JP2002246876A - 弾性表面波素子及び弾性表面波デバイス - Google Patents

弾性表面波素子及び弾性表面波デバイス

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JP2002246876A
JP2002246876A JP2001212748A JP2001212748A JP2002246876A JP 2002246876 A JP2002246876 A JP 2002246876A JP 2001212748 A JP2001212748 A JP 2001212748A JP 2001212748 A JP2001212748 A JP 2001212748A JP 2002246876 A JP2002246876 A JP 2002246876A
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Daisuke Ishii
大輔 石井
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用する圧電基板裏面上においてバルク波の
影響を抑圧するのに必要であると考えられる箇所だけに
ダイサーカット加工により溝を形成することにより、通
過帯域外高周波側の阻止域に発生するスプリアスを大幅
に抑圧でき、阻止域減衰量を改善する上で優れた効果を
得る。 【解決手段】 圧電材料から成る圧電基板の表面上に櫛
歯型電極を形成して成る弾性表面波素子において、前記
圧電基板の裏面の所要箇所に、ダイサーカットにより溝
を形成し、前記溝の側壁面の延在方向が、前記圧電基板
内における弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向
となるように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、裏面上に溝を設け
て凹凸化した圧電基板を使用した弾性表面波素子に関
し、特に通過帯域外の高周波側に発生するスプリアスを
抑圧し阻止域減衰量を改善した弾性表面波素子及び弾性
表面波デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の移動体通信機器の著しい発展・普
及に伴い、通信端末として多くの人々に使用されている
携帯電話等には、周波数制御デバイスとして弾性表面波
フィルタが利用されている。一般に、弾性表面波フィル
タとは圧電基板表面上に電極指が交叉する櫛歯型電極
(以下、IDT電極、と称す。)を形成した弾性表面波
素子を用いたデバイスであり、該IDT電極に高周波信
号を印加することで該IDT電極を構成する電極指間に
て弾性表面波を励受信させて所望のフィルタ特性を得る
ようにしたものである。即ち、弾性表面波素子は、水
晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、或はタンタル
酸リチウム(TiTaO)等から成る圧電基板上にI
DT電極を配置した構成を備え、例えばこれらのIDT
電極に高周波電界を印加することによって弾性表面波を
励起し、弾性表面波を圧電反作用によって高周波電界に
変換することによってフィルタ特性を得るものである。
しかし、弾性表面波が励起される際には、該圧電基板の
異方性および材料定数の関係から、弾性表面波以外にも
バルク波が該IDT電極間で励受信される。その中でも
圧電基板内部方向に伝搬し、圧電基板裏面での反射を経
て受信側IDT電極で受波されるバルク波(以下、DB
AW、と称す)の影響は、広範囲における帯域外減衰量
劣化としてフィルタ特性に多大な影響を与えてしまう。
【0003】そこで従来、該DBAWの受信側IDT電
極における受波確率の低減、即ち裏面反射の影響を抑圧
するために、ホーニング加工、ダイサーカットといった
手法により基板裏面の粗面化、凹凸化が行われている。
しかし、ホーニング加工方法においては、圧電基板の裏
面をホーニング加工するため穴開け専用マスクが別途必
要となってしまい、効率的ではない。その点、後者のダ
イサーカットによる加工方法であれば、ウェハ切断時に
使用するダイシングソーにより凹凸化(溝形成)が図
れ、格別の加工手段を用意する必要が無く既存装置で対
応できる点が有利である。ダイサーカットにより圧電基
板の裏面に溝を形成する場合、ランダムに裏面を加工し
溝を形設することで凹凸化を図り、DBAWによる影響
を除去することになる。しかし、この方法によった場
合、ある程度の改善効果は見られるものの、溝形成時の
加工条件、加工本数によっては、形成される溝の端部面
