JP2002238283A - 位置センサレスモータの制御装置 - Google Patents

位置センサレスモータの制御装置

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JP2002238283A
JP2002238283A JP2001036522A JP2001036522A JP2002238283A JP 2002238283 A JP2002238283 A JP 2002238283A JP 2001036522 A JP2001036522 A JP 2001036522A JP 2001036522 A JP2001036522 A JP 2001036522A JP 2002238283 A JP2002238283 A JP 2002238283A
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Ichiro Oyama
一朗 大山
Kazunari Narasaki
和成 楢崎
Tomokuni Iijima
友邦 飯島
Toru Tazawa
徹 田澤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位置センサレスモータの制御装置において、
温度変化や量産ばらつきに起因してモータパラメータ誤
差が生じ、推定角度に誤差が発生する。推定誤差が発生
すると、効率の低下や安定性の低下などの問題が生じ
る。 【解決手段】 電圧指令作成部14で作成した電圧指令
値と電流値検出部5で検出した電流値を基に、推定位置
出力部9にてモータモデル式からロータの推定角度と推
定角速度を演算する。この際モデル式中のモータ定数と
実際の定数との誤差補正係数を定義してモデル式中に組
み込み変化させることで、演算における中間変数を所定
の範囲に収束させる。その結果、温度変化や量産ばらつ
きによる推定角度誤差の変動やばらつきが大幅に低減さ
れる。つまり、常に高精度角度推定、高効率かつ安定な
位置センサレスモータの制御装置を提供できる。また、
脱調防止機能と脱調検出機能を含み、より安定かつ安全
な制御装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位置センサを用いず
にモータモデル式と電流値、電圧値などを用いて演算出
力したロータの位置(回転角度)を用いてモータを制御
する位置センサレスモータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】位置センサを用いず電流センサから検出
された電流と印加された電圧を用いてロータ位置θをモ
ータのモデル式から推定する方式がある。そして推定位
置θcを用いて正弦波通電駆動を行う。この技術に関し
ては電気学会論文集D、115巻4号、p.420〜
p.427(平成7年)や、電気学会論文集D、117
巻、1号、p.98〜p.104(平成9年)に記載さ
れたものが良く知られている。
【0003】以下、位置センサレスモータのロータ位置
θ推定式について図5を用いて説明する。
【0004】図5のようにモータのロータ磁極上に定義
された直交するd軸とq軸に基づく回路方程式は(数
1)で表される。
【0005】
【数1】
【0006】(数1)において、id、iqは電流のd
軸、q軸成分、Ldはd軸インダクタンス、Lqはq軸イ
ンダクタンス、Vd、Vqは電圧のd軸、q軸成分、Rは
相巻線抵抗値、Eは速度起電力、ωは回転角速度、pは
微分演算子である。また、φをd軸、q軸上の電機子鎖
交磁束とするとE=ω・φとなる。
【0007】(数1)のモータの回路方程式から導かれ
たモデル式(数2)に従い図5の推定回転角度θc(n)と
推定回転角速度ωco(n)を演算出力する。モデル中では
90°位相の異なる図5のγ軸とδ軸を基準としてロー
タの推定角度θcの演算を行う。γ軸は上記d軸を推定
したものであり、δ軸は上記q軸を推定したものとな
る。図5に示すように推定角度θcと真の角度θの誤
差、つまりγ軸とd軸のずれもしくはδ軸とq軸のずれ
を推定角度誤差Δθと呼ぶ。
【0008】
【数2】
【0009】(数2)において、iγはγ軸電流、iδ
はδ軸電流、Vγはγ軸電圧、Vδはδ軸電圧を表す。
θcは推定角度、ωcoは推定角速度ωcにローパスフィル
タをかけたもの、Tは角度推定周期、Kemはモデル内で
演算に用いる誘起電圧定数、Rmはモデル内で演算に用
いる抵抗値、Ldm、Lqmはモデル内で演算に用いるイン
ダクタンス値、Ke、Kθは制御ゲイン、Kはローパス
フィルタ係数である。添え字(n)は今回の値、(n-1)は前
回の値を示す。
【0010】モデル式から計算されるモデル電流値と、
実際に流れている電流の検出電流値の差を計算し(Δi
γ、Δiδ)、それを用いてE、θc、ωcoを推定するも
のである。
【0011】以上のように、ロータの位置(回転角度)
を知るためのエンコーダなどの位置センサを用いること
なく、モータのモデル式を用いて演算する事によってロ
ータの角度と角速度を出力することが可能であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の位置センサ
レスモータの制御装置によれば、温度変化や量産ばらつ
きにより、ロータの位置などを演算推定する際に用いる
モータのモデル式の抵抗値Rm、インダクタンスLdm、
Lqmや誘起電圧定数Kemと、実際のモータの抵抗値Rや
インダクタンスLd、Lqや誘起電圧定数Keとの誤差に
