JP2002240106A - 成形装置におけるガス抜き方法、および、それを用いるガス抜き装置 - Google Patents

成形装置におけるガス抜き方法、および、それを用いるガス抜き装置

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JP2002240106A
JP2002240106A JP2001045037A JP2001045037A JP2002240106A JP 2002240106 A JP2002240106 A JP 2002240106A JP 2001045037 A JP2001045037 A JP 2001045037A JP 2001045037 A JP2001045037 A JP 2001045037A JP 2002240106 A JP2002240106 A JP 2002240106A
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cavity
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gas discharge
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Kenshiro Abe
健四郎 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 注入された成形材料内のガスを迅速に抜き出
すことができること。 【解決手段】 ガス注入/排出機構78のガス排出動作
に応じて各透孔66aと逃がし通路66Rとの間を選択
的に連通状態とするガス排出機構76および80が、そ
れぞれ、コア型66におけるキャビティ74に対向する
部分に設けられるもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時、成形用型
内に封入されるガスを排出することができる成形装置に
おけるガス抜き方法およびそれを用いるガス抜き装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形方法においては、成形時に成形
用型のキャビテイに注入された溶融樹脂内にガスを封入
して成形する中空射出成形方法が知られている。中空射
出成形方法は、例えば、特開平7−137080号公
報、または、図9にも示されるような、射出成形装置が
用いられて行なわれる。
【0003】図9において、射出成形装置は、例えば、
主な金型群としての固定側の支持板22に支持される固
定側金型2および8と、可動側の支持板24に支持され
る可動側金型14と、可動側金型14内に配されガスを
キャビティ内に選択的に注入し、または、排出するガス
注入/排出機構26とを含んで構成される。なお、図9
においては、可動側の支持板24を固定側の支持板22
に対し近接または離隔するように駆動させる型締め駆動
機構および成形品を金型から突き出す突き出しピン等に
ついての図示は、省略されている。
【0004】固定側の支持板22は、図示が省略される
タイバに固定され、可動側の支持板24は、そのタイバ
に摺動可能に支持されている。
【0005】固定側金型2は、図示が省略される射出装
置のノズル部が接続されるスプルーブッシュ4およびス
プルーブッシュ4に連結されるマニホールドブロック6
を内部に有している。固定側金型8は、後述するキャビ
ティ用のコア型18の内部にも挿入されるスプルー用チ
ップ10をマニホールドブロック6の端部に対応して有
している。これにより、溶融した成形材料をキャビテイ
内に導くスプルーがスプルーブッシュ4の内周部4a、
マニホールドブロック6の内周部6a,スプルー用チッ
プ10の内周部10aにより形成されることとなる。そ
の際、スプルーブッシュ4の内周部4a、マニホールド
ブロック6の内周部6a,スプルー用チップ10の内周
部10aは、所定の温度に温度調整されている。
【0006】また、マニホールドブロック6の内周部6
aおよびスプルー用チップ10の内周部10aには、後
述するゲート10Gを開閉制御するゲートピン部材28
が、パーティングラインPLに対し略直交するように往
復動可能に配されている。ゲートピン部材28の一方の
端部には、ゲートピン部材28を往復動させる駆動用シ
リンダ部30が連結されている。駆動用シリンダ部30
は、配管34を介して作動圧を供給する駆動制御部32
