JP2002245666A - 光記録媒体、その記録再生方法及び光記録装置 - Google Patents
光記録媒体、その記録再生方法及び光記録装置Info
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Abstract
記録媒体の層構成、及び記録再生方法を用いず、記録再
生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数k
を有する有機材料でなくてもROMとの互換性が高く、
再生特性に優れた光記録媒体が得られるような新規な層
構成とその記録再生方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、熱によって体積変化を示す
第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板
の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射
層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調
しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光
記録媒体。
Description
長を採用しても、記録部が高反射率、あるいは高コント
ラストで再生できることが可能な光記録媒体、光記録装
置及びその記録再生方法を提供する。また、本発明は記
録再生波長が400nm近傍となった場合であっても有
機材料からなる追記型光記録媒体を実現できる光記録媒
体の構造、光記録装置及びその記録再生方法に関する。
体の基本構成は、図19に示すようなものであり、少な
くとも基板上に記録層、反射層を積層した構造からな
る。この構造に対して、記録と再生は基板側から行われ
(図20)、基板変形、記録層分解、反射層変形等によ
る位相差変化によって記録部が再生される。したがっ
て、大きな変調度(コントラスト)を得るためには、記
録層の屈折率が大きいことが必要となる。
の特徴は、高反射率を有し、ROMとの互換性が高いこ
とにあった。この高反射率化を図るために、記録層に用
いられる有機材料に必要とされる条件は、高屈折率nを
有し、かつ小さな吸収係数kを有することである。つま
り、従来の有機材料を用いた追記型光記録媒体の基本構
成では、高反射率化と高変調度化を達成させるために、
記録再生波長で、高い屈折率nと小さな(適度な)吸収
係数kを有することが必要である(図21参照)。した
がって、図21からもわかるように、記録再生波長に対
し、適合できる有機材料というのは、非常に制限され
る。しかしながら、文書の電子化やインターネットの発
達によって、著作権保護やセキュリティーなどの問題が
非常にクローズアップされており、非改竄性という特徴
を有し、記録の証拠性が確保される追記型光記録媒体は
今後も必要となる光記録媒体と考えられる。
Dプレーヤーあるいはドライブで再生可能とするため
に、ROMとの互換性、すなわち高反射率であることが
重要であったが、現在は多くのプレーヤーあるいはドラ
イブが低反射率のメディアをサポートしていることか
ら、今後記録再生波長が400nm近傍となる追記型光
記録媒体においては、必ずしも高反射率を有する必要が
ないと考えられる。この場合、記録再生波長が400n
m近傍となる追記型光記録媒体において重要なことは、
十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録が行えること
である。しかしながら、従来の有機材料からなる追記型
光記録媒体では、高反射率化という制限を取り去って
も、十分な変調度が得られ、ジッタ良好な記録を行うた
めには、やはり高い屈折率nを有する有機材料を用いる
必要がある。したがって、高い屈折率nを得るために
は、やはり記録再生波長が大きな吸収帯の長波長端に位
置するような材料(記録再生波長で、高い屈折率nと小
さな(適度な)吸収係数kを有する)を選択しなければ
ならなくなる(図21)。
記録媒体では、記録が記録前後の位相変化で行われるた
め、記録前後での屈折率変化が変調度に大きく寄与する
ためである。
ザが年々開発され、現在では400nm近傍という半導
体レーザが登場している。この400nm近傍という波
長域は、有機材料による光記録媒体の可能性を大きく阻
んでいる。なぜなら、有機材料の屈折率は、大きな吸収
帯に基づく異常分散によって得られるが(図21)、有
機材料の分子吸光係数は分子骨格の大きさ(共役系の大
きさ)に比例しているため、分子が小さくなる400n
m近傍対応の有機材料では大きな屈折率が得られにくい
ためである。ポルフィリン誘導体では、比較的大きな分
子骨格を持ちながら400nm近傍にも対応できる数少
ない有機材料の1つである。しかし、記録再生波長が4
00nm近傍である従来型の光記録媒体(CD−RやD
VD−R)を作ろうとすると、記録再生波長を吸収帯の
長波長端に位置させることは、ポルフィリン誘導体であ
っても非常に困難であることがわかった。
さな(適度な)吸収係数kを有する有機材料を用いるこ
とが非常に困難となる短波長領域では、従来の有機材料
