JP2002248456A - 基板からのフィルム分離方法 - Google Patents

基板からのフィルム分離方法

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JP2002248456A
JP2002248456A JP2001052705A JP2001052705A JP2002248456A JP 2002248456 A JP2002248456 A JP 2002248456A JP 2001052705 A JP2001052705 A JP 2001052705A JP 2001052705 A JP2001052705 A JP 2001052705A JP 2002248456 A JP2002248456 A JP 2002248456A
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liquid
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Toyohisa Fujita
豊久 藤田
Saburo Yamagata
三郎 山縣
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な方法で液晶パネルからの樹脂フィルム
の分離が可能であると同時に、樹脂フィルムのリサイク
ルにも好適な基板からの樹脂フィルム分離方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の基板からの樹脂フィルム分離方
法は、例えば電気破砕を用いて一対の基板を個々の基板
に分割し、液晶が付着した基板を液体中に浸漬させて液
晶を液体中に溶出もしくは分散させ、液晶と基板とを分
離した後、樹脂フィルムが貼付された基板を水中で煮沸
することによって樹脂フィルムを剥離させ、樹脂フィル
ムと基板とを分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば廃棄された
液晶パネルからの材料回収、液晶パネルの製造ラインに
おける再生処理などの分野で用いられる技術であり、液
晶パネルを構成する樹脂フィルムが貼付された基板から
樹脂フィルムを分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコン等の情報処理装置、携帯
電話、携帯情報端末等の携帯用電子機器、家庭用電化製
品等においても液晶表示装置が多く用いられている。図
3〜図5はこの種の液晶表示装置の一例を示す図であっ
て、特に透過型カラー液晶パネルの一例を示している。
図3は全体の概略構成図、図4は図3のA−A線に沿う
断面図、図5は図4の要部の拡大図である。
【0003】この液晶パネル10は、図3に示すよう
に、対向配置された一対の基板11,12の外面側に樹
脂フィルムからなる偏光板13,14が貼付されてい
る。また、図4に示すように、一対の基板11,12の
各々の内面(互いに対向する面)側には、インジウム錫
酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと略記する)
からなる透明電極15,16が形成され、さらにその上
にポリイミド等の樹脂からなる配向層17,18が形成
されている。これら一対の基板11,12はスペーサ1
9が介在した状態で接着剤20により貼り合わされ、一
対の基板11,12と接着剤20で囲まれた空間内に液
晶21が封入されている。
【0004】より詳細には、図5に示すように、バック
ライトが配置される側の一方の基板11の内面に画素電
極(透明電極15)が形成され、その上に配向層17が
形成されている。また、他方の基板12の内面には画素
間を遮光するブラックマトリクス22とR(赤)、G
(緑)、B(青)の各色からなるカラーフィルター23
とが形成され、オーバーコート層24で平坦化された上
に共通電極(透明電極16)、配向層18が順次形成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液晶表示装
置の用途の拡大に伴い、液晶パネルの製造工場から廃棄
される液晶パネルや、市場で廃棄された電子機器、電化
製品に用いられていた液晶パネルの廃棄量の増加が社会
的な問題となっている。しかしながら、現在、これらの
廃液晶パネルはそのまま埋め立てるか、もしくは焼却後
に埋め立てるのみであり、資源の有効活用、処分場の不
足といった観点から対応が十分であるとは言い難かっ
た。
【0006】そこで、廃液晶パネルの処理方法として、
例えば加熱した固体熱媒体を流動させた流動層内に廃液
晶パネルを投入することによってフィルタ、偏光板等の
樹脂類を分解除去し、ガラス基板を回収する方法が提案
されている(特開2000−51829公報参照)。ま
た、廃液晶パネルをそのまま剪断破砕してガラスカレッ
トとした後、高温の非鉄製錬炉内で分解する方法が提案