に接続されている。
【0007】可動側金型14は、コア型18にパーティ
ングラインPLを挟んで相対向して配されるコア型16
を内部に有している。コア型16は、コア型18と協働
してキャビティ20をパーティングラインPLを含む平
面内に形成している。コア型18におけるキャビティ2
0に対向する部分に上述のスプルーおよびキャビティ2
0に連通するゲート18Gが形成されている。
【0008】コア型16の側面部には、パーティングラ
インPLに沿って往復動せしめられるスライド型12が
設けられている。スライド型12の傾斜した端部は、図
9に示される型閉状態において、固定側金型8に設けら
れた楔状金型10の斜面部に当接している。
【0009】スライド型12の内部には、ガス注入/排
出機構26が設けられている。ガス注入/排出機構26
は、図10に示されるように、スライド型12の内部を
貫通する透孔12aに嵌合されるスリーブ36と、スリ
ーブ36の内周部に配されるピン部材38と、スリーブ
36の内周部とピン部材38の外周部との間に所定のガ
スを供給するガス供給部40とを含んで構成されてい
る。
【0010】ピン部材38の先端は、スリーブ36の内
周部および開口端部36aとの間に細長い通路を形成す
る比較的浅いスリットを有している。また、図10に示
されるように、ピン部材38の先端は、スリーブ36の
開口端部36aに嵌合している。
【0011】ガス注入/排出機構26によるガス注入に
あたっては、先ず、図9に示されるように、固定側金型
8と可動側金型14とがパーティングラインPLで合わ
せられて型締め状態とされるとき、ゲートピン28がゲ
ート18Gを開状態とするとき、溶融した成形材料Ma
が上述のスプルーおよびゲート18Gを通じてキャビテ
ィ20に注入される。
【0012】その際、成形材料Maがキャビティ20内
に注入後または注入完了直前、比較的高圧なガスGa
が、ガス注入/排出機構26におけるガス供給部40に
より、図9に示されるように、スリーブ36の開口端部
36aを通じてキャビティ20内の成形材料Maの内側
に空洞部を形成するように噴出される。ガス供給部40
は、数秒間、成形材料Maの内側の圧力を比較的高圧の
状態に維持する。これにより、ガスGaが満たされた空
洞部が成形材料Maの内側に形成されることとなる。
【0013】次に、成形材料Maが固化した後、ガス注
入/排出機構26により、スリーブ36の内周部および
開口端部36aとピン38の外周部との間の圧力が大気
圧近傍まで減圧される。これにより、成形材料Maの空
洞部内のガスGaが、図10に示されるように、上述の
スリットを通じて矢印の示す方向に沿って外部に排出さ
れることとなる。このようなガスGaの内部圧力は、型
開きのとき、成形品における肉薄部の一部の外面が盛り
上がる等の原因ともなるので所定の圧力まで確実に減圧
しなければならない。
【0014】なお、このように成形材料Maの空洞部内
のガスGaを抜く方法としては、上述の特開平7−13
7080号公報にも示されるように、ガス排出用のノズ
ルを直接的にキャビティに通じるゲートに連結すること
により、ガス抜きを行なうものも提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように成形材料Maの空洞部内のガスGaが、図10に
示されるように、上述のスリットを通じて矢印の示す方
向に沿って外部に排出される場合、空洞部内の圧力が所
定の値まで減圧するために比較的長い期間が要されるの
で成形サイクルが長くなる。従って、生産性の低下の原
因となる虞がある。
【0016】また、ガス排出用のノズルを直接的にキャ
ビティに通じるゲートに連結することにより、ガス抜き
を行なうものにおいては、金型の構造が複雑となる。
【0017】以上の問題点を考慮し、本発明は、成形
時、成形用型内の成形材料内に封入されるガスを排出す
ることができる成形装置におけるガス抜き方法およびそ
れを用いるガス抜き装置であって、封入された成形材料
内のガスを迅速に抜き出すことができる成形装置におけ
るガス抜き方法およびそれを用いるガス抜き装置を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る成形装置におけるガス抜き方法は、
成型用型内に形成されるキャビティ内に注入され、ガス
を封入した空洞部を内部に有する成形材料の外周部に対
し所定の温度に調整されたガス排出制御用部材を近接さ
