JP2002248554A - 鋼の連続鋳造鋳片およびその鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造鋳片およびその鋳造方法

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JP2002248554A JP2001046259A JP2001046259A JP2002248554A JP 2002248554 A JP2002248554 A JP 2002248554A JP 2001046259 A JP2001046259 A JP 2001046259A JP 2001046259 A JP2001046259 A JP 2001046259A JP 2002248554 A JP2002248554 A JP 2002248554A
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Yoshinori Tanizawa
好徳 谷澤
Seiji Kumakura
誠治 熊倉
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳片の全幅および全長にわたって、中心偏析の
少ない鋼の連続鋳造鋳片およびその鋳片の鋳造方法の提
供。 【解決手段】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた
後、内部が凝固完了するまでの間で圧下ロール対を用い
て圧下した横断面形状が長方形の連続鋳造鋳片であっ
て、圧下した後の鋳片の横断面における最大の厚さと最
小の厚さの差が、鋳片の両側短辺部の平均厚さの4%以
下である鋳片。バルジングさせた後、内部が凝固完了す
るまでの間でバルジングさせた鋳片を1対以上の圧下ロ
ール対によりバルジング量以下の圧下量で圧下する際
に、1対の圧下ロール対当たり、圧下ロール対位置での
溶鋼静鉄圧の1.5倍〜10倍の圧下力で圧下する方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造鋳片
およびその鋳片の鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造法によって得られる鋳片の
厚さ中心部には、中心偏析と呼ばれる内部欠陥が発生す
る場合がある。この中心偏析は、鋳片の最終凝固部に
C、S、P、Mnなどの偏析成分が濃化して現れるもの
であり、製品である厚板の靱性の低下や、厚板から曲げ
加工後溶接して製造される大径鋼管の水素誘起割れを引
き起こす原因となることが知られている。
【0003】中心偏析の生成機構は、次のように考えら
れている。すなわち、凝固が進み、凝固組織の一つであ
るデンドライト樹間に偏析成分が濃化し、この濃化溶鋼
が、凝固時の鋳片の収縮またはバルジングと呼ばれる鋳
片のふくれなどにより、デンドライト樹間より流出し、
最終凝固部の凝固完了点に向かって流動し、そのまま凝
固して成分濃化帯を形成する。この成分濃化帯が中心偏
析である。
【0004】中心偏析の防止対策として、デンドライト
樹間に残った偏析成分の濃化した溶鋼の移動を防止する
ことと、これら濃化溶鋼の局所的な集積を防ぐことが有
効であり、次のような方法が提案されている。
【0005】その1つに、圧下ロール群による軽圧下法
があるが、凝固収縮量を若干上回る程度の軽圧下では、
中心偏析の改善効果に限界がある。
【0006】中心偏析を効果的に改善するには、圧下ロ
ール対で大きな圧下を加える方法があるが、凝固が完了
した鋳片の幅方向の両端短辺部も圧下することになるの
で、大きな圧下力が必要である。大きな圧下力をかける
と、ロールを支える支持枠に撓みが発生し、充分な圧下
効果が得られない。また、ロールが曲がったり、折損し
たり等の設備上の事故により、操業が困難になる場合が
ある。
【0007】特開平9−57410号公報および特開平
9−206903号公報には、未凝固部を含む鋳片をバ
ルジングさせ、最終凝固部の鋳造方向の上流側で、バル
ジング量相当分を圧下ロール対を用いて圧下する方法が
提案されている。この方法によれば、凝固が完了した鋳
片の両端短辺部を圧下することがなく、ロールによる圧
下力が、鋳片の圧下にのみ働くので、中心偏析の改善効
果が期待できる。
【0008】しかし、上記の特開平9−57410号公
