JP2002244119A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置および電子機器

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JP2002244119A
JP2002244119A JP2001111817A JP2001111817A JP2002244119A JP 2002244119 A JP2002244119 A JP 2002244119A JP 2001111817 A JP2001111817 A JP 2001111817A JP 2001111817 A JP2001111817 A JP 2001111817A JP 2002244119 A JP2002244119 A JP 2002244119A
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forward scattering
scattering film
light
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Tsuyoshi Maeda
強 前田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示のにじみ(ボケ)やコントラストの低下
を改善して表示品質を向上させることができ、鮮明な表
示が可能である液晶装置およびその液晶装置を備えた電
子機器の提供。 【解決手段】 一対の基板と液晶層と反射層と指向性前
方散乱フィルムとを具備してなり、前記フィルムに対し
てその一面側に配置した光源から光を入射し、前記フィ
ルムの他面側に配置した受光部において、前記フィルム
を透過した全透過光のうち、拡散透過光を除いた平行線
透過光を観測した際、最小透過率を示す極角方向を採光
側になるように、最大透過率を示す極角方向を観察方向
側になるように前記フィルムを液晶パネルに配置してな
り、さらにこの指向性前方散乱フィルムは、前記最小透
過率を示す方位角φ2方向と、前記基板間に印加した電
圧を解除した時に前記液晶層の中央部に位置するネマチ
ック液晶分子15aの長軸方向αが揃うように配置され
た液晶装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型あるいは半
透過反射型液晶表示装置に適用することで表示のにじみ
(ボケ)およびコントラストの低下を改善し、鮮明な表
示を得ることができるとともに、そのような鮮明な表示
が可能な液晶装置を備えた電子機器を提供できる技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パーソナルコンピュータ、携帯
型ゲーム機や電子手帳などの種々の電子機器には表示部
として消費電力の少ない液晶表示装置が多用されてい
る。特に近年は表示内容の多用化に伴って、カラー表示
が可能な液晶表示装置の需要が高まっている。また、前
記電子機器のバッテリー駆動時間を長くしたいという要
求から、バックライト装置を必要としない反射型のカラ
ー液晶表示装置が開発されている。
【0003】以下に従来の反射型のカラー液晶表示装置
の構成例の概要を図面を参照して説明する。
【0004】図18(a)、(b)は、従来の反射型カ
ラー液晶表示装置の要部を示す拡大概略断面図である。
これらの内、図18(a)は前方散乱板タイプの反射型
液晶表示装置を示し、図18(b)は内面散乱反射板タ
イプの液晶表示装置を示している。
【0005】図18(a)に示した前方散乱板タイプの
液晶表示装置は、一対のガラス基板100、101間に
液晶層102が挟持され、一方(図面では上側)のガラ
ス基板101の液晶層102側の表面部分には、カラー
フィルタ104が設けられていおり、他方(図面では下
側)のガラス基板100の液晶層102側の表面部分に
は、光反射層103が設けられている。また、ガラス基
板101の上面側には、例えば厚さ50〜200μmの
トリアリルシアネートなどからなる基材に金属酸化物粒
子をフィラーとして分散させた前方散乱フィルム105
が透明な粘着材または粘着シート(図示略)を介して貼
付され、その上に偏光板106が設けられている。
【0006】このような前方散乱タイプの反射型液晶装
置において入射光L1は、偏光板106、前方散乱フィ
ルム105、ガラス基板101、液晶層102、カラー
フィルタ104を通過後、駆動電極を兼ねる光反射層1
03の表面で反射され、反射された光が液晶層102、
カラーフィルタ104、ガラス基板101、前方散乱フ
ィルム105、偏光板106を介して液晶装置から出射
され、観察者Eに反射光L2として視認される。ここで
液晶装置を出射する光は液晶層102の状態によって制
御される、即ち、液晶層102における液晶分子の配列
状態により反射光の偏光状態が制御され、反射光の偏光
状態が偏光板106の偏光軸と一致した場合には偏光板
106を透過して所望の色表示がなされることとなる。
【0007】また、図18(b)の内面散乱反射板タイ
プの液晶装置は、一対のガラス基板100、101、液
晶層102を備え、ガラス基板100の液晶層102側
の表面には、光反射層を兼ねるAl薄膜等からなる画素
電極107が表面に光を乱反射する凹凸部を設けた状態
で形成されている。
【0008】ここで光入射側のガラス基板101の液晶
層102側の表面には、カラーフィルタ104が形成さ
れ、ガラス基板101の上面側には偏光板106が設け
られている。このような内面散乱板タイプの反射型液晶
表示装置において、入射光L1は、偏光板106、ガラ
ス基板101、カラーフィルタ104、液晶層102を
通過後、画素電極を兼ねる凹凸型の光反射層107の表
面で乱反射され、液晶層102の状態によって偏光が変
化された後、反射光はカラーフィルタ104とガラス基
板101と偏光板106を通過し、偏光板106におい
て、反射光の偏光状態により透過、不透過とされ、透過
した場合には散乱光L3’として観察者の肉眼Eに入射
することによりカラー表示として視認される。
【0009】ところで、前記図18(a)に示す従来構
造において前方散乱フィルム105は、光反射層103
が鏡面反射層である場合に、鏡面独特の特定の方向での
強いミラー反射(正反射)を弱め、できるだけ広い範囲
で明るい表示を可能とする目的で用いられている。
【0010】この種の前方散乱フィルム105は、一般
的には厚さ25〜30μm(25〜30×10−6m)
程度のアクリル系の樹脂層(例えば屈折率n=1.48
〜1.49程度)の内部に粒径4μm(4×10−6
m)程度のビーズ(例えば屈折率n=1.4)を多数分
散させてなる構造を有するもので、携帯電話用の反射型
液晶表示装置、携帯型情報機器等の反射型液晶表示装置
には広く用いられているものである。
【0011】なお、携帯機器の液晶表示装置には、反射
型の他にバックライトを備えた半透過反射型の液晶表示
装置も知られている。この種従来の半透過反射型液晶表
示装置は、反射層を半透過反射層として構成し、透過表
示の場合にバックライトの光を半透過反射層を介して観
察者側に到達させることで透過表示を行い、バックライ
トを使用していない状態では反射型液晶表示装置として
反射光を有効利用することができるように構成されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
前方散乱フィルム105は、異なる各画素での異なる情
報が使用者の目に認識されるまでの間に混在されてしま
う傾向があり、表示のにじみ(ボケ)が生じ易いという
問題点を有していた。これは、図18(a)に示すよう
に反射型液晶表示装置において、入射光が反射層103
で反射されてから使用者の目に届くまでに前方散乱フィ
ルム105で生じる散乱に起因し、隣り合う画素で白表
示と黒表示を行っていたとすると、前方散乱フィルム1
05の散乱作用のために、白表示と黒表示の境界がわか
り難くなり易く、表示がにじんでしまう(ボケる)こと
に起因していると、本発明者は考えている。
【0013】また、液晶パネルを観察する場合、通常、
観察者は入射光の正反射方向からずれた方向、言い換え
れば、法線付近の方向あるいは正反射方向より法線方向
寄りの方向から表示を観察するが、図18(a)に示す
反射型液晶表示装置を正反射方向からずれた方向から観
察するとコントラストが低い領域があり、見ずらいとい
う問題点を有していた。これは、従来の反射型液晶表示
装置においては、コントラストが高い領域は法線付近の
方向あるいは正反射方向より法線方向寄りの方向から見
た領域からずれているために、コントラストの低下があ
ると、本発明者は考えている。
【0014】また、カラーフィルタ104を設けてなる
液晶装置について表示のにじみ(ボケ)について考察す
ると、色表示の境界が判別し難くなる傾向にあり、混色
を生じる恐れがあり、良好な発色性を得られなくなる恐
れがある。
【0015】また、前記のような表示がにじむことやコ
ントラストが低下すること、あるいは十分な発色性が得
られないという事情は、半透過反射型液晶表示装置にお
いて反射表示を行っている場合にも該当することであ
る。
【0016】次に、図18(b)に示すような凹凸を設
けた光反射性の画素電極107を備えた構成(内面散乱
構造)では、前方散乱フィルムにおける上述のような表
示のにじみを生じるおそれは少ないが、凹凸を有する画
素電極107を製造するために特別の加工工程と工数が
必要になるので、製造コストが高くなってしまう問題を
有している。
【0017】以上のような背景から本発明者らは、前方
散乱フィルムに着目して更に研究を重ねた結果、前方散
乱フィルムの散乱性に指向性を持たせるようにすること
で液晶表示装置の表示のにじみ(ぼけ)を解消できるこ
とを知見し、本願発明に到達した。また、本発明者らが
前方散乱フィルムについて研究を重ねた結果、図18
(a)に示すように前方散乱フィルム105が配置され
た構造の液晶表示装置の場合、入射光L1が1回目に前
方散乱フィルム105を通過する場合に発生する散乱光
は表示のにじみ(ぼけ)やコントラストの低下に大きな
影響を与えるおそれは少ないが、反射光となって再度前
方散乱フィルム105を通過する際に生じる拡散は観察
者Eに観察され易く、この反射光が散乱フィルム105
を通過する場合の散乱光が表示のにじみ(ぼけ)に対し
て影響が大きいことを知見している。
【0018】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、表示のにじみおよびコントラストの低下を改
善して表示品質を向上させることができ、鮮明な表示が
可能であることと、内面散乱板を備えた液晶装置に対し
て構成を単純化することができ、鮮明な表示を備えつつ
製造コストを低減できる液晶装置およびその液晶装置を
備えた電子機器を提供することを目的の1つとする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶装置は、前
記課題を解決するために、一対の基板と、これらの基板
間に挟持された液晶層と、前記一方の基板の液晶層側に
設けられた反射層と、前記他方の基板の液晶層側と反対
側に設けられた指向性前方散乱フィルムとを具備した液
晶パネルを備えてなり、 前記指向性前方散乱フィルム
に対してその一面側に配置した光源から光を入射し、前
記指向性前方散乱フィルムの他面側に配置した受光部に
