JP2002239833A - 廃液晶パネルの処理装置およびそれを用いた処理方法 - Google Patents

廃液晶パネルの処理装置およびそれを用いた処理方法

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JP2002239833A
JP2002239833A JP2001045582A JP2001045582A JP2002239833A JP 2002239833 A JP2002239833 A JP 2002239833A JP 2001045582 A JP2001045582 A JP 2001045582A JP 2001045582 A JP2001045582 A JP 2001045582A JP 2002239833 A JP2002239833 A JP 2002239833A
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JP2001045582A
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Kiyoshi Sawae
清 澤江
Tadashi Nishioka
忠司 西岡
Kazuya Kaida
一弥 甲斐田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転刃および固定刃の耐久性を向上させるこ
とによって、廃液晶パネルの処理コストを低減すること
ができる廃液晶パネルの処理装置およびそれを用いた処
理方法を提供する。 【解決手段】 廃液晶パネルを粉砕する処理装置の回転
刃28および固定刃30の先端部に、廃液晶パネルのガ
ラスよりも硬度が高いビッカース硬度で11.8GPa
以上の超硬合金材料、または従来の1軸粉砕機に用いら
れるクローム鋳鋼等よりも耐磨耗性のよいビッカース硬
度で15.0GPa以上のセラミック材料を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転刃と固定刃と
によって廃液晶パネルを粉砕処理する廃液晶パネルの処
理装置およびそれを用いた処理方法に関するものであ
り、特に、回転刃および固定刃の耐久性を向上させた廃
液晶パネルの処理装置およびそれを用いた処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、一般廃棄物や産業廃棄物の量が増
加し、これら廃棄物の埋立地の残余年数が心配される状
況となっている。また、環境意識の高まりから、より環
境に配慮した産業活動が求められている。このようなこ
とから、工場から排出される産業廃棄物、および不要に
なった家電製品や情報機器等の廃棄物等に関して、排出
量の削減やリサイクルの促進を要望する声が行政側から
も上がっている。
【0003】ここで、上記の廃棄物として表示装置を考
えた場合、廃CRTについては適切なリサイクル技術が
既に提案され、一部で既に実施されている。例えば、廃
CRTのガラスを切断して電子銃や蛍光体を除去した
後、得られたガラスをカレット化(粉砕)してガラス屑
とし、CRT用ガラスとして再使用するリサイクル技術
がある。また、例えば、特開平8−267455号公報
では、ブラウン管等の大型ガラス製品を大型ガラス処理
装置にてカレットに処理する技術が開示されている。
【0004】このように廃CRTについては、リサイク
ルのための適切な処理方法が確立されている。しかし、
表示装置でも廃液晶パネルについては、このようなリサ
イクル技術において遅れをとっているのが現状である。
そのため、液晶表示装置や液晶パネルについては、上記
と同様に廃棄物の排出量の削減やリサイクルの促進の要
望があるにもかかわらず、実際には、以下のような処理
がなされているのがほとんどである。
【0005】現在、液晶パネル製造工場から排出される
不良の廃液晶パネル、情報表示装置や映像表示装置等の
生産工場から廃棄される廃液晶パネルは大半が処分場に
埋め立てられている。また、家電製品や情報機器等の廃
棄物に含まれる廃液晶表示装置や廃液晶パネルも、現時
点では廃棄物の量としては少ないこともあって、大半が
廃棄物の処理施設にて製品ごと破砕された後、プラスチ
ックを多量に含むシュレッダーダストと共に埋め立て処
理あるいは焼却処理され、後にその残渣が埋め立て処理
されている。
【0006】しかし、液晶パネルは、省電力、省スペー
スおよび省資源であるという特性から、高度情報化社会
の進展に伴い、今後、急速に生産量が増大し、表示面積
も大きくなることが予測され、この先、廃液晶パネルの
量も急速に増大すると考えられる。このため、液晶パネ
ルの体積が小さく、生産量が少ないことで可能となって
いる現在の廃液晶パネルの埋め立て処理および焼却処理
では、今後対応できなくなることがほぼ確実視されてい
る。したがって、廃液晶パネルのリサイクル技術の開発
は急務である。
【0007】このような中で、例えば、特開2000−
84531号公報では、1軸剪断式破砕機(以下、1軸
粉砕機と記載する)を用いて廃液晶パネルを粉砕し、粉
砕片をリサイクル処理するようにしている。このような
リサイクル処理により、廃液晶パネルの埋立地への廃棄
量を低減して、今後の廃液晶パネルの増大にも対応可能
としている。
【0008】ところで、1軸粉砕機は、一般的に、プラ
スチックや木屑といった、比較的軟らかいものを粉砕す
るのに用いられる。ここで、1軸粉砕機の一般的な構成
について説明すれば以下の通りである。
【0009】図5は、1軸粉砕機の構成を示す要部概略
断面図である。1軸粉砕機は、投入された廃液晶パネル
を粉砕する粉砕室51と、粉砕室51で粉砕された廃液
晶パネルの破砕片を排出する排出口52とを備えてい
る。
【0010】粉砕室51は、4枚の粉砕室側面板53
(以下、側面板53と記載する)と、多数の所定の大き
さの穴を有するスクリーン54とによって形成されてい
る。なお、4枚の側面板53は一体化されていてもよ
い。そして、この粉砕室51の中に、回転軸55と、回
転軸55に取り付けられたローター一体型回転刃56
(以下、回転刃56と記載する)とが設けられている。
また、側面板53におけるスクリーン54側の端部に
は、固定刃57が設けられている。
【0011】通常、回転刃56、固定刃57および側面
板53には、加工のしやすさを考慮して、機械構造用炭
素鋼S45C、鋼材SS400、クローム鋳鋼等といっ
た廃液晶パネルよりも軟らかい鋼材が使われている。
【0012】上記構成の1軸粉砕機においては、駆動モ
ータ(図示せず)によって回転軸55が図中矢印Cの方
向に回転することにより、回転刃56が同時に回転し、
その回転刃56が固定刃57と交錯することによって、
粉砕室51の上方より投入された廃液晶パネルが粉砕処
理されるようになっている。
【0013】粉砕処理された廃液晶パネルの粉砕片は、
スクリーン54の穴より小さいときはこの穴を通って排
出口52より排出され、この穴より大きいときは穴より
小さくなるまで繰り返し粉砕処理され、所定の大きさの
粉砕片となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多くの廃液
晶パネルにおいて、廃液晶パネルの大半を占めるガラス
は硬度が高い。つまり、一般によく使われる機械構造用
炭素鋼S45Cは、ビッカース硬度が2.0GPa程度
であり、クローム鋳鋼は、ビッカース硬度が3.4〜
4.4GPa程度であるが、例えば、TFT液晶パネル
に使われている硼珪酸ガラスは、ビッカース硬度が4.
