JP2002240242A - 可撓性刷版装着方法および装着装置 - Google Patents
可撓性刷版装着方法および装着装置Info
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- JP2002240242A JP2002240242A JP2001038717A JP2001038717A JP2002240242A JP 2002240242 A JP2002240242 A JP 2002240242A JP 2001038717 A JP2001038717 A JP 2001038717A JP 2001038717 A JP2001038717 A JP 2001038717A JP 2002240242 A JP2002240242 A JP 2002240242A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 可撓性刷版を確実かつ容易に版胴に装着でき
しかも刷版の伸びを100μm以下とする刷版装着方法
および装着装置を提供する。 【解決手段】 可撓性刷版70の版先を版先クランプ機
構12に固定する際に、版先クランプ機構12の位置決
めピン14に刷版70の版先の切欠を当接させて位置決
め固定し、固定後、刷版70を版胴11に巻回する際
に、押圧手段により刷版70を版胴外周面に押圧する刷
版押圧機構17と、刷版70の版尻を版胴11に固定す
る版尻固定機構13と、版胴に巻回固定されてなる版ず
れ防止機能を有する版下シート27とを備え、刷版装着
時の版胴回転方向の版の伸びを100μm以下とし、版
下シート27は、版の裏面と接する版下シート表面のデ
ュロ硬度が65以下で、表面に高さ1μm以上の突起が
突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が
単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ突起の高さが
50μ以下である。
しかも刷版の伸びを100μm以下とする刷版装着方法
および装着装置を提供する。 【解決手段】 可撓性刷版70の版先を版先クランプ機
構12に固定する際に、版先クランプ機構12の位置決
めピン14に刷版70の版先の切欠を当接させて位置決
め固定し、固定後、刷版70を版胴11に巻回する際
に、押圧手段により刷版70を版胴外周面に押圧する刷
版押圧機構17と、刷版70の版尻を版胴11に固定す
る版尻固定機構13と、版胴に巻回固定されてなる版ず
れ防止機能を有する版下シート27とを備え、刷版装着
時の版胴回転方向の版の伸びを100μm以下とし、版
下シート27は、版の裏面と接する版下シート表面のデ
ュロ硬度が65以下で、表面に高さ1μm以上の突起が
突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が
単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ突起の高さが
50μ以下である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷装置の版胴に
刷版を装着するためのもので、特にデジタル製版された
可撓性刷版を装着するための刷版装着方法及び刷版装着
装置に関する。
刷版を装着するためのもので、特にデジタル製版された
可撓性刷版を装着するための刷版装着方法及び刷版装着
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】平板印刷用印刷機においては、印刷版を
版胴に巻装固定し、この状態で印刷を行うのが一般的で
ある。しかし、安価でかつ取り扱いが容易な少なくとも
裏面が金属以外の材料からなる平版印刷版(本明細書に
おいて、可撓性の刷版と呼ぶ)は、寸度安定性に難点が
あり、例えば、刷版装着時の刷版の取り扱いや、印刷中
のゴム胴との摩擦力により歪みを生じ、印刷寸法を及び
紙に対する印刷位置精度を損ねてしまうという問題があ
った。
版胴に巻装固定し、この状態で印刷を行うのが一般的で
ある。しかし、安価でかつ取り扱いが容易な少なくとも
裏面が金属以外の材料からなる平版印刷版(本明細書に
おいて、可撓性の刷版と呼ぶ)は、寸度安定性に難点が
あり、例えば、刷版装着時の刷版の取り扱いや、印刷中
のゴム胴との摩擦力により歪みを生じ、印刷寸法を及び
紙に対する印刷位置精度を損ねてしまうという問題があ
った。
【0003】従って、上記のような可撓性の刷版は、従
来、印刷物の見当精度をあまり必要としない少ない枚数
を印刷する簡便用に限られており、多色で精巧な高級印
刷や大型印刷機を用いた本格的な印刷には用いられてい
なかった。
来、印刷物の見当精度をあまり必要としない少ない枚数
を印刷する簡便用に限られており、多色で精巧な高級印
刷や大型印刷機を用いた本格的な印刷には用いられてい
なかった。
【0004】ここで、前述の、刷版装着時の取り扱いで
可撓性の刷版に発生する歪みについて詳細に述べる。図
19及び20に、代表的な刷版装着装置60を示す。図
20は、図19におけるX矢視図、図19は、図20に
おけるYーY断面図である。
可撓性の刷版に発生する歪みについて詳細に述べる。図
19及び20に、代表的な刷版装着装置60を示す。図
20は、図19におけるX矢視図、図19は、図20に
おけるYーY断面図である。
【0005】図19に示すように、印刷機の版胴61
は、円柱の一部分を当該円柱の軸方向に切り取り、その
切り口である略平らな面(以下、平面部61aとよぶ)
に溝部65を設けたような形状を有している。そして溝
部65内には、刷版70の先端である版先を挟持する版
先クランプ機構62と、刷版70の後端である版尻を挟
持する版尻クランプ機構63とが設けられている。各ク
ランプ機構62,63は、その上面が平面部61aと略
同一平面を形成する下歯62b,63bと、前記下歯に
回動可能に支持され、下歯上面との間で版先を挟持可能
な上歯62a,63aとを備えている。さらに、溝部6
5底面上で版先クランプ機構62および版尻クランプ機
構63を前後、左右、斜めに位置調整可能な、図示しな
い位置調整機構を備えている。
は、円柱の一部分を当該円柱の軸方向に切り取り、その
切り口である略平らな面(以下、平面部61aとよぶ)
に溝部65を設けたような形状を有している。そして溝
部65内には、刷版70の先端である版先を挟持する版
先クランプ機構62と、刷版70の後端である版尻を挟
持する版尻クランプ機構63とが設けられている。各ク
ランプ機構62,63は、その上面が平面部61aと略
同一平面を形成する下歯62b,63bと、前記下歯に
回動可能に支持され、下歯上面との間で版先を挟持可能
な上歯62a,63aとを備えている。さらに、溝部6
5底面上で版先クランプ機構62および版尻クランプ機
構63を前後、左右、斜めに位置調整可能な、図示しな
い位置調整機構を備えている。
【0006】版胴61の平面部61aと曲面部61bと
の間には頂部61cが形成されている。図示しないが、
版胴によっては、平面部の代わりにクランプ機構の下歯
上面等が、曲面部との間に頂部を形成するものもある。
通常、平面部61aと曲面部61bとが交差する部分は
丸められて、半径5〜30mmの曲面になっているが、
このような部分も本明細書においては頂部と呼ぶことに
する。
の間には頂部61cが形成されている。図示しないが、
版胴によっては、平面部の代わりにクランプ機構の下歯
上面等が、曲面部との間に頂部を形成するものもある。
通常、平面部61aと曲面部61bとが交差する部分は
丸められて、半径5〜30mmの曲面になっているが、
このような部分も本明細書においては頂部と呼ぶことに
する。
【0007】そして図20に示すように、版先クランプ
機構の下歯62b上面には、版胴61の軸方向に間隔を
隔てた2箇所に、位置決めピン64が突設されている。
版先クランプ機構の上歯62aの、前記位置決めピン6
4に対応する箇所には、切欠66が形成されている。ま
た、図中2点鎖線で示される刷版70の版先70aに
も、位置決めピン64に対応する箇所に切欠71が形成
されている。
機構の下歯62b上面には、版胴61の軸方向に間隔を
隔てた2箇所に、位置決めピン64が突設されている。
版先クランプ機構の上歯62aの、前記位置決めピン6
4に対応する箇所には、切欠66が形成されている。ま
た、図中2点鎖線で示される刷版70の版先70aに
も、位置決めピン64に対応する箇所に切欠71が形成
されている。
【0008】例えば前述した刷版装着装置60により、
可撓性の刷版70を版胴61に装着する場合、オペレー
タが版尻70bを把持しながら、版先クランプ機構の上
歯62aと下歯62bとの間に刷版の版先70aを押し
込み、2箇所の位置決めピン64に当該版先を当接させ
た際に、版先70aが変形し、その変形した状態で版先
70aが固定されてしまうことがある。すなわち、菊半
裁判以上の刷版を装着可能な版胴においては、版胴61
における2箇所の位置決めピン64の間隔がかなり広く
なり、刷版装着時に、オペレータが可撓性の刷版70を
少しでも押しすぎると、2箇所の位置決めピン64の間
から版先70aが押し込み方向に突出するように、刷版
70が変形してしまうのである。しかし、このような変
形を避けようとして刷版70の押し込みが不十分になる
と、刷版を正確に位置決めすることができない。
可撓性の刷版70を版胴61に装着する場合、オペレー
タが版尻70bを把持しながら、版先クランプ機構の上
歯62aと下歯62bとの間に刷版の版先70aを押し
込み、2箇所の位置決めピン64に当該版先を当接させ
た際に、版先70aが変形し、その変形した状態で版先
70aが固定されてしまうことがある。すなわち、菊半
裁判以上の刷版を装着可能な版胴においては、版胴61
における2箇所の位置決めピン64の間隔がかなり広く
なり、刷版装着時に、オペレータが可撓性の刷版70を
少しでも押しすぎると、2箇所の位置決めピン64の間
から版先70aが押し込み方向に突出するように、刷版
70が変形してしまうのである。しかし、このような変
形を避けようとして刷版70の押し込みが不十分になる
と、刷版を正確に位置決めすることができない。
【0009】また、図19に示すように、版胴61の平
面部61aと曲面部61bとの間に形成される頂部61
cの近傍においては、可撓性の刷版70が版胴61の外
周面になじみにくく、刷版70が版胴外周面から浮いて
しまう傾向がある。このような刷版70の浮きを防止す
るために、オペレータは、版先を版先クランプ機構62
に挟持された刷版の版尻を強く引張りながら、版胴を回
転させて刷版70を巻装する。しかしこのときに、可撓
性刷版70の版尻の引張られた箇所が伸びてしまう。
面部61aと曲面部61bとの間に形成される頂部61
cの近傍においては、可撓性の刷版70が版胴61の外
周面になじみにくく、刷版70が版胴外周面から浮いて
しまう傾向がある。このような刷版70の浮きを防止す
るために、オペレータは、版先を版先クランプ機構62
に挟持された刷版の版尻を強く引張りながら、版胴を回
転させて刷版70を巻装する。しかしこのときに、可撓
性刷版70の版尻の引張られた箇所が伸びてしまう。
【0010】前記の様に版尻を引っ張りながら刷版を巻
装した後に、版尻クランプ機構の上歯と下歯の間に刷版
の版尻を押し込み、上歯を回動させ版尻を固定し、図示
しない張力付加機構により版尻クランプ機構を刷版に張
力が付加される方向に移動させることにより、刷版を版
胴の周面に密着させ、版装着が完了する。従来の一般的
な版装着装置において、このような刷版を版胴の周面に
密着させるための張力付加機構は、アルミ等の金属支持
体刷版に合わせて設計されているので、可撓性の刷版の
場合、必要以上に伸びてしまう。また、張力付加機構
を、可撓性の刷版に合わせて低い張力が付加されるよう
に設計した場合、張力が足りず、版胴に刷版を密着させ
ることができない。もし、刷版が浮かないように装着で
きたとしても、このような低い張力では、印刷時のゴム
胴との摩擦力により刷版がずれてしまう。
装した後に、版尻クランプ機構の上歯と下歯の間に刷版
の版尻を押し込み、上歯を回動させ版尻を固定し、図示
しない張力付加機構により版尻クランプ機構を刷版に張
力が付加される方向に移動させることにより、刷版を版
胴の周面に密着させ、版装着が完了する。従来の一般的
な版装着装置において、このような刷版を版胴の周面に
密着させるための張力付加機構は、アルミ等の金属支持
体刷版に合わせて設計されているので、可撓性の刷版の
場合、必要以上に伸びてしまう。また、張力付加機構
を、可撓性の刷版に合わせて低い張力が付加されるよう
に設計した場合、張力が足りず、版胴に刷版を密着させ
ることができない。もし、刷版が浮かないように装着で
きたとしても、このような低い張力では、印刷時のゴム
胴との摩擦力により刷版がずれてしまう。
【0011】ところで、近年、平版印刷方法において、
最近のデジタル描画技術の向上と、プロセスの効率化の
要求から、刷版上に、直接デジタル画像情報を描画する
システムが数多く提案されている。これは、CTP(C
omputer−to−plate)、あるいはDDP
P(Digital Direct Printing
Plate)と呼ばれる技術である。上記の技術は、
従来のコンベンショナル製版方法(刷版にリスフィルム
を重ねて密着露光)に比較して、刷版に対する画像の位
置精度が良好で、多色印刷において見当精度が良好であ
るという長所を有している。当然ながら、可撓性の刷版
を用いたデジタル製版システム提案もされており、安価
なことから、これを用いた多色印刷へのニーズは存在す
る。しかしながら、可撓性の刷版は、前記のような問題
を有するため、デジタル製版の画像の位置精度が良好で
あるという長所を生かせず、多色印刷において、金属支
持体刷版並の見当精度は実現できていない。
最近のデジタル描画技術の向上と、プロセスの効率化の
要求から、刷版上に、直接デジタル画像情報を描画する
システムが数多く提案されている。これは、CTP(C
omputer−to−plate)、あるいはDDP
P(Digital Direct Printing
Plate)と呼ばれる技術である。上記の技術は、
従来のコンベンショナル製版方法(刷版にリスフィルム
を重ねて密着露光)に比較して、刷版に対する画像の位
置精度が良好で、多色印刷において見当精度が良好であ
るという長所を有している。当然ながら、可撓性の刷版
を用いたデジタル製版システム提案もされており、安価
なことから、これを用いた多色印刷へのニーズは存在す
る。しかしながら、可撓性の刷版は、前記のような問題
を有するため、デジタル製版の画像の位置精度が良好で
あるという長所を生かせず、多色印刷において、金属支
持体刷版並の見当精度は実現できていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、デジ
タル製版された可撓性の刷版を歪んでしまうことなくか
つ容易に装着することができ、既設の印刷機等に若干の
改良を加えることでも実施可能で、金属支持体刷版並の
寸度安定性と多色刷りにおける見当精度を得ることがで
きる可撓性の刷版装着方法、及び、刷版装着装置を提供
することにある。
タル製版された可撓性の刷版を歪んでしまうことなくか
つ容易に装着することができ、既設の印刷機等に若干の
改良を加えることでも実施可能で、金属支持体刷版並の
寸度安定性と多色刷りにおける見当精度を得ることがで
きる可撓性の刷版装着方法、及び、刷版装着装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の可撓性刷版の装着方法の発明
は、版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版
胴に装着する可撓性刷版装着方法において、前記刷版の
版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラ
ンプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クラ
ンプ機構に設けられた少なくとも3本の位置決めピン
と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴
に押圧する刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴
に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されて
なる版ずれ防止機能を有する版下シートとを備えた刷版
装着装置を用い、前記刷版の版先を、前記版先クランプ
機構の上歯と下歯の間に押し込み、少なくとも3本の前
記位置決めピンに前記版先の切欠きの内周面を当接させ
て位置決めを行うと共に固定し、前記刷版押圧機構が前
記版胴の頂部を含む外周面に前記刷版を押圧手段により
くまなく押しつけながら、前記版尻を解放状態で前記版
胴を回転させて前記刷版を該版胴に巻装してゆき、巻装
終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を前記
版胴の半径方向に押圧固定することにより、前記刷版装
着時の版胴回転方向の最大印刷長における前記刷版の伸
びを100μm以下とし、さらに前記版ずれ防止機能を
有する版下シートは、版の裏面と接する版下シート表面
のデュロ硬度が65以下であり、該表面に高さ1μm以
上の突起が、該突起のシート面に平行な面の最大断面積
あたりの合計が単位面積中の0.5%以上設けられ、且
つ該突起の高さが50μ以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、版先に少なくとも3個の固着穴
が穿設されている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷
版装着方法において、前記刷版の版先を前記版胴に固定
する上歯と下歯を有する版先クランプ機構と、前記版先
クランプ機構に設けられた位置決めピンと、位置決めピ
ンに取り付けられ自身に刷版固着用の少なくとも3個の
固着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材
と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴
に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を前記版胴
に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されて
なる版ずれ防止機能を有する版下シートと、を備えた刷
版装着装置を用い、前記刷版の前記固着穴を、前記版先
クランプ機構の上歯と下歯の間の前記ピン当接部材の固
着ピンに差し込むことにより位置決めを行うとともに固
定し、前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面
に前記刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけなが
ら、前記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷
版を版胴に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機
構により前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固
定することにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最
大印刷長における前記刷版の伸びを100μm以下と
し、さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、
版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以