おいて、前記指向性前方散乱フィルムを透過した全透過
光のうち、拡散透過光を除いた平行線透過光を観測した
際、前記指向性前方散乱フィルムの法線に対する入射光
の入射角度を極角θnと定義し、前記指向性前方散乱フ
ィルムの面内方向の入射光角度を方位角φmと定義し、
平行線透過光の最大透過率をTmax(φ1,θ1)と定
義し、平行線透過光の最小透過率をTmin(φ2,θ
2)と定義した場合、最小透過率を示す極角と方位角の
場合の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるよう
に、最大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を
前記液晶パネルの観察方向側になるように、前記指向性
前方散乱フィルムを前記液晶パネルに配置してなり、さ
らに前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散乱
フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す方
位角φ2方向と、前記基板間に印加した電圧を解除した
時(前記基板間が無電界時)に前記液晶層の中央部に位
置するネマチック液晶分子の長軸方向が揃うように配置
され、前記液晶分子の長軸方向は前記基板間に電圧を印
加した時に前記液晶分子が電界に対して応答する方向で
あることを特徴とする。
【0020】指向性前方散乱フィルムを備えた反射型液
晶表示装置において、最小透過率を示す極角と方位角の
場合の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるよう
に、最大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を
前記液晶パネルの観察方向側になるようにして指向性前
方散乱フィルムを液晶パネルに配置してなることで、平
行線透過光の最小透過率を示す場合の方位角φ2は入射
角方向となり、平行線透過光の最大透過率を示す場合の
方位角φ1は観察者方向になる。このように配置された
指向性前方散乱フィルムを有する液晶表示装置ならば、
指向性前方散乱フィルムに対して入射された光は入射時
に強く散乱されるが、液晶パネル内部の反射層により反
射された後に指向性前方散乱フィルムを通過する際に光
が散乱される量が少なくなるので、表示のにじみ(ボ
ケ)に対する影響は少なく、表示のにじみ(ボケ)の少
ない鮮明な表示形態が得られる。
【0021】また、前記のように配置された指向性前方
散乱フィルムを有する反射型液晶表示装置において、前
記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散乱フィル
ムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ
2方向と、前記基板間に印加した電圧を解除した時に前
記液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子の長軸
方向が揃うように配置されたことにより、通常、前記液
晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子の長軸方向
はコントラストが高い方向であり、このコントラストが
高い方向と前記の表示のにじみ(ボケ)が少なく見える
方向が合わせられたこととなり、高コントラストでにじ
み(ボケ)がない表示が得られ、よって鮮明な表示形態
が得られ、表示品質を向上できる。
【0022】本発明は前記課題を解決するために、前述
の構造の液晶装置の反射層に代えて半透過反射層を備え
た構造の半透過反射型の液晶装置にも本発明構造を適用
することができる。
【0023】半透過反射層を備えた液晶装置においても
反射表示を行う場合に本発明が効果的であり、先の構造
の場合と同様に、平行線透過光の最小透過率を示す場合
の方位角φ2は入射角方向となり、平行線透過光の最大
透過率を示す場合の方位角φ1は観察者方向になる。こ
のように配置された指向性前方散乱フィルムを有するな
らば、指向性前方散乱フィルムに対して入射された光は
入射時に強く散乱されるが、液晶パネル内部の反射層に
より反射されて指向性前方散乱フィルムを通過する光は
散乱される量が少なくなるので、表示のにじみ(ボケ)
の少ない鮮明な表示形態が得られる。また、前記のよう
に配置された指向性前方散乱フィルムを有する半透過反
射型の液晶表示装置において、前記指向性前方散乱フィ
ルムは、該指向性前方散乱フィルムを透過した平行線透
過光が最小透過率を示す(拡散透過光が最大透過率を示
す)方位角φ2方向と、前記基板間に印加した電圧を解
除した時に前記液晶層の中央部に位置するネマチック液
晶分子の長軸方向が揃うように配置されことにより、通
常、前記液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子
の長軸方向はコントラストが高い方向であり、このコン
トラストが高い方向と前記の表示のにじみ(ボケ)が少
なく見える方向が合わせられたこととなり、高コントラ
ストでにじみ(ボケ)がない表示が得られ、よって鮮明
な表示形態が得られ、表示品質を向上できる。
【0024】また、前記のいずれか構成の本発明の液晶
装置において、前記指向性前方散乱フィルムは、該指向
性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過
率を示す方位角φ2±30度の方向と、前記基板間に印
加した電圧を解除した時に液晶層の中央部に位置するネ
マチック液晶分子の長軸方向が揃うように配置されてい
てもよい。
【0025】また、前記のいずれかの構成の本発明の液
晶装置において、前記液晶層のネマチック液晶分子はツ
イスト角60度〜80度程度に設定されたものであり、
前記基板間に印加した電圧を解除した時に液晶層の中央
部に位置するネマチック液晶分子は基板表面で配向して
いるネマチック液晶分子に対して30度〜40度程度捻
れている。
【0026】また、前記のいずれかの構成の本発明の液
晶装置において、前記液晶層のネマチック液晶分子はツ
イスト角240度〜255度程度に設定されたものであ
り、前記基板間に印加した電圧を解除した時に液晶層の
中央部に位置するネマチック液晶分子は基板表面で配向
しているネマチック液晶分子に対して120度〜12
7.5度程度捻れている。
【0027】また、本発明は前記課題を解決するため
に、一対の基板と、これらの基板間に挟持された液晶層
と、前記一方の基板の液晶層側に設けられた反射層と、
前記他方の基板の液晶層側と反対側に設けられた指向性
前方散乱フィルムとを具備した液晶パネルを備えてな
り、 前記指向性前方散乱フィルムに対してその一面側
に配置した光源から光を入射し、前記指向性前方散乱フ
ィルムの他面側に配置した受光部において、前記指向性
前方散乱フィルムを透過した全透過光のうち、拡散透過
光を除いた平行線透過光を観測した際、前記指向性前方
散乱フィルムの法線に対する入射光の入射角度を極角θ
nと定義し、前記指向性前方散乱フィルムの面内方向の
入射光角度を方位角φmと定義し、平行線透過光の最大
透過率をTmax(φ1,θ1)と定義し、平行線透過光
の最小透過率をTmin(φ2,θ2)と定義した場合、
最小透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記
液晶パネルの採光側になるように、最大透過率を示す極
角と方位角の場合の入射光側を前記液晶パネルの観察方
向側になるように、前記指向性前方散乱フィルムを前記
液晶パネルに配置してなり、さらに前記指向性前方散乱
フィルムは、該指向性前方散乱フィルムを透過した平行
線透過光が最小透過率を示す方位角φ2方向と、極角方
向からの入射光角度が10度から30度の入射光に対し
て液晶パネルのコントラストが高い面内方向が揃うよう
に配置されていることを特徴とする。
【0028】この反射型液晶表示装置においては、最小
透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記液晶
パネルの採光側になるように、最大透過率を示す極角と
方位角の場合の入射光側を前記液晶パネルの観察方向側
になるようにして指向性前方散乱フィルムを液晶パネル
に配置してなることで、指向性前方散乱フィルムに対し
て入射された光は入射時に強く散乱されるが、液晶パネ
ル内部の反射層により反射された後に指向性前方散乱フ
ィルムを通過する際に光が散乱される量が少なくなるの
で、表示のにじみ(ボケ)に対する影響は少なく、表示
のにじみ(ボケ)の少ない鮮明な表示形態が得られる。
【0029】また、前記のように配置された指向性前方
散乱フィルムを有する反射型液晶表示装置において、前
記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散乱フィル
ムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ
2方向と、極角方向からの入射光角度が10度から30
度の入射光に対して液晶パネルのコントラストが高い面
内方向が揃うように配置されたことにより、液晶パネル
のコントラストが高い方向と前記の表示のにじみ(ボ
ケ)が少なく見える方向が合わせられたこととなり、高
コントラストでにじみ(ボケ)がない表示が得られ、よ
って鮮明な表示形態が得られ、表示品質を向上できる。
【0030】本発明は前記課題を解決するために、前述
の構造の液晶装置の反射層に代えて半透過反射層を備え
た構造の半透過反射型の液晶装置にも本発明構造を適用
することができる。
【0031】この半透過反射層を備えた液晶装置におい
ても反射表示を行う場合に本発明が効果的であり、先の
構造の場合と同様に、平行線透過光の最小透過率を示す
場合の方位角φ2は入射角方向となり、平行線透過光の
最大透過率を示す場合の方位角φ1は観察者方向にな
る。このように配置された指向性前方散乱フィルムを有
するならば、指向性前方散乱フィルムに対して入射され
た光は入射時に強く散乱されるが、液晶パネル内部の反
射層により反射されて指向性前方散乱フィルムを通過す
る光は散乱される量が少なくなるので、表示のにじみ
(ボケ)の少ない鮮明な表示形態が得られる。
【0032】また、前記のように配置された指向性前方
散乱フィルムを有する半透過反射型の液晶表示装置にお
いて、前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散
乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す
方位角φ2方向と、極角方向からの入射光角度が10度
から30度の入射光に対して液晶パネルのコントラスト
が高い面内方向が揃うように配置されことにより、液晶
パネルのコントラストが高い方向と前記の表示のにじみ
(ボケ)が少なく見える方向が合わせられたこととな
り、高コントラストでにじみ(ボケ)がない表示が得ら
れ、よって鮮明な表示形態が得られ、表示品質を向上で
きる。
【0033】また、前記のいずれか構成の本発明の液晶
装置において、前記指向性前方散乱フィルムは、該指向
性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過
率を示す方位角φ2±30度の方向と、極角方向からの
入射光角度が10度から30度の入射光に対して液晶パ
