JP2002249118A - 樹脂板に対する熱転写加工装置 - Google Patents

樹脂板に対する熱転写加工装置

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JP2002249118A
JP2002249118A JP2001044530A JP2001044530A JP2002249118A JP 2002249118 A JP2002249118 A JP 2002249118A JP 2001044530 A JP2001044530 A JP 2001044530A JP 2001044530 A JP2001044530 A JP 2001044530A JP 2002249118 A JP2002249118 A JP 2002249118A
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Isao Matsumoto
功 松元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂板に好ましくない変形を生じることな
く、短いサイクルタイムでその表面に熱転写を行うこと
を可能とする熱転写加工装置を提供する。 【解決手段】 樹脂板1に転写シート13を押し付けて
加熱するためのプレス部材26として、冷却兼用プレス
板30と、その表面にクッション材31を介して取り付
けられた通電加熱金属箔ヒータ32を備えた多層熱プレ
スヒータを用い、加圧力をあまり大きくすることなく、
転写シート13を樹脂板表面に均一に押し付け可能と
し、且つ加圧状態で金属箔ヒータに通電して加熱を行
い、次いで通電を止めて冷却兼用プレス板で冷却するこ
とで、同じプレス位置で加熱、冷却を敏速に行って良好
な熱転写を行うことを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂板の表面に対
する熱転写加工装置に関し、特に、ホログラム等の薄膜
材料を熱転写するのに好適な熱転写加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂板にホログラムを熱転写する
ことが行われており、その手段としては平プレス装置を
用いるのが一般的である。この平プレス装置は、加熱プ
レス板を備えた加熱プレス部と、冷却プレス板を備えた
冷却プレス部を有しており、加熱プレス部において、ホ
ログラムを担持した転写シートを樹脂板に重ねた状態で
加熱プレス板で加圧、加熱し、次いで、その樹脂板とそ
の表面に重ねた鏡面板とを冷却プレス部に移動させ、冷
却プレス部で冷却プレス板で加圧、冷却し、その後、冷
却プレス部から取り出し、転写シートと樹脂板とを分離
するるという操作を行っていた。また、転写装置とし
て、線圧加工を施すロールプレス装置も知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
平プレス装置を用いた熱転写装置では、安定的な熱転写
ができず、樹脂板によっては良好な熱転写ができないと
いう問題があった。すなわち、樹脂板表面は平坦に見え
ても、実際には大きいうねりのような凹凸(例えば、山
と山の間隔が1〜数cm、高さが20μm程度)があ
り、このため樹脂板及び転写シートを加熱プレス板で加
圧し、加熱して熱転写する際、うねり状の凹凸の頂上部
分と谷底部分とで加圧力が大きく異なり、均一な熱転写
ができないことがあった。この問題は、ホログラムの転
写に限らず、他の材料の転写の場合にも生じるが、ホロ
グラムのような薄膜材料の転写の際に顕著に生じ、特に
ホログラムは高品質の転写が要求されることから、重大
な問題となっていた。
【0004】この問題を解決し、安定的な熱転写を行う
には、加圧力を大きくするとか、加熱温度を高くすると
か、加圧時間を長くする等によって、大きいうねり状の
凹凸の頂上部分を押しつぶし、谷底部分にも必要な加圧
力が加わるようにすることが考えられる。しかしなが
ら、このようにすると、樹脂板全体が横に広がるとか、
厚みが薄くなるといった好ましくない変形を生じてしま
