化合物のアルミニウム塩に、他のアルミ
ニウム化合物やリン化合物やフェノール系化合物などを
組み合わせて使用しても良い。
【0119】本発明に使用される重合触媒を構成する別
の好ましいリン化合物のアルミニウム塩とは、下記一般
式(32)で表される化合物から選択される少なくとも
一種からなるもののことを言う。
の好ましいリン化合物のアルミニウム塩とは、下記一般
式(32)で表される化合物から選択される少なくとも
一種からなるもののことを言う。
【0120】
【化44】
【0121】(式(32)中、R1、R2はそれぞれ独立
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0ま
たは1以上の整数を表し、l+mは3である。nは1以
上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシルなどの脂
環構造や分岐構造やフェニルやナフチルなどの芳香環構
造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(33)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
R4は、水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基ま
たはアルコキシル基またはカルボニルを含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。lは1以上の整数、mは0ま
たは1以上の整数を表し、l+mは3である。nは1以
上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシルなどの脂
環構造や分岐構造やフェニルやナフチルなどの芳香環構
造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(33)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
【0122】
【化45】
【0123】(式(33)中、R3は、水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、
炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ
ル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素
基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整
数を表し、l+mは3である。炭化水素基はシキロヘキ
シルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルな
どの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR3としてはたとえば、水素、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、
フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフ
チル基、−CH 2CH2OHで表される基などが挙げられ
る。上記のR4O-としてはたとえば、水酸化物イオン、
アルコラートイオン、エチレングリコラートイオン、ア
セテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げら
れる。
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R4は、水素、
炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシ
ル基またはカルボニルを含む炭素数1〜50の炭化水素
基を表す。lは1以上の整数、mは0または1以上の整
数を表し、l+mは3である。炭化水素基はシキロヘキ
シルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルな
どの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR3としてはたとえば、水素、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、
フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフ
チル基、−CH 2CH2OHで表される基などが挙げられ
る。上記のR4O-としてはたとえば、水酸化物イオン、
アルコラートイオン、エチレングリコラートイオン、ア
セテートイオンやアセチルアセトンイオンなどが挙げら
れる。
【0124】本発明のリン化合物のアルミニウム塩とし
ては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸メチルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピ
ルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニルのアルミニ
ウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸のアルミニウム塩などが挙げられ
る。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩がとくに好ま
しい。
ては、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム塩、3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホ
ン酸メチルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピ
ルのアルミニウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸フェニルのアルミニ
ウム塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸のアルミニウム塩などが挙げられ
る。これらの中で、3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチルのアルミニウム
塩、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸メチルのアルミニウム塩がとくに好ま
しい。
【0125】本発明では、リン化合物としてP−OH結
合を少なくとも一つ有するリン化合物を用いることが好
ましい。本発明の重合触媒を構成する好ましいリン化合
物であるP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合
物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン
化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合
物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホス
ホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
合を少なくとも一つ有するリン化合物を用いることが好
ましい。本発明の重合触媒を構成する好ましいリン化合
物であるP−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合
物とは、分子内にP−OHを少なくとも一つ有するリン
化合物であれば特に限定はされない。これらのリン化合
物の中でも、P−OH結合を少なくとも一つ有するホス
ホン酸系化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
【0126】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
【0127】本発明に使用される重合触媒を構成するP
−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物として
は、下記一般式(34)で表される化合物から選択され
る少なくとも一種を用いると触媒活性の向上効果が大き
く好ましい。
−OH結合を少なくとも一つ有するリン化合物として
は、下記一般式(34)で表される化合物から選択され
る少なくとも一種を用いると触媒活性の向上効果が大き
く好ましい。
【0128】
【化46】
【0129】(式(34)中、R1は水素、炭素数1〜
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化
水素基はシキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフ
ェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。
50の炭化水素基、水酸基またはハロゲン基またはアル
コキシル基またはアミノ基を含む炭素数1〜50の炭化
水素基を表す。R2は、水素、炭素数1〜50の炭化水
素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜5
0の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭化
水素基はシキロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフ
ェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記のR1としては、たとえば、フェニル、1―ナフチ
ル、2―ナフチル、9−アンスリル、4−ビフェニル、
2−ビフェニルなどが挙げられる。上記のR2としては
たとえば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、te
rt−ブチル基、長鎖の脂肪族基、フェニル基、ナフチ
ル基、置換されたフェニル基やナフチル基、−CH2C
H2OHで表される基などが挙げられる。
【0130】上記したリン化合物の中でも、芳香環構造
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
を有する化合物を用いると触媒活性の向上効果が大きく
好ましい。
【0131】本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有
するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホス
ホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、
(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホ
スホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリ
ル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチ
ル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミ
ノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホ
スホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1
−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホ
ン酸エチルがとくに好ましい。
するリン化合物としては、(1−ナフチル)メチルホス
ホン酸エチル、(1−ナフチル)メチルホスホン酸、
(2−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホ
スホン酸エチル、ベンジルホスホン酸、(9−アンスリ
ル)メチルホスホン酸エチル、4−ヒドロキシベンジル
ホスホン酸エチル、2−メチルベンジルホスホン酸エチ
ル、4−クロロベンジルホスホン酸フェニル、4−アミ
ノベンジルホスホン酸メチル、4−メトキシベンジルホ
スホン酸エチルなどが挙げられる。これらの中で、(1
−ナフチル)メチルホスホン酸エチル、ベンジルホスホ
ン酸エチルがとくに好ましい。
【0132】また本発明で用いられる好ましいリン化合
物としては、P−OH結合を少なくとも一つ有する特定
のリン化合物が挙げられる。本発明の重合触媒を構成す
る好ましいリン化合物であるP−OH結合を少なくとも
一つ有する特定のリン化合物とは、下記一般式(35)
で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合
物のことを言う。
物としては、P−OH結合を少なくとも一つ有する特定
のリン化合物が挙げられる。本発明の重合触媒を構成す
る好ましいリン化合物であるP−OH結合を少なくとも
一つ有する特定のリン化合物とは、下記一般式(35)
で表される化合物から選択される少なくとも一種の化合
物のことを言う。
【0133】
【化47】
【0134】(式(35)中、R1、R2はそれぞれ独立
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル
などの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルなどの
芳香環構造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(36)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R3は、
水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基またはアル
コキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。
nは1以上の整数を表す。炭化水素基はシキロヘキシル
などの脂環構造や分岐構造やフェニルやナフチルなどの
芳香環構造を含んでいてもよい。) これらの中でも、下記一般式(36)で表される化合物
から選択される少なくとも一種を用いることが好まし
い。
【0135】
【化48】
【0136】(式(36)中、R3は、水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシ
キロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナ
フチルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR3としてはたとえば、水素、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、
フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフ
チル基、−CH 2CH2OHで表される基などが挙げられ
る。
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基はシ
キロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造やフェニルやナ
フチルなどの芳香環構造を含んでいてもよい。) 上記のR3としてはたとえば、水素、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、se
c−ブチル基、tert−ブチル基、長鎖の脂肪族基、
フェニル基、ナフチル基、置換されたフェニル基やナフ
チル基、−CH 2CH2OHで表される基などが挙げられ
る。
【0137】本発明のP−OH結合を少なくとも一つ有
する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホス
ホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸
エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸メチルがとくに好ましい。
する特定のリン化合物としては、3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル、
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ルホスホン酸メチル、3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルホスホン酸イソプロピル、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸フェニル、3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジルホスホン酸オクタデシル、3,5
−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホス
ホン酸などが挙げられる。これらの中で、3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸
エチル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジルホスホン酸メチルがとくに好ましい。
【0138】好ましいリン化合物としては、化学式(3
7)であらわされるリン化合物が挙げられる。
7)であらわされるリン化合物が挙げられる。
【0139】
【化49】
【0140】(式(37)中、R1は炭素数1〜49の
炭化水素基または水酸基またはハロゲン基またはアルコ
シキル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化水
素基を表し、R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂
環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。) また、更に好ましくは、化学式(37)中のR1,R2,
R3の少なくとも一つが芳香環構造を含む化合物であ
る。
炭化水素基または水酸基またはハロゲン基またはアルコ
シキル基またはアミノ基を含む炭素数1〜49の炭化水
素基を表し、R2,R3はそれぞれ独立に水素、炭素数1
〜50の炭化水素基、水酸基またはアルコキシル基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。炭化水素基は脂
環構造や分岐構造や芳香環構造を含んでいてもよい。) また、更に好ましくは、化学式(37)中のR1,R2,
R3の少なくとも一つが芳香環構造を含む化合物であ
る。
【0141】本発明に使用するリン化合物の具体例を以
下に示す。
下に示す。
【0142】
【化50】
【0143】
【化51】
【0144】
【化52】
【0145】
【化53】
【0146】
【化54】
【0147】
【化55】
【0148】また、本発明に用いるリン化合物は、分子
量が大きいものの方が重合時に留去されにくいため効果
が大きく好ましい。
量が大きいものの方が重合時に留去されにくいため効果
が大きく好ましい。
【0149】本発明に使用される重縮合触媒使用する事
が望ましい別のリン化合物は、下記一般式(38)で表
される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物
である。
が望ましい別のリン化合物は、下記一般式(38)で表
される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合物
である。
【0150】
【化56】
【0151】(上記式(38)中、R1、R2はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭
化水素基はシクロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造や
フェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記一般式(38)の中でも、下記一般式(39)で表
される化合物から選択される少なくとも一種を用いると
触媒活性の向上効果が高く好ましい。
独立に水素、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。
R3、R4はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化
水素基、水酸基またはアルコキシル基を含む炭素数1〜
50の炭化水素基を表す。nは1以上の整数を表す。炭
化水素基はシクロヘキシルなどの脂環構造や分岐構造や
フェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んでいてもよ
い。) 上記一般式(38)の中でも、下記一般式(39)で表
される化合物から選択される少なくとも一種を用いると
触媒活性の向上効果が高く好ましい。
【0152】
【化57】
【0153】(上記式(39)中、R3、R4はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を
表す。炭化水素基はシクロヘキシルなどの脂環構造や分
岐構造やフェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んで
いてもよい。) 上記のR3、R4としてはたとえば、水素、メチル基、ブ
チル基などの短鎖の脂肪族基、オクタデシルなどの長鎖
の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェ
ニル基やナフチル基などの芳香族基、−CH2CH2OH
で表される基などが挙げられる。
独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素基を
表す。炭化水素基はシクロヘキシルなどの脂環構造や分
岐構造やフェニルやナフチルなどの芳香環構造を含んで
いてもよい。) 上記のR3、R4としてはたとえば、水素、メチル基、ブ
チル基などの短鎖の脂肪族基、オクタデシルなどの長鎖
の脂肪族基、フェニル基、ナフチル基、置換されたフェ
ニル基やナフチル基などの芳香族基、−CH2CH2OH
で表される基などが挙げられる。
【0154】本発明の特定のリン化合物としては、3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチ
ル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェ
ニルなどが挙げられる。