からなる光記録媒体と同様な層構成では、高反射率で高
コントラスト(高変調度)の光記録媒体を得ることは非
常に困難になる。
な層構成では、高反射率化と高変調度化には全く同じ条
件、すなわち記録層の高屈折率化が要求されるため、反
射率の制限を緩和したとしても、高変調度が得られにく
くなる。また、プレーヤーやドライブが低反射率や低変
調度の光記録媒体まで対応したとしても、反射率や変調
度は高ければ高いほど、良好な記録再生特性が得られ、
またプレーヤーやドライブの回路への負担も低減できる
ため、できる限り高反射率化と高変調度化を狙うべきで
ある。
来から適用されている有機材料からなる光記録媒体の層
構成、及び記録再生方法を用いず、記録再生波長で、高
い屈折率nと小さな(適度な)吸収係数kを有する有機
材料でなくてもROMとの互換性が高く、再生特性に優
れた光記録媒体が得られるような新規な層構成とその記
録再生方法を提供することをその課題とする。
度な(ある程度以上の)吸収係数を有する記録層が必要
であるが、この記録層を再生光の光路中に配置すると高
反射率化は非常に困難になる。また、従来構造のように
再生光の光路中に記録層が配置される場合、再生光の光
路中に配置された記録層の吸収係数を低く押さえても、
高変調度を得るためには高屈折率が必要であり(またあ
る程度以上の膜厚も必要となる)、結局記録層材料とし
て、記録再生波長で高屈折率nと低い吸収係数kが要求
される。しかし、400nm近傍というような短波長で
は、従来のように記録再生波長で高屈折率nと低い吸収
係数kを持つ有機材料はいくつかの例外を除いてほとん
ど存在しないと言ってよい。したがって、400nm近
傍に適度な(一般的な)屈折率nと吸収係数kを有する
現状の短波長対応の有機材料では、高反射率と高変調度
を達成させることが非常に困難である。
高反射率と高変調度を得る構造を確保するため、記録層
を再生光の光路中から排除する。つまり、記録と再生を
異なる方向から行う。そして記録層は、再生時に高反射
率と高変調度を得る構造を外部から制御する構造とす
る。すなわち、再生時に高反射率と高変調度を得る構造
として、干渉層を介した2つの反射層によるファブリ・
ペロー構造を構成し、記録はこの干渉層構造の干渉長を
外部から変化させることにより行う。
を得る構造として干渉層を介した2つの反射層によるフ
ァブリ・ペロー構造を用い、再生光入射側から遠いほう
の反射層を記録層によって変形させることに特徴があ
り、この反射層の変形は、基板の体積変化をトリガーに
して行うことに大きな特徴がある。
を採用することにより、前記課題を解決することができ
た。本発明の第1は、少なくとも、熱によって体積変化
を示す第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第
一基板の体積変化による変形に同調する第一反射層、第
一反射層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形に
は同調しない第二反射層が順次設けられたことを特徴と
する光記録媒体にある。
板がさらに設けられたことを特徴とする前記1の光記録
媒体にある。
二反射層側あるいは第二基板側から再生を行う構成であ
ることを特徴とする前記1〜2の光記録媒体にある。
率が高い状態から低い状態へ変化するような膜厚に設定
されていることを特徴とする前記1〜3の光記録媒体に
ある。
積変化が、膨張であることを特徴とする前記1〜4の光
記録媒体にある。
を発生させる記録層、前記記録層の熱によって体積変化
を生じる第一基板、及び前記第一反射層と第二反射層が
第一反射層の変形を吸収する干渉層を介して形成された
ファブリ・ペローの干渉構造で構成され、かつ前記のフ
ァブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第一反射層の変形
によって変えることで記録が行われることを特徴とする
前記1〜5の光記録媒体にある。
を、第一基板側から記録、第二反射層側あるいは第二基
板側から再生を行うことを特徴する光記録媒体の記録再
生方法にある。
項に記載の光記録媒体を、ファブリ・ペローの干渉構造
の干渉長を第一反射層の変形によって変えることで記録
を行うことを特徴とする光記録媒体の記録再生方法にあ
る。
体、及び該光記録媒体の記録手段ならびに再生手段を有
する光記録装置にある。
が記録を第一基板側から行い、かつ光記録媒体の再生手
段が再生を第二反射層側から行う構成であることを特徴
とする前記9の光記録装置にある。
録再生方法を用いることで、少なくとも再生時には任意
の波長で高反射率と高変調度を有する光記録媒体が提供
でき、この高反射率化と高変調度化によって非常に再生
信号特性に優れ、再生互換性の高い光記録媒体が提供で
きる。つまり、光記録媒体はROMであれ、書換え型で
あれ、追記型であれ、再生することに大きな意味がある
わけであるから、再生特性を最重要視したのである。
度は保証されないが、一般的に記録装置では高度な制御
が行われるため、高反射率や高変調度は重要でなくな
る。また、本発明の光記録媒体では、記録時の記録側か
らの再生において高反射率と高変調度が保証されないだ
けであって、記録装置においても再生側から再生すれ