ネルのコントラストが高い面内方向が揃うように配置さ
れていてもよい。
【0034】また、本発明は前記課題を解決するため
に、前記のいずれかの構成の本発明の液晶装置におい
て、前記平行線透過光の最大透過率Tmaxと最小透過率
Tminの比を、(Tmax/Tmin)≧2の関係にすること
ができる。
【0035】(Tmax/Tmin)≧2の関係を満たすこと
で、指向性前方散乱フィルムにおいて光の入射時に十分
な散乱が得られるので、従来の等方性前方散乱フィルム
を備えた液晶装置よりも明るく表示の鮮明な(クリア
な)表示が得られる。
【0036】本発明は前記課題を解決するために、前記
のいずれかの構成の本発明の液晶装置において、前記一
方の基板の液晶層と前記他方の基板の液晶層側に液晶駆
動用の電極が設けられてなることを特徴とする。
【0037】かかる液晶装置によれば、液晶層を挟む電
極により液晶の配向状態を制御し、表示、非表示、中間
調表示の切り替えを行うことができる。
【0038】本発明は前記課題を解決するために、前記
のいずれかの構成の本発明の液晶装置において、前記一
対の基板のどちらか一方の液晶層側にカラーフィルタを
設けてなるものでも良い。
【0039】かかる液晶装置によれば、カラーフィルタ
が設けられたことでカラー表示が可能となり、先のいず
れかの構造を採用することで高コントラストで、表示の
にじみの少ない、鮮明なカラー表示を有するものが得ら
れる。
【0040】本発明は前記反射層が微細な凸凹を有して
いる場合には、入射光を強く散乱し、反射層へと導くの
で、反射層が微細な凸凹を有しているために生じるぎら
つき感を緩和させることができ、さらに、反射層による
反射光は指向性前方散乱フィルムで強い散乱を受けない
ので表示のにじみの少ない、鮮明な表示を得ることがで
きる。
【0041】本発明の電子機器は前記課題を解決するた
めに、前記いずれかの構成の本発明の液晶装置を表示手
段として備えたことを特徴とする。
【0042】かかる電子機器は、前述の優れた表示形態
の本発明の液晶装置が備えられたことにより、高コント
ラストで、表示のにじみの少ない、鮮明な表示を有する
表示形態を備えたものを得ることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0044】(液晶装置の第1実施形態)本発明による
液晶装置の第1実施形態の液晶パネルについて、図1〜
図3を参照して以下に説明する。図1は、本発明を単純
マトリクス型の反射型液晶パネルに適用した第1実施形
態を示した平面図であり、図2は図1に示した液晶パネ
ルのA−A線に沿う部分断面図、図3は前記液晶表示装
置に内蔵されたカラーフィルタ部分の拡大断面図であ
る。この実施形態の液晶パネル10に、液晶駆動用I
C、支持体などの付帯要素を装着することによって、最
終製品としての液晶表示装置(液晶装置)が構成され
る。
【0045】この実施形態の液晶パネル10は、平面視
略矩形状、かつ環状のシール材12を介して互いにセル
ギャップをあけて対向するように貼り付けられた一対の
平面視矩形状の基板ユニット13、14と、これらの間
に前記シール材12とともに囲まれて挟持された液晶層
15と、一方(図2の上側)の基板ユニット13の上面
側に設けられた指向性前方散乱フィルム18と位相差板
19と偏光板16を主体として構成されている。基板ユ
ニット13、14のうち、基板ユニット13は観測者側
に向いて設けられる表側(上側)の基板ユニットであ
り、基板ユニット14はその反対側、換言すると裏側
(下側)に設けられる基板ユニットである。
【0046】前記上側の基板ユニット13は、例えばガ
ラス等の透明材料からなる基板17と、基板17の表側
(図2では上面側、観測者側)に順次設けられた指向性
前方散乱フィルム18、位相差板19及び偏光板16
と、基板17の裏側(換言すると液晶層15側)に順次
形成されたカラーフィルタ層20、オーバーコート層2
1と、該オーバーコート層21において液晶層15側の
面に形成された液晶駆動用のストライプ状の複数の電極
層23を具備して構成されている。
【0047】液晶層15は、ツイスト角θtが240度
〜255度のネマチック液晶分子から構成されている。
【0048】なお、実際の液晶装置においては、電極層
23の液晶層15側と、後述する下基板側のストライプ
状の電極層35の液晶層15側に、各々配向膜が被覆形
成されるが、図2ではこれらの配向膜を省略し説明も略
するとともに、以下に順次説明する他の実施形態におい
ても配向膜の図示と説明は省略する。また、図2および
以下の各図に示す液晶装置の断面構造は、図示した場合
に各層が見やすいように各層の厚さを実際の液晶装置と
は異なる厚さに調節して示してある。
【0049】前記上基板側の駆動用の各電極層23は本
実施形態ではITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫
酸化物)などの透明導電材料から平面視ストライプ状に
形成されたもので、液晶パネル10の表示領域と画素数
に合わせて必要本数形成されている。
【0050】前記カラーフィルタ層20は、本実施形態
では図3に拡大して示すように、上側の基板17の下面
(換言すると液晶層15側の面)に、光遮断用のブラッ
クマスク26、カラー表示用のRGBの各パターン27
を形成することにより構成されている。また、RGBの
パターン27を保護する透明な保護平坦化膜としてオー
バーコート層21が被覆されている。
【0051】このようなブラックマスク26は例えばス
パッタリング法、真空蒸着法等により厚さ100〜20
0nm程度のクロム等の金属薄膜をパターニングして形
成されている。RGBの各パターン27は、赤色パター
ン(R)、緑色パターン(G)、青色パターン(B)
が、所望のパターン形状で配列され、例えば、所定の着
色材を含有する感光性樹脂を使用した顔料分散法、各種
印刷法、電着法、転写法、染色法等の種々の方法で形成
されている。
【0052】一方、下側の基板ユニット14は、ガラス
などの透明材料あるいはその他の不透明材料からなる基
板28と、基板28の表面側(図2では上面側、換言す
ると液晶層15側)に順次形成された反射層31、オー
バーコート層33と、該オーバーコート層33の液晶層
15側の面に形成されたストライプ状の駆動用の複数の
電極層35とから構成されている。これらの電極層35
においても先の電極層23と同様に液晶パネル10の表
示領域と画素数に合わせて必要本数形成されている。
【0053】次に、本実施形態の反射層31は、Agま
たはAlなどの光反射性かつ導電性の優れた金属材料か
らなり、基板28上に蒸着法あるいはスパッタ法などに
より形成されたものである。ただし、反射層31が導電
材料からなることは必須ではなく、反射層31とは別に
導電材料製の駆動用電極層を設け、反射層31と駆動電
極を別個に設けた構造を採用して差し支えない。
【0054】次に、上述の上側の基板ユニット13に付
設されている指向性前方散乱フィルム18について以下
に詳細に説明する。
【0055】本実施形態において用いられる指向性前方
散乱フィルム18とは、基本構造の面から見れば、特開
2000−035506、特開2000−06602
6、特開2000−180607等に開示されている指
向性を有する前方散乱フィルムを適宜用いることができ
る。例えば、特開2000−035506に開示されて
いるように、相互に屈折率の異なる2種以上の光重合可
能なモノマーまたはオリゴマーの混合物である樹脂シー
トに、紫外線を斜め方向から照射して特定の広い方向の
みを効率良く散乱させる機能を持たせたもの、あるい
は、特開2000−066026に開示されているオン
ラインホログラフィック拡散シートとして、ホログラム
用感光材料にレーザを照射して部分的に屈折率の異なる
領域を層構造となるように製造したものなどを適宜用い
ることができる。
【0056】ここで本実施形態において用いる指向性前
方散乱フィルム18は、以下に説明する平行線透過率等
の各種パラメータを液晶表示装置に好適な特定の位置関
係としたものである。
【0057】まず、図4に示すように平面視矩形状の指
向性前方散乱フィルム18を水平に設置するものとす
る。なお、図4では水平設置状態が説明し易いので水平
設置状態で説明するが、指向性前方散乱フィルム18を
設置する方向は水平方向に限らず、どの方向でも良く、
要は以下に説明する光源Kと受光部Jと指向性前方散乱
フィルム18の位置関係(後述の極角θ、方位角φ)を
明確に定めることができ、前記平行線透過光が最小透過
率を示す(拡散透過光が最大透過率を示す)方位角φ2
方向と、液晶層15の中央部に位置するネマチック液晶
分子の長軸方向を揃えることができ、平行線透過光が最
小透過率を示す(拡散透過光が最大透過率を示す)方位
角φ2方向と、極角方向からの入射光角度が10度から
30度の入射光に対して液晶パネルのコントラストが高
い面内方向が揃うように配置できれば良い。本実施形態
では説明の際に方向の理解が容易な方向として指向性前
方散乱フィルム18の水平方向設置を一例にして説明す
る。
【0058】図4において、指向性前方散乱フィルム1
8の右斜め上方奥側から指向性前方散乱フィルム18の
中央部の原点Oに向けて、光源Kからの入射光L1を入
射する場合を想定する。そして、指向性前方散乱フィル
ム18の原点Oを通過させて指向性前方散乱フィルム1
8を透過して直進する透過光を光センサ等の受光部Jに
て受光する測定系を想定する。
【0059】ここで、指向性前方散乱フィルム18への
入射光L1の方向を特定するため、図4に示すように0
°、90°、180°、270°の座標軸によって指向
性前方散乱フィルム18を矩形状に4等分して中央部の
原点Oを通過する座標を想定し、(換言すると、指向性
前方散乱フィルム18の各辺の中心を座標軸の一端が通
過するように4等分し)、この指向性前方散乱フィルム
18の表面上に垂直投影される入射光L1の水平方向回
転角度(0°の座標軸からの右回りの角度を+、0°の
座標軸から左回りの角度を−とする。)を方位角φと定
義する。次に、0°の座標軸と180°の座標軸を含む
垂直面(図4に符号M1で示す面)に水平投影される入
射光L1の方向に対して指向性前方散乱フィルムの法線
Hとのなす角度を入射光L1の極角θと定義する。換言
すると、極角θとは水平設置した指向性前方散乱フィル
ム18に対する鉛直面内の入射光L1の入射角度を示
し、方位角φとは入射光L1の水平面内回転角に相当す
る。
【0060】この状態において例えば、入射光L1の極
角を0°、方位角を0°とした場合は、入射光L1が指
向性前方フィルム18に対して図5に示すように直角に
入射する(法線方向からの入射する)ことになり、指向
性前方散乱フィルム18は図5の符号18に示す状態と
なり、極角θを+60°とした場合に光源Kと受光部J
と指向性前方フィルム18との位置関係は図5の符号1
8Aに示すように指向性前方散乱フィルム18を配置し
た状態となり、極角θを−60°とした場合に光源Kと
受光部Jと指向性前方散乱フィルム18との位置関係は
符号18Bに示すように指向性前方散乱フィルム18を
配置した状態となることを意味する。
【0061】次に、指向性前方散乱フィルム18の一面
側(図6(A)では左側)に設置された光源から発せら
れた入射光L1が図6(A)に示すように指向性前方散
乱フィルム18を透過して指向性前方散乱フィルム18
の他面側(図6(A)では右側)に抜ける場合、指向性