い、解決策とはならない。
【0005】更に、従来の平プレス装置では、加熱プレ
ス部で加圧、加熱された樹脂板及びその上の転写シート
を、加熱プレス部から冷却プレス部に移動させなければ
ならず、そのためのハンドリング装置を必要とし、しか
も、移動の際には樹脂板表面が加熱により柔軟な状態と
なっていて転写シートに強くは接合していないため、動
中に樹脂板と転写シートがずれるなどして品質不良を生
じる恐れもあった。これを避けるには、加熱プレス板で
樹脂板と転写シートを加熱プレスした後、そのプレス状
態を保った状態で加熱プレス板を冷却し、冷却プレスす
る構成とすればよいが、この構成とすると熱容量の大き
いプレス板の加熱及び冷却に時間がかかり、加工のサイ
クルタイムが長くなりすぎて、実用的ではない。また、
冷却プレスする代わりに、加熱プレス後の樹脂板と転写
シートを適当な時間、適当な搬送路を走行させて自然冷
却を行うことも考えられるが、この方法では冷却が不安
定となり、冷却不足を生じ、樹脂板と転写シートの剥離
の安定性が悪くなるという問題を生じる。
【0006】一方、ロールプレス装置は、線圧で加圧す
るものであるので、樹脂板に対する加圧、加熱時間を長
くとることができず、そのため、樹脂板にホログラムを
熱転写するような、高品質の転写が要求される場合には
使用できない。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、樹脂板に好ましくない変形を生じることなく、ホ
ログラム等を容易に且つ高品質化で熱転写することがで
き、しかも同じプレス位置で加熱、冷却を行いながら短
いサイクルタイムで熱転写加工を行うことを可能とす
る、樹脂板に対する熱転写加工装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂板に転写
シートを押し当てて加圧、加熱するためプレス部材とし
て、剛性を備えた冷却兼用プレス板と、該冷却兼用プレ
ス板の表面にクッション材を介して取り付けられた通電
加熱金属箔ヒータとを備えた多層熱プレスヒータを用い
るという構成としたものである。このように、クッショ
ン材を備えた多層熱プレスヒータで転写シートを樹脂板
に押し付ける構成としたことで、金属箔ヒータが樹脂板
表面のうねり状の凹凸に追従して変形でき、このため、
加圧力をあまり大きくしなくても転写シートを樹脂板表
面に均一に押し付けることができ、容易に且つ均一に熱
転写を行うことができる。また、加圧状態で、金属箔ヒ
ータに通電して発熱させて熱転写を行い、次いで通電を
停止することで、冷却兼用プレス板が直ちに金属箔ヒー
タ、転写シート及び樹脂板表面から熱を奪って冷却し、
樹脂板表面を冷却、固化させることができ、同じプレス
位置で加熱、冷却を行いながら短いサイクルタイムで転
写加工を行うことができ、作業性良く高品質の熱転写を
行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂板に対する熱転写加
工装置は、樹脂板とそれに重ねられた転写シートを加
圧、加熱して熱転写する二つのプレス部材を有するプレ
ス部を備え、その二つのプレス部材のうち、転写シート
側のプレス部材を、剛性を備えた冷却兼用プレス板と、
該冷却兼用プレス板の表面にクッション材を介して取り
付けられた通電加熱金属箔ヒータとを備えた多層熱プレ
スヒータで構成したことを特徴とするものである。この
構成により、転写シートを樹脂板に対して多層熱プレス
ヒータで押し付け、加圧した状態で金属箔ヒータに通電
することで均一な加圧力を加えて加熱でき、次いで金属
箔ヒータの通電を停止することで冷却でき、作業性良く
高品質の熱転写を行うことができる。この熱転写加工装
置によって転写する材料としては、ホログラム等の薄膜
材料が好ましいが、これに限らず、熱転写可能なもので
あれば任意である。
【0010】上記の熱転写加工装置において、二つのプ
レス部材を、樹脂板及びその上に重ねた転写シートを水
平状態で加圧するように上下に配置し、更に、下側のプ
レス部材上を走行するように、樹脂板を乗せて搬送する