ば、高反射率かつ高変調度で情報が再生できる。なお、
本発明の光記録媒体の層構成は、記録側から見れば従来
のCD−RやDVD−Rと同様な層構成であり、再生側
から見れば2つの反射層によるファブリ・ペロー構造で
ある。
図1及び図2に示すとおりである。図1は、少なくと
も、第一の基板上に記録層、第一反射層、干渉層、第二
反射層が積層された光記録媒体例を示したもので、記録
は第一基板側から、再生は第二反射層側から行う。
層、第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板が積層
された光記録媒体例を示したもので、記録は第一基板側
から(図3又は図5)、再生は第二基板側から行う(図
4又は図6)。
構造における干渉長を変化させるが、これは、基板変形
(体積変化)を利用する。基板の体積変化としては、基
板膨張させることが最も容易で、本発明には適してい
る。すなわち、記録層によってレーザ光が吸収され熱を
発生し、基板が膨張変形を起こし、これをトリガーとし
て記録側から見た場合の反射層(第一反射層)を変形さ
せる。そしてこの記録側から見た場合の反射層(第一反
射層)は再生側から見た場合の反射層(第一反射層)で
もあるため、記録側からの記録によって、再生側から見
た干渉構造の干渉長を変えることができる。
らの再生の信号品質を向上させるために、反射層(第一
反射層)の変形は基板膨張に同調させる。すなわち、記
録によって一般的に基板は膨張するが(記録層側へ凸変
形する)、これによって反射層(第一反射層)も同時に
干渉層側へ凸変形(図3)、又は記録層側へ凹変形(図
5)させる。
らの再生の信号品質を向上させるために、干渉層は第一
反射層の凸変形、あるいは凹変形を吸収し、この変形を
第二反射層へ伝えないようにすることが好ましい。した
がって、干渉層はある程度変形しやすい材料であるか、
十分な膜厚を有することが好ましい。
からの再生の信号品質を向上させるために、第二反射層
は干渉層の変形によって変形しないことが好ましい。す
なわち、干渉層が第一反射層の凹凸変形を吸収し、この
変形する場合には、この変形を最小限に押さえるため
に、第二反射層を硬くすることが好ましい。前記第二反
射層を硬さは、第二反射層の層厚の調整や材料の選択で
コントロールすることができる。該材料としては、通常
の金属、例えば金、銀、アルミニュウム、銅、ニッケル
等が挙げられる。
であっても凹変形であっても構わない。第一反射層の凹
変形は、記録層が体積減少することで生じやすい。すな
わち、記録層材料が溶融や分解を容易に起こす場合や基
板内への拡散が生じ易い場合、基板膨張によって記録層
は体積減少を起こし、第一反射層は記録層側へ凹変形す
る。
を起こさないことで生じやすい。すなわち、記録層材料
が溶融や分解を容易に起こさない場合や基板内への拡散
が生じにくい場合、基板膨張によって記録層は体積変化
を起こさないため、第一反射層は記録層側とは反対側へ
凸変形する。
選ばないことにある。すなわち、再生側から見た干渉構
造では、干渉長の変化によって反射率が変化する構造で
あるため、干渉層膜厚を最適化するだけで、任意の波長
に対応できる(任意の波長で高反射率、高変調度が達成
できる)。
を起こさせるような熱が記録層で発生すれば記録層の機
能は十分であり、記録層材料に要求される光学定数は大
きな制限がないため、記録層材料の選択自由度が広げら
れ、記録再生波長に大きく依存しなくなる。
る。本発明の光記録媒体の層構成の例を図1及び図2に
示す。図1では、第一基板上に記録層が形成され、さら
に第一反射層、干渉層、第二反射層が形成される。図2
では、第一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射
層、干渉層、第二反射層、第二基板が形成される。
は第一基板側から行われ、再生は第二反射層側から行わ
れる。また、記録層がレーザ光を吸収し、発生した熱で
基板が膨張(体積変化)を起こし、これに同調して第一
反射層が変形することで記録が行われる。
れ、さらに第一反射層、干渉層、第二反射層、第二基板
が形成された層構成では、記録は第一基板側から行わ
れ、記録層がレーザ光を吸収し、発生した熱で基板が膨
張(体積変化)を起こし、これに同調して、基板膨張方
向に第一反射層が変形することで記録が行われる(図
3)。この記録によって生じた干渉構造における干渉長
の変化を、記録とは反対側から再生することによって、
反射率変化として検出する(図4)。
一基板上に記録層が形成され、さらに第一反射層、干渉
層、第二反射層、第二基板が形成された層構成では、記
録は第一基板側から行われ、記録層がレーザ光を吸収
し、発生した熱で基板が膨張(体積変化)を起こし、こ
れに同調して、基板膨張方向とは逆方向に第一反射層が
変形することで記録が行われる(図5)。この記録によ
って生じた干渉構造における干渉長の変化を、記録とは
反対側から再生することによって、反射率変化として検
出する(図6)。
射率かつ高変調度な再生が行えることを検証する。再生
側の構造として、第一反射層を銀(複素屈折率0.08
0−i1.95)、第二反射層を銀(複素屈折率0.0
80−i1.95)、干渉層の複素屈折率を1.60−
