JP2002248308A - ケミカルフィルタ用濾材およびケミカルフィルタユニット - Google Patents

ケミカルフィルタ用濾材およびケミカルフィルタユニット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーンルームなどで使用され、特に酸性若
しくは塩基性ガスの除去が可能であり、濾材およびユニ
ット自身よりガス状汚染物質が発生しないか、または発
生量が極めて少なく、クリーンルーム内の製品などへ悪
影響を及ぼすことのないケミカルフィルタ用濾材および
ケミカルフィルタユニットを提供することを課題とす
る。 【解決手段】 イオン交換樹脂層の下流に、該イオン交
換樹脂層より発生する汚染物質を吸着する物理吸着層を
積層したケミカルフィルタ用濾材を用いてケミカルフィ
ルタユニットとする。また物理吸着層の下流にガス状汚
染物質の発生量の少ないカバー材を設けることもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体や液晶の生
産施設、または半導体や液晶の周辺技術に関連して用い
られるクリーンルームなどにおいて、該生産施設内また
は該クリーンルーム内の空気や雰囲気中に含まれる有機
系ガス状汚染物質や無機系ガス状汚染物質を除去するケ
ミカルフィルタ用濾材およびケミカルフィルタユニット
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶の生産施設、または半導体
や液晶の周辺技術関連で用いるクリーンルーム等におい
ては、生産施設内または該クリーンルーム内の空気や雰
囲気に対して高い清浄度が要求される。しかし、このよ
うな空気や雰囲気中には有機系ガス状汚染物質や無機系
ガス状汚染物質が含まれていたり、クリーンルーム構成
部材や作業員等からも有機系ガス状汚染物質や無機系ガ
ス状汚染物質が発生するため、このようなガス状汚染物
質を除去するためにケミカルフィルタ用濾材およびケミ
カルフィルタユニットが使用されている。
【0003】ガス状汚染物質のうち二酸化硫黄のような酸性
ガスは、アルミニウム配線層等金属部分に直接触れると
空気中の水分の存在により腐蝕の原因になると言われて
いる。また、アンモニアのような塩基性ガスが存在する
と、化学増幅型レジストの生成プロトンを消耗して、パ
ターン解像度低下の原因になったり、ガラスやミラー表
面上に吸着または反応して析出物を生成し、トラブルを
起こすと言われている。
【0004】また、ガス状汚染物質のうち極性の低い有機物
質は、シリコンウェハやガラス基板表面上に物理吸着し
ても少量であれば表面洗浄や加熱により除去可能である
が、多量に存在すると除去は困難になる。そして、特に
汚染物質のうち添加剤のような極性の高い有機物質は、
ガス状となった後、シリコンウェハやガラス基板表面上
に強固に吸着し、簡単には除去出来なくなる。例えば、
高分子材料に対して用いられる可塑剤のフタル酸ジオク
チルエステルはウェハ上への付着力が強く、既にウェハ
上に付着している付着力の弱い物質を追い出して置き換
わると考えられている。
【0005】このような添加剤は、高分子材料等の機能性を
向上させる為に添加される物質であり、たとえば可塑
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、滑
剤、帯電防止剤、造核剤、発泡剤等がある。そして、こ
れら添加剤の材質として、特に、フタル酸エステル系可
塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、脂肪族二塩基
酸エステル系可塑剤、脂肪化エステル系可塑剤、エポキ
シ系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系
可塑剤、フェノール系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤、
リン系酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、UVA紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、リン系難燃剤等が問
題となっている。
【0006】これら有機物質のウェハ表面への吸着を防止す
るには、クリーンルーム雰囲気中の該有機物質の濃度を
できるだけ低いレベルで管理しなければならない。19
99年版SIA(Semiconductor Ind
ustry Association)ロードマップに
よれば、西暦2000年のウェハ表面上での有機物質管
理レベルは6.6×1013Catoms/cm2と言わ
れている。これをトルエン換算すると1.44ng/c
2となる。また、一般に、ウェハ上への付着力の強い
フタル酸ジオクチルエステルは、ウェハ上に0.2ng
/cm2付着するとゲート酸化膜の絶縁破壊が起こると
いわれており、この値がウェハ表面上での管理レベルと
考えられる。これらウェハ表面上での管理レベルの値
と、一般に知られている付着確率から、下記の算出式に
よりクリーンルーム空気中での管理レベルの推定値を算
出すると、総有機物質の管理濃度は41.7μg/
3、フタル酸ジオクチルエステル等の付着力の強い物
質の管理濃度は0.007μg/m3となる。 算出式: N=As/(v・t・γ) N;空気中の汚染物質濃度(空気中の管理濃度)(μg
/m3) As;ウェハ表面の汚染物質濃度(ウェハ表面上での管
