JP2002236007A - 光学素子評価装置および光学素子評価方法 - Google Patents

光学素子評価装置および光学素子評価方法

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JP2002236007A
JP2002236007A JP2001032779A JP2001032779A JP2002236007A JP 2002236007 A JP2002236007 A JP 2002236007A JP 2001032779 A JP2001032779 A JP 2001032779A JP 2001032779 A JP2001032779 A JP 2001032779A JP 2002236007 A JP2002236007 A JP 2002236007A
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lens
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mold
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JP2001032779A
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Michihiro Yamagata
道弘 山形
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
Tomohiko Sasano
智彦 笹埜
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ面の形状誤差またはそれを成形するた
めの金型の形状誤差からレンズ面における収差を予測
し、予測した収差からレンズの評価を行い得る光学素子
評価装置および光学素子評価方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 入力部1と演算部2と出力部3と記憶部
4とで光学素子評価装置を構成する。入力部から光学素
子またはそれを成形するための金型の形状誤差データと
光学素子の物理定数と透過光線の角度情報とを入力す
る。演算部により形状誤差データと物理定数と透過光線
の角度情報とから光学素子を透過する光の位相誤差デー
タを算出し、位相誤差データをゼルニケ多項式に変換し
てその係数を算出する。出力部によりゼルニケ多項式の
係数および/またはそれに基づく評価基準を出力する。
記憶部により入力部で入力されたデータや演算部で算出
されたデータを記憶する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子またはそ
れを成形するための金型の形状データを処理して光学素
子の評価を行う光学素子評価装置または光学素子評価方
法、更には複数のレンズ成形用の金型の中からレンズの
第1面を成形するための金型と第2面を成形するための
金型とを選択するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置の対物レンズには、回折
限界の集光性能が要求される。そのため、レンズ成形用
の金型の作製は、3次元計測装置などを用いて形状精度
を計測しながら高精度に行われる。形状精度の評価は、
金型の断面や加工面(プレス面)全体を計測し、計測デ
ータと基準形状データとから誤差を求め、これをPV値
やRMS値に変換して行われる。
【0003】また、レンズの第1面用の金型及び第2面
用の金型がそれぞれ複数個ある場合における金型の組み
合わせの検討においては、任意の組み合わせの金型を選
択し、それによって実際にレンズを試作し、試作したレ
ンズの波面収差を実測する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金型の加工面
を評価する場合、上記したPV値やRMS値では必ずし
も適切な評価が出来ないと言う問題がある。レンズの面
形状の加工誤差は光学系の収差となるが、PV値やRM
S値が同じ値でも加工誤差のパターンにより影響を与え
る収差は異なるからである。
【0005】具体的に図8および図9を用いて説明す
る。図8および図9は形状誤差パターンをプロットした
鳥瞰図である。図8および図9においてPV値は同じで
あるが、図8のような形状誤差は球面収差となり、図9
の形状誤差は非点収差となる。
【0006】このため、DVD用レンズなどの高精度な
レンズを実現するためには、高精度なレンズ用金型の開
発が要求されており、形状誤差から収差を予測できる方
法が求められている。
【0007】また、上述したレンズを試作して波面収差
を実測する方法においては、時間やコストがかかるとい
う問題がある。さらに、この方法においては、計測され
た収差に、レンズの成形誤差に起因する収差や収差計測
時の誤差などが含まれるという問題や、第1面用の金型
及び第2面用の金型の収差への寄与が不明確であるとい
う問題もある。
【0008】ところで、高精度な形状計測を行う方法と
