JP2002242273A - 洋風便器装置 - Google Patents

洋風便器装置

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JP2002242273A
JP2002242273A JP2001042002A JP2001042002A JP2002242273A JP 2002242273 A JP2002242273 A JP 2002242273A JP 2001042002 A JP2001042002 A JP 2001042002A JP 2001042002 A JP2001042002 A JP 2001042002A JP 2002242273 A JP2002242273 A JP 2002242273A
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low tank
style toilet
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western
casing
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Toshiaki Takahane
利明 高羽
Takashi Yomoda
毅史 四方田
Tsutomu Awata
努 粟田
Ichinobu Furuki
市延 古木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洋風便器本体の後部上面に設置されたロータ
ンクカバー等のケーシングを簡単に上方移動させること
ができ、これにより洋風便器本体の後部上面全体を露出
させ、洋風便器本体の上面全体を入念に清掃することが
可能な洋風便器装置を提供する。 【解決手段】 ロータンクカバー12は、バネ38によ
り起立回動されるアーム34,36を介して昇降可能に
洋風便器本体10の後部上面に設置されている。ロータ
ンクカバー12の内部にはロータンク14が設置されて
いる。通常時には、ロータンクカバー12は洋風便器本
体10上に降下した状態でロック機構60により上昇が
阻止されている。清掃時には、止水弁18が閉弁され、
ロック機構60によるロックが解除され、ロータンク1
4内の水が放出される。このようにしてロータンクカバ
ー12全体の重量が所定重量以下になると、各アーム3
4,36がバネ38の付勢力により起立してロータンク
カバー12を押し上げ、洋風便器本体10の後部上面を
露出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洋風便器本体と、
該洋風便器本体の後部上面のケーシングと、該ケーシン
グ内に設置されたロータンク等のタンクとを備えた洋風
便器装置に係り、特に該ケーシングを上下動(回動も含
む。)させるようにした洋風便器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータンクカバーや便座ボックスを有し
た洋風便器にあっては、ロータンクカバーや便座ボック
スと洋風便器本体の上面との間に尿などの汚れが入り込
んで臭気発生の原因となりがちである。そこで、特開2
000−33051号公報において、このロータンクを
覆うケーシングの前部及びその底部のプレートを上昇可
能とし、該前部ケーシング及びプレートを上昇させて洋
風便器上面を露出させて十分に清掃できるようにした浮
上機構付き洋風便器装置が提案された。このケーシング
の後部内にロータンクが設置されている。この後部ケー
シングは、洋風便器本体に固定されており、浮動しな
い。
【0003】また、特開平9−316976号には、便
座ボックスを上方へ回動可能とし、該便座ボックスを上
方へ跳ね上げる如く回動させて洋風便器本体上面を露出
させ、この洋風便器本体上面を十分に清掃できるように
した浮上機構付き洋風便器装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開2000−
33051号公報の浮上機構付き洋風便器装置にあって
は、ロック機構を解除すると、バネの押圧力により前部
ケーシングが直ちに上昇を開始するように構成されてい
る。このため、誤ってロック解除操作を行うと、予期せ