理レベル)(μg/m2) v;クリーンルーム空気の流速(0.4m/sec) t;ウェハの空気中暴露時間(86400sec) γ;付着確率 芳香族炭化水素類の付着確率1×10-5,フタル酸ジオ
クチルエステル等の付着確率1/120〜1/160
【0007】このような汚染物質を吸着するケミカルフィル
タ用濾材には吸着材として、活性炭,活性炭繊維,ゼオ
ライト,イオン交換樹脂,イオン交換繊維,その他化学
吸着材が利用され、例えば特開平11−221414号
公報では、通気性を有する2層以上の濾材の間に、これ
らの吸着材が保持され使用されている。
【0008】また、上記の吸着材の中でも、特にイオン交換
樹脂およびイオン交換繊維は酸性もしくは塩基性ガスに
対しては、非常に優れた吸着能力を持っている。しか
し、イオン交換樹脂およびイオン交換繊維を用いたケミ
カルフィルタ用濾材により被処理気体中の上記汚染物質
を除去する際、イオン交換樹脂およびイオン交換繊維自
身から前述のような有機系の汚染物質を発生してしまう
という問題があった。そして、その優れた吸着能力にも
かかわらず半導体や液晶の生産施設、または半導体や液
晶の周辺技術に関連して用いられるクリーンルームなど
において、それら全てに対してはこのようなケミカルフ
ィルタ用濾材を使用することができないという問題があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クリーンル
ームなどで使用される、特に酸性若しくは塩基性ガスの
除去が可能なケミカルフィルタ用濾材およびケミカルフ
ィルタユニットにおいて、該ケミカルフィルタ用濾材お
よびケミカルフィルタユニット自身よりガス状汚染物質
が発生しないか、または発生するガス状汚染物質が極め
て少なく、クリーンルーム内の製品などへ悪影響を及ぼ
すことのないケミカルフィルタ用濾材およびケミカルフ
ィルタユニットを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は、請求項1の発明では、イオン交換樹脂層の下
流に、該イオン交換樹脂より発生する汚染物質を吸着す
る物理吸着層を積層してなることを特徴とするケミカル
フィルタ用濾材であり、被処理気体に対しイオン交換樹
脂層の下流位置に物理吸着層を設けることにより、被処
理気体はイオン交換樹脂層から発生する汚染物質を物理
吸着層で除去でき、被処理気体中へ汚染物質を放出せず
に酸性もしくは塩基性ガスの除去を実現できる。
【0011】また、請求項2の発明では、イオン交換樹脂層
同士が、または物理吸着層同士が、またはイオン交換樹
脂層と物理吸着層とが、熱融着性の樹脂によって接合一
体化していることを特徴とする請求項1に記載のケミカ
ルフィルタ用濾材であり、このような構造とすることに
よりプリーツ加工がし易く、またフィルターの枠体に設
置する場合ユニット化が容易である。
【0012】また、請求項3の発明では、前記物理吸着層
が、酸性ガス吸着材及び/またはアルカリガス吸着材を
含むことを特徴とする請求項1または2に記載のケミカ
ルフィルタ用濾材であり、物理吸着層に酸性もしくは塩
基性ガスに対する吸着能力を有する吸着材を用いること
により、イオン交換樹脂もしくはイオン交換繊維から発
生する汚染物質を除去でき、酸性ガスもしくは塩基性ガ
スに対する吸着能力をさらに向上させることができる。
【0013】また、請求項4の発明では、複数の積層単位で
構成され、該積層単位がホットメルト樹脂から成る連結
部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、
該樹脂凝集部を介してイオン交換樹脂粉粒体または物理
吸着粉粒体を固着して成り、該ウエブの他方の表面と、
他の積層単位を構成するイオン交換樹脂粉粒体または物
理吸着粉粒体とが樹脂凝集部を介して固着して成り、か
つ該積層単位が該イオン交換樹脂層または該物理吸着層
であることを特徴とする、請求項1〜3に記載のケミカ
ルフィルタ用濾材であり、このような構造とすることに
よりプリーツ加工がし易く、圧力損失も高くならず、ま
たフィルターの枠体に設置する場合ユニット化が容易で
ある。
【0014】また、請求項5の発明では、最下流位置に積層
された層の更に下流側にカバー材を設けた請求項1〜4
に記載のケミカルフィルタ用濾材からなるケミカルフィ
ルタユニットにおいて、該カバー材から発生する総有機
物質量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により2
3℃において算出すると、該総有機物質量がケミカルフ
ィルタユニットの間口面積あたり、また単位時間あた
り、1.0(pg/m2・hr)以上10(μg/m2
hr)以下であるケミカルフィルタユニットであり、飛
散の恐れのある物理吸着材を使用する際に、物理吸着材
の飛散を防止するための通気性の該カバー材を被処理気
体に対し物理吸着層より下流側に設けることにより、物
理吸着材の飛散によるクリーンルーム内の製品への影響
を低減することができる。
【0015】また、請求項6の発明では、最下流位置に積層
された層の更に下流側にカバー材を設けた請求項1〜4
に記載のケミカルフィルタ用濾材からなるケミカルフィ
ルタユニットにおいて、該カバー材から発生する添加剤
量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃
において算出すると、該添加剤量が該ケミカルフィルタ
ユニットの間口面積あたり、また単位時間あたり、1.