下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起の
シート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面
積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50
μ以下であることを特徴とする。請求項3記載の発明
は、版先に少なくとも3個の固着穴が穿設されている可
撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方法におい
て、前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を
有する版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設
けられた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機
構と、前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、
前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、
前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、自身に刷版固着用の少なくとも3個の固
着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材と、
を備えた可撓性刷版装着装置を用い、まず、前記ピン当
接部材の固着ピンを前記刷版の固着穴に差し込み固定
し、次に、当該ピン当接部材の先端を前記版先クランプ
機構の上歯と下歯の間の前記位置決めピンに固定するこ
とにより前記刷版を前記版胴上に位置決め固定をし、前
記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記刷
版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前記
版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版胴
に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機構により
前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固定するこ
とにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長
における前記可撓性刷版の伸びを100μm以下とし、
さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の
裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下で
あり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシー
ト面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中
の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以
下であることを特徴とする。請求項4記載の発明は、請
求項1〜3のいづれか1項記載の可撓性刷版装着方法に
おいて、前記突起が粒子を版下シートの表面に沈み込ま
せて固着したことを特徴とする。請求項5記載の発明
は、請求項1〜4のいずれか1項記載の可撓性刷版装着
方法において、前記刷版を保持するガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の刷版
を保持することを特徴とする。請求項6記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項記載の可撓性刷版装着方法
において、前記刷版の装着時に前記版胴を回転させる手
段と、前記版胴の回転位置を検出する手段と、前記回転
位置を検出する手段からの信号により所定の位置で、前
記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御する手段
と、前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手
段と、前記回転位置を検出する手段からの信号により所
定の位置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え
ていることを特徴とする。請求項7記載の発明は、版先
に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版胴に装着
する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版先を前
記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クランプ機構
と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クランプ機構
に設けられた少なくとも3本の位置決めピンと、からな
る版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴に押圧する
刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴に固定する
版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ
防止機能を有する版下シートとを備えた刷版装着装置に
おいて、前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版
の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下
であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシ
ート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積
中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ
以下であることを特徴とする。請求項8記載の発明は、
版先に少なくとも3個の固着穴が穿設されている可撓性
刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装置であって、前
記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する
版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けられ
た位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身に
刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記刷
版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決め
機構と、前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構
と、前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構
と、前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有
する版下シートと、を備えた刷版装着装置において、前
記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の裏面と接
する版下シート表面のデュロ硬度が65以下であり、該
表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシート面に平
行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中の0.5
%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以下である
ことを特徴とする。請求項9記載の発明は、版先に少な
くとも3個の固着穴が穿設されている可撓性刷版を版胴
に装着する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版
先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラン
プ機構と、前記版先クランプ機構に設けられた位置決め
ピンと、からなる版先位置決め固定機構と、前記刷版を
前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を
前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固
定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シートと、自
身に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前
記刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性刷
版装着装置において、前記版ずれ防止機能を有する版下
シートは、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬
度が65以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起
が、該突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの
合計が単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起
の高さが50μ以下であることを特徴とする。請求項1
0記載の発明は、請求項7〜9のいづれか1項記載の可
撓性刷版装着装置において、該突起が、粒子を版下シー
トの表面に沈み込ませて固着したことを特徴とする。請
求項11記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項
記載の可撓性刷版装着装置において、前記刷版を保持す
るガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記版胴に装
着前及び装着中の刷版を保持することを特徴とする。請
求項12記載の発明は、請求項7〜11のいずれか1項
記載の可撓性刷版装着装置において、前記刷版の装着時
に前記版胴を回転させる手段と、前記版胴の回転位置を
検出する手段と、前記回転位置を検出する手段からの信
号により所定の位置で、前記版胴を回転させる手段の回
転、停止を制御する手段と、前記押圧手段を前記版胴に
対して接離させる駆動手段と、記回転位置を検出する手
段からの信号により所定の位置で、前記駆動手段を制御
する制御手段とを備えていることを特徴とする。
め、本願の請求項1記載の可撓性刷版の装着方法の発明
は、版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版
胴に装着する可撓性刷版装着方法において、前記刷版の
版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラ
ンプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クラ
ンプ機構に設けられた少なくとも3本の位置決めピン
と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴
に押圧する刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴
に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されて
なる版ずれ防止機能を有する版下シートとを備えた刷版
装着装置を用い、前記刷版の版先を、前記版先クランプ
機構の上歯と下歯の間に押し込み、少なくとも3本の前
記位置決めピンに前記版先の切欠きの内周面を当接させ
て位置決めを行うと共に固定し、前記刷版押圧機構が前
記版胴の頂部を含む外周面に前記刷版を押圧手段により
くまなく押しつけながら、前記版尻を解放状態で前記版
胴を回転させて前記刷版を該版胴に巻装してゆき、巻装
終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を前記
版胴の半径方向に押圧固定することにより、前記刷版装
着時の版胴回転方向の最大印刷長における前記刷版の伸
びを100μm以下とし、さらに前記版ずれ防止機能を
有する版下シートは、版の裏面と接する版下シート表面
のデュロ硬度が65以下であり、該表面に高さ1μm以
上の突起が、該突起のシート面に平行な面の最大断面積
あたりの合計が単位面積中の0.5%以上設けられ、且
つ該突起の高さが50μ以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、版先に少なくとも3個の固着穴
が穿設されている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷
版装着方法において、前記刷版の版先を前記版胴に固定
する上歯と下歯を有する版先クランプ機構と、前記版先
クランプ機構に設けられた位置決めピンと、位置決めピ
ンに取り付けられ自身に刷版固着用の少なくとも3個の
固着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材
と、からなる版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴
に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を前記版胴
に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されて
なる版ずれ防止機能を有する版下シートと、を備えた刷
版装着装置を用い、前記刷版の前記固着穴を、前記版先
クランプ機構の上歯と下歯の間の前記ピン当接部材の固
着ピンに差し込むことにより位置決めを行うとともに固
定し、前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面
に前記刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけなが
ら、前記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷
版を版胴に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機
構により前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固
定することにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最
大印刷長における前記刷版の伸びを100μm以下と
し、さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、
版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以
下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起の
シート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面
積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50
μ以下であることを特徴とする。請求項3記載の発明
は、版先に少なくとも3個の固着穴が穿設されている可
撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方法におい
て、前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を
有する版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設
けられた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機
構と、前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、
前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、
前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、自身に刷版固着用の少なくとも3個の固
着ピンを有する前記刷版より高剛性のピン当接部材と、
を備えた可撓性刷版装着装置を用い、まず、前記ピン当
接部材の固着ピンを前記刷版の固着穴に差し込み固定
し、次に、当該ピン当接部材の先端を前記版先クランプ
機構の上歯と下歯の間の前記位置決めピンに固定するこ
とにより前記刷版を前記版胴上に位置決め固定をし、前
記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記刷
版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前記
版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版胴
に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機構により
前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固定するこ
とにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長
における前記可撓性刷版の伸びを100μm以下とし、
さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の
裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下で
あり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシー
ト面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中
の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以
下であることを特徴とする。請求項4記載の発明は、請
求項1〜3のいづれか1項記載の可撓性刷版装着方法に
おいて、前記突起が粒子を版下シートの表面に沈み込ま
せて固着したことを特徴とする。請求項5記載の発明
は、請求項1〜4のいずれか1項記載の可撓性刷版装着
方法において、前記刷版を保持するガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の刷版
を保持することを特徴とする。請求項6記載の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項記載の可撓性刷版装着方法
において、前記刷版の装着時に前記版胴を回転させる手
段と、前記版胴の回転位置を検出する手段と、前記回転
位置を検出する手段からの信号により所定の位置で、前