4〜6.4GPa程度であり、機械構造用炭素鋼S45
Cやクローム鋳鋼等と比べて硬度が高い。
【0015】なお、上記のビッカース硬度とは、ビッカ
ース硬さ試験において、用いた試験荷重を永久くぼみの
表面積で除した値である。また、上記のビッカース硬さ
試験とは、対面角136°の正四角錐のダイヤモンド圧
子を一定の試験荷重で試料の試験面に押し込み、生じた
永久くぼみの大きさから試料の硬さを測定する試験であ
る。
【0016】このように、廃液晶パネルに含まれるガラ
スは硬度が高いため、比較的軟らかい材料の粉砕に適し
ている従来の1軸粉砕機で廃液晶パネルを粉砕処理した
のでは、図5で示した回転刃56および固定刃57が磨
耗しやすくなり、これらの耐久寿命が短くなる。そのた
め、回転刃56および固定刃57を頻繁に交換または補
修する必要が生じ、結果として廃液晶パネルの粉砕処理
コストが高くなるという問題が生じる。
【0017】ちなみに、このような従来の1軸粉砕機を
用いてガラスを多く含む廃液晶パネルを粉砕処理して耐
久性を評価した結果、図5の磨耗部58において顕著に
磨耗することが判り、これら磨耗部58における部品の
交換並びに補修のためのコストが高くつくことが判っ
た。
【0018】また、磨耗が最も著しい回転刃56および
固定刃57が、例えば、機械構造用炭素鋼S45Cで構
成された場合、クローム鋳鋼で構成された場合、ビッカ
ース硬度が7.9GPa程度のハイス鋼(SHK)で構
成された場合のそれぞれにおいて、廃液晶パネルの粉砕
処理量は、数100kg程度、数トン程度、10トン程
度であり、回転刃56および固定刃57の耐久性に課題
があることが判った。
【0019】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、回転刃および固定刃の耐
久性を向上させることによって、廃液晶パネルの処理コ
ストを低減することができる廃液晶パネルの処理装置お
よびそれを用いた処理方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る廃液晶パネ
ルの処理装置は、上記の課題を解決するために、回転刃
と固定刃とによって廃液晶パネルを粉砕処理する廃液晶
パネルの処理装置において、上記回転刃および上記固定
刃が、ビッカース硬度が11.8GPa以上の超硬合金
材料からなる刃先部を備えていることを特徴としてい
る。
【0021】上記の構成によれば、廃液晶パネルの粉砕
に用いられる回転刃および固定刃の刃先部が超硬合金材
料からなっている。例えば、WC−Co合金、WC−T
iC−Co合金、WC−TiC−TaC(NbC)−C
o合金などの超硬合金材料は、ビッカース硬度が11.
8GPa以上であり、廃液晶パネルのガラス(ビッカー
ス硬度;4.4〜6.4GPa程度)に比べて十分に硬
い。
【0022】このような超硬合金材料を刃先部に用いる
ことにより、刃先部の耐久性が向上するので、廃液晶パ
ネルの粉砕処理時における刃先部の磨耗が確実に低減さ
れる。これにより、回転刃および固定刃の交換または補
修の回数を減らすことができ、その結果、廃液晶パネル
の粉砕処理コストを低減することができる。
【0023】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記刃先部は、超硬合金
板からなり、上記回転刃および上記固定刃は、上記超硬
合金板が固着される台座をさらに備えていることを特徴
としている。
【0024】上記の構成によれば、超硬合金板を台座に
固着することで、容易に回転刃および固定刃を得ること
ができる。また、超硬合金板が台座に固着(例えば、蝋
付け)されているので、粉砕時の衝撃力が超硬合金板に
加わったとしても、超硬合金板が台座から剥がれること
がなく、回転刃および固定刃の寿命を確実に延ばすこと
ができる。
【0025】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、回転刃と固定刃とによっ
て廃液晶パネルを粉砕処理する廃液晶パネルの処理装置
において、上記回転刃および上記固定刃が、ビッカース
硬度で15.0GPa以上のセラミック材料からなる刃
先部を備えていることを特徴としている。
【0026】上記の構成によれば、廃液晶パネルの粉砕
に用いられる回転刃および固定刃の刃先部がセラミック
材料からなっている。このセラミック材料の耐磨耗性
は、例えば、クローム鋳鋼と比べて、ビッカース硬度が
15.0〜18.0GPaのアルミナセラミックの場合
で数倍、ビッカース硬度が25.0〜26.0GPaの
炭化珪素セラミックの場合で約20倍、ビッカース硬度
が15.0GPa以上の窒化珪素セラミックの場合で約
30倍であり、クローム鋳鋼よりも格段に向上する。
【0027】したがって、このような耐磨耗性の優れた
セラミック材料を刃先部に用いることにより、回転刃お
よび固定刃の交換または補修の回数を減らすことがで
き、その結果、廃液晶パネルの粉砕処理コストを低減す
ることができる。
【0028】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記刃先部は、セラミッ
ク板からなり、上記回転刃および上記固定刃は、上記セ
ラミック板が固着される台座をさらに備えていることを
特徴としている。
【0029】上記の構成によれば、セラミック板を台座
に固着することで、容易に回転刃および固定刃を得るこ
とができる。また、セラミック板が台座に固着されてい
るので、粉砕時の衝撃力がセラミック板に加わったとし
ても、セラミック板が台座から剥がれることがなく、回
転刃および固定刃の寿命を確実に延ばすことができる。
【0030】特に、セラミック板を接着剤を介して台座
に固着させることにより、セラミック板の台座に対する
接着力を大きくすることができ、また、粉砕時にセラミ
ック板に加わる衝撃力を接着剤によって和らげることも
できる。その結果、衝撃が加わっても、セラミック板が
台座から剥がれるのを確実に回避することができる。
【0031】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記回転刃および上記固
定刃は、装置本体から脱着可能に設けられていることを
特徴としている。
【0032】上記の構成によれば、上記刃先部が磨耗し
て丸くなって切断する剪断力が低下したとき、これらの
回転刃または固定刃を取り外して、刃先部を再研磨して
剪断力を回復させて使用することができる。その結果、
回転刃および固定刃の交換または補修の回数を減らすこ
とができ、廃液晶パネルの粉砕処理コストを低減するこ
とができる。
【0033】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記回転刃および上記固
定刃は、粉砕処理による上記刃先部の磨耗量に応じて、
上記回転刃と上記固定刃との間隔を調整するための調整
部をそれぞれ備えていることを特徴としている。
【0034】上記の構成によれば、刃先部の再研磨など
によって上記回転刃または上記固定刃が短くなった場
合、その短くなった分だけ調整部により調整すること
で、回転刃と固定刃との間隔を、本来の効率よい粉砕が
できる間隔に設定しなおせるので、回転刃または固定刃
を交換することなく長期間使用することができる。その
結果、廃液晶パネルの粉砕処理コストを低減することが
できる。
【0035】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記回転刃を回転させる
ための回転軸と一体的に設けられ、上記回転刃が固定さ
れるローターをさらに備え、上記ローターにおける、上