0(pg/m2・hr)以上0.15(μg/m2・h
r)以下であるケミカルフィルタユニットであり、飛散
の恐れのある物理吸着材を使用する際に、物理吸着材の
飛散を防止するための通気性の該カバー材を被処理気体
に対し物理吸着層より下流側に設けることにより、物理
吸着材の飛散によるクリーンルーム内の製品への影響を
低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるケミカルフ
ィルタ用濾材およびケミカルフィルタユニットの好まし
い実施の形態について詳細に説明する。
【0017】本発明のイオン交換樹脂層は、イオン交換繊維
からなる通気性を有するシート状物の層、或いは粒子状
のイオン交換樹脂が集積してシート状になるか、又は粒
子状のイオン交換樹脂が熱融着性の樹脂で互いに接合さ
れてシート状となった層、或いは、支持体に粒子状のイ
オン交換樹脂又は繊維状のイオン交換樹脂を担持して得
られる層である。イオン交換繊維からなる通気性を有す
るシート状物としては、不織布、織物、ろ紙などの多孔
質体などが挙げられ、なかでも不織布は通気性が高いの
で好ましい。また、イオン交換樹脂を担持する支持体は
通気性を有するシート状物ならばいずれも使用可能であ
り、このようなシート状物としては、不織布、織物、
膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、な
かでも不織布は通気性が高いので好ましい。また、支持
体としてのシート状物が高分子材料であれば、フィルタ
加工におけるプリーツ折り加工などへの追従性が高く、
耐久性に優れているので好ましく用いることができる。
また、イオン交換樹脂を接合する熱融着性の樹脂は発生
ガスの少ない樹脂を用いることが望ましい。
【0018】本発明の物理吸着層は、物理吸着能を有する繊
維からなる通気性を有するシート状物の層、或いは粒子
状の物理吸着材が集積してシート状になるか、又は粒子
状の物理吸着材が熱融着性の樹脂で互いに接合してシー
ト状となった層、或いは支持体に物理吸着材を担持して
得られる層である。物理吸着能を有する繊維としては、
活性炭繊維や、活性炭繊維に酸性ガスもしくは塩基性ガ
スを吸着する能力を付加させた繊維などを使用すること
ができ、比表面積が200m2/g以上の多孔質のもの
を選択して使用するのが好ましく、500m2/g以上
のものがより好ましい。また通気性を有するシート状物
としては、不織布、織物、ろ紙、などの多孔質体などが
挙げられ、なかでも不織布は通気性が高いので好まし
い。また、物理吸着材を担持する支持体は通気性を有す
るシート状物ならばいずれも使用可能であり、このよう
な通気性を有するシート状物としては、不織布、織物、
膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、な
かでも不織布は通気性が高いので好ましい。また、支持
体に用いるシート状物が高分子材料であれば、フィルタ
加工におけるプリーツ折り加工などへの追従性が高く、
耐久性に優れているので好ましく用いることができる。
次に、物理吸着材は、脱臭用途に使用できるものならば
いずれも使用可能で、活性炭、活性炭繊維、ゼオライト
などを好ましく使用でき、このような、物理吸着材にさ
らに、酸性ガスもしくは塩基性ガスを吸着する能力を付
加されている物理吸着材を用いても良い。また、物理吸
着材は、比表面積が200m2/g以上の多孔質のもの
を選択して使用するのが好ましく、500m2/g以上
のものがより好ましい。また、物理吸着材を接合する熱
融着性の樹脂は発生ガスの少ない樹脂を用いることが望
ましい。このようにして得られた物理吸着層は、イオン
交換樹脂層の下流において、イオン交換樹脂より発生す
る汚染物質を吸着することができる。
【0019】本発明のケミカルフィルタ用濾材においては、
上記イオン交換樹脂層や上記物理吸着層以外にも、ガス
状汚染物質を発生しない層やガス状汚染物質の発生が少
ない層を積層してもかまわない。このような層には、無
機吸着材や無機触媒の粒子が集積してシート状になる
か、又は粒子状の無機吸着材や無機触媒が熱融着性の樹
脂で互いに接合してシート状となった層、或いは支持体
に無機吸着材や無機触媒を担持して得られる層、或いは
除塵層などがある。上記支持体は通気性を有するシート
状物ならばいずれも使用可能であり、このような通気性
を有するシート状物としては、不織布、織物、膜、ろ
紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられる。また上
記除塵層としては不織布、織物、膜、ろ紙、スポンジな
どの多孔質体などが挙げられる。
【0020】本発明のケミカルフィルタ用濾材において、積
層の方法は、イオン交換樹脂層の数も物理吸着層の数も
任意で良く、積層する順序も任意で良いが、イオン交換
樹脂層の下流位置に、イオン交換樹脂より発生する汚染
物質を吸着する物理吸着層が少なくとも一層積層されて
いることが必要である。このように被処理気体に対しイ
オン交換樹脂層の下流位置に物理吸着層を設けることに
より、イオン交換樹脂層から発生する汚染物質を物理吸
着層で除去できるので、被処理気体中へ汚染物質を放出
せずに、被処理気体より酸性もしくは塩基性ガスの除去
を実現できる。また、最下流位置に積層された層が吸着
材などを含む層である場合は、その層より吸着材などが
飛散しにくい形態が好ましい。積層された各層の間は必
ずしも接合されている必要はないが、接合一体化されて
いる方が、プリーツ加工し易く、またフィルターの枠体
に設置してユニットと称する形態に加工し易く好まし
い。
【0021】積層された各層の間を接合一体化するには、熱
可塑性ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、
熱可塑性ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂などの熱融着性の樹脂を粒子
状や不織布状にして用いることができる。接合の方法
は、例えばイオン交換繊維からなる通気性を有するシー
ト状物の層と物理吸着能を有する繊維からなる通気性を
有するシート状物の層の場合は、層間に熱融着性の樹脂
からなる不織布を積層して、積層物全体を加熱して接合
することができる。また、支持体に粒子状のイオン交換
樹脂を担持して得られる層と支持体に物理吸着材を担持
して得られる層の場合も、層間に熱融着性の樹脂からな
る不織布を積層して、積層物全体を加熱して接合するこ
とができる。また、例えばポリエステルなどのスパンボ
ンド不織布を支持体として、その上に粒子状のイオン交
換樹脂粒子と熱融着性の樹脂粒子とを混合した粒子層を
形成した後、その層の上に粒子状の活性炭粒子と熱融着
性の樹脂粒子とを混合した粒子層を形成した後、層全体
を加圧下に加熱することにより、各層間を接合すること
ができる。この場合は、各層間の接合と同時に各層にお
いてイオン交換樹脂粒子同士または活性炭粒子同士の接
合も行うことができる。
【0022】また、イオン交換樹脂層がイオン交換樹脂粒子
が集積してシート状になった層であり、物理吸着層が物
理吸着材の粒子が集積してシート状になった層である場
合の接合一体化の方法としては、例えば、図3に例示す
るように複数の積層単位8で構成され、該積層単位がホ
ットメルト樹脂から成る連結部5と樹脂凝集部6とで構
成されたウエブの一方の表面に、該樹脂凝集部6を介し
てイオン交換樹脂粉粒体7または物理吸着粉粒体7を固
着して成り、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位を
構成するイオン交換樹脂粉粒体または物理吸着粉粒体と
が樹脂凝集部を介して固着して成り、かつ該積層単位が
イオン交換樹脂層または物理吸着層であるように構成し
て一体化する方法があり、このようにして、得られるケ
ミカルフィルタ用濾材はプリーツ加工がし易く、圧力損
失も高くならない。また、フィルターの枠体に設置して
ユニット化する場合、ユニット加工も容易であるため、
ケミカルフィルタ用濾材として好ましい形態である。
【0023】本発明のケミカルフィルタユニットは前記ケミ
カルフィルタ用濾材をフィルターの枠体に設置してユニ
ット化したものである。ユニットの形態には、図1に例
示するプリーツ折りの直交流及び平行流型、図2に例示
する平板のパネル型,ハニカム形状型等がある。また、
枠体には金属、合成樹脂等の材料を用いるが、いづれの
材料もガス状汚染物質発生の少ないものの使用が望まし
い。
【0024】被処理気体の通過方向に対して最下流位置とな
る物理吸着層より、物理吸着材などの飛散を防止する必
要がある場合は、該物理吸着層の下流側に通気性を有す
るカバー材をさらに配置するのが好ましい。カバー材と
しては、有機系素材である高分子材料の不織布や膜、天
然素材の紙やパルプ、無機系素材であるアルミニウムや
ステンレス等のメッシュ、等が使用できるが、無機系材