報および特開平9−206903号公報の方法でも、鋳
造方向の全長、鋳片の全幅にわたって中心偏析を安定し
て軽減することが困難な場合がある。未凝固部を含む鋳
片の圧下効果は、まさに鋳片の最終凝固部を圧下するこ
とにより得られる。しかし、最終凝固部の鋳片の鋳造方
向での位置は操業中に変化する。また、未凝固部先端の
形状が平坦でなくなることが多い。一方、圧下ロール対
による鋳片の圧下の場合には、鋳造方向に直角な線状で
の圧下となる。したがって、ロールによる単なる圧下で
は、適正な位置である最終凝固部を圧下することが困難
な場合がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳片の全幅
および鋳造方向の全長にわたって、中心偏析の少ない鋼
の連続鋳造鋳片およびそのような中心偏析の少ない鋳片
を安定して確実に得ることができる鋳造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記の
(1)に示す鋼の連続鋳造鋳片および(2)に示すその
鋳片の鋳造方法にある。 (1)未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部
が凝固完了するまでの間で圧下ロール対を用いて圧下し
た横断面形状が長方形の連続鋳造鋳片であって、圧下し
た後の鋳片の横断面における最大の厚さと最小の厚さの
差が、鋳片の両側短辺部の平均厚さの4%以下である鋼
の連続鋳造鋳片である。 (2)未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内部
が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳片を、1
対以上の圧下ロール対によりバルジング量以下の圧下量
で圧下する際に、1対の圧下ロール対当たり、圧下ロー
ル対位置での溶鋼静鉄圧の1.5倍〜10倍の圧下力で
圧下する上記(1)に記載の鋼の連続鋳造鋳片の鋳造方
法である。
【0011】本発明で規定する「バルジング量以下の圧
下量で圧下」とは、未凝固部を含む鋳片をバルジングさ
せると、鋳片の幅中央部が最も厚さが厚くなるが、この
幅中央部がバルジングしたときの厚さから鋳片の両側短
辺部の厚さを引いた厚さ以下の圧下量で圧下することを
意味する。
【0012】つぎに、本発明で規定する「圧下した後の
鋳片の横断面における最大の厚さと最小の厚さの差」を
説明する。
【0013】図2は、未凝固部を含む鋳片をバルジング
させた後、内部が凝固完了するまでに圧下ロール対を用
いて圧下した長方形の鋳片の横断面の代表例を示す模式
図である。未凝固部を含む鋳片をバルジングさせる際
に、内部まで既に凝固完了している鋳片の両端短辺部は
バルジングしない。また、バルジングさせた後にロール
により鋳片を圧下しても、連続鋳造機に配置する通常の
圧下ロール対では、これら両側短辺部を圧下することは
困難である。したがって、これら短辺部の厚さは、凝固
収縮代を無視すると、鋳型出口の鋳片の厚さにほぼ等し
い。
【0014】また、未凝固部を含む鋳片をバルジングさ
せた際、鋳片幅中央部が最もバルジングし、このような
バルジングした鋳片を圧下ロール対を用いて圧下する
と、図中の符号a1とa2を結ぶ部分の厚さ、および符
号b1とb2を結ぶ部分の厚さが短辺部の厚さ、すなわ
ち符号d1とd2を結ぶ部分の厚さ、および符号d3と
d4を結ぶ部分の厚さよりも薄くなりやすい。バルジン
グした鋳片の幅中央部近傍が圧下される際に、短辺部近
傍の未凝固部を含む部分の凝固殻に圧下する力が作用す
るためである。
【0015】図中に符号c1とc2を結ぶ部分である幅
中央部近傍の圧下後の鋳片の厚さは、圧下する直前のバ
ルジングさせた鋳片厚さから、圧下厚さを引いた厚さと
なる。圧下量はバルジング量以下とするので、符号c1
とc2を結ぶ部分である幅中央部近傍の圧下後の鋳片の
厚さは、バルジングしなくて、かつ圧下されない鋳片の
両側短辺部の厚さと同じか、その厚さよりも厚くなる。
【0016】つまり、バルジングし、その後圧下された
鋳片の最大の厚さは、図中に符号c1とc2を結ぶ部分
である幅中央部近傍の鋳片の厚さであり、また最小の厚
さは、図中の符号a1とa2を結ぶ部分の厚さ、または
符号b1とb2を結ぶ部分の厚さとなる。
【0017】本発明者らは、C含有率が0.15〜0.
