JP2002248611A - 耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品とその製造方法 - Google Patents

耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品とその製造方法

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JP2002248611A
JP2002248611A JP2001052320A JP2001052320A JP2002248611A JP 2002248611 A JP2002248611 A JP 2002248611A JP 2001052320 A JP2001052320 A JP 2001052320A JP 2001052320 A JP2001052320 A JP 2001052320A JP 2002248611 A JP2002248611 A JP 2002248611A
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core
concrete
resin concrete
shell
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JP2001052320A
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English (en)
Inventor
Junichi Yamamoto
潤一 山本
Tatsunori Azegami
達紀 畔上
Norihiro Mizuno
憲弘 水野
Keiko Mizuno
啓子 水野
Kengo Mizuno
見吾 水野
Masayoshi Takemae
正義 竹前
Hiroko Uchida
廣子 内田
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Nagano Prefecture
Mizuno Corp
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Nagano Prefecture
Mizuno Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐候性に優れ、融雪剤による脆弱化がなく、
異質の材料同士が強固に一体化された複合化セメントコ
ンクリート製品と、その製造方法とを提供する。 【解決手段】 コアを構成するセメントコンクリート
成形物の外側に、成形後には消失する部材を介して、シ
ェルを構成するレジンコンクリート層が被覆一体化され
たコア−シェル構造の複合化セメントコンクリート製品
成形後には消失する部材を用いた中子を二次金属中型
の周囲にセットし、これを外郭成形用一次金属型内にセ
ットし、二次金属中型−中子セット物と外郭成形用一次
金属型との間にレジンコンクリートを流し込み、養生を
経て脱型して、シェルを構成するレジンコンクリート層
の外郭成形品を得、外郭成形品をガイド金属型にセット
し、外郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメント
コンクリートを流し込み、養生を経て脱型する前記記
載の複合化セメントコンクリート製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐候性に優れた複
合化セメントコンクリート製品とその製造方法に関し、
詳しくは極めて耐候性に優れていて、融雪剤等による脆
弱化のおそれがなく、しかも異種・異質の材料同士が強
固に一体化された複合化セメントコンクリート製品と、
その効率的な製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】冬季における寒冷地域・降雪地域の粉塵
公害を防止するため、スパイクタイヤからスタッドレス
タイヤへの移行がなされている。このスタッドレスタイ
ヤは、一般的にはスパイクタイヤに比べて、降雪路面や
凍結路面における性能(運動性能、制動性能)がやや劣
っている。そこで、除雪のため、さらには路面凍結によ
るスリップ事故防止や安全対策等を兼ね、塩化カルシウ
ムなどの融雪剤をこれまで以上に多量に散布することに
より、路面の安全確保が満たされて来ているのが現状で
ある。
【0003】しかしながら、この融雪用塩化カルシウム
の大量散布は、土木用コンクリート製品を脆弱化させ、
製品寿命を低下させる要因となっており、各地で社会
的、環境問題へとなりつつある。即ち、歩車道境界ブロ
ックや側溝用製品及びその蓋などの土木用コンクリート
製品は、冬季において、融雪用塩化カルシウムの散布に
よる塩害のため、凍結融解現象が加速しており、製品の
脆弱化が著しい。このため、土木用コンクリート製品の
施工後、ごく短かい間に、製品入れ替えのための再施工
を迫られるといった事例が多発している。
【0004】我が国の寒冷地域・降雪地域は、国土の約
2分の1を占めており、冬季に起こり得る、このような
被害を早期に防止する面から、併せて環境保全や経済的
な面からも、極めて耐候性に優れていて、融雪剤等によ
る脆弱化のおそれがないセメントコンクリート製品と、
その製造技術の開発が強く望まれている。また、これ以
外にも、塩水による脆弱化のおそれのあるテトラポッド
などをはじめ、マンホール本体、マンホール蓋、U字
溝、U字溝の蓋、消火栓の蓋など、耐候性の要求される
製品の分野において、極めて耐候性に優れていて、経時
変化等による脆弱化のおそれがないセメントコンクリー
ト製品と、その製造技術の開発が強く望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消し、極めて耐候性に優れていて、融雪剤等
による脆弱化のおそれがなく、しかも異種・異質の材料
同士が強固に一体化された複合化セメントコンクリート
製品と、その効率的な製造方法とを提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、コアを構成するセメントコンクリート成形物の外側
に、成形後には消失する消失部材を介して、シェルを構
成するレジンコンクリート層が被覆一体化されてなる、
コア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコン
クリート製品を提供するものである。
【0007】次に、請求項2に係る本発明は、コア−シ
ェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート
製品を製造するにあたり、外郭成形用一次金属型と二次
金属中型と中子とガイド金属型とを用い、前記中子とし
て成形後には消失する消失部材を用いると共に、前記中
子を二次金属中型の周囲にセットし、この二次金属中型
−中子セット物を外郭成形用一次金属型内にセットした
後、さらにこの二次金属中型−中子セット物と外郭成形
用一次金属型との間にレジンコンクリートを流し込み、
次いで養生工程を経て脱型して、シェルを構成するレジ
ンコンクリート層からなる外郭成形品を得、しかる後、
得られた外郭成形品をガイド金属型にセットし、前記外
郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメントコンク
リートを流し込んだ後、養生工程を経て脱型することを
特徴とする、請求項1記載のコア−シェル構造の耐候性
に優れた複合化セメントコンクリート製品を製造する方
法を提供するものである。
【0008】さらに、請求項3に係る本発明は、コア−
シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリー
ト製品を製造するにあたり、製造用型として、レジンコ
ンクリートに融ける成形フィルムを真空吸引することが
可能な主型と、成形フィルム転移用雌型と、外郭成形用
一次金属型と、ガイド金属型とを用い、前記主型を真空
吸引することにより、前記主型上の空間に置かれた成形
フィルムを前記主型に吸着し、次いでこの成形フィルム
が吸着された主型を反転させて前記成形フィルム転移用
雌型上にセットし、前記成形フィルム転移用雌型に前記
成形フィルムを転移させ、次いで前記主型を取り除いた
後、前記成形フィルム転移用雌型内に、中子用の吸引パ
イプをセットし、次いで前記成形フィルムとの間隙に、
骨材を充填し、さらに上面をレジンコンクリートに融け
るシートでシールした後、前記中子用の吸引パイプによ
り真空吸引して中子とし、得られた中子を前記成形フィ
ルム転移用雌型より取り出し、取り出された中子を前記
外郭成形用一次金属型にセットし、次いで前記外郭成形
用一次金属型と中子との空隙に、レジンコンクリートを
流し込み、さらに養生工程を経て脱型して、シェルを構
成するレジンコンクリート層からなる外郭成形品を得、
しかる後、得られた外郭成形品をガイド金属型にセット
し、前記外郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメ
ントコンクリートを流し込んだ後、養生工程を経て脱型
することを特徴とする、請求項1記載のコア−シェル構
造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品を
製造する方法を提供するものである。
【0009】また、請求項4に係る本発明は、コア−シ
ェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート
製品を製造するにあたり、製造用型として、少なくとも
2つの先端開口部を有すると共に、真空吸引することが
可能な金型を用い、前記金型内に、レジンコンクリート
充填用間隙を周囲に残しつつ、最終製品形状と略同様の
外形を有すると共にレジンコンクリートに融け、中空状
でかつ先端が開口された発泡体をセットし、次いで、前
記金型における一方を除く先端開口部にガイド蓋を仮止
めした後、前記ガイド蓋を仮止めされていない開口部
に、骨材投入口と真空吸引口とレジンコンクリート充填
口とを有する上蓋を固定し、次いで、この上蓋の骨材投
入口より骨材を真空吸引しながら前記発泡体内部に充填
した後、シートで前記骨材投入口をシールし、しかる
後、前記レジンコンクリート充填口より前記レジンコン