平坦なシート状の搬送ベルトを設けることが好ましい。
この構成とすると、単に搬送ベルト上に樹脂板を乗せる
のみで、その樹脂板をプレス部の下側のプレス部材の上
に送り込むことができ、樹脂板のプレス部に対する供給
動作が容易となり、且つ容易に自動化することができ
る。
【0011】更に、上記の熱転写加工装置において、熱
転写シートとそれに向かい合うプレス部材との間に、樹
脂板表面の大きいうねり状の凹凸に追従して変形可能な
保護シート材を設けることが好ましい。この構成とする
と、プレス部材による加圧の際、プレス部材の金属箔ヒ
ータは転写シートに対して保護シート材を介して押し付
けられることとなり、金属箔ヒータが転写シートによっ
て汚されるということがない。なお、ここで使用する保
護シート材としては、金属板、ポリイミドやPETなど
の耐熱樹脂シートなどを挙げることができる。また、保
護シート材として、転写シート側の面を鏡面とした鏡面
板を用いることも可能であり、鏡面板を用いることで、
熱転写と同時に樹脂板表面を鏡面化(つや出し)を行う
ことができる。
【0012】上記した保護シート材の形態は、単に枚葉
のシート材でもよいし、ロール形態に巻いた長いウェブ
状のものでもよいが、エンドレス状の形態としたものを
用いることが、長期間に渡って繰り返し使用できるので
好ましい。
【0013】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。図
1は本発明の実施例に係る熱転写加工装置を示す概略斜
視図、図2はその熱転写加工装置におけるプレス部を拡
大して示す概略断面図である。図1、図2において、1
は加工対象である樹脂板、2は多数の樹脂板1を収納
し、1枚ずつ供給する樹脂板供給部、3は樹脂板供給部
2から供給された樹脂板1を熱転写加工位置を通って搬
送する搬送ベルト、5は熱転写加工位置に配置され、熱
転写を行うためのプレス部である。搬送ベルト3は、そ
の上に供給される樹脂板1を熱転写加工位置に次々と送
り込むことができるよう、間欠的に駆動される構成とな
っている。搬送ベルト3は後述するように、下流のプレ
ス部において樹脂板1と共に加圧されるものであるの
で、加圧時に樹脂板1に傷を付けないように、平坦なシ
ート状のものが用いられ、その材質としては例えば、金
属板、樹脂シート材等が用いられる。
【0014】プレス部5を設けている熱転写加工位置に
は、図3、図4に示すように、搬送ベルト3上の両側に
位置するように、一対の幅方向位置決めガイド8、9が
配置され、また、搬送ベルト3の走行方向に直交する方
向には、流れ方向位置決めガイド10が設けられてい
る。一方の幅方向位置決めガイド9は、図3(a)、
(b)に示す位置から図3(c)に示す位置に退避可能
な構成となっている。かくして、図3(a)に示すよう
に、一対の幅方向位置決めガイド8、9を位置決めを行
うための位置とした状態で、搬送ベルト3によって樹脂
板1を搬送し、幅方向位置決めガイド8、9によって幅
方向の位置を規制し、図3(b)に示すように、流れ方
向位置決めガイド10に突き当てて停止させることによ
り、樹脂板1を所定位置に位置決めして停止させること
ができる。搬送ベルト3は、樹脂板1が流れ方向位置決
めガイド10に突き当たって停止した後、適当な時間経
過後に停止するように、停止タイミングを定めている。
なお、樹脂板1が流れ方向位置決めガイド10で停止さ
れた後も搬送ベルト3が停止するまでの間、搬送ベルト
3は走行を続けるが、樹脂板1は搬送ベルト3に対して
滑るので何ら支障はない。このように、流れ方向位置決
めガイド10によって樹脂板1の流れ方向の位置決めを
行う構成としたことにより、搬送ベルト3の停止位置を
正確に制御する必要がなく、繰り返し安定的に樹脂板の
停止精度が確保できる。樹脂板1を所定位置に位置決め
した後は、その状態で後述するようにプレス加工による
熱転写を行い、加工後、図3(c)に示すように、幅方
向位置決めガイド9を退避させ、樹脂板1を矢印B方向
に(後述する転写シート13によって)排出することが
できる。
【0015】図1、図2において、13はホログラム等
