JP2002246953A - スペクトル拡散通信システムにおいて使用される受信装置 - Google Patents

スペクトル拡散通信システムにおいて使用される受信装置

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JP2002246953A
JP2002246953A JP2001038753A JP2001038753A JP2002246953A JP 2002246953 A JP2002246953 A JP 2002246953A JP 2001038753 A JP2001038753 A JP 2001038753A JP 2001038753 A JP2001038753 A JP 2001038753A JP 2002246953 A JP2002246953 A JP 2002246953A
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Hiroyuki Inuzuka
浩之 犬塚
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトル拡散通信の受信装置が備えるAF
C回路が正しくロックするまでの時間を短縮する。 【解決手段】 受信信号は、相関回路12において逆拡
散される。同期検出回路14は、相関回路12の出力に
基づいて符号同期を検出する。位相検出回路15は、相
関回路12の出力に基づいて受信信号の位相を検出す
る。AFC回路16は、位相検出回路15により検出さ
れた位相から搬送波オフセットの影響を除去する。復号
回路17は、AFC回路16の出力に基づいてデータを
再生する。AFC回路16は、この受信装置が自分宛て
のデータの受信を開始したときにいったんリセットされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散通
信において使用される受信装置に係わり、特に、送信装
置のクロック周波数と受信装置のクロック周波数との誤
差を補正する機能を備える受信装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】無線通信方式のひとつとして、スペクト
ル拡散通信が知られている。スペクトル拡散通信では、
データは、送信装置において拡散符号を用いて拡散され
た後、所定の周波数の搬送波に乗せられて伝送される。
そして、受信装置は、送信装置において使用された拡散
符号と同じ符号を用いて受信信号を逆拡散することによ
りデータを再生する。尚、スペクトル拡散通信方式はC
DMA(Code DivisionMultiple Access )を実現する
基盤技術である。
【0003】受信装置は、受信波から信号を取り出す際
には、その受信波から搬送波成分を除去する必要があ
る。そして、受信波から搬送波成分を除去するために
は、その受信波に対して搬送波と同じ周波数の周期波を
乗算する必要がある。受信装置において搬送波と同じ周
波数の周期波を用意する方法としては、受信波から搬送
波を再生する方法が知られている。しかし、この方法を
実施しようとすると、受信装置の回路規模が大きくなっ
てしまう。したがって、スペクトル拡散通信システムで
は、送信装置および受信装置がそれぞれ互いに独立して
動作する発振器を備えることが多い。ここで、送信装置
および受信装置が備える発振器の発振周波数は、基本的
に互いにほぼ同じである。
【0004】しかし、発振器の発振周波数は、製造ばら
つきを持っている。すなわち、送信装置および受信装置
に設けられる発振器の発振周波数が互いに完全に一致す
ることは希である。このため、受信装置は、送信装置お
よび受信装置の発振器の発振周波数の差を補正するため
の機能を備えている。なお、この機能はしばしば「自動
周波数制御(AFC:Automatic Frequency Control )
機能」と呼ばれ、その機能を実現する回路は「AFC回
路」と呼ばれている。また、これらの発振周波数の差は
「オフセット周波数」と呼ばれることがあり、そのオフ
セット周波数に起因する位相のずれは「搬送波オフセッ
ト」または単に「オフセット」と呼ばれることがある。