前方散乱フィルム18の一面側(左側)において散乱す
る光を後方散乱光LRと称し、指向性前方散乱フィルム
18を透過する光を前方散乱光と称することとする。そ
して、指向性前方散乱フィルム18を透過した前方散乱
光に関し、入射光L1の進行方向に対して±2°以内の
角度誤差で同じ方向に直進する前方散乱光(平行線透過
光)L3の光強度について、入射光L1の光強度に対す
る割合を平行線透過率と定義し、更に、±2゜を越えて
周囲側に斜めに拡散する前方散乱光(拡散透過光)LT
の光強度について、入射光L1の光強度に対する割合を
拡散透過率と定義し、透過光全体の入射光に対する割合
を全光線透過率と定義する。以上の定義から、全光線透
過率から拡散透過率を差し引いたものが平行線透過率で
あると定義することができる。以上の説明を更に理解し
易くするために、図1にも入射光L1と方位角φと平行
線透過光L3の関係を示した。
【0062】なお、光学の分野においてヘイズ(Haze)
と称される透過率尺度も一般的には知られているが、ヘ
イズとは拡散透過率を全光線透過率で除算して%表示し
た値であり、本実施形態において用いる平行線透過率と
は全く異なる概念の定義である。
【0063】次に、先の極角θと方位角φを用いて平行
線透過率の最大透過率を標記する場合、Tmax(φ1,
θ1)と標記することと定義し、平行線透過率の最小透
過率をTmin(φ2,θ2)と標記することと定義す
る。また、換言すると、指向性前方散乱フィルムの性質
から、最大透過率を示す条件においては最も散乱が弱い
条件であり、最小透過率を示す条件においては最も散乱
が強い条件である。
【0064】例えば、仮に極角θ=0°、方位角=0°
の時に最大透過率を示す場合に、Tmax(0,0)と標
記する。(これは、指向性前方散乱フィルムの法線方向
に沿う平行線透過率が最大であることを意味する。換言
すると、指向性前方散乱フィルムの法線方向に沿う散乱
が最も弱いことを意味する。)また、極角θ=10°、
方位角=45°の時に最小透過率を示す場合に、Tmin
(10,45)と標記し、この場合はこの方向の散乱が
最も強いことを意味する。
【0065】以上の定義に基づき、液晶装置に適用して
好ましい指向性前方散乱フィルム18の各特性について
以下に説明する。
【0066】前述したように指向性前方散乱フィルム1
8において、平行線透過率が最大透過率を示す角度は、
最も散乱が弱い角度であり、最小透過率を示す角度は、
最も散乱が強い角度である。
【0067】よって換言すると、図2に示すように反射
型液晶表示装置においては、液晶パネル10に対する周
囲光を入射光L1として利用し、反射層31にて反射し
た光を観察者が反射光として認識すると考えると、図4
の座標軸において、光の入射時に散乱が強い方向(換言
すると平行線透過率の低い方向)から液晶パネル10に
入射光を入れ、観察者が反射光を観察する場合に散乱が
弱い方向(換言すると平行線透過率の高い方向)から見
れば、表示のにじみ(ボケ)の少ない状態を得ることが
できると考えられる。これは、本発明者らが知見した、
指向性前方散乱フィルム18に対する入射時の1回目の
散乱は表示のにじみ(ボケ)に影響が出にくいが、反射
光として指向性前方散乱フィルム18を2回目に通過す
る際の散乱が表示のにじみ(ボケ)に影響が大きいとい
う知見に基づくものである。
【0068】即ち、本実施形態では入射光L1が1回目
に指向前方性散乱フィルム18を通過する場合には光を
散乱した方(拡散透過光が多い方)が、反射層31の正
反射(ミラー反射)を防止して広い視野角で明るい表示
を得ようとする目的のためには好ましく、更に、液晶装
置の内部の反射層31で反射した光が2回目に指向性前
方散乱フィルム18を通過する場合には散乱が少ない方
が表示のにじみ(ボケ)を少なくする上で好ましいと考
えられるからである。従って、指向性前方散乱フィルム
18の特性において、最小透過率を示す極角と方位角、
換言すると最も散乱が強い入射光の極角と方位角方向
(拡散透過率が最大を示す極角と方位角)を液晶パネル
10の採光側に向けること、換言すると観察者側と反対
側に向けることが好ましく、平行線透過率が最大透過率
を示す極角と方位角(拡散透過率が最小を示す極角と方
位角)角、換言すると最も散乱が弱い入射光角度と入射
方向を液晶パネル10の観察者側に向けることが必要で
ある。
【0069】ここで図6(B)に、本実施形態において
用いる指向性前方散乱フィルム18の断面構造を示し、
以上のような極角と方位角の状態について説明する。
【0070】本実施形態において用いる指向性前方散乱
フィルム18の断面構造モデルは図6(B)に示すよう
に、屈折率がn1の部分と屈折率がn2の部分が指向性
前方散乱フィルム18の断面構造において所定の角度を
有して斜め方向に層状に交互配置されてなる構造であ
る。この構造の指向性前方散乱フィルム18に斜め方向
から適切な極角を有して入射光L1が入射されるとする
と、屈折率の異なる各層の境界部分において散乱される
とともに、散乱光の一部が液晶層15を通過して反射層
31において反射されるとこの反射光L2が再度液晶層
15を通過して指向性前方散乱フィルム18を先程の入
射光L1とは異なる極角にて通過しようとするがここで
の反射光L2は散乱の少ない状態で指向性前方散乱フィ
ルム18を通過することができる。
【0071】そして、このような関係を満足させるため
には、方位角φ1とφ2の関係として、φ1=φ2±1
80°であることが最も好ましい。これは、φ2を入射
角方向、φ1を観察方向とすることを意味し、実際の液
晶装置で適用する場合にこれらの角度が180°異な
る。この場合、液晶装置に入射された光は入射時に強く
散乱され、反射層31で反射された光は散乱され難いの
で、表示のにじみ(ボケ)の無い鮮鋭な表示形態が得ら
れる。ただし、前述のような所定の角度を有して斜め方
向に層状に交互に屈折率の異なる層が配置される指向性
前方散乱フィルム18が組織的に完全に均一ではないこ
とを考慮すると、方位角φ1とφ2の関係としては、φ
1=φ2±180°で理想的ではあるが、φ1=φ2±
180°の関係を基にして、その角度から(±10)°
程度ずれたものまで本発明では包含するものとする。こ
の角度が(±10)゜を超えてずれたものでは表示のに
じみ(ボケ)の無い鮮鋭な表示形態が得られ難くなる。
【0072】次に、先の(Tmax/Tmin)の値が(Tma
x/Tmin)≧2の関係を満足することが好ましい。この
関係とすることで、入射時に十分な散乱が得られ、明る
く鮮鋭な反射表示が得られる。また、この関係を満足さ
せることで、従来から知られている等方性散乱フィルム
を用いた場合よりも明るい反射表示を実現できる。
【0073】次に、極角θ1とθ2を個々に見ると、等
方性の散乱フィルムよりも明るい表示を得るためには、
−40°≦θ1<0°かつ0°<θ2≦+40°の範
囲、より好ましくは−30°≦θ1≦−10°、かつ、
10°≦θ2≦30°の範囲とすることが好ましい。
【0074】次に、指向性前方散乱フィルム18の法線
方向の(真正面)の平行線透過率をT(0,0)と定義
すると、従来から知られている等方性の散乱フィルムよ
りも明るい表示を得るためには、θ1=−20°、θ2
=20°の場合に、T(0,0)が3%以上、50%以
下であることが好ましく、T(0,0)が5%以上、4
0%以下であることがより好ましい。T(0,0)が3
%を下回ると、散乱が強すぎて表示がぼけることとな
り、T(0,0)が40%を超えると正面の散乱が弱す
ぎてミラー反射に近くなる。
【0075】次に、指向性前方散乱フィルムの方位角φ
をφ1±60°(φ2±60°)の範囲と規定した場
合、常にθ1で平行線透過率の極大をとり、θ2で平行
線透過率の極小値をとるとともに、極大値と極小値の比
を1.5以上とすることが好ましい。このような特徴を
有しているならば、φ2の一方向のみならず、方位角で
±60°までの光を散乱させることができるので、個々
の環境下に対応することが容易になり、明るい表示を実
現できる。
【0076】次に、最大透過率を示す方位角φ1および
最小透過率を示す方位角φ2と直交する方向の極角θを
−40°〜+40°まで変化させた場合、この範囲にお
いて平行線透過率が指向性前方散乱フィルムの法線方向
の透過率と同等か、あるいは高ければ、液晶装置を横方
向から観察しても表示のにじみ(ボケ)の無い鮮鋭な表
示を得ることができる。即ち、T(0,0)≦T(φ1
±90,θ)の関係を満足し、T(0,0)≦T(φ2
±90,θ)の関係を満足するものとすることが好まし
い。
【0077】次に、極角θが−60°≦θ≦+60°の
範囲において、平行線透過率T(φ,θ)が2%以上で
あり、50%以下であることが好ましい。即ち、2%≦
T(φ,θ)≦50%、但し−60°≦θ≦+60°の
関係を満足することが好ましい。 このような関係とす
ることで、明るく、表示のにじみ(ボケ)の無い鮮鋭な
表示を得ることができる。
【0078】さらに、前記指向性前方散乱フィルム18
は、図15に示すように指向性前方散乱フィルム18を
透過した平行線透過光L3が最小透過率を示す(拡散透
過光LTが最大透過率を示す)方位角φ2方向と、前記
基板17,28間が無電界時(印加した電圧を解除した
時)に液晶層15の厚み方向中央部に位置するネマチッ
ク液晶分子15aの長軸方向αが揃うように配置されて
いる。この液晶分子15aは、上述したようにツイスト
角θtが240度〜255度のものあるので、前記基板
間が無電界時(印加した電圧を解除した時)に液晶層1
5の厚み方向中央部に位置するネマチック液晶分子15
aは捻れ角θtmが120度〜127.5度で捻れてお
り、この捻れ角θtmのときの長軸方向αが前記方位角
φ2方向と合わせられている。
【0079】前記指向性前方散乱フィルム18を透過し
た平行線透過光L3が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、前記基板間が無電界時(印加した電圧を解除した
時)に液晶層15の厚み方向中央部に位置するネマチッ
ク液晶分子15aの長軸方向αとのなす角度は、0度で
なくてもよく、±30度の範囲であればよい。言い替え
れば、指向性前方散乱フィルム18を透過した平行線透
過光L3が最小透過率を示す方位角φ2±30度の方向
と、基板間17,28に印加した電圧を解除した時に液
晶層15の中央部に位置するネマチック液晶分子の長軸
方向αが揃うように配置されていればよい。
【0080】このように指向性前方散乱フィルム18
は、平行線透過光L3が最小透過率を示す方位角φ2方
向と、液晶層15の中央部に位置するネマチック液晶分
子15aの長軸方向αが概ね揃うように配置されてお
り、無電界時(印加した電圧を解除した時)に液晶層1
5の中央部に位置するネマチック液晶分子15aの長軸
方向αはコントラストが高い方向であり、このコントラ
ストが高い方向と前記の表示のにじみ(ボケ)が少なく
見える方向が合わせられたこととなり、高コントラスト
でにじみ(ボケ)がない表示が得られ、よって鮮明な表
示形態が得られ、表示品質を向上できる。
【0081】さらに、指向性前方散乱フィルム18は、
該指向性前方フィルム18を透過した平行線透過光L3
が最小透過率を示す(拡散透過光LTが最大透過率を示
す)方位角φ2方向と、極角θの方向からの入射光角度
が10度から30度の入射光に対して液晶パネル10の
コントラストが高い面内方向が揃うように配置されてい
る。