で新たに端面反射が生じる場合があり、逆にフィルタ特
性を劣化させていた。
【0004】図5は従来の弾性表面波素子1の断面図で
あり、圧電材料から成る圧電基板2の表面上に、励振用
の複数の電極指から成る櫛歯型電極(以下、IDT電
極、と称す)3、4を形成した構成を備えている。高周
波信号を印加することでIDT電極3、4を構成する電
極指間にて弾性表面波が励受信されるが、弾性表面波と
同時に励振され圧電基板内部方向に放射されるバルク波
(DBAW)が基板裏面で1回反射(実線矢印)ないし
2回反射(破線矢印)を経て受信側IDTで受波され
る。なお、これ以上の回数反射する場合は、本発明者ら
の実験・検討により影響が小さいものと判断し考慮して
いない。界面に対して入射する波の振る舞いは、境界条
件によって複雑であるが、図示のように内部伝搬するD
BAWが基板裏面で等角入・反射を起こして送・受波さ
れる時が、一番影響が大きいと考えられる。図6は図5
に示した弾性表面波素子の送受IDT電極3、4を各々
16.5対、電極膜厚を2%λ、送受IDT電極中心間
距離Lを140λという条件の下で構成した弾性表面波
フィルタのフィルタ特性を示すものである。圧電基板2
の材料としては、450XカットZ伝搬四棚酸リチウム
(以下、450X−ZLiBOと称す。)を使用
し、裏面加工を施していない時のフィルタ特性を図6に
示し、ハーフダイシング加工により裏面にランダムに溝
を形成し凹凸化を図った時のフィルタ特性を図7に示
す。図6、図7によれば、双方とも圧電基板の異方性お
よび材料定数の関係に起因して励振されてしまうDBA
Wの影響により、帯域外高周波側の減衰量が低周波側に
比べ劣化しており、裏面加工を施した方は、帯域外高周
波側減衰量がある程度改善されているものの実用上十分
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、弾性表面波の励起時に弾性
表面波以外にIDT電極間で励受信されるバルク波(D
BAW)による影響を極力抑圧するために必要だと考え
られる圧電基板裏面の特定箇所だけを選択して溝を形成
することで、DBAWスプリアスを効率よく抑圧して、
通過帯域外の阻止域減衰量を大きくした弾性表面波素子
及び弾性表面波デバイスを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、圧電材料から成る圧電基板の表
面上に櫛歯型電極を形成して成る弾性表面波素子におい
て、前記圧電基板の裏面の所要箇所に、ダイサーカット
により溝を形成し、前記溝の側壁面の延在方向が、前記
圧電基板内における弾性表面波の伝搬方向に対して直交
する方向となるように設定したことを特徴とする。請求
項2の発明は、前記櫛歯型電極から出射されて前記溝に
入射されるバルク波を該溝の側壁面で遮蔽するための溝
形成条件として、圧電基板の裏面で1回反射するバルク
波を抑圧する為の溝の設置条件X1は、次式(1)によ
り定義され、 L−d≦X1≦L+d・・・(1) 圧電基板の裏面で2回反射するバルク波を抑圧する為の
各溝の設置条件X2は、次式(2)により定義される、 L*N−(1/2)L−d≦X2≦L*N−(1/2)
L+d(N=1、2)・・・(2)(但し、X1及びX
2は一方の櫛歯型電極から各溝の幅の中心までの距離、
Lは対向する2つの櫛歯型電極間の伝播距離の1/2,
dは各溝の幅の1/2、Nは反射回数)ことを特徴とす
る。
【0007】請求項3の発明は、前記櫛歯型電極から出
射されて前記溝に入射されるバルク波のうち圧電基板の
裏面で1回のみ反射するバルク波を抑圧する為の溝の設
置条件を、前記バルク波の入射角度θを、 θ=tan−1(2H/2L) とし、前記溝の最低限必要な深さhminを、 hmin=d1×tanθ=d1×(2H/2L) とし、前記溝の幅d1を、D/H<d1/h<2L/2
H(但し、2Lは対向する2つの櫛歯型電極の中心部間
距離、Dは各櫛波型電極の幅、Hは圧電基板の肉厚)を
満たすように設定することを特徴とする。請求項4の発
明は、圧電材料から成る圧電基板の表面上に櫛歯型電極
を形成して成る弾性表面波素子において、前記圧電基板
の裏面の所要箇所に、ダイサーカットにより溝を形成
し、前記圧電基板肉厚Hに対する前記溝の深さhの設定
条件を、35%<h/H<50%となるように設定した
ことを特徴とする。請求項5の発明は、求項1、2、3
又は4記載の弾性表面波素子を表面実装用パッケージ内
に収容したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した実施
形態により詳細に説明する。図1は本発明に係る弾性表