変動、ばらつきが生じる。
【0013】また、温度変化や量産ばらつきにより、電
流センサ等により検出される検出電流値と実際に前記コ
イルに流れている電流値との誤差や、コイルに印加しよ
うとする指令電圧値と実際にコイルに印加されている電
圧値との誤差にも変動、ばらつきが生じる。
【0014】従来の位置センサレスモータの制御装置で
は、これらの誤差により、演算出力されたロータの推定
角度θcと実際のロータの角度θの間の推定角度誤差Δ
θの変動やばらつきが生じて、モータ効率が低下するこ
とがあり、また、暴走や脱調の可能性も高くなるという
問題がある。
【0015】本発明は上記問題点を鑑みて、温度変化や
量産ばらつきにより、位置推定演算の際にモデル式で用
いるモータ定数と実際のモータ定数との間の誤差や、実
際にコイルに流れている電流値と電流センサ等により検
出される検出電流値との間の誤差や、コイルに印加しよ
うとする指令電圧値と実際にコイルに印加されている電
圧値との間の誤差が生じ、これら誤差が変動したりばら
ついたりしても、高精度角度推定、高効率、安定、安全
な位置センサレスモータの制御装置を提供する事を目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために、本発明の位置センサレスモータの制御装置は、
ロータと、複数相のコイルが巻かれたステータと、前記
コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、前記コイル
に流れる相電流値を検出する電流値検出手段と、前記電
流値検出手段により検出した交流の相電流検出値を位相
の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二軸直流電流
値に変換する交流直流変換手段と、直流量で与えられる
指令電流値と前記ロータの推定位置に基づき前記電圧印
加手段が印加する交流量の相電圧指令値を算出する電圧
指令演算手段と、モータ定数を含むモータのモデル式と
前記二軸直流電流値と前記相電圧指令値とに基づき、前
記推定位置を演算出力する推定位置出力手段とを具備
し、前記推定位置出力手段が、前記モデル式から得られ
るγ軸モデル電流値と前記γ軸電流値との差であるγ軸
電流誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、前記相電
圧指令値と前記電圧印加手段により実際に印加されてい
る相電圧値との誤差を補償する電圧補正係数と、前記電
流検出手段により検出される前記相電流検出値と実際前
記コイルに流れている前記相電流値との誤差を補償する
電流補正係数と、前記モータ定数とのうち少なくとも一
つを変化させる事により、前記γ軸電流誤差をある範囲
に収束させる誤差補償手段とを有するものである。
【0017】これにより、温度変化や量産ばらつきが生
じても、前記ロータの推定位置と実際位置との誤差のば
らつきを抑えることができるため、高精度、高効率かつ
安定な位置センサレスモータの制御装置を実現すること
ができる。
【0018】また、本発明の位置センサレスモータの制
御装置は、ロータと、複数相のコイルが巻かれたステー
タと、前記コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、
前記コイルに流れる相電流値を検出する電流値検出手段
と、前記電流値検出手段により検出した交流の相電流検
出値を位相の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二
軸直流電流値に変換する交流直流変換手段と、直流量で
与えられる指令電流値と前記ロータの推定位置に基づき
前記電圧印加手段が印加する交流量の相電圧指令値を算
出する電圧指令演算手段と、モータ定数を含むモータの
モデル式と前記二軸直流電流値と前記相電圧指令値とに
基づき前記推定位置を演算出力する推定位置出力手段と
を具備し、前記推定位置出力手段が、前記モデル式から
得られるγ軸モデル電流値と前記γ軸電流値との差であ
るγ軸電流誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、前
記モデル式から得られるδ軸モデル電流値と前記δ軸電
流値との差であるδ軸電流誤差を算出するδ軸電流誤差
演算手段と、前記γ軸電流誤差と前記δ軸電流誤差との
うち少なくとも1つに基づき前記指令電流値と前記ロー
タの回転数調節に用いる回転数指令とのうち少なくとも
一つを変化させる入力制限手段とを有するものである。
【0019】これにより、温度変化や量産ばらつきによ
り前記ロータの推定角度と実際角度との間の推定角度誤
差が生じても、前記入力制限手段により前記推定角度誤
差の増大を防ぐことが可能となるため、安定かつ安全な
位置センサレスモータの制御装置を実現することができ
る。
【0020】また、本発明の位置センサレスモータの制
御装置は、ロータと、複数相のコイルが巻かれたステー
タと、前記コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、
前記コイルに流れる相電流値を検出する電流値検出手段
と、前記電流値検出手段により検出した交流の相電流検
出値を位相の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二
軸直流電流値に変換する交流直流変換手段と、直流量で
与えられる指令電流値と前記ロータの推定位置に基づき
前記電圧印加手段が印加する交流量の相電圧指令値を算