記回転刃と上記固定刃とによって粉砕された粉砕片が衝
突する部位に、ビッカース硬度が11.8GPa以上の
超硬合金板、または、ビッカース硬度が15.0GPa
以上のセラミック板が固着されていることを特徴として
いる。
【0036】上記の構成によれば、超硬合金板は、ビッ
カース硬度で4.4〜6.4GPaの廃液晶パネルより
も硬度が格段に高いため、上記部位が磨耗しにくくなっ
て耐久性が従来よりも格段に向上する。または、セラミ
ック板の耐磨耗性は、例えば、クローム鋳鋼と比べて、
アルミナセラミックの場合で数倍、炭化珪素セラミック
の場合で約20倍、窒化珪素セラミックの場合で約30
倍であり、クローム鋳鋼よりも格段に向上する。そのた
め、廃液晶パネルの装置本体の寿命を確実に延ばすこと
ができる。
【0037】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記回転刃および上記固
定刃を内包する粉砕室が、側壁部とその内面に設けられ
る少なくとも1枚の内面板とからなる多重構造であるこ
とを特徴としている。
【0038】上記の構成によれば、単層の粉砕室に比べ
層厚が厚くなるため、粉砕時の上記粉砕室の耐久性が確
実に向上し、廃液晶パネルの処理装置本体の寿命を延ば
すことができる。
【0039】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記内面板は、ビッカー
ス硬度が11.8GPa以上の超硬合金板、または、ビ
ッカース硬度が15.0GPa以上のセラミック板から
なっていることを特徴としている。
【0040】上記の構成によれば、超硬合金板は、廃液
晶パネルよりも硬度が格段に高くて耐久性に優れてお
り、また、セラミック板は、従来の1軸粉砕機に使用さ
れるクローム鋳鋼よりも耐磨耗性が格段に向上する。そ
の結果、内面板の寿命を確実に延ばすことができること
になり、廃液晶パネルの粉砕処理コストを低減すること
ができる。
【0041】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記の課題を解決するために、上記内面板は、交換可能
に設けられていることを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、上記粉砕室の内面板
が磨耗して薄くなったとき、装置本体から取り外して交
換することができる。その結果、処理装置本体に補修を
行うことなく、使用に耐えられなくなった上記内面板の
みを交換できるため、装置本体の寿命を延ばすことがで
きる。
【0043】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
上記の課題を解決するために、上記の廃液晶パネルの処
理装置を用いて廃液晶パネルを粉砕処理することを特徴
としている。
【0044】上記の構成によれば、廃液晶パネルの処理
装置の回転刃および固定刃に、廃液晶パネルよりも硬度
が格段に高くて耐久性に優れている超硬合金材料、また
は従来の1軸粉砕機に使用されるクローム鋳鋼よりも耐
磨耗性が高いセラミック材料を用いることで、これらの
交換または補修の回数を減らすことができる。
【0045】さらに、これらの回転刃または固定刃を取
り外して、刃先部を再研磨して剪断力を回復させて使用
できることから、これらの交換期間を延ばすことができ
る。
【0046】また、上記回転刃および上記固定刃を内包
する粉砕室の内面板が交換可能な多重構造であるため
に、装置本体から取り外して交換することができる。そ
のため、処理装置本体に補修を行うことなく、使用に耐
えられなくなった上記内面板のみを交換できるため、装
置本体の寿命を延ばすことができる。
【0047】さらに、上記内面板は超硬合金板またはセ
ラミック板のため、その寿命を延ばすこともできる。
【0048】以上の結果、廃液晶パネルの粉砕処理コス
トを低減することができる。
【0049】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
上記の課題を解決するために、粉砕片の大きさが20m
m以下となるように廃液晶パネルを粉砕することを特徴
としている。
【0050】上記の構成によれば、例えば、非鉄精錬炉
でのリサイクル方法に適した強度を有する粉砕片を得る
ことができる。
【0051】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
上記の廃液晶パネルの処理装置を用いて廃液晶パネルを
粉砕処理して得られる粉砕片を、非鉄精錬炉に投入して
再利用することを特徴としている。
【0052】上記の構成によれば、廃液晶パネルの処理
装置のメンテナンスコストを低く抑えつつ、高硬度なガ
ラス基板を用いた廃液晶パネルを粉砕処理することがで
き、さらに、その粉砕片を大量処理可能な非鉄精錬炉で
のリサイクル方法に用いるため、低コストで廃液晶パネ
ルをリサイクルできる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0054】まず、本発明の廃液晶パネルの処理装置に
ついて説明する前に、上記処理装置に投入される液晶パ
ネル(廃液晶パネル)について図2を用いて説明する。
【0055】なお、ここで言う廃液晶パネルとは、例え
ば、液晶パネルの製造工場において廃棄される液晶パネ
ル、情報表示装置や映像表示装置等の生産工場から廃棄
される液晶パネル、および市場にて廃棄された情報表示
装置や映像表示装置等に用いられた液晶表示装置から排
出される液晶パネルを指す。
【0056】図示した液晶パネルは、TFT(Thin Fil
m Transistor) 等のアクティブ素子(図示せず)を備え
たものである。なお、本発明は、TN(Twisted Nemati
c)液晶パネル、STN(Super Twisted Nematic)液晶パ
ネル等のデューティー液晶パネルにも勿論適用可能であ
る。なお、本発明において「液晶パネル」の範疇には、
無機EL(Electronic Luminescence)パネル、有機EL
パネル等のフラットディスプレイパネルも含まれること
とする。
【0057】本実施形態の液晶パネルは、例えば、厚さ
0.7mmまたは1.1mmの透明なガラス基板1a・
1bを、当該ガラス基板1a・1bの周縁に沿って額縁
状に配置したシール部材2を介して貼り合わせ、その間
に液晶を充填させて液晶層3とした構造となっている。
【0058】ガラス基板1a・1bは、SiO2 を50
〜70%含んだもので構成されているが、この数値に限
定されるわけではない。ガラス基板1a・1bにおける
液晶層3とは反対側の面には、それぞれ厚さ0.2〜
0.4mmの偏光板4a・4bが粘着剤を介して、それ
ぞれガラス基板1a・1bに貼り合わされている。
【0059】液晶層3の厚さ(ガラス基板1a・1b間
の距離)は、一般に4〜6μmである。なお、ガラス基
板1a・1b、偏光板4a・4b、液晶層3の厚さは上
記の値に限定されるわけではない。
【0060】ガラス基板1aの液晶層3側の面には、有
機物を主体としたカラーフィルタ5、インジウムを含む
透明な膜(ITO(Indium Thin Oxide))膜)からなる
透明電極7、有機物からなる配向膜8が、液晶層3側へ
向かってこの順で積層されている。また、各カラーフィ
ルタ5・5間には、金属クロムからなる反射防止膜6が
形成されている。
【0061】一方、ガラス基板1bの液晶層3側の面に
は、タンタル、アルミニウム、チタン等のうちのいずれ
かの金属膜からなるバス電極9、インジウムを含む透明
な膜(ITO膜)からなる画素電極10、有機物からな