されている(特開2000−84531公報参照)。と
ころが、これらの方法では偏光板等の樹脂類、液晶が分
解され、さらに後者の技術ではガラス基板が珪石代替と
して使用されるため、これらの材料を素材として再利用
する観点からはあまり適切な方法ではなかった。また、
これらの方法は高温処理を用いたものであり、大規模な
処理設備が必要であるため、より簡便な処理方法が求め
られている。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、簡便な方法で液晶パネルを構成す
る基板からの樹脂フィルムの分離が可能であると同時
に、特に樹脂フィルムのリサイクルにも好適な基板から
のフィルム分離方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の基板からのフィルム分離方法は、液晶パ
ネルを構成する樹脂フィルムが貼付された基板から樹脂
フィルムを分離する方法であって、樹脂フィルムが貼付
された基板を液体中で煮沸することによって樹脂フィル
ムを剥離させ、樹脂フィルムと基板とを分離することを
特徴とする。ここで言う「樹脂フィルム」とは、例えば
偏光板、位相差板として用いられるものである。
【0009】本発明の方法の実施対象となる基板の形態
としては、例えば、任意の方法を用いて廃液晶パネルを
個々の基板に分割した後、任意の方法を用いて液晶と基
板とを分離し、一面に樹脂フィルムが貼付された1枚の
基板の状態としたもの、もしくは樹脂フィルムが貼付さ
れた一対の基板のままの状態のもの、もしくは液晶パネ
ルの製造過程の1枚の基板上に樹脂フィルムが貼付され
たもの、などが該当する。いずれにしろ樹脂フィルムが
貼付されたこれら基板を液体中で煮沸すると、通常、こ
の種の樹脂フィルムは接着剤により基板に接着されてい
るので、接着剤がわずかに溶解すると同時に液体が樹脂
フィルムと基板との界面に入り込み、樹脂フィルムが浮
くようにして剥離される。また、わずかに剥離した部分
は機械的にも容易に剥離することができる。
【0010】このように、本発明によれば、極めて簡便
な方法により基板から樹脂フィルムを剥離して分離する
ことができる。また、この方法では樹脂フィルムが破損
することがなく、樹脂フィルムの再利用の観点からも好
適な方法である。また、これら樹脂フィルムは、素材と
してのリサイクル、熱回収も可能である。
【0011】本発明の方法において、樹脂フィルムが貼
付された基板を液体中で煮沸する際に液体中に界面活性
剤を添加することが望ましい。この構成によれば、界面
活性剤の作用により接着剤の剥離が促進され、より短時
間で確実に樹脂フィルムを剥離することができる。な
お、前記液体としては種々のものを用いることができる
が、後処理のしやすさなどの観点から水を用いることが
望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1および図2を参照して説明する。図1は、本実施の形
態の基板からのフィルム分離方法を含む液晶パネルの材
料回収方法全体の操作手順を示すフローチャートであ
る。例えば、図3〜図5に示したような液晶パネルから
材料を回収する方法をこのフローチャートに沿って説明
する。なお、ここで処理対象となる液晶パネルは、駆動
用、制御用のドライバーLSI、FPC等の実装部品を
取り外した後のものであって、一対のガラス基板の間に
液晶が封入され、両基板の外面に偏光板、位相差板など
の樹脂フィルムが貼付されたものである。
【0013】[液中電気破砕工程(基板分割工程)]非
導電性の液体中において液晶パネルの両端に設置した一
対の通電用電極から高圧電流を瞬間的に通電することに
よって、液晶パネルを構成する2枚のガラス基板の接続
部(接着剤により接続された部分)を破壊して2枚に分
割し、内面(透明電極、配向膜、液晶等が付着した面)
側を露出させることにより液晶の回収、インジウムの回
収等、その後の処理を容易にする(図1のステップS
1)。
【0014】より具体的には、図2に示すように、底部
に平板状の通電用電極1を設置した容器2内を、水、オ
レイン酸、ケロシン等の非導電性液体Lで満たし、平板
状の通電用電極1上に液晶パネル10を垂直に立てて固
定する。その一方、底部の通電用電極1と対となる棒状
の通電用電極3を液晶パネル10の上部の中心に固定す
る。この時、非導電性液体Lは、液晶パネル10が完全
に浸漬し、棒状の通電用電極3の先端が少なくとも浸漬
する程度の量を容器2内に入れておく。また、通電用電
極1,3の液晶パネル10への固定は任意の方法でよい
が、ガラス基板内面の透明電極に接触させる、あるいは
近づける必要がある。
【0015】そして、通電用電極1,3に高圧直流電流
(一例として5〜6インチ程度の液晶パネルに対して数
10kV程度、約1μSで数10A〜500A)を流す
と、その電流は液晶パネル10の両端部に露出した透明
電極を瞬間的に流れる。その際、ガラス基板の内面側に
膨張力が働き、一対のガラス基板の周縁部が外側に開く