20質量%の鋼を、厚さ240mm、幅2300mmの
鋳片に鋳造し、種々の条件で鋳片をバルジングさせ、そ
の後圧下ロール対を用いて鋳片を圧下する試験を行っ
た。圧下する時期を鋳片の内部が凝固完了するまでと
し、圧下した後の鋳片の横断面における最大の厚さと最
小の厚さの差を、鋳片の両側短辺部の平均厚さの4%以
下とすることにより、たとえ最終凝固部近傍の上流側の
未凝固部先端の形状が平坦でない場合でも、鋳片の幅方
向の最終凝固部近傍が均一に、かつ効果的に圧下される
ことがわかった。したがって、圧下後の鋳片の最大の厚
さと最小の厚さの差を両側短辺部の平均厚さの4%以下
とすることにより、鋳片の全幅および鋳造方向の全長に
わたって、中心偏析の少ない鋳片を得ることができるこ
とがわかった。
【0018】本発明の方法では、バルジングさせた後、
内部が凝固完了するまでの間で、1対以上の圧下ロール
対によりバルジング量以下の圧下量で圧下する際に、1
対の圧下ロール対当たり、圧下ロール対位置での溶鋼静
鉄圧の1.5倍〜10倍の圧下力で圧下する。このよう
な圧下力の条件で鋳片を圧下することにより、上述する
鋳片厚さの条件を満たす本発明の鋳片を得ることができ
る。さらに、詳しく説明すると、つぎのとおりである。
【0019】バルジングさせた後に鋳片を圧下するの
で、鋳片の両端短辺部を圧下することがなく、厚さ中心
部を効率よく圧下でき、最終凝固部近傍にある偏析成分
の濃化した溶鋼を効果的に鋳造方向の上流側に排出でき
る。さらに、1対の圧下ロール対当たり、圧下ロール対
位置での溶鋼静鉄圧の1.5〜10倍の適正な圧下力で
鋳片を圧下するので、鋳片の幅方向を均一に効果的に圧
下でき、全幅方向の最終凝固部近傍に存在する濃化溶鋼
を効果的に鋳造方向の上流側に排出できる。
【0020】したがって、上述の適正な圧下力で鋳片を
全長にわたって圧下することにより、鋳片の全幅および
鋳造方向の全長にわたって、中心偏析の少ない鋳片を安
定して確実に得ることができる。
【0021】また、上述の適正な圧下力で鋳片を圧下す
るので、鋳片の厚さが幅方向で均一に圧下でき、圧下し
た後の鋳片の横断面における最大の厚さと最小の厚さの
差を、上述する鋳片の両側短辺部の平均厚さの4%以下
とすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の鋳片は、未凝固部を含む
鋳片をバルジングさせた後、内部が凝固完了するまでの
間で圧下ロール対を用いて圧下した横断面形状が長方形
の連続鋳造鋳片であって、圧下した後の鋳片の横断面に
おける最大の厚さと最小の厚さの差が、鋳片の両側短辺
部の平均厚さの4%以下である鋳片である。
【0023】横断面形状が長方形の鋳片を対象とするの
は、中心偏析が問題となる厚板などの製品鋼材の熱間圧
延用素材として、一般的に長方形の鋳片が用いられるか
らである。
【0024】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせ、そ
の後、内部が凝固完了するまでに圧下ロール対を用いて
鋳片を圧下するのは、鋳片の両端の短辺部を圧下するこ
とがないので、鋳片の幅方向で厚さ中心部を、均一に、
かつ効果的に圧下できるためである。
【0025】圧下後の鋳片の最大の厚さと最小の厚さの
差を鋳片短辺部の厚さの4%以下とした鋳片とするの
は、このような厚さの差とすることにより、前述のとお
り、たとえ最終凝固部近傍の未凝固部先端の形状が平坦
でない場合でも、鋳片の厚さが幅方向で均一に、かつ効
果的に圧下でき、鋳片の全幅にわたって、中心偏析の少
ない鋳片を得ることができるからである。この厚さの差
が鋳片短辺部の厚さの4%を超えて大きいと、鋳片の幅
方向で部分的に圧下効果が小さく、幅方向で部分的に中
心偏析が発生する。
【0026】さらに、圧下後の鋳片の最大の厚さと最小
の厚さの差を鋳片短辺部の厚さの4%以下とするので、
平坦度のよい鋳片が得られ、たとえば、このような鋳片
を素材として圧延した厚板の平坦度は良好である。
【0027】図1は、本発明の方法を実施する場合の連