ずに前部ケーシングが上昇することになり、トイレ使用
者や清掃作業者が驚愕する。また、ケーシングの前部の
みが上昇するため、汚れがケーシングの後部下面にまで
浸入したときには、これを清掃除去することができな
い。さらに、清掃終了後には、前部ケーシングを押し下
げる必要があり、作業が面倒である。
【0005】上記特開平9−316976号公報にあ
っては、便座ボックスの左端側をヒンジによって支持
し、右端側を上方へ回動可能としている。この便座ボッ
クスを上方へ回動させるには、ロック機構を解除した
後、手で右端側を上方に引き上げるようにしており、狭
いトイレルーム内で中腰にて引き上げ動作をしなければ
ならない。また、便座ボックスよりも後方のロータンク
下側にまで汚れが拡がったときには、これを清掃除去す
ることができない。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解消し、ロ
ータンクカバーや便座ボックス等のケーシングを簡単に
上方移動させることができると共に、ケーシングの下降
復帰が容易な洋風便器装置を提供することを第1の目的
とする。
【0007】また、本発明は、洋風便器本体の後部上面
全体を露出させ、洋風便器本体の上面全体を入念に清掃
することが可能な洋風便器装置を提供することを第2の
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の洋風便器装置
は、前部に鉢部を有した洋風便器本体の後部上面に上下
動可能なケーシングが設置され、該ケーシング内にタン
クが設置されている洋風便器装置において、該タンクか
ら水が放出されてケーシング重量が所定重量以下となっ
たときに該ケーシングを該タンクと共に上方移動させる
バネと、下降限まで下降した状態にあるケーシングをロ
ックして上昇を阻止するロック手段とを備えたことを特
徴とするものである。
【0009】かかる洋風便器装置にあっては、タンクか
ら水を放出し、且つロック手段をロック解除することに
より、ケーシングがタンクと共に上昇する。これによ
り、洋風便器本体の後部上面が露出するので、十分に清
掃することができる。このタンクからの放水及びロータ
ンク解除動作は、指先だけで行うことができる程度の簡
便な動作であるから、ケーシングを上昇させる操作がき
わめて容易である。また、この上昇のための機構も、動
力手段を必要とせず、簡易なもので足りる。
【0010】なお、清掃終了後は、タンクに水を注入す
ると、ケーシング及びタンクが自重により自動的に下降
するので、ケーシングを押し下げる動作を行うことなく
ケーシング及びタンクを元の位置に戻すことも可能であ
る。
【0011】本発明(請求項2)の洋風便器装置は、前
記タンクはロータンクであり、前記ケーシングの前縁部
分には人体洗浄用ノズルが設けられており、前記ケーシ
ングの全体が上方移動可能であることを特徴とするもの
である。
【0012】この洋風便器装置によれば、ロータンク及
び洗浄ノズルを有したケーシングが全体として上下動す
るので、洋風便器本体の上面全体を露出させて十分に清
掃することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。第1図は本発明の実施の形
態に係る洋風便器装置の分解斜視図であり、第2図はこ
の洋風便器装置のケーシング昇降機構の斜視図、第3図
はこの洋風便器装置の側面図、第4図はこの洋風便器装
置のケーシングを上昇させた状態の側面図、第5図はケ
ーシングの上昇を阻止するためのロック機構の構成図で
ある。
【0014】この洋風便器装置は、洋風便器本体10
と、この洋風便器本体10の後部上面に上下動可能に設
置されたケーシング12を備えている。このケーシング
12の内部には、便器洗浄水を溜めるためのロータンク
14が設置されている(第3,4図)。また、ケーシン
グ12内には、可撓性のホースよりなるサプライ管16
及び止水弁18を介して水が供給されている。この止水
弁18は、手動操作又はリモコン(図示略)等からの指
令により任意に開閉栓可能となっている。
【0015】洋風便器本体10は、前部に鉢部20を有
し、後部上面には、ケーシングとしてのロータンクカバ
ー12を設置するためのスペース22が設けられてい
る。ロータンクカバー12は、このスペース22上に後
述の昇降装置30を介して設置されている。また、スペ