せる工程と、成形材料の空洞部内のガスの圧力が低減さ
れるとき、ガス排出制御用部材を成形材料の外周部に対
し前記近接した位置から離隔させ、外周部に排気孔を形
成するとともに、排気孔およびガス排出制御用部材の周
囲のガス排出通路を通じてガスを成型用型から外部に排
出する工程とを含んでなる。
【0019】本発明に係る成形装置におけるガス抜き装
置は、成型用型内に形成されるキャビティ内に注入され
る成形材料の内部にガスを封入させ空洞部を形成すると
ともに、空洞部内のガスを排出するガス注入/排出機構
部と、キャビティの周縁に隣接して設けられ該キャビテ
ィ内に連通しガスを排出するガス排出用通路部と、ガス
排出用通路部と前記キャビティとの間を開閉制御すると
ともに、成形材料の外周部に対し近接または離隔するこ
とにより、外周部に排気孔を形成し空洞部内のガスを該
排気孔を通じて導出させるガス排出制御用部材と、ガス
排出制御用部材の温度を所定の温度に調整する温度調整
部と、ガス注入/排出機構部のガス排出動作に応じてガ
ス排出制御用部材および前記温度調整部の動作制御を行
なう制御部とを備えて構成される。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る成形装置に
おけるガス抜き装置の一例が適用された射出成形装置の
構成の要部を示す。
【0021】図1において、射出成形装置は、例えば、
主な金型群としての固定側の支持板50に支持される固
定側金型52および54と、可動側の支持板58に支持
される可動側金型56と、可動側金型56内に配されガ
スをキャビティ内に選択的に注入し、また、排出するガ
ス注入/排出機構78と、後述するガス排出機構76お
よび80とを含んで構成される。なお、図1において
は、可動側の支持板58を固定側の支持板50に対し近
接または離隔するように駆動させる型締め駆動機構と、
型開きのとき、成形品を金型群から突き出す突き出しピ
ン等についての図示は、省略されている。
【0022】固定側の支持板50は、図示が省略される
タイバに固定され、可動側の支持板58は、そのタイバ
に摺動可能に支持されている。
【0023】固定側金型52は、図示が省略される射出
装置のノズル部が接続されるスプルーブッシュ60およ
びスプルーブッシュ60に連結されるマニホールドブロ
ック62を内部に有している。また、固定側金型52の
略中央部には、後述するゲートピン駆動機構82におけ
る駆動用シリンダ86が配されている。さらに、固定側
金型52内には、後述するガス排出機構76および80
における駆動用シリンダ部88、90がそれぞれ、ゲー
トピン駆動機構82を挟んで所定距離、離隔して配され
ている。その際、各駆動用シリンダ部のピストンロッド
が挿入される透孔52aおよび52bが固定側金型52
に形成されている。
【0024】固定側金型54は、後述するキャビティ用
のコア型66の内部にも挿入されるスプルー用チップ6
4をマニホールドブロック62の端部に対応して有して
いる。これにより、射出装置からの溶融した成形材料M
aをキャビテイ74内に矢印INの示す方向に沿って導
くスプルーがスプルーブッシュ60の内周部60a、マ
ニホールドブロック62の内周部62a,スプルー用チ
ップ64の内周部64aにより形成されることとなる。
なお、スプルーブッシュ60の内周部60a、マニホー
ルドブロック62の内周部62a,スプルー用チップ6
4の内周部64aは、図示が省略される温度調節器によ
り、一連の成形サイクルの各工程に応じて所定の温度に
温度調整されている。スプルー用チップ64の開口端部
は、後述するキャビティ74のゲート74Gを形成する
こととなる。
【0025】また、マニホールドブロック62の内周部
62aおよびスプルー用チップ64の内周部64aに
は、ゲートピン部材84が、パーティングラインPLに
対し略直交するように往復動可能に配されている。ゲー
トピン部材84は、その先端がゲート74Gに選択的に
嵌合されることにより、ゲート74Gを開閉制御する。
【0026】ゲートピン部材84の一方の端部には、ゲ
ートピン部材84を往復動させる駆動用シリンダ部86
のピストン部が連結されている。駆動用シリンダ部86
には、後述するように、作動油圧の供給制御を行なう油
圧制御回路部が接続されている。
【0027】可動側金型56は、パーティングラインP
Lを挟んでコア型66に相対向して配されるコア型72
を内部に有している。コア型72は、コア型66と協働