記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御する手段
と、前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手
段と、前記回転位置を検出する手段からの信号により所
定の位置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備え
ていることを特徴とする。請求項7記載の発明は、版先
に3カ所以上の切欠きを有する可撓性刷版を版胴に装着
する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版先を前
記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クランプ機構
と、前記刷版の切欠きに対向して前記版先クランプ機構
に設けられた少なくとも3本の位置決めピンと、からな
る版先位置決め機構と、前記刷版を前記版胴に押圧する
刷版押圧機構と、前記版胴の版尻を前記版胴に固定する
版尻固定機構と、前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ
防止機能を有する版下シートとを備えた刷版装着装置に
おいて、前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版
の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下
であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシ
ート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積
中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ
以下であることを特徴とする。請求項8記載の発明は、
版先に少なくとも3個の固着穴が穿設されている可撓性
刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装置であって、前
記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する
版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けられ
た位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身に
刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記刷
版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決め
機構と、前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構
と、前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構
と、前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有
する版下シートと、を備えた刷版装着装置において、前
記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の裏面と接
する版下シート表面のデュロ硬度が65以下であり、該
表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシート面に平
行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中の0.5
%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以下である
ことを特徴とする。請求項9記載の発明は、版先に少な
くとも3個の固着穴が穿設されている可撓性刷版を版胴
に装着する可撓性刷版装着装置であって、前記刷版の版
先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有する版先クラン
プ機構と、前記版先クランプ機構に設けられた位置決め
ピンと、からなる版先位置決め固定機構と、前記刷版を
前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記刷版の版尻を
前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版胴に巻回固
定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シートと、自
身に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前
記刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性刷
版装着装置において、前記版ずれ防止機能を有する版下
シートは、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬
度が65以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起
が、該突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの
合計が単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起
の高さが50μ以下であることを特徴とする。請求項1
0記載の発明は、請求項7〜9のいづれか1項記載の可
撓性刷版装着装置において、該突起が、粒子を版下シー
トの表面に沈み込ませて固着したことを特徴とする。請
求項11記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項
記載の可撓性刷版装着装置において、前記刷版を保持す
るガイド部材を有し、前記ガイド部材は、前記版胴に装
着前及び装着中の刷版を保持することを特徴とする。請
求項12記載の発明は、請求項7〜11のいずれか1項
記載の可撓性刷版装着装置において、前記刷版の装着時
に前記版胴を回転させる手段と、前記版胴の回転位置を
検出する手段と、前記回転位置を検出する手段からの信
号により所定の位置で、前記版胴を回転させる手段の回
転、停止を制御する手段と、前記押圧手段を前記版胴に
対して接離させる駆動手段と、記回転位置を検出する手
段からの信号により所定の位置で、前記駆動手段を制御
する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0014】ここで、刷版装着時の版胴回転方向の最大
印刷長とは、紙面に印刷可能な最大長さのことで、印刷
機の仕様書、取扱説明書等に具体的な数値が記載されて
いるが、一般的には、版先の頂部近傍から版尻の頂部近
傍にわたる版胴の直径円周上の領域の長さと見なすこと
ができる。押圧手段としては、ローラ状の押圧部材を駆
動手段によって版胴に接離可能としたもの等を採用でき
る。また、パッド状、ブラシ状等、平面状の押圧部材を
駆動手段によって版胴に接離可能とした平面押圧手段を
用いても良い。位置決めピンとしては、版先クランプ機
構の下歯の上面に上歯に向けて突設したものや、上歯の
下面に下歯に向けて突設したものや、版胴に一体的に設
けたもの等を採用できる。版尻固定機構としては、上歯
と下歯を有する版尻クランプ機構を採用できる。また、
板バネ状部材による版尻押さえ機構、両面粘着テープ、
スプレー糊、等による版胴面又は版尻クランプ部材への
接着等の手段を用いても良い。
印刷長とは、紙面に印刷可能な最大長さのことで、印刷
機の仕様書、取扱説明書等に具体的な数値が記載されて
いるが、一般的には、版先の頂部近傍から版尻の頂部近
傍にわたる版胴の直径円周上の領域の長さと見なすこと
ができる。押圧手段としては、ローラ状の押圧部材を駆
動手段によって版胴に接離可能としたもの等を採用でき
る。また、パッド状、ブラシ状等、平面状の押圧部材を
駆動手段によって版胴に接離可能とした平面押圧手段を
用いても良い。位置決めピンとしては、版先クランプ機
構の下歯の上面に上歯に向けて突設したものや、上歯の
下面に下歯に向けて突設したものや、版胴に一体的に設
けたもの等を採用できる。版尻固定機構としては、上歯
と下歯を有する版尻クランプ機構を採用できる。また、
板バネ状部材による版尻押さえ機構、両面粘着テープ、
スプレー糊、等による版胴面又は版尻クランプ部材への
接着等の手段を用いても良い。
【0015】前記請求項1および7の構成によれば、可
撓性の刷版が、3本以上の位置決めピンに当接されて位
置決めがなされるので、版胴における位置決めピンの間
隔が狭くなり、位置決めピンの間から版先が突出するよ
うに刷版が変形することはない。また、刷版を版胴に巻
装する際に押圧手段が、頂部を含む外周面にくまなく押
しつけ、刷版が版胴外周面に密着するので、刷版の版尻
を引っ張りながら巻装する必要はなく、刷版に積極的に
張力を付加しないので、刷版はほとんど伸びることはな
く、巻装時における押圧手段の抵抗による伸び等を考慮
しても、最大印刷長における刷版の伸びは100μm以
内に抑えることが可能となる。さらに、前記版胴に巻回
固定された版ずれ防止機能を有する版下シートが、巻回
した刷版を強固に支持するので、通常、刷版の張力がゼ
ロないし小さい場合に、印刷中にゴム胴との摩擦力によ
り刷版がずれてしまうことを防止できる。したがって、
刷版装着および印刷における刷版の寸度安定性は著しく
向上し、金属支持体刷版並の多色刷り見当精度を得るこ
とができる。さらに、可撓性刷版の版胴への装着性が著
しく向上し、オペレータの負担が軽減される。
撓性の刷版が、3本以上の位置決めピンに当接されて位
置決めがなされるので、版胴における位置決めピンの間
隔が狭くなり、位置決めピンの間から版先が突出するよ
うに刷版が変形することはない。また、刷版を版胴に巻
装する際に押圧手段が、頂部を含む外周面にくまなく押
しつけ、刷版が版胴外周面に密着するので、刷版の版尻
を引っ張りながら巻装する必要はなく、刷版に積極的に
張力を付加しないので、刷版はほとんど伸びることはな
く、巻装時における押圧手段の抵抗による伸び等を考慮
しても、最大印刷長における刷版の伸びは100μm以
内に抑えることが可能となる。さらに、前記版胴に巻回
固定された版ずれ防止機能を有する版下シートが、巻回
した刷版を強固に支持するので、通常、刷版の張力がゼ
ロないし小さい場合に、印刷中にゴム胴との摩擦力によ
り刷版がずれてしまうことを防止できる。したがって、
刷版装着および印刷における刷版の寸度安定性は著しく
向上し、金属支持体刷版並の多色刷り見当精度を得るこ
とができる。さらに、可撓性刷版の版胴への装着性が著
しく向上し、オペレータの負担が軽減される。
【0016】もとより、従来の版装着方法で、本発明の
要件である、可撓性刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における刷版の伸びを100μm以下に抑えること
は不可能であった。というのは、第1に、前述のよう
に、刷版の浮きを防止するために、刷版の版尻を強く引
っ張りながら版胴を回転させて巻装する際に、容易に1
00μm以上伸びてしまうこと、第2に、前述の張力付
加機構は、アルミ等の金属支持体刷版に合わせて設計さ
れているので、可撓性の刷版の場合、容易に100μm
以上伸びてしまうからである。また、張力付加機構を、
可撓性の刷版に合わせて伸びが100μm以下になるよ
うな低い張力が付加されるように設計した場合、張力が
足りずに版胴に刷版を密着させることができない。も
し、刷版が浮かないように装着できたとしても、このよ
うな低い張力では、印刷時のゴム胴との摩擦力により刷
版がずれてしまう。
要件である、可撓性刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における刷版の伸びを100μm以下に抑えること
は不可能であった。というのは、第1に、前述のよう
に、刷版の浮きを防止するために、刷版の版尻を強く引
っ張りながら版胴を回転させて巻装する際に、容易に1
00μm以上伸びてしまうこと、第2に、前述の張力付
加機構は、アルミ等の金属支持体刷版に合わせて設計さ
れているので、可撓性の刷版の場合、容易に100μm
以上伸びてしまうからである。また、張力付加機構を、
可撓性の刷版に合わせて伸びが100μm以下になるよ
うな低い張力が付加されるように設計した場合、張力が
足りずに版胴に刷版を密着させることができない。も
し、刷版が浮かないように装着できたとしても、このよ
うな低い張力では、印刷時のゴム胴との摩擦力により刷
版がずれてしまう。
【0017】なお、刷版装着時の版胴回転方向の最大印
刷長における刷版の伸びが100μm以下というのは、
可撓性刷版であれば、その材質、サイズ(長さ、幅、厚
み)を問わず達成可能である。これは前述のように、刷
版に積極的に張力を付加しない装着方法だからである。
刷長における刷版の伸びが100μm以下というのは、
可撓性刷版であれば、その材質、サイズ(長さ、幅、厚
み)を問わず達成可能である。これは前述のように、刷
版に積極的に張力を付加しない装着方法だからである。
【0018】そして、版ずれ防止機能を有する版下シー
トは、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が
65以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該
突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が
単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さ
が50μm以下であることを特徴とする平版印刷版用版
下シートである。
トは、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が
65以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該
突起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が
単位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さ
が50μm以下であることを特徴とする平版印刷版用版
下シートである。
【0019】本発明で言うデュロ硬度とは、米国ショア
ー社製造のスプリング式硬さ試験器(デュロメーター)
のAタイプを使用して測定した値(デュロメーター硬
さ)である。
ー社製造のスプリング式硬さ試験器(デュロメーター)
のAタイプを使用して測定した値(デュロメーター硬
さ)である。
【0020】突起の高さとは、版下シート表面(版下シ
ートの基体表面、その上にバインダー等が塗布されてい
る場合には該バインダー表面をいう)と突起の頂上との
間の長さをいう。3次元表面粗さ計(例えば、小坂研究
所製3次元表面粗さ計AK−11/SE−3400)を
用いて測定できる。
ートの基体表面、その上にバインダー等が塗布されてい
る場合には該バインダー表面をいう)と突起の頂上との
間の長さをいう。3次元表面粗さ計(例えば、小坂研究
所製3次元表面粗さ計AK−11/SE−3400)を
用いて測定できる。
【0021】また、以下の説明において、突起のシート
面に平行な面の最大断面積の単位面積当たりの合計が単
位面積中に占める割合を「面積占有率」という。面積占
有率は、以下のようにして計算する。サンプルの表面を
光学顕微鏡にて真上から写真をとり、一定面積中Sに存
在する突起粒子の数nを読みとる。この粒子の平均直径
Rから以下のように面積占有率を得る。
面に平行な面の最大断面積の単位面積当たりの合計が単
位面積中に占める割合を「面積占有率」という。面積占
有率は、以下のようにして計算する。サンプルの表面を
光学顕微鏡にて真上から写真をとり、一定面積中Sに存
在する突起粒子の数nを読みとる。この粒子の平均直径
Rから以下のように面積占有率を得る。
【0022】面積占有率=〔n×(πR2/4)/S〕
×100(%)
×100(%)
【0023】上記高さ1μm以上の突起を面積占有率
0.5%以上設けることにより、版ずれと位置ずれを有
効に防止するとと共に、該突起の高さを50μm以下と
することにより、印刷ムラの発生を有効に防止すること
がわかった。突起が上記したように少なくても位置ずれ
を防止するに十分であり、1μm以上の突起が平版印刷
版の裏面に圧接されることにより、平版印刷版の裏面を
凹ませて食い込むに十分に有効な版ずれ、位置ずれ効果
が得られる。また、版ズレを防止する効果は、粒子の付
設に加え、版下シートそのものの柔らかな物性も担うも
のと推定される。
0.5%以上設けることにより、版ずれと位置ずれを有
効に防止するとと共に、該突起の高さを50μm以下と
することにより、印刷ムラの発生を有効に防止すること
がわかった。突起が上記したように少なくても位置ずれ
を防止するに十分であり、1μm以上の突起が平版印刷
版の裏面に圧接されることにより、平版印刷版の裏面を
凹ませて食い込むに十分に有効な版ずれ、位置ずれ効果
が得られる。また、版ズレを防止する効果は、粒子の付
設に加え、版下シートそのものの柔らかな物性も担うも
のと推定される。
【0024】前記請求項2、3および8、9記載の構成
によれば、刷版の版先が、少なくとも3個の固着ピンを
有する高剛性のピン当接部材によって保護され、版先の
変形が防止される。したがって、位置決めピンの数を増
やさなくてもよく、既設の印刷装置や製版装置にも比較
的容易に適用することができる。刷版より高剛性のピン
当接部材の材質としては、金属等を選択することができ
るが、特に限定されない。
によれば、刷版の版先が、少なくとも3個の固着ピンを
有する高剛性のピン当接部材によって保護され、版先の
変形が防止される。したがって、位置決めピンの数を増
やさなくてもよく、既設の印刷装置や製版装置にも比較
的容易に適用することができる。刷版より高剛性のピン
当接部材の材質としては、金属等を選択することができ
るが、特に限定されない。
【0025】前記請求項4および10記載の構成によれ
ば、上記の通り版下シート表面のデュロ硬度が65以下
であるため、該突起を粒子を版下シートの表面に沈み込
ませて固着させることができる。これにより、突起高さ
を50μm以下に調整することが容易になると共に、突
起の脱着が有効に防止される。
ば、上記の通り版下シート表面のデュロ硬度が65以下
であるため、該突起を粒子を版下シートの表面に沈み込
ませて固着させることができる。これにより、突起高さ
を50μm以下に調整することが容易になると共に、突
起の脱着が有効に防止される。
【0026】前記請求項5および11記載の構成によれ
ば、刷版をガイド手段にセットすることで、可撓性刷版
のこしが弱いことによって生じる刷版のたれ下がりを防
止できる。したがって、刷版を手で保持する必要がなく
なり、刷版装着作業が簡略化される。また、これにより
版尻を引張ることが必要なくなるので、刷版の伸びを抑
えるのに効果的である。
ば、刷版をガイド手段にセットすることで、可撓性刷版
のこしが弱いことによって生じる刷版のたれ下がりを防
止できる。したがって、刷版を手で保持する必要がなく
なり、刷版装着作業が簡略化される。また、これにより
版尻を引張ることが必要なくなるので、刷版の伸びを抑
えるのに効果的である。
【0027】前記請求項6および12記載の構成によれ
ば、オペレータは、刷版の装着時に必要とされる版胴の
回転・停止、及び押圧手段の版胴への接離を行わなくて
よい。したがって、オペレータの負担が一層軽減される
とともに、刷版を迅速に版胴に装着することが可能とな
る。
ば、オペレータは、刷版の装着時に必要とされる版胴の
回転・停止、及び押圧手段の版胴への接離を行わなくて