ース22には、前記ロータンク14の下部の便器洗浄水
放出口14aから放出される放出水を該鉢部20に導入
するための便器洗浄水導入口24(この実施の形態では
ディストリビュータの水導入口)が設けられている。該
放出口14aは、ロータンクカバー12の底板部12a
から該ロータンクカバー12の下側に露出している。
【0016】ロータンク14は、ロータンクカバー12
の底板部12aに支持されており、ロータンクカバー1
2と一体に該昇降装置30により昇降される。なお、図
示はしないが、ロータンク14内の下部には放水用のフ
ロート弁機構が設けられている。このフロート弁機構
は、ロータンクカバー12に取り付けられたフラッシュ
レバー26(第3,4図)や、リモコン等のフラッシュ
スイッチ(図示略)の操作により開弁し、ロータンク1
4内に溜められた水を前記放出口14aから放出させ
る。
【0017】また、ロータンク14の上部にはボールタ
ップ(図示略)が設けられている。このボールタップ
は、ロータンク14内の水位が低下すると自動的に開栓
し、ロータンク14内に水を供給する。なお、止水弁1
8が閉栓されているときには、サプライ管16からの通
水が遮断されているため、このボールタップが開栓して
もロータンク14内への給水は行なわれない。
【0018】ロータンクカバー12の上部に、手洗吐水
部28aを有した手洗鉢28が設置されている(第3,
4図)。この手洗吐水部28aは、図示しない給水管を
介して前記ボールタップに接続されており、該ボールタ
ップが開栓することにより水が供給され、手洗鉢28に
吐水する。また、このロータンクカバー12の前面側の
下部には、便座78及び便蓋80が上下方向に回動可能
に取り付けられている。
【0019】昇降装置30は、第3図に拡大して示され
る通り、洋風便器本体10の後部上面に設置されたベー
スプレート32と、このベースプレート32とロータン
クカバー12の底板部12aとの間に起立及び倒伏可能
に設置された1対の前部アーム34,34及び後部アー
ム36,36と、これらのアーム34,36に常時起立
方向に付勢力を加えているバネ38を備えている。な
お、このバネ38は引張りコイルバネである。
【0020】ベースプレート32は、略々コ字形の枠形
状を有しており、前記スペース22の周縁部に配設され
ている。また、このベースプレート32は、四隅にボル
ト挿通孔32aを有しており、これらの挿通孔32aを
通してボルト80(第1図)により洋風便器本体10に
固定設置されている。
【0021】なお、洋風便器本体10には、各ボルト挿
通孔32aに対応して、その後部上面から下面側まで垂
直に貫通した複数のボルト挿通用の貫通孔10aが設け
られている。各ボルト80は、ベースプレート32の上
面側から該挿通孔32a及び貫通孔10aに挿通され、
洋風便器本体10の下面側においてナットが締め込まれ
ている。
【0022】ベースプレート32の前縁部の左右両端側
に起立片40が立設されており、前部アーム34の基端
側が該起立片40に対し、支軸34aにより回動可能に
連結されている。
【0023】ベースプレート32の後部には1対の起立
片44が立設されており、後部アーム36の基端側が支
軸36aを介して該起立片44に回動可能に連結されて
いる。
【0024】アーム34,36は、先端側が洋風便器の
後方に向って倒れた倒伏姿勢と、該先端側が上方に所定
角度回動した起立姿勢とをとりうるように回動可能とな
っている。
【0025】前部アーム34,34の先端側同士の間に
はピボットシャフト42が架け渡されている。このピボ
ットシャフト42と後部アーム36の長手方向の途中部
分とがリンク46によって連結されており、これによ
り、アーム34,36は平行クランク機構を構成してい
る。即ち、すべてのアーム34,36は同期して起倒方
向に回動する。
【0026】第1図の通り、ロータンクカバー12の底
板部12aの下面の前縁部から下向きに前部ピボット脚
50が突設され、このピボット脚50にシャフト挿通孔
50aが設けられている。このシャフト挿通孔50aに
前記ピボットシャフト42が回転可能に挿通されてい
る。
【0027】また、ロータンクカバー12の底板部12
aの下面の後部左右両側から下向きに1対のピボット脚
52が突設されており、各ピボット脚52にそれぞれピ