してキャビティ70をパーティングラインPLを含む平
面内に形成している。キャビティ70は、得られる成形
品の外形に対応した部分を形成する部分74Aと、注入
されるガスを部分74Aの中間部に導く、あるいは、後
述する空洞部内のガスの一部を排出する部分74Bとを
含んで構成されている。部分74Aは、パーティングラ
インPLに沿って広がり形成されている。部分74Aに
は、後述するピストンロッド94の端部に対向して窪み
74aが形成されている。また、部分74Bは、部分7
4Aに対し直交し、後述するスライド型78の側面に向
けて延びるものとされる。
【0028】コア型66におけるキャビティ74に対向
する部分に上述のスプルーおよびキャビティ20に連通
するゲート74Gが形成されている。
【0029】コア型72の側面部には、パーティングラ
インPLに沿って往復動せしめられるスライド型78が
摺動可能に設けられている。スライド型78の傾斜した
端部は、図1に示される型閉め状態において、固定側金
型54に設けられた楔状金型68の斜面部に当接してい
る。一方、型開き状態においては、スライド型78は、
図示が省略される付勢機構により、コア型72に対して
所定距離、離隔するものとされる。
【0030】スライド型72の内部には、ガス注入/排
出機構78が設けられている。ガス注入/排出機構78
は、スライド型72の内部を貫通する透孔70aに嵌合
されるスリーブ100と、スリーブ100の内周部に配
されるピン部材102と、スリーブ100の内周部とピ
ン部材102の外周部との間を通じてキャビティ74内
の成形材料内にガスを供給するガス供給部104とを含
んで構成されている。
【0031】ピン部材102の先端は、スリーブ100
の内周部および開口端部100aとの間に細長い通路を
形成する比較的浅いスリットを有している。また、ピン
部材102の先端は、スリーブ100の開口端部100
aに嵌合している。
【0032】ガス排出機構76および80は、それぞ
れ、互いに同一構造を有するのでガス排出機構80につ
いて説明し、ガス排出機構76の構造についての説明は
省略する。なお、ガス排出機構76および80の配置位
置は、例えば、キャビティ74において比較的ガスが抜
け難い箇所に設けられるものとされる。また、ガス排出
機構76および80は、3箇所以上に設けられても良
い。さらに、ガスは、例えば、不活性ガスが用いられ
る。
【0033】ガス排出機構80は、共通の軸線上に形成
される固定側金型52の透孔52b,固定側金型54の
透孔54a,コア型66の透孔66aに挿入されるピス
トンロッド92と、コア型66の透孔66aに連通しキ
ャビティ74からのガスを外部に排出する逃がし通路6
6Rと、ピストンロッド92の一方の端部の周囲に配さ
れピストンロッド92を所定の温度に維持する温度調節
ユニット部106と、ピストンロッド92を所定距離往
復動させる駆動用シリンダ部90とを含んで構成されて
いる。
【0034】ガス排出制御用部材としてのピストンロッ
ド92の他端部は、駆動用シリンダ部90の作動圧室に
移動可能に配されている。駆動用シリンダ部90は、作
動油圧の供給制御を行なう油圧制御回路部108に接続
されている。駆動用シリンダ部88は、作動油圧の供給
制御を行なう油圧制御回路部110に接続されている。
【0035】各逃がし通路66Rの他端は、排出通路6
6Pに接続されている。
【0036】温度調節ユニット部106は、例えば、ピ
ストンロッド92の温度を検出する温度センサと、所定
の温度となるようにピストンロッド92を加熱するヒー
タとを含んで構成されている。そのヒータは、温度セン
サからの検出出力に基づいて温度制御回路部112によ
り制御される。
【0037】本発明に係る成形装置におけるガス抜き装
置の一例が適用された射出成形装置においては、加え
て、図2に示されるように、一連の成形サイクルにおい
て油圧制御回路部104、108、110、114、お
よび、温度制御回路部112の動作制御を行う制御ユニ
ット120を備えている。
【0038】制御ユニット120には、射出成形装置の
生産を管理するホストコンピュータからの成形材料のキ
ャビティ74への注入の開始をあらわす指令信号Si、
そのホストコンピュータからの型閉め状態から型開き状
態への準備開始をあらわす指令信号Sf、および、温度
調節ユニット部106からの温度をあらわす検出出力信
号Stが供給される。