よい。したがって、オペレータの負担が一層軽減される
とともに、刷版を迅速に版胴に装着することが可能とな
る。
【0028】なお、特開平10−24555号公報に
は、3個以上の基準ピンによる、可撓性刷版の版先を位
置決めおよび固定する方法および装置が開示されている
が、この固定方法および装置は、上歯上面に基準ピンを
設け、この基準ピンが刷版の基準穴と嵌合し、刷版の位
置決めおよび固定する機構である。本発明において基準
ピンは、版先クランプ機構の上歯と下歯の間に存在し、
刷版又はピン当接部材の当接に用いられるもので、版先
の固定は、版先クランプ機構を用いるものである。 以
上のように同公報は、本発明と装置構成および基準ピン
の機能が異なり、さらに、同公報には、押圧手段によっ
て刷版を、版胴外周面にくまなく押しつけながら巻装す
るという本発明の技術思想が開示されていない。
は、3個以上の基準ピンによる、可撓性刷版の版先を位
置決めおよび固定する方法および装置が開示されている
が、この固定方法および装置は、上歯上面に基準ピンを
設け、この基準ピンが刷版の基準穴と嵌合し、刷版の位
置決めおよび固定する機構である。本発明において基準
ピンは、版先クランプ機構の上歯と下歯の間に存在し、
刷版又はピン当接部材の当接に用いられるもので、版先
の固定は、版先クランプ機構を用いるものである。 以
上のように同公報は、本発明と装置構成および基準ピン
の機能が異なり、さらに、同公報には、押圧手段によっ
て刷版を、版胴外周面にくまなく押しつけながら巻装す
るという本発明の技術思想が開示されていない。
【0029】また、登録実用新案第3014242号公
報には、可撓性の刷版を版胴に押しつける版押さえロー
ラを備えた刷版装着装置が開示されているが、同公報に
は、版先の変形を抑制するために、版先を3本以上の位
置決めピンに当接させる、又は刷版より高剛性のピン当
接部材に刷版の版先を固着し、当該ピン当接部材を位置
決めピンに当接させるという技術的思想が開示されてい
ない。なお、ここで開示されている刷版装着装置の版尻
クランプ機構は、版を挟持したのち、当該版尻を引っ張
る構成となっており、本発明の刷版に積極的に張力を付
加しないという技術的思想が開示されていない。
報には、可撓性の刷版を版胴に押しつける版押さえロー
ラを備えた刷版装着装置が開示されているが、同公報に
は、版先の変形を抑制するために、版先を3本以上の位
置決めピンに当接させる、又は刷版より高剛性のピン当
接部材に刷版の版先を固着し、当該ピン当接部材を位置
決めピンに当接させるという技術的思想が開示されてい
ない。なお、ここで開示されている刷版装着装置の版尻
クランプ機構は、版を挟持したのち、当該版尻を引っ張
る構成となっており、本発明の刷版に積極的に張力を付
加しないという技術的思想が開示されていない。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づいて詳細に説明する。なお、既に説明した部材等
については、図中に同一符号または相当符号を付すこと
により、説明を簡略化或いは省略する。図1は、本発明
の第1実施形態を示す図であって、多色印刷(4色印
刷)用の印刷装置50内における1つの版胴11に、可
撓性の(ポリエステル製の)刷版70を装着するための
刷版装着装置10を示す図である。図2は、図1におけ
るX矢視図であって、本実施形態における版胴11を示
す図である。
に基づいて詳細に説明する。なお、既に説明した部材等
については、図中に同一符号または相当符号を付すこと
により、説明を簡略化或いは省略する。図1は、本発明
の第1実施形態を示す図であって、多色印刷(4色印
刷)用の印刷装置50内における1つの版胴11に、可
撓性の(ポリエステル製の)刷版70を装着するための
刷版装着装置10を示す図である。図2は、図1におけ
るX矢視図であって、本実施形態における版胴11を示
す図である。
【0031】図1に示すように、刷版装着装置10は、
版先クランプ機構12および版尻クランプ機構13を有
する版胴11と、版胴11の外周面に接離可能な押さえ
ローラ17およびゴム胴25と、刷版70の版先を版先
クランプ機構12に案内するガイド手段20とを備えて
いる。ここで版胴11は、図示しない制御手段によっ
て、回転・停止される。また、その制御手段は、版胴の
回転位置を検知する手段を備えている。
版先クランプ機構12および版尻クランプ機構13を有
する版胴11と、版胴11の外周面に接離可能な押さえ
ローラ17およびゴム胴25と、刷版70の版先を版先
クランプ機構12に案内するガイド手段20とを備えて
いる。ここで版胴11は、図示しない制御手段によっ
て、回転・停止される。また、その制御手段は、版胴の
回転位置を検知する手段を備えている。
【0032】ガイド手段20は、板状部材21に突設さ
れた適宜の数(ここでは2個)の支持部材22の先端
に、ガイドローラ23を設けることで構成されている。
ここでは板状部材21として、印刷装置50の側面を覆
うカバーが使用されている。ゴム胴25は、版胴11に
接離可能とされており、刷版70を版胴11に巻装する
際に、当該ゴム胴と版胴の間で刷版70を挟圧すること
もできる。版胴11とゴム胴25の接触点の、刷版70
が挿入される側(図中左側)には、断面略L字状のハン
ドカバー26が配設されており、オペレータが誤って、
ゴム胴25と版胴11の間に指を挟んでしまうことを防
いでいる。
れた適宜の数(ここでは2個)の支持部材22の先端
に、ガイドローラ23を設けることで構成されている。
ここでは板状部材21として、印刷装置50の側面を覆
うカバーが使用されている。ゴム胴25は、版胴11に
接離可能とされており、刷版70を版胴11に巻装する
際に、当該ゴム胴と版胴の間で刷版70を挟圧すること
もできる。版胴11とゴム胴25の接触点の、刷版70
が挿入される側(図中左側)には、断面略L字状のハン
ドカバー26が配設されており、オペレータが誤って、
ゴム胴25と版胴11の間に指を挟んでしまうことを防
いでいる。
【0033】押さえローラ17は、図4に示すように、
シリンダ18等の適宜の駆動手段に組み付けられてお
り、図示しない制御手段により版胴11の外周面に接離
可能とされている。ここで押さえローラ17は、可撓性
の刷版に傷をつけること等がないよう、ゴム等の弾性を
有する材質からなっていることが好ましい。
シリンダ18等の適宜の駆動手段に組み付けられてお
り、図示しない制御手段により版胴11の外周面に接離
可能とされている。ここで押さえローラ17は、可撓性
の刷版に傷をつけること等がないよう、ゴム等の弾性を
有する材質からなっていることが好ましい。
【0034】そして、図2に示すように、版先クランプ
機構の下歯12b上面には、版胴11の軸方向に所定の
間隔を隔てて、3本以上(ここでは7本)の位置決めピ
ン14が突設されている。ここで位置決めピン14のう
ち、図中右側の1本の位置決めピンのみが断面円形状で
あって、他の位置決めピンは、当該位置決めピンの版胴
軸方向の幅が、前記断面円形状の位置決めピンの版胴軸
方向の幅よりも狭くなるように、円形の両側を版胴軸方
向に直交する方向に切り取ったような断面形状に形成さ
れている。また、位置決めピン14の位置に対応する、
上歯12aの適宜箇所、および刷版の版先70aの適宜
箇所には、切欠16,71がそれぞれ形成されている。
機構の下歯12b上面には、版胴11の軸方向に所定の
間隔を隔てて、3本以上(ここでは7本)の位置決めピ
ン14が突設されている。ここで位置決めピン14のう
ち、図中右側の1本の位置決めピンのみが断面円形状で
あって、他の位置決めピンは、当該位置決めピンの版胴
軸方向の幅が、前記断面円形状の位置決めピンの版胴軸
方向の幅よりも狭くなるように、円形の両側を版胴軸方
向に直交する方向に切り取ったような断面形状に形成さ
れている。また、位置決めピン14の位置に対応する、
上歯12aの適宜箇所、および刷版の版先70aの適宜
箇所には、切欠16,71がそれぞれ形成されている。
【0035】版胴11には、図3に示すように、版ずれ
防止機能を有する版下シートが巻装固定されている。以
下、前記版下シートについて詳細に説明する。本発明で
用いるデュロ硬度が65以下の版下シートとしては、低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンと高密度ポリエ
チレンとのデュロ硬度が65以下になるようにした混合
物等のポリマー、加硫ゴム(デュロ硬度40)、カーボ
ン45部配合ゴム(デュロ硬度51)等が用いられる。
防止機能を有する版下シートが巻装固定されている。以
下、前記版下シートについて詳細に説明する。本発明で
用いるデュロ硬度が65以下の版下シートとしては、低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンと高密度ポリエ
チレンとのデュロ硬度が65以下になるようにした混合
物等のポリマー、加硫ゴム(デュロ硬度40)、カーボ
ン45部配合ゴム(デュロ硬度51)等が用いられる。
【0036】本発明の版下シートは、平版印刷版と接す
る版下シート表面のデュロ硬度が65以下であればよ
い。従って、デュロ硬度が65を越える素材のシートと
デュロ硬度65以下の素材のシートとの積層構造として
もよい。積層構造の場合には、デュロ硬度65以下のシ
ートの厚みは特に限定的ではないが、0.5μm以上あ
ることが好ましい。また、単層の場合も特に限定的では
ないが、その厚みは30〜300μmが好ましい。
る版下シート表面のデュロ硬度が65以下であればよ
い。従って、デュロ硬度が65を越える素材のシートと
デュロ硬度65以下の素材のシートとの積層構造として
もよい。積層構造の場合には、デュロ硬度65以下のシ
ートの厚みは特に限定的ではないが、0.5μm以上あ
ることが好ましい。また、単層の場合も特に限定的では
ないが、その厚みは30〜300μmが好ましい。
【0037】本発明では、凹凸を構成する突起の高さが
1μm〜50μmとなるように、上記デュロ硬度65以
下の版下シート表面に凹凸を形成する。突起の高さを1
〜50μmとすることにより、前記デュロ硬度が65以
下の版下シートの使用と相まって、印刷ムラを生じるこ
となく、版胴上での位置ずれを確実に防止することがで
きる。
1μm〜50μmとなるように、上記デュロ硬度65以
下の版下シート表面に凹凸を形成する。突起の高さを1
〜50μmとすることにより、前記デュロ硬度が65以
下の版下シートの使用と相まって、印刷ムラを生じるこ
となく、版胴上での位置ずれを確実に防止することがで
きる。
【0038】上記突起は、微粒子を上記デュロ硬度65
以下の版下シート表面上に設けることにより形成するこ
とができる。突起の高さを1〜50μmとするために
は、粒径1〜50μmの微粒子を用いて該表面に固着す
ることが好ましい。この場合には、これらの粒子が互い
に重なって固着しないように版下シート上に設ける必要
がある。
以下の版下シート表面上に設けることにより形成するこ
とができる。突起の高さを1〜50μmとするために
は、粒径1〜50μmの微粒子を用いて該表面に固着す
ることが好ましい。この場合には、これらの粒子が互い
に重なって固着しないように版下シート上に設ける必要
がある。
【0039】具体的には、粒径1μm〜50μmの粒子
をデュロ硬度65以下の版下シート表面に固定すること
により、高さ1〜50μmの突起を有する凹凸を形成す
ることができる。粒子としては、例えば、ガラスビー
ズ、シリカビーズ、アルミナビーズ、カーボンビーズ等
の微粒子やポリスチレン系、フェノール系、アクリル系
等の比較的硬度の高いポリマー微粒子等を挙げることが
できる。また、それらの微小中空球体であってもよい。
をデュロ硬度65以下の版下シート表面に固定すること
により、高さ1〜50μmの突起を有する凹凸を形成す
ることができる。粒子としては、例えば、ガラスビー
ズ、シリカビーズ、アルミナビーズ、カーボンビーズ等
の微粒子やポリスチレン系、フェノール系、アクリル系
等の比較的硬度の高いポリマー微粒子等を挙げることが
できる。また、それらの微小中空球体であってもよい。
【0040】版下シートの表面へ凹凸を形成する方法と
しては、平版印刷版の支持体の裏面の材料より硬いガラ
ス等の微小粒子をデュロ硬度が65以下の版下シートの
支持体の表面に固定して凹凸を形成する方法が挙げられ
る。
しては、平版印刷版の支持体の裏面の材料より硬いガラ
ス等の微小粒子をデュロ硬度が65以下の版下シートの
支持体の表面に固定して凹凸を形成する方法が挙げられ
る。
【0041】版下シートの支持体表面に微小粒子を固定
して凹凸を形成する方法の具体例としては、微小粒子を
バインダーに分散させた液を塗布乾燥させる方法、バイ
ンダーフィルム形成後に微小粒子を機械的圧力でバイン
ダーフィルム中に押し込む方法、バインダーフィルム形
成後に微小粒子を電着する方法等が挙げられる。
して凹凸を形成する方法の具体例としては、微小粒子を
バインダーに分散させた液を塗布乾燥させる方法、バイ
ンダーフィルム形成後に微小粒子を機械的圧力でバイン
ダーフィルム中に押し込む方法、バインダーフィルム形
成後に微小粒子を電着する方法等が挙げられる。
【0042】突起の分布は特に限定的ではないが、前記
のように突起高さを50μm以下とするための工夫が必
要である。例えば、突起形成時に粒子が凝集しないよう
にして表面上に設けることが好ましい。
のように突起高さを50μm以下とするための工夫が必
要である。例えば、突起形成時に粒子が凝集しないよう
にして表面上に設けることが好ましい。
【0043】また、本発明では版下シート表面がデュロ
硬度65以下であるため、粒子を該表面に沈み込ませて
固着させても良い。これにより、目的の突起高さを達成
しやすくなり、また粒子が脱着しにくいという効果を有
する。表面に沈み込ませる場合には、粒径50μm以上
の粒子を用いてもよく、シート表面のデュロ硬度や粒子
サイズ、沈み込む深さ等を適宜設定することにより、目
的の高さを得ることができる。
硬度65以下であるため、粒子を該表面に沈み込ませて
固着させても良い。これにより、目的の突起高さを達成
しやすくなり、また粒子が脱着しにくいという効果を有
する。表面に沈み込ませる場合には、粒径50μm以上
の粒子を用いてもよく、シート表面のデュロ硬度や粒子
サイズ、沈み込む深さ等を適宜設定することにより、目
的の高さを得ることができる。
【0044】より具体的には、例えば以下の方法によっ
て、高さ1〜50μmの突起を設けることができる。
て、高さ1〜50μmの突起を設けることができる。
【0045】(a)デュロ硬度65以下の版下シートの表
面が柔らかいため、静電塗装により粒子を付着させ、こ
の上から金属プレートをのせてその荷重により又は金属
ロールで押しつぶす等の方法で粒子を沈み込ませる方
法。 この方法では、デュロ硬度が更に低い材質、例えば酢酸
ビニルポリマー(分子量3.2万、デュロ硬度43)で
は約110℃に加熱すると極めて軟弱となるため、粒子
は金属プレートなどで強制荷重しなくてもシート中に沈
み込む。室温に戻して固着が終了する。加硫ゴムでも同
様の特性を示す。
面が柔らかいため、静電塗装により粒子を付着させ、こ
の上から金属プレートをのせてその荷重により又は金属
ロールで押しつぶす等の方法で粒子を沈み込ませる方
法。 この方法では、デュロ硬度が更に低い材質、例えば酢酸
ビニルポリマー(分子量3.2万、デュロ硬度43)で
は約110℃に加熱すると極めて軟弱となるため、粒子
は金属プレートなどで強制荷重しなくてもシート中に沈
み込む。室温に戻して固着が終了する。加硫ゴムでも同
様の特性を示す。
【0046】(b)微量のラテックスを共存させて水分散
液の形で分散塗布する方法。 静電塗装では粒子同士の凝集が起こり、凝集物は大きく
なって高さ50μm以上の突起となり、印刷ムラとなり
易いのに対し、この方法では、凝集を抑制して均一性の
高い凹凸表面を得やすい。(b)の方法も、(a)の方法と同
様に、金属プレートをのせるか金属ロールで押しつぶす
等の方法で、粒子をシート表面に沈み込ませることがで
きる。シートの材質によっては加熱だけで沈み込むこと
ができる。
液の形で分散塗布する方法。 静電塗装では粒子同士の凝集が起こり、凝集物は大きく
なって高さ50μm以上の突起となり、印刷ムラとなり
易いのに対し、この方法では、凝集を抑制して均一性の
高い凹凸表面を得やすい。(b)の方法も、(a)の方法と同
様に、金属プレートをのせるか金属ロールで押しつぶす
等の方法で、粒子をシート表面に沈み込ませることがで
きる。シートの材質によっては加熱だけで沈み込むこと
ができる。
【0047】微量のラテックスの量としては、水分散液
中0.1〜1重量%が好ましい。用いることのできるラ
テックスとしては、ポリアミド、ポリオレフィン、アク
リル酸エチル−メタクリル酸エチル共重合体、アクリロ
ニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、酢酸アミロー
ス、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリギ酸ビニル、ポリ−p−クロロスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン、
ポリアクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル、ポリア
セナフチレン、1,4−ポリイソプレン、ポリ−p−イ
ソプロピルスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリオキシメチレン、ポリプロピレンオキシド、ポ
リメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸エチル、
ポリメタクリル酸−2−エチルブチル、ポリメタクリル
酸−n−ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸−n−ラウリル、ポリ−α−メチルスチレン、ポ
リ−p−メチルスチレン、ポ−o−メトキシスチレン、
ポリ−p−メトキシスチレン、ポリテトラヒドロフラ
ン、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリ−1−ビニルナフタレン、ポリ−2−ビニル
ナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリ−2−ビニル
ピリジン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、
ポリブテン、ポリブテンオキシド、ポリプロピレンおよ
びこれらの共重合体を挙げることができる。これらのう
ちでは、ポリエチレンテレフタレート(PETP)のフ
ィルムが最も好ましい。
中0.1〜1重量%が好ましい。用いることのできるラ
テックスとしては、ポリアミド、ポリオレフィン、アク
リル酸エチル−メタクリル酸エチル共重合体、アクリロ
ニトリル−メタクリル酸メチル共重合体、酢酸アミロー
ス、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリカーボネー
ト、ポリギ酸ビニル、ポリ−p−クロロスチレン、ポリ
酢酸ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン、
ポリアクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル、ポリア
セナフチレン、1,4−ポリイソプレン、ポリ−p−イ
ソプロピルスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリオキシメチレン、ポリプロピレンオキシド、ポ
リメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸エチル、
ポリメタクリル酸−2−エチルブチル、ポリメタクリル