クリート充填用間隙にレジンコンクリートを充填し、充
填が完了した時点で真空吸引を止めることにより、前記
骨材の少なくとも一部を前記レジンコンクリート内に入
り込ませて前記レジンコンクリートの内側表面に不規則
な凹凸を形成させた後、余分な骨材を除去し、養生させ
た後脱型して、内側表面に不規則な凹凸が形成された、
シェルを構成するレジンコンクリート中空成形品を得、
次いで、このレジンコンクリート中空成形品の中空部内
にコアを構成するセメントコンクリートを流し込むと共
に、前記ガイド蓋と前記上蓋とを取り外したところに、
レジンコンクリート製の蓋を設けることを特徴とする請
求項1記載のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合化
セメントコンクリート製品を製造する方法を提供するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。図1は、請求項1に係る本発明のコア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品の一態様を示す斜視図であり、図2はその断面構造を
示す説明図であり、図3はその裏面の構造を示す説明図
である。なお、図1〜3では、複合化セメントコンクリ
ート製品が、いわゆる歩車道ブロックの場合を示した
が、これに限定されるものではなく、U字溝やその蓋な
どの側溝用製品、マンホールやその蓋、消火栓の蓋、テ
トラポッドなどをはじめとする土木用コンクリート製品
であって、融雪剤等による脆弱化のおそれがあるもので
あれば、広く適用することができる。
【0011】請求項1に係る本発明のコア−シェル構造
の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品は、
コアを構成するセメントコンクリート成形物1の外側
に、成形後には消失する消失部材(図示しえない)を介
して、シェルを構成するレジンコンクリート層2が被覆
一体化されてなるものである。
【0012】請求項1に係る本発明において、コアを構
成するセメントコンクリート成形物1の成形材料である
セメントコンクリートとしては、土木建設用として用い
られているものであれば良く、特に制限はない。このよ
うなセメントコンクリートとしては、必要に応じて、廃
棄セメントコンクリートをリサイクルして用いることも
でき、資源を有効活用することが可能である。
【0013】請求項1に係る本発明においては、前記コ
アを構成するセメントコンクリート成形物1の外側に、
成形後には消失する消失部材を介して、シェルを構成す
るレジンコンクリート層2が被覆一体化されている。こ
こで成形後には消失する消失部材に関しては、それ自身
は基本的には成形品には存在してはいないため、後述す
る製造方法において詳しく説明することとするが、一般
的には発泡体、より具体的には発泡スチロール(発泡ポ
リスチレン樹脂)、発泡ポリエチレン樹脂などからなる
消失部材が用いられる。なお、本発明において「成形後
には消失する」とは、物理的に消失するというのではな
く、レジンコンクリートに融けることにより、あくまで
「肉眼的に存在することが確認できず、消失したように
見える状態」を指している。また、100%完全に消失
しなくともよく、ごく一部発泡体が融けきらずに残って
いても実際上は差し支えない。その意味で「成形後に実
質的に消失したと同様」の状態になればよい。請求項1
に係る本発明においては、このような成形後には消失す
る消失部材を介して、異種・異質の材料からなるコアと
シェルとが被覆一体化されている点に大きな特徴を有し
ている。請求項1に係る本発明のコア−シェル構造の耐
候性に優れた複合化セメントコンクリート製品は、この
ような成形後には消失する消失部材を介していることか
ら、図2や図3に示すように、シェルを構成するレジン
コンクリート層2の内側に不規則な凹凸面が多数形成さ
れており、このためコアを構成するセメントコンクリー
ト成形物1とシェルを構成するレジンコンクリート層2
とが強固に一体化されている。
【0014】請求項1に係る本発明のコア−シェル構造
の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品にお
いて、シェルを構成しているのは、レジンコンクリート
層2であり、コアを構成するセメントコンクリート成形
物1とは異種・異質のものである。ここでレジン(樹
脂)コンクリートとは、一般的なセメントコンクリート
に対して、ポリマーコンクリートと称されるものであ
り、セメントコンクリートにおけるセメントの代わり
に、樹脂、特に熱硬化性樹脂を使用したものといえる。
通常、レジンコンクリートとは、結合材としての樹脂
に、充填材と骨材とを配合したものである。なお、ここ
で結合材には、樹脂の他に、通常、触媒や硬化促進剤な
ども含まれる。レジンコンクリートとしては、結合材の
硬化に悪影響を及ぼさない範囲で、産業副産物や廃棄物
などを、充填材や骨材に代替して混入することもでき
る。このようなレジンコンクリートとしては、必要に応
じて、廃棄レジンコンクリートをリサイクルして用いる
こともでき、資源を有効活用することが可能である。
【0015】請求項1に係る本発明においてレジンコン
クリートを構成する樹脂としては、特にポリエステル樹
脂などの熱硬化性樹脂が好ましい。また、レジンコンク
リートを構成する骨材としては、砂利や砂が用いられ
る。
【0016】本発明者らの研究によれば、このレジンコ
ンクリート中に配合されている骨材(請求項2,3,4
に記載の方法で使用)、或いはレジンコンクリート中以
外に配合する骨材(請求項3,4に記載の方法で使用)
の大きさによって、レジンコンクリート層2の内側に形
成される不規則な凹凸面の大きさ、凹凸の高さ、谷の深
さが異なることが分かった。これらの観点から、請求項
1に係る本発明では、特に骨材として、平均粒径3mm
未満(下限値は1mm程度)、特に平均粒径2mm程度
の砂と、平均粒径3mm以上、10mm以下、特に平均
粒径5mm程度の小砂利とを併用したものが好ましい。
これら骨材は、レジンの硬化反応に影響を及ぼさないこ
とを考慮して、いずれも乾燥したものがより好ましい。
さらに、レジンコンクリートを構成する充填材として
は、炭酸カルシウムなどが好ましく用いられるが、これ
に制限されるものではない。
【0017】レジンコンクリートにおける、これら原材
料の含有割合は特に制限はないが、通常は、樹脂10〜
20重量%、砂利25〜30重量%、砂25〜30重量
%、充填材25〜30重量%の割合で配合されたもので
あり、好ましくは樹脂14〜16重量%、砂利26〜2
9重量%、砂26〜29重量%、充填材26〜29重量
%の割合で配合されたものである。なお、骨材としての
砂と砂利との配合割合については、前者30〜50重量
部に対し、後者30〜50重量部とするのが最も好まし
い。
【0018】請求項1に係る本発明のコア−シェル構造
の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品にお
いては、シェルの構成材料として、このようなレジンコ
ンクリートを用いているため、極めて耐候性に優れてお
り、融雪剤による脆弱化のおそれがない。また、強度的
にも、シェルの部分は、セメントコンクリートの約3倍
程度の強度を有するものとなっている。
【0019】請求項1に係る本発明のコア−シェル構造
の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品は、
例えば歩車道境界ブロックをはじめとする各種境界ブロ
ック、U字溝などの側溝用製品及びその蓋、さらにはマ
ンホール本体、マンホール蓋、U字溝、U字溝の蓋、消
火栓の蓋、テトラポッドなどの土木用コンクリート製品
として用いられ、特に形状、大きさなどに制限はない。
【0020】上記した如き請求項1に係る本発明のコア
−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリ
ート製品は、様々な方法により製造することができる
が、例えば請求項2、請求項3、或いは請求項4に記載
した方法により、好適に製造することができる。
【0021】即ち、請求項2に係る本発明は、請求項1
記載のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメン
トコンクリート製品を製造する方法に関し、コア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品を製造するにあたり、外郭成形用一次金属型と二次金
属中型と中子とガイド金属型とを用い、前記中子として
成形後には消失する消失部材を用いると共に、前記中子
を二次金属中型の周囲にセットし、この二次金属中型−
中子セット物を外郭成形用一次金属型内にセットした
後、さらにこの二次金属中型−中子セット物と外郭成形
用一次金属型との間にレジンコンクリートを流し込み、
次いで養生工程を経て脱型して、シェルを構成するレジ
ンコンクリート層からなる外郭成形品を得、しかる後、
得られた外郭成形品をガイド金属型にセットし、前記外
郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメントコンク
リートを流し込んだ後、養生工程を経て脱型することを
特徴とするものである。
【0022】以下、請求項2に係る本発明の方法を図4
〜13により詳細に説明する。なお、図4〜13では、
複合化セメントコンクリート製品が、図1〜3に示すよ
うな、いわゆる歩車道ブロックの場合を示したが、勿論
これに限定されるものではなく、U字溝などの側溝用製
品及びその蓋、さらにはマンホール本体、マンホール
蓋、U字溝、U字溝の蓋、消火栓の蓋、テトラポッドな
どをはじめとする土木用コンクリート製品であって、融
雪剤等天候による脆弱化のおそれがあるものであれば、
広く適用することができる。従って、金属型などの形状
は、目的とする複合化セメントコンクリート製品の形状
に合わせて適宜変更すればよい。
【0023】図4(a)は、外郭成形用一次金属型の一
態様を示す平面図であり、図4(b)は、その中央部横
断面図である。次に、図5(a)は、二次金属中型(中
子用型)の一態様を示す平面図であり、図5(b)は、
その中央部横断面図である。また、図6(a)は、中子