【0005】このように、送信装置および受信装置がそ
れぞれ搬送波のための発振器を備えるシステムにおいて
は、受信装置は、これらの発振器の発振周波数の誤差を
補正するためのAFC回路を備えている。そして、受信
装置は、そのAFC回路を利用しながら伝送データを再
生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、受信装置内
のいくつかの回路部分は、受信装置が自分宛ての信号を
受信していないときでも何らかの動作を継続している。
そして、上述のAFC回路も、基本的には、当該受信装
置が自分宛ての信号を受信していないときに動作を継続
している。この場合、AFC回路には「意味のない信
号」が入力され、AFC回路は、その「意味のない信
号」に対してAFC動作を行うことになる。
【0007】上記状態において、受信装置がその受信装
置宛ての信号を受信すると、AFC回路は、その信号に
対応するAFC動作を開始する。しかし、このとき、A
FC回路は、先に受信している「意味のない信号」に対
応する処理の影響を引き継いでしまう。したがって、こ
の場合、AFC回路が正しい状態にロックされなかった
り、ロックされるとしても長い時間を要することが起こ
り得る。すなわち、既存の受信装置では、送信装置によ
り送出されたデータを正しく再生できなくなることがあ
る。
【0008】本発明の課題は、スペクトル拡散通信シス
テムにおいて使用される受信装置においてデータを確実
に再生できるようにすることである。また、本発明の他
の課題は、スペクトル拡散通信システムにおいて使用さ
れる受信装置が備えるAFC回路が正しくロックするま
での時間を短縮することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の受信装置は、デ
ータを位相情報に変換して伝送するスペクトル拡散通信
システムにおいて使用されることを前提とし、受信信号
を逆拡散する相関手段と、その相関手段の出力に基づい
て受信信号の位相を検出する位相検出手段と、その位相
検出手段により検出された位相を補正する制御手段と、
その制御手段により補正された位相に基づいてデータを
再生する復号手段と、当該受信装置が自分宛ての信号を
受信するまでの期間上記制御手段を初期化しておく初期
化手段とを有する。
【0010】上記構成において、当該受信装置が自分宛
ての信号を受信する前は、制御手段は、当該受信装置に
とって意味のないデータに対して補正動作を行ってい
る。しかし、この期間は、制御手段は初期化手段により
初期化されている。このため、当該受信装置が自分宛て
の信号の受信を開始した後の補正動作は、上記意味のな
いデータに対する補正動作の影響を引き継がない。よっ
て、制御手段の動作は短時間で安定し、データを確実に
再生できる。
【0011】本発明の他の態様の受信装置は、上記相関
手段、位相検出手段、制御手段、復号手段に加えて、当
該受信装置が自分宛ての信号の受信を開始したときに上
記制御手段を初期化する初期化手段を有する。この構成
においても、上述の構成と同様に、制御手段の動作は短
時間で安定してデータを確実に再生できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照しながら説明する。本実施形態の受信装置
は、スペクトル拡散を利用してデータが伝送されるシス
テムにおいて使用される。ここで、データは、送信装置
において拡散符号が乗積された後に搬送波に乗せられて
伝送される。一方、受信装置は、受信波を逆拡散するこ
とにより、データを再生する。
【0013】この実施例の通信システムでは、図1に示
すように、送信装置および受信装置がそれぞれ発振器を
備えている。ここで、送信装置が備える発振器は、搬送
波のための周期波を生成する。一方、受信装置が備える
発振器の発振周波数は、送信装置が備える発振器のそれ
と基本的に同じである。そして、受信装置は、その発振
器が生成する周期波を利用して受信波から搬送波成分を
除去した後、送信装置により送出されたデータを再生す
る。
【0014】また、この実施形態の通信システムでは、
データは、QPSK(QuadriphasePhase Shift Keyin