ン挿通孔52aが設けられている。後部アーム36の先
端側は、該ピン挿通孔52aに挿通されたピボットピン
54を介して該ピボット脚52に連結されている。
【0028】従って、前部アーム34と後部アーム36
とが同期して起立することにより、ロータンクカバー1
2全体が洋風便器本体10の後部上面から浮上する。ま
た、前部アーム34及び後部アーム36が倒伏すると、
該ロータンクカバー12全体が洋風便器本体10の後部
上に降下する。
【0029】バネ38は、伸長した蓄力状態で起立片4
0の頂部と前部アーム34の先端側とを連結しており、
これにより、前部アーム34には常に起立方向の回動力
が加えられている。また、リンク46を介して後部アー
ム36にも常に起立方向の回動力が加えられている。
【0030】なお、このバネ38としては、ロータンク
14内に水がほぼ満水近くまで溜まっていて、ロータン
クカバー12の全体の重量が所定重量以上となっている
ときには、該ロータンクカバー12から各アーム34,
36に加えられる荷重により伸長し、各アーム34,3
6が倒伏し、ロータンク14から水が放出されてロータ
ンクカバー12の全体の重量が所定重量以下となったと
きには各アーム34,36を起立させ、ロータンクカバ
ー12を洋風便器本体10の後部上面から浮上させるバ
ネ定数のものが用いられている。
【0031】この洋風便器装置は、洋風便器本体10の
後部上面に降下した状態にあるロータンクカバー12を
ロックしてその上昇を阻止するロック機構60を備えて
いる。
【0032】このロック機構60は、ベースプレート3
2の左右の両側に設けられた1対のロック部60aと、
該ロック部60aに設けられた係合孔62と、ロータン
クカバー12の左右の側面の下部に設けられ、該係合孔
62に係合可能な爪部66を有した1対のレバー64と
から構成されている。
【0033】各ロック部60aは、ベースプレート32
の側辺部から側方へ張り出し、その先端側がロータンク
カバー12の側面に沿って下方へ垂下された略L字形の
舌片状の部分であり、係合孔62は、この垂下面に穿設
されている。
【0034】レバー64は、その途中に差し込まれた軸
棒68を回動中心として回動可能となっている。爪部6
6は、このレバー64の下部に内向きに突設されてい
る。
【0035】この爪部66が係合孔62に係合している
ときには、ロータンクカバー12の上昇が阻止されたロ
ック状態となっている。このとき、第5図(a)に示す
ように、レバー64は、その上部がロータンクカバー1
2の側面から突出している。
【0036】ロータンクカバー12のロック状態を解除
するには、このレバー64の上部をロータンクカバー1
2の内側に向って押し込む。そうすると、レバー64
は、第5図(b)に示すように、その下部がロータンク
カバー12の側面から張り出すように該軸棒68回りに
回動し、爪部66が係合孔62から抜け出してロータン
クカバー12のロックが解除される。ロータンクカバー
12をロックするには、ロータンクカバー12が洋風便
器本体10上まで降下した状態で、該ロータンクカバー
12の側面から張り出したレバー64の下部をロータン
クカバー12の内側に向って押し込む。このようにする
と、レバー64が回動して前記の第5図(a)の状態に
復帰し、爪部66が係合孔62に係合する。これによ
り、ロータンクカバー12がロック状態となる。
【0037】なお、この実施の形態では、このようにレ
バー64を回動させたときに操作者にクリック感を与え
る付勢部材70が設けられている。この付勢部材70
は、ロータンクカバー12に設けられた収容部72内に
収容されており、その下部がレバー64の上面に対し摺
動可能に押し付けられている。そして、レバー64の該
上面には、レバー64が回動して爪部66と係合孔62
とが係合したとき及び爪部66が係合孔62から抜け出
したときにそれぞれこの付勢部材70の下部が係合する
凹部64a及び64bが設けられている。この付勢部材
70が該凹部64a又は凹部64bに係合することによ
りクリック感が生じる。また、この付勢部材70が各凹
部64a,64bに係合することにより、レバー64の
回動が拘束され、回動操作後に操作者の意に反して該レ
バー64が勝手に回動することも防止される。
【0038】なお、ロータンクカバー12の底板部12
