JP2002237587A - 3−5族化合物半導体用電極の透明化方法 - Google Patents

3−5族化合物半導体用電極の透明化方法

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JP2002237587A
JP2002237587A JP2001393675A JP2001393675A JP2002237587A JP 2002237587 A JP2002237587 A JP 2002237587A JP 2001393675 A JP2001393675 A JP 2001393675A JP 2001393675 A JP2001393675 A JP 2001393675A JP 2002237587 A JP2002237587 A JP 2002237587A
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compound semiconductor
group
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heat treatment
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Yasushi Iechika
泰 家近
Yoshinobu Ono
善伸 小野
Tomoyuki Takada
朋幸 高田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】3−5族化合物半導体に用いる電極を透明化す
る方法を提供する。 【解決手段】(1) InX Gay Alz N(ただし、x
+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)
で表される3−5族化合物半導体に用いられる電極の透
明化方法であって、3−5族化合物半導体の上に電極材
料を形成後、さらにその上に保護層を形成したのち、4
00℃以上で熱処理することを特徴とする3−5族化合
物半導体用電極の透明化方法。 (2) 熱処理を600℃以上1100℃以下で実施する
ことを特徴とする上記(1)の方法。 (3) xが、0.1≦x≦1であることを特徴とする上
記(1)または(2)の方法。 (4) 保護層が、酸化硅素、窒化硅素及び錫添加酸化イ
ンジウムからなる群から選ばれた少なくとも1種からな
る層であることを特徴とする上記(1)〜(3)の方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は3−5族化合物半導体用
電極の透明化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外もしくは青色の発光ダイオード(以
下、LEDと記すことがある。)又は紫外もしくは青色
のレーザダイオード等の発光デバイスの材料として、一
般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−
5族化合物半導体が知られている。該化合物半導体を用
いた発光素子について、概略を図1により説明する。図
1の例は、n型のInxGay Alz NからなるN層2
と、p型のInx'Gay'Alz'NからなるP層3との界
面にp−n接合を有する例である。n電極4とp電極5
にそれぞれマイナス、プラスの電圧を加えると、接合の
順方向に電流が流れる。
【0003】ところで一般的に、LEDの作製の容易さ
からは、電極側から光を取り出せることが望ましい。た
とえば、図1の状態で検査を行なう場合、電極への電気
的接触は電極側から行ない、また基板は一般に粘着フィ
ルム等に支えられている。電極側から発光を取り出せる
場合は、この光をモニターすることで検査が容易に行な
える。一方、基板側から発光を取り出す場合には、粘着
フィルム等を通して発光を観察せねばならず、こうして
観察された発光は強度が弱められており、検査の信頼
性、容易さなどの点から問題がある。電極側から発光を
取り出すためには、電極金属の占める面積をなるべく小
さくすることが望ましく、また発光が素子全体に広がっ
ていることが望ましい。ところが、電極面積が小さい場
合、電流は素子全体に広がらず、電極周辺の限られた接
合部分のみから発光し、接合の一部分のみしか発光には
寄与しなくなる。つまり素子の形状に比べて不均一な発
光パターンとなり、表示用素子としての価値が下がる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、一般
式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、0
≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−5
族化合物半導体に用いる透明な電極材料の透明化方法を
提供して、電極を通して電極方向への光の取り出しを可
能とし、LEDの製造における検査工程を容易でしかも
信頼性の高いものとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情をみて鋭意検討した結果、3−5族化合物半導体
の上に電極材料を形成後、さらにその上に保護層を形成