i0.00とした場合、再生側から見た反射率(図4、
図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算すると図7〜図1
8のようになる(なお、再生波長は405(nm)であ
る)。
(m))は、第一反射層膜厚を25(nm)とした場
合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変
化させた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参
照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果である。図11
〜図14〔(図11(a)〜図14(m))は、第一反
射層膜厚を50(nm)とした場合、第二反射層膜厚を
10(nm)〜70(nm)と変化させた場合の、再生
側から見た反射率(図4、図6参照)の干渉層膜厚依存
性を計算した結果である。図15〜図18〔(図15
(a)〜図18(m))は、第一反射層膜厚を100
(nm)とした場合、第二反射層膜厚を10(nm)〜
70(nm)と変化させた場合の、再生側から見た反射
率(図4、図6参照)の干渉層膜厚依存性を計算した結
果である。
(nm)である場合は、第二反射層膜厚が約30(n
m)と設定することで(図8(d)、(e))、高反射
率と高変調度が達成できる(最良の状態)。すなわち、
High to Low記録(記録によって反射率が高
い状態から低い状態へ変化する記録方式)を行う場合、
干渉層の膜厚を100(nm)〜150(nm)程度の
範囲、あるいは220(nm)〜270(nm)程度の
範囲に設定し、記録によって干渉層の厚さを40〜50
(nm)程度変化させることで、未記録時の反射率約8
0(%)、記録部の反射率10(%)以下というよう
な、高反射率かつ高変調度な再生が可能となる。
合は、第二反射層膜厚が約40(nm)と設定すること
で(図12(f)、図13(g))、高反射率と高変調
度が達成できる(最良の状態)。すなわち、High
to Low記録(記録によって反射率が高い状態から
低い状態へ変化する記録方式)を行う場合、干渉層の膜
厚を80(nm)〜170(nm)程度の範囲、あるい
は210(nm)〜300(nm)程度の範囲に設定
し、記録によって干渉層の厚さを20〜30(nm)程
度変化させることで、未記録時の反射率約80〜90
(%)、記録部の反射率10(%)以下というような、
高反射率かつ高変調度な再生が可能となる。
場合は、第二反射層膜厚が約50(nm)と設定するこ
とで(図17(h)、(i))、高反射率と高変調度が
達成できる(最良の状態)。すなわち、High to
Low記録(記録によって反射率が高い状態から低い
状態へ変化する記録方式)を行う場合、干渉層の膜厚を
75(nm)〜180(nm)程度の範囲、あるいは2
05(nm)〜310(nm)程度の範囲に設定し、記
録によって干渉層の厚さを10〜15(nm)程度変化
させることで、未記録時の反射率約80〜90(%)、
記録部の反射率10(%)以下というような、高反射率
かつ高変調度な再生が可能となる。
第一反射層が変形できるような膜厚を設定することが好
ましい。すなわち、第一反射層の役割は、再生時の干渉
構造の反射鏡としての役割と記録時の熱伝導層としての
役割、さらに変形層としての役割である。
射鏡としての役割を考えた場合、第一反射層膜厚は必要
な反射率が得られる範囲で設定されればよく、図7〜図
18に示された結果のように、第一反射層の膜厚設定は
任意性が高い(25(nm)〜100(nm)の範囲で
何ら問題ない)。
ての役割を考えた場合、第一反射層膜厚は、非常に薄い
場合を除けば、特に問題はない。
としての役割を考えた場合は、第一反射層膜厚は慎重に
考える必要がある。なぜなら、一般的に基板上に設けら
れた層の変形領域は基板変形領域よりも広がりやすいと
考えられるから、第一反射層の変形量を増やすことは、
ジッタやクロストークの悪化を招くことになるからであ
る。したがって、できるだけ少ない第一反射層の変形量
で高変調度が得られるようにすることが好ましい。
度を得るために第一反射層に要求される変形量は、第一
反射層膜厚が25(nm)の場合は40〜50(n
m)、第一反射層膜厚が50(nm)の場合は20〜3
0(nm)、第一反射層膜厚が100(nm)の場合は
10〜15(nm)となる(ここでは、第一反射層の変
形を干渉層が吸収する状況を設定している。したがっ
て、第一反射層が干渉層側へ凸変形する場合、第一反射
層の変形量と同量の凹変形を干渉層が起こす。すなわ
ち、干渉層は第一反射層の変形によって圧縮される)。
つまり、第一反射層膜厚を厚くしたほうが、より少ない
第一反射層の変形(干渉層の変形)で高変調度が得られ
る。
板変形を起こさせても第一反射層は変形しにくくなるた
め、基板変形に同調した変形が起こる範囲で、第一反射
層は厚くすることが好ましい。この基板変形に同調した
変形が起こる範囲で、第一反射層は厚くする膜厚設定に
よって、ジッタやクロストークの悪化も防げる。
体とその記録再生方法によって、高反射率で高変調度な
記録媒体が記録再生波長に関係なく、容易に得られるこ