g)変調を利用して2ビットずつ伝送されるものとす
る。尚、QPSKでは、2ビットのデータは、搬送波の
位相(0相、π/2相、π相、または3π/2相)を表
す情報に変換される。このとき、2ビットデータに対し
て搬送波の位相が固定的に対応づけられてもよいし、搬
送波の位相のシフト量が対応づけられてもよい。なお、
後者の方法は、しばしば「差動符号」と呼ばれている。
【0015】搬送波の位相は、図2に示すようなI−Q
平面上の信号点として表すことができる。すなわち、2
ビットデータは、QPSKでは、I−Q平面上の対応す
る信号点を表す情報に変換される。具体的には、2ビッ
トデータは、I−Q平面上の対応する信号点を表す座標
のI成分データおよびQ成分データに変換される。以
下、差動符号において2ビットデータをI−Q平面上の
対応する信号点を表す情報に変換する方法を簡単に示
す。なお、ここでは、各2ビットデータと対応する位相
シフト量との関係が以下であるものとする。 上記対応関係の下で、例えば、n−1番目の2ビットデ
ータが信号点Aを用いて伝送され、n番目の2ビットデ
ータが(0,1)であれば、そのn番目の2ビットデー
タは、信号点Aの位相を「+3π/2」だけシフトする
ことによって得られる信号点(すなわち、信号点D)を
用いて伝送される。この場合、n番目の2ビットデータ
は、I−Q平面上の点(+1,−1)に変換される。
【0016】図3は、I−Q平面上の信号点に基づいて
変調された搬送波の例を示す図である。搬送波は、2ビ
ットデータに基づいて得られるI−Q平面上の信号点の
座標を表すデータ(I成分データ、Q成分データ)によ
り変調される。この結果、図3では、例えば、n番目の
2ビットデータが伝送される期間の搬送波の位相は、n
−1番目の2ビットデータが伝送される期間のそれと比
較して「+3π/2」だけ進んでいる。したがって、受
信装置は、搬送波の位相のシフト量を検出することによ
り、送信装置から送出された2ビットデータを再生でき
る。
【0017】なお、上述の説明では、送信装置から受信
装置へ伝送すべきデータが対応する信号点に配置されて
いるが、そのデータを拡散することによって得られる各
チップ毎に対応する信号点を配置するようにしてもよ
い。この場合、受信装置は、搬送波の位相のシフト量を
検出することにより拡散信号を認識し、その拡散信号を
逆拡散することによりデータを再生する。
【0018】図4は、本実施形態の受信装置のブロック
図である。この受信装置は、アンテナ10を介して受信
した無線信号からデータを再生する。受信回路11は、
受信信号から搬送波成分を除去するために、上述した発
振器が生成する周期波をその受信信号に乗積する。この
とき、受信信号に対して、上記発振器により生成される
周期波およびそれに直交する周期波が乗積され、これに
より、受信信号からI成分データおよびQ成分データが
生成される。さらに、このI成分データおよびQ成分デ
ータは、それぞれA/Dコンバータによりデジタル信号
に変換された後に相関回路12に送られる。
【0019】相関回路12は、受信信号のI成分データ
列およびQ成分データ列に対してそれぞれ拡散符号を乗
算する。この拡散符号は、送信装置において使用された
拡散符号と同じである。図5は、相関回路12の一例の
回路図である。なお、I成分データ列を処理するための
回路およびQ成分データ列を処理するための回路は、基
本的に、互いに同じ構成である。
【0020】相関回路12は、拡散符号のチップ数と同
じ段数のシフトレジスタ21を有しており、入力データ
列を順番に格納する。なお、上述した不図示のA/Dコ
ンバータにおいてn倍オーバーサンプリングが行われる
場合には、シフトレジスタ21の段数は拡散符号のチッ
プ数のn倍になる。拡散符号格納レジスタ22には、拡
散符号が格納されている。乗積回路23は、シフトレジ
スタ21の段数と同じ数の排他的NOR回路を有し、シ
フトレジスタ21に新たなデータエレメントが入力され
る毎に、そのシフトレジスタ21に保持されているデー
タ列と拡散符号格納レジスタ22に格納されている拡散
符号との乗算を行う。そして、加算部24は、各排他的