料のメッシュは圧力損失が高かったり、重量が重いこと
が問題となることがあるのに対して、高分子材料にはそ
のような問題が少ないので好ましく、特に通気性が良好
な不織布が好適である。但し、カバー材には、被処理気
体を汚染してクリーンルーム内の製品に悪影響を及ぼす
ガス状の有機物質等が発生しにくい材料を使用すること
が必要である。カバー材は物理吸着層と密着させて配置
することも、前記ケミカルフィルタユニットからの空気
出口部分に配置することもできる。また、より飛散防止
効果を高める為、図4に例示するように、カバー材3に
は熱可塑性樹脂5aとの複合体を使用して、物理吸着層
8cとカバー材3を密着させることもできる。また、図
4に例示するように、イオン交換樹脂層と物理吸着層と
カバー材をすべて一体化することもでき、この場合、プ
リーツ加工もし易く、またフィルターの枠体に設置して
ユニットの形態に加工するのも容易となり好ましい。
【0025】カバー材に高分子材料を用いる場合、高分子材
料はモノマーの重合によって製造されるため、製造過程
で残存する未反応のモノマーがガス状汚染物質の原因と
なる。また、高分子材料の、酸化、機械的応力、薬品、
水などによる劣化を防止するため、また高分子材料に耐
性をもたせるため、高分子材料に加える添加剤が発生ガ
スとなりガス状汚染物質の原因となる。このように、微
量の有機物質発生は避けがたい。また、カバー材に用い
る高分子材料は、枠体に用いる高分子材料よりも、繊維
化したり柔軟性を持たせたりする等の特性が要求される
ため、有機物質がより発生し易い。
【0026】しかし、発生する有機物質の濃度が、管理レベ
ルよりも十分低ければ、クリーンルーム内で発生する問
題は回避出来る。本発明のケミカルフィルタ用濾材で
は、カバー材のすぐ上流側にある物理吸着層が、そのさ
らに上流のイオン交換樹脂層で発生する有機物質を吸着
するため、カバー材からの発生ガスについてのみ考えれ
ば良く、クリーンルームの標準条件温度23℃,におけ
るカバー材から発生する総有機物質及び添加剤の量を、
ダイナミックヘッドスペース法と発生ガス推測法(詳細
後述)により算出した値が、ケミカルフィルタユニット
の間口面積あたり、総有機物質量において1.0(pg
/m2・hr)以上10μg/m2・hr以下、添加剤に
おいては1.0(pg/m2・hr)以上0.15μg
/m2・hr以下であれば、クリーンルーム内で発生す
る問題は回避出来る。本発明のケミカルフィルタユニッ
トはこの条件に合致するカバー材を選択して使用する。
【0027】例えば、図4に例示するような、下流側にカバ
ー材3を設けたケミカルフィルタ用濾材をプリーツ折り
して、図1に例示するようなケミカルフィルタユニット
を作成した場合、例えばプリーツ折りの山高さが3.3
cm、山間5mm、ユニットの間口50cm×50cm
とすると、このケミカルフィルタユニットに用いたケミ
カルフィルタ用濾材の面積は、3.3cm×2×(50
cm/5mm)×50cm=3.3m2の計算式から約
3.3m2の面積となる。ここで、例えばこのケミカル
フィルタ用濾材のカバー材からの発生ガスが、総有機物
質量において1.233μg/m2・hr、添加剤量に
おいては0.0364μg/m2・hrとすると、この
ケミカルフィルタユニットのカバー材から発生する総有
機物質量はケミカルフィルタユニットの間口面積あたり
4.07μg/m2・hr、添加剤量においては0.1
2μg/m2・hrとなる。このカバー材からの発生ガ
ス量は前述の、ケミカルフィルタユニットの間口面積あ
たり、総有機物質量において1.0(pg/m2・h
r)以上10μg/m2・hr以下、添加剤においては
1.0(pg/m2・hr)以上0.15μg/m2・h
r以下の範囲に入るので、このケミカルフィルタユニッ
トは本発明の請求項5および6に係るケミカルフィルタ
ユニットに適合する。
【0028】次に、本発明の請求項4および5に係るケミカ
ルフィルタユニットをクリーンルームに使用した場合の
効果を示す。例えば、ケミカルフィルタユニットを設置
して、その時のユニット間口を通過する風速を0.3m
/secに設定したとすると、ケミカルフィルタユニッ
トのカバー材から発生する総有機物質量が10μg/m
2・hrである場合、空気中の汚染物質濃度は10μg
/m2・hr÷0.3m/sec=9×10-3μg/m3
となり、前述の管理基準値の41.7μg/m3を十分
に満足できる。同様にして、発生する添加剤質量が0.