の一態様を示す平面図であり、図6(b)は、その中央
部横断面図である。さらに、図7(a)は、ガイド金属
型の一態様を示す平面図であり、図7(b)は、その中
央部横断面図である。図中、符号3は外郭成形用一次金
属型、符号4は二次金属中型(中子用型)、符号5は中
子、符号6はガイド金属型をそれぞれ示している。
【0024】請求項2に係る本発明においては、このよ
うな外郭成形用一次金属型3と二次金属中型4と中子5
とガイド金属型6とを用い、かつ前記中子5として成形
後には消失する消失部材を用いている。
【0025】ここで中子として用いる「成形後には消失
する消失部材」としては、一般的には発泡体、より具体
的には発泡スチロール(発泡ポリスチレン樹脂)、発泡
ポリエチレン樹脂などからなる部材であって、後記する
レジンコンクリートにより成形時に溶かされ、消失する
ものが挙げられる。発泡体の発泡倍率は、用いる骨材の
種類、粒径、さらには製品の大きさ、形状などを考慮し
て適宜選定するが、通常、30〜80倍、好ましくは5
0〜70倍である。中子として用いる「成形後には消失
する消失部材」の具体例として、図6(a)、(b)で
は、略U字溝状の中子(消失部材)5を示したが、これ
に制限されるものではなく、最終的な複合化セメントコ
ンクリート製品の形状、大きさ等に合わせて適宜選定す
ればよい。また、大きさとしては、図6(a)、(b)
では、最大幅170mm、奥行き1000mm、深さ2
00mm、厚さ10mmのものを示したが、勿論これに
限定されるものではない。
【0026】請求項2に係る本発明においては、図8に
示すように、まず前記中子5を二次金属中型4の周囲に
セットし、二次金属中型−中子セット物7とする。次
に、図9に示すように、この二次金属中型−中子セット
物7を外郭成形用一次金属型3内にセットする。
【0027】さらに、この二次金属中型−中子セット物
7と外郭成形用一次金属型3との間にレジンコンクリー
ト8をゲル化、又はスラリー化した状態で、図10に示
すように流し込む。すると、二次金属中型−中子セット
物7を構成しているうちの中子(消失用部材)5がレジ
ンコンクリートを構成している樹脂により溶かされて消
失し、このときレジンコンクリート中には骨材が配合さ
れていることもあって、内側に不規則な凹凸を造り出
す。次いで、硬化のための養生工程を経て脱型すること
により、シェルを構成するレジンコンクリート層2から
なる外郭成形品が得られる。このとき得られる成形品
(外郭成形品)は、図11に示すように、内側に不規則
な凹凸を有している。なお、レジンコンクリートは、速
硬性があり、通常、金型に流し込まれてから約30分程
度で硬化する。
【0028】しかる後、図12に示すように、得られた
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品を、ガイド金属型6にセットし、前記外郭成
形品の内側空洞部に、即ち不規則な凹凸を有している部
分に、コアを構成するセメントコンクリート9を流し込
む。硬化のための養生工程を経て脱型することにより、
図13に示すようなコア−シェル構造の複合化セメント
コンクリート製品、即ち図1〜3に示すような請求項1
に係る本発明のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合
化セメントコンクリート製品が得られる。
【0029】このようにして得られた複合化セメントコ
ンクリート製品は、表面に不規則な凹凸を有している
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品の内側空洞部に、コアを構成するセメントコ
ンクリート成形物1の成形材料であるセメントコンクリ
ート9を流し込んだものであるため、レジンコンクリー
トとセメントコンクリートという異種・異質の材料同士
が強固に一体化された複合化セメントコンクリート製品
となっている。
【0030】なお、複合化セメントコンクリート製品を
製造するにあたり、金型に予めゲルコート剤、特に蓄光
剤を配合したゲルコート剤を塗布しておけば、レジンコ
ンクリートの流し込み時にレジンコンクリート表面にゲ
ルコート剤が移行しこれをコートし、外表面に、ゲルコ
ート剤、特に蓄光剤を配合したゲルコート剤がコートさ
れた複合化セメントコンクリート製品が得られる。これ
は、これまでのセメントコンクリート製品では達成する
ことはできず、本発明においてシェルとしてレジンコン
クリートを用いていることにより得られる大きな特徴で
ある。これは、本発明に共通するものである。このよう
に、外表面に、ゲルコート剤、特に蓄光剤を配合したゲ
ルコート剤がコートされた複合化セメントコンクリート
製品とすることにより、夜間や暗所などにおいても容易
に認識可能なものとすることができる。この場合におけ
る、蓄光剤の配合量は、ゲルコート剤に対して5〜20
重量%とすることが好ましい。
【0031】次に、請求項1に係る本発明のコア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品は、請求項3記載の方法によっても効率良く製造する
ことができるので、以下、この請求項3に係る本発明の
方法について、図14〜26により詳細に説明する。
【0032】即ち、請求項3に係る本発明は、請求項1
記載のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメン
トコンクリート製品を製造する方法に関し、コア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品を製造するにあたり、製造用型として、レジンコンク
リートに融ける成形フィルムを真空吸引することが可能
な主型と、成形フィルム転移用雌型と、外郭成形用一次
金属型と、ガイド金属型とを用い、前記主型を真空吸引
することにより、前記主型上の空間に置かれた成形フィ
ルムを前記主型に吸着し、次いでこの成形フィルムが吸
着された主型を反転させて前記成形フィルム転移用雌型
上にセットし、前記成形フィルム転移用雌型に前記成形
フィルムを転移させ、次いで前記主型を取り除いた後、
前記成形フィルム転移用雌型内に、中子用の吸引パイプ
をセットし、次いで前記成形フィルムとの間隙に、骨材
を充填し、さらに上面をレジンコンクリートに融けるシ
ートでシールした後、前記中子用の吸引パイプにより真
空吸引して中子とし、得られた中子を前記成形フィルム
転移用雌型より取り出し、取り出された中子を前記外郭
成形用一次金属型にセットし、次いで前記外郭成形用一
次金属型と中子との空隙に、レジンコンクリートを流し
込み、さらに養生工程を経て脱型して、シェルを構成す
るレジンコンクリート層からなる外郭成形品を得、しか
る後、得られた外郭成形品をガイド金属型にセットし、
前記外郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメント
コンクリートを流し込んだ後、養生工程を経て脱型する
ことを特徴とする。
【0033】なお、図14〜26では、前記図4〜13
と同様に、複合化セメントコンクリート製品が、図1〜
3に示すような、いわゆる歩車道ブロックの場合を示し
たが、勿論これに限定されるものではなく、U字溝やそ
の蓋などの側溝用製品、マンホールやその蓋、消火栓の
蓋、テトラポッドなどをはじめとする土木用コンクリー
ト製品であって、融雪剤等天候による脆弱化のおそれが
あるものであれば、広く適用することができる。従っ
て、金属型などの形状は、目的とする複合化セメントコ
ンクリート製品の形状に合わせて適宜変更すればよい。
【0034】図14は、成形フィルムを真空吸引するこ
とが可能な主型10の一態様を示す説明図であり、図1
5は、成形フィルム転移用雌型11の一態様を示す説明
図であり、図16は、外郭成形用一次金属型12の一態
様を示す説明図であり、図17は、ガイド金属型13の
一態様を示す説明図である。なお、成形フィルム転移用
雌型11も、真空吸引が可能なものとされている。
【0035】請求項3に係る本発明においては、前記主
型10を真空吸引することにより、前記主型10上の空
間に置かれた成形フィルム14を前記主型10に吸着す
る。図18は、この様子を示す説明図であり、図中、符
号15は、フィルム加熱装置である。フィルム加熱装置
により加熱された成形フィルム14は、真空吸引によ
り、前記主型10に吸着される。図19は、成形フィル
ム14が吸着された主型10を示す説明図である。
【0036】ここで成形フィルム14としては、外郭部
分を構成するレジンコンクリートに融けるものであれば
特に制限はないが、ポリビニルアルコール等が好まし
い。成形フィルム14としては、いわゆる減圧鋳造方法
(鋳型)の造型に使用されているものであるが、本発明
では、シェル(外郭)部分を造るレジンコンクリート層
2の内側面に砂利、砂等の骨材を固着させ、レジンコン
クリートが硬化した時点で、一体化固着化させ、表面に
不規則な凹凸を造るために使用されている。この成形フ
ィルム14は、レジンコンクリートにより融けて消失す
る。このような成形フィルム14としては、強度と溶融
性とのバランスを考慮して、通常、厚さが0.1mm前
後のものが使用されるが、これに限定されるものではな
い。
【0037】次に、この成形フィルム14が吸着されて
いる主型10を反転させて、図20に示すように、前記
成形フィルム転移用雌型11上にセットし、前記成形フ
ィルム転移用雌型11に前記成形フィルム14を転移さ
せる。このとき、主型10の吸引は解除し、その代わり
に前記成形フィルム転移用雌型11を真空吸引する。次
いで、前記主型10を取り除く。図21は、前記主型1
0を取り除いた状態を示す説明図である。このときも、
前記成形フィルム転移用雌型11の真空吸引は続行して
おく。
【0038】その後、前記成形フィルム転移用雌型11
内に、中子用の吸引パイプ16をセットする。次いで、
前記成形フィルム14との間隙に、骨材17を充填し、
さらに上面をレジンコンクリートに融けるシート18で
シールする。このとき、前記成形フィルム転移用雌型1
1の真空吸引は中止する。ここで骨材17としては、前
記したように、粒径2mm未満の砂と、粒径2mm以
上、5mm以下の小砂利とを併用したものが好ましい。
さらに、これら骨材は、いずれも乾燥したものがより好
ましい。これら骨材の配合割合は特に制限はないが、通