【0039】一連の成形サイクルにおいて、先ず、図示
が省略される型締め機構により、図1に示されるよう
に、固定側金型54および可動側金型56がパーティン
グラインPLにおいて互いに合わされ型閉め状態とされ
る。その際、制御ユニット120は、開始指令信号Si
に基づいてゲート74Gを開状態とするためゲートピン
部材84を移動させるべく、制御信号Cgoを油圧制御
回路部114に供給する。これにより、ゲート74Gが
開状態となる(図8におけるステップS1)。従って、
例えば、熱可塑性樹脂などの溶融した成形材料Maが図
3に示されるように、キャビティ74内に注入される。
【0040】キャビティ74内の圧力は、例えば、図7
に実線で示されるように充填完了時点t1において、所
定値まで上昇することとなる。
【0041】なお、図7は、縦軸に圧力Pをとり、横軸
に時間tとり、キャビティ74内の圧力の変化と、ガス
供給部104における圧力の変化とをそれぞれ、特性線
Lc、Lsであらわす。
【0042】次に、制御ユニット120は、ゲート74
Gを閉状態とするためゲートピン部材84を移動させる
べく、制御信号Cgcを油圧制御回路部114に供給す
る。これにより、ゲート74Gが閉状態となる(図8に
おけるステップS2)。
【0043】続いて、制御ユニット120は、図3に示
されるように、溶融した成形材料Maの内側に所定のガ
スが封入されて空洞部Eが形成されるように、ガス供給
部104に、比較的高圧なガスを所定量供給し保持する
動作を行なわせるべく、制御信号Ccを形成しそれを供
給する(図8におけるステップS3)。なお、ガス注入
のタイミングとしては、例えば、成形材料Maの充填完
了前後数秒以内の期間内に設定される。その際、キャビ
ティ74の圧力は、図7の特性線Lcに示されるよう
に、時点t1を経過した後、急峻に低下した後、後述の
ガス抜きの時点t3まで所定の値に維持される。ガス供
給部104内の圧力は、図7の特性線Lsに示されるよ
うに、時点t1経過直後、急峻に高くなり、後述のガス
抜きの時点t3まで所定の値に保持される。
【0044】その際、制御ユニット120は、検出出力
信号Stに基づいてピストンロッド92および94の先
端の温度が、例えば、約40度となるようにすべく、温
度制御回路部112に制御信号Chを形成し供給する。
これにより、図4に示されるように、ピストンロッド9
2および94の先端が成形材料Maの表面に接触する状
態に配置される。従って、成形材料Maにおけるピスト
ンロッド92および94の先端が接触している部分の表
面温度が比較的高くなるとともに、空洞部Eが内圧によ
り局部的に広がるのでその部分の肉厚が他の部分に比べ
て薄くなる。
【0045】続いて、成形材料Maが固化した後、制御
ユニット120は、ガスの保持をやめ空洞部Eの圧力を
大気圧近傍まで減圧すべく、ガス供給部104に制御信
号Crを形成しそれを供給する(図8におけるステップ
S4)。これにより、空洞部E内のガスの一部がスリー
ブ100内を通じて排出される。
【0046】続いて、制御ユニット120は、図5に示
されるように、ピストンロッド92および94を所定
量、固化した成形材料Maの表面に対し離隔させ、即
ち、後退させるべく、制御信号Cbをそれぞれ、油圧制
御回路部108および110に供給する(図8における
ステップS5)。これにより、成形材料Maにおけるピ
ストンロッド92および94の先端部に対向する肉厚の
比較的薄い部分が、圧力の釣り合いがなくなり空洞部E
内の残圧により破裂することとなる。従って、空洞部E
内の残りのガスGaが、矢印の示す方向に沿ってその亀
裂Cr、各逃がし通路66Rおよび排出通路66Pを通
じて外部に排出されることとなる。その結果、空洞部E
内のガスGaは、スリーブ100内を通じて排出される
とともに、その亀裂Cr、各逃がし通路66Rおよび排
出通路66Pを通じて外部に排出されるので空洞部E内
のガスGaが迅速に排出されることとなる。
【0047】これにより、従来、キャビティの圧力は、
時点t3経過後、特性線Lc’に沿って減圧され、製品
取りだし時点t4近傍で大気圧近傍状態となったのに対
し、一方、キャビティ74の圧力は、時点t3経過後、
図7の特性線Lcに示されるように、従来の特性線L
c’の減圧速度に比べて大きな減圧速度で減圧し、短期
間で大気圧近傍に到達することとなる。
【0048】続いて、制御ユニット120は、図4に示
される位置までピストンロッド92および94を成形材