NOR回路の演算結果の和を相関値データとして出力す
る。このように、相関回路12は、新たなデータエレメ
ントが入力される毎に、順次、相関値データを出力して
いく。
【0021】同期回路13は、符号同期を確立するため
の同期検出回路14、および受信信号の位相を検出する
ための位相検出回路15を備える。図6は、同期検出回
路14の動作を示す概略フローチャートである。ステッ
プS1では、相関回路12から出力される相関値データ
の最大値をシンボル周期毎に検出すると共に、その最大
値が得られたタイミングを検出する。なお、このタイミ
ングは、クロックに従って動作するタイミングカウンタ
のカウント値により表される。ここで、タイミングカウ
ンタは、例えば、拡散符号のチップ周期(2倍オーバー
サンプリングの場合は、チップ周期の2倍)のクロック
に従い、そのチップ数(2倍オーバーサンプリングの場
合は、チップ数の2倍)を周期としてサイクリックにカ
ウント動作を繰り返す。図7に示す例では、タイミング
カウンタは、「0」〜「21」の値をとり得る。また、
図7に示す例では、「タイミングカウンタ=7」におい
て、相関値データの最大値が得られている。
【0022】ステップS2では、前回のシンボル周期に
おいて最大値が得られたタイミングと今回のシンボル周
期において最大値が得られたタイミングとが一致してい
るか否かが調べられる。この判断では、タイミングカウ
ンタのカウント値が比較される。そして、それらが互い
に一致していれば、ステップS3において、同期カウン
タのカウント値をインクリメントする。一方、上記タイ
ミングが一致していなければ、符号同期が確立していな
いものとみなし、ステップS4において同期カウンタを
リセットする。
【0023】ステップS5では、同期カウンタのカウン
ト値が予め設定されている所定値であるか否かが判断さ
れる。そして、そのカウント値が所定値であれば、符号
同期が確立したものとみなし、ステップS6において同
期確立フラグをセットする。一方、そのカウント値が所
定値に達してなければ、次のシンボルについてステップ
S1〜S4の処理を実行するためにステップS1に戻
る。
【0024】このように、同期検出回路14は、相関値
データの最大値が所定回数所定のタイミングで繰り返し
検出されたときに、符号同期が確立したものとみなす。
位相検出回路15は、シンボル毎に位相を検出する。具
体的には、例えば、相関値データの最大値が得られたタ
イミングにおけるI成分およびQ成分に基づいて位相が
検出される。そして、検出された位相は、所定ビット数
のデジタルデータに変換されて出力される。但し、位相
検出回路15により検出される位相は、搬送波オフセッ
トの影響を含んでいる。なお、この搬送波オフセットに
よる影響は、AFC回路16により補正される。
【0025】図8は、AFC回路16のブロック図であ
る。AFC回路16は、位相検出回路15により検出さ
れた位相データから搬送波オフセットによる影響を除去
することにより、正しい位相を表すデータを出力する。
コンパレータ31は、位相検出回路15により検出され
た位相データから数値制御発振器(NCO:Numerical
Controlled Oscillator )33により生成される位相補
正データを差し引くことにより、搬送波オフセットの影
響が除去された位相(正しい位相)を出力する。そし
て、この位相が、復号回路17に与えられる。このと
き、ループフィルタ32は、コンパレータ31において
上記位相を算出した際の誤差に基づいて、搬送波オフセ
ットに対応する信号(オフセットデータ)を出力する。
数値制御発振器33は、ループフィルタ32の出力に基
づいて位相補正データを出力する。
【0026】図9は、AFC回路16の動作を示す概略
フローチャートである。ステップS11では、入力位相
と補正位相との誤差を算出する。なお、この誤差を算出
する方法は、後述詳しく説明する。ステップS12で
は、ステップS11で算出した誤差が、予め設定されて
いる所定値よりも小さいか否かが調べられる。そして、
その誤差が所定値よりも小さければ、ステップS13に
おいて、AFCロックカウンタのカウント値をインクリ
メントする。一方、上記誤差が所定値よりも大きけれ