【0082】前記指向性前方散乱フィルム18を透過し
た平行線透過光L3が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、極角θ方向からの入射光角度が10度から30度の
入射光に対して液晶パネル10のコントラストが高い面
内方向とのなす角度は、0度でなくてもよく、±30度
の範囲であればよい。言い替えれば、指向性前方散乱フ
ィルム18を透過した平行線透過光L3が最小透過率を
示す方位角φ2±30度の方向と、極角方向からの入射
光角度が10度から30度の入射光に対して液晶パネル
のコントラストが高い面内方向が揃うようが揃うように
配置されていればよい。
【0083】このように指向性前方散乱フィルム18
は、該指向性前方散乱フィルム18を透過した平行線透
過光が最小透過率を示す方位角φ2方向と、極角θ方向
からの入射光角度が10度から30度の入射光に対して
液晶パネル10のコントラストが高い面内方向が揃うよ
うに配置されことにより、液晶パネル10のコントラス
トが高い領域を最大限に含む方向と前記の表示のにじみ
(ボケ)が少なく見える方向が合わせられたこととな
り、高コントラストでにじみ(ボケ)がない表示が得ら
れ、よって鮮明な表示形態が得られ、表示品質を向上で
きる。
【0084】図16は、本実施形態の液晶パネル10に
入射光を極角20度、方位角0度で入射させたときのコ
ントラスト特性を示す図である。このときの入射光の方
位角は、指向性前方散乱フィルム18を透過した平行線
透過光が最小透過率を示す(拡散透過光が最大透過率を
示す)方位角φ2方向である。図16に示す同心円の中
心は、液晶パネル10の法線方向の視角であり、最外円
が法線方向Hから80度傾斜した方向から見た視角、外
側から2つ目の円が法線方向Hから60度傾斜した方向
から見た視角、外側から3つ目の円が法線方向Hから4
0度傾斜した方向から見た視角、最内円が法線方向Hか
ら20度傾斜した方向から見た視角を表す。図16中、
斜線で示される領域は、コントラストが1:10以上
得られることを示している。
【0085】図16から観察者の視角が法線方向から4
0度傾いても方位角φ2方向からの入射光に対して1:
10のコントラストを示しており、視角が法線方向から
30度〜0度に傾いても方位角φ2方向からの入射光に
対して1:10以上のコントラストを示すことができ
る。液晶パネルを観察するときは、通常、観察者は入射
光の正反射方向からずれた方向、言い換えれば、法線付
近の方向あるいは正反射方向より法線方向寄りの方向か
ら表示を観察するので、本実施形態の液晶パネルのよう
に方位角φ2方向と、極角θ方向からの入射光角10〜
30度の入射光に対して液晶パネル10のコントラスト
が高い面内方向γが揃うように配置されていると、図1
6のように視角が法線方向から30度〜0度のときのコ
ントラストが高く、表示品質を向上できることがわか
る。
【0086】また、指向性前方散乱フィルム18を透過
した平行線透過光L3が最小透過率を示す方位角φ2±
30度の方向と、極角方向からの入射光角度が10〜3
0度の入射光に対して液晶パネルのコントラストが高い
面内方向γが揃うように配置した場合、図16からわか
るように視角が法線方向から30度〜0度のときのコン
トラストが高いことがわかる。
【0087】(液晶装置の第2実施形態)図7に示すも
のは、本発明に係る液晶装置の第2実施形態の液晶パネ
ル40を示す部分断面図である。
【0088】この実施形態の液晶パネル40は先の図1
〜図3を基に説明した第1実施形態の液晶パネル10と
同様に指向性前方散乱フィルム18を備えた反射型の単
純マトリクス構造のものであり、基本的な構造は第1実
施形態と同様であるので同一構成要素には同一符号を付
してそれら構成要素の説明を省略し、以下に異なる構成
要素を主体に説明する。
【0089】本実施形態の液晶パネル40は対向された
基板ユニット41と基板ユニット42の間にシール材1
2に囲まれて液晶層15を挟持して構成されている。前
記上側の基板ユニット41は先の第1実施形態の基板ユ
ニット13において、カラーフィルタ層20が省略され
たもので、カラーフィルタ層20は対向側の下側の基板
ユニット42の反射層31の上に積層されていて、この
部分の構成が先の第1実施形態の構造と異なっている。
即ち、図4に示す液晶パネル40は、先の第1実施形態
では上側(観察者側)の基板ユニット13側に設けられ
ていたカラーフィルタ層20を液晶層15の下側(観察
者側と反対側)の基板ユニット42側に設けた構造であ
る。カラーフィルタ層20の構造は第1実施形態の構造
と同等であるが、カラーフィルタ層20が基板28の上
面側に形成されているので、図3に示すカラーフィルタ
層20の積層構造が図3の状態に対して上下逆とされて
いる。
【0090】この第2実施形態の構造においても、指向
性前方散乱フィルム18は先の第1実施形態の構造及び
配置(平行線透過光L3が最小透過率を示す方位角φ2
方向と、前記基板間が無電界時(印加した電圧を解除し
た時)に液晶層15の中央部に位置するネマチック液晶
分子15aの長軸方向αとが合わせられ、平行線透過光
が最小透過率を示す方位角φ2方向と、極角θ方向から
の入射光角度が10度から30度の入射光に対して液晶
パネル40のコントラストが高い面内方向が合わせられ
ている)と同様に設けられているので、反射表示のにじ
み(ボケ)やコントラストに関して先の第1実施形態の
構造と同等の効果を得ることができる。
【0091】また、図4に示す液晶装置40では、反射
層31の直上にカラーフィルタ層20が形成されている
ので、液晶装置40に入射された光が液晶層15を介し
て反射層31に至り、反射されてから直ちにカラーフィ
ルタ32を通過するので、色ずれの問題が起こりにくい
特徴を有する。
【0092】本実施形態では、反射層31はミラー(鏡
面)状態であるが、1〜20μm程度の微細な凸凹を有
していても構わない。
【0093】(液晶装置の第3実施形態)図8に示すも
のは、本発明に係る液晶装置の第3実施形態の液晶パネ
ル50を示す断面図である。
【0094】この実施形態の液晶パネル50は先の図1
〜図3を基に説明した第1実施形態の液晶パネル10に
設けられていた反射層31に代えて、半透過反射層52
を設けた基板ユニット55を備えた半透過反射型の単純
マトリクス構造のものであって、その他の基本的な構造
において第1実施形態と同様な部分には同一符号を付し
てそれら構成要素の説明を省略し、以下に異なる構成要
素を主体に説明する。
【0095】液晶パネル50において第1実施形態の構
造と異なるのは、半透過反射層52が設けられた点であ
り、更に液晶パネル50の背後側(図8の下側)にはバ
ックライトなどの光源60が配置されている点と、位相
差板56、偏光板57が配置されている点である。
【0096】なお、透過型として液晶表示装置を用いる
場合に下側の基板28’はガラス等の透明基板からなる
ことを必要とする。
【0097】半透過反射層52は、背後側(図8の下
側)のバックライトなどの光源60が発した透過光を通
過させるために十分な厚さの半透過反射層、あるいは、
反射膜の一部に多数の微細な透孔を形成して光透過性を
高めた構造など、半透過反射型の液晶表示装置に広く用
いられているものを適宜採用することができる。
【0098】この第3実施形態の液晶装置では、バック
ライトなどの光源60からの透過光を利用する際には透
過型の液晶表示形態をとり、光源からの光を利用しない
場合は周囲光を用いた反射表示を行うことで反射型液晶
表示装置として利用することができる。そして、この第
3実施形態に構造においても、指向性前方散乱フィルム
18は先の第1実施形態の構造および配置(平行線透過
光L3が最小透過率を示す方位角φ2方向と、前記基板
間が無電界時(印加した電圧を解除した時)に液晶層1
5の中央部に位置するネマチック液晶分子15aの長軸
方向αとが合わせられ、平行線透過光が最小透過率を示
す方位角φ2方向と、極角θ方向からの入射光角度が1
0度から30度の入射光に対して液晶パネル50のコン
トラストが高い面内方向が合わせられている)と同様に
設けられているので、反射型液晶表示装置としての表示
形態を採用する場合、先の第1実施形態の場合と同様
に、表示のにじみ(ボケ)やコントラストの低下を解消
した鮮鋭な反射型の表示形態を得ることができる。
【0099】なお、これまで説明した第1、第2、第3
実施形態においては、単純マトリクス型の反射型液晶表
示装置に本発明を適用した例について説明したが、本発
明を2端子型スイッチング素子あるいは3端子型スイッ
チング素子を備えたアクティブマトリクス型の反射型液
晶表示装置あるいは半透過反射型液晶表示装置に適用し
ても良いのは勿論である。
【0100】それらのアクティブマトリクス型の液晶表
示装置に適用した場合、図2、図7、図8に示すストラ
イプ状の電極に代えて、一方の基板側に共通電極を設
け、他方の基板側に多数の画素電極を画素毎に設け、各
画素電極を個々に3端子型のスイッチング素子である薄
膜トランジスタで駆動する型のTFT(薄膜トランジス
タ)駆動型の構造、一方の基板側にストライプ状の電極
を設け、他方の基板側に画素毎に画素電極を設け、これ
らの画素電極を個々に2端子型の線形素子である薄膜ダ
イオードで駆動する2端子型線形素子駆動型の液晶表示
装置などに適用できるのは勿論であり、これらのいずれ
の型の液晶表示装置に対しても、本発明は前記指向性前
方散乱フィルムを前記した特定の方向に配置するのみで
適用可能であるので、極めて容易に種々の形態の液晶表
示装置に適用することができる特徴を有する。
【0101】本発明の液晶装置をアクティブマトリクス
型の液晶表示装置に適用した場合、液晶層を構成するネ
マチック液晶分子はツイスト角60度〜80度に設定さ
れたものを用いることができ、この場合の指向性前方散
乱フィルムは、図17に示すように指向性前方散乱フィ
ルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す(拡散
透過光が最大透過率を示す)方位角φ2方向と、前記基
板間が無電界時(印加した電圧を解除した時)に液晶層
の厚み方向中央部に位置するネマチック液晶分子15b
の長軸方向βが揃うように配置される。この液晶分子1
5bは、上述したようにツイスト角θtが60度〜80
度のものあるので、前記基板間が無電界時(印加した電
圧を解除した時)に液晶層の厚み方向中央部に位置する
ネマチック液晶分子15bは捻れ角θtmが30度〜4
0度で捻れており、この捻れ角θtmのときの長軸方向
βが前記方位角φ2方向と合わせられている。
【0102】また、前記指向性前方散乱フィルムを透過
した平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、前記基板間が無電界時(印加した電圧を解除した
時)に液晶層15の厚み方向中央部に位置するネマチッ
ク液晶分子15bの長軸方向βとのなす角度は、0度で
なくてもよく、±30度の範囲であればよい。言い替え
れば、指向性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光
が最小透過率を示す方位角φ2±30度の方向と、基板
間に印加した電圧を解除した時に液晶層の中央部に位置
するネマチック液晶分子の長軸方向βが揃うように配置
されていればよい。
【0103】なお、前記の実施形態においては、指向性
前方散乱フィルムが、該指向性前方散乱フィルムを透過