して、ゼルニケ多項式を応用した方法が知られている。
例えば特開平6−109454号公報には、レンズの面
形状を光学手段により計測し、ゼルニケ多項式を求め
て、鏡面の加工精度を評価する方法が開示されている。
また、特開平11−63946号公報には、ゼルニケ多
項式を用いて計測用光学系の収差補正を行う方法が開示
されている。
【0009】しかし、上記特開平6−109454号公
報及び特開平11−63946号公報に開示された方法
によれば高精度な形状計測を行うことはできるが、レン
ズの収差までも予測するの困難である。また、レンズの
透過波面収差の計測においては、位相誤差をゼルニケ多
項式に展開してレンズの透過波面収差を評価する方法が
知られているが、この方法は形状誤差に基づいて行うも
のではない。
【0010】本発明の目的は、レンズ面の形状誤差また
はそれを成形するための金型の形状誤差からレンズ面に
おける収差を予測し、予測した収差からレンズの評価を
行い得る光学素子評価装置および光学素子評価方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明にかかる光学素子評価装置の第一の態様は、光学
素子またはそれを成形するための金型の形状誤差データ
g(x,y)、前記光学素子の物理定数および前記光学
素子における透過光線の角度情報を入力するための入力
部と、前記形状誤差データg(x,y)、前記物理定数
および前記透過光線の角度情報から前記光学素子を透過
する光の位相誤差データW(x,y)を算出し、前記位
相誤差データW(x,y)をゼルニケ多項式に変換して
その係数(z0〜z15)を算出する演算部と、前記ゼル
ニケ多項式の係数(z0〜z15)および/またはそれに
基づく評価基準を出力する出力部とを少なくとも有する
ことを特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するため本発明にか
かる光学素子評価装置の第二の態様は、光学素子または
それを成形するための金型の形状データを測定するため
の計測部と、前記光学素子または前記金型の基準形状デ
ータ、前記光学素子の物理定数および前記光学素子にお
ける透過光線の角度情報を入力するための入力部と、前
記測定された形状データと前記基準形状データとから形
状誤差データg(x,y)を算出し、前記形状誤差デー
タg(x,y)、前記物理定数および前記透過光線の角
度情報から前記光学素子を透過する光の位相誤差データ
W(x,y)を算出し、前記位相誤差データW(x,
y)をゼルニケ多項式に変換してその係数(z0
15)を算出する演算部と、前記ゼルニケ多項式の係数
(z0〜z15)および/またはそれに基づく評価基準を
出力する出力部とを少なくとも有することを特徴とす
る。
【0013】上記本発明にかかる光学素子評価装置の第
一の態様および第二の態様においては、上記光学素子が
レンズであり、上記形状誤差データg(x,y)が該レ
ンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型のプレ
ス面についてのものであり、上記光学素子の物理定数
が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設計波
長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長にお
ける屈折率nとからなり、上記光学素子における透過光
線の角度情報が第1の角度情報φと、第2の角度情報ψ
とからなり、上記演算部が、式(1)および式(2)に
基づいて、上記位相誤差データW(x,y)を算出する
ものであるのが好ましい。
【0014】
【数23】
【0015】
【数24】
【0016】また、上記本発明にかかる光学素子評価装
置の第一の態様および第二の態様においては、上記光学
素子がレンズであり、上記形状誤差データg(x,y)
が該レンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型
のプレス面についてのものであり、上記光学素子の物理
定数が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設
計波長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長
における屈折率nとからなり、上記光学素子における透
過光線の角度情報が第1の角度情報φと、第2の角度情
報ψとからなり、上記演算部が、式(1)および式
(3)に基づいて、上記位相誤差データW(x,y)を
算出するものであるのが好ましい。
【0017】
【数25】
【0018】
【数26】
【0019】更に、上記本発明にかかる光学素子評価装
置の第一の態様および第二の態様においては、上記光学
素子がレンズであり、上記形状誤差データg(x,y)
が該レンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型
のプレス面についてのものであり、上記光学素子の物理