したのち、特定の条件で熱処理することにより電極とし
ての機能を保持したまま電極が透明になることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、次に記す発明である。 (1)InX Gay Alz N(ただし、x+y+z=
1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される
3−5族化合物半導体に用いられる電極の透明化方法で
あって、3−5族化合物半導体の上に電極材料を形成
後、さらにその上に保護層を形成したのち、400℃以
上で熱処理することを特徴とする3−5族化合物半導体
用電極の透明化方法。 (2)熱処理を600℃以上1100℃以下で実施する
ことを特徴とする上記(1)記載の方法。 (3)xが、0.1≦x≦1であることを特徴とする上
記(1)または(2)記載の方法。
【0007】(4)保護層が、酸化硅素、窒化硅素及び
錫添加酸化インジウムからなる群から選ばれた少なくと
も1種からなる層であることを特徴とする上記(1)〜
(3)いずれかに記載の方法。 (5)電極材料がAuであることを特徴とする上記
(1)〜(4)いずれかに記載方法。 (6)電極材料がMg、Zn、Si、Ge及びNiから
なる群から選ばれた少なくとも1種とAuとの合金であ
ることを特徴とする上記(1)〜(4)いずれかに記載
方法。
【0008】次に、本発明を詳細に説明する。本発明に
おける3−5族化合物半導体とは、一般式Inx Gay
Alz N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦
y≦1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体
である。該化合物半導体は、可視光領域から紫外線領域
に、3族元素の組成によって制御できるバンドギャップ
を持っており、そのバンド構造はすべての3族元素の組
成において高い発光効率が期待できる直接遷移型であ
る。特に、Inの濃度が10モル%以上のものは、発光
波長が紫色又はそれより長波長の可視領域にすることが
できるため、表示用途への応用上好ましい。
【0009】本発明の3−5族化合物半導体結晶は、好
ましくは基板の上に成長させて得られるが、用いる基板
については、SiC、Si、サファイア、スピネル、Z
nO等を用いることができる。また、サファイア上には
AlN等の薄膜をバッファ層とすることで結晶性の高い
GaN層を成長させることができる。GaNと該3- 5
族化合物半導体は格子定数が比較的近いので、このGa
N上に該3−5族化合物半導体を成長させることもでき
る。
【0010】該3−5族化合物半導体の製造方法として
は、有機金属気相成長(以下、MOVPEと記すことが
ある。)法、分子線エピタキシー(以下、MBEと記す
ことがある。)法、ハイドライド気相成長(以下、HV
PEと記すことがある。)法などが挙げられる。なお、
MBE法を用いる場合、窒素原料としては、窒素ガス、
アンモニア又はその他の窒素化合物を気体状態で供給す
る方法である気体ソース分子線エピタキシー(以下、G
SMBEと記すことがある。)法が一般的に用いられて
いる。この場合、窒素原料が化学的に不活性で、窒素原
子が結晶中に取り込まれにくいことがある。その場合に
は、マイクロ波などにより窒素原料を励起して、活性状
態にして供給することで、窒素の取り込み効率を上げる
ことができる。
【0011】これらの製造方法のなかでMOVPE法
は、均一性が高く、量産にも向いていることから特に好
ましい。MOVPE法を用いて本発明における3−5族
化合物半導体を製造する場合には、以下のような原料を
用いることができる。すなわち、3族元素の原料として
は、トリメチルガリウム〔Ga(CH33、以下、T
MGと記すことがある。〕、トリエチルガリウム〔Ga
(C25 3 〕等の一般式R123 Ga(ここ
で、R1 、R2 、R3 は低級アルキル基)で表されるト
リアルキルガリウム;トリメチルアルミニウム〔Al
(CH3 3 、以下、TMAと記すことがある。〕、ト
リエチルアルミニウム〔Al(C253 〕、トリイ
ソブチルアルミニウム〔Al(i−C493 〕等の
一般式R123 Al(ここで、R1 、R2 、R3
低級アルキル基)で表されるトリアルキルアルミニウ
ム;トリメチルアミンアラン〔AlH3 N(CH
33〕;トリメチルインジウム〔In(CH33
以下、TMIと記すことがある。〕、トリエチルインジ
ウム〔In(C253 〕等の一般式R123
n(ここで、R1 、R2 、R3 は低級アルキル基)で表
されるトリアルキルインジウム等が挙げられる。これら
は単独または混合して用いられる。
【0012】次に、5族元素の原料としては、アンモニ
ア、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1、1−ジメチル
ヒドラジン、1、2−ジメチルヒドラジン、t−ブチル
アミン、エチレンジアミンなどが挙げられる。これらは
単独または混合して用いられる。
【0013】次に、本発明における3−5族化合物半導
体に用いられるn型不純物としては、Si、Ge、S
e、S、Oが挙げられ、中でもSi、Geが好ましく、
Siがさらに好ましい。p型不純物としては、Mg、Z
n、Cd、Be、Hgが挙げられ、中でもMg、Znが