出する電圧指令演算手段と、モータ定数を含むモータの
モデル式と前記二軸直流電流値と前記相電圧指令値とに
基づき前記推定位置を演算出力する推定位置出力手段と
を具備し、前記推定位置出力手段は、前記モデル式から
得られるγ軸モデル電流値と前記γ軸電流値との差であ
るγ軸電流誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、前
記モデル式から得られるδ軸モデル電流値と前記δ軸電
流値との差であるδ軸電流誤差を算出するδ軸電流誤差
演算手段と、前記γ軸電流誤差と前記δ軸電流誤差のう
ち少なくとも一つに基づき脱調判別を行う脱調検出手段
とを有するものである。
【0021】これにより、脱調した際の対応が可能とな
るため、安全な位置センサレスモータの制御装置を実現
することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図1から図4を用いて説明する。
【0023】(実施の形態1)図1は実施の形態1にお
ける位置センサレスモータの制御装置のブロック図であ
る。
【0024】図1において、1はモータ、2はロータ、
3u、3v、3wはステータのコイル、4は電圧印加
部、5は電流値検出部、6は交流直流変換部、7はアナ
ログディジタルコンバータ(Analog Didit
al Converter)、8は三相二相変換部、9
は推定位置出力部、10はアナログディジタルコンバー
タ、11は速度制御部、12は電流指令値出力部、13
は電圧指令演算部、14は電圧指令作成部、15は二相
三相変換部、16はPWM制御器である。
【0025】以下、その動作について詳細に説明する。
【0026】モータ1は表面に永久磁石が配置されたロ
ータ2とステータ(図示せず)に巻かれたコイル(u相
コイル3u、v相コイル3v、w相コイル3w)から構
成される。
【0027】図2は図1における電圧印加部4とPWM
制御器16の内部構成を詳細に書いた図である。
【0028】電圧印加部4は図2に示す様に直流電源2
0とトランジスタなどのスイッチング素子(Q1〜Q
6)とスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオー
ド(D1〜D6)とベースドライブ回路21とから構成
される。スイッチング素子(Q1〜Q6)をオン、オフ
して直流電源20から電圧を与え各相のコイル3u、3
v、3wに電流を流す。ここで、PWM制御器16から
のオン信号に応じてスイッチング素子を導通するための
ベースドライブ回路21が設けられている。
【0029】次に、コイル3u、3vに流れる相電流値
は電流値検出部5と交流直流変換部6により、三相交流
電流量(iu、iv、iw)から二軸直流電流量(i
γ、iδ)に変換される。まず、コイル3u、3v、3
wに流れる三相交流電流のうち二つの相が電流値出力部
5により検出され電圧出力される。そして電圧はマイコ
ンに内蔵されているADC7によってマイコン内に取り
込まれる。そして三相二相変換部8は(数3)の演算を
行い三相交流量(iu、iv)から二軸直流量(iγ、i
δ)へ変換し出力する。
【0030】
【数3】
【0031】(数3)で用いるロータの角度θcは後述
する推定位置出力部9から出力される推定角度θcを用
いる。
【0032】次に電流指令値(iγ*、iδ*)の作成方
法について述べる。まず、速度指令値ω*に対応する電
圧Vω*がADC10を通してマイコン内に取り込まれ
る。また、推定位置出力部9から出力される角速度の推
定値ωcoも速度制御部11に入力される。そして速度指
令値ω*と推定角速度ωcoの差を比例・積分(PI)制御を
行いトルク指令T*を出力する。次に電流指令値出力部
12はトルク指令値T*を直流量の電流指令値(iγ*、
iδ*)に変換して出力する。ここで、トルクと電流と
の間には(数4)が成立する。
【0033】
【数4】
【0034】ここで、id、iqはそれぞれコイル3u、3
v、3wに流れる三相交流電流のd軸成分、q軸成分であ
る。また、φaは永久磁石の誘起電圧定数から求められ
る値、Ldはインダクタンスのd軸成分、Lqはインダクタ
ンスのq軸成分、Pはロータの極対数である。
【0035】ここで、一般の表面磁石形モータ(Surfac
e Parmanent magnet Motor:SPM)の場合はLq=
Ldであるため、トルク指令値T*から電流指令値に次の
ように変換される。
【0036】
【数5】
【0037】即ち、SPMの場合は上式に応じて電流指
令値出力部12からγ軸、δ軸に対して電流指令値が出
力される。
【0038】次に、電圧指令演算部13について説明す
る。電圧指令演算部13は電圧指令作成部14、二相三
相変換部15、およびPWM制御器16から構成され
る。まず電圧指令作成部14は電流指令値出力部12と
交流直流変換部5から出力される直流量(iγ*、iδ
*)と(iγ、iδ)の各々の誤差を(数6)のPI動
作に従って電圧指令値(Vγ*、Vδ*)に変換し出力す
る。
【0039】
【数6】
【0040】ここで、KP、KIはそれぞれ比例ゲイン、
積分ゲインである。
【0041】そして、二相三相変換部15は二軸直流量
(Vγ*、Vδ*)から三相交流量(vu*、vv*、vw*)へ
の変換を(数7)に従って行い出力する。
【0042】
【数7】
【0043】上式で用いるロータの角度θcは(数3)
の場合と同様に後述する推定位置出力部9から出力され
る推定角度θcを用いる。
【0044】次にPWM制御器16について図2と図3
を用いて説明する。