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホン酸ジイソプロピル、3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジ−n−ブチ
ル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸ジオクタデシル、3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジフェ
ニルなどが挙げられる。
【0155】これらの中で、3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシ
ル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸ジフェニルがとくに好ましい。
チル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジオクタデシ
ル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸ジフェニルがとくに好ましい。
【0156】本発明の重縮合触媒使用する事が望ましい
別のリン化合物は、化学式(40)、化学式(41)で
表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合
物である。
別のリン化合物は、化学式(40)、化学式(41)で
表される化合物から選ばれる少なくとも一種のリン化合
物である。
【0157】
【化58】
【0158】
【化59】
【0159】リン化合物を併用することにより、ポリエ
ステル重合触媒中のアルミニウムとしての添加量が少量
でも十分な触媒効果を発揮する触媒が得られる。
ステル重合触媒中のアルミニウムとしての添加量が少量
でも十分な触媒効果を発揮する触媒が得られる。
【0160】リン化合物の使用量としては、得られるポ
リエステルのポリカルボン酸成分の全構成ユニットのモ
ル数に対して0.0001〜0.1モル%が好ましく、
0.005〜0.05モル%であることがさらに好まし
い。リン化合物の添加量が0.0001モル%未満の場
合には添加効果が発揮されない場合があり、0.1モル
%を超えて添加すると逆にポリエステル重合触媒として
の触媒活性が低下する場合があり、その低下の傾向は、
アルミニウムの使用量などにより変化する。
リエステルのポリカルボン酸成分の全構成ユニットのモ
ル数に対して0.0001〜0.1モル%が好ましく、
0.005〜0.05モル%であることがさらに好まし
い。リン化合物の添加量が0.0001モル%未満の場
合には添加効果が発揮されない場合があり、0.1モル
%を超えて添加すると逆にポリエステル重合触媒として
の触媒活性が低下する場合があり、その低下の傾向は、
アルミニウムの使用量などにより変化する。
【0161】リン化合物を使用せず、アルミニウム化合
物を主たる触媒成分とする技術であって、アルミニウム
化合物の使用量を低減し、さらにコバルト化合物を添加
してアルミニウム化合物を主触媒とした場合の熱安定性
の低下による着色を防止する技術があるが、コバルト化
合物を十分な触媒活性を有する程度に添加するとやはり
熱安定性が低下する。したがって、この技術では両者を
両立することは困難である。
物を主たる触媒成分とする技術であって、アルミニウム
化合物の使用量を低減し、さらにコバルト化合物を添加
してアルミニウム化合物を主触媒とした場合の熱安定性
の低下による着色を防止する技術があるが、コバルト化
合物を十分な触媒活性を有する程度に添加するとやはり
熱安定性が低下する。したがって、この技術では両者を
両立することは困難である。
【0162】本発明によれば、上述の特定の化学構造を
有するリン化合物の使用により、熱安定性の低下、異物
発生などの問題を起こさず、しかも金属含有成分のアル
ミニウムとしての添加量が少量でも十分な触媒効果を有
する重合触媒が得られ、この重合触媒を使用することに
よりポリエステルの溶融成形時の熱安定性が改善され
る。リン化合物に代えてリン酸やトリメチルリン酸など
のリン酸エステルを添加しても添加効果が見られず、実
用的でない。また、リン化合物を本発明の添加量の範囲
で従来のアンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合
物、ゲルマニウム化合物などの金属含有ポリエステル重
合触媒と組み合わせて使用しても、溶融重合反応を促進
する効果は認められない。
有するリン化合物の使用により、熱安定性の低下、異物
発生などの問題を起こさず、しかも金属含有成分のアル
ミニウムとしての添加量が少量でも十分な触媒効果を有
する重合触媒が得られ、この重合触媒を使用することに
よりポリエステルの溶融成形時の熱安定性が改善され
る。リン化合物に代えてリン酸やトリメチルリン酸など
のリン酸エステルを添加しても添加効果が見られず、実
用的でない。また、リン化合物を本発明の添加量の範囲
で従来のアンチモン化合物、チタン化合物、スズ化合
物、ゲルマニウム化合物などの金属含有ポリエステル重
合触媒と組み合わせて使用しても、溶融重合反応を促進
する効果は認められない。
【0163】本発明に用いられる重合触媒を用いて重合
したIV=0.65のポリエチレンテレフタレートの熱
安定性パラメータ(TS)が下記式(1)を満たすこと
が好ましい。
したIV=0.65のポリエチレンテレフタレートの熱
安定性パラメータ(TS)が下記式(1)を満たすこと
が好ましい。
【0164】TS<0.30 (1) ただし、TSは固有粘度([IV]i)が約0.65d
l/gのPET1gをガラス試験管に入れ130℃で1
2時間真空乾燥した後、非流通窒素雰囲気下で300℃
にて2時間溶融状態に維持した後の固有粘度([IV]
f)から、次式により計算される数値である。
l/gのPET1gをガラス試験管に入れ130℃で1
2時間真空乾燥した後、非流通窒素雰囲気下で300℃
にて2時間溶融状態に維持した後の固有粘度([IV]
f)から、次式により計算される数値である。
【0165】非流通窒素雰囲気とは、流通しない窒素雰
囲気を意味し、たとえば、レジンチップを入れたガラス
試験管を真空ラインに接続し、減圧と窒素封入を5回以
上繰り返した後に100Torrとなるように窒素を封
入して封管した状態である。 TS=0.245{[IV]f -1.47−[IV]i -1.47} かかる構成の触媒の使用によりフィルム、ボトル、繊維
などの成形品を製造する際などの加熱溶融に対する溶融
熱安定性に優れ、着色や異物の発生の少ない成形品を与
えるポリエステルが得られる。
囲気を意味し、たとえば、レジンチップを入れたガラス
試験管を真空ラインに接続し、減圧と窒素封入を5回以
上繰り返した後に100Torrとなるように窒素を封
入して封管した状態である。 TS=0.245{[IV]f -1.47−[IV]i -1.47} かかる構成の触媒の使用によりフィルム、ボトル、繊維
などの成形品を製造する際などの加熱溶融に対する溶融
熱安定性に優れ、着色や異物の発生の少ない成形品を与
えるポリエステルが得られる。
【0166】TSは、0.25以下であることがより好
ましく、0.20以下であることが特に好ましい。
ましく、0.20以下であることが特に好ましい。
【0167】当該触媒を用いて重合したIV=0.65
のポリエチレンテレフタレートの活性パラメータ(A
P)が下記式(2)を満たすことが好ましい。
のポリエチレンテレフタレートの活性パラメータ(A
P)が下記式(2)を満たすことが好ましい。
【0168】 AP(min)<2T(min) (2) 活性パラメータAPを上記範囲内とすることにより、反
応速度が速く、重縮合によりポリエステルを製造する時
間が短縮される。APは1.5T以下であることがより
好ましく、1.3T以下であることがさらに好ましく、
1.0T以下であることが特に好ましい。
応速度が速く、重縮合によりポリエステルを製造する時
間が短縮される。APは1.5T以下であることがより
好ましく、1.3T以下であることがさらに好ましく、
1.0T以下であることが特に好ましい。
【0169】ただし、APは所定量の触媒を用いて27
5℃、0.1Torrの減圧度で固有粘度が0.65d
l/gのポリエチレンテレフタレートを重合するのに要
する時間(min)を示し、Tは三酸化アンチモンを触
媒として生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成分に
対してアンチモン原子として0.05mol%となるよ
うに添加した場合のAPである。
5℃、0.1Torrの減圧度で固有粘度が0.65d
l/gのポリエチレンテレフタレートを重合するのに要
する時間(min)を示し、Tは三酸化アンチモンを触
媒として生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成分に
対してアンチモン原子として0.05mol%となるよ
うに添加した場合のAPである。
【0170】なお、本発明において比較の為に使用する
三酸化アンチモンは、市販の三酸化二アンチモン、たと
えばALDRICH製のAntimony (III)
oxide、純度99.999%を使用し、これを約
10g/lの濃度となるようにエチレングリコールに1
50℃で約1時間攪拌して溶解させた溶液を、生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してアンチモン
原子として0.05mol%になるように添加する。こ
のことは、本明細書中の他の箇所での三酸化アンチモン
に共通である。
三酸化アンチモンは、市販の三酸化二アンチモン、たと
えばALDRICH製のAntimony (III)
oxide、純度99.999%を使用し、これを約
10g/lの濃度となるようにエチレングリコールに1
50℃で約1時間攪拌して溶解させた溶液を、生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してアンチモン
原子として0.05mol%になるように添加する。こ
のことは、本明細書中の他の箇所での三酸化アンチモン
に共通である。
【0171】APの測定方法は、具体的には以下の通り
である。 1)(BHET製造工程)テレフタル酸とその2倍モル
量のエチレングリコールを使用し、エステル化率が95
%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(B
HET)およびオリゴマーの混合物(以下、BHET混
合物という)を製造する。 2)(触媒添加工程)上記のBHET混合物に所定量の
触媒を添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分
間撹拌し、次いで50分間を要して275℃まで昇温し
つつオリゴマーの混合物の反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとする。 3)(重縮合工程)275℃、0.1Torrで重縮合
反応を行い、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度
(IV)が0.65dl/gに到達するまで重合する。 4)重縮合工程に要した重合時間をAP(min)とす
る。
である。 1)(BHET製造工程)テレフタル酸とその2倍モル
量のエチレングリコールを使用し、エステル化率が95
%のビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(B
HET)およびオリゴマーの混合物(以下、BHET混
合物という)を製造する。 2)(触媒添加工程)上記のBHET混合物に所定量の
触媒を添加し、窒素雰囲気下常圧にて245℃で10分
間撹拌し、次いで50分間を要して275℃まで昇温し
つつオリゴマーの混合物の反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとする。 3)(重縮合工程)275℃、0.1Torrで重縮合
反応を行い、ポリエチレンテレフタレートの固有粘度
(IV)が0.65dl/gに到達するまで重合する。 4)重縮合工程に要した重合時間をAP(min)とす
る。
【0172】これらは、バッチ式の反応装置を用いて行
う。 1)(BHET製造工程)におけるBHET混合物の製
造は、公知の方法で行われる。たとえば、テレフタル酸
とその2倍モル量のエチレングリコールを撹拌機付きの
バッチ式オートクレーブに仕込み、0.25MPaの加
圧下に245℃にて水を系外に留去しつつエステル化反
応を行うことにより製造される。
う。 1)(BHET製造工程)におけるBHET混合物の製
造は、公知の方法で行われる。たとえば、テレフタル酸
とその2倍モル量のエチレングリコールを撹拌機付きの
バッチ式オートクレーブに仕込み、0.25MPaの加
圧下に245℃にて水を系外に留去しつつエステル化反
応を行うことにより製造される。
【0173】活性パラメータAPを上記範囲内とするこ
とにより、反応速度が速く、重縮合によりポリエステル
を製造する時間が短縮される。APは1.5T以下であ
ることがより好ましく、1.3T以下であることがさら
に好ましく、1.0T以下であることが特に好ましい。
とにより、反応速度が速く、重縮合によりポリエステル
を製造する時間が短縮される。APは1.5T以下であ
ることがより好ましく、1.3T以下であることがさら
に好ましく、1.0T以下であることが特に好ましい。
【0174】2)(触媒添加工程)における「所定量の
触媒」とは、触媒の活性に応じて変量して使用される触
媒量を意味し、活性の高い触媒では少量であり、活性の
低い触媒ではその量は多くなる。触媒の使用量は、テレ
フタル酸のモル数に対してアルミニウム化合物として最
大0.1モル%である。これ以上多く添加するとポリエ
ステル中の残存量が多く、実用的な触媒ではなくなる。
触媒」とは、触媒の活性に応じて変量して使用される触
媒量を意味し、活性の高い触媒では少量であり、活性の
低い触媒ではその量は多くなる。触媒の使用量は、テレ
フタル酸のモル数に対してアルミニウム化合物として最
大0.1モル%である。これ以上多く添加するとポリエ
ステル中の残存量が多く、実用的な触媒ではなくなる。
【0175】TS、TOS、HS,Hazeを測定する
ために使用するPETレジンチップは、上記1)〜3)
の工程を経た後、溶融状態からの急冷によって作製され
たものを使用する。これらの測定に用いるレジンチップ
の形状としては、たとえば、長さ約3mm、直径約2m
mのシリンダー形状のレジンチップを使用する。またカ
ラー測定用のレジンチップは、上記1)〜3)の工程を
経た後、溶融状態からの急冷によって作製された実質的
に非晶のものを使用する。実質的に非晶のレジンチップ
を得る方法としては、たとえば、溶融重合後反応系から
ポリマーを取り出す際に、反応系の吐出口からポリマー
を吐出させた直後に冷水にて急冷し、その後十分な時間
冷水中で保持した後チップ状にカットして得る方法など
が例示できる。このようにして得られたレジンチップは
外観上、結晶化による白化は認められず透明なものが得
られる。このようにして得られたレジンチップは、約一
昼夜室温にて濾紙などの上で風乾した後、カラー測定に
使用される。上述の操作の後も、レジンチップは外観
上、結晶化による白化は認められず透明なままである。
なお、カラー測定用のレジンチップには二酸化チタンな
どの外観に影響を及ぼす添加剤は一切使用しない。カラ
ー測定用に用いるレジンチップの形状としては、たとえ
ば、長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のレ
ジンチップを使用する。本発明に用いられる重合触媒を
用いて重合したIV=0.65のポリエチレンテレフタ
レート(PET)の耐加水分解性パラメータ(HS)が
下記式(3)を満たすことが好ましい。
ために使用するPETレジンチップは、上記1)〜3)
の工程を経た後、溶融状態からの急冷によって作製され
たものを使用する。これらの測定に用いるレジンチップ
の形状としては、たとえば、長さ約3mm、直径約2m
mのシリンダー形状のレジンチップを使用する。またカ
ラー測定用のレジンチップは、上記1)〜3)の工程を
経た後、溶融状態からの急冷によって作製された実質的
に非晶のものを使用する。実質的に非晶のレジンチップ
を得る方法としては、たとえば、溶融重合後反応系から
ポリマーを取り出す際に、反応系の吐出口からポリマー
を吐出させた直後に冷水にて急冷し、その後十分な時間
冷水中で保持した後チップ状にカットして得る方法など
が例示できる。このようにして得られたレジンチップは
外観上、結晶化による白化は認められず透明なものが得
られる。このようにして得られたレジンチップは、約一
昼夜室温にて濾紙などの上で風乾した後、カラー測定に
使用される。上述の操作の後も、レジンチップは外観
上、結晶化による白化は認められず透明なままである。
なお、カラー測定用のレジンチップには二酸化チタンな
どの外観に影響を及ぼす添加剤は一切使用しない。カラ
ー測定用に用いるレジンチップの形状としては、たとえ
ば、長さ約3mm、直径約2mmのシリンダー形状のレ
ジンチップを使用する。本発明に用いられる重合触媒を
用いて重合したIV=0.65のポリエチレンテレフタ
レート(PET)の耐加水分解性パラメータ(HS)が
下記式(3)を満たすことが好ましい。
【0176】HS<0.10 (3) (HSは溶融重合して得られる固有粘度が約0.65d
l/g(試験前:[IV]i)のPETのチップを冷凍
粉砕して20メッシュ以下の粉末として130℃で12
時間真空乾燥した後、その1gを純水100mlと共に
ビーカーに入れ、密閉系にして130℃に加熱、加圧し
た条件下に6時間撹拌した後の固有粘度([IV]f2)
から、次式により計算される数値である。 HS=0.245{[IV]f2 -1.47−[I
V]i -1.47}) HSの測定に使用するビーカーは、酸やアルカリの溶出
のないものを使用する。具体的にはステンレスビーカ
ー、石英ビーカーの使用が好ましい。
l/g(試験前:[IV]i)のPETのチップを冷凍
粉砕して20メッシュ以下の粉末として130℃で12
時間真空乾燥した後、その1gを純水100mlと共に
ビーカーに入れ、密閉系にして130℃に加熱、加圧し
た条件下に6時間撹拌した後の固有粘度([IV]f2)
から、次式により計算される数値である。 HS=0.245{[IV]f2 -1.47−[I
V]i -1.47}) HSの測定に使用するビーカーは、酸やアルカリの溶出
のないものを使用する。具体的にはステンレスビーカ
ー、石英ビーカーの使用が好ましい。
【0177】かかる構成の触媒を使用することにより、
耐加水分解性に優れた成形品を与えるポリエステルを得
ることができる。
耐加水分解性に優れた成形品を与えるポリエステルを得
ることができる。
【0178】HSは0.09以下であることがより好ま
しく、0.085以下であることが特に好ましい。
しく、0.085以下であることが特に好ましい。
【0179】また本発明に用いられる重合触媒を用いて
重合したIV=0.65のポリエチレンテレフタレート
(PET)の熱酸化安定性パラメータ(TOS)が下記
式(4)を満たすことが好ましい。
重合したIV=0.65のポリエチレンテレフタレート
(PET)の熱酸化安定性パラメータ(TOS)が下記
式(4)を満たすことが好ましい。
【0180】TOS<0.10 (4) 上記式中、TOSは溶融重合したIVが約0.65dl
/gのPETレジンチップを冷凍粉砕して20メッシュ
以下の粉末として130℃で12時間真空乾燥したもの
0.3gをガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾
燥した後、シリカゲルで乾燥した空気下で230℃、1
5分間加熱した後のIVから、下記計算式を用いて求め
られる。
/gのPETレジンチップを冷凍粉砕して20メッシュ
以下の粉末として130℃で12時間真空乾燥したもの
0.3gをガラス試験管に入れ70℃で12時間真空乾
燥した後、シリカゲルで乾燥した空気下で230℃、1
5分間加熱した後のIVから、下記計算式を用いて求め
られる。
【0181】TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−
[IV]i -1.47} [IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加
熱試験後のIV(dl/g)を指す。
[IV]i -1.47} [IV]iおよび[IV]f1はそれぞれ加熱試験前と加
熱試験後のIV(dl/g)を指す。
【0182】シリカゲルで乾燥した空気下で加熱する方
法としては、たとえば、シリカゲルを入れた乾燥管をガ
ラス試験管上部に接続し、乾燥した空気下で加熱する方
法が例示できる。
法としては、たとえば、シリカゲルを入れた乾燥管をガ
ラス試験管上部に接続し、乾燥した空気下で加熱する方
法が例示できる。
【0183】上述の構成のポリエステル重合触媒の使用
により耐熱老化性に優れたポリエステルが得られる。T
OSは、より好ましくは0.09以下、さらに好ましく
は0.08以下である。
により耐熱老化性に優れたポリエステルが得られる。T
OSは、より好ましくは0.09以下、さらに好ましく
は0.08以下である。
【0184】当該触媒を用いて重合したIV=0.65
のポリエチレンテレフタレートは、さらに、前記PET
の溶液ヘーズ値(Haze)が下記式(5)を満たすこ
とが好ましい。
のポリエチレンテレフタレートは、さらに、前記PET
の溶液ヘーズ値(Haze)が下記式(5)を満たすこ
とが好ましい。
【0185】Haze<3.0(%) (5) 上記式中、Hazeは溶融重合した固有粘度が約0.6
5dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)レ
ジンチップをp−クロロフェノール/1,1,2,2−
テトラクロロエタンの3/1混合溶媒(重量比)に溶解
して8g/100mlの溶液とし、ヘーズメータを用い
て測定した値を示す。Hazeの測定は、セル長1cm
のセルを使用し、上記溶液を充填して測定した。
5dl/gのポリエチレンテレフタレート(PET)レ
ジンチップをp−クロロフェノール/1,1,2,2−
テトラクロロエタンの3/1混合溶媒(重量比)に溶解
して8g/100mlの溶液とし、ヘーズメータを用い
て測定した値を示す。Hazeの測定は、セル長1cm
のセルを使用し、上記溶液を充填して測定した。
【0186】かかる構成により、フィルムや中空成形体
などの成形品としたときの透明性にも優れたポリエステ
ルを与える触媒となる。Hazeは、より好ましくは
2.0以下、さらに好ましくは1.0以下である。
などの成形品としたときの透明性にも優れたポリエステ
ルを与える触媒となる。Hazeは、より好ましくは
2.0以下、さらに好ましくは1.0以下である。
【0187】当該触媒を用いて重合したIV=0.65
のポリエチレンテレフタレートは、さらに、前記PET
のカラーデルタb値パラメータ(Δb)が下記式(6)