面波素子の一例の断面図であり、この弾性表面波素子1
1は水晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、或はタ
ンタル酸リチウム(TiTaO)、四棚酸リチウム
(Li)等の圧電材料から成る圧電基板12
の表面上に、励振用の複数の電極指から成る櫛歯型電極
(以下、IDT電極、と称す)13、14を形成した構
成を備えている。この実施形態に係る弾性表面波素子1
1は、圧電基板12として450XカットZ伝搬四棚酸
リチウム(450X−Z Li)を用い、こ
の圧電基板12の表面に形成したIDT電極13、14
は、例えば送受IDT電極13、14を各16.5対、
電極膜厚2%λ、送受IDT電極中心間距離Lを140
λという条件の下で構成したものである。この弾性表面
波素子11の特徴的な構成は、矢印で示した弾性表面波
の伝搬方向Bに対して直交するように、ダイサーカット
加工により所要本数の溝15(溝側面15a)を形成し
て、各溝15の側壁面15aによってバルク波であるD
BAWを抑圧することにより、受信側IDT電極でのD
BAW受波確率を皆無に近くした点にある。
【0009】この実施形態において、各IDT電極1
3、14から夫々圧電基板裏面に向けて出射されるDB
AW(実線矢印:1回反射,破線矢印:2回反射)を各
溝15の側壁面15aで遮蔽するための条件(各溝の配
置箇所)は、裏面1回反射については次式(1)、裏面
2回反射については次式(2)によって、夫々定義され
る。即ち、裏面で1回反射するDBAWを抑圧する為の
溝15−1の設置条件X1は、 L−d≦X1≦L+d・・・(1) 裏面で2回反射するDBAWを抑圧する為の各溝15−
2、15−3の設置条件X2は、 L*N−(1/2)L−d≦X2≦L*N−(1/2)L+d(N=1、 2) ・・・(2) によって夫々定義される。即ち、図1においては、ID
T電極13、14の中心間距離(伝播距離)を2Lとし
たときに、実線で示すように裏面で1回反射するDBA
Wを抑圧する為の溝15−1の形成位置を、IDT電極
13の中心部であるA位置から伝播方向Bへ向けて距離
X1(L)離間した部位とし、破線で示す裏面で2回反
射するDBAWを抑圧する為の2つの溝15−2、15
−3の形成位置をIDT電極13の中心部であるA位置
から伝播方向Bへ向けて距離X2(L/2,3L/2)
離間した部位とした。
【0010】ここで、各溝15−1、15−2、15−
3の形成位置とは、A位置から各溝の中心位置(溝幅2
dの1/2の位置)までの距離に相当する位置である。
また、各溝15−1、15−2、15−3は、同じ幅、
同じ深さで伝播方向Bと直交する方向へ直線的に延びる
ものとする。裏面で2回反射するDBAWを抑圧する為
の各溝15−2、15−3の設置条件X2を示す式
(2)におけるNとは反射回数を表し、N=1とするこ
とにより1回目の裏面反射位置に配置すべき溝15−2
の位置を求めることができ、N=2とすることにより2
回目の裏面反射位置に配置すべき溝15−3の位置を求
めることができる。なお、DBAWがN=1、2回以上
の回数反射する場合は、本発明者らの実験・検討により
影響が小さいものと判断し考慮していない。界面に対し
て入射する波の振る舞いは、境界条件によって複雑であ
るが、図示のように内部伝搬するDBAWが基板裏面で
等角入・反射を起こして送・受波される時が、一番影響
が大きいと考えられる。上記各式に従って、各溝15−
1、15−2、15−3の形成位置を選択し、各位置に
ダイサーカット加工によって溝15−1、15−2、1
5−3を形成すすることにより、各溝によりDBAWス
プリアスを抑圧できることが実験により判明した。今回
の実験では、X1=L、X2=L/2、3L/2の各位
置に裏面加工を施した圧電基板を使用し、先に述べた電
極構成条件で実際に弾性表面波フィルタを試作し検討を
行った。
【0011】図2は上記実験の結果を示す図であり、圧
電基板12の裏面を弾性表面波の伝搬方向Bに対してほ
ぼ直交する方向にダイサーカット加工して溝15−1、
15−2、15−3を形成した圧電基板2を使用して上
記構成条件で試作した弾性表面波フィルタの、フィルタ
特性を示すものである。図2に示すフィルタ特性によれ
ば、基板裏面加工を施していない時のフィルタ特性(図
6)並びにランダムに基板裏面を凹凸化した時のフィル
タ特性(図7)と比べて、通過帯域外高周波側の減衰量
が大幅に改善され、低周波側と同程度にサイドローブが
形成されていることが確認できる。
【0012】次に、図3は、本発明の他の実施形態に係
る弾性表面波素子の一例の断面図であり、この弾性表面