方向に力が加わるため、接着剤で固定された接続部が破
壊され、2枚のガラス基板に分割される。なお、通電用
電極1,3に印加する高電圧の極性は、いずれの通電用
電極1,3が正でも負でもかまわない。また、両方のガ
ラス基板の透明電極に同時に電流を流すことが望ましい
が、少なくとも片側のガラス基板上の透明電極には電流
を流す必要がある。非導電性液体Lについては、液晶パ
ネル10を破砕する観点からすれば電流が逃げにくい油
類(オレイン酸、ケロシン等)を用いることが望ましい
が、液晶パネル10のその後の処理のし易さを考える
と、水を用いることが望ましい。
【0016】[パネルからの液晶回収工程(液晶分離工
程)]次に、液晶パネルに付着した液晶を溶媒中に溶出
させることによって液晶と基板とを分離し、その後、液
晶が溶出した溶媒を取り出して蒸留操作を施すことによ
り液晶を回収する(図1のステップS2)。あるいは、
液晶を液体中に分散させることによって液晶と基板とを
分離し、その後、液晶が分散した液体中から液晶のみを
分離、回収してもよい。
【0017】より具体的には、電気破砕を行い、2分割
したことによって液晶が露出した液晶パネルを溶媒に浸
漬させ、液晶パネルに付着した液晶を溶媒中に溶出させ
る。溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、ト
ルエンなどの炭化水素類、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール類、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、
アセトンなどのケトン類等の有機溶媒など、液晶に対す
る溶解性を有する任意の溶媒を用いることができる。溶
媒は蒸留温度をあまり高めないように比較的低沸点のも
のが望ましく、液晶の溶解度、性質、コスト面から見て
エタノールが望ましい。またこの時に、溶媒に超音波を
付与するか、もしくは撹拌を加えることによって、溶媒
中への液晶の溶解を促進させることができる。
【0018】そして、液晶が充分に溶出した溶媒と基板
とを分離した後、溶媒を常圧下もしくは減圧下で加熱
し、蒸留操作を行うことによって留出分である溶媒と残
留分である液晶を分離することができる。この操作によ
り分離、回収した液晶については、さらに不純物除去、
精留等の後処理を経て再利用することができる。あるい
は、分解等の処理を行うことも可能である。一方、溶媒
については、本工程における液晶回収時の溶媒としてそ
のままでも再利用が可能である。
【0019】あるいは、水のように液晶をほとんど溶解
しない液体を用いる場合には、電気破砕により2分割さ
れて液晶が露出した液晶パネルを水中に浸漬させ、液晶
パネルに付着した液晶を水中に分散させる。この時、液
晶パネルをただ単に水に浸しただけでは微量の液晶が分
散して水の表面に油のように浮き、残りの大部分の液晶
は基板に付着したままである。そこで、水中への液晶の
分散を助長するために超音波洗浄機を用いて超音波処理
を行ったり、撹拌を行うと、液晶が水中に分散してエマ
ルジョン状態となり、乳濁する。このようにして、液晶
が基板上から除去される。
【0020】上記の水を用いた分離方法を行った場合、
水と液晶の混合液からの液晶の回収には、蒸留を用いる
方法の他、容器の下からエアーを吹き込み、濡れ性の差
を利用して液晶のみを選択的に浮かせる浮上分離法など
も適用可能である。したがって、本工程で使用する液体
としてはエタノールや水が最適である。
【0021】なお、大部分の液晶は本工程で回収される
が、前の電気破砕工程で液晶パネルが2分割され、非導
電性液体と液晶が接触した段階で、非導電性液体の種類
によっては液晶が非導電性液体中に溶出または分散する
こともある。そのような場合には、非導電性液体を回収
し、本工程と同様に蒸留操作を行い、非導電性液体中か
ら液晶を回収してもよい。これにより、液晶の回収率を
向上させることができる。
【0022】[液晶を除去した基板からのフィルムの剥
離工程(樹脂フィルム分離工程)]表面に偏光板、位相
差板などの樹脂フィルムが貼付された液晶パネルを水な
どの液体中で煮沸することによって、樹脂フィルムとガ
ラス基板を分離する(図1のステップS3)。
【0023】偏光板、位相差板などに使用される樹脂フ
ィルムは、ポリビニルアルコール(PVA)、トリアセ
チルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)
等の樹脂からなり、片面に接着剤が塗布されており、ガ
ラス基板に貼付されている。そこで、内面側の液晶が除
去され、外面側にこれら樹脂フィルムが貼付された状態
のガラス基板を水中に浸漬させ、これを加熱して煮沸処
理を行う。この処理により、ガラス基板から樹脂フィル
ムが剥離し、ガラス基板、樹脂フィルムのそれぞれが回
収可能となる。
【0024】また、煮沸処理に用いる水に界面活性剤を