する平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、前記基板間が無電界時(印加した電圧を解除した
時)に液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子の
長軸方向とが揃うように配置され、しかも前記平行線透
過光が最小透過率を示す方位角φ2方向と、極角θ方向
からの入射光角度が10度から30度の入射光に対して
液晶パネルのコントラストが高い面内方向が揃うように
配置された場合について説明したが、指向性前方散乱フ
ィルムは、前記方位角φ2方向と前記基板間が無電界時
に液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子の長軸
方向とが揃うように配置されているか、または、方位角
φ2方向と、極角θ方向からの入射光角度が10度から
30度の入射光に対して液晶パネルのコントラストが高
い面内方向が揃うように配置されていれば、本発明の課
題を解決できる。
【0104】(電子機器の実施形態)次に、前記の第1
〜第3の実施形態の液晶パネル10、40、50のいず
れかを備えた電子機器の具体例について説明する。
【0105】図9(a)は、携帯電話の一例を示した斜
視図である。
【0106】図9(a)において、符号200は携帯電
話本体を示し、符号201は前記の液晶パネル10、4
0、50のいずれかを用いた液晶表示部を示している。
【0107】図9(b)は、ワープロ、パソコンなどの
携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。
【0108】図9(b)において、符号300は情報処
理装置、符号301はキーボードなどの入力部、符号3
03は情報処理装置本体、符号302は前記の液晶パネ
ル10、40、50のいずれかを用いた液晶表示部を示
している。
【0109】図9(c)は、腕時計型電子機器の一例を
示した斜視図である。
【0110】図9(c)において、符号400は時計本
体を示し、符号401は前記の液晶パネル10、40、
50のいずれかを用いた液晶表示部を示している。
【0111】図9(a)〜(c)に示すそれぞれの電子
機器は、前記の液晶パネル10、40、50のいずれか
を用いた液晶表示部を備えたものであるので、表示にじ
み(ボケ)がなく、高コントラストである鮮鋭な表示品
質の優れたものとなる。
【0112】
【実施例】「試験例1」透過型のホログラム技術で作成
した指向性前方散乱フィルムを用いて透過率の測定試験
を行った。
【0113】水平に設置した(50×40)mmの平面
視長方形状の指向性前方散乱フィルムの表面中心部に
(ハロゲン)ランプの光源(指向性前方散乱フィルムか
ら300mm離れた位置に設置)から光を入射し、指向
性前方散乱フィルムの裏面側にCCDからなる受光素子
を有する受光部(指向性前方散乱フィルムから300m
m離れた位置に設置)を、光源からの入射光に対して正
視対向する方向に各々設置し、光源の極角と方位角を図
4に示すように規定し、受光部において2度視野で平行
線透過率を測定した。
【0114】光源の極角θ(指向性前方散乱フィルムの
法線に対する入射光の入射角度)を±60゜の範囲で調
整し、極角の角度毎の平行線透過率(%)を測定した結
果を図10に示す。また、方位角については、0゜、+
30゜、+60°、+90°、+180°(いずれも図
4に示す右回り方向)と、−30゜、−60°、−90
°(いずれも図4に示す左回り方向)のいずれのデータ
についても計測し、図10にまとめて記載した。
【0115】図10に示す結果から、0°と180°の
場合の測定結果が全く同一曲線になり、平行線透過光の
最大透過率Tmaxと最小透過率Tminとの関係は、(Tma
x/Tmin)≒50:6≒8.33となり、本発明で望ま
れる2を超える値を示した。
【0116】次に、透過型ホログラムで作成した別の指
向性前方散乱フィルムを用いて同様の透過率の測定試験
を行った結果を図11に示し、さらに別の透過型ホログ
ラム指向性前方散乱フィルムを用いて同様の透過率の測
定試験を行った結果を図12に示す。
【0117】図11に示す特性を見ると、平行線透過光
の最大透過率Tmaxと最小透過率Tminとの関係は、(T
max/Tmin)≒12:3≒4であり、本発明で望まれる
2を超える値を示した。
【0118】図12に示す特性を見ると、平行線透過光
の最大透過率Tmaxと最小透過率Tminとの関係は、(T
max/Tmin)≒52:26≒2であり、本発明で望まれ
る値の2を示した。
【0119】また、図10と図11と図12に示すいず
れの例の指向性前方散乱フィルムにおいても、±60°
の範囲において、概ね、極大と極小の数値がほぼ同じ角
度に存在することが明らかになった。例えば、図10に
示す結果から、極大値は極角−30°の場合、極小値は
極角+(23)゜の場合、図11に示す結果から、極大
値は極角−(20)°の場合、極小値は極角+(18)
゜の場合、図12に示す結果から、極大値は極角−30
°の場合、極小値は極角+(25)゜の場合であった。
【0120】次に、図10、図11、図12に示す例の
指向性前方散乱フィルムにおいて、φが±90°の場
合、いずれの例においても極角θが0の場合に一番透過
率が低い、言い換えれば、入射時の散乱が強い(拡散透
過光が多い)ことも判明した。
【0121】また、図10、図11、図12に示す例の
指向性前方散乱フィルムにおいて、全ての条件の場合の
透過率においていずれも2〜50%の範囲に入っている
ことも明らかである。
【0122】次に、極角θを固定して方位角φを変化さ
せた際に、換言すると、指向性前方散乱フィルムのみを
水平面内で回転させた場合に、指向性前方散乱フィルム
の透過率を測定した結果を図13に示す。
【0123】図13に示す結果によれば、θ=0°の条
件では指向性前方散乱フィルムの法線方向に光を入射し
た状態を示すが、ほぼ一定の透過率を示し、θ=−20
°、−40°、−60°の場合に方位角は0±90°の
範囲で透過率が上側に凸の極大をとる曲線を示し、θ=
+20°、+40°、+60°の場合に方位角0±90
°の範囲で透過率が下側に凸(上側には凹)の極小をと
る曲線を示す傾向を示した。このことから、本実施例で
用いた指向性前方散乱フィルムは極角と方位角に応じて
透過率の極大と極小を示すことが明瞭に示された。
【0124】なお、図13に示す透過率の関係を解析す
ると、負の極角θ(−20°、−40°、−60°)に
おいて方位角φ=±30°以内、即ち、φ=−30°〜
+30゜の範囲において透過率の最大値が5%以内の変
動に抑えられており、正の極角θ(+20°、+40
°、+60°)において方位角φ=±30°以内、即ち
φ=−30°〜+30゜の範囲において透過率の最小値
が5%以内の変動に抑えられている。
【0125】図14は、従来の等方性前方散乱フィルム
(大日本印刷(株)製商品名:IDS−16K)を用い
て構成された液晶装置の試料において、極角と透過率の
関係を方位角毎に測定した結果を示すものである。試験
に際し、先の第1の試験例と同じ液晶装置を用い、指向
性前方散乱フィルム(異方性前方フィルム)を今回使用
の等方性散乱フィルムに変更して測定した結果である。
【0126】図14に示す結果から、平行線透過光の透
過率はいずれの方位角でもほとんど変化が見られず、ほ
ぼ1つの曲線に重なるとともに、極角が0°の場合を最
大として極角を+領域か−領域に変化させても数%程度
しか変化しないことが明らかである。この結果から、等
方性前方散乱フィルムを液晶装置に用いても、本発明の
効果が得られないことが明らかである。
【0127】「試験例2」次に、先の試験の極角θ1と
極角θ2を種々変化させた場合の指向性前方散乱フィル
ムを用いた反射型カラー液晶表示装置の明るさを蛍光灯
点灯下のオフィスにおいて比較した。明るさとしては、
従来品の等方性前方散乱フィルムを用いた反射型カラー
液晶表示装置(先の図14に示す測定に用いた等方性散
乱フィルムを用いた反射型カラー液晶表示装置)と比較
し、従来品の反射型カラー液晶表示装置よりも明るく認
識できたものを〇、同等のものを△、暗いものを×とし
て以下の表1に示した。
【0128】 「表1」 θ1(°) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 θ2(°) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 評価結果 × × × × × △ △ △ × θ1(°) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 θ2(°) 10 10 10 10 10 10 10 10 10 評価結果 × × × × △ 〇 〇 〇 × θ1(°) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 θ2(°) 20 20 20 20 20 20 20 20 20 評価結果 × × × × △ 〇 〇 〇 × θ1(°) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 θ2(°) 30 30 30 30 30 30 30 30 30 評価結果 × × × × △ 〇 〇 〇 × θ1(°) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 θ2(°) 40 40 40 40 40 40 40 40 20 評価結果 × × × × × △ △ △ × 表1に示す測定結果から明らかなように、平行線透過光
が最大となる場合(拡散透過光が最小となる場合)の極
角θ1が、−40°≦θ1≦0°の範囲、0°≦θ2≦
40°の範囲であれば従来品と同程度の明るさを確保で
き、−30°≦θ1≦−10°の範囲、10°≦θ2≦
30°の範囲であれば従来品よりも明るさに優れている
液晶表示装置が得られることがわかる。
【0129】「試験例3」指向性前方散乱フィルムの法
線方向の平行線透過率T(0,0)を種々の値に変えた
指向性前方散乱フィルムを用意し、この指向性前方散乱
フィルムを備えた液晶表示装置の明るさを蛍光灯点灯下
のオフィスにおいて比較した。比較した従来品は先の試
験例で用いたものと同じである。従来品の等方性前方散
乱フィルムを用いた反射型カラー液晶表示装置よりも明
るく認識できたものを〇、同等のものを△、暗いものを
×として以下の表2に示した。
【0130】 「表2」 T(0,0) 3% 5% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 評価結果 △ 〇 〇 〇 〇 〇 △ × 表2に示す結果から明らかなように、3%≦T(0,
0)≦60%、より好ましくは5%≦T(0,0)≦4
0%の範囲であれば、実際の使用環境下において従来よ
りも明るい反射型カラー液晶表示装置を提供できること
が明らかである。
【0131】次に、図10、図11、図12に示す結果
から、指向性前方散乱フィルムの方位角φをφ1±60
°かつφ2±60°の範囲で規定した場合、常にθ1に
おいて平行線透過率の極大(言い換えれば拡散透過率の
極小)を示し、θ2において平行線透過率の極小(言い
換えれば拡散透過率の極大)を示すことも明らかであ
る。
【0132】「試験例4」次に、透過型ホログラム指向
性前方散乱フィルムを多数枚用意し、(Tmax/Tmin)