常は、前者40〜60重量%に対し、後者60〜40重
量%とするのが最も好ましい。また、上面シール用のシ
ート18としては、レジンコンクリートに融けるもので
あればよく、通常、ポリビニルアルコール樹脂などから
なるシート(厚さ0.1〜0.2mm程度のもの)が用
いられるが、これに限定されるものではない。
【0039】このようにしてシールした後、前記中子用
の吸引パイプ16により真空吸引して中子とする。図2
2は、前記中子用の吸引パイプ16により真空吸引して
いる状態を示す説明図である。
【0040】次に、得られた中子19を前記成形フィル
ム転移用雌型11より取り出し、取り出された中子19
を前記外郭成形用一次金属型12にセットし、次いで前
記外郭成形用一次金属型12と中子19との空隙に、レ
ジンコンクリート20をゲル化、又はスラリー化した状
態で流し込む。このとき、前記中子用の吸引パイプ16
による真空吸引は続行しておく。ここでレジンコンクリ
ート20としては、請求項1に係る本発明について示し
たものが挙げられる。図23は、前記外郭成形用一次金
属型12と中子19との空隙に、レジンコンクリート2
0を流し込んでいる状態を示す説明図である。
【0041】すると、中子19の周囲を形成している前
記成形フィルム14やシート18が、レジンコンクリー
ト20を構成している樹脂により溶かされて消失し、こ
のとき中子19内部には骨材が充填されていることもあ
って、骨材がレジンコンクリート20に食い込み、固着
して内側に不規則な凹凸を造り出す。
【0042】さらに養生工程を経て脱型して、図24に
示すような、シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品が得られる。このとき得られる成形
品(外郭成形品)は、図24に示すように、内側に不規
則な凹凸を有している。なお、レジンコンクリートは、
通常、金型に流し込まれてから約30分程度で硬化す
る。
【0043】しかる後、図25に示すように、得られた
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品を、ガイド金属型13にセットし、前記外郭
成形品の内側空洞部に、即ち不規則な凹凸を有している
部分に、コアを構成するセメントコンクリート21を流
し込む。硬化のための養生工程を経て脱型することによ
り、図26に示すようなコア−シェル構造の複合化セメ
ントコンクリート製品、即ち図1〜3に示すような請求
項1に係る本発明のコア−シェル構造の耐候性に優れた
複合化セメントコンクリート製品が得られる。
【0044】このようにして得られた複合化セメントコ
ンクリート製品は、請求項2に係る本発明の方法で得ら
れるものと同様に、表面に不規則な凹凸を有している
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品の内側空洞部に、コアを構成するセメントコ
ンクリート成形物1の成形材料であるセメントコンクリ
ート21を流し込んだものであるため、レジンコンクリ
ートとセメントコンクリートという異種・異質の材料同
士が強固に一体化された複合化セメントコンクリート製
品となっている。
【0045】なお、複合化セメントコンクリート製品を
製造するにあたり、金型(製造用型)に予めゲルコート
剤、特に蓄光剤を配合したゲルコート剤を塗布しておけ
ば、レジンコンクリートの流し込み時にレジンコンクリ
ート表面にゲルコート剤が移行しこれをコートし、外表
面に、ゲルコート剤、特に蓄光剤を配合したゲルコート
剤がコートされた複合化セメントコンクリート製品が得
られることは、前記請求項2に係る本発明において述べ
た通りであり、蓄光剤の配合量なども前記請求項2に係
る本発明において述べた通りである。さらに、このこと
は、後記する請求項4に係る本発明においても同様であ
る。
【0046】次に、請求項1に係る本発明のコア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品は、請求項4記載の方法によっても効率良く製造する
ことができるので、以下、この請求項4に係る本発明の
方法について、図27〜図35により詳細に説明する。
【0047】即ち、請求項4に係る本発明は、請求項1
記載のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメン
トコンクリート製品を製造する方法に関し、コア−シェ
ル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製
品を製造するにあたり、製造用型として、少なくとも2
つの先端開口部を有すると共に、真空吸引することが可
能な金型を用い、前記金型内に、レジンコンクリート充
填用間隙を周囲に残しつつ、最終製品形状と略同様の外
形を有すると共にレジンコンクリートに融け、中空状で
かつ先端が開口された発泡体をセットし、次いで、前記
金型における一方を除く先端開口部にガイド蓋を仮止め
した後、前記ガイド蓋を仮止めされていない開口部に、
骨材投入口と真空吸引口とレジンコンクリート充填口と
を有する上蓋を固定し、次いで、この上蓋の骨材投入口
より骨材を真空吸引しながら前記発泡体内部に充填した
後、シートで前記骨材投入口をシールし、しかる後、前
記レジンコンクリート充填口より前記レジンコンクリー
ト充填用間隙にレジンコンクリートを充填し、充填が完
了した時点で真空吸引を止めることにより、前記骨材の
少なくとも一部を前記レジンコンクリート内に入り込ま
せて前記レジンコンクリートの内側表面に不規則な凹凸
を形成させた後、余分な骨材を除去し、養生させた後脱
型して、内側表面に不規則な凹凸が形成された、シェル
を構成するレジンコンクリート中空成形品を得、次い
で、このレジンコンクリート中空成形品の中空部内にコ
アを構成するセメントコンクリートを流し込むと共に、
前記ガイド蓋と前記上蓋とを取り外したところに、レジ
ンコンクリート製の蓋を設けることを特徴とする。
【0048】なお、図27〜図36では、請求項4に係
る本発明の複合化セメントコンクリート製品が、いわゆ
るテトラポッドの場合を示したが、勿論これに限定され
るものではなく、U字溝やその蓋などの側溝用製品、マ
ンホールやその蓋、消火栓の蓋などをはじめとする土木
用コンクリート製品であって、融雪剤等天候による脆弱
化のおそれがあるものであれば、広く適用することがで
きる。従って、使用する金型などの形状は、目的とする
複合化セメントコンクリート製品の形状に合わせて適宜
変更すればよい。
【0049】請求項4に係る本発明においては、製造用
型として、目的とする複合化セメントコンクリート製品
の形状に合わせて、少なくとも2つの先端開口部を有す
ると共に、真空吸引することが可能な金型を用いる。こ
こで金型は、必要に応じて2つ以上(通常は2つ以上、
3つ乃至4つ程度まで)に分割されたものを用いてもよ
い。そのような分割金型としては、公知の分割金型を用
いることができる。例えば、複合化セメントコンクリー
ト製品としてテトラポッドを製造する場合には、公知の
テトラポッドの製造用金型と同様に、縦方向に2分割や
3分割された金型を用いることができる。
【0050】図27は、請求項4に係る本発明における
金型22(具体的にはテトラポッド製造用金型)の一態
様を示す平面図であり、図28は、そのような金型22
の中央部縦断面図である。また、図29は、そのような
金型22内に、発泡体23をセットした状態を示す説明
図である。図27〜29では、4つの先端開口部A1、
A2、A3、A4(但し、図では先端開口部A4は作図
上から省略されている。)を有するものを示しており、
図30は、図29における、そのような先端開口部A1
を拡大した状態を示す一部拡大説明図である。
【0051】図27〜29では、4つの先端開口部A
1、A2、A3、A4を有するものを示しているものを
示しているが、これに限定されるものではなく、請求項
4に係る本発明においては、製造用型として、少なくと
も2つの先端開口部を有しているものであればよい。
【0052】請求項4に係る本発明においては、まず前
記金型22内に、発泡体23をセットする。ここで金型
22としては、前記したように、必要に応じて2つ以上
に分割されたものを用いることができ、また、このよう
に分割された金型を用いた方が効率的である。図28、
図29では、縦方向に2分割された金型22を用いた場
合を示している。発泡体23をセットするに際しては、
図29に示すように、レジンコンクリート充填用間隙2
4を周囲に残しつつ行うことが必要である。このため、
発泡体23は、金型22よりも、このレジンコンクリー
ト充填用間隙24の分だけ(結果的にはレジンコンクリ
ートの略厚さの分だけ)小さいものとされている。さら
に、発泡体23としては、最終製品形状と略同様の外形
を有すると共にレジンコンクリートに融け、中空状でか
つ先端が開口されたものであることが必要である。発泡
体23における先端開口部は、前記製造用型における先
端開口部、すなわち、図28、図29における、4つの
先端開口部A1、A2、A3、A4(但し、図では、先
端開口部A4は作図上から省略されている。)に対応し
ている。なお、図28、図29に示すようなテトラポッ
ド製造用金型を用いてテトラポッドを製造する場合に
は、発泡体23としては、例えばテトラポッドの4本の
足に相当する部分毎に分割されたものを用い、これを最
終的に1つに結合したものを用いることができ、このよ
うにすることはより効率的である。従って、この場合、
例えば、最終的に1つに結合された発泡体23を分割さ
れた金型の1つに嵌め込んだ後、分割された他の金型を
合わせ、金型同士を結合一体化すればよい。
【0053】そのような発泡体23としては、例えば発
泡スチロール(発泡ポリスチレン樹脂)、発泡ポリエチ
レン樹脂などからなるものが挙げられる。発泡体の発泡
倍率は、用いる骨材の種類、粒径、さらには製品の大き
さ、形状などを考慮して適宜選定するが、通常、30〜
80倍、好ましくは50〜70倍である。また、発泡体
23の厚さは、10〜30mm程度とする。
【0054】次いで、請求項4に係る本発明において
は、前記のように一体化されている金型22における一
方を除く先端開口部に、ガイド蓋25を仮止めする。図
28、図29では、上部の先端開口部A1を除く、先端
開口部A2、A3、A4に、それぞれガイド蓋25を仮