波素子11は水晶、ニオブ酸リチウム(LiNb
)、或はタンタル酸リチウム(TiTaO)、四
棚酸リチウム(Li)等の圧電材料から成る
圧電基板12の表面上に、励振用の複数の電極指から成
る櫛歯型電極(以下、IDT電極、と称す)13、14
を形成した構成を備えている。本実施形態の弾性表面波
素子11は、圧電基板12の表面上の隣接し合う2つの
櫛歯型電極13、14の中間部に相当する基板裏面に単
一の溝15を形成した構成が特徴的である。溝15は、
上記実施形態と同様に、圧電基板12の裏面を弾性表面
波の伝搬方向Bに対してほぼ直交する方向にダイサーカ
ット加工により形成する。この実施形態は、DBAWが
N=2回、反射する場合の影響が比較的少なく、一回目
の反射のみを確実に抑圧したい場合に有効である。ま
た、全幅が夫々Dである櫛歯型電極13、14の中心部
からのDBAWのみならず、各櫛歯型電極13、14の
全面積から放射されるDBAWを抑圧することを目的と
する。このため、肉厚がHである圧電基板12の裏面の
位置Aを中心として全幅がd1,深さがhの溝15を形
成する。
【0013】即ち、2つの櫛歯型電極13、14の中点
間の距離を2Lとした場合に、位置Aは2つの櫛歯型電
極13、14の中心位置である。そして、各櫛歯型電極
13、14からのDBAWの入射角度θとした場合に、
この入射角度θは、次式(3) θ=tan−1(2H/2L)・・・(3) により得られる。また、溝15の加工深さとして最低限
必要な深さhminは、次式(4) hmin=d1×tanθ=d1×(2H/2L)・・・・(4) により得られる。更に、溝15の幅d1は、次式(5) D/H<d1/h<2L/2H・・・(5) を満たすように設定すればよい。このように、溝15の
位置、深さhmin、幅d1を設定することにより、各
櫛歯型電極13、14から出射されるDBAWのうち裏
面にて一回反射する波だけを確実に溝15によって捕捉
し、抑圧することができる。
【0014】次に、本発明者は、溝15の加工深さにお
けるDBAWスプリアスレベル低減量を実験的に検討
し、ある加工深さ条件の下でダイサーカット加工を行う
ことで、DBAWスプリアスをほぼ完全に抑圧できるこ
とが判明した。今回の実験では、圧電基板12として4
5°XカットZ伝搬四硼酸リチウム(以下、45°X−
Z Li、と称す)を使用し、該圧電基板1
2の表面に形成した送受信用IDT13,14は、例え
ば送信側IDT13を213対、受信側IDt14を2
0対、電極膜厚2%λ、送受信IDT電極中心間距離2
Lを120λとし、圧電基板裏面上における溝の形成条
件として、形成位置がX1=L、X2=L/2,3L
/、且つ圧電基板肉厚Hに対するダイサーカット加工深
さ(溝深さ)hの設定条件を、25%<h/H<50%
とした弾性表面波フィルタを試作し検討を行った。
【0015】図4は、ダイサーカット加工した溝15の
規格化加工深さh/H(圧電基板肉厚Hに対するダイサ
ーカット加工深さh)に対する、DBAWスプリアスレ
ベルの関係を示す図である。図4によれば、h/Hの値
が大きくなればなるほど、即ち、加工深さが深くなるに
従い、帯域外高周波側に発生しているスプリアスレベル
が大幅に改善されており、また一定の加工深さ以上に到
達すると抑圧レベルはほぼ一定となり、これ以上大きな
改善が見られないことが確認できる。また、圧電基板1
2の肉厚は一般に400μm程度であるため、圧電基板
12の機械的強度、並びにウェハ歩留まりを考慮する
と、圧電基板肉厚に対して半分程度、即ちh/H=50
%の加工深さまでが上限だと判断する。そのため、45
°X−Z LBO基板の性質上、帯域外高周波側に発生
するDBAWスプリアスを抑圧するためには、IDT電
極から圧電基板内部に出射されるDBAWの圧電基板裏
面における1回、2回反射波が抑圧可能な位置に、該圧
電基板肉厚に対して35%<h/H<50%程度の加工
深さ条件でダイサーカットを施すことで、最適に帯域外
高周波側に発生するDBAWスプリアスを抑圧できるこ
とが判明し、ウェハ自体の機械的強度並びにウェハ歩留
まりを損なうことなく改善することが出来、量産性を高
める上では大変有利であると云うことができる。
【0016】なお、上記各実施形態に示した構成を備え
た弾性表面波素子は、これを表面実装用のパッケージ内
に収納して、各IDT電極をパッケージ内の給電用電極
と接続することにより、表面実装型の弾性表面波デバイ
スを構成することができる。即ち、表面実装用のパッケ
ージは上面に凹陥部を備えたセラミック製パッケージ本
体と、パッケージ本体の上面開口を気密封止する金属蓋