添加することによって、より短時間で確実に樹脂フィル
ムを剥離することができる。この界面活性剤としては、
ドデシルアンモニウム酢酸塩(DAA)などの陽イオン
界面活性剤、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)などの
陰イオン界面活性剤、もしくは非イオン界面活性剤を用
いることができる。煮沸処理に用いる液体としては、水
の他、接着剤を溶解できるアルコール、炭化水素なども
用いることができるが、水が最も取り扱いやすいと考え
られる。
【0025】この方法によれば、極めて簡便な方法によ
りガラス基板から樹脂フィルムを剥離して分離すること
ができる。また、この方法では樹脂フィルムが破損する
ことがなく、樹脂フィルムの再利用の観点からも好適な
方法である。
【0026】[基板からのITOの溶解工程(インジウ
ム抽出工程)]上述したように、ガラス基板上にはIT
O膜からなる透明電極が形成されており、このITO膜
を酸を用いて溶解し、溶液とガラス基板を分離する(図
1のステップS4)。なお、図4、図5に示したよう
に、透明電極上は配向層で覆われているが、配向層につ
いては、前工程の[樹脂フィルム剥離工程]で樹脂フィ
ルムの剥離と同時に除去できる場合がある。その場合に
は、透明電極が露出するので、ITO膜の表面から溶解
が始まる。あるいは、前工程の樹脂フィルム剥離工程で
配向層がうまく除去されなかったとしても、[液中電気
破砕工程]においてガラス基板に多数のヒビが生じるた
め、配向層のヒビの部分でITO膜が露出し、この部分
から溶解が始まる。
【0027】そして、得られた酸性溶液を採取し、この
酸性溶液にリン酸基を含む陽イオン交換型の抽出剤、も
しくはさらに疎水性有機溶剤を添加した混合液を接触さ
せることによってITO中のインジウムを抽出すること
ができる。この方法は、特開2000−128531公
報等に開示されている。以上の工程により、廃液晶パネ
ルから各種材料を回収することができる。
【0028】なお、図5に示したカラー液晶パネルに本
方法を適用した場合、バックライト側のガラス基板では
ガラス基板がほぼ単体として回収されるが、他方のガラ
ス基板については以上の工程を経ただけではガラス基板
上にまだカラーフィルター等が残存している。カラーフ
ィルター等の量は微少であり、ガラスの再利用の点で大
きな問題とはならないが、除去が必要であれば、研磨、
薬品処理などの方法により取り除くことが可能である。
【0029】本実施の形態の廃液晶パネルからの材料回
収方法においては、液中電気破砕により液晶パネルを個
々の基板に2分割することができ、ここで露出した液晶
の溶解もしくは分散と蒸留操作とにより液晶を回収する
ことができ、次の煮沸処理で基板から樹脂フィルムを剥
離することができ、酸処理、溶媒抽出でITO膜の一成
分であるインジウムを回収することができる。したがっ
て、本方法では液晶やガラス基板や樹脂フィルムが素材
として回収可能であるため、これらの部材を容易にリサ
イクルに回すことができる。また、流動層を用いたり、
剪断破砕機や非鉄製錬炉を用いる従来の処理方法のよう
に大規模な処理設備が不要となり、より簡便な方法で処
理を行うことができる。
【0030】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態では一対の基板を2分割し、基板か
ら液晶を分離した後に樹脂フィルムを剥離する手順を示
したが、いきなり煮沸処理を施して先に一対の基板から
樹脂フィルムを剥離し、その後で基板分割、液晶分離な
どを行ってもよい。また、フィルム分離工程以外の基板
分割工程、液晶分離工程、インジウム抽出工程等に関し
ては、これら工程を全て実施するか否かも任意に選択可
能であるし、これら工程の具体的な方法に関しては上記
実施の形態の方法(電気破砕、煮沸など)に限ることな
く、適宜変更が可能である。また、処理対象となる液晶
パネルの形態も図3〜図5に記載のものに限らず、カラ
ー/白黒、透過型/反射型、パッシブマトリクス方式/
アクティブマトリクス方式等を問わず、各種の液晶パネ
ルが処理可能である。
【0031】さらに上記実施の形態では、廃棄された液
晶パネルからの材料回収を目的として本発明の樹脂フィ
ルム分離方法を用いた例を示したが、例えば液晶パネル
の製造過程において、何らかの理由により偏光フィル
ム、位相差フィルムなどの樹脂フィルムが付着した1枚
の基板から樹脂フィルムを剥離して再利用するような場
合にも本発明の樹脂フィルム分離方法を採用することが
できる。また、上記実施の形態では電気破砕法を用いて
一対の基板を分割した後に樹脂フィルムを剥離する例を
挙げたが、機械的な方法により一対の基板をそのまま複
数の基板片に破砕した後、樹脂フィルムを剥離すること
もできる。
【0032】
【実施例】本発明者らは、上記実施の形態の方法を用い
て実際に液晶パネルからの材料回収を試みた。その結果
について報告する。まず最初に、ノートパソコンを解体