定数が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設
計波長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長
における屈折率nとからなり、上記光学素子における透
過光線の角度情報が第3の角度情報αからなり、上記演
算部が、式(1)および式(4)に基づいて、上記位相
誤差データW(x,y)を算出するものであるのが好ま
しい。
【0020】
【数27】
【0021】
【数28】
【0022】上記本発明にかかる光学素子評価装置の第
一の態様および第二の態様においては、上記光学素子が
第1面と第2面とを有するレンズであり、上記形状誤差
データが前記第1面および前記第2面、または前記第1
面を成形する金型のプレス面および前記第2面を成形す
る金型のプレス面についてのものであり、上記物理定数
および上記光学素子における透過光線の角度情報が前記
第1面および前記第2面についてのものであり、上記演
算部が、前記第1面についての上記位相誤差データW
(x,y)と、前記第2面についての上記位相誤差デー
タW(x,y)とを算出し、これらをそれぞれゼルニケ
多項式に変換し、更に前記第1面についてのゼルニケ多
項式の係数z4をa1、係数z5をb1とし、前記第2面に
ついてのゼルニケ多項式の係数z4をa2、係数z5をb2
として、式(5)に基づいて前記レンズの非点収差量を
更に算出するものであり、上記出力部が上記ゼルニケ多
項式の係数(z0〜z15)に基づく評価基準として前記
非点収差量を出力するものであるのが好ましい。
【0023】
【数29】
【0024】上記目的を達成するため本発明にかかる光
学素子評価方法は、光学素子またはそれを成形するため
の金型の形状誤差データg(x,y)、前記光学素子の
物理定数および前記光学素子における透過光線の角度情
報から前記光学素子を透過する光の位相誤差データW
(x,y)を算出する工程と、前記位相誤差データW
(x,y)をゼルニケ多項式に変換して該ゼルニケ多項
式の係数(z0〜z15)を算出する工程とを少なくとも
有することを特徴とする。本発明にかかる光学素子評価
方法は、上記の本発明にかかる光学素子評価装置の第一
の態様または第二の態様を用いることにより実行するこ
とができる。
【0025】本発明にかかる光学素子評価方法において
は、上記光学素子がレンズであり、上記形状誤差データ
が該レンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型
のプレス面についてのものであり、上記光学素子の物理
定数が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設
計波長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長
における屈折率nとからなり、上記光学素子における透
過光線の角度情報が第1の角度情報φと、第2の角度情
報ψとからなり、上記位相誤差データW(x,y)の算
出が式(1)および式(2)に基づいて行われるのが好
ましい。
【0026】
【数30】
【0027】
【数31】
【0028】また、本発明にかかる光学素子評価方法に
おいては、上記光学素子がレンズであり、上記形状誤差
データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を成形す
る金型のプレス面についてのものであり、上記光学素子
の物理定数が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ
面の設計波長λと、前記レンズを構成する材料の前記設
計波長における屈折率nとからなり、上記光学素子にお
ける透過光線の角度情報が第1の角度情報φと、第2の
角度情報ψとからなり、上記位相誤差データW(x,
y)の算出が式(1)および式(3)に基づいて行われ
るのが好ましい。
【0029】
【数32】
【0030】
【数33】
【0031】更に、本発明にかかる光学素子評価方法に
おいては、上記光学素子がレンズであり、上記形状誤差
データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を成形す
る金型のプレス面についてのものであり、上記光学素子
の物理定数が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ
面の設計波長λと、前記レンズを構成する材料の前記設
計波長における屈折率nとからなり、上記光学素子にお
ける透過光線の角度情報が第3の角度情報αからなり、
上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
び式(4)に基づいて行われるのが好ましい。
【0032】
【数34】
【0033】
【数35】
【0034】本発明にかかる光学素子評価方法では、上
記光学素子が第1面と第2面とを有するレンズであり、
上記形状誤差データg(x,y)が前記第1面および前