の値を種々の値に調整した場合の反射型カラー表示装置
の明るさを先の従来品の等方性散乱フィルムを用いた液
晶表示装置と比較した結果を以下の表3に記載した。従
来品の液晶表示装置に比べて2倍以上明るく認識できた
場合は◎、従来品よりも明るく認識できたものは〇、同
等の場合は△、暗い場合は×とした。
【0133】 「表3」 Tmax/Tmin 10.0 5.0 3.0 2.0 1.8 1.5 1.0 評価結果 ◎ ◎ ◎ ◎ 〇 △ △ 表3に示す結果から、先に説明した平行線透過率の極小
値と極大値の比が2以上である場合に特に明るく認識で
きたことが明らかである。
【0134】「試験例5」指向性前方散乱フィルムにお
いて平行線透過率が最小値(言い換えれば拡散透過率が
最大値)または平行線透過率が最大値(言い換えれば拡
散透過率が最小値)をとる時の方位角をφ2またはφ1
とすると、φ2±60°、φ1±60°の範囲で極角θ
を変化させて測定した透過光特性の極大値と極小値の比
を測定した。この比を変化させて反射型カラー液晶表示
装置の明るさを蛍光灯点灯下のオフィスにおいて比較し
た。比較した従来品は先の試験例で用いたものと同じで
ある。従来品の等方性前方散乱フィルムを用いた反射型
カラー液晶表示装置よりも明るく認識できたものを〇、
同等のものを△、暗いものを×として以下の表4に示し
た。
【0135】 「表4」 極大値/極小値 5.0 3.5 2.0 1.5 1.2 1.0 評価結果 〇 〇 〇 〇 △ △ 表4に示す結果から、極大値/極小値の値は1.5以上
が好ましいことが明らかになった。即ち、指向性前方散
乱フィルムの方位角φをφ1±60°かつθ2±60°
の範囲で規定した場合、平行線透過率の極小値と極大値
の比が1.5以上であることが明らかである。
【0136】「試験例6」指向性前方散乱フィルムにお
いて、極角θを−60°≦θ≦+60°としたとき、平
行線透過率Tの最大値と最小値を変化させて、反射型カ
ラー液晶表示装置の明るさを蛍光灯点灯下のオフィスに
おいて比較した。比較した従来品は先の試験例で用いた
ものと同じである。従来品のの等方性前方散乱フィルム
を用いた反射型カラー液晶表示装置よりも明るく認識で
きたものを〇、同等のものを△、暗いものを×として以
下の表5に示した。
【0137】 「表5」 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 1% 1% 1% 1% 1% 1% 評価結果 × × △ △ △ × 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 2% 2% 2% 2% 2% 2% 評価結果 × 〇 〇 〇 〇 〇 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 5% 5% 5% 5% 5% 5% 評価結果 △ 〇 〇 〇 〇 〇 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 10% 10% 10% 10% 10% 10% 評価結果 △ 〇 〇 〇 〇 △ 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 20% 20% 20% 20% 20% 20% 評価結果 × 〇 〇 △ △ × 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 30% 30% 30% 30% 30% 30% 評価結果 × △ △ × × × 最大透過率Tmax 60% 50% 40% 30% 20% 10% 最小透過率Tmin 40% 40% 40% 40% 40% 40% 評価結果 × × × × × × 表5に示す結果から、最大値/最小値≧2を満足し、か
つ、2%以上、50%以下の透過率が必要であることが
わかる。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように本発明の液晶装置に
よれば、指向性前方散乱フィルムを備えた反射型あるい
は半透過型の液晶表示装置において、最小透過率を示す
極角と方位角の場合の入射光側を前記液晶パネルの採光
側になるように、最大透過率を示す極角と方位角の場合
の入射光側を前記液晶パネルの観察方向側になるように
して指向性前方散乱フィルムを液晶パネルに配置してな
ることで、平行線透過光の最小透過率を示す場合の方位
角φ2は入射角方向となり、平行線透過光の最大透過率
を示す場合の方位角φ1は観察者方向になる。このよう
に配置された指向性前方散乱フィルムを有する液晶表示
装置ならば、指向性前方散乱フィルムに対して入射され
た光は入射時に強く散乱されるが、液晶パネル内部の反
射層により反射された後に指向性前方散乱フィルムを通
過する際に光が散乱される量が少なくなるので、表示の
にじみ(ボケ)に対する影響は少なく、表示のにじみ
(ボケ)の少ない鮮明な表示形態が得られる。
【0139】また、前記のように配置された指向性前方
散乱フィルムを備えた反射型あるいは半透過型の液晶表
示装置において、前記指向性前方散乱フィルムは、該指
向性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透
過率を示す方位角φ2方向と、前記基板間に印加した電
圧を解除した時に前記液晶層の中央部に位置するネマチ
ック液晶分子の長軸方向が揃うように配置されたことに
より、前記液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分
子の長軸方向はコントラストが高い方向であり、このコ
ントラストが高い方向と前記の表示のにじみ(ボケ)が
少なく見える方向が合わせられたこととなり、高コント
ラストでにじみ(ボケ)がない表示が得られ、よって鮮
明な表示形態が得られ、表示品質を向上できる。
【0140】また、前記のように配置された指向性前方
散乱フィルムを備えた反射型あるいは半透過型の液晶表
示装置において、前記指向性前方散乱フィルムは、該指
向性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透
過率を示す方位角φ2方向と、極角方向からの入射光角
度が10度から30度の入射光に対して液晶パネルのコ
ントラストが高い面内方向が揃うように配置されたこと
により、液晶パネルのコントラストが高い方向と前記の
表示のにじみ(ボケ)が少なく見える方向が合わせられ
たこととなり、高コントラストでにじみ(ボケ)がない
表示が得られ、よって鮮明な表示形態が得られ、表示品
質を向上できる。
【0141】更に、前述の種々構造の液晶装置を有する
電子機器であるならば、表示のにじみ(ボケ)がなく、
高コントラストで、鮮鋭な高品位の画像表示を行うこと
ができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る第1実施形態の液晶パネ
ルの平面図である。
【図2】 図1に示す液晶パネルのA−A線に沿う部分
断面略図である。
【図3】 図3は図2に示す液晶パネルのカラーフィル
タ部分を示す拡大断面図である。
【図4】 図4は指向性前方散乱フィルムと光源と受光
部と極角と方位角と平行線透過光の位置関係を示す説明
図である。
【図5】 図5は指向性前方散乱フィルムと光源と受光
部の位置関係を示す説明図である。
【図6】 図6(A)は指向性前方散乱フィルムに対す
る入射光と平行線透過光、拡散透過光、並びに後方散乱
光と前方散乱光の関係を示す説明図、図6(B)は指向
性前方散乱フィルムの断面構造の一例と入射光及び反射
光の関係を示す説明図である。
【図7】 図7は本発明に係る第2実施形態の液晶パネ
ルの断面図である。
【図8】 図8は本発明に係る第3実施形態の液晶パネ
ルの断面図である。
【図9】 本発明の電子機器の応用例を示すもので、図
9(a)は携帯型電話機を示す斜視図、図9(b)は携
帯型情報処理装置の一例を示す斜視図、図9(c)は腕
時計型電子機器の一例を示す斜視図である。
【図10】 図10は実施例において測定された極角と
透過率の関係の第1の例を方位角毎に測定した結果を示
す図である。
【図11】 図11は実施例において測定された極角と
透過率の関係の第2の例を方位角毎に測定した結果にお
いて、平行線透過率の極小値と極大値の比が4の場合の
測定結果を示す図である。
【図12】 図12は実施例において測定された極角と
透過率の関係の第3の例を方位角毎に測定した結果にお
いて、平行線透過率の極小値と極大値の比が2の場合の
測定結果を示す図である。
【図13】 図13は実施例において測定された方位角
と透過率の関係を極角毎に測定した結果を示す図であ
る。
【図14】 図14は比較例において測定された極角と
透過率の関係を方位角毎に測定した結果を示す図であ
る。
【図15】 図15は、指向性前方散乱フィルムを透過
した平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、STNセルの無電界時の液晶分子の長軸方向αとの
位置関係の説明図である。
【図16】 図16は、本実施形態の液晶パネルのコン
トラスト特性を示す図である。
【図17】 図17は、指向性前方散乱フィルムを透過
した平行線透過光が最小透過率を示す方位角φ2方向
と、STNセルの無電界時の液晶分子の長軸方向αとの
位置関係の説明図である。
【図18】 図18は従来の反射型液晶装置を示すもの
で、図18(a)は散乱フィルムを備えた反射型液晶装
置の一例を示す断面略図、図18(b)は内面拡散板を
備えた反射型液晶装置の一例を示す断面略図である。
【符号の説明】
α、β…長軸方向 γ…面内方向 θ…極角、 φ…方位角、 K…光源、 J…受光部、 LT…拡散透過光、 L3…平行線透過光、 Tmax(φ1,θ1)…最大透過率、 Tmin(φ2,θ2)…最小透過率、 10、40、50…液晶パネル、 15…液晶層、 15a…液晶分子 15b…液晶分子 17、28、28’…基板、 18…指向性前方散乱フィルム、 20…カラーフィルタ層、 23、35…電極層、 31…反射層、 52…半透過反射層、 200…携帯電話本体、 300…携帯型情報処理機器、 400…腕時計型電子機器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13357 G02F 1/13357 G09F 9/00 313 G09F 9/00 313 9/30 349 9/30 349A 349D 9/35 9/35 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA14 BA20 DA02 DA04 DA12 DC02 DD00 DE00 2H048 BA02 BA11 BA15 BA55 BB02 BB42 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA14Z FA19Y FA35Y FA41Z FC02 GA01 LA17 LA20 5C094 AA02 AA08 BA43 CA19 CA24 DA12 DA13 DB04 EA04 EA06 EA07 EB02 ED03 ED11 HA03 HA08 5G435 AA00 AA04 BB12 BB15 BB16 DD11 DD13 EE27 FF03 FF06 FF08 GG12 GG24 LL07 LL08 LL10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板と、これらの基板間に挟持さ