15μg/m2・hrである場合、空気中の汚染物質濃
度は0.15μg/m2・hr÷0.3m/sec=
1.4×10-4μg/m3となり、前述の管理基準値の
7×10- 3μg/m3を十分に満足できる。また、仮に
上流のガス状汚染物質のうち90〜95%をケミカルフ
ィルタユニットで除去した場合、残り10〜5%のガス
状汚染物質はカバー材からの発生ガスと合わさりクリー
ンルーム内に入ってしまうことになる。この合計のガス
状汚染物質濃度が管理基準値以下である必要があり、ま
た上流、特に外気のガス状汚染物質の濃度が高いことも
考慮すると、カバー材からの発生ガスはできるだけ0に
近いことが望ましい。しかし、本発明によれば総有機物
質による汚染物質濃度が上記のように9×10-3μg/
3という、非常に小さい値の濃度となるので、この要
求を満たすことができる。さらにまた、クリーンルーム
へ入った空気のほとんどは再びケミカルフィルタユニッ
トにリターン空気として戻ってくるので、ケミカルフィ
ルタユニットのカバー材からの発生ガスは、ケミカルフ
ィルタユニット自身で除去されることになる。しかし、
ガス状汚染物質量があまり多いとケミカルフィルタユニ
ットの寿命を縮めてしまうことになる。従って、ケミカ
ルフィルタユニットのカバー材からの発生ガスはできる
だけ少ないことが必要である。しかし、本発明によれば
総有機物質による汚染物質濃度が上記のように9×10
-3μg/m3という、非常に小さい値の濃度となるの
で、この空気がリターン空気としてケミカルフィルタユ
ニットに戻ってきても、ケミカルフィルタユニットの寿
命を縮めてしまうという問題は発生しない。
【0029】ダイナミックヘッドスペース法とは、発生ガス
は試験片の質量には比例せず、表面積に比例する原理を
用いた方法であり、図5はこの方法に用いる発生ガス捕
集装置(ジーエルサイエンス(株)製 MSTD−258
M)の説明図である。まず、測定したい素材を直径7c
mの円形に切り、試料1を作成する。試料1をチャンバ
ー10内の中央のガス吹き出し口13の上に設置する。
次に、清浄なヘリウムガス11をチャンバー内に流速1
20ml/minで連続的に流通させながら所定の温度
(60℃または80℃)で加熱する。ヘリウムガス11
は試料1と接触する際、試料1から発生する汚染物質が
ヘリウムガス中に混入するので、気体濃度が平衡になっ
た後、捕集速度100ml/minで固体吸着材12
(成分;2,6-diphenylene oxide)に捕集する。次い
で、固体吸着材12に捕集した物質をガスクロマトグラ
フ質量分析計で分析する。((株)島津製作所製 QP−
5050を使用)加熱の温度は60℃と80℃の2条件
で測定する。
【0030】次に、発生ガス推測法とは、高温下で発生ガス
の促進試験を行ない、実験式を用いて、室温での結果を
推測する方法であり、以下、発生ガス推測法について具
体的に説明する。実際のクリーンルームの室温23℃で
の発生ガスは極微量なので実測では分析感度の点で長時
間の測定が必要になるなど、現実的には測定困難なた
め、前述のダイナミックヘッドスペース法により、試験
条件を例えば60℃、80℃の高温下に設定して、試料
から発生する有機物質量を定性定量的に測定した結果か
ら下記の式を用いて室温23℃での結果を推測する。
(株)住化分析センターの竹田らによれば、試験温度と
発生ガスの関係については、経験則として下記の式が成
り立つことがわかっている。(平成11年第17回コン
ンタミネーションコントロール研究大会予稿集などに記
載) ln(M/A・h)=−C1/T+C2 M;トルエン換算の発生ガス量(μg) A;測定試料面積(m2) h;捕集に要した時間(h) T;試験温度(絶対温度K) C1およびC2;定数
【0031】以下、本発明の実施例につき説明するが、これ
は発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願
発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【実施例】(実施例1)図4に例示するように、支持体
としてポリエステルのスパンボンド不織布2(面密度3
0g/m2)を準備し、その片面に、熱可塑性ポリアミ
ド系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:8
0)からなる面密度20g/m2のホットメルト不織布
5を接着層として積層した。次に、該接着層の上に粒径
0.3mm〜1.2mmに分級した市販の強酸性陽イオ
ン交換樹脂粒子7aを、1m2当たり350gの量にな
るように散布した。続いて、約5Kg/cm2の水蒸気
処理を支持体側から約7秒間行ない、該接着層を可塑化
溶融せしめた後、固着されていない強酸性陽イオン交換
樹脂粒子を除去することにより、支持体に樹脂凝集部6
を介して強酸性陽イオン交換樹脂粒子7aを固着し1層
目の積層単位8aを得た。更にこの状態の積層単位8a
に上記と同様の熱可塑性ポリアミド不織布5を積層し、
強酸性陽イオン交換樹脂粒子7b散布、水蒸気処理、並
びに固着されていない強酸性陽イオン交換粒子の除去を
経て2層目の積層単位8bを形成した。最後に上記と同
様のポリアミド樹脂不織布5を積層し、粒径0.3〜
0.5mmの活性炭粒子8cを散布し、水蒸気処理、並
びに固定されていない活性炭粒子の除去を経て3層目の
積層単位8cを得た。以上の手順により、被処理気体の
通過方向4に対してイオン交換樹脂層8bの下流側に物