好ましく、Mgがさらに好ましい。これらの不純物をド
ープする方法としては、GSMBE法により該3−5族
化合物半導体を製造する場合で、不純物の単体そのもの
が成長装置内で他の分子線の妨げにならないような蒸気
圧に制御できる場合には、これらの単体をそのまま用い
ることができる。MOVPEの場合には公知のこれらの
不純物を含む化合物を反応炉に導入して、不純物をドー
プした化合物半導体を得ることができる。
【0014】本発明における3−5族化合物半導体用電
極材料は、Au金属、又はMg、Zn、Si、Ge及び
Niからなる群から選ばれた少なくとも1種とAuとの
合金が好ましい。Auとの合金として、さらに好ましく
はMg、Zn、Si及びGeからなる群から選ばれた少
なくとも1種とAuとの合金である。Auとの合金とし
て具体的には、Au−Mg、Au−Zn、Au−Si、
Au−Ge、Au−Ni合金などが挙げられる。特にA
u−Mg合金が好ましい。これらの電極材料はp型不純
物をドープした該化合物半導体と接触抵抗の小さい電極
となるので好ましい。
【0015】本発明の3−5族化合物半導体用電極の透
明化方法について、例を挙げて具体的に説明する。初め
に、例えば公知の方法により、一般式Inx Gay Al
z N(ただし、x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦
1、0≦z≦1)で表される3−5族化合物半導体を成
長させ、次いで電極材料を蒸着する。3−5族化合物半
導体に電子線を照射するか又は400℃以上に加熱する
ことにより熱処理した後、本発明の電極材料を成膜して
もよい。蒸着方法は特に限定されないが、例えばAuと
Geとの合金の場合には、Au−Ge合金をタングステ
ンボートを用いて、抵抗加熱方式により真空蒸着する方
法が挙げられる。また、別々の蒸発源からAuとGeと
を同時に蒸着してもよい。また、Auと他の金属とを、
真空蒸着、又はスパッタリング法等により順次成膜した
積層膜を、膜形成後に熱処理により合金化することもで
きる。
【0016】成膜する電極材料の膜厚は、10Å以上5
μm以下が好ましい。電極の膜厚が10Åより小さい場
合には均一な薄膜を得ることができず、良好な電極にな
らないので好ましくない。また、5μmより大きい場合
には、以下に述べる熱処理によっても透明になりにくい
ので好ましくない。さらに好ましくは100Å以上2μ
m以下である。なお、電極金属は保護層を形成しないで
熱処理した場合には凝集してしまい、電極として使用す
ることが困難となる。本発明の方法によれば、保護層形
成後に電極金属を熱処理することで、電極材料の凝集が
見られず、伝導性を保持したまま電極が透明になるので
好ましい。ここで、電極が透明であるとは、電極が、3
−5族化合物半導体からの発光の取り出しを著しく妨げ
ない程度であることをいい、具体的には、可視光領域で
の光の透過率が、可視光領域でのどの部分においても光
の透過率が30%以上のものをいう。
【0017】本発明に使用するこれらの保護層の性質と
しては、ピンホールがないこと、熱処理時に物理的な剥
げ落ちなどの欠陥を生じないこと、および熱処理時に電
極材料の導電性を消失させないことが必要な条件であ
る。このような要件を満たす場合には、保護層には特別
に良好な結晶性は必要なく、構成元素の欠陥、不純物等
を含んでいてもよい。また、単一の層からなるものだけ
でなく、複数の層の積層構造でもよい。なお、検査時、
または製品として使用する場合に、この保護層を通して
発光素子からの発光を取り出す場合には、目的とする波
長範囲で光吸収が問題とならない程度に小さいことが好
ましい。このような条件を満たす材料としては酸化硅素
(以下、SiO2 と記す。)、窒化硅素(以下、Si3
4 と記す。)および錫添加酸化インジウム(一般にI
TOと呼ばれるものである。)が挙げられる。このう
ち、SiO2 、Si34 は高温の熱処理に対しても化
学的に安定なので好ましい。さらにSiO2 は耐薬品性
にも優れており特に好ましい。保護層の厚さは、10Å
以上10μm以下が好ましい。保護層の厚さが10Åよ
り小さい場合には、ピンホールのない保護層を形成する
ことが難しく、10μmを越える場合には膜形成に時間
がかかるので実用的でなく、好ましくない。保護層の厚
さは、さらに好ましくは100Å以上2μm以下であ
る。
【0018】該電極材料の保護層の成膜方法は公知の方
法によることができる。成膜方法としては、スパッタリ
ング、真空蒸着、気相熱分解法(以下、CVD法と記
す)、プラズマCVD法などを用いることができる。ス
パッタリング法により成膜する場合、ターゲットとして
はSi34 、SiO2 、ITOを用いることができ
る。また、SiターゲットをN2 雰囲気、又はO2 雰囲
気でスパッタリングして成膜する、いわゆる反応性スパ
ッタリング法を用いてもよい。ITOの場合にはInと
Snとの合金、又はInのターゲットとSnのターゲッ
トを同時にO2 雰囲気中でスパッタリングすることがで
きる。Si34 、SiO2 、ITOをターゲットとす
る場合もN2 又はO2 雰囲気でスパッタリングしてもよ
い。
【0019】SiO2 又はITOを真空蒸着により成膜
する場合には、それぞれ、SiO2又はSnO2 、In2