とが確認できた。
によって第一反射層が干渉層側へ凸変形する例を示した
が、本発明はこれに限られたものではなく、記録による
基板膨張によって第一反射層がこの膨張した基板側へ凹
変形するものであっても構わない(図5、6参照。図5
は記録時、図6は再生時の様子を示す)。
凸変形する場合と同様に、第一反射層の変形が干渉層で
吸収され、この第一反射層の変形が第二反射層に伝わら
ないことが好ましい(すなわち、干渉層は第一反射層の
変形に追従して(引っ張られ)膨張する)。そのため、
第一反射層が干渉層側へ凸変形する場合同様に、干渉層
はある程度変形しやすい材料であるか、十分な膜厚を有
することが好ましい。
記録部が高反射率、あるいは高コントラストで再生でき
ることが可能な光記録媒体、光記録装置及びその記録再
生方法が提供できる。特に、記録再生波長が400nm
近傍となった場合であっても有機材料からなる追記型光
記録媒体を実現できる光記録媒体の構造、及びその記録
再生方法が提供できる。
層、干渉層、第二反射層が積層された光記録媒体例の模
式的断面図図である。
層、干渉層、第二反射層、第二基板が積層された光記録
媒体例の模式的断面図である。
った状態を示す図である。
った状態を示す図である。
った状態を示す図である。
った状態を示す図である。
二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させ
た場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)の
干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (a)第二反射層膜厚10(nm)の場合 (b)第二反射層膜厚20(nm)の場合 (c)前記(b)の拡大図
二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させ
た場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)の
干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (d)第二反射層膜厚30(nm)の場合 (e)前記(d)の拡大図 (f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化させ
た場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)の
干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (g)図8の(f)の拡大図 (h)第二反射層膜厚50(nm)の場合 (i)前記(h)の拡大図
第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化さ
せた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)
の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (j)第二反射層膜厚60(nm)の場合 (k)前記(j)の拡大図 (l)第二反射層膜厚70(nm)の場合 (m)前記(l)の拡大図
第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化さ
せた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)
の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (a)第二反射層膜厚10(nm)の場合 (b)第二反射層膜厚20(nm)の場合 (c)前記(b)の拡大図
第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化さ
せた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)
の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (d)第二反射層膜厚30(nm)の場合 (e)前記(d)の拡大図 (f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化さ
せた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)
の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (g)図12の(f)の拡大図 (h)第二反射層膜厚50(nm)の場合 (i)前記(h)の拡大図
第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変化さ
せた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参照)
の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図である。 (j)第二反射層膜厚60(nm)の場合 (k)前記(j)の拡大図 (l)第二反射層膜厚70(nm)の場合 (m)前記(l)の拡大図