理吸着層(活性炭層)8cを積層したケミカルフィルタ
用濾材を得た。
【0032】(実施例2)実施例1における活性炭のかわり
に、活性炭1g当たり10重量%のリン酸を添着した活
性炭を使用した以外は実施例1と同様な方法でケミカル
フィルタ用濾材を得た。
【0033】(実施例3)図4に例示するように、実施例1
で得られたケミカルフィルタ用濾材の活性炭側にさらに
熱可塑性ポリエチレン樹脂(190℃におけるメルトイ
ンデックス:200)からなる面密度20g/m2のホ
ットメルト不織布5aを接着層として積層し、その上の
カバー材として面密度30g/m2のポリエステルスパ
ンボンド不織布3を積層した後、約5Kg/cm2の水
蒸気処理を支持体側から約7秒間行なった。以上の手順
により、被処理気体の通過方向4に対しイオン交換樹脂
層8bの下流側に物理吸着層(活性炭層)8cを設け、
該物理吸着層8cの下流側にホットメルト樹脂を介して
ポリエステルスパンボンド不織布3をカバー材として固
着したケミカルフィルタ用濾材を得た。
【0034】(比較例1)3層目の積層単位である物理吸着
層(活性炭層)8cを積層しなかったこと以外は実施例
1と同様にして、イオン交換樹脂層を2層積層して形成
したケミカルフィルタ用濾材を得た。
【0035】(比較例2)図4に例示するように、実施例1
で得られたケミカルフィルタ用濾材の活性炭側にさらに
熱可塑性ポリアミド樹脂(190℃におけるメルトイン
デックス:80)からなる面密度20g/m2のホット
メルト不織布5aを接着層として積層し、その上のカバ
ー材として面密度30g/m2のポリプロピレンスパン
ボンド不織布3を積層した後、約5Kg/cm2の水蒸
気処理を支持体側から約7秒間行なった。以上の手順に
より、被処理気体の通過方向4に対しイオン交換樹脂層
8bの下流側に物理吸着層(活性炭層)8cを設け、該
物理吸着層8cの下流側にホットメルト樹脂を介してポ
リプロピレンスパンボンド不織布3をカバー材として固
着したケミカルフィルタ用濾材を得た。
【0036】(カバー材からのガス発生量の評価方法)カバ
ー材からのガス発生量の評価方法についての捕集装置の
説明図である図5を用いて説明する。カバー材を使用し
た実施例3または比較例2に用いたカバー材を直径7c
mの円形に切り、試料9として各々2枚ずつ用意した。
試料9の1枚をチャンバー10内の中央のガス吹き出し
口13の上に設置し、次いで、清浄なヘリウムガス11
をチャンバー10内に流速120ml/minで連続的
に流通させながらチャンバー10を60℃に加熱した。
30分後に捕集速度100ml/minで固体吸着剤1
3(成分;2,6-diphenylene oxide)に1時間捕集し
た。試料9のもう1枚は、チャンバー10の加熱速度を
80℃にして同様の手順で発生ガスを捕集した。前述し
た発生ガス推測法により、23℃での発生ガスを推測
し、ケミカルフィルタ用濾材をプリーツ型ユニット(山
高さ3.3cm、山間5mm)に成型したときの、ユニ
ットの単位間口面積当たりのカバー材からのガス発生量
に換算して表1にまとめた。
【0037】(ケミカルフィルタ用濾材からのガス発生量の
評価方法)ケミカルフィルタ用濾材からのガス発生量の
評価方法について、発生ガス捕集装置の説明図である図
5を用いて説明する。まず、各実施例および比較例のケ
ミカルフィルタ用濾材を、その周縁を覆うことができる
内径2.5cmの円筒形のガラスセル(図示無し)2枚
の間に挟み込んで周囲をPTFE製テープ(テフロン
(登録商標)テープ)で封じ、被処理気体であるヘリウ
ムガス11が試料9を通過後に再度回り込んで吸着剤に
接することのないようにした。次に、試料9がはめ込ま
れたセルを、発生ガス捕集装置(ジーエルサイエンス
(株)製 MSTD−258Mのチャンバー中央のガス
吹き出し口13の上に試料9の支持体側が下側(ガス吹
き出し口13に面した状態)になるよう置いた。次い
で、清浄なヘリウムガス11を流速240ml/min
で連続的に流通させながらチャンバー10内を60℃に
て加熱し、30分後に捕集速度100ml/minで固
体吸着剤13(成分;2,6-diphenylene oxiside)に1
時間捕集した。試料9のもう1枚は、チャンバー10の
加熱速度を80℃にして同様の手順で発生ガスを捕集し
た。発生ガス推定法により、23℃での発生ガスを推測
し、ケミカルフィルタ用濾材をプリーツ型ユニット(山
高さ3.3cm、山間5mm)に成型したときの、ユニ
ットの単位間口面積あたりのガス発生量に換算して表1
にまとめた。
【表1】
【0038】表1に示すように、カバー材を用いず、被処理
気体の通過方向に対してイオン交換樹脂層の下流に物理
吸着層を設けた実施例1,2のケミカルフィルタ用濾材
は、ユニットの単位間口面積あたり発生する有機物質量
が少なく、添加剤量は定量限界以下(1.0pg/m2
・hr以下)であった。カバー材を用いた実施例3はカ
バー材の総有機物質発生量が少なく、ケミカルフィルタ
用濾材としても総有機物質発生量と添加剤量が少ないも
のであった。
【0039】(ケミカルフィルタ用濾材のガス除去物性評価
方法)ケミカルフィルタ用濾材のガス除去物性の評価方
法は、汚染ガスとしてアンモニアを用い、初期濃度25
ppm、風速3.5cm/秒、温度23℃、相対湿度4
5%RHの条件で行なった。初期濃度(上流濃度)とケ
ミカルフィルタ用濾材を通過した後の下流濃度との差を
初期濃度で割り、百分率で求め汚染ガス除去効率とし
た。その後経時的に上流濃度と下流濃度を測定し、除去