【0045】電圧印加部4はスイッチング素子(Q1〜
Q6)の損失を低減するためオンまたはオフの動作を行
う。この手法はモータのスイッチング素子の制御ではよ
く知られたPWM制御(Pulse Width Modulation)と
いうものであり、これについて説明する。
【0046】図3はPWM制御器16の動作原理を図解
したものである。
【0047】まず、三角波発生回路22は図3に示す三
角波を発生させる。そして図3ににおける電圧指令vu
*を三角波と比較し電圧が三角波より大きい場合にスイ
ッチング素子Q1を導通し、電圧が三角波より小さい場
合にスイッチング素子Q4を導通する(実際には後述す
るようにスイッチング素子Q1とQ4の同時導通を避け
るためスイッチング素子Q1とQ4が両方OFFである
デッドタイム期間が存在する)。即ち、PWM期間(三
角波の一周期)にオンまたはオフの指令が与えられ、オ
ン期間の長さによって各相に印加される電圧が制御され
る。PWMの一周期は500μsec〜50μsec程度の値
が採用されている。電圧指令vv*についてはスイッチ
ング素子Q2、Q5を用いて同様の動作を行い、電圧指
令vw*についてはスイッチング素子Q3、Q6を用い
て同様の動作を行う。
【0048】次に、推定位置出力部9について説明す
る。推定位置出力部9は、以下のモータの理論式から導
かれたモデル式を用い最終的に推定角度θcと推定角速
度ωcoを演算出力する。出力される推定角度θcは、
温度変化や量産ばらつきによる推定精度の低下が従来に
比べ大幅に改善され、常に高精度に角度推定がなされ
る。更に、急激な加減速の際に推定角度θcと実際の角
度θの間の誤差が大きくなった時に、電流指令値出力部
12による電流指令値を小さくする機能と、モータが脱
調した時に直ちに脱調を検出してモータへの通電を停止
する機能を持つ。これらの機能により、推定位置出力部
9は従来に比べて高精度、高効率、安定かつ安全な位置
センサレスモータの制御回路を実現している。
【0049】最初に、推定角度θcおよび推定角速度ωc
oの演算出力法について説明する。
【0050】まず、モデル式に代入するインダクタンス
Ldm、Lqm、抵抗値Rm、誘起電圧定数Kemの値を、量
産ばらつきの中心値付近の値に決定し、中間変数Δiγ
(n)とΔiδ(n)を(数8)から求める。
【0051】
【数8】
【0052】ここで、電圧のγ軸成分Vγ*、δ軸成分
Vδ*は電圧指令作成部14から出力される電圧指令値
を用いる。尚、この電圧指令演算部13に、電圧指令作
成部14から出力された電圧指令Vγ*、Vδ*を制限す
る機能がある場合は、制限された後の電圧指令値を、
(数7)から逆演算もしくは三相二相変換することによ
ってVγ*、Vδ*を求め、それを(数8)で用いても良
い。また、Tは角度推定周期、Eは(数10)で求めら
れた誘起電圧、ωcoは(数10)で求められた推定角速
度を代入する。αδrは、(数9)で定義される誤差率
αδを補正係数αδrとして定義してモデル式に導入
し、誤差率αδを補償しようとするものである。誤差率
αδは、電圧印加部4に加えられる電圧指令作成部14
からのδ軸電圧指令値Vδ2と、コイル3に実際に印加
されている電圧値のδ軸電圧換算値Vδ1との誤差率で
ある。添え字(n)は今回の値、(n-1)は前回の値を示す。
【0053】
【数9】
【0054】(数8)は(数2)の従来方式の数式にδ
軸電圧補正係数αδrの項が入っている点が異なる。
【0055】(数8)で求めたΔiγ(n)とΔiδ(n)を
(数10)に代入し誘起電圧E(n)と推定角度θc(n)と
推定角速度ωco(n)の演算を行う。
【0056】
【数10】
【0057】ここで、Kθ、Keは制御ゲイン、Kはロ
ーパスフィルタ係数を表す。
【0058】従来は(数8)と(数10)でαδr=0
とした式の演算により角度推定を行っていたが、本発明
では更に(数11)に従い(数8)のαδrを変化させ
ることによって、ΔiγをAに収束させる。Aはゼロな
どのある値でもよいが、収束値に幅を持たせ、ゼロもし
くは適当な値を中心とする所定の範囲とする事が多い。
例えば、Δθが負になると不安定になりやすい場合があ
るが、その場合Δθをゼロではなく正の方向中心にばら
つきを持たせる為、Aをゼロでない適当な値、もしくは
Aをゼロでない適当な値を中心とする所定の範囲とする
ことがある。
【0059】
【数11】
【0060】ここで、Kcは収束の速さを決める制御定
数である。温度変化によるパラメータ変動は緩やかなた
めKcの絶対値は小さい値でよい。また、(数12)は
(数2)(数13)をもとにΔiγの理論式を求めたも
のである。(数11)は、(数12)の理論式に基づき
ΔiγをAに収束させるものである。(数12)中のパ
ラメータ誤差率αδ、βγ、βδ、γR、γLd、γK
は(数9)(数13)で定義されるものである。
【0061】
【数12】
【0062】
【数13】
【0063】(数13)で、βγはコイル3u、3v、
3wに実際に流れている電流値と電流値検出部5により
検出される検出電流値との検出誤差率のγ軸成分、βδ
はコイル3u、3v、3wに実際に流れている電流値と
電流値検出部5により検出される検出電流値との検出誤
差率のδ軸成分、γRは実際のコイル3u、3v、3w
の抵抗値Rとモデル式に入れる抵抗値Rmの誤差率、γ
Ldは実際のd軸インダクタンスLdとモデル式に入れ
るd軸インダクタンスLdmの誤差率、γKは実際の誘起
電圧定数KEとモデル式に入れる誘起電圧定数Kemの誤
差率である。