3 を真空中で電子ビームや抵抗加熱法で加熱して蒸
着することができる。この場合、O2 を蒸着装置内に導
入することでOの欠陥の発生を低減することができる。
ITOについてはO2 雰囲気中でIn、Snを蒸着させ
る方法によってもよい。
【0020】CVD法では、300〜800℃に加熱し
た基板上で原料ガスを反応させ、目的の保護層を得るこ
とができる。Si34 の場合には、Si原料としてS
iH 4 、SiCl4 、SiH2 Cl2 、N原料としてN
3 を用いることができる。SiO2 の場合には、前述
のSi原料とO原料としてO2 、N2 O、CO2 などを
用いることができる。また、Si(OC254 のよ
うな化合物を単独で用いることもできる。また、ITO
の場合には、例えば、InCl3 とSnCl4 の水溶液
にエタノールと塩酸を加え、加熱した基板に噴霧して薄
膜を得ることができる。プラズマCVDでは、SiH4
やSiCl4 をNH3 又はO2 プラズマ中で反応させる
ことでSi34 、SiO2 の膜を得ることができる。
これらの成膜方法のうちでは、スパッタリング法は簡便
に均一な膜が形成できるので好ましい。さらにマグネト
ロンスパッタリング法は成膜速度が大きく、特に好まし
い。
【0021】本発明において保護層形成後の熱処理温度
は、400℃以上であり、400℃以上1200℃以下
が好ましい。熱処理温度が400℃より低い場合には、
本発明による効果が十分でないので好ましくない。12
00℃以下の場合には、該化合物半導体の熱分解があま
り起こらず、また電極材料も変質しないのでより好まし
い。さらに好ましくは600℃以上1100℃以下であ
り、800℃以上1100℃以下が特に好ましい。熱処
理時間は熱処理温度にもよるが、1秒以上2時間以下が
好ましい。さらに好ましくは2秒以上30分以下であ
る。熱処理時間が短か過ぎると充分な効果が得られず、
また長過ぎると素子の構成材料が変性を起こし、素子特
性の低下を引き起こしたり、また生産性が悪くなるので
好ましくない。
【0022】本発明により得られた電極は保護層が形成
されているため、保護層がない場合に比べて熱処理の雰
囲気の影響は少ないが、熱処理中に該電極を変質させる
ような雰囲気は好ましくない。具体的な雰囲気として
は、充分精製された窒素やアルゴン等の不活性ガス、又
は充分精製された水素などが好ましい。なお、熱処理後
に保護層を部分的にまたは全面的に取り除き、外部から
の電気的接触を取ることができる。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。窒化ガ
リウム系半導体をMOVPE法による気相成長により作
製した。用いた原料ガスは、NH3 とキャリアガス(H
2 およびN2 )、トリメチルガリウム〔(CH33
a、TMG〕、トリメチルアルミニウム〔(CH33
Al、TMA〕、トリメチルインジウム〔(CH33
In、TMI〕、ビスメチルシクロペンタジエニルマグ
ネシウム〔(CH3542 Mg、以下、MCp2
Mgと記す。〕である。
【0024】実施例1 有機洗浄したC面を主面とする単結晶のサファイア基板
をMOVPE装置の反応室に載置されたグラファイト製
サセプタに装着した。次に、常圧の水素雰囲気中で高周
波加熱によりサセプタを1100℃に加熱し、この状態
でサファイア基板を10分間保持してサファイア基板を
気相クリーニングした。次に、温度を600℃まで低下
させて、NH3 とTMAを供給して約500Åの厚さの
AlNのバッファ層を形成した。次に、TMAのみの供
給を停止して、サファイア基板の温度を1100℃まで
昇温し、温度が安定したのち、TMGとMCp2 Mgを
供給し、MgをドープしたGaN層を3μm成長した。
作製した基板を窒素中、650℃で20分間アニール処
理をした。こうして、キャリア濃度1×1018/cm3
のp型GaN膜を得た。この試料について2mm離れた
2点間の抵抗を測定したところ500kΩであった。
【0025】こうして得られたp型GaN膜に、蒸着法
によりAuMg(Mg濃度5重量%)、AuZn(Zn
濃度5重量%)、AuGe(Ge濃度12重量%)、A
uSi(Si濃度10重量%)、AuNi(Ni濃度5
重量%)、及びAu電極をそれぞれ2000Å成膜し
た。さらに、この試料にマグネトロンスパッタ法により
SiO2 を1μm成膜した。スパッタ条件は、SiO2
をターゲットとして用い、Ar流量30sccm、真空
度1.6Pa、高周波パワー300Wであった。ここ
で、「sccm」とは気体の流量の単位で、1sccm
は0℃、1気圧で1ccの体積を占める重量の気体が流
れていることを示す。さらに、これらの試料を窒素中、
1000℃で5分間熱処理したところ、どの電極材料と
も透明になった。図2にAuMg電極について熱処理の
前後での透過スペクトルを示す。熱処理前では透過率の
最大値はせいぜい0.2%しかないのに対して、熱処理
により400nmから750nmの領域で透過率が40
%以上に向上していることがわかる。これらの試料を沸
酸で処理してSiO2 の保護層を取り除き、2mm離れ
た2点間の抵抗を測定したところ、どの電極でも50k
Ω以下であり、電極として機能することを確かめた。S
iO2 のかわりにITOを用いても同様の効果を示す。
【0026】比較例1 保護層がないことを除いては実施例1と同様にしてAu