る配向膜11が、液晶層3側へ向かってこの順で積層さ
れている。なお、これらの各電極および膜の厚さは、ガ
ラス基板1a・1bの厚さに比べて十分に薄い厚さであ
る。
【0062】このような構成の液晶パネルに、液晶駆動
用ドライバーIC(Integrated Circuit)、接続材、プ
リント基板、抵抗やコンデンサ部品等をはじめとする多
くの部材が直接的または間接的に取り付けられて一体化
されたものが液晶パネルモジュール(図示せず)とな
る。
【0063】なお、上記の液晶駆動用ドライバーIC
(以下、液晶ドライバーICと記載)は、例えば、ポリ
イミドフィルム上に液晶ドライバーICチップを搭載し
たTCP(Tape Carrier Package)を、接着剤中に金属
コーティングした樹脂ビーズを分散した異方性導電シー
トにて液晶パネルと接続するTCP方式で液晶パネルに
取り付けられていてもよく、また、液晶ドライバーIC
チップを直接液晶パネル上に搭載するCOG(Chip On
Glass)方式にて取り付けられていてもよい。
【0064】次に、本発明の廃液晶パネルの処理装置に
ついて、当該処理装置の断面図である図1と、この装置
に用いられる回転刃28および固定刃30を示す図3
(a)(b)とを用いて説明する。
【0065】図1に示すように、本発明の処理装置とし
ての1軸粉砕機は、投入された廃液晶パネルを粉砕する
粉砕室21と、粉砕室21で粉砕された廃液晶パネルを
排出する排出口22とを備えている。
【0066】上記粉砕室21は、粉砕室側壁部23(以
下、側壁部23と記載する)と、多数の所定の大きさの
穴を有するスクリーン24とによって形成されている。
なお、側壁部23の内面には、粉砕室内面板35(以
下、内面板35と記載する)が取り付けられているが、
この点については後述する。
【0067】粉砕室21の中には、回転軸25と、回転
軸25と一体的に設けられるローター26と、ローター
26にボルトなどの留具27で取り付けられた回転刃2
8と、側壁部23にボルトなどの留具29で取り付けら
れた固定刃30とが設けられている。
【0068】上記の廃液晶パネルの処理装置の作動メカ
ニズムは、以下の通りである。駆動モータ(図示せず)
によって回転軸25とローター26とが図中矢印Aの方
向に回転すると、ローター26に設けられた回転刃28
も回転する。そして、粉砕室21の上方から廃液晶パネ
ルが投入されると、回転する回転刃28と固定刃30と
が交錯することにより、廃液晶パネルが粉砕処理され
る。
【0069】粉砕処理された廃液晶パネルの粉砕片は、
スクリーン24に設けられた穴より小さいときはこの穴
を通って排出口22より排出され、スクリーン24に設
けられた穴より大きいときは穴より小さくなるまで繰り
返し粉砕処理されるようになっている。そのため、例え
ば、20mm以下のように所望の大きさにすることがで
きる。
【0070】なお、上記の粉砕処理では、スクリーン2
4の磨耗が著しいので、スクリーン24を例えば、超硬
合金やセラミックで構成することも考えられる。しか
し、この場合、スクリーン24に対しては多数の穴開け
加工が必要であることから、材料コストおよび加工コス
トが高くなる。また、スクリーン24の磨耗の場合の交
換は容易である。以上のことから、本実施形態では、例
えば、スクリーン24を安価な鋼材SS400の浸炭焼
入れとしている。この場合、スクリーン24の厚さ8m
mで、廃液晶パネル100トン程度の粉砕処理が可能で
あった。
【0071】次に、回転刃28および固定刃30につい
て、以下に説明する。
【0072】上記の回転刃28および固定刃30は、図
3に示すように、台座31と、台座31に取り付けられ
ている先端部32(刃先部)と、回転刃28と固定刃3
0との間隔を調整する調整部33とで構成されている。
【0073】調整部33は、粉砕処理による先端部32
の磨耗量に応じて、台座31の位置を調整し、回転刃2
8または固定刃30の長さを調整するボルト・ナットな
どで構成されている。
【0074】ローター26や側壁部23には、それぞれ
基準面d・eが設けられている。そこで、調整部33に
よって回転刃28または固定刃30の長さを調整した
後、回転刃28または固定刃30の調整部33を基準面
d・eに当接することで、基準面d・eからの先端部3
2の出っ張り具合を調整でき、最終的に回転刃28と固
定刃30との間隔を調整することが可能となる。
【0075】先端部32は、超硬合金材料またはセラミ
ック材料で形成されている。本実施形態では、先端部3
2は超硬合金材料の板またはセラミック材料の板で構成
され、台座31に取り付けられている。つまり、超硬合
金板またはセラミック板が先端部32として台座31に
取り付けられている。
【0076】先端部32が超硬合金板で構成される場
合、先端部32は例えば、軟蝋付けにより台座31に固
着される。一方、先端部32がセラミック板で構成され
る場合、先端部32は例えば、接着剤を介して台座31
に固着される。この場合、上記の接着剤としては、接着
力、耐熱性、衝撃吸収性の点から、アクリル系接着剤が
良いことが判っている。
【0077】先端部32が超硬合金材料(超硬合金板)
で構成される場合、例えば、WC−Co合金、WC−T
iC−Co合金、WC−TiC−TaC(NbC)−C
o合金などの超硬合金材料は、ビッカース硬度で11.
8GPa以上であり、通常、12.8〜17.7GPa
の硬度を有している。
【0078】ここで、回転刃28または固定刃30に使
用されていた従来の鋼材と、超硬合金材料とにおけるビ
ッカース硬度および処理可能量を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】先端部32に超硬合金材料を使用した場
合、1回の刃先研磨で50〜60トンの廃液晶パネルの
粉砕処理が可能である。1回の刃先研磨量は2〜3mm
程度でよく、繰り返し再研磨して使用できるので、本発
明の処理装置の場合で約500〜600トンの廃液晶パ
ネルの粉砕処理が可能となった。つまり、表1に示すよ
うに、超硬合金材料を先端部32として用いると、他の
鋼材を用いる場合に比べて、処理可能量は格段に向上し
ている。このことから、先端部32に超硬合金材料を使
用した場合、先端部32の耐久性および耐磨耗性が向上
しているということが言える。
【0081】一方、先端部32がセラミック材料で構成
される場合、1回の刃先研磨で100トン以上の廃液晶
パネルの粉砕処理が可能であることが判った。これは、
セラミック材料の耐磨耗性が他の鋼材よりも優れている
からである。つまり、例えば、クローム鋳鋼と比べる
と、ビッカース硬度で15.0GPa以上のセラミック
材料の耐磨耗性は、アルミナセラミックの場合で数倍、
炭化珪素セラミックの場合で約20倍、窒化珪素セラミ
ックの場合で約30倍であり、クローム鋳鋼よりも格段
に高い。
【0082】以上のように、本発明では、回転刃28お
よび固定刃30の先端部32を、ビッカース硬度で1
1.8GPa以上の超硬合金材料、または、セラミック
材料で構成することにより、先端部32の耐久性および
耐磨耗性が確実に向上する。これにより、回転刃28お
よび固定刃30を頻繁に交換または補修する必要がなく
なり、廃液晶パネルの粉砕処理コストを確実に低減する
ことができる。
【0083】また、回転刃28の先端部32が超硬合金
材料で形成され、固定刃30の先端部32がセラミック
材料で形成されていてもよく、あるいは、回転刃28の
先端部32がセラミック材料で形成され、固定刃30の
先端部32が超硬合金材料で形成されていてもよい。
【0084】なお、以上では先端部32の硬度や耐磨耗
性についてのみ述べているが、先端部32に靱性が必要