を満たすことが好ましい。
のポリエチレンテレフタレートは、さらに、前記PET
のカラーデルタb値パラメータ(Δb)が下記式(6)
を満たすことが好ましい。
【0188】Δb<4.0 (6) 上記式中、Δbは所定の触媒を用いて溶融重合した固有
粘度が約0.65dl/gのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)レジンチップを用い、色差計を使用して測
定したハンターのb値から、三酸化アンチモンを触媒と
して用いた場合のb値を引いた値を示す。ただし、三酸
化アンチモンは生成ポリエチレンテレフタレート中の酸
成分に対して、アンチモン原子として0.05mol%
添加する。
粘度が約0.65dl/gのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)レジンチップを用い、色差計を使用して測
定したハンターのb値から、三酸化アンチモンを触媒と
して用いた場合のb値を引いた値を示す。ただし、三酸
化アンチモンは生成ポリエチレンテレフタレート中の酸
成分に対して、アンチモン原子として0.05mol%
添加する。
【0189】かかる構成により、さらに溶融成形品の色
調が良好となるポリエステルを与える触媒となる。Δb
値は、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは
2.5以下である。
調が良好となるポリエステルを与える触媒となる。Δb
値は、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは
2.5以下である。
【0190】本発明に用いられる重合触媒は、当該触媒
を用いて重合したIV=0.65のポリエチレンテレフ
タレートのカラーデルタLg値パラメータ(△Lg)は
下記式(7)を、またカラーデルタbg値パラメータ
(△bg)は下記式(8)を、それぞれ満たすことが好
ましい。
を用いて重合したIV=0.65のポリエチレンテレフ
タレートのカラーデルタLg値パラメータ(△Lg)は
下記式(7)を、またカラーデルタbg値パラメータ
(△bg)は下記式(8)を、それぞれ満たすことが好
ましい。
【0191】△Lg>−2.0 (7) 上記式中、△Lgは所定量の触媒を用いて溶融重合した
固有粘度が約0.65dl/gのPETレジンチップを
用い、色差計を使用して測定したハンターのL値から、
二酸化ゲルマニウムを触媒として用いた場合のL値を引
いた値を示す。ただし、二酸化ゲルマニウムは生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してゲルマニウ
ム原子として0.03mol%添加する。なお、本発明
において比較の為に使用する二酸化ゲルマニウムは、市
販の化合物、たとえば(株)ジェムコ製の二酸化ゲルマ
ニウム、純度97%以上を使用し、これを約8g/lの
濃度となるように水に80℃で約1時間攪拌して溶解さ
せた溶液を、生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成
分に対してゲルマニウム原子として0.03mol%に
なるように添加する。このことは、本明細書中の他の箇
所での二酸化ゲルマニウムに共通である。
固有粘度が約0.65dl/gのPETレジンチップを
用い、色差計を使用して測定したハンターのL値から、
二酸化ゲルマニウムを触媒として用いた場合のL値を引
いた値を示す。ただし、二酸化ゲルマニウムは生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してゲルマニウ
ム原子として0.03mol%添加する。なお、本発明
において比較の為に使用する二酸化ゲルマニウムは、市
販の化合物、たとえば(株)ジェムコ製の二酸化ゲルマ
ニウム、純度97%以上を使用し、これを約8g/lの
濃度となるように水に80℃で約1時間攪拌して溶解さ
せた溶液を、生成ポリエチレンテレフタレート中の酸成
分に対してゲルマニウム原子として0.03mol%に
なるように添加する。このことは、本明細書中の他の箇
所での二酸化ゲルマニウムに共通である。
【0192】△bg<4.5 (8) 上記式中、△bgは所定量の触媒を用いて溶融重合した
固有粘度が約0.65dl/gのPETレジンチップを
用い、色差計を使用して測定したハンターのb値から、
二酸化ゲルマニウムを触媒として用いた場合のb値を引
いた値を示す。ただし、二酸化ゲルマニウムは生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してゲルマニウ
ム原子として0.03mol%添加する。
固有粘度が約0.65dl/gのPETレジンチップを
用い、色差計を使用して測定したハンターのb値から、
二酸化ゲルマニウムを触媒として用いた場合のb値を引
いた値を示す。ただし、二酸化ゲルマニウムは生成ポリ
エチレンテレフタレート中の酸成分に対してゲルマニウ
ム原子として0.03mol%添加する。
【0193】上述のポリエステル重合触媒は、アンチモ
ン化合物またはゲルマニウム化合物を触媒主成分として
含まず、アルミニウムを主たる金属成分とし、色調が良
好となるポリエステル成形体を与えるものである。
ン化合物またはゲルマニウム化合物を触媒主成分として
含まず、アルミニウムを主たる金属成分とし、色調が良
好となるポリエステル成形体を与えるものである。
【0194】上述のカラー測定用のレジンチップは、溶
融状態からの急冷によって作製された実質的に非晶のも
のを使用する。実質的に非晶のレジンチップを得る方法
としては、たとえば、溶融重合後反応系からポリマ一を
取り出す際に、反応系の吐出口からポリマーを吐出させ
た直後に冷水にて急冷し、その後十分な時間冷水中で保
持した後チップ状にカットして得ることなどができる。
このようにして得られたレジンチップは外観上、結晶化
による白化は認められず透明なものが得られる。
融状態からの急冷によって作製された実質的に非晶のも
のを使用する。実質的に非晶のレジンチップを得る方法
としては、たとえば、溶融重合後反応系からポリマ一を
取り出す際に、反応系の吐出口からポリマーを吐出させ
た直後に冷水にて急冷し、その後十分な時間冷水中で保
持した後チップ状にカットして得ることなどができる。
このようにして得られたレジンチップは外観上、結晶化
による白化は認められず透明なものが得られる。
【0195】このようにして得られたレジンチップは、
約一昼夜室温にて濾紙などの上で風乾した後、カラー測
定に使用される。上述の操作の後も、レジンチップは外
観上、結晶化による白化は認められず透明なままであ
る。なお、カラー測定用のレジンチップには、二酸化チ
タンなどの外観に影響を及ぼす添加剤は一切使用しな
い。△Lgは−1.0以上であることがより好ましく、
0.0以上であることが特に好ましい。△bgは4.0
以下であることがより好ましく、3.5以下であること
が特に好ましい。
約一昼夜室温にて濾紙などの上で風乾した後、カラー測
定に使用される。上述の操作の後も、レジンチップは外
観上、結晶化による白化は認められず透明なままであ
る。なお、カラー測定用のレジンチップには、二酸化チ
タンなどの外観に影響を及ぼす添加剤は一切使用しな
い。△Lgは−1.0以上であることがより好ましく、
0.0以上であることが特に好ましい。△bgは4.0
以下であることがより好ましく、3.5以下であること
が特に好ましい。
【0196】上述の触媒は、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、もしくはこれらの化合物を含有していないもの
であることが好ましい。
類金属、もしくはこれらの化合物を含有していないもの
であることが好ましい。
【0197】また一方で、本発明においてアルミニウム
もしくはその化合物に加えて少量のアルカリ金属、アル
カリ土類金属並びにその化合物から選択される少なくと
も1種を第2金属含有成分として共存させることが好ま
しい態様である。かかる第2金属含有成分を触媒系に共
存させることは、ジエチレングリコールの生成を抑制す
る効果に加えて触媒活性を高め、したがって反応速度を
より高めた触媒成分が得られ、生産性向上に有効であ
る。
もしくはその化合物に加えて少量のアルカリ金属、アル
カリ土類金属並びにその化合物から選択される少なくと
も1種を第2金属含有成分として共存させることが好ま
しい態様である。かかる第2金属含有成分を触媒系に共
存させることは、ジエチレングリコールの生成を抑制す
る効果に加えて触媒活性を高め、したがって反応速度を
より高めた触媒成分が得られ、生産性向上に有効であ
る。
【0198】アルミニウム化合物にアルカリ金属化合物
またはアルカリ土類金属化合物を添加して十分な触媒活
性を有する触媒とする技術は公知である。かかる公知の
触媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得ら
れるが、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化
合物を併用した公知の触媒は、実用的な触媒活性を得よ
うとするとそれらの添加量が多く必要であり、アルカリ
金属化合物を使用したときはそれに起因する異物量が多
くなる。またアルカリ土類金属化合物を併用した場合に
は、実用的な活性を得ようとすると得られたポリエステ
ルの熱安定性、熱酸化安定性が低下し、加熱による着色
が大きく、異物の発生量も多くなる。
またはアルカリ土類金属化合物を添加して十分な触媒活
性を有する触媒とする技術は公知である。かかる公知の
触媒を使用すると熱安定性に優れたポリエステルが得ら
れるが、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化
合物を併用した公知の触媒は、実用的な触媒活性を得よ
うとするとそれらの添加量が多く必要であり、アルカリ
金属化合物を使用したときはそれに起因する異物量が多
くなる。またアルカリ土類金属化合物を併用した場合に
は、実用的な活性を得ようとすると得られたポリエステ
ルの熱安定性、熱酸化安定性が低下し、加熱による着色
が大きく、異物の発生量も多くなる。
【0199】アルカリ金属、アルカリ土類金属並びにそ
の化合物を添加する場合、その使用量M(モル%)は、
ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ユニットのモ
ル数に対して、1×10-6以上0.1モル%未満である
ことが好ましく、より好ましくは5×10-6〜0.05
モル%であり、さらに好ましくは1×10-5〜0.03
モル%であり、特に好ましくは、1×10-5〜0.01
モル%である。アルカリ金属、アルカリ土類金属の添加
量が少量であるため、熱安定性低下、異物の発生、着色
などの問題を発生させることなく、反応速度を高めるこ
とが可能である。また、耐加水分解性の低下などの問題
を発生させることなく、反応速度を高めることが可能で
ある。アルカリ金属、アルカリ土類金属並びにその化合
物の使用量Mが0.1モル%以上になると熱安定性の低
下、異物発生や着色の増加、耐加水分解性の低下などが
製品加工上問題となる場合が発生する。Mが1×10-6
モル%未満では、添加してもその効果が明確ではない。
の化合物を添加する場合、その使用量M(モル%)は、
ポリエステルを構成する全ポリカルボン酸ユニットのモ
ル数に対して、1×10-6以上0.1モル%未満である
ことが好ましく、より好ましくは5×10-6〜0.05
モル%であり、さらに好ましくは1×10-5〜0.03
モル%であり、特に好ましくは、1×10-5〜0.01
モル%である。アルカリ金属、アルカリ土類金属の添加
量が少量であるため、熱安定性低下、異物の発生、着色
などの問題を発生させることなく、反応速度を高めるこ
とが可能である。また、耐加水分解性の低下などの問題
を発生させることなく、反応速度を高めることが可能で
ある。アルカリ金属、アルカリ土類金属並びにその化合
物の使用量Mが0.1モル%以上になると熱安定性の低
下、異物発生や着色の増加、耐加水分解性の低下などが
製品加工上問題となる場合が発生する。Mが1×10-6
モル%未満では、添加してもその効果が明確ではない。
【0200】本発明においてアルミニウムもしくはその
化合物に加えて使用することが好ましい第2金属含有成
分を構成するアルカリ金属、アルカリ土類金属として
は、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,
Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが
好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより
好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場
合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金
属やアルカリ土類金属の化合物としては、たとえば、こ
れら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸など
の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸
などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香
族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カ
ルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロ
キシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホ
ン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ
硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸
塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラ
ウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n
−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、t
ert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセ
トネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、
水酸化物などが挙げられる。
化合物に加えて使用することが好ましい第2金属含有成
分を構成するアルカリ金属、アルカリ土類金属として
は、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,
Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが
好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより
好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場
合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金
属やアルカリ土類金属の化合物としては、たとえば、こ
れら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸など
の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸
などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香
族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カ
ルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロ
キシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホ
ン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ
硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸
塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン
酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラ
ウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n
−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、t
ert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセ
トネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、
水酸化物などが挙げられる。
【0201】これらのアルカリ金属、アルカリ土類金属
またはそれらの化合物のうち、水酸化物などのアルカリ
性の強いものを用いる場合、これらはエチレングリコー
ルなどのジオールもしくはアルコールなどの有機溶媒に
溶解しにくい傾向があるため、水溶液で重合系に添加し
なければならず重合工程上問題となる場合が有る。さら
に、水酸化物などのアルカリ性の強いものを用いた場
合、重合時にポリエステルが加水分解などの副反応を受
け易くなるとともに、重合したポリエステルは着色し易
くなる傾向があり、耐加水分解性も低下する傾向があ
る。したがって、本発明のアルカリ金属またはそれらの
化合物あるいはアルカリ土類金属またはそれらの化合物
として好適なものは、アルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボ
ン酸塩、芳香族カルボン塩、ハロゲン含有カルボン酸
塩、ヒドロキシカルボン酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、ホ
スホン酸、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、
塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸から選ばれる無機酸
塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸塩、キレート化合物、
および酸化物である。これらの中でもさらに、取り扱い
易さや入手のし易さなどの観点から、アルカリ金属ある
いはアルカリ土類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、特に
酢酸塩の使用が好ましい。
またはそれらの化合物のうち、水酸化物などのアルカリ
性の強いものを用いる場合、これらはエチレングリコー
ルなどのジオールもしくはアルコールなどの有機溶媒に
溶解しにくい傾向があるため、水溶液で重合系に添加し
なければならず重合工程上問題となる場合が有る。さら
に、水酸化物などのアルカリ性の強いものを用いた場
合、重合時にポリエステルが加水分解などの副反応を受
け易くなるとともに、重合したポリエステルは着色し易
くなる傾向があり、耐加水分解性も低下する傾向があ
る。したがって、本発明のアルカリ金属またはそれらの
化合物あるいはアルカリ土類金属またはそれらの化合物
として好適なものは、アルカリ金属あるいはアルカリ土
類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボ
ン酸塩、芳香族カルボン塩、ハロゲン含有カルボン酸
塩、ヒドロキシカルボン酸塩、硫酸、硝酸、リン酸、ホ
スホン酸、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、
塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸から選ばれる無機酸
塩、有機スルホン酸塩、有機硫酸塩、キレート化合物、
および酸化物である。これらの中でもさらに、取り扱い
易さや入手のし易さなどの観点から、アルカリ金属ある
いはアルカリ土類金属の飽和脂肪族カルボン酸塩、特に
酢酸塩の使用が好ましい。
【0202】本発明に係るポリエステルには、さらに、
コバルト化合物をコバルト原子としてポリエステルに対
して10ppm未満の量で添加する事が好ましい態様で
ある。
コバルト化合物をコバルト原子としてポリエステルに対
して10ppm未満の量で添加する事が好ましい態様で
ある。
【0203】コバルト化合物はそれ自体ある程度の重合
活性を有していることは知られているが、前述のように
十分な触媒効果を発揮する程度に添加すると得られるポ
リエステルの明るさの低下や熱安定性の低下が起こる。
本発明によれば得られるポリエステルは、色調並びに熱
安定性が良好であるが、コバルト化合物を上記のような
少量で添加による触媒効果が明確でないような添加量に
て添加することにより、得られるポリエステルの明るさ
の低下を起こすことなく着色をさらに効果的に消去でき
る。なお本発明におけるコバルト化合物は、着色の消去
が目的であり、添加時期は重合のどの段階であってもよ
く、重合反応終了後であってもかまわない。
活性を有していることは知られているが、前述のように
十分な触媒効果を発揮する程度に添加すると得られるポ
リエステルの明るさの低下や熱安定性の低下が起こる。
本発明によれば得られるポリエステルは、色調並びに熱
安定性が良好であるが、コバルト化合物を上記のような
少量で添加による触媒効果が明確でないような添加量に
て添加することにより、得られるポリエステルの明るさ
の低下を起こすことなく着色をさらに効果的に消去でき
る。なお本発明におけるコバルト化合物は、着色の消去
が目的であり、添加時期は重合のどの段階であってもよ
く、重合反応終了後であってもかまわない。
【0204】コバルト化合物としては特に限定はない
が、具体的にはたとえば、酢酸コバルト、硝酸コバル
ト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナ
フテン酸コバルトおよびそれらの水和物などが挙げられ
る。その中でも特に酢酸コバルト四水塩が好ましい。
が、具体的にはたとえば、酢酸コバルト、硝酸コバル
ト、塩化コバルト、コバルトアセチルアセトネート、ナ
フテン酸コバルトおよびそれらの水和物などが挙げられ
る。その中でも特に酢酸コバルト四水塩が好ましい。
【0205】コバルト化合物の添加量は、最終的に得ら
れるポリマーに対してアルミニウム原子とコバルト原子
の合計が50ppm以下かつ、コバルト原子は10pp
m未満となることが好ましい。より好ましくはアルミニ