aから下方に露出したロータンク14の便器洗浄水放出
口14aと洋風便器本体10の便器洗浄水導入口24と
は、筒軸方向に伸縮可能な蛇腹管76によって接続され
ている。
【0039】第3図の通り、ロータンクカバー12を洋
風便器本体10の後部上面上に下降させたときには、こ
の蛇腹管76は、ロータンクカバー12の下降に伴って
放出口14aと導入口24とを連通したまま筒軸方向に
押し縮められ、該放出口14aと導入口24との間に介
在する。
【0040】第4図の通り、ロータンクカバー12を洋
風便器本体10の後部上面から上昇させたときには、こ
の蛇腹管76は、放出口14aと導入口24とを連通し
たまま筒軸方向に伸長する。これにより、ロータンクカ
バー12が上下動しても常に放出口14aと導入口24
とが水密的に接続されたままとなっている。
【0041】このように構成された洋風便器装置にあっ
ては、通常の使用状況下ではロータンクカバー12が洋
風便器本体10上に下降しており、且つロック機構60
はロック状態となっており、ロータンクカバー12はそ
の上昇を阻止されて洋風便器本体10の後部上面に載置
された状態となっている。従って、この場合は、用便終
了後等にロータンク14から水が放出されても、ロータ
ンクカバー12が洋風便器本体10から浮上することは
ない。
【0042】ロータンクカバー12の下側の洋風便器本
体10の後部上面を清掃するときには、前述のようにレ
バー64を操作してロータンクカバー12のロックを解
除すると共に、止水弁18を閉栓してロータンク14へ
の給水を遮断する。このようにした後、フラッシュレバ
ー26やリモコン(図示略)等のフラッシュスイッチを
操作すると、ロータンク14から水が放出され、ロータ
ンクカバー12の全体の重量が減少する。そして、この
ロータンクカバー12の重量が所定重量以下まで減少し
たときに、バネ38の引張力により各アーム34,36
が徐々に起立し、次第にロータンクカバー12全体が洋
風便器本体10の後部上面から浮上する。
【0043】このようにして、洋風便器本体10の後部
上面が露出すると共にロータンクカバー12の下部との
間に十分な空間が生じ、洋風便器本体10の後部上面を
念入りに清掃できるようになる。なお、ロータンクカバ
ー12は、止水弁18が再び開栓されてロータンク14
内に注水が行われ、ロータンクカバー12の全体の重量
が所定重量以上になるまで各アーム34,36によって
洋風便器本体10の後部上面から浮上したまま支持され
ている。
【0044】その後、清掃を終了し、ロータンクカバー
12を元の状態に復帰させるときには、止水弁18を開
栓する。このとき、ロータンク14内の水は放出されて
おり、ボールタップが開栓した状態となっているため、
直ちにロータンク14への給水が開始される。このロー
タンク14への給水に伴い、ロータンクカバー12全体
の重量が所定値を超えて増加し、各アーム34,36が
徐々に倒伏してロータンクカバー12が洋風便器本体1
0の後部上面上に降下する。そして、ロータンクカバー
12が下降限まで降下した後に、再度レバー64を操作
してロータンクカバー12をロック状態とし、作業を完
了する。
【0045】上記のように、この洋風便器装置にあって
は、ロータンク14への給水を遮断した状態でレバー6
4を操作してロータンクカバー12のロックを解除し、
該ロータンク14から水を放出させるだけのきわめて簡
便な操作でロータンクカバー12全体が上昇して洋風便
器本体10の後部上面が露出するので、洋風便器本体1
0の後部上面を清掃するにあたり、清掃作業者はロータ
ンクカバー12を持ち上げる動作を行う必要がなく、負
担が少ない。
【0046】また、清掃終了後は、止水弁18を開栓す
るだけで自動的にロータンクカバー12が洋風便器本体
10の後部上面上まで降下するので、作業者はロータン
クカバー12を引き降ろす動作を行う必要がなく、該ロ
ータンクカバー12が下降限まで降下するのを待ってロ
ックするだけでよく、きわめて簡便である。
【0047】さらに、この洋風便器装置では、ロック解
除操作、止水弁18の閉弁操作及びロータンク14から
の放水操作の3操作を行わないとロータンクカバー12
は上昇しないので、誤操作により予期せずロータンクカ
バー12が上昇することがない。また、ロータンクカバ
ー12は、ロータンク14内の水量の増加に伴って徐々