記第2面、または前記第1面を成形する金型のプレス面
および前記第2面を成形する金型のプレス面についての
ものであり、上記光学素子の物理定数および上記光学素
子における透過光線の角度情報が前記第1面および前記
第2面についてのものであり、上記位相誤差データW
(x,y)の算出および上記ゼルニケ多項式の係数(z
0〜z15)の算出が前記第1面と第2面とについて行わ
れており、第1面についてのゼルニケ多項式の係数z4
をa1、係数z5をb1とし、第2面についてのゼルニケ
多項式の係数z4をa2、係数z5をb2として、式(5)
に基づいて前記レンズの非点収差量を算出する工程をさ
らに有しているのが好ましい。
【0035】
【数36】
【0036】また、上記目的を達成するため、本発明は
上記のような光学素子評価装置の有する機能をコンピュ
ータの処理ステップとして実行するソフトウェア、即ち
プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体であっても良い。具体的には、記録媒体の第一の態
様は、光学素子またはそれを成形するための金型の形状
誤差データg(x,y)を入力するステップと、前記光
学素子の物理定数を入力するステップと、前記光学素子
における透過光線の角度情報を入力するステップと、前
記形状誤差データg(x,y)、前記物理定数および前
記透過光線の角度情報から前記光学素子を透過する光の
位相誤差データW(x,y)を算出するステップと、前
記位相誤差データW(x,y)をゼルニケ多項式に変換
して該ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)を算出する
ステップと、前記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15
および/またはそれに基づく評価基準を出力するステッ
プとを少なくとも有することを特徴とする。
【0037】また、記録媒体の第二の態様は、光学素子
またはそれを成形するための金型の形状データを測定す
るステップと、前記光学素子または前記金型の基準形状
データを入力するステップと、前記光学素子の物理定数
を入力するステップと、前記光学素子における透過光線
の角度情報を入力するステップと、前記測定された形状
データと前記基準形状データとから形状誤差データg
(x,y)を算出するステップと、前記形状誤差データ
g(x,y)、前記物理定数および前記透過光線の角度
情報から前記光学素子を透過する光の位相誤差データW
(x,y)を算出するステップと、前記位相誤差データ
W(x,y)をゼルニケ多項式に変換して該ゼルニケ多
項式の係数(z0〜z15)を算出するステップと、前記
ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)および/またはそ
れに基づく評価基準を出力するステップとを少なくとも
有することを特徴とする。
【0038】上記第一の態様または第二の態様にかかる
記録媒体に記録されたプログラムにおいては、上記光学
素子がレンズであり、上記形状誤差データが該レンズの
レンズ面または該レンズ面を成形する金型のプレス面に
ついてのものであり、上記光学素子の物理定数が、前記
レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設計波長λと、
前記レンズを構成する材料の前記設計波長における屈折
率nとからなり、上記光学素子における透過光線の角度
情報が第1の角度情報φと、第2の角度情報ψとからな
り、上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)
および式(2)に基づいて行われるのが好ましい。
【0039】
【数37】
【0040】
【数38】
【0041】また、上記第一の態様または第二の態様に
かかる記録媒体に記録されたプログラムにおいては、上
記光学素子がレンズであり、上記形状誤差データが該レ
ンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型のプレ
ス面についてのものであり、上記光学素子の物理定数
が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設計波
長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長にお
ける屈折率nとからなり、上記光学素子における透過光
線の角度情報が第1の角度情報φと、第2の角度情報ψ
とからなり、上記位相誤差データW(x,y)の算出が
式(1)および式(3)に基づいて行われるのが好まし
い。
【0042】
【数39】
【0043】
【数40】
【0044】更に、上記第一の態様または第二の態様に
かかる記録媒体に記録されたプログラムにおいては、上
記光学素子がレンズであり、上記形状誤差データが該レ
ンズのレンズ面または該レンズ面を成形する金型のプレ
ス面についてのものであり、上記光学素子の物理定数
が、前記レンズ面の有効径Dと、前記レンズ面の設計波