ウム原子とコバルト原子の合計が40ppm以下かつ、
コバルト原子は8ppm以下、さらに好ましくはアルミ
ニウム原子とコバルト原子の合計が25ppm以下か
つ、コバルト原子は5ppm以下である。
れるポリマーに対してアルミニウム原子とコバルト原子
の合計が50ppm以下かつ、コバルト原子は10pp
m未満となることが好ましい。より好ましくはアルミニ
ウム原子とコバルト原子の合計が40ppm以下かつ、
コバルト原子は8ppm以下、さらに好ましくはアルミ
ニウム原子とコバルト原子の合計が25ppm以下か
つ、コバルト原子は5ppm以下である。
【0206】ポリエステルの熱安定性の点から、アルミ
ニウム原子とコバルト原子の合計が50ppmより少な
いこと、コバルト原子が10ppm以下であることが好
ましい。また、十分な触媒活性を有するためには、アル
ミニウム原子とコバルト原子の合計量が0.01ppm
より多いことが好ましい。
ニウム原子とコバルト原子の合計が50ppmより少な
いこと、コバルト原子が10ppm以下であることが好
ましい。また、十分な触媒活性を有するためには、アル
ミニウム原子とコバルト原子の合計量が0.01ppm
より多いことが好ましい。
【0207】本発明のポリエステルは、触媒として本発
明のポリエステル重合触媒を用いる点以外は従来公知の
工程を備えた方法で行うことができる。たとえば、PE
Tを製造する場合は、テレフタ−ル酸とエチレングリコ
−ルを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減
圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフ
タル酸ジメチルとエチレングリコ−ルを反応させてメチ
ルアルコ−ルを留去しエステル交換させた後、減圧下に
重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに
必要に応じて極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含
有量等を低下させる為に固相重合を行ってもよい。固相
重合前の結晶化促進のため、溶融重合ポリエステルを吸
湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポ
リエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりして
もよい。
明のポリエステル重合触媒を用いる点以外は従来公知の
工程を備えた方法で行うことができる。たとえば、PE
Tを製造する場合は、テレフタ−ル酸とエチレングリコ
−ルを直接反応させて水を留去しエステル化した後、減
圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフ
タル酸ジメチルとエチレングリコ−ルを反応させてメチ
ルアルコ−ルを留去しエステル交換させた後、減圧下に
重縮合を行うエステル交換法により製造される。さらに
必要に応じて極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含
有量等を低下させる為に固相重合を行ってもよい。固相
重合前の結晶化促進のため、溶融重合ポリエステルを吸
湿させたあと加熱結晶化させたり、また水蒸気を直接ポ
リエステルチップに吹きつけて加熱結晶化させたりして
もよい。
【0208】前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で
行っても良いし、また連続式反応装置で行っても良い。
これらいずれの方式においても、エステル化反応、ある
いはエステル交換反応は1段階で行っても良いし、また
多段階に分けて行っても良い。溶融重縮合反応も1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
行っても良いし、また連続式反応装置で行っても良い。
これらいずれの方式においても、エステル化反応、ある
いはエステル交換反応は1段階で行っても良いし、また
多段階に分けて行っても良い。溶融重縮合反応も1段階
で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。
固相重合反応は、溶融重縮合反応と同様、回分式装置や
連続式装置で行うことが出来る。溶融重縮合と固相重合
は連続で行っても良いし、分割して行ってもよい。
【0209】本発明に使用される触媒は、重合反応のみ
ならずエステル化反応およびエステル交換反応にも触媒
活性を有する。たとえば、テレフタル酸ジメチルなどの
ジカルボン酸のアルキルエステルとエチレングリコール
などのグリコールとのエステル交換反応による重合は、
通常チタン化合物や亜鉛化合物などのエステル交換触媒
の存在下で行われるが、これらの触媒に代えて、もしく
はこれらの触媒に共存させて本発明に使用される触媒を
用いることもできる。また、本発明に使用される触媒
は、溶融重合のみならず固相重合や溶液重合においても
触媒活性を有しており、いずれの方法によってもポリエ
ステルを製造することが可能である。
ならずエステル化反応およびエステル交換反応にも触媒
活性を有する。たとえば、テレフタル酸ジメチルなどの
ジカルボン酸のアルキルエステルとエチレングリコール
などのグリコールとのエステル交換反応による重合は、
通常チタン化合物や亜鉛化合物などのエステル交換触媒
の存在下で行われるが、これらの触媒に代えて、もしく
はこれらの触媒に共存させて本発明に使用される触媒を
用いることもできる。また、本発明に使用される触媒
は、溶融重合のみならず固相重合や溶液重合においても
触媒活性を有しており、いずれの方法によってもポリエ
ステルを製造することが可能である。
【0210】本発明に使用される重合触媒は、重合反応
の任意の段階で反応系に添加することができる。たとえ
ばエステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前お
よび反応途中の任意の段階あるいは重縮合反応の開始直
前あるいは重縮合反応途中の任意の段階で反応系への添
加することが出きる。特に、アルミニウムないしその化
合物は重縮合反応の開始直前に添加することが好まし
い。
の任意の段階で反応系に添加することができる。たとえ
ばエステル化反応もしくはエステル交換反応の開始前お
よび反応途中の任意の段階あるいは重縮合反応の開始直
前あるいは重縮合反応途中の任意の段階で反応系への添
加することが出きる。特に、アルミニウムないしその化
合物は重縮合反応の開始直前に添加することが好まし
い。
【0211】本発明に使用される重縮合触媒の添加方法
は、粉末状もしくはニート状での添加であってもよい
し、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしく
は溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。
また、アルミニウム金属もしくはその化合物と他の成
分、好ましくはフェノール系化合物もしくはリン化合物
とを予め混合したものを添加してもよいし、これらを別
々に添加してもよい。また、アルミニウム金属もしくは
その化合物と他の成分、好ましくはフェノール系化合物
もしくはリン化合物とを同じ添加時期に重合系に添加し
ても良いし、それぞれを異なる添加時期に添加してもよ
い。
は、粉末状もしくはニート状での添加であってもよい
し、エチレングリコールなどの溶媒のスラリー状もしく
は溶液状での添加であってもよく、特に限定されない。
また、アルミニウム金属もしくはその化合物と他の成
分、好ましくはフェノール系化合物もしくはリン化合物
とを予め混合したものを添加してもよいし、これらを別
々に添加してもよい。また、アルミニウム金属もしくは
その化合物と他の成分、好ましくはフェノール系化合物
もしくはリン化合物とを同じ添加時期に重合系に添加し
ても良いし、それぞれを異なる添加時期に添加してもよ
い。
【0212】本発明に使用される重合触媒は、アンチモ
ン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化
合物などの他の重合触媒を、これらの成分の添加が前述
の様なポリエステルの特性、加工性、色調など製品に問
題が生じない添加量の範囲内において共存させて用いる
ことは、重合時間の短縮による生産性を向上させる際に
有利であり、好ましい。
ン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、スズ化
合物などの他の重合触媒を、これらの成分の添加が前述
の様なポリエステルの特性、加工性、色調など製品に問
題が生じない添加量の範囲内において共存させて用いる
ことは、重合時間の短縮による生産性を向上させる際に
有利であり、好ましい。
【0213】ただし、アンチモン化合物としては重合し
て得られるポリエステルに対してアンチモン原子として
50ppm以下の量で添加可能である。より好ましくは
30ppm以下の量で添加することである。アンチモン
の添加量を50ppmより多くすると、金属アンチモン
の析出が起こり、ポリエステルに黒ずみや異物が発生す
るため好ましくない。
て得られるポリエステルに対してアンチモン原子として
50ppm以下の量で添加可能である。より好ましくは
30ppm以下の量で添加することである。アンチモン
の添加量を50ppmより多くすると、金属アンチモン
の析出が起こり、ポリエステルに黒ずみや異物が発生す
るため好ましくない。
【0214】チタン化合物としては重合して得られるポ
リマーに対して10ppm以下の範囲で添加する事が可
能である。より好ましくは5ppm以下、さらに好まし
くは2ppm以下の量で添加することである。チタンの
添加量を10ppmより多くすると得られるレジンの熱
安定性が著しく低下する。
リマーに対して10ppm以下の範囲で添加する事が可
能である。より好ましくは5ppm以下、さらに好まし
くは2ppm以下の量で添加することである。チタンの
添加量を10ppmより多くすると得られるレジンの熱
安定性が著しく低下する。
【0215】ゲルマニウム化合物としては重合して得ら
れるポリエステル中にゲルマニウム原子として60pp
m以下の量で添加することが可能である。より好ましく
は40ppm以下の量で添加することである。ゲルマニ
ウムの添加量を60ppmより多くするとコスト的に不
利となるため好ましくない。
れるポリエステル中にゲルマニウム原子として60pp
m以下の量で添加することが可能である。より好ましく
は40ppm以下の量で添加することである。ゲルマニ
ウムの添加量を60ppmより多くするとコスト的に不
利となるため好ましくない。
【0216】またゲルマニウム化合物は、重合して得ら
れたポリエステル中に残存するゲルマニウム原子の残存
量として30ppm以下の量になるように添加可能であ
る。より好ましい残存量は20ppm以下である。ゲル
マニウムの残存量を30ppm以上にすると、コスト的
に不利になるため好ましくない。
れたポリエステル中に残存するゲルマニウム原子の残存
量として30ppm以下の量になるように添加可能であ
る。より好ましい残存量は20ppm以下である。ゲル
マニウムの残存量を30ppm以上にすると、コスト的
に不利になるため好ましくない。
【0217】本発明に使用される重合触媒を用いてポリ
エステルを重合する際には、アンチモン化合物、チタン
化合物マニウム化合物、スズ化合物を1種または2種以
上使用できる。
エステルを重合する際には、アンチモン化合物、チタン
化合物マニウム化合物、スズ化合物を1種または2種以
上使用できる。
【0218】本発明で用いられるアンチモン化合物、チ
タン化合物、ゲルマニウム化合物およびスズ化合物は特
に限定はない。
タン化合物、ゲルマニウム化合物およびスズ化合物は特
に限定はない。
【0219】具体的には、アンチモン化合物としては、
三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、これら
のうち三酸化アンチモンが好ましい。
三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ン、アンチモングリコキサイドなどが挙げられ、これら
のうち三酸化アンチモンが好ましい。
【0220】また、チタン化合物としてはテトラ−n−
プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、
テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタ
ネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ
シクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネー
ト、蓚酸チタンなどが挙げられ、これらのうちテトラ−
n−ブトキシチタネートが好ましい。
プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、
テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタ
ネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ
シクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネー
ト、蓚酸チタンなどが挙げられ、これらのうちテトラ−
n−ブトキシチタネートが好ましい。
【0221】そしてゲルマニウム化合物としては二酸化
ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、こ
れらのうち二酸化ゲルマニウムが好ましい。
ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられ、こ
れらのうち二酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0222】また、スズ化合物としては、ジブチルスズ
オキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエ
チルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチル
スズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオ
キサイド、トリイソブチルスズアデテート、ジフェニル
スズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジ
ブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキ
サイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸など
が挙げられ、特にモノブチルヒドロキシスズオキサイド
の使用が好ましい。
オキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエ
チルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、トリエチル
スズハイドロオキサイド、モノブチルヒドロキシスズオ
キサイド、トリイソブチルスズアデテート、ジフェニル
スズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、ジ
ブチルスズサルファイド、ジブチルヒドロキシスズオキ
サイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸など
が挙げられ、特にモノブチルヒドロキシスズオキサイド
の使用が好ましい。
【0223】本発明に言うポリエステルは、主たる繰り
返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル
であって、好ましくはエチレンテレフタレート単位を7
0モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ま
しくは80モル%以上、特に好ましくは90%モル以上
含む線状ポリエステルである。
返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエステル
であって、好ましくはエチレンテレフタレート単位を7
0モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ま
しくは80モル%以上、特に好ましくは90%モル以上
含む線状ポリエステルである。
【0224】前記ポリエステルが共重合体である場合に
使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、
オルソフタル酸、イソフタル酸、1,3−ナフタレンジ
カルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル
―4,4―ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテ
ルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン―
p,p’―ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸およびその機能的
誘導体、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキ
シ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒ
ドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはその機能的
誘導体、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、
テトラデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸お
よびその機能的誘導体、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸およびその機能的誘導体などがあげら
れる。
使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、
オルソフタル酸、イソフタル酸、1,3−ナフタレンジ
カルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル
―4,4―ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテ
ルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン―
p,p’―ジカルボン酸、パモイン酸、アントラセンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸およびその機能的
誘導体、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキ
シ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒ
ドロキシシクロヘキサンカルボン酸、またはその機能的
誘導体、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、
テトラデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸お
よびその機能的誘導体、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂
環族ジカルボン酸およびその機能的誘導体などがあげら
れる。
【0225】前記ポリエステルが共重合体である場合に
使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,10−デカメチレングリコール、
1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどの脂肪族グリコール、1,2−シクロヘ
キサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジエタノールなどの脂環族グリコール、ヒ
ドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スル
ホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコ
ールなどが挙げられる。
使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2
−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチ
レングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペン
チルグリコール、1,10−デカメチレングリコール、
1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどの脂肪族グリコール、1,2−シクロヘ
キサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シ
クロヘキサンジエタノールなどの脂環族グリコール、ヒ
ドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノール、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スル
ホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキ
シフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコ
ールなどが挙げられる。
【0226】前記ポリエステルの共重合に使用される環
状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピ
オンラクトン、β−メチル−β−プロピオンラクトン、
γ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げ
られる。
状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピ
オンラクトン、β−メチル−β−プロピオンラクトン、
γ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチドなどが挙げ
られる。
【0227】さらに、前記ポリエステルが共重合体であ
る場合に使用される共重合成分としての多官能化合物と
しては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット
酸などをあげることができ、グリコール成分としてグリ
セリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。
以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に
線状を維持する程度でなければならない。また、単官能
化合物、たとえば安息香酸、ナフトエ酸などを共重合さ
せてもよい。
る場合に使用される共重合成分としての多官能化合物と
しては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット
酸などをあげることができ、グリコール成分としてグリ
セリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。
以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に
線状を維持する程度でなければならない。また、単官能
化合物、たとえば安息香酸、ナフトエ酸などを共重合さ
せてもよい。
【0228】また、本発明のポリエステルには公知のリ
ン化合物を共重合成分として含むことができる。リン系
化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、たと
えば(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、9,
10−ジヒドロ−10−オキサ−(2,3−カルボキシ
プロピル)−10−ホスファフェナンスレン−10−オ
キサイドなどが挙げられる。これらのリン系化合物を共
重合成分として含むことで、得られるポリエステルの難
燃性などを向上させることが可能である。
ン化合物を共重合成分として含むことができる。リン系
化合物としては二官能性リン系化合物が好ましく、たと
えば(2−カルボキシルエチル)メチルホスフィン酸、
(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、9,
10−ジヒドロ−10−オキサ−(2,3−カルボキシ
プロピル)−10−ホスファフェナンスレン−10−オ
キサイドなどが挙げられる。これらのリン系化合物を共
重合成分として含むことで、得られるポリエステルの難
燃性などを向上させることが可能である。
【0229】なお、本発明に係るポリエステルから得ら
れた成形体の昇温時結晶化温度が、150℃未満となる
ようにする方法としては、前記したように、ポリエチレ
ンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂やポリアセ
タール樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂をポリエステル樹
脂に配合する方法や、カオリン、タルクなどの無機核剤
をポリエステル樹脂に配合する方法や、モンタン酸ワッ
クスなどの有機核剤をポリエステル樹脂に配合する方法
や、イセチオン酸誘導体を共重合する方法などがある。
れた成形体の昇温時結晶化温度が、150℃未満となる
ようにする方法としては、前記したように、ポリエチレ
ンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン樹脂やポリアセ
タール樹脂などの結晶性熱可塑性樹脂をポリエステル樹
脂に配合する方法や、カオリン、タルクなどの無機核剤
をポリエステル樹脂に配合する方法や、モンタン酸ワッ
クスなどの有機核剤をポリエステル樹脂に配合する方法
や、イセチオン酸誘導体を共重合する方法などがある。
【0230】本発明において用いられるポリオレフィン
樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられる。本発
明において用いられるポリエチレン系樹脂としては、例
えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オ
レフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、不飽和エポキシ化合物等のビニル化合物
との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、超
低・低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖
状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−
メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられ
る。また本発明において用いられるポリプロピレン系樹
脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピ
レンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程
度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物との共重
合体、あるいはヘキサジエン、オクタジエン、デカジエ
ン、ジシクロペンタジエン等のジエンとの共重合体等が
挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン単独重合
体(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチ
ックポリプロピレン)、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプ
ロピレン系樹脂が挙げられる。また本発明において用い
られるα−オレフィン系樹脂としては、4−メチルペン
テン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独
重合体、それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素
数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体等が
挙げられる。具体的には、例えば、ブテン−1単独重合
体、4−メチルペンテン−1単独重合体、ブテン−1−
エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等
のブテン−1系樹脂や4−メチルペンテン−1とC2〜
C18のα−オレフィンとの共重合体、等が挙げられ
る。
樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂、またはα−オレフィン系樹脂が挙げられる。本発
明において用いられるポリエチレン系樹脂としては、例
えば、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1、デセン−1等の炭素数2〜20程度の他のα−オ
レフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、不飽和エポキシ化合物等のビニル化合物
との共重合体等が挙げられる。具体的には、例えば、超
低・低・中・高密度ポリエチレン等(分岐状又は直鎖
状)のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−
メチルペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1
共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体等のエチレン系樹脂が挙げられ
る。また本発明において用いられるポリプロピレン系樹
脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピ
レンと、エチレン、ブテン−1、3−メチルブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2〜20程
度の他のα−オレフィンや、酢酸ビニル、塩化ビニル、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、スチレン等のビニル化合物との共重
合体、あるいはヘキサジエン、オクタジエン、デカジエ
ン、ジシクロペンタジエン等のジエンとの共重合体等が
挙げられる。具体的には、例えば、プロピレン単独重合
体(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチ
ックポリプロピレン)、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプ
ロピレン系樹脂が挙げられる。また本発明において用い
られるα−オレフィン系樹脂としては、4−メチルペン
テン−1等の炭素数2〜8程度のα−オレフィンの単独
重合体、それらのα−オレフィンと、エチレン、プロピ
レン、ブテン−1、3−メチルブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素
数2〜20程度の他のα−オレフィンとの共重合体等が
挙げられる。具体的には、例えば、ブテン−1単独重合
体、4−メチルペンテン−1単独重合体、ブテン−1−
エチレン共重合体、ブテン−1−プロピレン共重合体等
のブテン−1系樹脂や4−メチルペンテン−1とC2〜
C18のα−オレフィンとの共重合体、等が挙げられ
る。
【0231】また、本発明において用いられるポリアミ
ド樹脂としては、例えば、ブチロラクタム、δ−バレロ
ラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω
−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカ
プロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノド
デカン酸等のアミノカルボン酸の重合体、ヘキサメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミ
ン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミ
ン等のジアミン単位と、グルタル酸、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカル
ボン酸単位との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙
げられ、具体的には、例えば、ナイロン4、ナイロン
6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイ
ロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロ
ン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6
/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイ
ロン6/6T、ナイロン6I/6T等が挙げられる。
ド樹脂としては、例えば、ブチロラクタム、δ−バレロ
ラクタム、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω
−ラウロラクタム等のラクタムの重合体、6−アミノカ
プロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノド
デカン酸等のアミノカルボン酸の重合体、ヘキサメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−又は
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス
(p−アミノシクロヘキシルメタン)等の脂環式ジアミ
ン、m−又はp−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミ
ン等のジアミン単位と、グルタル酸、アジピン酸、スベ
リン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等のジカル
ボン酸単位との重縮合体、及びこれらの共重合体等が挙
げられ、具体的には、例えば、ナイロン4、ナイロン
6、ナイロン7、ナイロン8、ナイロン9、ナイロン1
1、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン69、ナイ
ロン610、ナイロン611、ナイロン612、ナイロ
ン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6
/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイ
ロン6/6T、ナイロン6I/6T等が挙げられる。
【0232】また、本発明において用いられるポリアセ
タ−ル樹脂としては、例えばポリアセタ−ル単独重合体
や共重合体が挙げられる。ポリアセタ−ル単独重合体と
しては、ASTM−D792の測定法により測定した密
度が1.40〜1.42g/cm3、ASTMD−12
38の測定法により、190℃、荷重2160gで測定
したメルトインデックス(MI)が0.5〜50g/1
0分の範囲のポリアセタ−ルが好ましい。
タ−ル樹脂としては、例えばポリアセタ−ル単独重合体
や共重合体が挙げられる。ポリアセタ−ル単独重合体と
しては、ASTM−D792の測定法により測定した密
度が1.40〜1.42g/cm3、ASTMD−12
38の測定法により、190℃、荷重2160gで測定
したメルトインデックス(MI)が0.5〜50g/1
0分の範囲のポリアセタ−ルが好ましい。
【0233】また、ポリアセタ−ル共重合体としては、
ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.
38〜1.43g/cm3、ASTMD−1238の測
定法により、190℃、荷重2160gで測定したメル
トインデックス(MI)が0.4〜50g/10分の範
囲のポリアセタ−ル共重合体が好ましい。これらの共重
合成分としては、エチレンオキサイドや環状エ−テルが
挙げられる。
ASTM−D792の測定法により測定した密度が1.
38〜1.43g/cm3、ASTMD−1238の測
定法により、190℃、荷重2160gで測定したメル
トインデックス(MI)が0.4〜50g/10分の範
囲のポリアセタ−ル共重合体が好ましい。これらの共重
合成分としては、エチレンオキサイドや環状エ−テルが
挙げられる。
【0234】本発明のポリエステルの極限粘度は0.5
5〜1.50デシリットル/グラム、好ましくは0.6
0〜1.30デシリットル/グラム、さらに好ましくは
0.62〜1.10デシリットル/グラムの範囲であ
る。極限粘度が0.55デシリットル/グラム未満で
は、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.
50デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等に
よる溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくな
り、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加
したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
5〜1.50デシリットル/グラム、好ましくは0.6
0〜1.30デシリットル/グラム、さらに好ましくは
0.62〜1.10デシリットル/グラムの範囲であ
る。極限粘度が0.55デシリットル/グラム未満で
は、得られた成形体等の機械的特性が悪い。また、1.
50デシリットル/グラムを越える場合は、成型機等に
よる溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくな
り、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加
したり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こる。
【0235】また、本発明のポリエステルのアセトアル
デヒド含有量は、50ppm以下、好ましくは30pp
m以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好まし
くは5ppm以下、ホルムアルデヒド含有量は、20p
pm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは
8ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下である。
アセトアルデヒド含有量が50ppm以上および/また
はホルムアルデヒド含有量が20ppm以上の場合は、
このポリエステルから成形された容器等の内容物の風味
や臭い等が悪くなる。
デヒド含有量は、50ppm以下、好ましくは30pp
m以下、より好ましくは10ppm以下、さらに好まし
くは5ppm以下、ホルムアルデヒド含有量は、20p
pm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは
8ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下である。
アセトアルデヒド含有量が50ppm以上および/また
はホルムアルデヒド含有量が20ppm以上の場合は、
このポリエステルから成形された容器等の内容物の風味
や臭い等が悪くなる。
【0236】また本発明のポリエステル中に共重合され
たジエチレングリコ−ル量は該ポリエステルを構成する
グリコ−ル成分の好ましくは0.5〜5.0モル%、よ
り好ましくは1.0〜4.5モル%、さらに好ましくは
1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコ−ル量
が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、
成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアル
デヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大と
なり好ましくない。またジエチレングリコ−ル含有量が
0.5モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が
悪くなる。
たジエチレングリコ−ル量は該ポリエステルを構成する
グリコ−ル成分の好ましくは0.5〜5.0モル%、よ
り好ましくは1.0〜4.5モル%、さらに好ましくは
1.5〜4.0モル%である。ジエチレングリコ−ル量
が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪くなり、
成型時に分子量低下が大きくなったり、またアセトアル
デヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増加量が大と
なり好ましくない。またジエチレングリコ−ル含有量が
0.5モル%未満の場合は、得られた成形体の透明性が
悪くなる。
【0237】また本発明のポリエステルの環状3量体の
含有量は好ましくは0.50質量%以下、より好ましく
は0.45質量%以下、さらに好ましくは0.40質量
%以下である。本発明のポリエステル組成物から耐熱性
の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を
行うが、環状3量体の含有量が0.50質量%以上含有
する場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激
に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化
する。また本発明に使用される、示差走査型熱量計によ
り測定した成形体の昇温時結晶化温度が165〜180
℃であるとともに、繰返し単位としてエチレンテレフタ
レートを含有するポリエステルは、ポリエステル溶融重
合チップにせん断力や摩擦力等がかからない、例えば攪
拌機の付いていない固相重合装置を用いて重合すること
によって製造することが可能である。その極限粘度は、
0.70〜0.90デシリットル/グラムであることが
好ましい。また、アセトアルデヒド等の含有量、ポリエ
ステル中に共重合されたジエチレングリコ−ル量および
環状3量体の含有量は、前記の昇温時結晶化温度が15
0℃未満のポリエステルのこれらの特性と同じであるこ
とが好ましい。本発明の方法にしたがってポリエステル
重合をした後に、このポリエステルから触媒を除去する
か、またはリン系化合物などの添加によって触媒を失活
させることによって、ポリエステルの熱安定性をさらに
高めることができる。
含有量は好ましくは0.50質量%以下、より好ましく
は0.45質量%以下、さらに好ましくは0.40質量
%以下である。本発明のポリエステル組成物から耐熱性
の中空成形体等を成形する場合は加熱金型内で熱処理を
行うが、環状3量体の含有量が0.50質量%以上含有
する場合には、加熱金型表面へのオリゴマ−付着が急激
に増加し、得られた中空成形体等の透明性が非常に悪化
する。また本発明に使用される、示差走査型熱量計によ
り測定した成形体の昇温時結晶化温度が165〜180
℃であるとともに、繰返し単位としてエチレンテレフタ
レートを含有するポリエステルは、ポリエステル溶融重
合チップにせん断力や摩擦力等がかからない、例えば攪
拌機の付いていない固相重合装置を用いて重合すること
によって製造することが可能である。その極限粘度は、
0.70〜0.90デシリットル/グラムであることが
好ましい。また、アセトアルデヒド等の含有量、ポリエ
ステル中に共重合されたジエチレングリコ−ル量および
環状3量体の含有量は、前記の昇温時結晶化温度が15
0℃未満のポリエステルのこれらの特性と同じであるこ
とが好ましい。本発明の方法にしたがってポリエステル
重合をした後に、このポリエステルから触媒を除去する
か、またはリン系化合物などの添加によって触媒を失活
させることによって、ポリエステルの熱安定性をさらに
高めることができる。
【0238】本発明のポリエステル中には、有機系、無
機系、および有機金属系のトナー、並びに蛍光増白剤な
どを含むことができ、これらを1種もしくは2種以上含
有することによって、ポリエステルの黄みなどの着色を
さらに優れたレベルにまで抑えることができる。また他
の任意の重合体や制電剤、消泡剤、染料、顔料、艶消し
剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、その他の添加剤
が含有されてもよい。酸化防止剤としては、芳香族アミ
ン系、フェノール系などの酸化防止剤が使用可能であ
り、安定剤としては、リン酸やリン酸エステル系などの