酸−n−ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸−n−ラウリル、ポリ−α−メチルスチレン、ポ
リ−p−メチルスチレン、ポ−o−メトキシスチレン、
ポリ−p−メトキシスチレン、ポリテトラヒドロフラ
ン、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリ−1−ビニルナフタレン、ポリ−2−ビニル
ナフタレン、ポリビニルビフェニル、ポリ−2−ビニル
ピリジン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、
ポリブテン、ポリブテンオキシド、ポリプロピレンおよ
びこれらの共重合体を挙げることができる。これらのう
ちでは、ポリエチレンテレフタレート(PETP)のフ
ィルムが最も好ましい。
【0048】また、分散液中に界面活性剤を含有させて
もよい。用いることのできる界面活性剤としては、セッ
ケン(高級脂肪酸の金属塩)、高級アルコール硫酸エス
テル塩、α−オレフィンの硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩等のアニオン型界面活性剤、高級ア
ルコールエチレンオキシド付加物、アルキルフェノール
エチレンオキシド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド、
プルロニック型非イオン洗剤等の非イオン型界面活性
剤、アミノ酸型両性洗剤、ペダイン型両性洗剤、ウルト
ラボン型両性洗剤等の両性型界面活性剤を挙げることが
できる。
もよい。用いることのできる界面活性剤としては、セッ
ケン(高級脂肪酸の金属塩)、高級アルコール硫酸エス
テル塩、α−オレフィンの硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩等のアニオン型界面活性剤、高級ア
ルコールエチレンオキシド付加物、アルキルフェノール
エチレンオキシド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド、
プルロニック型非イオン洗剤等の非イオン型界面活性
剤、アミノ酸型両性洗剤、ペダイン型両性洗剤、ウルト
ラボン型両性洗剤等の両性型界面活性剤を挙げることが
できる。
【0049】なお、上記(a)及び(b)の方法では、粒子単
独かあるいは微量のラテックスポリマーを含む系である
ので、突起の高さは版下シート基材表面から粒子の頂上
までであり、沈み込みがない又は少ない場合には、高さ
はほぼ粒子の粒径に近いこととなる。
独かあるいは微量のラテックスポリマーを含む系である
ので、突起の高さは版下シート基材表面から粒子の頂上
までであり、沈み込みがない又は少ない場合には、高さ
はほぼ粒子の粒径に近いこととなる。
【0050】(c)バインダーを多く共存させて分散塗布
する方法 バインダーは15重量%以上共存させることが好まし
い。バインダーの例としても、上記ラテックスで挙げた
重合体又は共重合体と同様のものを挙げることができ
る。バインダーを多く共存させて分散塗布する方法にお
いても、荷重や加熱により版下シートに沈み込むことが
できる。この場合、粒子の周りにはバインダーが多く存
在するために粒子の脱落防止の観点から有利である。こ
の方法による突起の高さは、バインダー表面と粒子頂上
との間になる。
する方法 バインダーは15重量%以上共存させることが好まし
い。バインダーの例としても、上記ラテックスで挙げた
重合体又は共重合体と同様のものを挙げることができ
る。バインダーを多く共存させて分散塗布する方法にお
いても、荷重や加熱により版下シートに沈み込むことが
できる。この場合、粒子の周りにはバインダーが多く存
在するために粒子の脱落防止の観点から有利である。こ
の方法による突起の高さは、バインダー表面と粒子頂上
との間になる。
【0051】なお、上記の如くして得られた突起を形成
した版下シート上に、更に脱落防止を目的として、薄層
(オーバーコート層)を設けても良い。オーバーコート
に用いる素材も上記ラテックスで挙げたと同様の重合体
又は共重合体を挙げることができる。オーバーコート層
は、スプレー塗布やバー塗布などの方法によって設ける
ことができる。膜厚は特に限定的ではないが、0.5〜
10μmが好ましい。
した版下シート上に、更に脱落防止を目的として、薄層
(オーバーコート層)を設けても良い。オーバーコート
に用いる素材も上記ラテックスで挙げたと同様の重合体
又は共重合体を挙げることができる。オーバーコート層
は、スプレー塗布やバー塗布などの方法によって設ける
ことができる。膜厚は特に限定的ではないが、0.5〜
10μmが好ましい。
【0052】また本発明では、粒径1〜50μmの粒子
を用いて、該突起の面積占有率を0.5%〜4%の範囲
とすることにより、静電塗装法等の如き粒子同士の凝集
が起こりやすい方法で凹凸を形成しても、目的の突起高
さを達成できることがわかった。突起の面積占有率を上
記の如く小さくすることににより、粒子の重なりが有効
に防止できるものと推定される。
を用いて、該突起の面積占有率を0.5%〜4%の範囲
とすることにより、静電塗装法等の如き粒子同士の凝集
が起こりやすい方法で凹凸を形成しても、目的の突起高
さを達成できることがわかった。突起の面積占有率を上
記の如く小さくすることににより、粒子の重なりが有効
に防止できるものと推定される。
【0053】本発明において、平版印刷版の裏面が凹む
のは、平版印刷版と版下シートとを版胴に巻き込みなが
ら、平版印刷版と版胴との間に版下シートを挟む工程中
であってもよく、また平版印刷版と版胴との間に版下シ
ートを挟む工程では凹まず、挟んだ後に印圧をかけたと
き初めて平版印刷版の裏面が凹んでもよい。
のは、平版印刷版と版下シートとを版胴に巻き込みなが
ら、平版印刷版と版胴との間に版下シートを挟む工程中
であってもよく、また平版印刷版と版胴との間に版下シ
ートを挟む工程では凹まず、挟んだ後に印圧をかけたと
き初めて平版印刷版の裏面が凹んでもよい。
【0054】本発明において用いられる平版印刷版の種
類は特に限定されず、平版印刷版としては、一般のPS
版、銀拡散性感光層を有するもの、電子写真製版による
もの、等が挙げられる。
類は特に限定されず、平版印刷版としては、一般のPS
版、銀拡散性感光層を有するもの、電子写真製版による
もの、等が挙げられる。
【0055】版下シートを版胴に固定する方法として
は、版下シートの支持体の裏面に接着層を設け、当該接
着層には、スプレー糊、両面テープ等の接着剤若しくは
粘着剤を用いる方法が挙げられる。また、版下シートに
接着層を設けず、版下シートの先端及び後端を版胴に設
けた爪部によって係止する方法が挙げられる。又は、そ
れらを組み合わせた方法を用いることもできる。
は、版下シートの支持体の裏面に接着層を設け、当該接
着層には、スプレー糊、両面テープ等の接着剤若しくは
粘着剤を用いる方法が挙げられる。また、版下シートに
接着層を設けず、版下シートの先端及び後端を版胴に設
けた爪部によって係止する方法が挙げられる。又は、そ
れらを組み合わせた方法を用いることもできる。
【0056】このような版胴11に刷版70を装着する
にあたって、オペレータは先ず、刷版70をガイド手段
20にセットし、版先クランプ機構の上歯12aと下歯
12bの間の隙間に版先70aを差し込むように刷版7
0を押し込み、図2に示した位置決めピン14に版先7
0aの切欠71の内周面を当接させ、版先70aの位置
決めを行う。その状態で上歯12aを閉じ、版先70a
を固定する。
にあたって、オペレータは先ず、刷版70をガイド手段
20にセットし、版先クランプ機構の上歯12aと下歯
12bの間の隙間に版先70aを差し込むように刷版7
0を押し込み、図2に示した位置決めピン14に版先7
0aの切欠71の内周面を当接させ、版先70aの位置
決めを行う。その状態で上歯12aを閉じ、版先70a
を固定する。
【0057】次に図1の状態において、図示しない制御
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転し、刷版
70を版胴11に巻き付けていく。版胴11を回転して
いき、制御手段が、押さえローラ17が版胴の平面部1
1aに当接可能な版胴の回転位置を検知した時点で、当
該制御手段は版胴11の回転を停止する。
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転し、刷版
70を版胴11に巻き付けていく。版胴11を回転して
いき、制御手段が、押さえローラ17が版胴の平面部1
1aに当接可能な版胴の回転位置を検知した時点で、当
該制御手段は版胴11の回転を停止する。
【0058】そして図5に示すように、押さえローラ1
7を版胴の平面部11aに当接させ、刷版70を版胴1
1の外周面に押しつける。そして再び、図示しない制御
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転する。こ
うすることで、押さえローラ17により、刷版70を版
胴の頂部11cの前後で版胴外周面に押しつけることが
できる。このとき、シリンダ18によって版胴外周面に
向かって付勢されている押さえローラ17は、版胴外周
面の形状にあわせて進退移動する。
7を版胴の平面部11aに当接させ、刷版70を版胴1
1の外周面に押しつける。そして再び、図示しない制御
手段により版胴11を反時計回りの方向に回転する。こ
うすることで、押さえローラ17により、刷版70を版
胴の頂部11cの前後で版胴外周面に押しつけることが
できる。このとき、シリンダ18によって版胴外周面に
向かって付勢されている押さえローラ17は、版胴外周
面の形状にあわせて進退移動する。
【0059】版胴11を回転していき、そして、図6に
示すように、版尻クランプ機構13の近傍まで刷版が巻
回された時点で、図示しない制御手段は版胴11の回転
を停止する。
示すように、版尻クランプ機構13の近傍まで刷版が巻
回された時点で、図示しない制御手段は版胴11の回転
を停止する。
【0060】この時点でオペレータは、図7に示すよう
に、刷版の版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻ク
ランプ機構の上歯13aと下歯13bの間の隙間に差し
込む。このとき版尻70bは、版胴11の平面部11a
および下歯13b上面から浮き上がっている。そして再
び、図示しない制御手段により版胴11を反時計回りの
方向に回転する。こうすることで、押さえローラ17に
より、刷版を版胴の頂部の前後で版胴外周面に押しつけ
ることができるとともに、図8に示すように、版尻を平
面部11aおよび下歯13b上面に密着させることがで
きる。最後に、版尻クランプ機構の上歯13aを閉じて
版尻を固定した後、図示しない制御手段により押さえロ
ーラ17を刷版70から退避させることで、可撓性の刷
版の版胴11への装着が完了する。
に、刷版の版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻ク
ランプ機構の上歯13aと下歯13bの間の隙間に差し
込む。このとき版尻70bは、版胴11の平面部11a
および下歯13b上面から浮き上がっている。そして再
び、図示しない制御手段により版胴11を反時計回りの
方向に回転する。こうすることで、押さえローラ17に
より、刷版を版胴の頂部の前後で版胴外周面に押しつけ
ることができるとともに、図8に示すように、版尻を平
面部11aおよび下歯13b上面に密着させることがで
きる。最後に、版尻クランプ機構の上歯13aを閉じて
版尻を固定した後、図示しない制御手段により押さえロ
ーラ17を刷版70から退避させることで、可撓性の刷
版の版胴11への装着が完了する。
【0061】以上のような構成の刷版装着装置10にお
いては、可撓性の刷版70の版先70aが、版先クラン
プ機構の下歯12bに突設された7本の位置決めピン1
4に当接されて位置決めがなされる。したがって、版胴
における各位置決めピンの間隔は従来のものに比べて狭
くなっており、菊半裁判等の大判の刷版であっても、位
置決めピン14の間から版先70aが突出するように、
刷版が変形してしまうことはない。
いては、可撓性の刷版70の版先70aが、版先クラン
プ機構の下歯12bに突設された7本の位置決めピン1
4に当接されて位置決めがなされる。したがって、版胴
における各位置決めピンの間隔は従来のものに比べて狭
くなっており、菊半裁判等の大判の刷版であっても、位
置決めピン14の間から版先70aが突出するように、
刷版が変形してしまうことはない。
【0062】そして刷版装着装置10においては、押さ
えローラ17が、刷版を版胴外周面の頂部(版先クラン
プ機構12側の頂部、および版尻クランプ機構13側の
頂部)11cの前後を含む当該外周面に押しつけるの
で、版胴11に巻装された刷版70が版胴外周面から浮
いていることはない。したがって、刷版70の浮きをな
くすために、オペレータが版尻70bを強く引張らなく
てよいので、可撓性刷版の版尻70bに、伸び等の変形
が生じることはない。また、可撓性刷版装着におけるオ
ペレータの負担が軽減される。
えローラ17が、刷版を版胴外周面の頂部(版先クラン
プ機構12側の頂部、および版尻クランプ機構13側の
頂部)11cの前後を含む当該外周面に押しつけるの
で、版胴11に巻装された刷版70が版胴外周面から浮
いていることはない。したがって、刷版70の浮きをな
くすために、オペレータが版尻70bを強く引張らなく
てよいので、可撓性刷版の版尻70bに、伸び等の変形
が生じることはない。また、可撓性刷版装着におけるオ
ペレータの負担が軽減される。
【0063】本実施形態においては、版尻70bを版尻
クランプ機構13に固定する際に、オペレータが刷版の
版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻クランプ機構
の上歯13aと下歯13bの間に差し込むので、版尻ク
ランプ機構13を、上歯13aを大きく開くことができ
る構造にしなくてよい。したがって、構造を簡素化でき
る。
クランプ機構13に固定する際に、オペレータが刷版の
版尻近傍を湾曲させて、版尻70bを版尻クランプ機構
の上歯13aと下歯13bの間に差し込むので、版尻ク
ランプ機構13を、上歯13aを大きく開くことができ
る構造にしなくてよい。したがって、構造を簡素化でき
る。
【0064】また、ガイド手段20の板状部材21とし
て、印刷装置50のカバーを用いているので、装置のコ
ストダウンおよび小型化が可能である。そして、7本の
位置決めピン14のうち、1本の位置決めピンの版胴軸
方向の幅が、他の位置決めピンの版胴軸方向の幅より広
く設定されている。したがって、位置決めピン14に刷
版の切欠71内周面を容易に当接させることができる。
また、版胴軸方向の幅を広く設定された1本の位置決め
ピンによって、刷版70を正確に位置決めすることがで
きる。
て、印刷装置50のカバーを用いているので、装置のコ
ストダウンおよび小型化が可能である。そして、7本の
位置決めピン14のうち、1本の位置決めピンの版胴軸
方向の幅が、他の位置決めピンの版胴軸方向の幅より広
く設定されている。したがって、位置決めピン14に刷
版の切欠71内周面を容易に当接させることができる。
また、版胴軸方向の幅を広く設定された1本の位置決め
ピンによって、刷版70を正確に位置決めすることがで
きる。
【0065】また、版胴11が、制御手段によって自動
的に回転され、所定位置で回転を停止され、押さえロー
ラ17も制御手段によって所定位置で自動的に版胴11
に接離するので、オペレータの負担が一層軽減される。
そして、版胴11には、版ずれ防止機能を有する版下シ
ートが巻装固定されている。この際、版下シート表面の
凹凸を各平版印刷版の裏面にそれぞれ圧接させ、版下シ
ート表面の突起を各平版印刷版の裏面にそれぞれ食い込
ませる。これにより、各平版印刷版の裏面を、版下シー
トの凹凸に合わせて凹ませる。したがって、刷版70が
版胴外周面に接触した後の当該刷版の変形やずれを確実
に防止できる。なお、本実施形態においては、押さえロ
ーラ17を版胴11に対して接離するとき等に版胴11
の回転を停止させているが、図示しない制御手段の設定
を変えて、版胴11を停止させずに押さえローラ17を
版胴11に接離させてもよい。
的に回転され、所定位置で回転を停止され、押さえロー
ラ17も制御手段によって所定位置で自動的に版胴11
に接離するので、オペレータの負担が一層軽減される。
そして、版胴11には、版ずれ防止機能を有する版下シ
ートが巻装固定されている。この際、版下シート表面の
凹凸を各平版印刷版の裏面にそれぞれ圧接させ、版下シ
ート表面の突起を各平版印刷版の裏面にそれぞれ食い込
ませる。これにより、各平版印刷版の裏面を、版下シー
トの凹凸に合わせて凹ませる。したがって、刷版70が
版胴外周面に接触した後の当該刷版の変形やずれを確実
に防止できる。なお、本実施形態においては、押さえロ
ーラ17を版胴11に対して接離するとき等に版胴11
の回転を停止させているが、図示しない制御手段の設定
を変えて、版胴11を停止させずに押さえローラ17を
版胴11に接離させてもよい。
【0066】次に、図9および図10に基づいて本発明
の第2実施形態を説明する。本実施形態の刷版装着装置
においては、版胴として、図19および図20に示した
従来の版胴61を使用する。そして版胴61には、前述
した第1実施形態において用いた、少なくとも片面を粗
面に形成した版下材料27(図3参照)を、その粗面が
表面側となるように巻装固定する。そして本実施形態
は、版胴を除いて第1実施形態の刷版装着装置10(図
1参照)と同様の構成を備えている。
の第2実施形態を説明する。本実施形態の刷版装着装置
においては、版胴として、図19および図20に示した
従来の版胴61を使用する。そして版胴61には、前述
した第1実施形態において用いた、少なくとも片面を粗
面に形成した版下材料27(図3参照)を、その粗面が
表面側となるように巻装固定する。そして本実施形態
は、版胴を除いて第1実施形態の刷版装着装置10(図
1参照)と同様の構成を備えている。
【0067】図9に、本実施形態において使用する、可
撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン当
接部材30とを示す。刷版80の版先には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、その
周縁が略U字状の切欠81が形成されている。また版先
には、刷版80の幅方向(図9では左右方向)に適宜の
間隔を隔てて、少なくとも3個(ここでは7個)の固着
孔82が穿設されている。ピン当接部材30は、金属等
の高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの帯
状の基板31を備えている。基板31には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、円形
状の嵌挿孔33が設けられている。また基板31には、
当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔てて、少なくとも
3個(ここでは7本)の固着ピン32が突設されてい
る。
撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン当
接部材30とを示す。刷版80の版先には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、その
周縁が略U字状の切欠81が形成されている。また版先
には、刷版80の幅方向(図9では左右方向)に適宜の
間隔を隔てて、少なくとも3個(ここでは7個)の固着
孔82が穿設されている。ピン当接部材30は、金属等
の高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの帯