長λと、前記レンズを構成する材料の前記設計波長にお
ける屈折率nとからなり、上記光学素子における透過光
線の角度情報が第3の角度情報αとからなり、上記位相
誤差データW(x,y)の算出が式(1)および式
(4)に基づいて行われるのが好ましい。
【0045】
【数41】
【0046】
【数42】
【0047】上記第一の態様または第二の態様にかかる
記録媒体に記録されたプログラムにおいては、上記光学
素子が第1面と第2面とを有するレンズであり、上記形
状誤差データg(x,y)が前記第1面および前記第2
面、または前記第1面を成形する金型のプレス面および
前記第2面を成形する金型のプレス面についてのもので
あり、上記光学素子の物理定数および上記光学素子にお
ける透過光線の角度情報が前記第1面および前記第2面
についてのものであり、上記位相誤差データW(x,
y)の算出および上記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z
15)の算出が、前記第1面と前記第2面とについて行わ
れており、前記第1面についてのゼルニケ多項式の係数
4をa1、係数z5をb1とし、前記第2面についてのゼ
ルニケ多項式の係数z4をa2、係数z5をb2として、式
(5)に基づいて前記レンズの非点収差量を算出するス
テップをさらに有し、上記ゼルニケ多項式の係数(z0
〜z1 5)に基づく評価基準として前記非点収差量が出力
されるのも好ましい。
【0048】
【数43】
【0049】上記目的を達成するため、本発明にかかる
金型の選択方法は、複数のレンズ成形用の金型の中から
レンズの第1面を成形するための金型と第2面を成形す
るための金型とを選択するための方法であって、各金型
毎に、そのプレス面で成形されるレンズ面の物理定数、
該レンズ面における透過光線の角度情報および該プレス
面における形状誤差データg(x,y)から該レンズ面
を透過する光の位相誤差データW(x,y)を算出する
工程と、各金型毎に、前記位相誤差データW(x,y)
をゼルニケ多項式に変換して該ゼルニケ多項式の係数
(z0〜z15)を算出する工程と、各金型のゼルニケ多
項式の係数に基づいて第1面を成形するための金型と第
2面を成形するための金型とを選択する工程とを少なく
とも有することを特徴とする。
【0050】上記金型の選択方法においては、上記複数
の金型のうち一の金型におけるゼルニケ多項式の係数z
4をa1、係数z5をb1とし、別の一の金型におけるゼル
ニケ多項式の係数z4をa2、係数z5をb2として、式
(5)に基づいて、これら二つの金型で成形されるレン
ズの非点収差量を算出する工程をさらに有し、上記算出
された非点収差量に基づいて第1面を成形するための金
型と第2面を成形するための金型とが選択されるのが好
ましい。
【0051】
【数44】
【0052】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)以下、本発明の
実施の形態1にかかる光学素子評価装置および光学素子
評価方法について、図1〜3を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1にかかる光学素子評価装置
の構成を概略的に示す図である。図2は本発明の実施の
形態1にかかる光学評価装置を実現するためのコンピュ
ータの一例を示す図である。図3は本発明の実施の形態
1にかかる光学素子評価装置における処理の概略を示す
流れ図である。
【0053】図1に示すように本実施の形態にかかる光
学素子評価装置は、光学素子またはそれを成形するため
の金型の形状誤差データを処理して光学素子の評価を行
うものである。本実施の形態にかかる光学素子評価装置
は、入力部1と、演算部2と、出力部3とを少なくとも
有している。但し、図1の例では更に記憶部4も有して
いる。記憶部4は入力部1で入力されたデータや、演算
部2で算出されたデータ等を記憶するためのものであ
り、演算部2が記憶されたデータを自由に取り出せるよ
うに構成されている。なお、本発明でいう光学素子に
は、レンズやプリズム等が含まれる。
【0054】図1に示す入力部1は、光学素子またはそ
れを成形するための金型の形状誤差データg(x,
y)、光学素子の物理定数および光学素子における透過
光線の角度情報を入力するためのものである。本発明に
おいて形状誤差データg(x,y)とは、3次元形状計
測装置などの測定装置を用いて計測された光学素子や金
型の形状データとこれらの基準形状データとから算出さ
れるデータをいう。例えば光学素子が第1面と第2面と
を有するレンズである場合は、形状データとは第1面ま
たは第2面における形状データや、第1面または第2面
を成形するための金型のプレス面における形状データを
いう。
【0055】基準形状データとは、例えば形状データが
レンズ面についてのものである場合はレンズ面の設計形
状データをいい、形状データが金型のプレス面について
のものである場合は該プレス面の設計形状データをい
う。
【0056】本発明において光学素子の物理定数は、後