リン系、イオウ系、アミン系などの安定剤が使用可能で
ある。
機系、および有機金属系のトナー、並びに蛍光増白剤な
どを含むことができ、これらを1種もしくは2種以上含
有することによって、ポリエステルの黄みなどの着色を
さらに優れたレベルにまで抑えることができる。また他
の任意の重合体や制電剤、消泡剤、染料、顔料、艶消し
剤、蛍光増白剤、安定剤、酸化防止剤、その他の添加剤
が含有されてもよい。酸化防止剤としては、芳香族アミ
ン系、フェノール系などの酸化防止剤が使用可能であ
り、安定剤としては、リン酸やリン酸エステル系などの
リン系、イオウ系、アミン系などの安定剤が使用可能で
ある。
【0239】本発明に係る中空成形体の製法としては、
有底の予備成形体を延伸ブロ−成形する延伸ブロー成形
や、ダイレクトブロー成形や、押出ブロー成形などを使
用することができる。中空成形体の製造は、溶融重合や
固相重合によって得られたポリエステルチップを真空乾
燥法などによって乾燥後、射出成形機などの成形機によ
って成形する方法や、溶融重合後の溶融体をそのまま成
形機に導入して成形する直接成形方法(中空成形体の予
備成形体であるパリソンを製造する場合は、ダイレクト
パリソン法という)による。また、本発明に係るシート
状物質としては、押出成形を使用することができる。
有底の予備成形体を延伸ブロ−成形する延伸ブロー成形
や、ダイレクトブロー成形や、押出ブロー成形などを使
用することができる。中空成形体の製造は、溶融重合や
固相重合によって得られたポリエステルチップを真空乾
燥法などによって乾燥後、射出成形機などの成形機によ
って成形する方法や、溶融重合後の溶融体をそのまま成
形機に導入して成形する直接成形方法(中空成形体の予
備成形体であるパリソンを製造する場合は、ダイレクト
パリソン法という)による。また、本発明に係るシート
状物質としては、押出成形を使用することができる。
【0240】中空成形体としては、例えば、ジュース等
用のアセプティク用ボトル、お茶、炭酸飲料等用の耐熱
圧ボトル、焼酎やウイスキーなどのアルコール用飲料ボ
トル、ビール用ボトル、家庭用洗剤、整髪料等のボトル
として用いられる。
用のアセプティク用ボトル、お茶、炭酸飲料等用の耐熱
圧ボトル、焼酎やウイスキーなどのアルコール用飲料ボ
トル、ビール用ボトル、家庭用洗剤、整髪料等のボトル
として用いられる。
【0241】さらには、このような容器は、中間層にポ
リビニルアルコールやポリメタキシリレンジアミンアジ
ペートなどのガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサ
イクルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可
能である。さらにはポリメタキシリレンジアミンアジペ
ート等をブレンドすることもできる。また、蒸着やCV
D(ケミカルベーパーデポジット)等の方法を用いて、
容器の内外をアルミニウムなどの金属やダイヤモンド状
カーボンの層で被覆することも可能である。
リビニルアルコールやポリメタキシリレンジアミンアジ
ペートなどのガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサ
イクルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可
能である。さらにはポリメタキシリレンジアミンアジペ
ート等をブレンドすることもできる。また、蒸着やCV
D(ケミカルベーパーデポジット)等の方法を用いて、
容器の内外をアルミニウムなどの金属やダイヤモンド状
カーボンの層で被覆することも可能である。
【0242】なお、中空成形体の口栓部等の結晶性を上
げるため、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク
等の無機核剤を添加することもできる。
げるため、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク
等の無機核剤を添加することもできる。
【0243】成形後に金型内や金型から取り出した後、
100〜160℃程度に加熱し、結晶化させることもで
きる。
100〜160℃程度に加熱し、結晶化させることもで
きる。
【0244】さらには、本発明の樹脂は、ポリエチレン
テレフタレートなどのポリエステルの結晶性を向上させ
るためのマスターバッチとして用いることもできる。
テレフタレートなどのポリエステルの結晶性を向上させ
るためのマスターバッチとして用いることもできる。
【0245】また、シートは、真空成形や圧空成形、型
押し等により加工し、食品や雑貨用のトレイや容器、カ
ップ、ブリスターパック、電子部品のキャリアテープ、
電子部品配送用トレイとして用いる。また、シートは各
種カードとして利用することもできる。
押し等により加工し、食品や雑貨用のトレイや容器、カ
ップ、ブリスターパック、電子部品のキャリアテープ、
電子部品配送用トレイとして用いる。また、シートは各
種カードとして利用することもできる。
【0246】これら、シートの場合でも、上述のような
中間層にガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサイク
ルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可能で
ある。また、同様にリサイクル樹脂を混合することもで
きる。さらには、結晶性の耐熱性容器とすることを目的
に、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク等の無
機核剤を添加し、結晶性を高めることできる。
中間層にガスバリア性樹脂層、遮光性樹脂層やリサイク
ルポリエステル層を設けた多層構造をとることも可能で
ある。また、同様にリサイクル樹脂を混合することもで
きる。さらには、結晶性の耐熱性容器とすることを目的
に、ポリエチレンを初めとする他の樹脂やタルク等の無
機核剤を添加し、結晶性を高めることできる。
【0247】シートでは、成形後に金型内や金型から取
り出した後、100〜160℃程度に加熱し、結晶化さ
せることも好ましい。
り出した後、100〜160℃程度に加熱し、結晶化さ
せることも好ましい。
【0248】ポリエステルは、食品包装用真空成形体や
圧空成形体用のシート、雑貨品用ブリスターパックなど
に使用されるが、アンチモン触媒は、安価で、かつ優れ
た触媒活性を持つ触媒であるが、これを主成分、すなわ
ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて使
用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出するため、
ポリエステルに黒ずみや異物が発生し、ゲルマニウム化
合物やチタン化合物を触媒として用いた場合に比べて、
得られたPETの結晶化速度が速く、透明性の優れたシ
ート状物を得ることが難しく、特に1mm以上の厚みの
シートでは非常に困難であり、また異物含有量が多く商
品価値が劣る。このような経緯で、アンチモンを全く含
まないか或いはアンチモンを触媒主成分として含まない
ポリエステルは計り知れない価値がある。
圧空成形体用のシート、雑貨品用ブリスターパックなど
に使用されるが、アンチモン触媒は、安価で、かつ優れ
た触媒活性を持つ触媒であるが、これを主成分、すなわ
ち、実用的な重合速度が発揮される程度の添加量にて使
用すると、重縮合時に金属アンチモンが析出するため、
ポリエステルに黒ずみや異物が発生し、ゲルマニウム化
合物やチタン化合物を触媒として用いた場合に比べて、
得られたPETの結晶化速度が速く、透明性の優れたシ
ート状物を得ることが難しく、特に1mm以上の厚みの
シートでは非常に困難であり、また異物含有量が多く商
品価値が劣る。このような経緯で、アンチモンを全く含
まないか或いはアンチモンを触媒主成分として含まない
ポリエステルは計り知れない価値がある。
【0249】
【実施例】(1)ポリエステルの極限粘度(IV) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノール
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
【0250】(2)ポリエステル樹脂の色相 1)IV=0.65のポリエチレンテレフタレート 溶融重合で所定の攪拌トルクに到達した時点でオートク
レーブに窒素を導入し常圧に戻し重縮合反応を停止し
た。その後、微加圧下ポリマーを冷水にストランド状に
吐出して急冷し、その後約20秒間冷水中で保持した後
カッティングして長さ約3mm、直径約2mmのシリン
ダー形状のレジンチップを得た。このようにして得られ
たレジンチップを、約一昼夜室温にて濾紙の上で風乾し
た後、カラー測定に使用した。カラー測定は、溶融重合
して得られたIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップを用い、色差計(東京電色(株)製MODEL
TC−1500MC−88)を使用して、ハンターのL
値、a値、b値として測定した。
レーブに窒素を導入し常圧に戻し重縮合反応を停止し
た。その後、微加圧下ポリマーを冷水にストランド状に
吐出して急冷し、その後約20秒間冷水中で保持した後
カッティングして長さ約3mm、直径約2mmのシリン
ダー形状のレジンチップを得た。このようにして得られ
たレジンチップを、約一昼夜室温にて濾紙の上で風乾し
た後、カラー測定に使用した。カラー測定は、溶融重合
して得られたIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップを用い、色差計(東京電色(株)製MODEL
TC−1500MC−88)を使用して、ハンターのL
値、a値、b値として測定した。
【0251】具体的な測定としては、チップサンプルを
光沢のある面が下になるようガラス製セルに並べセルの
8分目まで入れた。さらに軽くセルを振り、密に詰めた
後、蓋が出来るまでレジンを追加し、蓋をした。樹脂を
詰めたセルを試料台に乗せ、測定した。測定はセルを1
回測定するごとに約120度づつ回して3回、すなわち
120度づつ3方向から測定し、その平均を求めた。
光沢のある面が下になるようガラス製セルに並べセルの
8分目まで入れた。さらに軽くセルを振り、密に詰めた
後、蓋が出来るまでレジンを追加し、蓋をした。樹脂を
詰めたセルを試料台に乗せ、測定した。測定はセルを1
回測定するごとに約120度づつ回して3回、すなわち
120度づつ3方向から測定し、その平均を求めた。
【0252】2)固相重合ポリエステル 上記のレジンチップと同様に固相重合したチップをガラ
ス製セルに入れ、同様の方法で測定した。
ス製セルに入れ、同様の方法で測定した。
【0253】(3)ポリエステルの環状3量体の合計含
量(CT含有量) 試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
量(CT含有量) 試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて希釈
する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレンテ
レフタレート単位から構成される環状3量体を定量し
た。
【0254】(4)昇温時結晶化温度(Tc1)の測定 セイコー電子工業株式会社製の示差熱分析計(DS
C)、RDC−220で測定。下記の成形板の2mm厚
みのプレ−トの中央部から切り取った試料を約25℃で
3日間減圧下で乾燥し、測定試料としてこれから4mg
を使用した。室温から20度C/分の速度で290℃ま
で昇温している途中に観察される結晶化による発熱ピ−
クの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)と
する。
C)、RDC−220で測定。下記の成形板の2mm厚
みのプレ−トの中央部から切り取った試料を約25℃で
3日間減圧下で乾燥し、測定試料としてこれから4mg
を使用した。室温から20度C/分の速度で290℃ま
で昇温している途中に観察される結晶化による発熱ピ−
クの頂点温度を測定し、昇温時結晶化温度(Tc1)と
する。
【0255】(5)ポリエステルチップの平均密度、プ
リフォ−ム口栓部密度および口栓部密度偏差 硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で
測定した。
リフォ−ム口栓部密度および口栓部密度偏差 硝酸カルシュウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で
測定した。
【0256】また、プリフォーム口栓部密度は、(7)
の方法により結晶化させた試料10個の平均値として求
め、また口栓部密度偏差は、この10個の値より求め
た。
の方法により結晶化させた試料10個の平均値として求
め、また口栓部密度偏差は、この10個の値より求め
た。
【0257】(6)ヘイズ(霞度%) 下記(8)の成形体(肉厚5mm)および(9)の中空
成形体の胴部(肉厚約0.45mm)より試料を切り取
り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelND
H2000で測定した。
成形体の胴部(肉厚約0.45mm)より試料を切り取
り、日本電色(株)製ヘイズメーター、modelND
H2000で測定した。
【0258】(7)プリフォーム口栓部の加熱による密
度上昇 プリフォーム口栓部を自家製の赤外線ヒーターによって
90秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定し
た。
度上昇 プリフォーム口栓部を自家製の赤外線ヒーターによって
90秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定し
た。
【0259】(8)段付成形板の成形 乾燥したポリエステルを名機製作所製M−150C(D
M)射出成型機により、シリンダー温度290℃におい
て、10℃の水で冷却した段付平板金型(表面温度約2
2℃)を用い成形する。得られた段付成形板は、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11mmの厚みの
約3cm×約5cm角のプレートを階段状に備えたもの
で、1個の重量は約146gである。2mm厚みのプレ
ートは昇温時結晶化温度(Tc1)測定に、また5mm
厚みのプレートはヘイズ(霞度%)測定に使用する。
M)射出成型機により、シリンダー温度290℃におい
て、10℃の水で冷却した段付平板金型(表面温度約2
2℃)を用い成形する。得られた段付成形板は、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11mmの厚みの
約3cm×約5cm角のプレートを階段状に備えたもの
で、1個の重量は約146gである。2mm厚みのプレ
ートは昇温時結晶化温度(Tc1)測定に、また5mm
厚みのプレートはヘイズ(霞度%)測定に使用する。
【0260】(9)中空成形体の成形 ポリエステルを脱湿空気を用いた乾燥機で乾燥し、各機
製作所製M−150C(DM)射出成型機により樹脂温
度295℃でプリフォームを成形した。このプリフォー
ムの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化さ
せた後、コーポプラスト社製LB−01E延伸ブロー成
型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約150
℃に設定した金型内で約7秒間熱固定し、2000cc
の中空成形体(胴部は円形)を得た。ヘイズ測定用試料
としては、中空成形体の胴部を供した。
製作所製M−150C(DM)射出成型機により樹脂温
度295℃でプリフォームを成形した。このプリフォー
ムの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化さ
せた後、コーポプラスト社製LB−01E延伸ブロー成
型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約150
℃に設定した金型内で約7秒間熱固定し、2000cc
の中空成形体(胴部は円形)を得た。ヘイズ測定用試料
としては、中空成形体の胴部を供した。
【0261】(10)中空成形体からの内容物の漏れ評
価 前記(9)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充填
し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器
を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッピ
ング後の口栓部の変形状態も調べた。
価 前記(9)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充填
し、キャッピング機によりキャッピングをしたあと容器
を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッピ
ング後の口栓部の変形状態も調べた。
【0262】(11)ポリマー中の析出粒子 ポリエステル50mgを2枚のカバーグラス間にはさ
み、290℃で溶融プレスしたものを顕微鏡で観察し、
定性的に、「非常に少ない」、「少ない」、「多い」、
「非常に多い」と分類した。
み、290℃で溶融プレスしたものを顕微鏡で観察し、
定性的に、「非常に少ない」、「少ない」、「多い」、
「非常に多い」と分類した。
【0263】(12)酸価 ポリエステル0.1gをベンジルアルコール10mlに
加熱溶解した後、0.1NのNaOHのメタノール/ベ
ンジルアルコール=1/9の溶液を使用して滴定して求
めた。
加熱溶解した後、0.1NのNaOHのメタノール/ベ
ンジルアルコール=1/9の溶液を使用して滴定して求
めた。
【0264】(13)ジエチレングリコール含量(DE
G) ポリエステル0.1gをメタノール2ml中で250℃
で加熱分解した後、ガスクロマトグラフィーにより定量
して求めた。
G) ポリエステル0.1gをメタノール2ml中で250℃
で加熱分解した後、ガスクロマトグラフィーにより定量
して求めた。
【0265】(14)示差走査熱量分析(DSC) TAインスツルメンツ社製DSC2920を用いて測定
した。ポリエステル10.0mgをアルミパンに入れ、
50℃/分の昇温速度で280℃まで加熱し、280℃
に達してから1分間保持した後即座に、液体窒素中でク
エンチした。その後、室温から20℃/分の昇温速度で
300℃まで昇温し、昇温時結晶化温度Tc1ならびに
融点Tmを求めた。300℃に達してから2分間保持し
た後に、10℃/分で降温し、降温時結晶化温度Tc2
を求めた。Tc1,Tm、Tc2はそれぞれのピークの
極大部分の温度とした。
した。ポリエステル10.0mgをアルミパンに入れ、
50℃/分の昇温速度で280℃まで加熱し、280℃
に達してから1分間保持した後即座に、液体窒素中でク
エンチした。その後、室温から20℃/分の昇温速度で
300℃まで昇温し、昇温時結晶化温度Tc1ならびに
融点Tmを求めた。300℃に達してから2分間保持し
た後に、10℃/分で降温し、降温時結晶化温度Tc2
を求めた。Tc1,Tm、Tc2はそれぞれのピークの
極大部分の温度とした。
【0266】(15)熱安定性パラメータ(TS) 溶融重合したIVが約0.65dl/g(溶融試験前;
[IV]i )のPETレジンチップ1gを内径約14
mmのガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥
した後、真空ラインにセットし減圧と窒素封入を5回以
上繰り返した後100mmHgの窒素を封入して封管
し、300℃の塩バスに浸漬して2時間溶融状態に維持
した後、サンプルを取り出して冷凍粉砕して真空乾燥
し、IV(溶融試験後;IV]f2)を測定し、下記計算
式を用いて求めた。式は、既報(上山ら:日本ゴム協会
誌嬉63巻第8号497頁1990年)から引用した。 TS=0.245{[IV]f2 -1.47−[I
V]i -1.47} (16)熱酸化安定性パラメータ(TOS) 溶融重合したIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップを冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にしそれ
を130℃で12時間真空乾燥したもの300mgを内
径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ7
0℃で12時間真空乾燥した後、シリカゲルを入れた乾
燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃
の塩バスに浸漬して15分間加熱した後のIVを測定
し、上記したTSと同じ下記計算式を用いて求めた。た
だし、[IV]i および[IV]f 1はそれぞれ加熱試
験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕
は、フリーザーミル(米国スペックス社製6750型)
を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップと専
用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液
体窒素を装置に充填して約10分間保持し、その後、R
ATE10(インパクターが1秒間に約20回前後す
る)で5分間粉砕を行った。 TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−[IV]i
-1.47} (17)耐加水分解性パラメータ(HS) 溶融重合して得られた固有粘度が約0.65dl/g
(試験前;[IV]i)のPETレジンチップを上記
7)と同様に冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にし
それを130℃で12時間真空乾燥した。加水分解試験
はミニカラー装置((株)テクサム技研製TypeMC
12.ELB)を用いて行った。上記粉末1gを純水1
00mlと共に専用ステンレスビーカーに入れてさらに
専用の攪拌翼を入れ、密閉系にして、ミニカラー装置に
セットし130℃に加熱、加圧した条件下に6時間攪拌
した。試験後のPETをグラスフィルターで濾取し、真
空乾燥した後IVを測定し([IV]f2)、以下の式に
より耐加水分解性パラメータ(HS)を求めた。
[IV]i )のPETレジンチップ1gを内径約14
mmのガラス試験管に入れ130℃で12時間真空乾燥
した後、真空ラインにセットし減圧と窒素封入を5回以
上繰り返した後100mmHgの窒素を封入して封管
し、300℃の塩バスに浸漬して2時間溶融状態に維持
した後、サンプルを取り出して冷凍粉砕して真空乾燥
し、IV(溶融試験後;IV]f2)を測定し、下記計算