料Maの表面に対し近接させ、即ち、前進させるべく、
制御信号Caをそれぞれ、油圧制御回路部108および
110に供給する(図8におけるステップS6)。これ
により、成形材料Maの表面の盛り上がりが押しつぶさ
れ、かつ、亀裂Crが閉塞されるように平坦状とされる
とともに、キャビティ74と各逃がし通路66Rとの間
が遮断されることとなる。その際、ピストンロッド92
および94の温度は、調整されていなくても、または、
40度以上に調節されてもよい。
【0049】続いて、制御ユニット120は、ガス供給
部104の内部と外気とを遮断すべく、制御信号Csを
形成しそれをガス供給部104に供給する(図8におけ
るステップS7)。そして、型締め機構により、固定側
金型54および可動側金型56が互いに離隔されて成形
品が取り出される。
【0050】従って、空洞部E内のガスGaが迅速に排
出されるので一連の成形サイクルの所要時間の短縮化が
図られることとなる。
【0051】図6は、ピストンロッド92および94の
他の一例の要部を示す。
【0052】なお、図6においては、図1に示される例
において同一とされる構成要素について同一の符号を付
して示し、その重複説明を省略する。
【0053】ピストンロッド92’は、例えば、セラミ
ック、ステンレス系多孔質材料などの比較的熱伝導率の
小なる材料で作られている。また、ピストンロッド9
2’の先端部の周囲には、上述したような比較的熱伝導
率の小なる材料で作られている案内部120が形成され
てもよい。また、ピストンロッド92’の先端部には、
抜き勾配としての面取り部92’cが形成されてもよ
い。
【0054】これにより、ピストンロッド92’の先端
部と接触する成形材料Maの温度上昇が効率よく行なわ
れることとなる。また、ピストンロッド92’の先端部
が予め、亀裂Crが形成される部分の盛り上がりを抑制
するために成形材料Ma内に食い込む位置に配されるこ
とにより、成形品の外観品位が向上することとなる。
【0055】なお、上述の例においては、駆動用の作動
圧を供給する手段として、油圧が用いられているが、か
かる例に限られることなく、アクチュエータを作動させ
るために空気圧または電力が用いられてもよいことは勿
論である。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る成形装置におけるガス抜き方法、および、それを
用いるガス抜き装置によれば、成形材料の空洞部内のガ
スの圧力が低減されるとき、ガス排出制御用部材を成形
材料の外周部に対し近接した位置から離隔させ、外周部
に排気孔を形成するとともに、排気孔およびガス排出制
御用部材の周囲のガス排出通路を通じてガスを成型用型
から外部に排出する工程を含むので注入された成形材料
内のガスを迅速に抜き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形装置におけるガス抜き方法、
および、それを用いるガス抜き装置の一例が適用された
射出成形装置の要部の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示される例に備えられる制御ユニットの
構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示される例における動作説明に供される
断面図である。
【図4】図1に示される例における動作説明に供される
部分拡大断面図である。
【図5】図1に示される例における動作説明に供される
部分拡大断面図である。
【図6】図1に示される例に用いられるピストンロッド
の他の一例を示す部分拡大断面図である。
【図7】図1に示される例における動作説明に供される
特性図である。
【図8】図1に示される例における動作説明に供される
工程図である。
【図9】従来のガス抜き装置の構成を概略的に示す断面
図である。
【図10】図9に示される例における要部を拡大して示
す部分断面図である。
【符号の説明】 66R 逃がし通路 66P 排出通路 76、80 ガス排出機構 78 ガス注入/排出機構 88、90 駆動用シリンダ 104 ガス供給部 108、110 油圧制御回路部 120 制御ユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成型用型内に形成されるキャビティ内に
    注入され、ガスを封入した空洞部を内部に有する成形材