状の基板31を備えている。基板31には、図20に示
した2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、円形
状の嵌挿孔33が設けられている。また基板31には、
当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔てて、少なくとも
3個(ここでは7本)の固着ピン32が突設されてい
る。
【0068】図10(A)に、刷版80の版先に図9に示
したピン当接部材30を固着した際の、刷版の切欠81
近傍の拡大図を示す。また、図10(B)に、図10(A)に
おけるY−Y断面図を示す。図10(A)に示すように、
刷版80の固着孔82にピン当接部材30の固着ピン3
2を挿着することで、刷版80にピン当接部材30が固
定される。このとき、ピン当接部材の円形状嵌挿孔33
の周縁の一部が、刷版80の切欠81の略U字状周縁の
湾曲部と一致するように設定されている。
したピン当接部材30を固着した際の、刷版の切欠81
近傍の拡大図を示す。また、図10(B)に、図10(A)に
おけるY−Y断面図を示す。図10(A)に示すように、
刷版80の固着孔82にピン当接部材30の固着ピン3
2を挿着することで、刷版80にピン当接部材30が固
定される。このとき、ピン当接部材の円形状嵌挿孔33
の周縁の一部が、刷版80の切欠81の略U字状周縁の
湾曲部と一致するように設定されている。
【0069】刷版80を図20に示した版胴61に装着
する際には、ピン当接部材30に刷版80の版先を固着
してから、当該版先を版先クランプ機構62に固定して
もよいし、ピン当接部材30の嵌挿孔33に版先クラン
プ機構62の位置決めピン64を嵌挿した状態で、ピン
当接部材30に刷版80の版先を固着してもよい。図1
0(B)に1点鎖線で示すように、ピン当接部材の嵌挿孔
33に版胴の位置決めピン64を嵌挿した際には、刷版
の切欠81内周面は、ピン当接部材の嵌挿孔33の内周
面とともに位置決めピン64に当接する。刷版80を版
胴61に巻装する作業は、第1実施形態のときと同様に
行われる。
する際には、ピン当接部材30に刷版80の版先を固着
してから、当該版先を版先クランプ機構62に固定して
もよいし、ピン当接部材30の嵌挿孔33に版先クラン
プ機構62の位置決めピン64を嵌挿した状態で、ピン
当接部材30に刷版80の版先を固着してもよい。図1
0(B)に1点鎖線で示すように、ピン当接部材の嵌挿孔
33に版胴の位置決めピン64を嵌挿した際には、刷版
の切欠81内周面は、ピン当接部材の嵌挿孔33の内周
面とともに位置決めピン64に当接する。刷版80を版
胴61に巻装する作業は、第1実施形態のときと同様に
行われる。
【0070】以上のような構成の刷版装着装置において
は、可撓性の刷版80の版先を、版先クランプ機構で位
置決めして固定する際に、当該版先が高剛性のピン当接
部材30によって保護され、当該版先の変形が防止され
る。したがって、ピン当接部材30を用いることで、位
置決めピンの数を増やさなくても刷版の変形を防止でき
るようになり、既設の印刷装置の版胴61を使用するこ
とも可能となる。本実施形態を既設の設備を用いて実施
すれば、設備コストを大幅に抑制できる。
は、可撓性の刷版80の版先を、版先クランプ機構で位
置決めして固定する際に、当該版先が高剛性のピン当接
部材30によって保護され、当該版先の変形が防止され
る。したがって、ピン当接部材30を用いることで、位
置決めピンの数を増やさなくても刷版の変形を防止でき
るようになり、既設の印刷装置の版胴61を使用するこ
とも可能となる。本実施形態を既設の設備を用いて実施
すれば、設備コストを大幅に抑制できる。
【0071】次に、図11および図12に基づいて、本
発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、前述し
た第2実施形態におけるピン当接部材30に変更を加え
たもので、他の構成は第2実施形態と同様である。
発明の第3実施形態を説明する。本実施形態は、前述し
た第2実施形態におけるピン当接部材30に変更を加え
たもので、他の構成は第2実施形態と同様である。
【0072】図11に、本実施形態において使用する、
可撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン
当接部材40とを示す。ピン当接部材40は、金属等の
高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの基板
41を備えている。基板41には、図20に示した版胴
61の2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、そ
の周縁が略U字状である切欠43が設けられている。ま
た基板41には、当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔
てて、少なくとも3本(ここでは7本)の固着ピン42
が突設されている。
可撓性の刷版80と、刷版80の版先に固着されるピン
当接部材40とを示す。ピン当接部材40は、金属等の
高剛性の材質からなる、刷版80の幅以上の長さの基板
41を備えている。基板41には、図20に示した版胴
61の2箇所の位置決めピン64に対応する箇所に、そ
の周縁が略U字状である切欠43が設けられている。ま
た基板41には、当該基板の長手方向に適宜の間隔を隔
てて、少なくとも3本(ここでは7本)の固着ピン42
が突設されている。
【0073】図12に、刷版80の版先にピン当接部材
40を固着した際の、刷版の切欠81近傍の拡大図を示
す。同図に示すように、刷版80の固着孔82にピン当
接部材40の固着ピン42を挿着することで、刷版80
にピン当接部材40が固着される。このとき、ピン当接
部材40の切欠43の周縁が、刷版80の切欠81の周
縁と一致するように設定されている。
40を固着した際の、刷版の切欠81近傍の拡大図を示
す。同図に示すように、刷版80の固着孔82にピン当
接部材40の固着ピン42を挿着することで、刷版80
にピン当接部材40が固着される。このとき、ピン当接
部材40の切欠43の周縁が、刷版80の切欠81の周
縁と一致するように設定されている。
【0074】以上のような構成の版胴装着装置によれ
ば、ピン当接部材40を刷版80の版先に固着してか
ら、当該版先を版先クランプ機構に固定する際に、ピン
当接部材40を版先クランプ機構の上歯と下歯の間に差
し込んで、ピン当接部材40および刷版80版先の位置
決めを行うことができるので、版先の位置決め及び固定
作業が一層簡略化される。
ば、ピン当接部材40を刷版80の版先に固着してか
ら、当該版先を版先クランプ機構に固定する際に、ピン
当接部材40を版先クランプ機構の上歯と下歯の間に差
し込んで、ピン当接部材40および刷版80版先の位置
決めを行うことができるので、版先の位置決め及び固定
作業が一層簡略化される。
【0075】図13に、本発明の第4実施形態を示す。
本実施形態の刷版装着装置90においては、版胴91
の、版尻クランプ機構93における上歯93aを、下歯
93b上面から大きく引き離すことができる、すなわち
下歯93b上面を覆わない状態にできるようになってい
る。ここでは、上歯93a下面と下歯93b上面とのな
す角が、図13における状態で版尻と上歯93aのクラ
ンプ面とが接触しない角度以上になるまで上歯93aを
回動できるようになっている。
本実施形態の刷版装着装置90においては、版胴91
の、版尻クランプ機構93における上歯93aを、下歯
93b上面から大きく引き離すことができる、すなわち
下歯93b上面を覆わない状態にできるようになってい
る。ここでは、上歯93a下面と下歯93b上面とのな
す角が、図13における状態で版尻と上歯93aのクラ
ンプ面とが接触しない角度以上になるまで上歯93aを
回動できるようになっている。
【0076】刷版装着の際には、第1実施形態と同様な
手順によって、版先を版先クランプ機構92によって固
定し、版胴91外周面に刷版を巻回していく。そして、
図13に示すように、版尻クランプ機構93の近傍まで
刷版が巻回された時点で、版尻クランプ機構93の上歯
93aを大きく開いて、上歯93aが下歯93b上面を
覆わない状態にする。
手順によって、版先を版先クランプ機構92によって固
定し、版胴91外周面に刷版を巻回していく。そして、
図13に示すように、版尻クランプ機構93の近傍まで
刷版が巻回された時点で、版尻クランプ機構93の上歯
93aを大きく開いて、上歯93aが下歯93b上面を
覆わない状態にする。
【0077】そして図13に示すように、押さえローラ
17を版胴91の曲面部に当接させて刷版を版胴外周面
に押しつけつつ、版胴91を反時計回りの方向に回転す
る。こうすることで、押さえローラ17により、刷版を
版胴の頂部91cの前後で版胴外周面に押しつけること
ができるとともに、版尻70bを版胴の平面部91aお
よび下歯93b上面に密着させることができる。最後
に、版尻クランプ機構の上歯93aを閉じて版尻70b
を固定した後、押さえローラ17を刷版から退避させる
ことで、可撓性の刷版の版胴91への装着が完了する。
17を版胴91の曲面部に当接させて刷版を版胴外周面
に押しつけつつ、版胴91を反時計回りの方向に回転す
る。こうすることで、押さえローラ17により、刷版を
版胴の頂部91cの前後で版胴外周面に押しつけること
ができるとともに、版尻70bを版胴の平面部91aお
よび下歯93b上面に密着させることができる。最後
に、版尻クランプ機構の上歯93aを閉じて版尻70b
を固定した後、押さえローラ17を刷版から退避させる
ことで、可撓性の刷版の版胴91への装着が完了する。
【0078】以上のような構成の刷版装着装置90にお
いては、刷版の版尻70bを湾曲させて版尻クランプ機
構93の上歯93aと下歯93bの間に差し込まなくて
よいので、刷版装着作業が一層簡略化されており、自動
化にも適している。
いては、刷版の版尻70bを湾曲させて版尻クランプ機
構93の上歯93aと下歯93bの間に差し込まなくて
よいので、刷版装着作業が一層簡略化されており、自動
化にも適している。
【0079】図14に、本発明の第5実施形態を示す。
本実施形態の刷版装着装置100においては、版胴10
1の少なくとも頂部の前後で刷版70を版胴外周面に押
しつける押圧手段として、平面押圧手段が用いられてい
る。ここで平面押圧手段は、一平面を形成するように先
端を略揃えたブラシ117を、エアシリンダ18によっ
て駆動して版胴101に接離できるように構成されてい
る。ブラシとしては、ナイロン、ポリプロピレン、塩化
ビニル、PBT、アラミド等の化学合成繊維、植物繊維
(パーム)、又は動物繊維(豚毛、馬毛、山羊毛等)か
らなるものを採用できる。
本実施形態の刷版装着装置100においては、版胴10
1の少なくとも頂部の前後で刷版70を版胴外周面に押
しつける押圧手段として、平面押圧手段が用いられてい
る。ここで平面押圧手段は、一平面を形成するように先
端を略揃えたブラシ117を、エアシリンダ18によっ
て駆動して版胴101に接離できるように構成されてい
る。ブラシとしては、ナイロン、ポリプロピレン、塩化
ビニル、PBT、アラミド等の化学合成繊維、植物繊維
(パーム)、又は動物繊維(豚毛、馬毛、山羊毛等)か
らなるものを採用できる。
【0080】刷版70を版胴101に巻装する作業は、
第1実施形態のときと同様に行われる。しかし本実施形
態においては、平面押圧手段によって、広い領域にわた
って刷版70を版胴101外周面に押しつけることがで
きるので、刷版70を巻回していく過程において版胴1
01を停止するタイミングの精度は低くてもよい。
第1実施形態のときと同様に行われる。しかし本実施形
態においては、平面押圧手段によって、広い領域にわた
って刷版70を版胴101外周面に押しつけることがで
きるので、刷版70を巻回していく過程において版胴1
01を停止するタイミングの精度は低くてもよい。
【0081】以上のような構成の刷版装着装置100に
おいては、平面押圧手段によって、、広い領域にわたっ
て刷版70を版胴101外周面に押しつけることができ
るので、版胴101外周面からの刷版の浮きを、確実か
つ容易に防止できる。例えば、版胴を手動によって回転
・停止しながら刷版の装着を行うこともできる。なお、
本実施形態においては、ブラシの先端が一平面を形成す
るように構成したが、刷版を版胴外周面に確実に押しつ
けられれば、複数の平面を形成するようにブラシの先端
を揃えてもよく、例えば断面視においてブラシ先端面が
V字状等になるようにブラシの先端を揃えてもよい。
おいては、平面押圧手段によって、、広い領域にわたっ
て刷版70を版胴101外周面に押しつけることができ
るので、版胴101外周面からの刷版の浮きを、確実か
つ容易に防止できる。例えば、版胴を手動によって回転
・停止しながら刷版の装着を行うこともできる。なお、
本実施形態においては、ブラシの先端が一平面を形成す
るように構成したが、刷版を版胴外周面に確実に押しつ
けられれば、複数の平面を形成するようにブラシの先端
を揃えてもよく、例えば断面視においてブラシ先端面が
V字状等になるようにブラシの先端を揃えてもよい。
【0082】また本実施形態においては、ブラシを用い
て平面押圧手段を構成したが、ブラシの代わりに、スポ
ンジ(ウレタンスポンジ、セルローススポンジ等)やフ
ェルト等からなるパッドを用いてもよい。スポンジ、フ
ェルトやゴム等の心材をモルトン(布)で被覆した構成
のパッドを用いることもできる。
て平面押圧手段を構成したが、ブラシの代わりに、スポ
ンジ(ウレタンスポンジ、セルローススポンジ等)やフ
ェルト等からなるパッドを用いてもよい。スポンジ、フ
ェルトやゴム等の心材をモルトン(布)で被覆した構成
のパッドを用いることもできる。
【0083】次に、図15および図16に基づいて、本
発明の第6実施形態を説明する。図15に、本実施形態
における版胴111の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構112
と版尻クランプ機構113とが設けられている。版先ク
ランプ機構112の下歯112bには、版胴111の軸
方向に所定の間隔を隔てて平面視矩形状の切欠が設けら
れており、その切欠内に、版胴111に一体的に設けら
れたピンブロック119が配置されている。そして、ピ
ンブロック119上に位置決めピン114が突設されて
いる。図15におけるY−Y断面図である図16に示す
ように、ピンブロック119の一方の側面は、溝部11
5の側面に密着している。
発明の第6実施形態を説明する。図15に、本実施形態
における版胴111の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構112
と版尻クランプ機構113とが設けられている。版先ク
ランプ機構112の下歯112bには、版胴111の軸
方向に所定の間隔を隔てて平面視矩形状の切欠が設けら
れており、その切欠内に、版胴111に一体的に設けら
れたピンブロック119が配置されている。そして、ピ
ンブロック119上に位置決めピン114が突設されて
いる。図15におけるY−Y断面図である図16に示す
ように、ピンブロック119の一方の側面は、溝部11
5の側面に密着している。
【0084】以上のような構成の刷版装着装置において
は、位置決めピン114がピンブロックを介して版胴1
11に一体的に設けられている。したがって、より正確
な版先部の位置決めが可能である。
は、位置決めピン114がピンブロックを介して版胴1
11に一体的に設けられている。したがって、より正確
な版先部の位置決めが可能である。
【0085】次に、図17および図18に基づいて、本
発明の第7実施形態を説明する。図17に、本実施形態
における版胴121の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構122
と版尻クランプ機構123とが設けられている。各クラ
ンプ機構122,123は、板状の上歯122a,12
3aを備えている。本実施形態においては上歯122
a,123aが溝部125内で固定されている。そし
て、版先クランプ機構122の上歯122aの下面に
は、版胴の軸方向に所定の間隔を隔てて位置決めピン1
24が突設されている。
発明の第7実施形態を説明する。図17に、本実施形態
における版胴121の部分拡大図を示す。版胴111に
設けられた溝部115内には、版先クランプ機構122
と版尻クランプ機構123とが設けられている。各クラ
ンプ機構122,123は、板状の上歯122a,12
3aを備えている。本実施形態においては上歯122
a,123aが溝部125内で固定されている。そし
て、版先クランプ機構122の上歯122aの下面に
は、版胴の軸方向に所定の間隔を隔てて位置決めピン1
24が突設されている。
【0086】図18に、図17におけるY−Y断面図を
示す。溝部125の底面上に配置された下歯122bの
上部には、上歯122aから垂下する位置決めピン12
4に対応する箇所で径を小さくした軸状のカム部材13
0が設けられている。そして、カム部材130と上歯1
22aとの間に、板ばね131が配設されている。カム
部材130を回転することで、上歯122aと板ばね1
31の間を開閉でき、刷版70の版先を挟持できる。す
なわち、本実施形態においては、板ばね131が、上歯
122aとの間で版先を挟持する下歯として実質的に機
能している。
示す。溝部125の底面上に配置された下歯122bの
上部には、上歯122aから垂下する位置決めピン12
4に対応する箇所で径を小さくした軸状のカム部材13
0が設けられている。そして、カム部材130と上歯1
22aとの間に、板ばね131が配設されている。カム
部材130を回転することで、上歯122aと板ばね1
31の間を開閉でき、刷版70の版先を挟持できる。す
なわち、本実施形態においては、板ばね131が、上歯
122aとの間で版先を挟持する下歯として実質的に機
能している。
【0087】以上のような構成の刷版装着装置において
は、位置決めピン124が下歯122b側に向かって延
びるように上歯122aに設けられており、上歯122
aが可動ではない。したがって、押さえローラを上歯1
22aの極く近傍まで接近させることができ、より確実
に刷版70を版胴121に密着させることができる。
は、位置決めピン124が下歯122b側に向かって延
びるように上歯122aに設けられており、上歯122
aが可動ではない。したがって、押さえローラを上歯1
22aの極く近傍まで接近させることができ、より確実
に刷版70を版胴121に密着させることができる。
【0088】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、適宜な変形・改良等が可能である。
れるものではなく、適宜な変形・改良等が可能である。
【0089】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、勿論本
発明はこれだけに限定されるものではない。
発明はこれだけに限定されるものではない。
【0090】本発明の優位性を立証するために実際に印
刷して評価した。具体的条件及び結果を以下に詳述す
る。
刷して評価した。具体的条件及び結果を以下に詳述す
る。
【0091】実施例1及び比較例1版下シートの作製 低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンの混合比率を
変えてデュロ硬度の異なる4種類の200μm厚さのシ
ートを作成した。また、デュロ硬度72の厚さ80μm
のポリエチレンテレフタレートフイルムの片面にデュロ
硬度55の低密度ポリエチレンを通常の溶融押し出し法
によって20μmにラミネートしたシートを作成した
(ポリエチレン面が版下に接する)。合計5種類の平版
印刷用版下支持体を作成した。また、ガラス粒子(東芝
ガラス製GB731)を、粉体用遠心分離器により0.