ば、ステップS14においてAFCロックカウンタをリ
セットする。
【0027】ステップS15では、AFCロックカウン
タのカウント値が予め設定されている所定値であるか否
か判断される。そして、そのカウント値が所定値であれ
ば、AFC回路16の動作が十分に安定したものとみな
し、ステップS16においてAFCロックフラグをセッ
トする。尚、AFCロックフラグがセットされると、以
降、当該受信装置は、データ受信モードに入る。そし
て、データ受信モードでは、すなわちAFC回路16の
動作が十分に安定した後は、ループフィルタ32のゲイ
ンを小さくする。これは、ノイズ等の影響を受けにくく
するためである。一方、このAFCロックカウンタのカ
ウント値が所定値に達してなければ、ステップS11に
戻る。
【0028】このように、AFC回路16は、コンパレ
ータ31において発生する誤差が一定値以下に収束した
状態が所定時間継続すると、AFC動作が安定(また
は、ロック)したものと判断する。復号回路17は、A
FC回路16により得られる位相データに基づいて伝送
データを再生する。この実施例では、変調方式としてQ
PSKが採用されているので、復号装置17は、与えら
れる位相データに基づいて2ビットの伝送データを再生
する。なお、位相データを2ビットデータに変換する方
法は、送信装置において2ビットデータを位相データに
変換する方法に対応する。
【0029】図10は、AFC回路16の詳細な構成図
である。コンパレータ31は、減算機41、変換部4
2、および誤差算出部43を備える。減算機41は、位
相検出回路15により検出された位相データから数値制
御発振器(NCO)33により生成される位相補正デー
タを差し引くことにより、搬送波オフセットの影響が除
去された位相(正しい位相)を出力する。変換部42
は、減算機41から出力される位相データがI−Q平面
上の第2〜第4象限に属しているときに、その位相デー
タを第1象限内の対応する位相データに変換する。な
お、変換部42は、減算機41から出力される位相デー
タがI−Q平面上の第1象限に属しているときは、その
位相データをそのまま誤差算出部43に渡す。誤差算出
部43は、変換部42の出力により表される位相と、
「+π/4」との誤差を算出する。
【0030】図11(a) 及び図11(b) は、コンパレー
タ31の動作を説明する図である。ここでは、図11
(a) に示すように、位相検出回路15により検出された
位相データが「α0 」であり、数値制御発振器33によ
り生成される位相補正データが「β」であったものとす
る。この場合、減算機41は、「α0 −β」を演算する
ことにより、搬送波オフセットの影響が除去された位相
(α1 )を出力する。
【0031】変換部42は、減算機41から出力される
位相(α1 )が第2象限に属することを検出すると、図
11(b) に示すように、その位相を「π/2」遅らせ
る。これにより、「α2 (=α1 −π/2)」が得られ
る。誤差算出部43は、この位相α2 と「π/4」との
誤差を算出する。ここで、位相α2 と「π/4」とが比
較される理由は以下の通りである。すなわち本実施形態
のQPSKにおいて送信装置により使用される位相は、
図2に示すように、「π/4」「3π/4」「5π/
4」または「7π/4」である。従って、受信装置にお
いて搬送波オフセットの影響が除去された位相(α1 )
は、「π/4」「3π/4」「5π/4」または「7π
/4」であるはずである。ここで、上記位相α1 は、変
換部42によりI−Q平面の第1象限内の位相に変換さ
れる。このため、上記位相α2 は、理想的には、「π/
4」となっているはずである。従って、誤差算出部43
が「α2 」と「π/4」との誤差を算出し、AFC回路
16の制御系がその誤差をゼロに収束させるように動作
することにより、搬送波オフセットの影響を除去できる
ようになる。
【0032】図10に戻る。ループフィルタ32は、乗
算機(G1)51および乗算機(G2)52を備え、コ
ンパレータ31により算出された誤差にゲインを与え
る。ここで、乗算機51および乗算機52のゲインは、
それぞれ「0.5〜0.05」および「0.05〜0.