の転写すべき転写材料13aを担持した転写シート、1
4は転写シート13のロールを保持し、そのロールから
転写シート13を繰り出す巻出し機構、15は転写後の
転写シート13を巻き取る巻取り機構である。転写シー
ト13は、熱転写加工位置で搬送ベルト3の上に重なる
ように配置されている。17、18は、熱転写加工位置
の下流において転写シート13を上方に屈曲させるよう
に配置された小径のガイドロールであり、この位置で転
写シート13を急激に上方に屈曲させることで、転写シ
ート13の下面に接着して送られてきた樹脂板1を剥離
させることができる。なお、図示は省略しているが、ガ
イドロール17、18間に延びている転写シート13の
下方には、転写シート13から剥がれなかった樹脂板を
剥離させるための剥離爪が設けられている。19は転写
シート13を案内するガイドロール、20はガイドロー
ル19に連結されたエンコーダであり、転写シート13
の送り量を検出するためのセンサとして使用される。巻
取り機構15は、エンコーダ20の信号に基づき、転写
シート13の転写材料13aが熱転写加工位置に正確に
位置決めされ且つその位置に停止させられるよう転写シ
ート13の送りを制御しうる構成となっている。22
は、ガイドロール17を通過した転写シート13から剥
がされた樹脂板を排出させるガイド、23はガイド22
を経て送り出された樹脂板1を集積するストック部であ
る。
【0016】次に、熱転写加工位置に設置しているプレ
ス部5を説明する。図2において、プレス部5は、樹脂
板1を支持して搬送する搬送ベルト3の下に位置するよ
うに配置された第一のプレス部材25と、転写シート1
3の上に位置するように配置された第二のプレス部材2
6を備えている。下側に配置されたプレス部材25は固
定ベース27に保持され、常に一定位置にある。一方、
上側に配置されたプレス部材26は可動ベース28に保
持されており、その可動ベース28は加圧機構(図示せ
ず)に連結されている。かくして、可動ベース28を下
方に押し下げることで、上下のプレス部材25、26の
間に、搬送ベルト3、樹脂板1、転写シート13を挟み
込み、加圧することができる。
【0017】下側に配置されたプレス部材25は、単に
樹脂板1を搬送ベルト3を介して支持しうるものであれ
ばよく、加圧力を受けるに必要な剛性を備えたプレス板
29で構成されている。一方、上側に配置されたプレス
部材26は、加圧に必要な剛性を備えた冷却兼用プレス
板30と、該プレス板30の平坦な表面にクッション材
31を介して取り付けられた通電加熱金属箔ヒータ32
とを備えた多層熱プレスヒータで構成されている。ここ
で冷却兼用プレス板30は、金属箔ヒータ32及びそれ
に接触した転写シート13及び樹脂板1表面から敏速に
熱を奪うことができるよう、熱伝導性の良い材料で作ら
れ且つ大きい熱容量を持つようにサイズが定められてい
る。通常、冷却兼用プレス板30は放熱によって自身の
冷却を行う構成であるが、必要に応じ、水冷、空冷等の
冷却手段を設けても良い。クッション材31は、プレス
部材26の表面の金属箔ヒータ32で転写シート13及
びその下の樹脂板1をプレスした時に、金属箔ヒータ3
2を樹脂板1の表面の大きいうねり状の凹凸に追従して
変形させることができるように設けたものであり、耐熱
性の弾性材料、例えば、フッ素ゴム等で構成される。こ
のクッション材31の硬さとしては、ゴム硬度50〜8
0程度が好ましい。クッション材31の厚さは、あまり
薄くするとクッション性がなくなり、所望の効果が得ら
れず、また、逆にあまり厚くすると金属箔ヒータ32か
らプレス板30への熱伝導が悪くなって冷却効率が落ち
る。クッション材31の厚さは、これらを考慮して定め
ればよく、通常、0.3mm〜1.0mm程度に選定さ
れ、好ましくは、0.4〜0.6mm程度に選定され
る。
【0018】金属箔ヒータ32は通電することで発熱
し、転写シート13及び樹脂板1表面を熱転写に必要な
温度に昇温させることができるものである。この金属箔
ヒータ32は、樹脂板1の表面の大きいうねり状の凹凸
に追従して容易に変形することができる必要があり、ま