等を備えており、パッケージ本体内底面に設けた給電用
の電極に対して各IDT電極から延びるリード端子を電
気的、機械的に接続することにより弾性表面波デバイス
が構築される。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、使用する
圧電基板裏面上においてバルク波の影響を抑圧するのに
必要であると考えられる箇所だけにダイサーカット加工
により溝を形成することにより、通過帯域外高周波側の
阻止域に発生するスプリアスを大幅に抑圧でき、阻止域
減衰量を改善する上で優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る弾性表面波素子の構
成を示す断面図であり、弾性表面波の伝搬方向にほぼ直
交してダイサーカット加工を行った状態を示す図。
【図2】図1の弾性表面波素子のフィルタ特性を説明す
る図。
【図3】本発明の他の実施形態に係る弾性表面波素子の
断面図。
【図4】ダイサーカット加工した溝の規格化加工深さh
/Hに対するDBAWスプリアスレベルの関係を示す
図。
【図5】圧電基板内部にて裏面放射されるDBAWの裏
面1回反射と、2回反射の各場合のメカニズムを示す説
明図。
【図6】従来の裏面加工を施していない弾性表面波素子
のフィルタ特性を示す図。
【図7】従来の裏面をダイサーカットによりランダムに
凹凸化した弾性表面波素子のフィルタ特性を示す図。
【符号の説明】
11 弾性表面波素子、12 圧電基板、13、14
櫛歯型電極(IDT電極)、15、15−1、15−
2、15−3 溝、15a 側壁面。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電材料から成る圧電基板の表面上に櫛
    歯型電極を形成して成る弾性表面波素子において、 前記圧電基板の裏面の所要箇所に、ダイサーカットによ
    り溝を形成し、 前記溝の側壁面の延在方向が、前記圧電基板内における
    弾性表面波の伝搬方向に対して直交する方向となるよう
    に設定したことを特徴とする弾性表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記櫛歯型電極から出射されて前記溝に
    入射されるバルク波を該溝の側壁面で遮蔽するための溝
    形成条件として、 圧電基板の裏面で1回反射するバルク波を抑圧する為の
    溝の設置条件X1は、次式(1)により定義され、 L−d≦X1≦L+d・・・(1) 圧電基板の裏面で2回反射するバルク波を抑圧する為の
    各溝の設置条件X2は、次式(2)により定義される L*N−(1/2)L−d≦X2≦L*N−(1/2)
    L+d(N=1、2)・・・(2)(但し、X1及びX
    2は一方の櫛歯型電極から各溝の幅の中心までの距離L
    は対向する2つの櫛歯型電極間の伝播距離の1/2,d
    は各溝の幅の1/2、Nは反射回数)ことを特徴とする
    弾性表面波素子。
  3. 【請求項3】 前記櫛歯型電極から出射されて前記溝に
    入射されるバルク波のうち圧電基板の裏面で1回のみ反
    射するバルク波を抑圧する為の溝の設置条件として、 前記バルク波の入射角度θを、 θ=tan−1(2H/2L)とし、 前記溝の最低限必要な深さhminを、 hmin=d1×tanθ=d1×(2H/2L)と
    し、 前記溝の幅d1を、 D/H<d1/h<2L/2H(但し、2Lは対向する
    2つの櫛歯型電極の中心部間距離、Dは各櫛波型電極の
    幅、Hは圧電基板の肉厚)を満たすように設定すること
    を特徴とする弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 圧電材料から成る圧電基板の表面上に櫛
    歯型電極を形成して成る弾性表面波素子において、 前記圧電基板の裏面の所要箇所に、ダイサーカットによ
    り溝を形成し、 前記圧電基板肉厚Hに対する前記溝の深さhの設定条件
    を、 35%<h/H<50% となるように設定したことを特徴とする弾性表面波素
    子。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の弾性表面
    波素子を表面実装用パッケージ内に収容したことを特徴
    とする弾性表面波デバイス。
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Cited By (3)

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