なことは当然のことである。
【0085】ところで、ローター26における、回転刃
28と固定刃30とによって粉砕された粉砕片が衝突す
る部位に、ビッカース硬度が11.8GPa以上の超硬
合金板、または、セラミック板からなる保護部材34を
固着するようにしてもよい。保護部材34は、超硬合金
板で構成される場合は例えば、軟蝋付けによりローター
26に固着され、セラミック板で構成される場合は接着
剤(例えば、アクリル系接着剤)を介してローター26
に固着される。
【0086】上記粉砕片が衝突する部位は、具体的に
は、ローター26における回転刃28の近傍部分であ
り、粉砕片の衝突により磨耗が激しい部分である。この
ような部分に保護部材34を設けることにより、ロータ
ー26の磨耗、損傷を低減することができるので、ロー
ター26の交換コストを低減することができる。
【0087】次に、内面板35を備えた粉砕室21につ
いて説明する。
【0088】本処理装置の粉砕室21の側面部は、側壁
部23に内面板35が取り付けられた多重構造である。
【0089】図1・図4〔B−B’線矢視断面図(但し
粉砕室側壁部のみ)〕を用いて説明すると、粉砕室21
に取り付けられた内面板35は、一体型(内面板35a
〜35dが分離不可能で一体化している場合)であって
もよく、または内面板35a〜35dごとに分離したも
のであってもよい。
【0090】そして内面板35はボルトのような留具2
0で側壁部23に取り付けられており、この留具20を
外すことで自在に内面板35を交換することができる。
なお、留具20は、側壁部23を内面板35に対して、
固定または取り外しができれば、例えば、ネジ、ボルト
・ナット、はめ込み式等であってよく、特に取り付け方
法を特定するものではない。また、図4で粉砕室21は
四角形である場合を示しているが、特に形状を指定する
ものではない。
【0091】以上のような構成により、側壁部23の層
厚が厚くなり、処理装置本体の寿命を延ばすことができ
る。また、磨耗して薄くなった上記の内面板35のみを
交換することができ、処理装置本体の補修回数が低減さ
れる。
【0092】特に、上記内面板35は、少なくとも一部
が超硬合金材料の板またはセラミック材料の板でできて
いる。
【0093】内面板35を、例えば、厚さ15mmの鋼
材SS400にタングステンに溶射したもので構成した
場合、、廃液晶パネルを200トン程度粉砕処理すると
内面板35に穴が空くという結果が得られていた。これ
は、溶射したタングステンの層厚が薄く、この層が一旦
磨耗によって剥がされてしまうと、その後の磨耗が著し
くなるためである。
【0094】そこで、溶射した場合よりも厚みがある超
硬合金材料の板またはセラミック材料の板を、上記のよ
うに側壁部23に取り付けて廃液晶パネルを粉砕処理し
てみたところ、内面板35に穴が空くほどの磨耗はみら
れなかった。
【0095】このように、層厚に限界がある従来の溶射
方法に比べ、超硬合金板またはセラミック板を取り付け
るほうが層厚を厚くでき、内面板35の交換期間を延ば
すことができる。
【0096】ところで、本処理装置で処理される廃液晶
パネルに含まれる液晶材料は、その毒性について殆ど問
題にならない程小さいことが判ってきている。しかし、
自然には分解し難い材料であることから、加熱や薬品処
理等の何らかの方法で分解処理を行うことが望ましいと
考えられている。
【0097】また、一部の液晶パネルには、カラーフィ
ルタ基板に反射を防止する目的で金属クロムが使用され
ている。この液晶パネルをそのまま埋め立て処理した場
合には、上記クロムが酸性雨との反応により六価クロム
になることを心配する声もある。従って、このような液
晶パネルについては、回収または安定化の処理を行うこ
とが望ましい。
【0098】さらに、液晶パネルの重量の大半を占める
ガラスについては、資源を大切にする点から再生使用す
ることが望ましい。この液晶パネルは、CRTや蛍光管
などと形状が異なり、そのガラス板に薄膜が積層あるい
は貼り付けされており、詳細構造において複雑である。
しかも、液晶材料(数μm厚)、偏光板〔数百μm厚で
TAC(トリアセチルセルロース)、アクリル樹脂およ
びPVA(ポリビニルアルコール)等の多層構造〕およ
び保護薄膜(数μm厚)がガラス板に設けられるととも
に、その他多種類の有機物や配線用金属材料などの薄膜
が重なっていたりする。
【0099】例えば、本発明の実施の形態を説明する図
2に示すように、液晶パネルは、ガラス基板1a・1
b、シール部材2、液晶層3、偏光板4a・4b、カラ
ーフィルタ5、反射防止膜6、透明電極7、配向膜8・
11、バス電極9および画素電極10を有している。こ
のような液晶パネルには、例えば、アクリル系、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、エポキシ系、ポリイミド、
シリコーン系等の樹脂材料が使用されている。即ち、1
種類の液晶パネルで少なくとも数種類以上の樹脂材料が
使用され、さらに各樹脂材料は添加物を含有している。
【0100】液晶パネルを構成する上記のような各種材
料を、個別に品質を維持して回収率良くリサイクル処理
することは、処理工程が複雑になり、処理のための装置
や設備、あるいは処理業者の整備や廃液晶パネルの搬送
方法の整備などの確立すべき項目も多く、困難な課題が
多い。そのため、消費者や液晶パネルメーカーのコスト
負担を低減し、液晶パネルを構成する各種材料の処理シ
ステムを簡素化した手法が現在要求されている。
【0101】さらに、市販されている各液晶パネルは、
駆動回路や配線基板などの周辺付属部品の有無、構造や
構成材料、あるいは1インチ程度から20インチ以上ま
で存在するパネル寸法等によって互いに異なり、多種多
様である。このようなことが、廃液晶パネルの処理にお
けるコストや処理時間の増加、処理不良の増加、あるい
は多種少量処理による処理作業の非効率化をきたし、廃
液晶パネルに対するリサイクル処理の導入をより困難に
している。
【0102】加えて、廃液晶パネルに対してそれら液晶
パネルの種類に応じたリサイクル処理、例えば、化学的
処理を行おうとする場合、廃液晶パネルを液晶パネルメ
ーカー別あるいは機種別に分別する必要がある。しかし
ながら、液晶パネルを備えた製品(例えば、パーソナル
コンピュータ)は、テレビや冷蔵庫等の完成製品と異な
り、1つのあるメーカーのある製品であっても、その製
品メーカーとは別のメーカーの液晶パネルを使用してい
たり、複数メーカーの液晶パネルを製造時期等に応じて
混載していたりする。即ち、多数の製品毎に複数の液晶
パネルの機種が存在し、それら機種数も膨大である。従
って、廃液晶パネルを上記リサイクル処理に応じて分別
することは非常に困難である。
【0103】しかし、本発明の処理装置なら液晶ドライ
バーICや駆動回路基板等の周辺回路が取り付けられた
ままの状態のものでも、分解や分別の煩雑な作業を少な
く粉砕処理ができる。当然、低硬度のプラスチック基板
を用いた、廃液晶パネルや廃液晶パネル以外の廃フラッ
トディスプレイパネルも分別する必要なく、混載して粉
砕処理できることから、安価な粉砕処理方法である。
【0104】それは、本発明の廃液晶パネルの処理装置
を用いると、回転刃28、固定刃30または内面板35
の一部に超硬合金材料またはセラミック材料を用いるこ
とで耐久性が従来の1軸粉砕機に比べて向上するためで
ある。また、回転刃28と固定刃30の間隔を調整して
粉砕能力を維持できるため、これら刃の頻繁な交換が必
要ない。その結果、本実施形態は、廃液晶パネルの分解
・分別の作業コストや処理装置のメンテナンスコストを