た、通電を停止した時に敏速に冷却されるよう熱容量の
小さいことが望ましく、これらの点から、厚さ30〜1
00μm程度の薄い金属箔で作られている。なお、金属
箔ヒータ32は絶縁ブロック35を介して可動ベース2
8に取り付けられており、その絶縁ブロック35によっ
て絶縁を図っている。
【0019】次に、上記構成の装置による熱転写加工動
作を説明する。図1において、樹脂板供給部2が樹脂板
1を1枚ずつ適当なタイミングで搬送ベルト3上に供給
する。搬送ベルト3は間欠的に走行して樹脂板1を搬送
し、プレス部5に送り込む。この位置で、図3、4に示
すように、幅方向位置決めガイド8、9が樹脂板1の幅
方向の位置を規制し、流れ方向位置決めガイド10が流
れ方向の位置を規制する。樹脂板1が所定位置に位置決
めされて停止した後、搬送ベルト3も停止する。この動
作と並行して、図1において転写シート13が間欠搬送
され、転写材料13aが樹脂板1の上方の所定位置に位
置決めされる。次いで、プレス部5による熱転写加工が
次のように行われる。
【0020】すなわち、図2において、可動ベース28
が下降して、上下のプレス部材25、26の間に、搬送
ベルト3、樹脂板1及び転写シート13を挟み込み、加
圧する。この状態で、金属箔ヒータ32への通電が開始
し、金属箔ヒータ32が発熱し、それに接触している転
写シート13及び樹脂板1表面を加熱し、熱転写が行わ
れる。この際、金属箔ヒータ32の背後にクッション材
31を設けているので、金属箔ヒータ32及びそれに接
触している転写シート13は樹脂板1の表面にある大き
いうねり状の凹凸に追従して変形し、これによって樹脂
板1表面には転写シート13が均等な圧力で押し付けら
れ、均一な熱転写が行われる。転写シート13及び樹脂
板1表面が熱転写に必要な温度に昇温した後は、加圧を
保持した状態で金属箔ヒータ32への通電が停止する。
これにより、金属箔ヒータ32、転写シート13、樹脂
板1表面の熱が冷却兼用プレス板30に奪われることと
なり、樹脂板1が冷却され、樹脂板1の表面に転写した
材料13aが樹脂板表面に固定される。その後、可動ベ
ース28が上昇する。以上によって、1回の熱転写サイ
クルが終了する。
【0021】図5は上記した熱転写加工時における金属
箔ヒータ32への通電状態、樹脂板表面の温度変化、加
圧状態を示すグラフである。この図からも明らかなよう
に、加圧状態を保持した状態で金属箔ヒータ32への通
電による加熱と、通電停止による冷却が行われる。ここ
で、上記したように、金属箔ヒータ32及びそれに接触
している転写シート13は樹脂板1の表面にある大きい
うねり状の凹凸に追従して変形し、その状態で転写シー
ト13及び樹脂板1の表面を加熱して熱転写を行うもの
であるので、従来のように樹脂板表面のうねり状の凹凸
の頂上部分を押しつぶすという必要がなく、このため、
金属箔ヒータ18に通電する加熱時間は、極めて短くて
よく、例えば、5秒程度で所望の加熱が可能である。ま
た、加圧力もあまり大きくする必要がない。このため、
樹脂板1が押しつぶされて外側に広がるといった好まし
くない変形を生じることなく、熱転写を行うことができ
る。また、加熱によって昇温した部分は、薄い金属箔ヒ
ータ32、転写シート13及び樹脂板1の表層部のみと
少なく、従って熱量が少ないので、冷却兼用プレス板3
0によって、きわめて短時間で、例えば10秒程度で冷
却できる。このため、鏡面加工のサイクルタイムをきわ
めて短くすることができる。更に、同じ熱転写加工位置
で加熱、冷却を行っているので、従来のように加熱プレ
ス後、冷却プレス位置に移動させる必要がなく、余計な
搬送作業が不要となるばかりでなく、移動に伴う品質不
良を生じることがない。また、十分冷却されるので、転
写シート13の樹脂板1に対する剥離性も安定する。か
くして、プレス部5で短時間で高品質の熱転写を行うこ
とができる。
【0022】図1において、プレス部5における熱転写
加工が終了すると、転写シート13が巻取り機構15に
よって転写材料13aの1ピッチ分だけ送られ、次の転
写材料13aを熱転写加工位置に位置決めして停止させ