効率が90%に低下した時点で寿命に達したと判断し、
破過時間とした。その結果を表2に示した。
【表2】 *初期除去率:汚染ガスをケミカルフィルタに流通し始
めてから1分後の汚染ガス除去率
【0040】表2に示すように、実施例1または実施例3は
物理吸着層を用いない比較例1より破過時間が長いもの
であった。また、添着活性炭を用いた実施例2は添着炭
を用いていない実施例1、実施例3、または比較例1よ
りも2割程度破過時間が長いものであった。
【0041】
【発明の効果】本発明のケミカルフィルタ用濾材および
ケミカルフィルタユニットは、クリーンルームなどで使
用した場合、特に酸性若しくは塩基性ガスの除去が可能
であり、しかもケミカルフィルタ用濾材およびケミカル
フィルタユニット自身よりガス状汚染物質が発生しない
か、または発生するガス状汚染物質が極めて少なく、ク
リーンルーム内の製品などへ悪影響を及ぼすことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリーツ型のケミカルフィルタユニッ
トの見取り図
【図2】本発明のパネル型のケミカルフィルタユニット
の見取り図
【図3】本発明のケミカルフィルタ用濾材の模式的断面
【図4】本発明のカバー材を有するケミカルフィルタ用
濾材の模式的断面図
【図5】ダイナミックヘッドスペース法に用いる発生ガ
ス捕集装置の説明図
【符号の説明】
1 ユニット枠体 2 支持体 3 カバー材 4 比処理気体の通過方向 5 連結部 5a 接着層 6 樹脂凝集部 6a 樹脂凝集部 7a イオン交換樹脂 7b イオン交換樹脂または物理吸着材 7c 物理吸着材 8a イオン交換樹脂層 8b イオン交換樹脂層または物理吸着層 8c 物理吸着層 9 試料 10 チャンバー 11 ヘリウムガス 12 固体吸着剤 13 ガス吹出し口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換樹脂層の下流に、該イオン交
    換樹脂層より発生する汚染物質を吸着する物理吸着層を
    積層してなることを特徴とするケミカルフィルタ用濾
    材。
  2. 【請求項2】 イオン交換樹脂層同士が、または物理吸
    着層同士が、またはイオン交換樹脂層と物理吸着層と
    が、熱融着性の樹脂によって接合一体化していることを
    特徴とする請求項1に記載のケミカルフィルタ用濾材。
  3. 【請求項3】 前記物理吸着層が、酸性ガス吸着材及び
    /またはアルカリガス吸着材を含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載のケミカルフィルタ用濾材。
  4. 【請求項4】 複数の積層単位で構成され、該積層単位
    がホットメルト樹脂から成る連結部と樹脂凝集部とで構
    成されたウエブの一方の表面に、該樹脂凝集部を介して
    イオン交換樹脂粉粒体または物理吸着粉粒体を固着して
    成り、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位を構成す
    るイオン交換樹脂粉粒体または物理吸着粉粒体とが樹脂
    凝集部を介して固着して成り、かつ該積層単位が前記イ
    オン交換樹脂層または前記物理吸着層であることを特徴
    とする、請求項1〜3に記載のケミカルフィルタ用濾
    材。
  5. 【請求項5】 最下流位置に積層された層の更に下流側
    にカバー材を設けた請求項1〜4に記載のケミカルフィ
    ルタ用濾材からなるケミカルフィルタユニットにおい
    て、該カバー材から発生する総有機物質量(トルエン換
    算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出す
    ると、該総有機物質量がケミカルフィルタユニットの間
    口面積あたり、また単位時間あたり、1.0(pg/m
    2・hr)以上10(μg/m2・hr)以下であるケミ
    カルフィルタユニット。
  6. 【請求項6】 最下流位置に積層された層の更に下流側
    にカバー材を設けた請求項1〜4に記載のケミカルフィ
    ルタ用濾材からなるケミカルフィルタユニットにおい
    て、該カバー材から発生する添加剤量(トルエン換算重
    量)を発生ガス推測法により23℃において算出する
    と、該添加剤量が該ケミカルフィルタユニットの間口面
    積あたり、また単位時間あたり、1.0(pg/m2
    hr)以上0.15(μg/m2・hr)以下であるケ
    ミカルフィルタユニット。
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US7621989B2 (en) 2003-01-22 2009-11-24 Camfil Ab Filter structure, filter panel comprising the filter structure and method for manufacturing the filter structure
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CN115243780A (zh) * 2020-03-27 2022-10-25 东丽株式会社 过滤材料

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