述する位相誤差データW(x,y)の算出方法によって
異なり、特に限定されるものではない。例えば光学素子
がレンズの場合であるならば、レンズ面の有効径D、レ
ンズ面の設計波長λ、レンズ面を構成する材料の設計波
長における屈折率n等が挙げられる。なお、形状データ
が金型についてのものである場合は、上記でいう「レン
ズ面」とは、その金型によって成形されるレンズ面をい
う。
【0057】光学素子における角度情報としては、第1
の角度情報φ、第2の角度情報ψ、第3の角度情報αが
挙げられる。このうち、上記の第1の角度情報φは、レ
ンズの設計上の軸上物点から発し、レンズの有効径最大
の箇所で屈折する光線(マージナル光線)の入射角であ
り、第2の角度情報ψはその光線の射出角である。第3
の角度情報αは、第1の角度情報φと第2の角度情報ψ
との差である。レンズ面が光軸に対して非回転対称とな
る場合は、第1の角度情報φとしては最大値と最小値と
の平均値を用いれば良い。第2の角度情報ψも同様であ
る。
【0058】本実施の形態において入力部1への入力方
法は特に限定されるものではなく、キーボード等の入力
媒体からのキーインや、データを保存したフロッピィデ
ィスクなどの情報記録媒体によるファイル渡しや、LA
N回線や電話回線によるファイル渡し等が挙げられる。
また、3次元形状計測装置によって形状誤差データg
(x,y)の算出が行われるのであれば、A/Dコンバ
ータなどのインターフェースを介して入力する方法も挙
げられる。図1の例では入力部1から入力されたデータ
は、演算部2へ送られた後、一旦記憶部4に保存され
る。
【0059】図1に示す演算部2は、入力された形状誤
差データg(x,y)、光学素子の物理定数および光学
素子における透過光線の角度からこの光学素子を透過す
る光の位相誤差データW(x,y)の算出を行うもので
ある。図1の例では、算出された位相誤差データW
(x,y)は入力データと同様に一旦記憶部に保存され
る。
【0060】ところで、略平面の光学素子に平面波の光
が該素子の面に垂直に入射し透過する場合であれば、位
相誤差データW(x,y)は形状誤差データg(x,
y)に((n−1)/λ)を乗すれば算出できる。しか
し、光学素子がレンズの場合は屈折による光路の変化が
ある。そのため、特に光ディスクの対物レンズなどのよ
うな開口数の大きなレンズにおいて上記の算出方法を用
いたのでは誤差が大きく、実用的でないので、誤差を低
減するには屈折の効果を勘案する必要がある。即ち、レ
ンズにおける位相誤差データW(x,y)においては、
レンズで屈折する光線の偏角(光線の屈折前後の角度
差)は光線毎に異なるため、厳密には形状誤差データg
(x,y)の各計測点において屈折する光線の偏角βを
計算する必要がある。このため、位相誤差データW
(x,y)の算出には、下記式(1)が用いられる。
【0061】
【数45】
【0062】しかし、光線の偏角βを全ての計測点の光
線について厳密に計算しようとすると、光学シミュレー
ション用のソフトウェアが必要となり、計算の規模が拡
大する。そこで、本願発明者らは鋭意検討を行い、位相
誤差データW(x,y)の誤差を実用上問題とならない
程度としつつ、光線の偏角βの計算を近似により簡素化
し得る方法を見出すに至った。具体的には光線の偏角β
を下記式(2)〜式(4)のうちのいずれかによって算
出することによって達成できる。
【0063】
【数46】
【0064】
【数47】
【0065】
【数48】
【0066】上記式(2)および式(3)では、第1の
角度情報(マージナル光線の入射角)φと、第2の角度
情報(マージナル光線)射出角ψと、レンズ面の有効径
Dとに基づいて、計測点で屈折する光線もマージナル光
線と同じ像点に結像するものと仮定して計算が行われ
る。このうち、上記式(2)では、このように仮定した
場合の計測点で屈折する光線の射出角とマージナル光線
の射出角ψとの比を計算し、計算された比でマージナル
光線の偏角を比例配分することで、計測点における光線
の偏角βを近似している。一方、上記式(3)では、レ
ンズの有効径Dにおける半径と計測点の光軸からの距離
との比で、マージナル光線の偏角を比例配分すること
で、計測点における光線の偏角βを近似している。
【0067】上記式(4)では、マージナル光線の入射
角φと射出角ψとの差であるαが用いられており、レン
ズ面に平行光束が入射したときにマージナル光線がαの
角度で屈折して結像する軸上の像点に各計測点で屈折す
る光線が結像すると仮定することで、計測点における光
線の偏角βを近似している。
【0068】更に図1に示す演算部2は、この位相誤差
データW(x,y)を下記式(6)に示すゼルニケ多項
式に変換してゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)の算
出を行うものである。位相誤差データW(x,y)から
下記式(6)に示すゼルニケ多項式への変換は、最小自
乗法などの方法によって行うことができる。なお、算出
されたゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)も記憶部4