続鋳造装置の例を示す模式図である。この例では、浸漬
ノズル8から鋳型1内に流れ出る溶鋼7の吐出流に、そ
の流速を減じるように、電磁ブレーキ9により電磁力を
付与している。鋳型から引き抜かれた鋳片2は、冷却水
によって冷却されるので、凝固殻2aの厚さが増してい
く。さらに鋳片はガイドロール対3および圧下ロール対
5を経てピンチロール6により引き抜かれる。また、こ
の例では、未凝固部2bを含む鋳片の領域に電磁撹拌装
置4を配置する例を示す。
【0028】本発明の方法では、バルジングさせた後、
内部が凝固完了するまでの間で、1対以上の圧下ロール
対によりバルジング量以下の圧下量で圧下する際に、1
対の圧下ロール対当たり、圧下ロール対位置での溶鋼静
鉄圧の1.5倍〜10倍の圧下力で圧下する。
【0029】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせる、
図1中にバルジングゾーンと記す鋳片の領域では、ガイ
ドロール3の鋳片厚さ方向の間隔は、鋳型出側以降から
圧下ロール対5の直前までの間において、引き抜き方向
に段階的に増加するように配置するのがよい。
【0030】鋳片を圧下するに際し、バルジング量以下
の圧下量で圧下するのは、鋳片の両側短辺部を圧下しな
いためである。鋳片の両側短辺部を圧下できる圧下ロー
ル対を、連続鋳造機内に配置するのは、通常、困難なた
めである。
【0031】バルジング量以下の圧下量で圧下する場合
に、バルジングさせた厚さ相当の50%以上の厚さを圧
下するのが望ましい。50%未満では、圧下量が少な
く、鋳片の幅方向で部分的に中心偏析が発生する場合が
ある。
【0032】圧下ロール対の数は、1対以上とする。圧
下の効果を発揮するためには、最終凝固部近傍を圧下す
ればよく、その最終凝固部近傍の鋳造方向の長さは2〜
3m程度であるので、圧下ロール対の数の上限は10対
であればよい。
【0033】1対の圧下ロール対当たり、圧下ロール位
置での溶鋼静鉄圧の1.5倍以上の圧下力で圧下するの
で、鋳片の幅方向および鋳造方向の全長にわたって、安
定して確実に中心偏析の発生を防止できる。鋳片の未凝
固部分の厚さは、幅方向で必ずしも同じではないので、
溶鋼静鉄圧の1.5倍未満の圧下力では、圧下位置での
未凝固部分の厚さが鋳片の幅方向に不均一な場合、未凝
固厚さの薄い部分では、鋳片が圧下されにくく、部分的
に中心偏析が発生する。一方、溶鋼静鉄圧の10倍を超
える圧下力では、ロールの折損、ロール用のベアリング
の破損などの事故が発生しやすい。
【0034】複数対の圧下ロール対で鋳片を圧下する際
には、それぞれの圧下ロール対ごとに、圧下ロール位置
での溶鋼静鉄圧の1.5倍〜10倍の圧下力となる条件
で鋳片を圧下する。
【0035】図1に示すように、鋳型内の溶鋼の吐出流
の流速を減じるための電磁ブレーキを、また、未凝固部
の溶鋼を攪拌するための電磁撹拌装置をそれぞれ配置す
るのが望ましい。その際、電磁ブレーキおよび電磁撹拌
装置は、通常用いられている装置でよい。
【0036】電磁ブレーキを用いると、最終凝固部の幅
方向での形状が均一、すなわち、未凝固部先端の形状が
平坦になりやすいので、圧下ロール対による鋳片厚さ中
心部の圧下効果がより大きくなる。
【0037】また、電磁撹拌装置を用いると、未凝固部
の溶鋼が撹拌され、凝固組織が等軸晶となりやすい。等
軸晶化することにより、鋳片の圧下の際に、濃化溶鋼の
排出が起こりやすくなる。電磁撹拌を加える場合、鋳片
の大きさにもよるが、周波数は1.0〜3.0Hz 程
度、電流値は400〜900A程度とするのがよい。
【0038】その他、凝固組織を等軸晶化する方法とし
て、ガイドロール対または圧下ロール対を介して、鋳片
の未凝固部に超音波を印加する方法でもよいし、操業面
からの簡便性を配慮して、低温鋳造、鋳型内の溶鋼中へ
の鋼線添加などの方法でもよい。
【0039】図1では、垂直型連続鋳造機を示している
が、垂直曲げ型、湾曲型などの連続鋳造機にも本発明の
方法を適用できる。
【0040】
【実施例】図1に示す装置構成で、垂直曲げ型の連続鋳