005」程度である。乗算機51の出力は、加算機53
に与えられる。一方、乗算機52の出力は、加算機54
に与えられる。加算機54およびレジスタ55は、乗算
機52の出力を累積的に加算する回路である。すなわ
ち、加算機54は、増幅機52の出力とレジスタ55に
保持されている値とを加算し、その結果を加算機53に
与えると共にレジスタ55に書き込む。そして、加算機
53は、与えられた値の和を出力する。尚、この出力
は、数値制御発振器33に与えられるオフセットデータ
である。また、このループフィルタは、公知の二次ルー
プフィルタであり、詳しい動作についての説明は省略す
る。
【0033】数値制御発振器33において、加算機61
は、ループフィルタ32により算出されたオフセットデ
ータとレジスタ62に保持されている値とが加算され
る。この加算結果は、レジスタ62に書き込まれる。そ
して、レジスタ62に書き込まれた値が「位相補正デー
タ」としてコンパレータ31に与えられる。
【0034】上記構成のAFC回路16は、コンパレー
タ31により算出される誤差がゼロになるように動作す
る。そして、この誤差が実質的にゼロになると、乗算機
51および乗算機52の出力が共にゼロになるので、ル
ープフィルタ32は、レジスタ55に保持されている値
を「オフセットデータ」として出力するようになる。換
言すれば、レジスタ55に保持される値が搬送波オフセ
ットを表す値に収束すると、コンパレータ31により算
出される誤差がゼロになる。そして、図9を参照しなが
ら説明したように、この誤差が実質的にゼロに収束した
状態が所定時間継続すると、AFC動作が安定(また
は、ロック)したものと判断される。
【0035】このように、AFC動作がロックすると、
レジスタ55に保持される値が搬送波オフセットを表す
値に収束する。しかし、既存技術の問題点として説明し
たように、当該受信装置が自分宛てのデータの受信を開
始した直後は、これらのレジスタには、「意味のない信
号」に対応する値が格納されている。このため、既存の
構成においては、AFC回路が正しい状態にロックされ
なかったり、ロックされるとしても長い時間を要するこ
とが起こっていた。
【0036】実施形態の受信装置は、この問題を解決す
るため、所定のトリガに基づいてレジスタ55およびレ
ジスタ62をリセットする機能を備える。レジスタ55
およびレジスタ62がリセットされた状態からAFC動
作が開始されると、レジスタ55およびレジスタ62に
保持される値がでたらめな値に収束することはなく、ま
た、収束時間も短縮される。そして、本願出願人は、こ
のことを実験により確認している。以下、レジスタ55
およびレジスタ62をリセットするタイミングについて
説明する。なお、「リセット」とは、レジスタ55およ
びレジスタ62に強制的に「0(ゼロ)」を書き込むこ
とを意味する。第1の方法 第1の方法では、当該受信装置が自分宛てのデータを受
信していない期間、レジスタ55、62が継続的に或い
は繰返しリセットされる。すなわち、当該受信装置が自
分宛てのデータを受信するまで、レジスタ55、62が
継続的に或いは繰返しリセットされる。これにより、当
該受信装置が自分宛てのデータの受信を開始した直後に
レジスタ55、62にでたらめな値が格納されているこ
とはなくなり、AFC回路16の動作は短時間で正しく
ロックする。
【0037】第1の方法において、「当該受信装置が自
分宛てのデータを受信していない期間」は、例えば、以
下のようにして判断される。すなわち、図6〜図7を参
照しながら説明したように、当該受信装置が自分宛ての
データを受信しているとすると、シンボル毎の相関値デ
ータの最大値は、周期的に検出されることになる。した
がって、反対に、シンボル毎の相関値データの最大値が
非周期的にあるいはランダムに検出されたとすると、当
該受信装置が自分宛てのデータを受信していないとみな
すことができる。
【0038】図12は、AFC回路16をリセットする
処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、
同期検出回路14により実行されてもよいし、AFC回
路16の内部で実行されてもよい。ステップS21〜S
24は、図6に示したフローチャートのステップS1〜
S4と同じである。すなわち、前回のシンボル周期にお
いて相関値の最大値が検出されたタイミングと今回のシ
ンボル周期において相関値の最大値が検出されたタイミ
ングとが一致しているか否かが調べられる。そして、こ
れらが一致していれば同期カウンタがインクリメントさ
れ、これらが互いに異なっていれば同期カウンタはリセ
ットされる。
【0039】ステップS25では、同期カウンタがゼロ
であるか否かが調べられる。また、ステップS26で
は、既に符号同期が確立しているか否かが調べられる。
なお、符号同期は、図6に示したフローチャートのステ
ップS6において同期確立フラグがセットされていたと
きに、確立しているものとみなされる。そして、同期カ