低く抑えつつ粉砕処理ができる。
【0105】次に、上記した処理装置から排出される廃
液晶パネルの粉砕片を非鉄精錬炉に投入するリサイクル
処理について説明する。
【0106】非鉄精錬でのリサイクル処理方法は、液晶
パネルに使われるガラスがSiO2を多く含むことに着
目してなされたものであり、非鉄製錬炉では、ガラスは
フラックス剤である珪石の代替材料として融点を下げ、
流動性を増す働きと、不純物である鉄と化合して鉄を除
去する働きをする。この結果、珪石の使用量を削減する
ことができ、また、炉の設定温度を低くすること、つま
り、エネルギー投入量を少なくすることができ、コスト
を削減することも可能となる。
【0107】鉄と化合したガラスはスラグとして排出さ
れるが、このスラグは更にセメント原料として有効活用
(マテリアルリサイクル)される。また、偏光板、液晶
材料、プラスチック、エポキシ樹脂等の有機物は石炭代
替材料として還元剤並びに熱源として有効活用される。
更に、微少量ではあるが、廃液晶パネルに含まれるイン
ジウム、タンタル、チタン等の金属材料や液晶ドライバ
ーICや駆動回路基板等の周辺回路に含まれる金、銀、
パラジウム、銅等の金属材料も回収される。このよう
に、非鉄製錬でのリサイクル処理方法は、非常に効率的
なリサイクル処理方法である。
【0108】しかし、非鉄製錬炉では、炉内の温度を正
確に一定に保つ必要があることから、大量に投入する原
料、還元剤、フラックス剤等は、あらかじめ混錬されて
一定の大きさ、形状に成型しておくことが必要である。
このため、廃液晶パネルは、前もって所定の大きさ以下
に粉砕しておくことが必要となる。偏光板を効率よく粉
砕するには剪断力が必要であるが、1軸粉砕機を用いた
本発明に係る処理方法は、偏光板を十分に粉砕すること
ができる。
【0109】この結果、この廃液晶パネルの処理方法
は、廃液晶パネルを種類毎に選別する必要も無く、廃液
晶パネルが液晶を含んだ状態でもよく、また、偏光板や
液晶ドライバーICが取り付けられた状態でもよいこと
から、分解・分別が簡単であり、煩雑な分解・分別作業
に伴う処理コストを低減できる方法であり、経済的なリ
サイクル処理方法といえる。
【0110】つまり、本発明の処理方法を用いれば、上
記のリサイクル処理に使用することができる粉砕片を作
成できる。
【0111】上記のように非鉄精錬炉を用いた廃液晶パ
ネルのリサイクル処理方法は、廃液晶パネルの分別等が
必要なく、大量処理が可能な方法である。
【0112】本発明の処理方法を用いて粉砕した廃液晶
パネルの粉砕片を、非鉄精錬炉で処理することで、結果
的に経済的で大量に廃液晶パネルを処理することができ
る。
【0113】また、本発明の処理方法は、上記の非鉄精
錬炉を用いるために廃液晶パネルの粉砕片を20mm以
下、望ましくは10mm以下の大きさに粉砕することが
好ましい。
【0114】こうして得られた上記の粉砕片を、実際に
非鉄製錬炉の工程に入れて評価をした。つまり、非鉄製
錬の原料や還元剤と混錬・成型して、その強度を調べ
た。結果は、大きさ10mm以下の粉砕片を用いたもの
と較べて表面に偏光板と思われる毛羽立ちがやや見られ
たものの、充分な強度があり、実使用上全く問題のない
ものであった。つまり、20mm以下の大きさにすれ
ば、非鉄精錬炉にて処理が可能ということである。
【0115】このように、本発明の処理方法を用いる
と、必要以上に粉砕片を小さくすることなく非鉄精錬炉
での処理に適した大きさに成形できるため、粉砕処理に
かかる労力とコストを減らせる。そして、結果的に経済
的で大量に廃液晶パネルを処理することができる。
【0116】なお、本発明に係る廃液晶パネルの処理装
置は、以下の第1〜第6の廃液晶パネルの処理装置とも
表現することができる。
【0117】第1の廃液晶パネルの処理装置は、回転刃
の先端とその近傍、および固定刃の先端とその近傍が超
硬合金である構成である。
【0118】上記の構成によれば、超硬合金の硬度は、
ビッカース硬度で11.8GPa以上(通常、12.8
〜17.7GPa)であり、廃液晶パネルのガラスと比
べて硬度が高い。これにより、磨耗が少なくなり、刃先
の交換期間を延ばすことができる。
【0119】また、廃液晶パネルに用いられているガラ
スは、厚さが例えば、1.1mmや0.7mmといった
ように薄いものであるので、刃先や粉砕室側壁部に加わ
る衝撃力は比較的小さく、チッピングや欠けは少ない。
【0120】第2の廃液晶パネルの処理装置は、上記超
硬合金が板であり、これが回転刃および固定刃に蝋付け
されている構成である。
【0121】上記の構成によれば、超硬合金よりなる板
が回転刃および固定刃に蝋付けされているので、その接
合が強固であり、粉砕時に加わる衝撃力でも剥がれるこ
とがなく、刃先の交換期間を延ばすことができる。
【0122】第3の廃液晶パネルの処理装置は、回転刃
の先端とその近傍、および固定刃の先端とその近傍が、
ビッカース硬度で15.0GPa以上のセラミック材料
である構成である。
【0123】上記の構成によれば、回転刃の先端とその
近傍、および固定刃の先端とその近傍がセラミック材料
であるので、例えば、アルミナセラミックの場合、クロ
ーム鋳鋼と比べて耐磨耗性は数倍、炭化珪素セラミック
の場合で約20倍、窒化珪素セラミックの場合で約30
倍と格段に耐磨耗性が向上する。この結果、刃先の交換
期間を延ばすことができる。
【0124】第4の廃液晶パネルの処理装置は、上記セ
ラミック材料がセラミック板であり、これが回転刃およ
び固定刃に接着剤で貼り付けられている構成である。
【0125】上記の構成によれば、上記セラミック板が
接着剤で貼り付けられているので、その接着強度を大き
くすることができ、また、粉砕時に加わる衝撃力を接着
剤によって和らげることができる。これにより、粉砕時
に加わる衝撃力でも剥がれることがなく、刃先の交換期
間を延ばすことができる。
【0126】第5の廃液晶パネルの処理装置は、回転刃
および固定刃が脱着可能であり、かつ、その先端の磨耗
量に合わせて位置調整が可能な構造を有する構成であ
る。
【0127】上記の構成によれば、刃先が磨耗して丸く
なって、例えば、廃液晶パネルの偏光板を切断する剪断
力が劣化したときに、回転刃および固定刃を取り外して
刃先を再研磨して剪断力を回復させることができる。ま
た、その先端の磨耗量に合わせて位置調整が可能な構造
を有しているので、刃先の再研磨によって回転刃および
固定刃が短くなった量に合わせて位置調整することで、
回転刃と固定刃の間隔を最適値に保つことができる。こ
れにより、効率よく廃液晶パネルを粉砕することができ
る。この結果、回転刃および固定刃を繰り返し使用する
ことができ、粉砕のランニングコストを低減することが
できる。また、再研磨せずに、回転刃と固定刃の間隔を
最適値に調整するだけでも剪断力を一時的にある程度回
復することもできる。
【0128】第6の廃液晶パネルの処理装置は、粉砕室
を構成する側壁部が、少なくとも各々個別に交換可能な
粉砕室内面板を有する2重構造であり、かつ、交換可能
な粉砕室内面板あるいはその一部が、ビッカース硬度で
11.8GPa以上の超硬合金板、または、ビッカース
硬度で15.0GPa以上のセラミック板である構成で
ある。
【0129】上記の構成によれば、磨耗して肉厚が薄く
なった粉砕室内面板のみを交換することができると共
に、粉砕処理のランニングコストを低減することがで
き、さらには粉砕装置本体の寿命を延ばすことができ
る。また、交換可能な粉砕室内面板あるいはその一部
が、硬度の高い超硬合金板、または磨耗量が少ないセラ
ミック板であるので、粉砕室内面板の交換間隔も延ばす
ことができる。