式を用いて求めた。式は、既報(上山ら:日本ゴム協会
誌嬉63巻第8号497頁1990年)から引用した。 TS=0.245{[IV]f2 -1.47−[I
V]i -1.47} (16)熱酸化安定性パラメータ(TOS) 溶融重合したIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップを冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にしそれ
を130℃で12時間真空乾燥したもの300mgを内
径約8mm、長さ約140mmのガラス試験管に入れ7
0℃で12時間真空乾燥した後、シリカゲルを入れた乾
燥管を試験管上部につけて乾燥した空気下で、230℃
の塩バスに浸漬して15分間加熱した後のIVを測定
し、上記したTSと同じ下記計算式を用いて求めた。た
だし、[IV]i および[IV]f 1はそれぞれ加熱試
験前と加熱試験後のIV(dl/g)を指す。冷凍粉砕
は、フリーザーミル(米国スペックス社製6750型)
を用いて行った。専用セルに約2gのレジンチップと専
用のインパクターを入れた後、セルを装置にセットし液
体窒素を装置に充填して約10分間保持し、その後、R
ATE10(インパクターが1秒間に約20回前後す
る)で5分間粉砕を行った。 TOS=0.245{[IV]f1 -1.47−[IV]i
-1.47} (17)耐加水分解性パラメータ(HS) 溶融重合して得られた固有粘度が約0.65dl/g
(試験前;[IV]i)のPETレジンチップを上記
7)と同様に冷凍粉砕して20メッシュ以下の粉末にし
それを130℃で12時間真空乾燥した。加水分解試験
はミニカラー装置((株)テクサム技研製TypeMC
12.ELB)を用いて行った。上記粉末1gを純水1
00mlと共に専用ステンレスビーカーに入れてさらに
専用の攪拌翼を入れ、密閉系にして、ミニカラー装置に
セットし130℃に加熱、加圧した条件下に6時間攪拌
した。試験後のPETをグラスフィルターで濾取し、真
空乾燥した後IVを測定し([IV]f2)、以下の式に
より耐加水分解性パラメータ(HS)を求めた。
【0267】HS=0.245{[IV]f2 -1.47−
[IV]i -1.47} (18)溶液ヘーズ値(Haze) 溶融重合したIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップをp−クロロフェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタンの3/1混合溶媒(重量比)に溶解して
8g/100mlの溶液とし、日本電色工業株式会社濁
度計NDH2000を用いて室温で測定した。測定方法
はJIS規格JIS−K7105に依り、セル長1cm
のセルを用いて、溶液の拡散透過光(DF)と全光線透
過光(TT)を測定し、計算式 Haze(%)=(DF/TT)×100 よりHaze(%)を求めた。
[IV]i -1.47} (18)溶液ヘーズ値(Haze) 溶融重合したIVが約0.65dl/gのPETレジン
チップをp−クロロフェノール/1,1,2,2−テト
ラクロロエタンの3/1混合溶媒(重量比)に溶解して
8g/100mlの溶液とし、日本電色工業株式会社濁
度計NDH2000を用いて室温で測定した。測定方法
はJIS規格JIS−K7105に依り、セル長1cm
のセルを用いて、溶液の拡散透過光(DF)と全光線透
過光(TT)を測定し、計算式 Haze(%)=(DF/TT)×100 よりHaze(%)を求めた。
【0268】(19)1H−NMR測定 化合物をCDCl3またはDMSOに溶解させ、室温下
でVarian GEMINI−200を使って測定し
た。
でVarian GEMINI−200を使って測定し
た。
【0269】(20)融点測定 化合物をカバーガラス上にのせ、Yanaco MIC
RO MELTINGPOINT APPARATUS
を使って1℃/minの昇温速度で測定した。
RO MELTINGPOINT APPARATUS
を使って1℃/minの昇温速度で測定した。
【0270】 (21)元素分析リンの分析は、PETレジンチップを
湿式分解後、モリブデンブルー比色法により行った。そ
の他の金属は、灰化/酸溶解後、高周波プラズマ発光分
析および原子吸光分析により行った。
湿式分解後、モリブデンブルー比色法により行った。そ
の他の金属は、灰化/酸溶解後、高周波プラズマ発光分
析および原子吸光分析により行った。
【0271】(実施例1) (リン化合物の合成例) 下記式(42)で表されるリン化合物(リン化合物A)
の合成
の合成
【0272】
【化60】
【0273】(1)Sodium(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate) を3.4g(69%)得た。
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate) を3.4g(69%)得た。
【0274】形状:白色粉体 融点:294−302℃(分解)1 H−NMR(DMSO,δ): 1.078(3H,
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)O−ethyl 3,5−di−tert−bu
tyl−4−hydroxybenzylphosph
onic acid(リン化合物A)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 1g(2.8m
mol)の水溶液20mlに濃塩酸1.5gを加えて1
時間攪拌した。反応混合物に水150mlを加え、析出
した結晶をろ取、水洗、乾燥してO−ethyl 3,
5−di−tert−butyl−4−hydroxy
benzylphosphonic acidを826
mg(88%)得た。
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)O−ethyl 3,5−di−tert−bu
tyl−4−hydroxybenzylphosph
onic acid(リン化合物A)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 1g(2.8m
mol)の水溶液20mlに濃塩酸1.5gを加えて1
時間攪拌した。反応混合物に水150mlを加え、析出
した結晶をろ取、水洗、乾燥してO−ethyl 3,
5−di−tert−butyl−4−hydroxy
benzylphosphonic acidを826
mg(88%)得た。
【0275】形状:板状結晶 融点:126−127℃1 H−NMR(CDCl3,δ):1.207(3H,
t, J=7Hz),1.436(18H, s),
3.013(2H, d), 3.888(2H,
m, J=7Hz.), 7.088(2H, s),
7.679−8.275(1H, br) (ポリエステル重縮合例)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Aの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)を表1に示す。
t, J=7Hz),1.436(18H, s),
3.013(2H, d), 3.888(2H,
m, J=7Hz.), 7.088(2H, s),
7.679−8.275(1H, br) (ポリエステル重縮合例)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Aの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)を表1に示す。
【0276】また、上記の重縮合にて得られたIVが
0.65dlg-1のポリエチレンテレフタレートを常法
に従ってチップ化した。このPETレジンチップを用い
て諸物性を測定した。結果を表1および表2に示す。
0.65dlg-1のポリエチレンテレフタレートを常法
に従ってチップ化した。このPETレジンチップを用い
て諸物性を測定した。結果を表1および表2に示す。
【0277】
【表1】
【0278】
【表2】
【0279】また前記と同一条件で重縮合時間を短くし
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後207℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が2.0のPET(A)を得た。
また、DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.
0ppm、環状三量体含有量は0.32質量%であっ
た。
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後207℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が2.0のPET(A)を得た。
また、DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.
0ppm、環状三量体含有量は0.32質量%であっ
た。
【0280】このPET(A)を用いて上記の(8)記
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ175℃および2.5%であった。
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ175℃および2.5%であった。
【0281】このPET(A)チップに、ポリプロピレ
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が100
ppmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、本発明のPET(B)を得た。次いで、このPET
(B)から上記の(8)記載の方法により成形板を得
た。成形板のTc1は、138℃であった。
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が100
ppmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、本発明のPET(B)を得た。次いで、このPET
(B)から上記の(8)記載の方法により成形板を得
た。成形板のTc1は、138℃であった。
【0282】PET(A)およびPET(B)について
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
【0283】次に、本発明のPET(B)の中空成形体
への利用例を示す。PET(A)100重量部とPET
(B)1重量部を混合し、上記の(8)および(9)記
載の方法により、段付成形板と延伸中空成形体を得た。
への利用例を示す。PET(A)100重量部とPET
(B)1重量部を混合し、上記の(8)および(9)記
載の方法により、段付成形板と延伸中空成形体を得た。
【0284】種々の評価結果を表5に示す。上記の成形
板のTc1およびヘイズは、それぞれ163℃および
3.5%であり、中空成形体のヘイズは0.9%と問題
なかった。
板のTc1およびヘイズは、それぞれ163℃および
3.5%であり、中空成形体のヘイズは0.9%と問題
なかった。
【0285】また中空成形体胴部からの試料について
(11)記載の方法により析出粒子数を測定したが、非
常に少なかった。
(11)記載の方法により析出粒子数を測定したが、非
常に少なかった。
【0286】また、この容器に90℃の温湯を充填し、
キャッピング機によりキャッピングをした後ボトルを倒
し放置後、口栓部の変形、及び内容物の漏洩を調べた
が、問題はなかった。
キャッピング機によりキャッピングをした後ボトルを倒
し放置後、口栓部の変形、及び内容物の漏洩を調べた
が、問題はなかった。
【0287】本発明のPETを用いて成形した中空成形
体は、透明性に優れ、口栓部の結晶化度も十分であり、
漏れ試験に合格している。
体は、透明性に優れ、口栓部の結晶化度も十分であり、
漏れ試験に合格している。
【0288】(実施例2) (リン化合物の合成例) 下記式(43)で表されるリン化合物のマグネシウム塩
(リン化合物B)の合成
(リン化合物B)の合成
【0289】
【化61】
【0290】(1)Sodium(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate) (リン化
合物B)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate) を3.4g(69%)得た。
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate) (リン化
合物B)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate) を3.4g(69%)得た。
【0291】形状:白色粉体 融点:294−302℃(分解)1 H−NMR(DMSO,δ): 1.078(3H,
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)Magnesium bis(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 500mg
(1.4mmol)の水溶液4mlに硝酸マグネシウム
6水和物 192mg(0.75mmol)の水溶液1
mlを滴下した。1時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、
乾燥してMagnesium bis(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydr
oxybenzylphosphonate)を359
mg(74%)得た。
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)Magnesium bis(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydro
xybenzylphosphonate)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 500mg
(1.4mmol)の水溶液4mlに硝酸マグネシウム
6水和物 192mg(0.75mmol)の水溶液1
mlを滴下した。1時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、
乾燥してMagnesium bis(O−ethyl
3,5−di−tert−butyl−4−hydr
oxybenzylphosphonate)を359
mg(74%)得た。
【0292】形状:白色粉体 融点:>300℃1 H−NMR(DMSO,δ):1.0820(6H,
t, J=7Hz), 1.3558(36H,
s), 2.8338(4H, d), 3.8102
(4H, m, J=7Hz), 6.6328(2
H, s), 6.9917(4H, s) (ポリエステル重縮合例)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Bの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)を表1に示す。
t, J=7Hz), 1.3558(36H,
s), 2.8338(4H, d), 3.8102
(4H, m, J=7Hz), 6.6328(2
H, s), 6.9917(4H, s) (ポリエステル重縮合例)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Bの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)を表1に示す。
【0293】また、上記の重縮合にて得られたIVが
0.65dlg-1のポリエチレンテレフタレートを常法
に従ってチップ化した。このPETレジンチップを用い
て諸物性を測定した。結果を表3および表4に示す。
0.65dlg-1のポリエチレンテレフタレートを常法
に従ってチップ化した。このPETレジンチップを用い
て諸物性を測定した。結果を表3および表4に示す。
【0294】
【表3】
【0295】
【表4】
【0296】また前記と同一条件で重縮合時間を短くし
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が2.1のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は2.8pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%であった。
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が2.1のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は2.8pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%であった。
【0297】このPET(A)を用いて上記の(8)記
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ175℃および2.5%であった。
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ175℃および2.5%であった。
【0298】このPET(A)チップに、ポリプロピレ
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
【0299】次いで、このPET(B)から上記の
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、143℃であった。
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、143℃であった。
【0300】PET(A)およびPET(B)について
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
【0301】(実施例3) (リン化合物のアルミニウム塩の合成例) O−ethyl 3,5−di−tert−butyl
−4−hydroxybenzylphosphona
teのアルミニウム塩(アルミ塩A)の合成 (1)Sodium(O−ethyl 3,5−di−
tert−butyl−4−hydroxybenzy
lphosphonate)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate)を3.4g(69%)得た。
−4−hydroxybenzylphosphona
teのアルミニウム塩(アルミ塩A)の合成 (1)Sodium(O−ethyl 3,5−di−
tert−butyl−4−hydroxybenzy
lphosphonate)の合成 50%水酸化ナトリウム水溶液6.5g(84mmo
l)とメタノール6.1mlの混合溶液中にdieth
yl(3,5−di−tert−butyl−4−hy
droxybenzyl)phosphonate 5
g(14mmol)のメタノール溶液6.1mlを加
え、窒素雰囲気下24時間加熱還流を行った。反応後、
反応混合物を冷却しながら濃塩酸7.33g(70mm
ol)を加え、析出物をろ取、イソプロパノールで洗浄
後、ろ液を減圧留去した。得られた残渣を熱イソプロパ
ノールに溶解させ、不溶分をろ取し、イソプロパノール
を減圧留去後、残渣を熱ヘプタンで洗浄、乾燥してSo
dium(O−ethyl 3,5−di−tert−
butyl−4−hydroxybenzylphos
phonate)を3.4g(69%)得た。
【0302】形状:白色粉体 融点:294−302℃(分解)1 H−NMR(DMSO,δ): 1.078(3H,
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)O−ethyl 3,5−di−tert−bu
tyl−4−hydroxybenzylphosph
onateのアルミニウム塩(アルミ塩A)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 1g(2.8m
mol)の水溶液7.5mlに硝酸アルミニウム9水和
物 364mg(0.97mmol)の水溶液5mlを
滴下した。3時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、乾燥し
てO−ethyl 3,5−di−tert−buty
l−4−hydroxybenzylphosphon
ateのアルミニウム塩を860mg得た。
t, J=7Hz), 1.354 (18H,
s), 2.711(2H, d), 3.724(2
H, m, J=7Hz), 6.626(1H,
s), 6.9665(2H, s) 元素分析(カッコ内は理論値):Na 6.36%
(6.56%), P 9.18%(8.84%) (2)O−ethyl 3,5−di−tert−bu
tyl−4−hydroxybenzylphosph
onateのアルミニウム塩(アルミ塩A)の合成 室温で攪拌下のSodium(O−ethyl 3,5
−di−tert−butyl−4−hydroxyb
enzylphosphonate) 1g(2.8m
mol)の水溶液7.5mlに硝酸アルミニウム9水和
物 364mg(0.97mmol)の水溶液5mlを
滴下した。3時間攪拌後、析出物をろ取、水洗、乾燥し
てO−ethyl 3,5−di−tert−buty
l−4−hydroxybenzylphosphon
ateのアルミニウム塩を860mg得た。
【0303】形状:白色粉体 融点:183−192℃ (ポリエステル重縮合例)撹拌機付きの熱媒循環式2リ
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Aの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)は98分であった。
ッターステンレス製オートクレーブに高純度テレフタル
酸とその2倍モル量のエチレングリコールを仕込み、ト
リエチルアミンを酸成分に対して0.3mol%加え、
0.25Mpaの加圧下245℃にて水を系外に留去し
ながらエステル化反応を120分間行いエステル化率が
95%のオリゴマーを得た。このオリゴマ−に対して、
アルミニウムトリスアセチルアセトネートの2.5g/
lのエチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分
に対してアルミニウム原子として0.015mol%加
え、上述のリン化合物Aの10g/lのエチレングリコ
ール溶液をポリエステル中の酸成分に対してリン化合物