【0064】このようにして、ロータ2の位置(角度)
を知るためのエンコーダなどの位置センサを用いること
なくモータのモデル式を用いて演算する事によってロー
タ2の角度と角速度を高精度に出力することが可能とな
る。
【0065】従来のように(数11)を用いない場合
は、温度変化や量産ばらつきによる(数13)の各誤差
率の影響で、推定位置θcに誤差が生じる。また、(数
13)の各誤差率以外にも、γ軸成分の電圧誤差率αγ
やq軸インダクタンスの誤差率γLqによっても推定位
置θcに誤差が生じる。この誤差θcの変動やばらつき
の影響でモータ効率の悪いものや安定性の悪いものが出
てくることになる。
【0066】本発明で(数11)を演算に加えることに
より、推定角度誤差Δθの変動やばらつきを低減するこ
とができるため、常に高精度に角度推定を実現すること
ができ、したがって、高効率かつ安定性の良い位置セン
サレスモータの制御装置を実現することができる。
【0067】例えば、温度変化および量産ばらつきによ
り、上記αγ、αδが各±10%(合計各20%)、上
記βγ、βδが各±10%(合計各20%)、上記γL
d、γLqが各±2%(合計各4%)、γRが±50%
(合計100%)、γKが±30%(合計60%)とい
うばらつきが生じた場合に、(数11)に従いαδrを
変化させてA=0つまりΔiγ=0に収束させると、推
定角度θcのばらつきを従来の30.6%と大幅に抑え
ることが可能となる。
【0068】また、(数8)でΔiγおよびΔiδを算
出するときに、電圧のγ軸成分Vγ*、δ軸成分Vδ*
は、コイル3u、3v、3wに実際に印加されている電
圧を検出し、その検出値をもとに三相二相変換より算出
したVγ、Vδを用いてもよいことは言うまでもない。
【0069】次に、急激な加減速の際に推定角度θcと
実際の角度θの間の誤差が大きくなった時に、電流指令
値出力部12による電流指令値を小さくする機能の説明
を行う。
【0070】急激な加速を行ったとき、ロータ2の急激
な位置変動にθcの角度推定が追従できずθcが遅れる場
合がある。この時、(数10)の第二式において、推定
角度θcが実際の角度θより遅れるでΔiγは増加す
る。(数10)の第一式では実際の誘起電圧と誘起電圧
推定値EがずれるためにΔiδが変動する。また、逆に
急激な減速を行ったとき、推定位置θcは実際のロータ
2の位置より進んでしまう場合があり、この時(数1
0)第二式のΔiγは減少する。(数10)第一式では
実際の誘起電圧と誘起電圧推定値EがずれるためにΔi
δが変動する。
【0071】このように、急激な加減速を行うと推定角
度θcと実際の角度θに誤差Δθが生じ、それによって
Δiγ、Δiδの値が急激に変動する。ここで、(数1
1)におけるKcの絶対値は十分小さく設定するため急
激な加減速の時(数11)によるΔiγへの影響はほと
んどない。また、実際のモータ定数、電流値、電圧値が
変動し、(数8)(数10)に用いているモータ定数、
検出電流値、電圧指令値との間に誤差が生じた場合に
も、推定誤差Δθが生じ、Δiγ、Δiδが変動する。
推定角度誤差Δθが大きすぎると脱調につながることに
なる。そこで、(数14)のようにΔiγ、Δiδに閾
値を設け、閾値を超えたら電流指令出力部12から出力
される電流指令値を小さくする。
【0072】
【数14】
【0073】ここで、Kr1、Kr2、Kr3、Kr4
は1未満である。
【0074】この(数14)の条件にて電流指令値出力
を制御することにより、急激な加減速の場合でも脱調を
避け、より安定なセンサレスモータの制御装置を実現す
ることができる。
【0075】尚、(数14)のように閾値B1、B2、
B3、B4で電流指令を小さくするかどうか判断するの
ではなく、図4に示すようにΔiγ、Δiδの大きさに
基づき電流指令iγ*、iδ*を徐々に小さくすることに
よっても同様の効果を得ることができる。
【0076】また、(数14)においては電流指令iγ
*、iδ*を小さくして脱調を回避しているが、電流指令
の変わりに速度制御部11から出力されるトルク指令T
*もしくは角速度指令ω*を小さくすることによっても、
同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
【0077】次に、モータが脱調した時に直ちに脱調を
検出してモータへの通電を停止する機能について説明す
る。
【0078】モータが脱調したとき、推定位置出力部9
は正確な角度推定をするのは不可能となり、(数8)で
算出されるΔiγ、Δiδの値は収束しなくなる。そこ
で、(数15)のようにΔiγ、Δiδにリミットを設
けることにより、脱調してΔiγ、Δiδが収束しなく
なったのを検出して脱調と見なし、図2のQ1からQ6
のスイッチをすべてオフすることにより通電を止めてモ
ータを停止する。
【0079】
【数15】
【0080】ここで、(数15)のC1からC2の範囲
は、(数14)のB1からB2の範囲よりも大きいもの
とする。また、(数15)のC3からC4の範囲は、
(数14)のB3からB4の範囲よりも大きいものとす
る。
【0081】この(数15)の条件にて電流指令値出力
を制御することにより、モータが脱調した際にすぐに脱
調検出してモータへの通電を止めることが可能となり、
従来よりもより安全なセンサレスモータの制御装置を実
現することができる。
【0082】以上のように推定位置出力部9は、モータ
の理論式から導かれたモデル式を用いて推定角度θcと
推定角速度ωcoを高精度に演算出力することができ