止めした例を示している。
【0055】なお、ガイド蓋25の仮止めは、通常、真
空吸引用の各種部材を組合せながら行われる。すなわ
ち、前記したように、請求項4に係る本発明において
は、真空吸引することが可能な金型22を用いるが、真
空吸引するために、図29に示すように、前記金型22
の略中心部に継手26を設置し、この継手26に、真空
吸引用パイプを繋ぐようにしたものが用いられる。図2
9では、4本の真空吸引用パイプB1、B2、B3、B
4(但し、図では先端開口部A4が作図上から省略され
ていることから、これに対応する真空吸引用パイプB4
も同様に図では省略されている。)が示されているが、
これに限定されるものではなく、要するに前記製造用型
における開口部の数(図28、図29においては、A
1、A2、A3、A4という4つの先端開口部)に合わ
せて真空吸引用パイプの本数を用意すればよい。また、
真空吸引用パイプのうちの少なくとも1本(図29で
は、真空吸引用パイプB1)の先端は、後述する上蓋2
7を介して、外部の吸引用ホース28に接続されてい
る。なお、真空吸引用パイプB2、B3、B4の先端
は、図30に示すように、それぞれのガイド蓋25の内
面に設けられている、それぞれのパイプ押さえ29に嵌
め込まれる形で固定されているが、勿論、これに限定さ
れるものではない。このようにして、真空吸引用の各種
部材を組合せながら、ガイド蓋25の仮止めが行われ
る。従って、分割された金型を用いる場合、真空吸引用
の各種部材は、基本的には、金型同士の結合前に組合せ
ておくべきである。なお、発泡体23における先端開口
部は、図30に示すように、金型22より若干外側(図
では下側)にはみ出した形で作成されており、これによ
り位置合わせのための巾木部分としての役割を果たして
いる。
【0056】金型同士を結合させ、さらにガイド蓋25
を仮止めした後、これらをボルトなどの固定手段によ
り、しっかりと固定一体化させておく。
【0057】固定できたならば、固定一体化された金型
22が倒れたりすることのないように、適当な固定台に
セットしておく。このような状態で、まだガイド蓋25
が一つだけ仮止めされていない先端開口部、図29では
最上部のA1に、仮上蓋27を固定する。この仮上蓋2
7の一態様を示す平面図が図31に示されている。仮上
蓋27の真中には、真空吸引用パイプB1を接続する真
空吸引口30が設けられており、さらにその中側(図2
9でいうと下側)には、これと一体化されたパイプ受け
31が設けられている。仮上蓋27には、真中に設けら
れている真空吸引口30の周囲に、順次、骨材投入口3
2、レジンコンクリート充填口33Aが設けられてい
る。符号33Bは、金型22に、必要に応じて設けられ
ているレジンコンクリート補助充填口であり、2箇所以
上に設置してもよい。なお、真空吸引用パイプB1は、
既に継手26に繋がれているように述べたが、この仮上
蓋27を固定する際に、継手26に真空吸引用パイプB
1を繋ぐようにしてもよい。この場合、継手26に繋が
れた真空吸引用パイプB1の一端を、仮上蓋27の内面
に設けられているパイプ受け31に差し込みながら、仮
上蓋27を固定一体化された金型に固定すればよい。
【0058】次いで、仮上蓋27の骨材投入口32よ
り、骨材34を真空吸引しながら前記金型22内にある
発泡体23内部に充填する。骨材としては、前記した通
りである。骨材34を充填するにあたっては、連続的に
全ての骨材を充填してもよいが、最初に継手26の位置
付近まで真空吸引しながら充填し、一呼吸おいた後に、
仮上蓋27の骨材投入口32まで充填するのがより好ま
しい。
【0059】骨材充填後、シート(図示しない)で前記
骨材投入口32をシールする。シートとしては、通常、
ポリビニルアルコール樹脂などからなるシート(厚さ
0.1〜0.2mm程度のもの)が用いられるが、これ
に限定されるものではない。上記のように骨材投入口3
2をシート(図示しない)でシールし完全密封すると、
真空吸引されているため、発泡体23内部が負圧とな
る。
【0060】真空吸引を続け、発泡体23内部が−40
0mmHg程度の負圧になったときに、前記レジンコン
クリート充填口33A及び/又はレジンコンクリート補
助充填口33Bより、前記レジンコンクリート充填用間
隙24にレジンコンクリート35をゲル化、又はスラリ
ー化した状態で充填する。レジンコンクリートとして
は、前記した通りである。
【0061】レジンコンクリート35の充填が完了した
時点で真空吸引を止め、発泡体23内部(骨材が充填さ
れている部分)を常圧に戻す。以上の作業を終了する
と、その間に発泡体23はレジンコンクリート35に融
け、消失し、発泡体23の内部に充填されている骨材3
4の少なくとも一部が前記レジンコンクリート35内に
入り込む。このように発泡体23の内部に充填されてい
る骨材34の少なくとも一部が前記レジンコンクリート
内に入り込むことから、これにより前記レジンコンクリ
ート35の内側表面に不規則な凹凸が形成することにな
る。
【0062】これは、次のようなメカニズムによる。す
なわち、発泡体23の内部に骨材34を充填した状態で
真空吸引すると、真空吸引の力で、発泡体23全体が真
空吸引用パイプB1、B2、B3、B4の方向、すなわ
ちそれぞれの部位で内側に向けて、0.5〜2.0mm
程度引張られる形で径が細くなる(発泡体の厚さではな
く、発泡体の径が小さくなる方向に変動する。)。な
お、発泡体の直径の変動巾は、発泡体23の内部に充填
する骨材34の密度を変更することにより、適宜調整す
ることができる。レジンコンクリート35の充填が完了
したときに、この状態で真空吸引を止めると、それぞれ
の部位で一旦細くなっている発泡体23の径が元に戻る
ことから、元に戻った分だけ、レジンコンクリート35
の中に骨材34が入り込むことになる。なお、発泡体2
3の内部に骨材34を充填した状態で真空吸引すること
により、骨材の重みによる発泡体の変形を有効に防止す
ることができる。
【0063】この状態で養生し、レジンコンクリート3
5を硬化させ、その表面に入り込んでいる骨材34を固
着させ、レジンコンクリート35の内側表面に不規則な
凹凸を形成させた後、先端開口部A2、A3、A4に仮
止めされているガイド蓋25を一旦取り外し、固着され
ていない余分な骨材34を除去する。
【0064】充分に養生させた後、脱型すると、内側表
面に不規則な凹凸が形成された、シェルを構成するレジ
ンコンクリート中空成形品が得られる。図32は、この
ようにして得られたレジンコンクリート中空成形品Cの
一態様を示す説明図である。
【0065】次いで、図33に示すように、得られたレ
ジンコンクリート中空成形品Cの中空部内にコアを構成
するセメントコンクリート36を流し込むと共に、前記
ガイド蓋25と前記仮上蓋27とを取り外したところ
に、レジンコンクリート製の蓋を設ける。
【0066】セメントコンクリート36の流し込みとレ
ジンコンクリート製の蓋の設置とを行う方法について
は、レジンコンクリート製の蓋、特に底蓋の設置方法に
応じて、いずれを先に行うかが異なるので、底蓋の設置
方法と合わせて述べる。レジンコンクリート製の底蓋の
設置方法としては、以下に示す2つの方法が考えられる
が、これに制限されるものではない。
【0067】図34は、レジンコンクリート製の底蓋の
第1の設置方法を示す説明図である。すなわち、内側表
面に不規則な凹凸が形成された、シェルを構成するレジ
ンコンクリート中空成形品Cの先端開口部A2、A3、
A4(ガイド蓋25が仮止めされていた箇所)に、まず
レジンコンクリート製の底蓋37(2箇所)を、レジン
コンクリート系接着剤などの接着剤38により固着し、
固着後、新しいガイド蓋25Aをボルト39などにより
仮止めしておく。次いで、仮上蓋27を取り外した後、
シェルを構成するレジンコンクリート中空成形品Cの先
端開口部A1から、レジンコンクリート中空成形品Cの
中空部内に、コアを構成するセメントコンクリート36
を流し込む。レジンコンクリート中空成形品Cの中空部
の上から20〜30mmのところあたりまでセメントコ
ンクリート36を流し込んだところで、セメントコンク
リート36の流し込みを止め、最後にレジンコンクリー
ト35を20〜30mm流し込んで蓋(レジンコンクリ
ート製の上蓋)とする。充分に養生後、ボルト39など
により仮止めされている新しいガイド蓋25Aを取り外
すことにより、目的とするコア−シェル構造の耐候性に
優れた複合化セメントコンクリート製品が得られる。
【0068】図36は、レジンコンクリート製の底蓋の
第2の設置方法を示す説明図である。すなわち、内側表
面に不規則な凹凸が形成された、シェルを構成するレジ
ンコンクリート中空成形品Cの先端開口部A2、A3、
A4に、新しいガイド蓋25Aを仮止めした後、再度、
骨材34をそれぞれ20〜30mmの厚さとなる分だけ
少量充填し、さらにその上に、シェルを構成するレジン
コンクリート中空成形品Cの先端開口部A1から、レジ
ンコンクリート中空成形品Cの中空部内に、コアを構成
するセメントコンクリート36を流し込む。この前後に
おいて、仮上蓋27を取り外しておく。レジンコンクリ
ート中空成形品Cの中空部の上から20〜30mmのと
ころあたりまでセメントコンクリート36を流し込んだ
ところで、セメントコンクリート36の流し込みを止
め、最後にレジンコンクリート35を20〜30mm流
し込んで蓋(レジンコンクリート製の上蓋)とする(図
35参照)。充分に養生後、ボルト39などにより仮止
めされている新しいガイド蓋25Aをそれぞれ取り外
し、レジンコンクリート中空成形品Cを反転させ、その
内部に少量充填されている骨材34を除去した後、取り
外したところに、レジンコンクリート35を所定量(底
いっぱいまで)流し込み、それぞれ底蓋37とする。充
分に養生することにより、目的とするコア−シェル構造
の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品が得
られる。
【0069】
【実施例】以下に、本発明を実施例等により詳しく説明
するが、本発明はこれらによって何ら制限されるもので
はない。
【0070】実施例1(請求項2に係る本発明の方法に
よる複合化セメントコンクリート製品の製造) 図4に示す外郭成形用一次金属型3(型内部の上部幅1
70mm、底部幅150mm、奥行き1000mm、高