ウンタがゼロであり、且つ、まだ符号同期が確立してい
ない場合には、ステップS27において、AFC回路1
6をリセットするための信号が生成される。このリセッ
ト信号は、具体的には、レジスタ55およびレジスタ6
2をリセットするための信号である。
【0040】この処理によれば、前回のシンボル周期に
おいて相関値の最大値が検出されたタイミングと今回の
シンボル周期において相関値の最大値が検出されたタイ
ミングとが互いに一致するようになると、レジスタ55
およびレジスタ62はリセットされなくなる。すなわ
ち、当該受信装置が自分宛てのデータを受信するように
なると、レジスタ55およびレジスタ62はリセットさ
れなくなる。従って、AFC回路16は、当該受信装置
が自分宛てのデータの受信を開始した時点で、初期化さ
れた状態からAFC動作を開始することができる。
【0041】なお、この処理は、シンボル毎に実行され
る。したがって、レジスタ55、62は、当該受信装置
が自分宛てのデータを受信するまでの期間、繰り返しリ
セットされることになる。また、この処理は、ハードウ
ェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアにより実
現されてもよい。前者の場合は、例えば、上記処理シー
ケンスをHDL(ハードウェア記述言語)等で記述し、
その記述に対応するパターンをIC上に形成することに
より実現される。一方、後者の場合は、上記処理シーケ
ンスを記述したプログラムを実行することにより実現さ
れる。第2の方法 第2の方法では、当該受信装置が自分宛てのデータの受
信を開始したことをトリガとして、レジスタ55、62
がリセットされる。これにより、当該受信装置が自分宛
てのデータの受信を開始した直後にレジスタ55、62
にでたらめな値が格納されていることはなくなり、AF
C回路16の動作は短時間で正しくロックする。
【0042】第2の方法において、「当該受信装置が自
分宛てのデータの受信を開始しているか否か」は、例え
ば、符号同期が確立しているか否かに基づいて判断され
る。この場合、図6に示したフローチャートの処理が実
行され、ステップS6において同期確立フラグがセット
されると共に、レジスタ55およびレジスタ62をリセ
ットするための信号が生成されるようにすればよい。な
お、この後、同期フラグがセットされている期間は、レ
ジスタ55およびレジスタ62が繰り返しリセットされ
ることがないようにする必要がある。第3の方法 第3の方法は、第2の方法と同様に、当該受信装置が自
分宛てのデータの受信を開始したことをトリガとしてレ
ジスタ55、62をリセットする。ただし、第3の方法
においては、「当該受信装置が自分宛てのデータの受信
を開始しているか否か」は、相関値データの最大値が予
め設定されている閾値を越えたか否かに基づいて判断さ
れる。すなわち、第3の方法では、相関値データの最大
値が予め設定されている閾値を越えたとき、当該受信装
置が自分宛てのデータの受信を開始したものとみなし、
レジスタ55、62がリセットされる。なお、レジスタ
55、62がいったんリセットされた後は、相関値デー
タが再び上記閾値を越えたとしても、そのリセットが繰
り返されないようにする必要がある。他の方法 上記第1〜第3の方法の他にも、何らかの基準により信
号入力を検出したときにレジスタ55、62をリセット
するようにしてもよい。この場合、信号入力を検出した
後のできるだけ早いタイミングでレジスタ55、62を
リセットすることが望ましい。これは、AFC回路16
がロックするために使用できる時間を出来るだけ長くす
るためである。
【0043】AFC回路16は、レジスタ55およびレ
ジスタ62が上述のようにしてリセットされた後、図1
0を参照しながら説明したAFC動作を実行することに
より正しい位相データを出力する。そして、復号回路1
7が、その位相データに基づいて、送信装置が送出した
データを再生する。
【0044】なお、上述の実施例では、所定のトリガに
起因してレジスタ55およびレジスタ62がリセットさ
れているが、本発明は、必ずしもこの構成に限定される
ものではない。すなわち、本発明は、所定のトリガに起
因してAFC回路16を初期化する動作に適用される。
ここで、AFC回路16を初期化する動作は、レジスタ
55およびレジスタ62をリセットする動作だけでな
く、レジスタ55およびレジスタ62に所定の値を書き
込むような動作も含む。ただし、この場合であっても、
レジスタ55およびレジスタ62(少なくとも、レジス
タ55)に書き込むべき値は、「ゼロ」に近い値が好適
である。
【0045】また、上述の実施例では、変調方式として
QPSKが導入されているが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、スペクトル拡散通信の
受信装置に設けられるAFC回路が短時間で正しくロッ
クするようになる。したがって、送信装置から送出され