    料の外周部に対し所定の温度に調整されたガス排出制御
    用部材を近接させる工程と、 前記成形材料の空洞部内のガスの圧力が低減されると
    き、前記ガス排出制御用部材を前記成形材料の外周部に
    対し前記近接した位置から離隔させ、該外周部に排気孔
    を形成するとともに、該排気孔およびガス排出制御用部
    材の周囲のガス排出通路を通じて該ガスを該成型用型か
    ら外部に排出する工程と、 を含んでなる成形装置におけるガス抜き方法。
  2. 【請求項2】 前記成形材料の空洞部内のガスの圧力が
    前記排気孔およびガス排出制御用部材の周囲を通じて所
    定値まで低減されるとき、前記ガス排出制御用部材を前
    記成形材料の外周部における前記排気孔近傍に対し押圧
    させ該排気孔を閉塞させる工程と、をさらに含むことを
    特徴とする請求項1記載の成形装置におけるガス抜き方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ガス排出制御用部材および前記ガス
    排出通路が、前記キャビティの周囲における複数箇所に
    それぞれ設けられることを特徴とする請求項1記載の成
    形装置におけるガス抜き方法。
  4. 【請求項4】 成型用型内に形成されるキャビティ内に
    注入される成形材料の内部にガスを封入させ空洞部を形
    成するとともに、該空洞部内のガスを排出するガス注入
    /排出機構部と、 前記キャビティの周縁に隣接して設けられ該キャビティ
    内に連通し前記ガスを排出するガス排出用通路部と、 前記ガス排出用通路部と前記キャビティとの間を開閉制
    御するとともに、前記成形材料の外周部に対し近接また
    は離隔することにより、該外周部に排気孔を形成し前記
    空洞部内のガスを該排気孔を通じて導出させるガス排出
    制御用部材と、 前記ガス排出制御用部材の温度を所定の温度に調整する
    温度調整部と、 前記ガス注入/排出機構部のガス排出動作に応じて前記
    ガス排出制御用部材および前記温度調整部の動作制御を
    行なう制御部と、 を具備して構成される成形装置におけるガス抜き装置。
  5. 【請求項5】 前記成形材料の空洞部内のガスの圧力が
    前記排気孔およびガス排出制御用部材の周囲を通じて所
    定値まで低減されるとき、前記制御部は、該ガス排出制
    御用部材の先端を、前記成形材料の外周部における前記
    排気孔近傍に対し押圧させ該排気孔を閉塞させることを
    特徴とする請求項4記載の成形装置におけるガス抜き装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ガス排出制御用部材および前記ガス
    排出通路が、前記キャビティの周囲における複数箇所に
    それぞれ設けられることを特徴とする請求項4記載の成
    形装置におけるガス抜き装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス排出制御用部材の熱伝導率が比
    較的小なる材料で作られることを特徴とする請求項4記
    載の成形装置におけるガス抜き装置。
  8. 【請求項8】 前記ガス排出制御用部材の周囲には、熱
    伝導率が比較的小なる材料で作られ、該ガス排出制御用
    部材を案内する案内部材が設けられることを特徴とする
    請求項4記載の成形装置におけるガス抜き装置。
  9. 【請求項9】 前記ガス排出制御用部材の先端部は、前
    記成形材料の外周部に当接する面取り部を有し、前記キ
    ャビティの内側に配されることを特徴とする請求項4記
    載の成形装置におけるガス抜き装置。
  10. 【請求項10】 前記ガス排出制御用部材は、空気圧、
    または、油圧により駆動されることにより、前記ガス排
    出用通路部と前記キャビティとの間を開閉制御すること
    を特徴とする請求項4記載の成形装置におけるガス抜き
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101393163B1 (ko) 2014-03-11 2014-05-08 (주)그린우드 가스 배출장치가 구비된 합성 목재 제조장치

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