合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変
化させた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参
照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図であ
る。 (a)第二反射層膜厚10(nm)の場合 (b)第二反射層膜厚20(nm)の場合 (c)前記(b)の拡大図
合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変
化させた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参
照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図であ
る。 (d)第二反射層膜厚30(nm)の場合 (e)前記(d)の拡大図 (f)第二反射層膜厚40(nm)の場合
合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変
化させた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参
照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図であ
る。 (g)図16の(f)の拡大図 (h)第二反射層膜厚50(nm)の場合 (i)前記(h)の拡大図
合、第二反射層膜厚を10(nm)〜70(nm)と変
化させた場合の、再生側から見た反射率(図4、図6参
照)の干渉層膜厚依存性を計算した結果を示す図であ
る。 (j)第二反射層膜厚60(nm)の場合 (k)前記(j)の拡大図 (l)第二反射層膜厚70(nm)の場合 (m)前記(l)の拡大図
基本構成を示す図である。
明図である。
を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも、熱によって体積変化を示す
第一基板上に、記録光を熱に変換する記録層、第一基板
の体積変化による変形に同調する第一反射層、第一反射
層の変形を吸収する干渉層、第一反射層の変形には同調
しない第二反射層が順次設けられたことを特徴とする光
記録媒体。 - 【請求項2】 第二反射層上に、第二基板がさらに設け
られたことを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。 - 【請求項3】 第一基板側から記録を行い、第二反射層
側あるいは第二基板側から再生を行う構成であることを
特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。 - 【請求項4】 干渉層が記録によって反射率が高い状態
から低い状態へ変化するような膜厚に設定されているこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光記録
媒体。 - 【請求項5】 記録による第一基板の体積変化が、膨張
であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
の光記録媒体。 - 【請求項6】 レーザ光吸収によって熱を発生させる記
録層、前記記録層の熱によって体積変化を生じる第一基
板、及び前記第一反射層と第二反射層が第一反射層の変
形を吸収する干渉層を介して形成されたファブリ・ペロ
ーの干渉構造で構成され、かつ前記のファブリ・ペロー
の干渉構造の干渉長を第一反射層の変形によって変える
ことで記録が行われることを特徴とする請求項1〜5の
いずれかの項に記載の光記録媒体。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の光
記録媒体に対し、第一基板側から記録を行い、第二反射
層側あるいは第二基板側から再生を行うことを特徴する
光記録媒体の記録再生方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の光
記録媒体を、ファブリ・ペローの干渉構造の干渉長を第
一反射層の変形によって変えることで記録を行うことを
特徴とする光記録媒体の記録再生方法。 - 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかの項に記載の光
記録媒体、及び該光記録媒体の記録手段ならびに再生手
段を有する光記録装置。 - 【請求項10】 光記録媒体の記録手段が記録を第一基
板側から行い、かつ光記録媒体の再生手段が再生を第二
反射層側から行う構成であることを特徴とする請求項9
載の光記録装置。
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JP2001037394A JP4223196B2 (ja) | 2001-02-14 | 2001-02-14 | 光記録媒体、その記録再生方法及び光記録装置 |
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