たデータが確実に再生される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の受信装置が使用される通信システ
ムを説明する図である。
【図2】I−Q平面を説明する図である。
【図3】I−Q平面上の信号点に基づいて変調された搬
送波の例を示す図である。
【図4】本実施形態の受信装置のブロック図である。
【図5】相関回路の一例の回路図である。
【図6】同期検出回路の動作を示す概略フローチャート
である。
【図7】同期検出回路の動作を説明する図である。
【図8】AFC回路のブロック図である。
【図9】AFC回路の動作を示す概略フローチャートで
ある。
【図10】AFC回路の詳細な構成図である。
【図11】コンパレータの動作を説明する図である。
【図12】AFC回路をリセットする処理を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
11 受信回路 12 相関回路 13 同期回路 14 同期検出回路 15 位相検出回路 16 AFC回路 17 復号回路 31 コンパレータ 32 ループフィルタ 33 数値制御発振器(NCO) 43 誤差算出部 55 レジスタ 62 レジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データを位相情報に変換して伝送するス
    ペクトル拡散通信システムにおいて使用される受信装置
    であって、 受信信号を逆拡散する相関手段と、 その相関手段の出力に基づいて受信信号の位相を検出す
    る位相検出手段と、 その位相検出手段により検出された位相を補正する制御
    手段と、 その制御手段により補正された位相に基づいてデータを
    再生する復号手段と、 当該受信装置が自分宛ての信号を受信するまでの期間、
    上記制御手段を初期化しておく初期化手段と、 を有する受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の受信装置であって、 上記初期化手段は、前回のシンボル周期において上記相
    関手段の出力の最大値が検出されたタイミングと今回の
    シンボル周期おいて上記相関手段の出力の最大値が検出
    されたタイミングとが互いに一致しなかったときに、上
    記制御手段を初期化する。
  3. 【請求項3】 データを位相情報に変換して伝送するス
    ペクトル拡散通信システムにおいて使用される受信装置
    であって、 受信信号を逆拡散する相関手段と、 その相関手段の出力に基づいて受信信号の位相を検出す
    る位相検出手段と、 その位相検出手段により検出された位相を補正する制御
    手段と、 その制御手段により補正された位相に基づいてデータを
    再生する復号手段と、 当該受信装置が自分宛ての信号の受信を開始したとき
    に、上記制御手段を初期化する初期化手段と、 を有する受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の受信装置であって、 上記初期化手段は、符号同期が確立したときに上記制御
    手段を初期化する。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の受信装置であって、 上記初期化手段は、上記相関手段の出力が予め設定され
    ている閾値を越えたときに上記制御手段を初期化する。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の受
    信装置であって、 上記制御手段は、 位相補正データを用いて上記位相検出手段により検出さ
    れた位相を補正すると共に、その補正結果と予め決めら
    れた位相とを比較するコンパレータと、 上記コンパレータにおける比較結果として得られる誤差
    に対してゼロよりも大きく1よりも小さい値を乗積する
    乗算機およびその乗算機の出力を累積的に加算するため
    に使用されるレジスタを用いて上記誤差について所定の
    演算を実行するループフィルタと、 上記ループフィルタの演算結果に従って上記位相補正デ
    ータを生成する手段と、を備えて上記誤差がゼロに収束
    するように動作し、 上記初期化手段が、上記ループレジスタが備えるレジス
    タをリセットする。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011101295A (ja) * 2009-11-09 2011-05-19 Denso Wave Inc セキュリティシステムの受信装置,及びセキュリティシステムの受信装置制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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