【0130】また、本発明に係る廃液晶パネルの処理方
法は、以下の第1〜第3の廃液晶パネルの処理方法とも
表現することができる。
【0131】第1の廃液晶パネルの処理方法は、被粉砕
物が廃液晶パネルであり、上記第1〜第6のいずれかに
記載の廃液晶パネルの処理装置を用いて粉砕処理する構
成である。
【0132】上記の構成によれば、処理装置(1軸粉砕
機)が耐久性のある構造となっているので、高硬度であ
るガラス基板を用いた廃液晶パネルを安価に粉砕処理す
ることができる。また、処理装置は剪断力を有すること
から、元々、弾性体の粉砕を得意とする。したがって、
廃液晶パネルは、偏光板が付いたままの状態のもの、液
晶材料が入ったままの状態のもの、液晶ドライバーIC
や駆動回路基板等の周辺回路が取り付けられたままの状
態でもよく、分解や分別の煩雑な作業が少なくて済む。
これにより、安価な粉砕処理が可能となる。また、当
然、低硬度のプラスチック基板を用いた廃液晶パネルや
廃液晶パネル以外の廃フラットディスプレイパネルは、
更に安価に粉砕処理することができる。
【0133】第2の廃液晶パネルの処理方法は、第1〜
第6のいずれかに記載の廃液晶パネルの処理装置を用い
て粉砕処理された廃液晶パネルの粉砕片の大きさが20
mm以下、望ましくは10mm以下の大きさである構成
である。
【0134】上記の構成によれば、非鉄製錬炉での再利
用に適した形状に成形することが容易となる。また、成
形品の強度を十分大きくすることができるので、非鉄製
錬炉での大量処理が可能となる。
【0135】第3の廃液晶パネルの処理方法は、第1〜
第6のいずれかに記載の廃液晶パネルの処理装置を用い
て粉砕処理された廃液晶パネルの粉砕片が、非鉄製錬炉
で再利用される構成である。
【0136】上記の構成によれば、上記廃液晶パネルの
処理装置は耐久性の高い処理装置であるので、廃液晶パ
ネルを安価に粉砕処理できる。また、その粉砕片は非鉄
製錬炉で有効に再利用されるので、経済的で大量処理が
可能な有用なリサイクル方法を提供することができる。
【0137】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る廃液晶パネ
ルの処理装置は、回転刃および固定刃が、ビッカース硬
度が11.8GPa以上の超硬合金材料からなる刃先部
を備えている構成である。
【0138】それゆえ、超硬合金材料を刃先部に用いる
ことにより、刃先部の耐久性が向上するので、廃液晶パ
ネルの粉砕処理時における刃先部の磨耗が確実に低減さ
れる。これにより、回転刃および固定刃の交換または補
修の回数を減らすことができ、その結果、廃液晶パネル
の粉砕処理コストを低減することができるという効果を
奏する。
【0139】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記刃先部は、超硬合金板からなり、上記回転刃および
上記固定刃は、上記超硬合金板が固着される台座をさら
に備えている構成である。
【0140】それゆえ、超硬合金板を台座に固着するこ
とで、容易に回転刃および固定刃を得ることができる。
また、超硬合金板が台座に固着(例えば、蝋付け)され
ているので、粉砕時の衝撃力が超硬合金板に加わったと
しても、超硬合金板が台座から剥がれることがなく、回
転刃および固定刃の寿命を確実に延ばすことができると
いう効果を奏する。
【0141】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
回転刃および固定刃が、ビッカース硬度が15.0GP
a以上のセラミック材料からなる刃先部を備えている構
成である。
【0142】それゆえ、耐磨耗性の優れたセラミック材
料を刃先部に用いることで、回転刃および固定刃の交換
または補修の回数を減らすことができ、その結果、廃液
晶パネルの粉砕処理コストを低減することができるとい
う効果を奏する。
【0143】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記刃先部は、セラミック板からなり、上記回転刃およ
び上記固定刃は、上記セラミック板が固着される台座を
さらに備えている構成である。
【0144】それゆえ、セラミック板を台座に固着する
ことで、容易に回転刃および固定刃を得ることができ
る。また、セラミック板が台座に固着されているので、
粉砕時の衝撃力がセラミック板に加わったとしても、セ
ラミック板が台座から剥がれることがなく、回転刃およ
び固定刃の寿命を確実に延ばすことができるという効果
を奏する。特に、セラミック板を接着剤を介して台座に
固着させることにより、セラミック板の台座に対する接
着力を大きくすることができ、また、粉砕時にセラミッ
ク板に加わる衝撃力を接着剤によって和らげることもで
きる。その結果、衝撃が加わっても、セラミック板が台
座から剥がれるのを確実に回避することができるという
効果を奏する。
【0145】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記回転刃および上記固定刃は、装置本体から脱着可能
に設けられている構成である。
【0146】それゆえ、上記刃先部が磨耗して丸くなっ
て切断する剪断力が低下したとき、これらの回転刃また
は固定刃を取り外して、刃先部を再研磨して剪断力を回
復させて使用することができる。その結果、回転刃およ
び固定刃の交換または補修の回数を減らすことができ、
廃液晶パネルの粉砕処理コストを低減することができる
という効果を奏する。
【0147】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記回転刃および上記固定刃は、粉砕処理による上記刃
先部の磨耗量に応じて、上記回転刃と上記固定刃との間
隔を調整するための調整部をそれぞれ備えている構成で
ある。
【0148】それゆえ、刃先部の再研磨によって上記回
転刃または上記固定刃が短くなった場合、その短くなっ
た分だけ調整部により調整することで、回転刃と固定刃
との間隔を、本来の効率よい粉砕ができる間隔に設定し
なおせるので、回転刃または固定刃を交換することなく
長期間使用することができる。その結果、廃液晶パネル
の粉砕処理コストを低減することができるという効果を
奏する。
【0149】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記回転刃を回転させるための回転軸と一体的に設けら
れ、上記回転刃が固定されるローターをさらに備え、上
記ローターにおける、上記回転刃と上記固定刃とによっ
て粉砕された粉砕片が衝突する部位に、ビッカース硬度
が11.8GPa以上の超硬合金板、または、ビッカー
ス硬度が15.0GPa以上のセラミック板が固着され
ている構成である。
【0150】それゆえ、廃液晶パネルの装置本体の寿命
を確実に延ばすことができるという効果を奏する。
【0151】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記回転刃および上記固定刃を内包する粉砕室が、側壁
部とその内面に設けられる少なくとも1枚の内面板とか
らなる多重構造である構成である。
【0152】それゆえ、単層の粉砕室に比べ層厚が厚く
なるため、粉砕時の上記粉砕室の耐久性が確実に向上
し、廃液晶パネルの処理装置本体の寿命を延ばすことが
できるという効果を奏する。
【0153】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記内面板は、ビッカース硬度が11.8GPa以上の
超硬合金板、または、ビッカース硬度が15.0GPa
以上のセラミック板からなっている構成である。