る。この時、熱転写済の樹脂板1は転写シート13に接
着した状態になっているので、転写シート13によって
搬送ベルト3上から横方向に送り出され、ガイドローラ
17を通過する際に転写シート13から剥離され、ガイ
ド22を通って排出され、ストック部23に集積され
る。一方、搬送ベルト3は再び走行して次の樹脂板1を
熱転写加工位置に供給する。以上の動作を繰り返すこと
で、樹脂板1に対する鏡面加工が連続的に行われる。こ
こで、樹脂板供給部2から搬送ベルト3への樹脂板1の
供給動作、プレス部5における樹脂板の位置決め動作、
転写シート13の転写材料13aのプレス部5における
位置決め動作、プレス部5における熱転写動作、加工済
の樹脂板1のストック部23への排出動作の自動化はい
ずれも簡単な装置によって実施可能であるので、これら
を自動化することで樹脂板1への熱転写加工ラインを自
動化することができる。
【0023】上記実施例は、プレス部材26の金属箔ヒ
ータ32を直接、転写シート13に接触させてプレスす
る構成としているが、この代わりに、転写シート13と
プレス部材26の間に適当な保護シート材を介在させて
プレスする構成としてもよい。図6はその場合の一実施
例を示す概略側面図である。この実施例では、搬送ベル
ト3の上方にエンドレス状の保護シート材37を配置し
ており、プレス部材26がこの保護シート材37を介し
て転写シート13をプレスすることで、プレス部材26
の金属箔ヒータ32(図2参照)が転写シート13に接
触して汚れるのを防ぐことができる。また、保護シート
材37の熱転写加工位置にある部分が汚れた時には保護
シート材37を移動させて、新しい部分を熱転写加工位
置に位置させることにより、保護シート材37を長期間
に渡って使用できる。ここで使用する保護シート材37
には、プレス部材26を保護することができると共に金
属箔ヒータ32の熱を良好に転写シート13に伝達でき
る特性を備え、しかも、樹脂板表面の大きいうねり状の
凹凸に追従して変形可能な特性を備えたものが使用さ
れ、具体的には耐熱性を持った樹脂シート材、或いは薄
い金属板が使用される。
【0024】更に、保護シート材37として、転写シー
ト13に面する側を鏡面とした鏡面板を使用することも
可能である。この鏡面板を使用すると、熱転写加工の際
にその鏡面で樹脂板1の表面を加圧して加熱することと
なり、樹脂板表面の小さい凹凸を平坦に変形させること
ができ、樹脂板表面の鏡面化(つや出し)を同時に行う
ことができるという利点が得られる。
【0025】更に、図1〜図6に示す実施例では、樹脂
板1の下面に対する加工を行っていないが、樹脂板の上
面に熱転写を行うと同時に下面の鏡面化を行うように変
更することも可能である。図7はその場合の実施例に使
用するプレス部5Aを示す概略断面図である。この実施
例では、搬送ベルト3Aとして、樹脂板1を支持する面
を鏡面とし且つ樹脂板1の表面に押し付けられた際、そ
の表面にあるうねり状の大きい凹凸に追従して弾性変形
しうる程度の弾性を備えたものを用いている。そして、
プレス部5Aの下側のプレス部材25Aを、上側のプレ
ス部材26と同様に、加圧に必要な剛性を備えた冷却兼
用プレス板30と、該プレス板30の平坦な表面にクッ
ション材31を介して取り付けられた通電加熱金属箔ヒ
ータ32とを備えた多層熱プレスヒータで構成してい
る。その他の構成は、他の実施例と同様である。図7に
示す実施例では、上下のプレス部材25A及び26で、
搬送ベルト3A、樹脂板1、転写シート13、保護シー
ト材37をプレスした状態で、上下のプレス部材25A
及び26の金属箔ヒータ32に通電して加熱を行うこと
で、樹脂板1の上面では熱転写を、下面では鏡面化を行
い、その後、通電を停止して冷却を行うことで、熱転写
及び鏡面化された表面を冷却、固定することができる。
この際、樹脂板1の下面の鏡面加工においても、鏡面板
3A(搬送ベルト)が樹脂板1の表面のうねり状の大き
い凹凸に追従して弾性変形しており、このため、樹脂板
表面に均一に押し付けられ、その状態で加熱、冷却を行