さ200mm)、図5に示す二次金属中型4(中子用
型)(上部幅130mm、底部幅110mm、奥行き1
000mm、高さ180mm)、図6に示す略U字溝状
の中子(消失部材)5(発泡スチロール製、発泡倍率6
0〜70倍、上部幅150mm、底部幅110mm、奥
行き1000mm、高さ190mm、厚さ10mm)、
図7に示すガイド金属型6(幅170mm、奥行き10
00mm、高さ200mm)を用い、図7〜13に示す
ようにして、図1から3に示す複合化セメントコンクリ
ート製品(歩車道ブロック)(上部幅150mm、底部
幅170mm、奥行き1000mm、高さ200mm)
を製造した。
【0071】なお、レジンコンクリートとしては、ポリ
エステル樹脂15重量%、平均粒径5mm程度の乾燥小
砂利28.5重量%、平均粒径2mm程度の乾燥砂2
8.5重量%、充填材として炭酸カルシウムを28重量
%の割合で配合したものを用いた。さらに、セメントコ
ンクリートとしては、以下の組成のものを使用した。 ・水/セメント比:44.7〜45.2重量% ・単位水量:157〜160kg/m ・単位セメント量:347〜358kg/m ・単位細骨剤(砂)量:740〜766kg/m ・単位粗骨剤(砂利)量:1070kg/m ・単位混和剤量:1.91〜2.15kg/m
【0072】まず、前記中子5を二次金属中型4の周囲
にセットし、図8に示すような二次金属中型−中子セッ
ト物7とした。次に、図9に示すように、この二次金属
中型−中子セット物7を外郭成形用一次金属型3内にセ
ットした。
【0073】さらに、この二次金属中型−中子セット物
7と外郭成形用一次金属型3との間にレジンコンクリー
ト8をゲル化、又はスラリー化した状態で流し込んだ。
すると、二次金属中型−中子セット物7を構成している
うちの中子(消失用部材)5がレジンコンクリートを構
成している樹脂により溶かされて消失し、このときレジ
ンコンクリート中には骨材が配合されていることもあっ
てか、内側に不規則な凹凸が造り出された。次いで、硬
化のための養生工程を経て脱型することにより、シェル
を構成するレジンコンクリート層2からなる外郭成形品
(上部幅170mm、底部幅150mm、厚さ8〜10
mm、奥行き1000mm、高さ200mm)が得られ
た。このとき得られた成形品(外郭成形品)は、図11
に示すように、内側に不規則な凹凸を有しているもので
あった。なお、レジンコンクリートは、金型に流し込ん
でから約30分程度で硬化した。
【0074】しかる後、図12に示すように、得られた
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品を、ガイド金属型6にセットし、前記外郭成
形品の内側空洞部に、即ち不規則な凹凸を有している部
分に、コアを構成するセメントコンクリート9を流し込
んだ。硬化のための養生工程を経て脱型することによ
り、図13に示すようなコア−シェル構造の複合化セメ
ントコンクリート製品(上部幅170mm、底部幅15
0mm、奥行き1000mm、高さ200mm)、即ち
図1〜3に示すような請求項1に係る本発明のコア−シ
ェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート
製品(歩車道ブロック)が得られた。
【0075】実施例2(請求項3に係る本発明の方法に
よる複合化セメントコンクリート製品の製造) 図14に示す、成形フィルムを真空吸引することが可能
な主型10(成形フィルム14を真空吸着する部分の上
部幅130mm、同底部幅150mm、同奥行き100
0mm、同高さ190mm)、図15に示す成形フィル
ム転移用雌型11(真空吸引可能、型内部の上部幅15
0mm、同底部幅130mm、同奥行き1000mm、
同高さ190mm)、図16に示す外郭成形用一次金属
型12(型内部の上部幅150mm、同底部幅130m
m、同奥行き1000mm、同高さ190mm)、図1
7に示すガイド金属型13(型内部の上部幅150m
m、同底部幅130mm、同奥行き1000mm、同高
さ190mm)を用い、図18〜26に示すようにし
て、複合化セメントコンクリート製品(歩車道ブロッ
ク)を製造した。
【0076】なお、レジンコンクリートとしては、ポリ
エステル樹脂15重量%、平均粒径5mm程度の乾燥小
砂利28.5重量%、平均粒径2mm程度の乾燥砂2
8.5重量%、充填材として炭酸カルシウムを28重量
%の割合で配合したものを用いた。また、骨材として
は、粒径5mmの乾燥小砂利50重量%に対し、粒径2
mmの乾燥砂を50重量%で配合したものを用いた。さ
らに、セメントコンクリートとしては、実施例1で用い
たと同じ組成のものを用いた。
【0077】フィルム加熱装置15により成形フィルム
(ポリビニルアルコール製、厚さ0.1mm)14を1
00〜170℃の温度で加熱しつつ(表面温度100〜
150℃)、主型10を−400〜−470mmHgの
条件で真空吸引して、図18、図19に示すように、前
記主型10に成形フィルム14を吸着した。次に、この
成形フィルム14が吸着されている主型10を反転させ
て、図20に示すように、前記成形フィルム転移用雌型
11上にセットし、前記成形フィルム転移用雌型11に
前記成形フィルム14を転移させた。このとき、主型1
0の吸引は解除し、その代わりに前記成形フィルム転移
用雌型11を−400〜−470mmHgの条件で真空
吸引した。次いで、図21に示すように、前記主型10
を取り除いた。このときも、前記成形フィルム転移用雌
型11の真空吸引は続行しておいた。
【0078】その後、前記成形フィルム転移用雌型11
内に、中子用の吸引パイプ16をセットした。次いで、
前記成形フィルム14との間隙に、骨材17を充填し、
さらに上面をシート(ポリビニルアルコール製、厚さ3
mm)18でシールした。このとき、前記成形フィルム
転移用雌型11の真空吸引は中止した。
【0079】このようにしてシールした後、前記中子用
の吸引パイプ16により、−400〜−470mmHg
の条件で真空吸引して中子とした。次に、得られた中子
19を前記成形フィルム転移用雌型11より取り出し、
取り出された中子19を前記外郭成形用一次金属型12
にセットし、次いで前記外郭成形用一次金属型12と中
子19との空隙に、図23に示すようにして、レジンコ
ンクリート20をゲル化、又はスラリー化した状態で流
し込んだ。このとき、前記中子用の吸引パイプ16によ
る真空吸引は続行しておいた。
【0080】すると、中子19の周囲を形成している前
記成形フィルム14やシート18が、レジンコンクリー
ト20を構成している樹脂により溶かされて消失し、こ
のとき中子19内部には骨材が充填されていることもあ
ってか、骨材がレジンコンクリート20に食い込み、固
着して内側に不規則な凹凸を造り出した。
【0081】さらに養生工程を経て脱型して、図24に
示すような、シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品(上部幅170mm、底部幅150
mm、厚さ8〜10mm、奥行き1000mm、高さ2
00mm)が得られた。このとき得られた成形品(外郭
成形品)は、図24に示すように、内側に不規則な凹凸
を有していた。なお、レジンコンクリートは、通常、金
型に流し込まれてから約30分程度で硬化した。
【0082】しかる後、図25に示すように、得られた
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品を、ガイド金属型13にセットし、前記外郭
成形品の内側空洞部に、即ち不規則な凹凸を有している
部分に、コアを構成するセメントコンクリート21を流
し込んだ。硬化のための養生工程を経て脱型することに
より、図26に示すようなコア−シェル構造の複合化セ
メントコンクリート製品(上部幅170mm、底部幅1
50mm、奥行き1000mm、高さ200mm)、即
ち図1〜3に示すような請求項1に係る本発明のコア−
シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリー
ト製品(歩車道ブロック)が得られた。
【0083】このようにして得られた複合化セメントコ
ンクリート製品(歩車道ブロック)は、実施例1で得ら
れるものと同様に、表面に不規則な凹凸を有している
(シェルを構成するレジンコンクリート層2からなる)
外郭成形品の内側空洞部に、コアを構成するセメントコ
ンクリート成形物1の成形材料であるセメントコンクリ
ート21を流し込んだものであるため、レジンコンクリ
ートとセメントコンクリートという異種・異質の材料同
士が強固に一体化された複合化セメントコンクリート製
品(歩車道ブロック)となっていた。
【0084】使用例1(耐候性試験) 実施例1で製造した複合化セメントコンクリート製品
(歩車道ブロック)について、冬季には融雪剤(塩化カ
ルシウム)が散布される試験路上(長野県須坂市)に3
年間にわたり設置し、塩害による凍結融解現象の有無を
調べたところ、全く塩害による凍結融解現象は見られな
かった。また、参考のために、レジンコンクリートで製
作した300mm×300mm×50mmの試験片10
枚を、冬季は融雪剤(塩化カルシウム)が散布される試
験路上に3年間にわたり放置し、表面からの破損具合
(深さ:mm)を調べた。10枚の試験片の平均値を図
37に示す。図37中、□−□で表わされているもので
ある。比較のために、土木用セメントコンクリートで同
様に製作した試験片5枚についての表面よりの破損具合
(深さ:mm)を調べた。結果を併せて図37に示す。
図37中、○−○で表わされているものである。図37
によれば、土木用セメントコンクリートで製作した試験
片は、表面からの破損が年を経る毎に増加し、3年後に
は著しい破損が見られたのに対して、レジンコンクリー
トで製作した試験片については、破損は全く認められな
かった。従って、図37によれば、コアを構成するセメ
ントコンクリート成形物の外側に、シェルとしてレジン
コンクリート層を被覆することにより、著しく耐候性が
向上することが窺える。
【0085】実施例3 テトラポッド製造用型として、図27、図28に示す如
き金型22〔4つの先端開口部A1、A2、A3、A4
(但し、図では先端開口部A4は作図上の理由から省略
した。)を有すると共に、真空吸引することが可能なも
のであり、さらに縦方向に2つに分割されているもの〕