    れた液晶層と、前記一方の基板の液晶層側に設けられた
    反射層と、前記他方の基板の液晶層側と反対側に設けら
    れた指向性前方散乱フィルムとを具備した液晶パネルを
    備えてなり、前記指向性前方散乱フィルムに対してその
    一面側に配置した光源から光を入射し、前記指向性前方
    散乱フィルムの他面側に配置した受光部において、前記
    指向性前方散乱フィルムを透過した全透過光のうち、拡
    散透過光を除いた平行線透過光を観測した際、 前記指向性前方散乱フィルムの法線に対する入射光の入
    射角度を極角θnと定義し、前記指向性前方散乱フィル
    ムの面内方向の入射光角度を方位角φmと定義し、平行
    線透過光の最大透過率をTmax(φ1,θ1)と定義
    し、平行線透過光の最小透過率をTmin(φ2,θ2)
    と定義した場合、最小透過率を示す極角と方位角の場合
    の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるように、最
    大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記液
    晶パネルの観察方向側になるように、前記指向性前方散
    乱フィルムを前記液晶パネルに配置してなり、 さらに前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散
    乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す
    方位角φ2方向と、前記基板間に印加した電圧を解除し
    た時に前記液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分
    子の長軸方向が揃うように配置され、前記液晶分子の長
    軸方向は前記基板間に電圧を印加した時に前記液晶分子
    が電界に対して応答する方向であることを特徴とする液
    晶装置。
  2. 【請求項2】 一対の基板と、これらの基板間に挟持さ
    れた液晶層と、前記一方の基板の液晶層側に設けられた
    半透過反射層と、前記他方の基板の液晶層側と反対側に
    設けられた指向性前方散乱フィルムとを具備した液晶パ
    ネルを備えてなり、 前記指向性前方散乱フィルムに対してその一面側に配置
    した光源から光を入射し、前記指向性前方散乱フィルム
    の他面側に配置した受光部において、前記指向性前方散
    乱フィルムを透過した全透過光のうち、拡散透過光を除
    いた平行線透過光を観測した際、 前記指向性前方散乱フィルムの法線に対する入射光の入
    射角度を極角θnと定義し、前記指向性前方散乱フィル
    ムの面内方向の入射光角度を方位角φmと定義し、平行
    線透過光の最大透過率をTmax(φ1,θ1)と定義
    し、平行線透過光の最小透過率をTmin(φ2,θ2)
    と定義した場合、最小透過率を示す極角と方位角の場合
    の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるように、最
    大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記液
    晶パネルの観察方向側になるように、前記指向性前方散
    乱フィルムを前記液晶パネルに配置してなり、 さらに前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散
    乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す
    方位角φ2方向と、前記基板間に印加した電圧を解除し
    た時に液晶層の中央部に位置するネマチック液晶分子の
    長軸方向が揃うように配置され、前記液晶分子の長軸方
    向は前記基板間に電圧を印加した時に前記液晶分子が電
    界に対して応答する方向であることを特徴とする液晶装
    置。
  3. 【請求項3】 前記指向性前方散乱フィルムは、該指向
    性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過
    率を示す方位角φ2±30度の方向と、前記基板間に印
    加した電圧を解除した時に液晶層の中央部に位置するネ
    マチック液晶分子の長軸方向が揃えられていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記液晶層のネマチック液晶分子はツイ
    スト角60度〜80度に設定されたものであり、前記基
    板間に印加した電圧を解除した時に液晶層の中央部に位
    置するネマチック液晶分子は基板表面で配向しているネ
    マチック液晶分子に対して30度〜40度捻れているこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の
    液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記液晶層のネマチック液晶分子はツイ
    スト角240度〜255度に設定されたものであり、前
    記基板間に印加した電圧を解除した時に液晶層の中央部
    に位置するネマチック液晶分子は基板表面で配向してい
    るネマチック液晶分子に対して120度〜127.5度
    捻れていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    一項に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 一対の基板と、これらの基板間に挟持さ
    れた液晶層と、前記一方の基板の液晶層側に設けられた
    反射層と、前記他方の基板の液晶層側と反対側に設けら
    れた指向性前方散乱フィルムとを具備した液晶パネルを
    備えてなり、 前記指向性前方散乱フィルムに対してその一面側に配置
    した光源から光を入射し、前記指向性前方散乱フィルム
    の他面側に配置した受光部において、前記指向性前方散
    乱フィルムを透過した全透過光のうち、拡散透過光を除
    いた平行線透過光を観測した際、 前記指向性前方散乱フィルムの法線に対する入射光の入
    射角度を極角θnと定義し、前記指向性前方散乱フィル
    ムの面内方向の入射光角度を方位角φmと定義し、平行
    線透過光の最大透過率をTmax(φ1,θ1)と定義
    し、平行線透過光の最小透過率をTmin(φ2,θ2)
    と定義した場合、最小透過率を示す極角と方位角の場合
    の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるように、最
    大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記液
    晶パネルの観察方向側になるように、前記指向性前方散
    乱フィルムを前記液晶パネルに配置してなり、 さらに前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散
    乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す
    方位角φ2方向と、極角方向からの入射光角度が10度
    から30度の入射光に対して液晶パネルのコントラスト
    が高い面内方向が揃うように配置されていることを特徴
    とする液晶装置。
  7. 【請求項7】 一対の基板と、これらの基板間に挟持さ
    れた液晶層と、前記一方の基板の液晶層側に設けられた
    半透過反射層と、前記他方の基板の液晶層側と反対側に
    設けられた指向性前方散乱フィルムとを具備した液晶パ
    ネルを備えてなり、 前記指向性前方散乱フィルムに対してその一面側に配置
    した光源から光を入射し、前記指向性前方散乱フィルム
    の他面側に配置した受光部において、前記指向性前方散
    乱フィルムを透過した全透過光のうち、拡散透過光を除
    いた平行線透過光を観測した際、 前記指向性前方散乱フィルムの法線に対する入射光の入
    射角度を極角θnと定義し、前記指向性前方散乱フィル
    ムの面内方向の入射光角度を方位角φmと定義し、平行
    線透過光の最大透過率をTmax(φ1,θ1)と定義
    し、平行線透過光の最小透過率をTmin(φ2,θ2)
    と定義した場合、最小透過率を示す極角と方位角の場合
    の入射光側を前記液晶パネルの採光側になるように、最
    大透過率を示す極角と方位角の場合の入射光側を前記液
    晶パネルの観察方向側になるように、前記指向性前方散
    乱フィルムを前記液晶パネルに配置してなり、 さらに前記指向性前方散乱フィルムは、該指向性前方散
    乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過率を示す
    方位角φ2方向と、極角方向からの入射光角度が10度
    から30度の入射光に対して液晶パネルのコントラスト
    が高い面内方向が揃うように配置されていることを特徴
    とする液晶装置。
  8. 【請求項8】 前記指向性前方散乱フィルムは、該指向
    性前方散乱フィルムを透過した平行線透過光が最小透過
    率を示す方位角φ2±30度の方向と、極角方向からの
    入射光角度が10度から30度の入射光に対して液晶パ
    ネルのコントラストが高い面内方向が揃うように配置さ
    れていることを特徴とする請求項6又は7記載の液晶装
    置。
  9. 【請求項9】 前記平行線透過光の最大透過率Tmaxと
    最小透過率Tminの比を、(Tmax/Tmin)≧2の関係
    にしたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項
    に記載の液晶装置。
  10. 【請求項10】 前記一方の基板の液晶層と前記他方の
    基板の液晶層側に液晶駆動用の電極が設けられてなるこ
    とを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の
    液晶装置。
  11. 【請求項11】 前記一対の基板のどちらか一方の液晶
    層側にカラーフィルタが設けられてなることを特徴とす
    る請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶装置。
  12. 【請求項12】 前記反射層が微細な凸凹を有している
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の液
    晶装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項1から請求項12のいずれ
    か一項に記載の液晶装置を表示手段として備えたことを
    特徴とする電子機器。
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