る。また、Δiγを、αδrを変化させて所定の範囲に
収束させることで、温度変化や量産ばらつきによる推定
精度や安定性の低下が従来に比べ大幅に改善される。更
に、急加減速の際に推定角度θcと実際の角度θの間の
誤差が大きくなった時に、電流指令値12による電流指
令値を小さくする機能と、モータが脱調した時に直ちに
脱調を検出してモータへの通電を停止する機能を持たせ
ることにより、推定位置出力部9は従来に比べて高精
度、高効率、安定かつ完全な位置センサレスモータの制
御回路を実現している。
【0083】本実施の形態においては、図1に示すよう
に交流直流変換部6からPWM制御器16に至るまでの
一連の処理はアナログ/デジタル変換もしくは演算処理
でありマイコン内で実現される。
【0084】また、本方式は磁石の付いたモータのみな
らず、磁石がなく鉄のみで構成されるシンクロナスリラ
クタンスモータ(Synchronous Reluctance Motor:S
ynRM)に対しても有効なことは言うまでもない。こ
こで、SynRMのモータ構造、動作原理等は本発明の
要諦とするところではないため省略する。詳細は例え
ば、電気学会半導体電力変換研究会資料、1998年、N
o.31を参照されたい。前記文献でもインダクタンス
を用いて位置を推定している。
【0085】(実施の形態2)本実施の形態のブロック
図は、図1において、推定位置出力部9を除いては同一
の構成であり、実施の形態1と同様の動作をするため説
明を省略する。また、図1の推定位置出力部9について
も、実施の形態1の(数8)(数11)が(数16)
(数17)に置き換わるだけであり、その他の動作は実
施の形態1と同様である。すなわち、(数11)でΔi
γをA(所定の値もしくは範囲)に収束させるために、
実施の形態1で用いたδ軸電圧の補正係数αδrの代わ
りにγ軸電流の補正係数βγrを変動させるという点の
みが実施の形態1と異なる。
【0086】
【数16】
【0087】
【数17】
【0088】例えば、温度変化および量産ばらつきによ
り、実施の形態1記載のαγ、αδが各±10%(合計
各20%)、βγ、βδが各±10%(合計各20
%)、γLd、γLqが各±2%(合計各4%)、γR
が±50%(合計100%)、γKが±30%(合計6
0%)というばらつきが生じた場合に、(数17)に従
いβγrを変化させてA=0つまりΔiγ=0に収束さ
せると、推定角度θcのばらつきを従来の69.9%に
抑えることが可能となる。
【0089】(実施の形態3)本実施の形態のブロック
図は、図1において、推定位置出力部9を除いては同一
の構成であり、実施の形態1と同様の動作をするため説
明を省略する。また、図1の推定位置出力部9について
も、実施の形態1の(数8)(数11)が(数18)
(数19)に置き換わるだけであり、その他の動作は実
施の形態1と同様である。すなわち、(数11)でΔi
γをA(所定の値もしくは範囲)に収束させるために、
実施の形態1で用いたδ軸電圧の補正係数αδrの代わ
りに抵抗値の補正係数γRrを変動させるという点のみ
が実施の形態1と異なる。
【0090】
【数18】
【0091】
【数19】
【0092】例えば、温度変化および量産ばらつきによ
り、実施の形態1記載のαγ、αδが各±10%(合計
各20%)、βγ、βδが各±10%(合計各20
%)、γLd、γLqが各±2%(合計各4%)、γR
が±50%(合計100%)、γKが±30%(合計6
0%)というばらつきが生じた場合に、(数19)に従
いγRrを変化させてA=0つまりΔiγ=0に収束さ
せると、推定角度θcのばらつきを従来の36.4%に
抑えることが可能となる。
【0093】(実施の形態4)本実施の形態のブロック
図は、図1において、推定位置出力部9を除いては同一
の構成であり、実施の形態1と同様の動作をするため説
明を省略する。また、図1の推定位置出力部9について
も、実施の形態1の(数8)(数11)が(数20)
(数21)に置き換わるだけであり、その他の動作は実
施の形態1と同様である。すなわち、(数11)でΔi
γをA(所定の値もしくは範囲)に収束させるために、
実施の形態1で用いたδ軸電圧の補正係数αδrの代わ
りにd軸インダクタンスの補正係数γLdrを変動させ
るという点が異なるのみである。
【0094】
【数20】
【0095】
【数21】
【0096】例えば、温度変化および量産ばらつきによ
り、実施の形態1記載のαγ、αδが各±10%(合計
各20%)、βγ、βδが各±10%(合計各20
%)、γLd、γLqが各±2%(合計各4%)、γR
が±50%(合計100%)、γKが±30%(合計6
0%)というばらつきが生じた場合、(数21)に従い
γLdrを変化させてA=0つまりΔiγ=0に収束さ
せると、推定角度θcのばらつきを従来の30.6%に
抑えることが可能となる。
【0097】(実施の形態5)本実施の形態のブロック
図は、図1において、推定位置出力部9を除いては同一
の構成であり、実施の形態1と同様の動作をするため説
明を省略する。また、図1の推定位置出力部9について
も、実施の形態1の(数8)(数10)(数11)が
(数22)(数23)(数24)に置き換わるだけであ
り、その他の動作は実施の形態1と同様である。すなわ
ち、(数11)でΔiγをA(所定の値もしくは範囲)
に収束させるために、実施の形態1で用いたδ軸電圧の
補正係数αδの代わりに誘起電圧定数の補正係数γKr
を変動させるという点のみが実施の形態1と異なる。
【0098】
【数22】
【0099】
【数23】