を用い、図29〜図36に示すようにして、テトラポッ
ドを製造した。
【0086】まず金型22の一方の内部に、発泡体23
をセットした。発泡体23をセットするに際しては、図
29に示すように、レジンコンクリート充填用間隙24
を周囲に残した。発泡体23としては、最終製品形状と
略同様の外形を有すると共にレジンコンクリートに融
け、中空状でかつ先端が開口されたもの、具体的には発
泡スチロール(発泡ポリスチレン樹脂)からなるものを
用い、発泡倍率は、60倍であった。また、発泡体23
の厚さは、25mmとした。このような発泡体23とし
ては、予め4本の足に相当する部位の4つに分割された
ものを、1つに結合したものを用いた。
【0087】次いで、先端開口部A1、A2に、それぞ
れガイド蓋25を仮止めした。ガイド蓋25の仮止め
は、真空吸引用の各種部材を組合せながら行った。すな
わち、真空吸引するために、図29に示すように、金型
22の略中心部に継手26を設置し、この継手26に、
4本の真空吸引用パイプB1、B2、B3、B4(但
し、図では先端開口部A4を作図上の理由から省略した
ことから、これに対応する真空吸引用パイプB4も同様
に図では省略した。)を繋ぐようにしたものを用いた。
真空吸引用パイプB2、B3、B4の先端は、図30に
示すように、それぞれのガイド蓋25の内面に設けられ
ている、それぞれのパイプ押さえ29に嵌め込まれる形
で固定した。このようにして、真空吸引用の各種部材を
組合せながら、金型22の一方に他方を合わせて結合
し、さらにガイド蓋25の仮止めを行った。このように
して金型22内に、発泡体23をセットすると共に、真
空吸引用の各種部材を組合せ、ガイド蓋25の仮止めを
行った後、金型22の一方と他方、並びにこれらと前記
ガイド蓋25とを、ボルトなどの固定手段により、しっ
かりと固定一体化させた。
【0088】固定後、固定一体化された金型22を、倒
れたりすることのないように、固定台にセットしておい
た。このような状態で、まだガイド蓋25が一つだけ仮
止めされていない先端開口部、図29では最上部のA1
に、仮上蓋27を固定した。仮上蓋27の真中には、真
空吸引用パイプB1を接続する真空吸引口30が設けら
れており、さらにその中側(図29でいうと下側)に
は、これと一体化されたパイプ受け31が設けられてい
る。仮上蓋27には、真中に設けられている真空吸引口
30の周囲に、順次、骨材投入口32、レジンコンクリ
ート充填口33Aとが設けられている。また、符号33
Bは、下型22に設けたレジンコンクリート補助充填口
である。この仮上蓋27を固定する際に、継手26に真
空吸引用パイプB1を繋ぐようにした。この場合、継手
26に繋がれた真空吸引用パイプB1の一端を、仮上蓋
27の内面に設けられているパイプ受け31に差し込み
ながら、仮上蓋27を固定一体化された金型に固定し
た。真空吸引用パイプB1の先端は、上蓋27を介し
て、外部の吸引用ホース28に接続した。
【0089】次いで、仮上蓋27の骨材投入口32よ
り、骨材34を真空吸引しながら下型22内の発泡体2
3内部に充填した。骨材としては、実施例2で用いたと
同じものを用いた。骨材34を充填するにあたっては、
最初に継手26の位置まで真空吸引しながら充填し、一
呼吸おいた後に、仮上蓋27の骨材投入口32まで充填
した。骨材充填後、シート(図示しない)で前記骨材投
入口32をシールした。シートとしては、ポリビニルア
ルコール樹脂からなる厚さ0.1mm程度のものを用い
た。
【0090】上記のように骨材投入口32をシート(図
示しない)でシールし完全密封すると、真空吸引されて
いるため、発泡体23内部が負圧となった。さらに、真
空吸引を続け、発泡体23内部が−400mmHg程度
の負圧になったときに、レジンコンクリート充填口33
A及びレジンコンクリート補助充填口33Bよりレジン
コンクリート充填用間隙24に、ゲル化又はスラリー化
しているレジンコンクリート35を充填した。レジンコ
ンクリートとしては、実施例2で用いたと同じものを用
いた。レジンコンクリート35の充填が完了した時点で
真空吸引を止め、発泡体23内部(骨材が充填されてい
る部分)を常圧に戻した。
【0091】以上の作業を終了すると、その間に発泡体
23はレジンコンクリート35に融け、消失し、発泡体
23の内部に充填されている骨材34の少なくとも一部
がレジンコンクリート35内に入り込み、これによりレ
ジンコンクリート35の内側表面に不規則な凹凸が形成
した。この状態で養生し、レジンコンクリート35を硬
化させ、その表面に入り込んでいる骨材34を固着さ
せ、レジンコンクリート35の内側表面に不規則な凹凸
を形成させた後、先端開口部A2、A3、A4に仮止め
されているガイド蓋25を一旦取り外し、固着されてい
ない余分な骨材34を除去した。
【0092】充分に養生させた後、脱型すると、内側表
面に不規則な凹凸が形成された、シェルを構成するレジ
ンコンクリート中空成形品Cが得られた(図32参
照)。次いで、図33に示すように、得られたレジンコ
ンクリート中空成形品Cの中空部内にコアを構成するセ
メントコンクリート36を流し込むと共に、ガイド蓋2
5と仮上蓋27とを取り外したところに、レジンコンク
リート製の蓋を設けた。具体的には、内側表面に不規則
な凹凸が形成された、シェルを構成するレジンコンクリ
ート中空成形品Cの先端開口部A2、A3、A4に、新
しいガイド蓋25Aをボルト39などにより仮止めした
後、再度、骨材34をそれぞれ20〜30mmの厚さと
なる分だけ少量充填し、さらにその上に、シェルを構成
するレジンコンクリート中空成形品Cの先端開口部A1
から、レジンコンクリート中空成形品Cの中空部内に、
コアを構成するセメントコンクリート36を流し込ん
だ。この前後において、仮上蓋27を取り外しておい
た。レジンコンクリート中空成形品Cの中空部の上から
20〜30mmのところあたりまでセメントコンクリー
ト36を流し込んだところで、セメントコンクリート3
6の流し込みを止め、最後にレジンコンクリート35を
20〜30mm流し込んで蓋(レジンコンクリート製の
上蓋)とした(図35参照)。充分に養生後、ボルト3
9などにより仮止めされている新しいガイド蓋25Aを
それぞれ取り外し、レジンコンクリート中空成形品Cを
反転させ、その内部に少量充填されている骨材34を除
去した後、取り外したところに、レジンコンクリート3
5を所定量(底いっぱいまで)流し込み、それぞれ底蓋
37とした。充分に養生することにより、目的とするコ
ア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンク
リート製品(テトラポッド)が得られた。
【0093】
【発明の効果】請求項1に係る本発明のコア−シェル構
造の複合化セメントコンクリート製品は、耐候性に優れ
ていて、融雪剤による脆弱化のおそれがなく、しかも異
種・異質の材料同士が強固に一体化された複合化セメン
トコンクリート製品である。請求項1に係る本発明のコ
ア−シェル構造の複合化セメントコンクリート製品は、
耐久性や機械的強度も充分なものとなっている。従っ
て、請求項1に係る本発明のコア−シェル構造の複合化
セメントコンクリート製品は、歩車道ブロックや、U字
溝などの側溝用製品及びその蓋、さらにマンホール本体
やその蓋、消火栓の蓋などの土木用コンクリート製品と
して、特に寒冷地域・降雪地域において有効に使用する
ことができる。
【0094】次に、請求項2に係る本発明の方法によれ
ば、レジンコンクリートと成形後には消失する消失部材
とを巧みに組合せた方法により、上記した如きコア−シ
ェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリート
製品を極めて効率良く製造することができる。
【0095】さらに、請求項3に係る本発明の方法によ
れば、減圧型方法を応用すると共に、レジンコンクリー
ト、骨材、レジンコンクリートに融けるフィルムやシー
トとを巧みに組合せた方法により、上記した如きコア−
シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコンクリー
ト製品を極めて効率良く製造することができる。
【0096】さらに、請求項4に係る本発明の方法によ
れば、発泡体と真空吸引可能な金型とを巧みに組合せた
方法により、上記した如きコア−シェル構造の耐候性に
優れた複合化セメントコンクリート製品を極めて効率良
く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る本発明のコア−シェル構造の
耐候性に優れた複合化セメントコンクリート製品の一態
様を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す製品の断面構造を示す説明図であ
る。
【図3】 図1に示す製品の裏面の構造を示す説明図で
ある。
【図4】 図4の(a)は外郭成形用一次金属型の一態
様を示す平面図であり、図4の(b)は、その中央部横
断面図である。
【図5】 図5の(a)は、二次金属中型(中子用型)
の一態様を示す平面図であり、図5の(b)は、その中
央部横断面図である。
【図6】 図6の(a)は、中子の一態様を示す平面図
であり、図6の(b)は、その中央部横断面図である。
【図7】 図7の(a)は、ガイド金属型の一態様を示
す平面図であり、図7の(b)は、その中央部横断面図
である。
【図8】 中子5を二次金属中型4の周囲にセットし、
二次金属中型−中子セット物7とした状態を示す説明図
である。
【図9】 二次金属中型−中子セット物7を外郭成形用
一次金属型3内にセットした状態を示す説明図である。
【図10】 二次金属中型−中子セット物7と外郭成形
用一次金属型3との間にレジンコンクリート8をゲル
化、又はスラリー化した状態で流し込んでいる状態を示
す説明図である。
【図11】 シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品の一態様を示す説明図である。
【図12】 シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品を、ガイド金属型6にセットし、外
郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメントコンク
リート9を流し込んでいる状態を示す説明図である。
【図13】 コア−シェル構造の複合化セメントコンク
リート製品の一態様を示す説明図である。
【図14】 成形フィルムを真空吸引することが可能な
主型10の一態様を示す説明図である。
【図15】 成形フィルム転移用雌型11の一態様を示
す説明図である。
【図16】 外郭成形用一次金属型12の一態様を示す
説明図である。
【図17】 ガイド金属型13の一態様を示す説明図で
ある。
【図18】 主型10を真空吸引することにより、主型
10上の空間に置かれた成形フィルム14を前記主型1
0に吸着する様子を示す説明図である。
【図19】 成形フィルム14が吸着された主型10を
示す説明図である。
【図20】 成形フィルム14が吸着されている主型1
0を反転させて、成形フィルム転移用雌型11上にセッ
トし、成形フィルム転移用雌型11に成形フィルム14
を転移させた様子を示す説明図である。
【図21】 図20の状態から、主型10を取り除いた
状態を示す説明図である。
【図22】 中子用の吸引パイプ16により真空吸引し
ている状態を示す説明図である。
【図23】 外郭成形用一次金属型12と中子19との
空隙に、レジンコンクリート20を流し込んでいる状態
を示す説明図である。
【図24】 シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品の一態様を示す説明図である。
【図25】 シェルを構成するレジンコンクリート層2
からなる外郭成形品を、ガイド金属型13にセットし、
外郭成形品の内側空洞部にコアを構成するセメントコン
クリート21を流し込んでいる状態を示す説明図であ
る。
【図26】 コア−シェル構造の複合化セメントコンク
リート製品の一態様を示す説明図である。
【図27】 請求項4に係る本発明における金型22の
一態様を示す平面図である。
【図28】 図27の中央部縦断面図である。
【図29】 金型22内に発泡体23をセットした状態
を示す説明図である。
【図30】 図29における、先端開口部A2を拡大し
た状態を示す一部拡大説明図である。
【図31】 仮上蓋27の一態様を示す平面図である。
【図32】 レジンコンクリート中空成形品Cの一態様
を示す説明図である。
【図33】 レジンコンクリート中空成形品Cの中空部
内にコアを構成するセメントコンクリート36を流し込
んでいる状態を示す説明図である。
【図34】 レジンコンクリート製の底蓋の第1の設置
方法を示す説明図である。
【図35】 蓋(レジンコンクリート製の上蓋)を設置
する状態を示す説明図である。
【図36】 レジンコンクリート製の底蓋の第2の設置
方法を示す説明図である。
【図37】 使用例1において参考のために行った耐候
性試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セメントコンクリート成形物 2 レジンコンクリート層 3 外郭成形用一次金属型 4 二次金属中型(中子用型) 5 中子 6 ガイド金属型 7 二次金属中型−中子セット物 8 レジンコンクリート 9 セメントコンクリート 10 主型 11 成形フィルム転移用雌型 12 外郭成形用一次金属型 13 ガイド金属型 14 成形フィルム 15 フィルム加熱装置 16 中子用の吸引パイプ 17 骨材 18 シート 19 中子 20 レジンコンクリート 21 セメントコンクリート 22 金型 23 発泡体 24 レジンコンクリート充填用間隙 25,25A ガイド蓋 26 継手 27 上蓋 28 外部の吸引用ホース 29 パイプ押さえ 30 真空吸引口 31 パイプ受け 32 骨材投入口 33A レジンコンクリート充填口 33B レジンコンクリート補助充填口 34 骨材 35 レジンコンクリート 36 セメントコンクリート 37 底蓋 38 接着剤 39 ボルト A1、A2、A3、A4 先端開口部 B1、B2、B3、B4 真空吸引用パイプ C 中空成形品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畔上 達紀 長野県長野市若里1−18−1 長野県工業 試験場内 (72)発明者 水野 憲弘 長野県須坂市米持236−2 株式会社ミズ ノ内 (72)発明者 水野 啓子 長野県須坂市米持236−2 株式会社ミズ ノ内 (72)発明者 水野 見吾 長野県須坂市米持236−2 株式会社ミズ ノ内 (72)発明者 竹前 正義 長野県須坂市米持236−2 株式会社ミズ ノ内 (72)発明者 内田 廣子 長野県長野市上松5−7−21−1006 Fターム(参考) 4G052 AB18 AB24 AB30 AC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアを構成するセメントコンクリート成
    形物の外側に、成形後には消失する消失部材を介して、
    シェルを構成するレジンコンクリート層が被覆一体化さ
    れてなる、コア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セ
    メントコンクリート製品。
  2. 【請求項2】 コア−シェル構造の耐候性に優れた複合
    化セメントコンクリート製品を製造するにあたり、外郭
    成形用一次金属型と二次金属中型と中子とガイド金属型
    とを用い、前記中子として成形後には消失する消失部材
    を用いると共に、前記中子を二次金属中型の周囲にセッ
    トし、この二次金属中型−中子セット物を外郭成形用一
    次金属型内にセットした後、さらにこの二次金属中型−
    中子セット物と外郭成形用一次金属型との間にレジンコ
    ンクリートを流し込み、次いで養生工程を経て脱型し
    て、シェルを構成するレジンコンクリート層からなる外
    郭成形品を得、しかる後、得られた外郭成形品をガイド
    金属型にセットし、前記外郭成形品の内側空洞部にコア
    を構成するセメントコンクリートを流し込んだ後、養生
    工程を経て脱型することを特徴とする、請求項1記載の
    コア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セメントコン
    クリート製品を製造する方法。
  3. 【請求項3】 コア−シェル構造の耐候性に優れた複合
    化セメントコンクリート製品を製造するにあたり、製造
    用型として、レジンコンクリートに融ける成形フィルム
    を真空吸引することが可能な主型と、成形フィルム転移
    用雌型と、外郭成形用一次金属型と、ガイド金属型とを
    用い、前記主型を真空吸引することにより、前記主型上
    の空間に置かれた成形フィルムを前記主型に吸着し、次
    いでこの成形フィルムが吸着された主型を反転させて前
    記成形フィルム転移用雌型上にセットし、前記成形フィ
    ルム転移用雌型に前記成形フィルムを転移させ、次いで
    前記主型を取り除いた後、前記成形フィルム転移用雌型
    内に、中子用の吸引パイプをセットし、次いで前記成形
    フィルムとの間隙に、骨材を充填し、さらに上面をレジ
    ンコンクリートに融けるシートでシールした後、前記中
    子用の吸引パイプにより真空吸引して中子とし、得られ
    た中子を前記成形フィルム転移用雌型より取り出し、取
    り出された中子を前記外郭成形用一次金属型にセット
    し、次いで前記外郭成形用一次金属型と中子との空隙
    に、レジンコンクリートを流し込み、さらに養生工程を
    経て脱型して、シェルを構成するレジンコンクリート層
    からなる外郭成形品を得、しかる後、得られた外郭成形
    品をガイド金属型にセットし、前記外郭成形品の内側空
    洞部にコアを構成するセメントコンクリートを流し込ん
    だ後、養生工程を経て脱型することを特徴とする、請求
    項1記載のコア−シェル構造の耐候性に優れた複合化セ
    メントコンクリート製品を製造する方法。
  4. 【請求項4】 コア−シェル構造の耐候性に優れた複合
    化セメントコンクリート製品を製造するにあたり、製造
    用型として、少なくとも2つの先端開口部を有すると共
    に、真空吸引することが可能な金型を用い、前記金型内
    に、レジンコンクリート充填用間隙を周囲に残しつつ、
    最終製品形状と略同様の外形を有すると共にレジンコン
    クリートに融け、中空状でかつ先端が開口された発泡体
    をセットし、次いで、前記金型における一方を除く先端
    開口部にガイド蓋を仮止めした後、前記ガイド蓋を仮止
    めされていない開口部に、骨材投入口と真空吸引口とレ
    ジンコンクリート充填口とを有する上蓋を固定し、次い
    で、この上蓋の骨材投入口より骨材を真空吸引しながら
    前記発泡体内部に充填した後、シートで前記骨材投入口
    をシールし、しかる後、前記レジンコンクリート充填口
    より前記レジンコンクリート充填用間隙にレジンコンク
    リートを充填し、充填が完了した時点で真空吸引を止め
    ることにより、前記骨材の少なくとも一部を前記レジン
    コンクリート内に入り込ませて前記レジンコンクリート
    の内側表面に不規則な凹凸を形成させた後、余分な骨材
    を除去し、養生させた後脱型して、内側表面に不規則な
    凹凸が形成された、シェルを構成するレジンコンクリー
    ト中空成形品を得、次いで、このレジンコンクリート中
    空成形品の中空部内にコアを構成するセメントコンクリ
    ートを流し込むと共に、前記ガイド蓋と前記上蓋とを取
    り外したところに、レジンコンクリート製の蓋を設ける
    ことを特徴とする請求項1記載のコア−シェル構造の耐
    候性に優れた複合化セメントコンクリート製品を製造す
    る方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018058247A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 藤野 勲次 レジンコンクリート用の型枠及びレジンコンクリート製品の製造方法

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