5〜60μmのサイズに分級して、サイズの異なる粒子
を得た。これらの粒子を静電塗装により版下シート表面
に粒子の面積占有率が0.05〜5%になるように塗装
した。その後クロムメッキした金属板とこの版下シート
の塗装面が上になるように重ねて、120℃のオーブン
中に1分間入れて、粒子を版下シートに固着した。
変えてデュロ硬度の異なる4種類の200μm厚さのシ
ートを作成した。また、デュロ硬度72の厚さ80μm
のポリエチレンテレフタレートフイルムの片面にデュロ
硬度55の低密度ポリエチレンを通常の溶融押し出し法
によって20μmにラミネートしたシートを作成した
(ポリエチレン面が版下に接する)。合計5種類の平版
印刷用版下支持体を作成した。また、ガラス粒子(東芝
ガラス製GB731)を、粉体用遠心分離器により0.
5〜60μmのサイズに分級して、サイズの異なる粒子
を得た。これらの粒子を静電塗装により版下シート表面
に粒子の面積占有率が0.05〜5%になるように塗装
した。その後クロムメッキした金属板とこの版下シート
の塗装面が上になるように重ねて、120℃のオーブン
中に1分間入れて、粒子を版下シートに固着した。
【0092】印刷評価には三菱重工業製DAIYA−1
F2 2色オフセット枚葉輪転印刷機を使用した。
F2 2色オフセット枚葉輪転印刷機を使用した。
【0093】評価項目 本発明の優位性を立証するための指標として、刷版装着
時先端位置精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ず
れ量、及び印刷ムラの4項目について評価した。
時先端位置精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ず
れ量、及び印刷ムラの4項目について評価した。
【0094】評価方法は、1色目版胴に装着位置精度が
良好で印刷による版ずれが生じないアルミ支持体刷版を
装着し、2色目版胴に可撓性刷版を以下の各方法で装着
し、2色印刷を行ない、このとき1色目の印刷位置を基
準とし、2色目の印刷位置とのずれ量を測定する方法に
よった。以下に印刷評価方法を詳細に説明する。
良好で印刷による版ずれが生じないアルミ支持体刷版を
装着し、2色目版胴に可撓性刷版を以下の各方法で装着
し、2色印刷を行ない、このとき1色目の印刷位置を基
準とし、2色目の印刷位置とのずれ量を測定する方法に
よった。以下に印刷評価方法を詳細に説明する。
【0095】刷版の準備 可撓性刷版としてポリエチレンテレフタレート(PE
T)を支持体とする厚み120μmの三菱製紙製 SD
P−FHN100を使用した。アルミ支持体刷版として
厚み300μmの富士写真フイルム製 LP−NS2を
使用した。露光はオプトロニクス社製 XLP4000
プレートセッターを使用した。上記2種の版材に同一の
評価画像をそれぞれの標準露光条件で露光した。評価画
像として上記印刷機の最大印刷長における最先端と最後
端に相当する版上の位置に測定点としてレジスターマー
クを付した。露光後それぞれの純正システムにより現像
処理を行ない評価用の刷版を得た。従って、得られた可
撓性刷版とアルミ支持体刷版に形成された画像の寸度は
ほぼ同一である。
T)を支持体とする厚み120μmの三菱製紙製 SD
P−FHN100を使用した。アルミ支持体刷版として
厚み300μmの富士写真フイルム製 LP−NS2を
使用した。露光はオプトロニクス社製 XLP4000
プレートセッターを使用した。上記2種の版材に同一の
評価画像をそれぞれの標準露光条件で露光した。評価画
像として上記印刷機の最大印刷長における最先端と最後
端に相当する版上の位置に測定点としてレジスターマー
クを付した。露光後それぞれの純正システムにより現像
処理を行ない評価用の刷版を得た。従って、得られた可
撓性刷版とアルミ支持体刷版に形成された画像の寸度は
ほぼ同一である。
【0096】刷版の装着 印刷機の1色目版胴にアルミ支持体刷版を装着した。測
定の基準となる刷版として、装着時の微小な伸び及び印
刷時の微小な版ずれをもキャンセルするために、以下の
方法により装着した。先ず、版下シートとして片面に3
M社スプレー糊55を撒布した厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを撒布面を版
胴側にして巻装固定する。次に裏面に3M社製スプレー
糊55を撒布したアルミ支持体刷版を従来技術の態様に
より装着する。このとき版尻固定後の張力付加は版尻近
傍の弛みがとれる程度の最小限にとどめ、さらに版先ク
ランプに弛みが残っている場合は版先クランプの微動機
能を用い弛みを除去する。
定の基準となる刷版として、装着時の微小な伸び及び印
刷時の微小な版ずれをもキャンセルするために、以下の
方法により装着した。先ず、版下シートとして片面に3
M社スプレー糊55を撒布した厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルムを撒布面を版
胴側にして巻装固定する。次に裏面に3M社製スプレー
糊55を撒布したアルミ支持体刷版を従来技術の態様に
より装着する。このとき版尻固定後の張力付加は版尻近
傍の弛みがとれる程度の最小限にとどめ、さらに版先ク
ランプに弛みが残っている場合は版先クランプの微動機
能を用い弛みを除去する。
【0097】得られた版下シートを印刷機の2色目版胴
に用い、実施形態1の態様で可撓性刷版を装着した。な
お、版下シートは裏面に3M社スプレー糊55を撒布
し、撒布面を版胴側にして巻装固定した。
に用い、実施形態1の態様で可撓性刷版を装着した。な
お、版下シートは裏面に3M社スプレー糊55を撒布
し、撒布面を版胴側にして巻装固定した。
【0098】刷版装着時先端位置精度及び刷版装着時最
大版伸び量の評価方法 先ず、印刷前に印刷機の天地(回転方向)見当調整機能
を用い1色目版胴と2色目版胴の回転方向の位相を若干
ずらしておく、これにより印刷物上で1色目と2色目の
レジスターマークが重ならずに後述する測定が容易にな
る。そして1回目の印刷を行ない、刷り出し1枚目の印
刷物をサンプリングする。
大版伸び量の評価方法 先ず、印刷前に印刷機の天地(回転方向)見当調整機能
を用い1色目版胴と2色目版胴の回転方向の位相を若干
ずらしておく、これにより印刷物上で1色目と2色目の
レジスターマークが重ならずに後述する測定が容易にな
る。そして1回目の印刷を行ない、刷り出し1枚目の印
刷物をサンプリングする。
【0099】次に、2色目のみ刷版を交換し2回目の印
刷を行なう。1回目の印刷と同様に刷り出し1枚目の印
刷物をサンプリングする。なお、交換した刷版の品種及
び画像は1回目の印刷で用いたものと同じものである。
3回目以降の印刷は2回目の印刷と同様に行ない、本実
施例においては1回目の印刷を含めて計10回の印刷を
行ない、10枚の印刷物をサンプリングした。
刷を行なう。1回目の印刷と同様に刷り出し1枚目の印
刷物をサンプリングする。なお、交換した刷版の品種及
び画像は1回目の印刷で用いたものと同じものである。
3回目以降の印刷は2回目の印刷と同様に行ない、本実
施例においては1回目の印刷を含めて計10回の印刷を
行ない、10枚の印刷物をサンプリングした。
【0100】サンプリングした10枚の印刷物の全てに
ついて、印刷物上の先後端の各測定点における1色目と
2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実測す
る。
ついて、印刷物上の先後端の各測定点における1色目と
2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実測す
る。
【0101】実測した先端部ずれ量(10データ)の最
大値と最小値の差をもって、刷版装着時先端位置精度と
する。
大値と最小値の差をもって、刷版装着時先端位置精度と
する。
【0102】実測した後端部のずれ量と先端部のずれ量
の差を求める。そして10枚の印刷物中の最大値を刷版
装着時最大版伸び量とする。
の差を求める。そして10枚の印刷物中の最大値を刷版
装着時最大版伸び量とする。
【0103】なお、刷版装着時先端位置精度と刷版装着
時最大版伸び量の算出に刷り出し1枚目の印刷物を用い
たのは、刷り出し1枚目であれば印刷による版ずれの影
響はほぼ無視できるので、その印刷画像は刷版装着位置
を反映しているとみなせるからである。
時最大版伸び量の算出に刷り出し1枚目の印刷物を用い
たのは、刷り出し1枚目であれば印刷による版ずれの影
響はほぼ無視できるので、その印刷画像は刷版装着位置
を反映しているとみなせるからである。
【0104】印刷時版ずれ量の評価方法 印刷前までの手順は上記刷版装着時先端位置精度及び刷
版装着時最大版伸び量の測定と同様に行なった。200
0枚の印刷を行ない、1枚目と2000枚目の印刷物を
サンプリングする。次に、サンプリングした1枚目と2
000枚目の印刷物上の後端部測定点における1色目と
2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実測す
る。そして、2000枚目と1枚目の天地方向のずれ量
の差を、印刷時版ずれ量とした。
版装着時最大版伸び量の測定と同様に行なった。200
0枚の印刷を行ない、1枚目と2000枚目の印刷物を
サンプリングする。次に、サンプリングした1枚目と2
000枚目の印刷物上の後端部測定点における1色目と
2色目のレジスターマークの天地方向のずれ量を実測す
る。そして、2000枚目と1枚目の天地方向のずれ量
の差を、印刷時版ずれ量とした。
【0105】印刷ムラの評価 印刷物上の印刷ムラを目視により評価した。印刷ムラは
以下のように解釈している。版下シート表面に粗大粒子
があると、印刷版と重ねられて印刷される状態で、粗大
粒子がPETのような柔らかい印刷版の支持体を変形さ
せ、その部分の印刷版の表面を押し上げてスポット状の
印刷ムラが発生し結果として印刷物上で印刷ムラとして
確認されると解釈している。
以下のように解釈している。版下シート表面に粗大粒子
があると、印刷版と重ねられて印刷される状態で、粗大
粒子がPETのような柔らかい印刷版の支持体を変形さ
せ、その部分の印刷版の表面を押し上げてスポット状の
印刷ムラが発生し結果として印刷物上で印刷ムラとして
確認されると解釈している。
【0106】位置修正のし易さの評価 加えて、刷版を版胴へ装着後における刷版の位置修正の
し易さを評価した。上記印刷後に、版先クランプ機構及
び版尻クランプ機構を図示しない位置調整機構により同
方向に同一量動かした後に再度印刷を行い、サンプリン
グした印刷物の先後端の各測定点における1色目と2色
目のレジスターマークのずれ量を実測し、2000枚目
の印刷物とのずれ量の差をとり、この差をもって、刷版
の移動量とした。前記版先クランプ機構及び版尻クラン
プ機構を動かした量と、前記刷版の移動量との差が少な
いほど刷版の位置修正はし易いことになる。
し易さを評価した。上記印刷後に、版先クランプ機構及
び版尻クランプ機構を図示しない位置調整機構により同
方向に同一量動かした後に再度印刷を行い、サンプリン
グした印刷物の先後端の各測定点における1色目と2色
目のレジスターマークのずれ量を実測し、2000枚目
の印刷物とのずれ量の差をとり、この差をもって、刷版
の移動量とした。前記版先クランプ機構及び版尻クラン
プ機構を動かした量と、前記刷版の移動量との差が少な
いほど刷版の位置修正はし易いことになる。
【0107】(比較例)装着の方式として従来技術の態
様によるもの、及び、版下シートとして、上記実施例と
同じ厚さ200μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)からなる支持体の表面に、凹凸を全く設けないも
のや、凹凸の粒子サイズと面積占有率が本発明の範囲外
のものを用い、上記実施例と同一の平版印刷版及び印刷
機で、上記実施例と同様に2000枚印刷した。
様によるもの、及び、版下シートとして、上記実施例と
同じ厚さ200μmのポリエチレンテレフタレート(P
ET)からなる支持体の表面に、凹凸を全く設けないも
のや、凹凸の粒子サイズと面積占有率が本発明の範囲外
のものを用い、上記実施例と同一の平版印刷版及び印刷
機で、上記実施例と同様に2000枚印刷した。
【0108】評価結果を表1〜表4に示す。各欄におけ
る上段は実施例1の態様による装着、下段は従来技術の
態様による装着の結果を示し、左から、刷版装着時先端
位置精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ずれ量、
印刷ムラ、及び刷版の位置修正のし易さを表す。斜体太
字が本発明実施例の結果である。
る上段は実施例1の態様による装着、下段は従来技術の
態様による装着の結果を示し、左から、刷版装着時先端
位置精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ずれ量、
印刷ムラ、及び刷版の位置修正のし易さを表す。斜体太
字が本発明実施例の結果である。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
【表3】
【0112】表1、表2及び表3の結果から明らかなよ
うに、実施例1の態様で刷版を装着することにより、刷
版装着時先端位置精度は50μm未満であり、刷版装着
時最大版伸び量も100μm未満であり、良好な結果を
得た。さらに、版下シートのデュロ硬度が54、60、
64であり、粒子サイズが1〜50μmの範囲であり、
該粒子の面積占有率が0.5〜4%の範囲では、版ずれ
が50μm以下であり、印刷ムラがなく、版の位置も修
正し易く、良好な結果を得た。
うに、実施例1の態様で刷版を装着することにより、刷
版装着時先端位置精度は50μm未満であり、刷版装着
時最大版伸び量も100μm未満であり、良好な結果を
得た。さらに、版下シートのデュロ硬度が54、60、
64であり、粒子サイズが1〜50μmの範囲であり、
該粒子の面積占有率が0.5〜4%の範囲では、版ずれ
が50μm以下であり、印刷ムラがなく、版の位置も修
正し易く、良好な結果を得た。
【0113】
【表4】
【0114】表4の結果から明らかなように、版下シー
トのデュロ硬度が68の場合、良好な結果を得られる粒
子サイズの範囲及び面積占有率の範囲が狭くなり、良好
な印刷効果を得られる版下シートを作成するのにかなり
の制約があり、製造コストが上昇する。
トのデュロ硬度が68の場合、良好な結果を得られる粒
子サイズの範囲及び面積占有率の範囲が狭くなり、良好
な印刷効果を得られる版下シートを作成するのにかなり
の制約があり、製造コストが上昇する。
【0115】
【表5】
【0116】表5の結果から明らかなように、版下シー
トが2種の材料の積層構造であり、一方の材料のデュロ
硬度が72であっても、版下に接する面の材料のデュロ
硬度が55であれば、粒子サイズが1〜50μmの範囲
であり、該粒子の面積占有率が0.5〜4%の範囲で
は、版ずれが50μm以下であり、印刷ムラがなく、版
の位置も修正し易く、良好な結果を得た。
トが2種の材料の積層構造であり、一方の材料のデュロ
硬度が72であっても、版下に接する面の材料のデュロ
硬度が55であれば、粒子サイズが1〜50μmの範囲
であり、該粒子の面積占有率が0.5〜4%の範囲で
は、版ずれが50μm以下であり、印刷ムラがなく、版
の位置も修正し易く、良好な結果を得た。
【0117】以上の結果から、版先に3カ所以上の切欠
きを有する可撓性刷版を、版胴に装着する刷版装着方法
において、前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と
下歯を有する版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに
対向して前記版先クランプ機構に設けられた少なくとも
3本の位置決めピンと、からなる版先位置決め機構と、
前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記版
胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版
胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シ
ートとを備えた可撓性刷版の装着装置を用い、前記刷版
の版先を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯の間に押
し込み、少なくとも3本の前記位置決めピンに前記版先
の切欠きの内周面を当接させて位置決めを行うと共に固
定し、前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面
に前記刷版を押圧手段によりくまなく押しつけながら、
前記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を
該版胴に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機構
により前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固定
することにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最大
印刷長における前記可撓性刷版の伸びを100μm以下
とし、さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シート
は、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が6
5以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突
起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単
位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが
50μ以下であることを特徴とする可撓性刷版の刷版装
着方法は、刷版装着時の位置精度と印刷時の版ずれと印
刷ムラの排除と版の位置の修正のし易さを満足できるこ
とがわかる。
きを有する可撓性刷版を、版胴に装着する刷版装着方法
において、前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と
下歯を有する版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに
対向して前記版先クランプ機構に設けられた少なくとも
3本の位置決めピンと、からなる版先位置決め機構と、
前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、前記版
胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、前記版
胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する版下シ
ートとを備えた可撓性刷版の装着装置を用い、前記刷版
の版先を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯の間に押
し込み、少なくとも3本の前記位置決めピンに前記版先
の切欠きの内周面を当接させて位置決めを行うと共に固
定し、前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面
に前記刷版を押圧手段によりくまなく押しつけながら、
前記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を
該版胴に巻装してゆき、巻装終了後、前記版尻固定機構
により前記刷版の版尻を前記版胴の半径方向に押圧固定
することにより、前記刷版装着時の版胴回転方向の最大
印刷長における前記可撓性刷版の伸びを100μm以下
とし、さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シート
は、版の裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が6
5以下であり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突
起のシート面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単
位面積中の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが
50μ以下であることを特徴とする可撓性刷版の刷版装
着方法は、刷版装着時の位置精度と印刷時の版ずれと印
刷ムラの排除と版の位置の修正のし易さを満足できるこ
とがわかる。
【0118】実施例2 版下シートの作製 デュロ硬度72の厚さ80μmのポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムの片面に乾燥膜の状態でデュ
ロ硬度50の酢酸ビニル樹脂主成分の水ラテックス(セ
ビアンAMY−7200、ダイセル(株)製)を水で固
形分15重量%に希釈して乾燥膜厚1μmになるように
ワイヤーバーによって塗布した。
レート(PET)フィルムの片面に乾燥膜の状態でデュ
ロ硬度50の酢酸ビニル樹脂主成分の水ラテックス(セ
ビアンAMY−7200、ダイセル(株)製)を水で固