うこととなり、高品質の鏡面化を行うことができる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱転写加工装置
は、加工対象である樹脂板の表面に大きいうねり状の凹
凸があっても、転写シートを樹脂板表面に均一な面圧で
押し付け、その状態で加熱し、次いで冷却することがで
き、このため、加圧力を低圧化し、且つ短時間での安定
的な加熱、冷却が可能となり、これによって、樹脂板に
好ましくない変形を生じることなく、良好に且つ生産性
よく熱転写加工することができる。また、従来のよう
に、加熱プレス位置で熱転写を行い、次いで樹脂板及び
転写シートを冷却プレス位置に送って冷却するという操
作が不要であるので、樹脂板及び転写シートのハンドリ
ングが簡単となり、容易に自動化を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る熱転写加工装置を示す概
略斜視図
【図2】図1に示す熱転写加工装置のプレス部を拡大し
て示す概略断面図
【図3】(a)、(b)、(c)は搬送ベルト3上の樹
脂板1の位置決めを行う状態を示す概略平面図
【図4】図3(b)のA−A矢視概略断面図
【図5】熱転写時における金属箔ヒータへの通電状態、
樹脂板表面の温度変化、加圧状態を示すグラフ
【図6】本発明の他の実施例に係る熱転写加工装置を示
す概略側面図
【図7】本発明の更に他の実施例に用いるプレス部を拡
大して示す概略断面図
【符号の説明】
1 樹脂板 2 樹脂板供給部 3、3A 搬送ベルト 5、5A プレス部 8、9 幅方向位置決めガイド 10 流れ方向位置決めガイド 13 転写シート 13a 転写材料 14 巻出し機構 15 巻取り機構 17、18、19、ガイドロール 20 エンコーダ 22 ガイド 23 ストック部 25 プレス部材 25A プレス部材(多層熱プレスヒータ) 26 プレス部材(多層熱プレスヒータ) 27 固定ベース 28 可動ベース 30 冷却兼用プレス板 31 クッション材 32 金属箔ヒータ 37 保護シート材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂板とそれに重ねられた転写シートを
    加圧、加熱して熱転写する二つのプレス部材を有するプ
    レス部を備えており、前記二つのプレス部材のうち、転
    写シート側のプレス部材を、剛性を備えた冷却兼用プレ
    ス板と、該冷却兼用プレス板の表面にクッション材を介
    して取り付けられた通電加熱金属箔ヒータとを備えた多
    層熱プレスヒータで構成したことを特徴とする、樹脂板
    に対する熱転写加工装置。
  2. 【請求項2】 前記二つのプレス部材を、樹脂板及びそ
    の上に重ねた転写シートを水平状態で加圧するように上
    下に配置し、更に、下側のプレス部材上を走行するよう
    に、樹脂板を乗せて搬送する平坦なシート状の搬送ベル
    トを配置したことを特徴とする請求項1記載の、樹脂板
    に対する熱転写加工装置。
  3. 【請求項3】 更に、熱転写シートとそれに向かい合う
    プレス部材との間に、前記樹脂板表面の大きいうねり状
    の凹凸に追従して変形可能な保護シート材を配置したこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の、樹脂板に対する
    熱転写加工装置。
  4. 【請求項4】 前記保護シート材をエンドレス状の形態
    としていることを特徴とする請求項3記載の、樹脂板に
    対する熱転写加工装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101574217B1 (ko) * 2014-09-15 2015-12-14 (주) 태양기전 열전사를 통한 인쇄층 형성 방법
CN105313443A (zh) * 2014-07-14 2016-02-10 太阳机电有限公司 用于移动设备和平板个人计算机的窗热转移装置和方法

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