【0100】
【数24】
【0101】例えば、温度変化および量産ばらつきによ
り、実施の形態1記載のαγ、αδが各±10%(合計
各20%)、βγ、βδが各±10%(合計各20
%)、γLd、γLqが各±2%(合計各4%)、γR
が±50%(合計100%)、γKが±30%(合計6
0%)というばらつきが生じた場合に、(数24)に従
いγKrを変化させてA=0つまりΔiγ=0に収束さ
せると、推定角度θcのばらつきを従来の23.9%に
抑えることが可能となる。
【0102】
【発明の効果】本発明の位置センサレスモータの制御装
置によれば、温度変化や量産ばらつきを原因として、角
度推定演算を行うモデル式で用いるモータ定数と実際の
モータ定数の間の誤差や、実際にコイルに流れている電
流値と電流値検出手段によって検出される検出電流値の
間の誤差や、上記モデル式で用いる電圧値とコイルに実
際に印加されている電圧値との間の誤差が生じ、これら
の誤差が変動したりばらついたりした場合でも、誤差補
償手段によりロータの推定位置と実際位置との誤差のば
らつきを抑えることができるため、高精度、高効率かつ
安定な位置センサレスモータの制御装置を実現すること
ができる。
【0103】また、本発明の位置センサレスモータの制
御装置によれば、急激な加減速を行った場合や、温度変
化や量産ばらつきを原因として、角度推定演算を行うモ
デル式で用いるモータ定数と実際のモータ定数の間の誤
差や、実際にコイルに流れている電流値と電流値検出手
段によって検出される検出電流値の間の誤差や、上記モ
デル式で用いる電圧値とコイルに実際に印加されている
電圧値との間の誤差が生じ、これらの誤差が変動したり
ばらついたりした場合でも、入力制限手段により推定角
度誤差の増大を防ぐことが可能となるため、安定かつ安
全な位置センサレスモータの制御装置を実現することが
できる。
【0104】さらに、本発明の位置センサレスモータの
制御装置によれば、モータが脱調した際に、脱調検出手
段により脱調を検出して対応することが可能となるた
め、安全な位置センサレスモータの制御装置を実現する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における位置センサレスモ
ータの制御装置のブロック図
【図2】電圧印加部とPWM制御器の説明図
【図3】電圧指令と三角波とスイッチングの関係の説明
【図4】本発明の実施の形態における電流指令iγ*、
iδ*とΔiγ、Δiδの関係を示す説明図
【図5】従来例において、軸の定義と推定角度誤差の説
明図
【符号の説明】
1 モータ 2 ロータ 3u,3v,3w ステータコイル 4 電圧印加部 5 電流値検出部 6 交流直流変換部 7 アナログ・ディジタルコンバータ 8 三相二相変換部 9 推定位置出力部 10 アナログ・ディジタルコンバータ 11 速度制御部 12 電流指令値出力部 13 電圧指令演算部 14 電圧指令作成部 15 二相三相変換部 16 PWM制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 友邦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田澤 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H560 BB04 BB07 BB12 DA14 DA15 DC12 EB01 GG03 TT15 XA02 XA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、 複数相のコイルが巻かれたステータと、 前記コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、 前記コイルに流れる相電流値を検出する電流値検出手段
    と、 前記電流値検出手段により検出した交流の相電流検出値
    を位相の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二軸直
    流電流値に変換する交流直流変換手段と、 直流量で与えられる指令電流値と前記ロータの推定位置
    に基づき前記電圧印加手段が印加する交流量の相電圧指
    令値を算出する電圧指令演算手段と、 モータ定数を含むモータのモデル式と前記二軸直流電流
    値と前記相電圧指令値とに基づき、前記推定位置を演算
    出力する推定位置出力手段とを具備し、 前記推定位置出力手段が、前記モデル式から得られるγ
    軸モデル電流値と、前記γ軸電流値との差であるγ軸電
    流誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、 前記相電圧指令値と前記電圧印加手段により実際に印加
    されている相電圧値との誤差を補償する電圧補正係数
    と、前記電流検出手段により検出される前記相電流検出
    値と前記コイルに実際に流れている前記相電流値との誤
    差を補償する電流補正係数と、前記モータ定数と、のう
    ち少なくとも一つを変化させる事により、前記γ軸電流
    誤差を所定の範囲に収束させる誤差補償手段と、 を有することを特徴とする位置センサレスモータの制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記誤差補償手段は、前記電圧補正係
    数、前記電流補正係数、前記モータ定数である抵抗値、
    インダクタンス、誘起電圧定数、のうち少なくとも一つ