造装置を用いて、通常の厚板用に用いられる鋼で、表1
に示す化学組成の鋼の鋳造試験を行った。鋳片サイズ
は、厚さ240mm、幅2300mmとし、鋳造速度
1.2m/分で鋳造した。タンデイッシュ内の溶鋼の過
熱度は通常の20〜40℃とし、鋳片の二次冷却の比水
量は1.3〜1.9リットル/kg−鋼の範囲とし、1
ヒート約250tの溶鋼を連続して3ヒート鋳造した。
【0041】
【表1】 未凝固部の溶鋼を攪拌するための電磁撹拌装置を、メニ
スカスから9.3mの位置に設置した。未凝固部の溶鋼
を電磁撹拌する際、周波数は1.0〜2.0Hz、電流
値は900A程度とした。なお、吐出流の速度制御のた
めの電磁ブレーキは設けなかった。
【0042】未凝固部を含む鋳片のバルジング量は20
mmとし、その後、1対の圧下ロール対を用いて、鋳片
の内部が凝固完了するまでに、バルジング相当量または
それ以下の厚さを圧下した。 圧下ロール対のロールの
直径は450mmで、溶鋼のメニスカスから21mの位
置に圧下ロール対を配置した。
【0043】鋳造方向で長さ50mmの代表的な鋳片の
横断面サンプルを採取した。このサンプルの鋳片幅方向
に100mm間隔で、鋳片の厚さ中心部の20カ所か
ら、直径3mmのドリル刃により切り削を採取してCを
分析し、その平均値を求めた。その平均のC値をレード
ル値C で除した比C/C で鋳片の中心偏析の発
生状況を評価した。
【0044】また、得られた代表的な鋳片を素材とし
て、厚さ30mmの厚板に熱間圧延し、厚板製品の平坦
度不良率を調査した。試験条件および試験結果を表2に
示す。
【0045】
【表2】 本発明例の試験No.1では、二次冷却の比水量を1.
5リットル/kg−鋼とし、バルジング後の鋳片幅中央
部の圧下量を18mmとして試験した。また、圧下力は
圧下ロール位置での溶鋼静鉄圧の2.0倍である138
tonになる条件で圧下した。この圧下時期、圧下量お
よび圧下力は、本発明の方法で規定する条件の範囲内で
ある。
【0046】この試験No.1では、圧下後の鋳片の横
断面における最大の厚さと最小の厚さの差は、鋳片短辺
部の厚さの1.3%となった。この最大の厚さと最小の
厚さの差は、本発明の鋳片で規定する条件の範囲内であ
る。すなわち、本発明で規定する鋳片が得られた。鋳片
厚さ中心部のCの中心偏析度である比C/C は1.
1で、中心偏析は少なく、良好な鋳片が得られた。ま
た、この鋳片を熱間圧延した厚板製品の平坦度不良率は
0.2%で、良好な平坦度の厚板が得られた。
【0047】本発明例の試験No.2では、二次冷却の
比水量を1.4リットル/kg−鋼とし、バルジング後
の鋳片幅中央部の圧下量を20mmとして試験した。ま
た、圧下力は圧下ロール位置での溶鋼静鉄圧の2.8倍
である194tonになる条件で圧下した。この圧下時
期、圧下量および圧下力は、本発明の方法で規定する条
件の範囲内である。
【0048】この試験No.2では、圧下後の鋳片の横
断面における最大の厚さと最小の厚さの差は、鋳片短辺
部の厚さの0.2%で、本発明で規定する鋳片が得られ
た。また、鋳片厚さ中心部のCの中心偏析度である比C
/C は1.05で、中心偏析はほとんど発生しなか
った。また、この鋳片を熱間圧延した厚板製品の平坦度
不良率は0.1%で、鋳片および厚板製品ともに、試験
No.1より良好な結果となった。
【0049】本発明例の試験No.3では、二次冷却の
比水量を1.3リットル/kg−鋼とし、バルジング後
の鋳片幅中央部の圧下量を18mmとして試験した。ま
た、圧下力は圧下ロール位置での溶鋼静鉄圧の2.3倍
である159tonになる条件で圧下した。この圧下時
期、圧下量および圧下力は、本発明の方法で規定する条
件の範囲内である。
【0050】この試験No.3では、圧下後の鋳片の横
断面における最大の厚さと最小の厚さの差は、鋳片短辺
部の厚さの2.5%で、本発明で規定する鋳片が得られ
た。また、鋳片厚さ中心部のCの中心偏析度である比C
/C は1.1で、中心偏析は少なく、良好な鋳片が
得られた。また、この鋳片を熱間圧延した厚板製品の平