Aとして0.04mol%添加し、窒素雰囲気下常圧に
て245℃で10分間攪拌した。次いで50分間を要し
て275℃まで昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて
0.1Torrとしてさらに275℃、0.1Torr
で重縮合反応を行った。ポリエチレンテレフタレ−トの
IVが0.65dlg-1に到達するまでに要した重縮合
時間(AP)は98分であった。
【0304】また前記と同一条件で重縮合時間を短くし
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が1.5のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.0pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%であった。
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が1.5のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.0pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%であった。
【0305】このPET(A)を用いて上記の(8)記
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ174℃および2.7%であった。
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ174℃および2.7%であった。
【0306】このPET(A)チップに、ポリプロピレ
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
【0307】次いで、このPET(B)から上記の
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、140℃であった。
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、140℃であった。
【0308】PET(A)およびPET(B)について
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
【0309】(実施例4)高純度テレフタル酸とエチレ
ングリコールから常法に従って製造したオリゴマーに対
し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lの
エチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対
してアルミニウム原子として0.015mol%とIr
ganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカ
ルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成
分に対してIrganox 1425として0.02m
ol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で1
0分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで
昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa
(0.1Torr)としてさらに275℃、13.3P
aで重縮合反応を行った。なお、Irganox 14
25(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)は化学
式41の化合物である。
ングリコールから常法に従って製造したオリゴマーに対
し、重縮合触媒として塩化アルミニウムの13g/lの
エチレングリコール溶液をポリエステル中の酸成分に対
してアルミニウム原子として0.015mol%とIr
ganox 1425(チバ・スペシャルティーケミカ
ルズ社製)の10g/lエチレングリコール溶液を酸成
分に対してIrganox 1425として0.02m
ol%を加えて、窒素雰囲気下、常圧にて245℃で1
0分間撹拌した。次いで50分間を要して275℃まで
昇温しつつ反応系の圧力を徐々に下げて13.3Pa
(0.1Torr)としてさらに275℃、13.3P
aで重縮合反応を行った。なお、Irganox 14
25(チバ・スペシャルティーケミカルズ社製)は化学
式41の化合物である。
【0310】上記の重縮合にて得られたIVが0.65
dl/gのポリエチレンテレフタレートを常法に従って
チップ化した。
dl/gのポリエチレンテレフタレートを常法に従って
チップ化した。
【0311】上記のポリエステルレジンチップの熱安定
性パラメータ(TS)は0.17、耐加水分解性パラメ
ータ(HS)は0.05、熱酸化パラメータ(TOS)
は0.01未満であった。
性パラメータ(TS)は0.17、耐加水分解性パラメ
ータ(HS)は0.05、熱酸化パラメータ(TOS)
は0.01未満であった。
【0312】また前記と同一条件で重縮合時間を短くし
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が1.4のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.4pp
m、環状三量体含有量は0.31質量%であった。
て溶融重縮合して得られた極限粘度が0.52dl/g
のレジンチップを160℃でレジンチップ表面を結晶化
させた後、静置固相重合塔で窒素気流下、約160〜1
70℃で乾燥後208℃で固相重合し、IVが0.75
dl/g、カラ−b値が1.4のPETを得た。また、
DEG含有量は2.0モル%、AA含有量は3.4pp
m、環状三量体含有量は0.31質量%であった。
【0313】このPET(A)を用いて上記の(8)記
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ172℃および2.8%であった。
載の方法により成形した成形板のTc1およびヘイズ
は、それぞれ172℃および2.8%であった。
【0314】このPET(A)チップに、ポリプロピレ
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
ン(日本ポリケム社製「FD30」)を予め混練したP
ETマスタ−バッチを、ポリプロピレン含有量が50p
pmになるように混合し、溶融押出機によりチップ化
し、PET(B)を得た。
【0315】次いで、このPET(B)から上記の
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、138℃であった。
(8)記載の方法により成形板を得た。成形板のTc1
は、138℃であった。
【0316】PET(A)およびPET(B)について
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
析出粒子数を上記の(11)記載の方法により測定した
が、いずれも少なかった。
【0317】(比較例1)触媒として、三酸化アンチモ
ンを、添加量がPET中の酸成分に対してアンチモン原
子として0.05mol%となるように使用し、ポリエ
チレンを配合しない以外は実施例1と同様の操作を行っ
て、IVが0.75dl/g、カラ−b値が1.0、D
EG含有量は2.5モル%、AA含有量は3.2pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%の固相重合PE
Tを得た。
ンを、添加量がPET中の酸成分に対してアンチモン原
子として0.05mol%となるように使用し、ポリエ
チレンを配合しない以外は実施例1と同様の操作を行っ
て、IVが0.75dl/g、カラ−b値が1.0、D
EG含有量は2.5モル%、AA含有量は3.2pp
m、環状三量体含有量は0.32質量%の固相重合PE
Tを得た。
【0318】このPETについて析出粒子数を上記の
(11)記載の方法により測定したが、非常に多かっ
た。
(11)記載の方法により測定したが、非常に多かっ
た。
【0319】次いで、上記の(8)および(9)記載の
方法により、段付成形板と延伸中空成形体を得た。
方法により、段付成形板と延伸中空成形体を得た。
【0320】得られた成形板のTc1およびヘイズは、
それぞれ133℃および22.6%であった。
それぞれ133℃および22.6%であった。
【0321】また上記の(9)記載の方法により得られ
た延伸中空成形体のヘイズは8.9%と透明性は悪かっ
た。結果を表5に示す。
た延伸中空成形体のヘイズは8.9%と透明性は悪かっ
た。結果を表5に示す。
【0322】
【表5】
【0323】なお、今回開示された実施の形態および実
施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れることが意図される。
施例はすべての点で例示であって制限的なものではない
と考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明
ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の
範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含ま
れることが意図される。
【0324】
【発明の効果】アンチモン化合物またはゲルマニウム化
合物を触媒主成分として含まず、アルミニウムを主たる
金属成分とし、触媒活性に優れ、かつ触媒の失活もしく
は除去をすることなしに、溶融成形時の熱劣化が効果的
に抑制されて熱安定性に優れ、異物発生が少なく透明性
にも優れ、さらには色調も優れたポリエステルを得るこ
とができた。
合物を触媒主成分として含まず、アルミニウムを主たる
金属成分とし、触媒活性に優れ、かつ触媒の失活もしく
は除去をすることなしに、溶融成形時の熱劣化が効果的
に抑制されて熱安定性に優れ、異物発生が少なく透明性
にも優れ、さらには色調も優れたポリエステルを得るこ
とができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B65D 1/09 B65D 1/00 A (72)発明者 形舞 祥一 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3E033 BA17 CA03 CA06 CA07 CA16 FA03 4F071 AA46 AA89 AF11 AF30 AF34 AF45 AH04 AH05 BC01 BC04 4J002 AE033 CF061 CF062 DJ036 EV236 FD203 FD206 GG01 GG02 4J029 AA03 AB01 AB07 AD01 AD10 AE01 AE03 BA03 CB06A JA011 JA061 JA091 JA121 JA261 JB131 JB151 JB171 JB181 JB191 JC121 JC131 JC281 JC341 JC451 JC461 JC471 JC551 JC561 JC571 JC591 JC601 JC621 JC751 JF021 JF031 JF041 JF121 JF131 JF151 JF161 JF181 JF221 JF541 JF561 JF571
Claims (17)
- 【請求項1】 繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステルであって、 アルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なく
ともいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有す
る触媒によって合成されるとともに、 前記ポリエステルから得られた成形体の、示差走査型熱
量計による昇温時結晶化温度が、150℃未満であるこ
とを特徴とするポリエステル。 - 【請求項2】 繰返し単位としてエチレンテレフタレー
トを含有するポリエステルであって、 アルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なく
ともいずれか一方と、リン化合物と、を含有する触媒に
よって合成されるとともに、 前記ポリエステルから得られた成形体の、示差走査型熱
量計による昇温時結晶化温度が、150℃未満であるこ
とを特徴とするポリエステル。 - 【請求項3】 前記触媒としてさらにリン化合物を用い
ることを特徴とする請求項1記載のポリエステル。 - 【請求項4】 前記リン化合物が、ホスホン酸系化合
物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化
合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合
物、もしくは、ホスフィン系化合物のうち少なくともい
ずれか一つを含むことを特徴とする請求項2または3記
載のポリエステル。 - 【請求項5】 前記リン化合物が、下記一般式(1)〜
(3)で表される化合物のうち少なくともいすれか一つ
を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載
のポリエステル。 【化1】 【化2】 【化3】 (式(1)〜(3)中、R1、R4、R5、R6はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれ
ぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基
またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素
基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構造や芳香環構造
を含んでいてもよい。) - 【請求項6】 前記リン化合物が、リンの酸もしくは金
属塩化合物のうち少なくともいずれか一方を含むことを
特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のポリエステ
ル。 - 【請求項7】 前記リン化合物が、下記化学式(4)の
部分を含むことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに
記載のポリエステル。 【化4】 - 【請求項8】 前記ポリエステルの極限粘度が0.55
〜1.50デシリットル/グラムであることを特徴とす
る請求項1〜7のいずれかに記載のポリエステル。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のポリエ
ステル1〜50重量部と、 示差走査型熱量計により測定した成形体の昇温時結晶化
温度が165〜180℃であるとともに、繰返し単位と
してエチレンテレフタレートを含有するポリエステル1
00重量部と、 の混合物を成形してなることを特徴とする中空成形体。 - 【請求項10】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルが、 アルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なく
ともいずれか一方と、フェノール系化合物と、を含有す
る触媒によって合成されたことを特徴とする請求項9記
載の中空成形体。 - 【請求項11】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルが、 アルミニウムもしくはアルミニウム化合物のうち少なく
ともいずれか一方と、リン化合物と、を含有する触媒に
よって合成されたことを特徴とする請求項9記載の中空
成形体。 - 【請求項12】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるフェノール系化合物が、さ
らにリン化合物を含有することを特徴とする請求項10
記載の中空成形体。 - 【請求項13】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、ホスホン酸
系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイ
ド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系
化合物、もしくは、ホスフィン系化合物のうち少なくと
もいずれか一つを含むことを特徴とする請求項11また
は12記載の中空成形体。 - 【請求項14】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記一般式
(1)〜(3)で表される化合物のうち少なくともいず
れか一つを含むことを特徴とする請求項11〜13のい
ずれかに記載の中空成形体。 【化5】 【化6】 【化7】 (式(1)〜(3)中、R1、R4、R5、R6はそれぞれ
独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基また
はハロゲン基またはアルコキシル基またはアミノ基を含
む炭素数1〜50の炭化水素基を表す。R2、R3はそれ
ぞれ独立に水素、炭素数1〜50の炭化水素基、水酸基
またはアルコキシル基を含む炭素数1〜50の炭化水素
基を表す。ただし、炭化水素基は脂環構造や芳香環構造
を含んでいてもよい。) - 【請求項15】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、リンの酸も
しくは金属塩化合物のうち少なくともいずれか一方を含
むことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載
の中空成形体。 - 【請求項16】 示差走査型熱量計により測定した成形
体の昇温時結晶化温度が165〜180℃であるととも
に、繰返し単位としてエチレンテレフタレートを含有す
るポリエステルに含有されるリン化合物が、下記化学式
(4)の部分を含むことを特徴とする請求項11〜13
のいずれかに記載の中空成形体。 【化8】 - 【請求項17】 請求項1〜8のいずれかに記載のポリ
エステルを成形してなることを特徴とするシート状物
質。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001049263A JP2002249572A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | ポリエステル、中空成形体、およびシート状物質 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001049263A JP2002249572A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | ポリエステル、中空成形体、およびシート状物質 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002249572A true JP2002249572A (ja) | 2002-09-06 |
Family
ID=18910391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001049263A Withdrawn JP2002249572A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | ポリエステル、中空成形体、およびシート状物質 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002249572A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004174933A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Toyobo Co Ltd | 導電性ポリエステルシートおよびそれからなる電子部品用包装容器 |
JP2004197088A (ja) * | 2002-12-06 | 2004-07-15 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル、それからなるポリエステル成形物およびそれらの製造方法 |
US7153811B2 (en) | 2002-11-26 | 2006-12-26 | Teck Cominco Metals Ltd | Multi-component catalyst system for the polycondensation manufacture of polyesters |
JP2021020693A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム |
JP2021020692A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム |
-
2001
- 2001-02-23 JP JP2001049263A patent/JP2002249572A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7153811B2 (en) | 2002-11-26 | 2006-12-26 | Teck Cominco Metals Ltd | Multi-component catalyst system for the polycondensation manufacture of polyesters |
JP2004174933A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Toyobo Co Ltd | 導電性ポリエステルシートおよびそれからなる電子部品用包装容器 |
JP4670217B2 (ja) * | 2002-11-27 | 2011-04-13 | 東洋紡績株式会社 | 導電性ポリエステルシートおよびそれからなる電子部品用包装容器 |
JP2004197088A (ja) * | 2002-12-06 | 2004-07-15 | Toyobo Co Ltd | ポリエステル、それからなるポリエステル成形物およびそれらの製造方法 |
JP2021020693A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム |
JP2021020692A (ja) * | 2019-07-26 | 2021-02-18 | 大日本印刷株式会社 | ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム |
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