    を変化させることを特徴とする請求項1記載の位置セン
    サレスモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 ロータと、 複数相のコイルが巻かれたステータと、 前記コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、 前記コイルに流れる相電流値を検出する電流値検出手段
    と、 前記電流値検出手段により検出した交流の相電流検出値
    を位相の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二軸直
    流電流値に変換する交流直流変換手段と、 直流量で与えられる指令電流値と前記ロータの推定位置
    に基づき前記電圧印加手段が印加する交流量の相電圧指
    令値を算出する電圧指令演算手段と、 モータ定数を含むモータのモデル式と前記二軸直流電流
    値と前記相電圧指令値とに基づき前記推定位置を演算出
    力する推定位置出力手段とを具備し、 前記推定位置出力手段が、前記モデル式から得られるγ
    軸モデル電流値と、前記γ軸電流値との差であるγ軸電
    流誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、 前記モデル式から得られるδ軸モデル電流値と、前記δ
    軸電流値との差であるδ軸電流誤差を算出するδ軸電流
    誤差演算手段と、 前記γ軸電流誤差と前記δ軸電流誤差とのうち少なくと
    も1つに基づき前記指令電流値と前記ロータの回転数調
    節に用いる回転数指令とのうち少なくとも一つを変化さ
    せる入力制限手段と、 を有することを特徴とする位置センサレスモータの制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記入力制限手段は、前記γ軸電流誤差
    及び前記δ軸電流誤差のうち少なくとも一つが閾値を超
    えたら前記指令電流値と前記回転数指令とのうち少なく
    とも一つを小さくすることを特徴とする請求項3記載の
    位置センサレスモータの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記入力制限手段は、前記γ軸電流誤差
    の絶対値及び前記δ軸電流誤差の絶対値のうち少なくと
    も一つの増加に伴い、前記指令電流値と前記回転数指令
    とのうち少なくとも一つを減少させることを特徴とする
    請求項3記載の位置センサレスモータの制御装置。
  6. 【請求項6】 ロータと、 複数相のコイルが巻かれたステータと、 前記コイルに相電圧を印加する電圧印加手段と、 前記コイルに流れる相電流値を検出する電流値検出手段
    と、 前記電流値検出手段により検出した交流の相電流検出値
    を位相の90°異なるγ軸電流値とδ軸電流値の二軸直
    流電流値に変換する交流直流変換手段と、 直流量で与えられる指令電流値と前記ロータの推定位置
    に基づき前記電圧印加手段が印加する交流量の相電圧指
    令値を算出する電圧指令演算手段と、 モータ定数を含むモータのモデル式と前記二軸直流電流
    値と前記相電圧指令値とに基づき前記推定位置を演算出
    力する推定位置出力手段とを具備し、 前記推定位置出力手段は、前記モデル式から得られるγ
    軸モデル電流値と前記γ軸電流値との差であるγ軸電流
    誤差を算出するγ軸電流誤差演算手段と、 前記モデル式から得られるδ軸モデル電流値と前記δ軸
    電流値との差であるδ軸電流誤差を算出するδ軸電流誤
    差演算手段と、 前記γ軸電流誤差と前記δ軸電流誤差のうち少なくとも
    一つに基づき脱調判別を行う脱調検出手段と、 を有することを特徴とする位置センサレスモータの制御
    装置。
  7. 【請求項7】 前記脱調検出手段は、前記γ軸電流誤差
    と前記δ軸電流誤差とのうち少なくとも一つが閾値を越
    えたら脱調と判別することを特徴とする請求項6記載の
    位置センサレスモータの制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧印加手段は、前記脱調検出手段
    が脱調と判別したとき通電を停止する事を特徴とする請
    求項6記載の位置センサレスモータの制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010051151A (ja) * 2008-08-25 2010-03-04 Jtekt Corp モータ制御装置
KR101448677B1 (ko) * 2013-09-04 2014-10-10 계양전기 주식회사 Bldc 모터의 회전자 위치 추정 장치 및 방법
US11894793B2 (en) 2019-03-15 2024-02-06 Mitsubishi Electric Corporation Control device and control system

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KR101448677B1 (ko) * 2013-09-04 2014-10-10 계양전기 주식회사 Bldc 모터의 회전자 위치 추정 장치 및 방법
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