電極を設け、実施例1と同様に熱処理したところ、電極
材料が微細なボール上になって半導体表面に凝集し、電
極として使用できなくなった。
【0027】実施例2 実施例1と同様にして得たp型GaN膜に、Mg、Au
をこの順番にそれぞれ、200Å、2000Å真空蒸着
して電極としたのち、プラズマCVD法によりSi3
4 を1000Å成膜した。成膜条件は、真空度:133
パスカル、シランを4%含むArの流量:20scc
m、NH3 流量:20sccm、基板の温度:300
℃、高周波パワー:150Wであった。実施例1と同様
に熱処理したところ、やはり導電性を保持したまま透明
になった。
【0028】実施例3 MCp2 Mgを導入しないことを除いては実施例1と同
様にしてノンドープの窒化ガリウムを3μm成長し、さ
らに、TMI、TMG及びNH3 を用いてIn 0.1 Ga
0.9 N膜を1800Å成長した。このようにして得られ
たInGaN膜にAu、Au−Ni、Au−Mg電極を
蒸着して実施例1と同様の評価した結果、やはりどの電
極も導電性を保ったまま透明になることがわかった。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法により得られた電極は、一
般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z=1、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される3−
5族化合物半導体に対して透明な電極として用いること
ができ、発光素子の製造工程を容易にし信頼性を高める
ことができるので、紫外もしくは青色のLED又は紫外
もしくは青色のレーザーダイオード等の発光デバイスの
電極として工業的価値が大きい。本発明の方法によれ
ば、一般式Inx Gay Alz N(ただし、x+y+z
=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表され
る3−5族化合物半導体に対する電極を透明化し得、発
光素子の製造工程を容易にし信頼性を高めることができ
るので、紫外もしくは青色のLED又は紫外もしくは青
色のレーザーダイオード等の発光デバイス分野における
工業的価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光素子の構造を示す概略図。
【図2】熱処理前後での透過スペクトルの変化を示す
図。
【符号の説明】
1・・・サファイア基板 2・・・n型Inx Gay Alz N 3・・・p型Inx'Gay'Alz'N 4・・・n電極 5・・・p電極 6・・・熱処理前 7・・・熱処理後
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 朋幸 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 4M104 AA04 BB10 DD79 EE05 EE15 EE16 EE17 GG04 5F041 AA43 AA46 CA02 CA03 CA12 CA34 CA46 CA53 CA54 CA56 CA57 CA65 CA66 CA73 CA83 CA85 CA88 FF01 5F073 AA61 CA17 CB22 DA05 DA06 DA16 DA35 HA03 HA04 HA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】InX Gay Alz N(ただし、x+y+
    z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表さ
    れる3−5族化合物半導体に用いられる電極の透明化方
    法であって、3−5族化合物半導体の上に電極材料を形
    成後、さらにその上に保護層を形成したのち、400℃
    以上で熱処理することを特徴とする3−5族化合物半導
    体用電極の透明化方法。
  2. 【請求項2】熱処理を600℃以上1100℃以下で実
    施することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】xが、0.1≦x≦1であることを特徴と
    する請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】保護層が、酸化硅素、窒化硅素及び錫添加
    酸化インジウムからなる群から選ばれた少なくとも1種
    からなる層であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    かに記載の方法。
  5. 【請求項5】電極材料がAuであることを特徴とする請
    求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】電極材料がMg、Zn、Si、Ge及びN
    iからなる群から選ばれた少なくとも1種とAuとの合
    金であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載
    の方法。
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