に下降するので、該ロータンクカバー12が洋風便器本
体10上に急速に降下することもない。
【0048】また、この洋風便器装置では、ロータンク
カバー12の昇降に伴ってロータンク14が一体に上下
動するため、このロータンクカバー12に取り付けられ
た手洗鉢28の手洗吐水部28aとロータンク14内の
ボールタップ(図示略)とが常時給水可能に接続された
ままとなり、水漏れ等を引き起こすおそれがない。
【0049】上記実施の形態は本発明の一例であり、本
発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではな
い。例えば、ロータンクカバーを上昇させるバネとして
圧縮コイルバネを圧縮状態で洋風便器本体の後部上面と
ロータンクカバーとの間に介在させ、該バネの押圧力に
よりロータンクカバーを上昇させるようにしてもよい。
【0050】また、上記の実施の形態では、ロック機構
60のロック及びロック解除操作(レバー64の操作)
は手動により行うようになっているが、ソレノイド等の
動力源を設置してこのロック機構のロック及びロック解
除操作を電動により行うようにしてもよい。このように
した場合には、この操作をリモコンからの指令により行
うようにしてもよく、これにより、止水弁18の開閉栓
操作と合わせて、清掃作業時の作業者の動作が一元化さ
れより一層簡便なものとなる。
【0051】この実施の形態では、ケーシングはロータ
ンクカバーであるが、本発明の洋風便器装置において、
ケーシングは、洋風便器本体の鉢部の後側に取り付けら
れる便座ボックスであり、タンクはこの便座ボックス内
の温水タンクであってもよい。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の洋風便器装
置によると、操作者への負担が少ないきわめて簡便な操
作で洋風便器本体の後部上面に設置された各種のケーシ
ングを容易に上昇移動させることができる。そして、こ
の洋風便器装置では、洋風便器本体の上面全体を入念に
清掃することができ、洋風便器装置を常に清潔に保つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る洋風便器装置の分解
斜視図である。
【図2】第1図の洋風便器装置の昇降機構の斜視図であ
る。
【図3】第1図の洋風便器装置の側面図である。
【図4】第1図の洋風便器装置のロータンクカバーを上
昇させた状態の側面図である。
【図5】ロック機構の構成図である。
【符号の説明】
10 洋風便器本体 12 ロータンクカバー 14 ロータンク 18 止水弁 30 昇降機構 34 前部アーム 36 後部アーム 38 バネ 44 リンク 30 ロータンク 60 ロック機構 62 係合孔 64 レバー 66 爪部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粟田 努 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式 会社イナックス内 (72)発明者 古木 市延 静岡県浜松市湖東町350−1 Fターム(参考) 2D038 JC00 JF00 2D039 AA02 BA00 DB00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前部に鉢部を有した洋風便器本体の後部
    上面に上下動可能なケーシングが設置され、該ケーシン
    グ内にタンクが設置されている洋風便器装置において、 該タンクから水が放出されてケーシング重量が所定重量
    以下となったときに該ケーシングを該タンクと共に上方
    移動させるバネと、 下降限まで下降した状態にあるケーシングをロックして
    上昇を阻止するロック手段と、を備えたことを特徴とす
    る洋風便器装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記タンクはロータ
    ンクであり、 前記ケーシングの前縁部分には人体洗浄用ノズルが設け
    られており、 前記ケーシングの全体が上方移動可能であることを特徴
    とする洋風便器装置。
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