形分15重量%に希釈して乾燥膜厚1μmになるように
ワイヤーバーによって塗布した。
【0119】また、ガラス粒子(GB731、東芝ガラ
ス製)を実施例1で使用した0.5〜60μmのサイズ
の異なる粒子を以下の方法により塗布、固着した。すな
わち、酢酸ビニル樹脂の水ラテックスと重量比10/1
で混合し、更に凝集状態を抑制し均一分散する目的で、
粒子100重量部に対して、スチレンブタジエン(SB
R)ラテックス(ガラス転移温度:−7℃)の1重量部
を混合し、ホモジナイザーを用いて3,000rpmで
10分撹拌、再凝集をさけるために分散後素早く、種々
の厚さになるようにドクターブレードを用いて乾燥時の
粒子の該突起シートの面に平行な面の最大断面積あたり
の合計が0〜100%になるように塗布した。これを実
施例1と同様にクロムメッキした金属板とこの版下シー
トの塗布面が上になるように重ねてオーブン中で粒子を
固着した。静電塗装法に比べて極めて凝集の少ないサン
プルが得られた。
ス製)を実施例1で使用した0.5〜60μmのサイズ
の異なる粒子を以下の方法により塗布、固着した。すな
わち、酢酸ビニル樹脂の水ラテックスと重量比10/1
で混合し、更に凝集状態を抑制し均一分散する目的で、
粒子100重量部に対して、スチレンブタジエン(SB
R)ラテックス(ガラス転移温度:−7℃)の1重量部
を混合し、ホモジナイザーを用いて3,000rpmで
10分撹拌、再凝集をさけるために分散後素早く、種々
の厚さになるようにドクターブレードを用いて乾燥時の
粒子の該突起シートの面に平行な面の最大断面積あたり
の合計が0〜100%になるように塗布した。これを実
施例1と同様にクロムメッキした金属板とこの版下シー
トの塗布面が上になるように重ねてオーブン中で粒子を
固着した。静電塗装法に比べて極めて凝集の少ないサン
プルが得られた。
【0120】ここで作られた版下シートを用いて実施例
1と同様に印刷した時に得られた「刷版装着時先端位置
精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ずれ量、印刷
ムラ及び刷版の位置修正のし易さ」の評価結果を表6に
示した。
1と同様に印刷した時に得られた「刷版装着時先端位置
精度、刷版装着時最大版伸び量、印刷時版ずれ量、印刷
ムラ及び刷版の位置修正のし易さ」の評価結果を表6に
示した。
【0121】
【表6】
【0122】表6から明らかなとおり、版下シートが2
種の材料の積層構造であり、一方のデュロ硬度が72で
あっても、版下に接する面の材料のデュロ硬度が65以
下であって、粒子サイズが1〜50μmの範囲であれ
ば、粒子の占有する面積率に関係なく、版下シートとし
ての性能を十分満足できることがわかった。
種の材料の積層構造であり、一方のデュロ硬度が72で
あっても、版下に接する面の材料のデュロ硬度が65以
下であって、粒子サイズが1〜50μmの範囲であれ
ば、粒子の占有する面積率に関係なく、版下シートとし
ての性能を十分満足できることがわかった。
【0123】第2〜第8実施形態の態様により上記と同
様の印刷評価を行ない上記と同様の結果が得られた。以
上により本発明の優位性が確認できた。
様の印刷評価を行ない上記と同様の結果が得られた。以
上により本発明の優位性が確認できた。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、特にデジタル製版
された可撓性刷版の本発明による装着方法及び装置によ
れば、版装着における寸度安定性は著しく向上し、印刷
時の版ずれ及び印刷ムラが抑制でき、万一刷版の装着位
置がずれても、平版印刷版と版下シートの間の捻れや位
置の修正を簡単に行うことができるので、金属支持体刷
版並の見当精度と画像品質を得ることができる。また、
可撓性刷版の装着性が著しく向上し、オペレータの負担
が軽減され、既設の印刷機等に若干の改造を加えること
でも実施可能で設備コストを節約でき、さらに低コスト
で製造適性の優れた版下シートを得ることができる。
された可撓性刷版の本発明による装着方法及び装置によ
れば、版装着における寸度安定性は著しく向上し、印刷
時の版ずれ及び印刷ムラが抑制でき、万一刷版の装着位
置がずれても、平版印刷版と版下シートの間の捻れや位
置の修正を簡単に行うことができるので、金属支持体刷
版並の見当精度と画像品質を得ることができる。また、
可撓性刷版の装着性が著しく向上し、オペレータの負担
が軽減され、既設の印刷機等に若干の改造を加えること
でも実施可能で設備コストを節約でき、さらに低コスト
で製造適性の優れた版下シートを得ることができる。
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1におけるX矢視図である。
【図3】第1実施形態における版胴に巻装された版下材
料を示す図である。
料を示す図である。
【図4】第1実施形態における押さえローラを示す図で
ある。
ある。
【図5】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
る。
【図6】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
る。
【図7】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
る。
【図8】第1実施形態による刷版の装着を示す図であ
る。
る。
【図9】本発明の第2実施形態における刷版およびピン
当接部材材を示す図である。
当接部材材を示す図である。
【図10】図9におけるピン当接部材を刷版に固着した
様子を示す図である。
様子を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態における刷版およびピ
ン当接部材材を示す図である。
ン当接部材材を示す図である。
【図12】図11におけるピン当接部材を刷版に固着し
た様子を示す図である。
た様子を示す図である。
【図13】本発明の第4実施形態を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示す図である。
【図15】本発明の第6実施形態における版胴の部分拡
大図である。
大図である。
【図16】図15におけるY−Y断面図である。
【図17】本発明の第7実施形態における版胴の部分拡
大図である。
大図である。
【図18】図17におけるY−Y断面図である。
【図19】従来の刷版装着装置を示す図である。
【図20】図19におけるX矢視図である。
10,90,100 刷版装着装置 11,91,101,111,121 版胴 11c,91c,101c 頂部 12,92,102 版先クランプ機構 13,93,103 版尻クランプ機構 12a,13a,92a,93a,112a,113
a,122a,123a 上歯 12b,13b,92b,93b,112b,113
b,122b 下歯 14,114,124 位置決めピン 17 押さえローラ(押圧手段) 20 ガイド手段 25 ゴム胴 27 版下材料 30,40 ピン当接部材 70,80 可撓性の刷版(可撓性の刷版) 117 ブラシ(平面押圧部材)
a,122a,123a 上歯 12b,13b,92b,93b,112b,113
b,122b 下歯 14,114,124 位置決めピン 17 押さえローラ(押圧手段) 20 ガイド手段 25 ゴム胴 27 版下材料 30,40 ピン当接部材 70,80 可撓性の刷版(可撓性の刷版) 117 ブラシ(平面押圧部材)
Claims (12)
- 【請求項1】 版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓
性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前
記版先クランプ機構に設けられた少なくとも3本の位置
決めピンと、からなる版先位置決め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記版胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートとを備えた刷版装着装置を用い、 前記刷版の版先を、前記版先クランプ機構の上歯と下歯
の間に押し込み、少なくとも3本の前記位置決めピンに
前記版先の切欠きの内周面を当接させて位置決めを行う
と共に固定し、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
刷版を押圧手段によりくまなく押しつけながら、前記版
尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を該版胴
に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
記刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の
裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下で
あり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシー
ト面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中
の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以
下であることを特徴とする可撓性刷版装着方法。 - 【請求項2】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方
法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
れた位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身
に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記
刷版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決
め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、を備えた刷版装着装置を用い、 前記刷版の前記固着穴を、前記版先クランプ機構の上歯
と下歯の間の前記ピン当接部材の固着ピンに差し込むこ
とにより位置決めを行うとともに固定し、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前
記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版
胴に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
記刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の
裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下で
あり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシー
ト面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中
の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以
下であることを特徴とする可撓性刷版装着方法。 - 【請求項3】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着方
法において、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
れた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機構
と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、 自身に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する
前記刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性
刷版装着装置を用い、 まず、前記ピン当接部材の固着ピンを前記刷版の固着穴
に差し込み固定し、次に、当該ピン当接部材の先端を前
記版先クランプ機構の上歯と下歯の間の前記位置決めピ
ンに固定することにより前記刷版を前記版胴上に位置決
め固定をし、 前記刷版押圧機構が前記版胴の頂部を含む外周面に前記
刷版を前記押圧手段によりくまなく押しつけながら、前
記版尻を解放状態で前記版胴を回転させて前記刷版を版
胴に巻装してゆき、 巻装終了後、前記版尻固定機構により前記刷版の版尻を
前記版胴の半径方向に押圧固定することにより、 前記刷版装着時の版胴回転方向の最大印刷長における前
記可撓性刷版の伸びを100μm以下とし、 さらに前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の
裏面と接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下で
あり、該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシー
ト面に平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中
の0.5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以
下であることを特徴とする可撓性刷版装着方法。 - 【請求項4】 該突起が、粒子を版下シートの表面に沈
み込ませて固着したことを特徴とする請求項1〜3のい
づれか1項記載の可撓性刷版装着方法。 - 【請求項5】 前記刷版を保持するガイド部材を有し、
前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の刷版
を保持することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
項記載の可撓性刷版装着方法。 - 【請求項6】 前記刷版の装着時に前記版胴を回転させ
る手段と、 前記版胴の回転位置を検出する手段と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
置で、前記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御す
る手段と、 前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手段
と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の可
撓性刷版装着方法。 - 【請求項7】 版先に3カ所以上の切欠きを有する可撓
性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記刷版の切欠きに対向して前
記版先クランプ機構に設けられた少なくとも3本の位置
決めピンと、からなる版先位置決め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記版胴の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートとを備えた刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の裏面と
接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下であり、
該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシート面に
平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中の0.
5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以下であ
ることを特徴とする可撓性刷版装着装置。 - 【請求項8】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装
置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
れた位置決めピンと、位置決めピンに取り付けられ自身
に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する前記
刷版より高剛性のピン当接部材と、からなる版先位置決
め機構と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、を備えた刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の裏面と
接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下であり、
該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシート面に
平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中の0.
5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以下であ
ることを特徴とする可撓性刷版装着装置。 - 【請求項9】 版先に少なくとも3個の固着穴が穿設さ
れている可撓性刷版を版胴に装着する可撓性刷版装着装
置であって、 前記刷版の版先を前記版胴に固定する上歯と下歯を有す
る版先クランプ機構と、前記版先クランプ機構に設けら
れた位置決めピンと、からなる版先位置決め固定機構
と、 前記刷版を前記版胴に押圧する刷版押圧機構と、 前記刷版の版尻を前記版胴に固定する版尻固定機構と、 前記版胴に巻回固定されてなる版ずれ防止機能を有する
版下シートと、 自身に刷版固着用の少なくとも3個の固着ピンを有する
前記刷版より高剛性のピン当接部材と、を備えた可撓性
刷版装着装置において、 前記版ずれ防止機能を有する版下シートは、版の裏面と
接する版下シート表面のデュロ硬度が65以下であり、
該表面に高さ1μm以上の突起が、該突起のシート面に
平行な面の最大断面積あたりの合計が単位面積中の0.
5%以上設けられ、且つ該突起の高さが50μ以下であ
ることを特徴とする可撓性刷版装着装置。 - 【請求項10】 該突起が、粒子を版下シートの表面に
沈み込ませて固着したことを特徴とする請求項7〜9の
いづれか1項記載の可撓性刷版装着装置。 - 【請求項11】 前記刷版を保持するガイド部材を有
し、前記ガイド部材は、前記版胴に装着前及び装着中の
刷版を保持することを特徴とする請求項7〜10のいず
れか1項記載の可撓性刷版装着装置。 - 【請求項12】 前記刷版の装着時に前記版胴を回転さ
せる手段と、 前記版胴の回転位置を検出する手段と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
置で、前記版胴を回転させる手段の回転、停止を制御す
る手段と、 前記押圧手段を前記版胴に対して接離させる駆動手段
と、 前記回転位置を検出する手段からの信号により所定の位
置で、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている
ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項記載の
可撓性刷版装着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001038717A JP2002240242A (ja) | 2001-02-15 | 2001-02-15 | 可撓性刷版装着方法および装着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001038717A JP2002240242A (ja) | 2001-02-15 | 2001-02-15 | 可撓性刷版装着方法および装着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002240242A true JP2002240242A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18901639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001038717A Pending JP2002240242A (ja) | 2001-02-15 | 2001-02-15 | 可撓性刷版装着方法および装着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002240242A (ja) |
-
2001
- 2001-02-15 JP JP2001038717A patent/JP2002240242A/ja active Pending
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