坦度不良率は0.3%で、鋳片および厚板製品ともに、
良好な結果となった。
【0051】比較例の試験No.4では、二次冷却の比
水量を1.9リットル/kg−鋼とし、バルジング後の
鋳片幅中央部の圧下量を9mmとして試験した。また、
圧下力は圧下ロール位置での溶鋼静鉄圧の1.2倍であ
る82tonになる条件で圧下した。この圧下力は、本
発明の方法で規定する条件を外れて低い圧下力である。
【0052】この試験No.4では、圧下後の鋳片の横
断面における最大の厚さと最小の厚さの差は、鋳片短辺
部の厚さの5.4%となった。この最大の厚さと最小の
厚さの差は、本発明の鋳片で規定する条件を外れた大き
な差であった。鋳片厚さ中心部のCの中心偏析度である
比C/C は1.4で、中心偏析が著しく発生した。
また、この鋳片を熱間圧延した厚板製品の平坦度不良率
は3.2%で、平坦度の悪い厚板であった。
【0053】比較例の試験No.5では、二次冷却の比
水量を1.6リットル/kg−鋼とし、バルジング後の
鋳片幅中央部の圧下量を13mmとして試験した。ま
た、圧下力は圧下ロール位置での溶鋼静鉄圧の1.4倍
である96tonになる条件で圧下した。この圧下力
は、本発明の方法で規定する条件を外れて低い値であ
る。
【0054】この試験No.5では、圧下後の鋳片の横
断面における最大の厚さと最小の厚さの差は、鋳片短辺
部の厚さの4.2%となった。この最大の厚さと最小の
厚さの差は、本発明の鋳片で規定する条件を外れた値で
あった。鋳片厚さ中心部のCの中心偏析度である比C/
は1.3で、中心偏析が発生した。また、この鋳
片を熱間圧延した厚板製品の平坦度不良率は2.3%
で、平坦度の悪い厚板であった。
【0055】
【発明の効果】本発明の鋳片は、鋳片の全幅および全長
にわたって、中心偏析の少ない連続鋳造鋳片であり、本
発明の方法の適用により、このような中心偏析の少ない
本発明の鋳片を得ることができる。本発明の鋳片を素材
として熱間圧延した製品、たとえば、厚板製品では、平
坦度のよい厚板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する場合の連続鋳造装置の
例を示す模式図である。
【図2】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた後、内
部が凝固完了するまでに圧下ロール対を用いて圧下した
長方形の鋳片の横断面の代表例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:鋳型 2:鋳片 2a:凝固殻
2b:未凝固部 3:ガイドロール対 4:電磁撹拌装置 5:圧下ロール対 6:ピンチロール 7:溶鋼 8:浸漬ノズル 9:電磁ブレーキ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた
    後、内部が凝固完了するまでの間で圧下ロール対を用い
    て圧下した横断面形状が長方形の連続鋳造鋳片であっ
    て、圧下した後の鋳片の横断面における最大の厚さと最
    小の厚さの差が、鋳片の両側短辺部の平均厚さの4%以
    下であることを特徴とする鋼の連続鋳造鋳片。
  2. 【請求項2】未凝固部を含む鋳片をバルジングさせた
    後、内部が凝固完了するまでの間でバルジングさせた鋳
    片を、1対以上の圧下ロール対によりバルジング量以下
    の圧下量で圧下する際に、1対の圧下ロール対当たり、
    圧下ロール対位置での溶鋼静鉄圧の1.5倍〜10倍の
    圧下力で圧下することを特徴とする請求項1に記載の鋼
    の連続鋳造鋳片の鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011121063A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Jfe Steel Corp 軽圧下連続鋳造方法

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