【0154】それゆえ、超硬合金板は、廃液晶パネルよ
りも硬度が格段に高くて耐久性に優れており、また、セ
ラミック板は、従来の1軸粉砕機に使用されるクローム
鋳鋼よりも耐磨耗性が格段に向上する。その結果、内面
板の寿命を確実に延ばすことができることになり、廃液
晶パネルの粉砕処理コストを低減することができるとい
う効果を奏する。
【0155】本発明に係る廃液晶パネルの処理装置は、
上記内面板は、交換可能に設けられている構成である。
【0156】それゆえ、上記内面板が磨耗して層厚が薄
くなったとき、装置本体から取り外して交換することが
できる。その結果、粉砕処理装置本体に補修を行うこと
なく、使用に耐えられなくなった上記内面板のみを交換
できるため、装置本体の寿命を延ばすことができるとい
う効果を奏する。
【0157】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
上記の廃液晶パネルの処理装置を用いて廃液晶パネルを
粉砕処理する構成である。
【0158】それゆえ、廃液晶パネルの粉砕処理コスト
を低減することができるという効果を奏する。
【0159】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
粉砕片の大きさが20mm以下となるように廃液晶パネ
ルを粉砕する構成である。
【0160】それゆえ、非鉄精錬炉でのリサイクル方法
に適した強度を有する粉砕片を得ることができるという
効果を奏する。
【0161】本発明に係る廃液晶パネルの処理方法は、
上記の廃液晶パネルの処理装置を用いて廃液晶パネルを
粉砕処理して得られる粉砕片を、非鉄精錬炉に投入して
再利用する構成である。
【0162】それゆえ、廃液晶パネルの処理装置のメン
テナンスコストを低く抑えつつ、高硬度なガラス基板を
用いた廃液晶パネルを粉砕処理することができ、さら
に、その粉砕片を大量処理可能な非鉄精錬炉でのリサイ
クル方法に用いるため、低コストで廃液晶パネルをリサ
イクルできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る廃液晶パネルの処
理装置としての1軸粉砕機の概略の構成を示す断面図で
ある。
【図2】上記の1軸粉砕機にて粉砕処理される液晶パネ
ル(廃液晶パネル)の概略の構成を示す断面図である。
【図3】(a)は、上記の1軸粉砕機に用いられる回転
刃および固定刃の構成を示す平面図であり、(b)は、
上記の回転刃および固定刃の構成を示す側面図である。
【図4】上記粉砕室の内部を示す、図1におけるB−
B’線矢視断面図である。
【図5】従来の1軸粉砕機の概略の構成を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
21 粉砕室 23 粉砕室側壁部 24 スクリーン 25 回転軸 26 ローター 27 留具 28 回転刃 29 留具 30 固定刃 31 台座 32 先端部(刃先部) 33 調整部 34 保護部材 35 粉砕室内面板 d 基準面 e 基準面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1333 500 B09B 3/00 Z 303Z (72)発明者 甲斐田 一弥 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA30 MA20 2H090 JC20 3C039 EA41 3C051 GG07 GG09 GG11 GG13 4D004 AA22 CA04 CA22 CB13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転刃と固定刃とによって廃液晶パネルを
    粉砕処理する廃液晶パネルの処理装置において、 上記回転刃および上記固定刃が、ビッカース硬度で1
    1.8GPa以上の超硬合金材料からなる刃先部を備え
    ていることを特徴とする廃液晶パネルの処理装置。
  2. 【請求項2】上記刃先部は、超硬合金板からなり、 上記回転刃および上記固定刃は、上記超硬合金板が固着
    される台座をさらに備えていることを特徴とする請求項
    1に記載の廃液晶パネルの処理装置。
  3. 【請求項3】回転刃と固定刃とによって廃液晶パネルを
    粉砕処理する廃液晶パネルの処理装置において、 上記回転刃および上記固定刃が、ビッカース硬度で1
    5.0GPa以上のセラミック材料からなる刃先部を備
    えていることを特徴とする廃液晶パネルの処理装置。
  4. 【請求項4】上記刃先部は、セラミック板からなり、 上記回転刃および上記固定刃は、上記セラミック板が固
    着される台座をさらに備えていることを特徴とする請求
    項3に記載の廃液晶パネルの処理装置。
  5. 【請求項5】上記回転刃および上記固定刃は、装置本体
    から脱着可能に設けられていることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれかに記載の廃液晶パネルの処理装
    置。
  6. 【請求項6】上記回転刃および上記固定刃は、粉砕処理
    による上記刃先部の磨耗量に応じて、上記回転刃と上記
    固定刃との間隔を調整するための調整部をそれぞれ備え
    ていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載の廃液晶パネルの処理装置。
  7. 【請求項7】上記回転刃を回転させるための回転軸と一
    体的に設けられ、上記回転刃が固定されるローターをさ
    らに備え、 上記ローターにおける、上記回転刃と上記固定刃とによ
    って粉砕された粉砕片が衝突する部位に、ビッカース硬
    度が11.8GPa以上の超硬合金板、または、ビッカ
    ース硬度が15.0GPa以上のセラミック板が固着さ
    れていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    に記載の廃液晶パネルの処置装置。
  8. 【請求項8】上記回転刃および上記固定刃を内包する粉
    砕室が、側壁部とその内面に設けられる少なくとも1枚
    の内面板とからなる多重構造であることを特徴とする請
    求項1ないし7のいずれかに記載の廃液晶パネルの処理
    装置。
  9. 【請求項9】上記内面板は、ビッカース硬度が11.8
    GPa以上の超硬合金板、または、ビッカース硬度が1
    5.0GPa以上のセラミック板からなっていることを
    特徴とする請求項8に記載の廃液晶パネルの処理装置。
  10. 【請求項10】上記内面板は、交換可能に設けられてい
    ることを特徴とする請求項8または9に記載の廃液晶パ
    ネルの処理装置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    廃液晶パネルの処理装置を用いて廃液晶パネルを粉砕処
    理することを特徴とする廃液晶パネルの処理方法。
  12. 【請求項12】粉砕片の大きさが20mm以下となるよ
    うに廃液晶パネルを粉砕することを特徴とする請求項1
    1に記載の廃液晶パネルの処理方法。
  13. 【請求項13】請求項1ないし10のいずれかに記載の
    廃液晶パネルの処理装置を用いて廃液晶パネルを粉砕処
    理して得られる粉砕片を、非鉄精錬炉に投入して再利用
    することを特徴とする廃液晶パネルの処理方法。
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