してサイズが約6インチの液晶表示部を取り出し、さら
に駆動用、制御用等の実装部品を取り外し、偏光フィル
ムが貼付された状態の液晶パネルのみを取り出した。
【0033】次に、底部に円盤状の銅製の通電用電極を
設置した容器を準備し、通電用電極上に液晶パネルを数
本のビニール線を支えとして、この線の間に垂直に立て
て固定するとともに、棒状の鉄製の通電用電極を液晶パ
ネルの上端にほぼ接触させて固定した。そして、棒状電
極の先端が浸かる程度に容器内に水を満たした。そし
て、一対の通電用電極間に約48kVの高電圧を瞬間的
に印加したところ、液晶パネルは2枚の基板に分割され
た。
【0034】次に、上記電気破砕により2分割された各
基板を、エタノールを満たした容器中に浸し、その容器
ごと超音波洗浄機にかけて超音波処理を行い、各基板に
付着した液晶をエタノール中に溶出させた。次に、基板
とエタノール溶液とを分離した後、エタノール溶液を減
圧エバポレータにてエタノールの沸点以上に加熱し、蒸
留することによりエタノールが留出する一方、液晶が残
留し、エタノールと液晶を分離することができた。さら
に、電気破砕で用いた水の中にも液晶が若干量溶出して
いるため、その溶液を蒸留することにより水が留出する
一方、液晶が残留し、液晶を回収することができた。
【0035】また、2分割された各基板を、水を満たし
た容器中に浸し、その容器ごと超音波洗浄機にかけて超
音波処理を行ったところ、液晶が水に分散してエマルジ
ョン化し、乳濁した混合液となった。その混合液を基板
と分離した後に、減圧エバポレータにて水の沸点以上に
加熱し、蒸留することにより水が留出する一方、液晶が
残留し、水と液晶を分離することができた。
【0036】次に、電気破砕により2分割され、エタノ
ールにより液晶を回収済みの各基板を水を満たした容器
内に入れ、これを加熱して、水を煮沸させた。すると、
約30分後、基板に貼付されていた偏光フィルムが剥離
してガラス基板から分離し、それぞれを回収することが
できた。また、煮沸する水の中にドデシルアンモニウム
酢酸塩の界面活性剤を添加したところ、界面活性剤を加
えない場合に比べて偏光フィルムがより短時間の5分程
度で剥離することを確認した。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
基板からのフィルム分離方法によれば、極めて簡便な方
法によりフィルムの分離を行うことが可能となる。しか
も、本方法では樹脂フィルムが破損しないため、樹脂フ
ィルムのリサイクルの観点からしても好適な方法であ
る。また、これら樹脂フィルムは、素材としてのリサイ
クル、熱回収も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である液晶パネルから
の材料回収方法の操作の手順を示すフローチャートであ
る。
【図2】 同、回収方法の一工程である電気破砕の様子
を示す図である。
【図3】 液晶表示装置の一例(透過型カラー液晶パネ
ルの一例)を示す斜視図である。
【図4】 図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】 図4の要部の拡大図である。
【符号の説明】
1,3 通電用電極 2 容器 10 液晶パネル 11,12 基板 13,14 偏光板 15,16 透明電極 21 液晶 L 非導電性液体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶パネルを構成する樹脂フィルムが貼
    付された基板から前記樹脂フィルムを分離するフィルム
    分離方法であって、 前記樹脂フィルムが貼付された基板を液体中で煮沸する
    ことによって前記樹脂フィルムを剥離させ、前記樹脂フ
    ィルムと前記基板とを分離することを特徴とする基板か
    らのフィルム分離方法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂フィルムが貼付された基板を液
    体中で煮沸する際に該液体に界面活性剤を添加すること
    を特徴とする請求項1に記載の基板からのフィルム分離
    方法。
  3. 【請求項3】 前記液体として水を用いることを特徴と
    する請求項1または2に記載の基板からのフィルム分離
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008093509A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Mitsubishi Materials Corp 表示パネル廃棄物の処理方法
JP2011167661A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Sharp Corp 薄型パネルの再資源化方法

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