で一旦記憶される。
【0069】
【数49】
【0070】ここで、上記の角度情報を用いた場合の収
差計算の精度について検証する。下記の表1には、上記
方法で算出されたゼルニケ多項式の係数(z0〜z15
から求められた非点収差量〔mλ〕と、市販の光学設計
ソフトで求められた非点収差量〔mλ〕とが示されてい
る。表1中の「設計上の非点収差量」とは、レンズ設計
ソフトにNA(開口数)が0.45で、両面が非球面で
構成される有限共役の光ディスク用対物レンズのデータ
を入力し、レンズの射出面(第2面)に3種類の形状誤
差(データ1,2,3)を与えた時に、レンズ設計ソフ
トで計算された非点収差量である。また、表1中の「式
(2)〜(4)使用の非点収差量」とは、前記3種類の
形状誤差について、それぞれ式(2)〜(4)の式を用
いて計算したβを用いて、位相誤差データW(x,y)
の算出およびゼルニケ多項式への変換を行って計算した
非点収差量である。非点収差量の算出は、求められたゼ
ルニケ多項式における(y2−x2)の項の係数Z4と、
(2xy)の項の係数Z5とから下記式(7)に基づい
て行われている。
【0071】
【数50】
【0072】また、表1には、形状誤差データg(x,
y)に((n−1)/λ)を乗じて位相誤差データW
(x,y)を求め、これをゼルニケ多項式に変換し、こ
の多項式の係数によって算出した非点収差量〔mλ〕も
示している(表1中の「補正なしの非点収差量」の
欄)。
【0073】
【表1】
【0074】表1の結果から分かるように、角度補正を
入れない場合は、市販の設計ソフトを用いて計算した結
果と比較して、5%以上の計算誤差が生じている。それ
に対して、本実施の形態で提案する角度補正を入れて計
算した場合は、非点収差量誤差は1%未満になる。この
ことから本実施の形態で算出されるゼルニケ多項式の係
数は誤差が実用上問題とならない程度のものであり、精
度は高いといえる。よって、本実施の形態によれば、特
に光ディスク用レンズにおけるレンズ面の収差を簡単に
精度よく求めることが可能となる。
【0075】図1に示す出力部3は、ゼルニケ多項式の
係数(z0〜z15)を出力するものである。この出力さ
れるゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)は上記したよ
うに精度の高いものである。よって、例えば形状データ
の計測がレンズ成形用の金型に対して行われている場合
は、その金型によって成形されるレンズの収差を簡単に
予測でき、このレンズの評価を行うことができる。この
評価は、従来の表面あらさのデータ(PV値やRMS
値)に比べて利便性が高く、金型の生産性の向上や成形
レンズの歩留まりの向上を図ることができる。
【0076】また、形状データの計測がレンズの第1面
または第2面に対して行われている場合は、それによっ
て構成されるレンズの収差が予測できるので、レンズ全
体の収差に対する各面の形状誤差の寄与を定量的に評価
することが可能となる。なお、出力されるゼルニケ多項
式の係数(z0〜z15)から予測できる収差としては、
上記した非点収差の他、3次および5次の球面収差、コ
マ収差が挙げられる。このうち、3次の球面収差につい
てはz8から予測でき、5次の球面収差はz15から、コ
マ収差についてはz6とz7とから予測できる。
【0077】本実施の形態では、演算部2には、ゼルニ
ケ多項式の係数(z0〜z15)に基づいて非点収差量等
の収差量を算出する機能が付加されていても良い。この
場合、出力部3は、ゼルニケ多項式の係数に加えまたは
それに代え、ゼルニケ多項式に基づく評価基準として非
点収差量等の収差量を出力し得るものであるのが好まし
い。このように光学素子評価装置を動作させることによ
り、本実施の形態にかかる光学素子評価方法を実行する
ことができる。
【0078】図1の例に示す光学素子評価装置は、図2
に示すコンピュータにプログラムをロードし、実行する
ことによって実現することができる。このプログラムに
よる処理の流れについては後述の図3を用いて説明す
る。図2において201はコンピュータ本体、202は
ディスプレイ装置、203はFDD(フロッピィディス
クドライブ装置)またはCD−ROMドライブ装置、2
04はキーボード、205はHDD(ハードディスクド
ライブ装置)、206はプリンタである。各装置(20
2〜206)は接続ケーブル207によってコンピュー
タ本体201と接続されている。
【0079】図2に示された装置のうち、キーボード2
04、FDD203(またはCD−ROMドライブ装
置)が入力部1(図1)として機能する。なお、入力部
1は、モデム(図示せず)やLANインターフェースと
いった各種インターフェース等(図示せず)であっても
良い。また、コンピュータ本体201に内蔵されたCP
Uは演算部2(図1)として機能し、ディスプレイ装置
202およびプリンタ206は出力部3(図1)として
機能する。更に、コンピュータ本体201に内蔵された
メモリや、HDD205が記憶部4(図1)として機能
する。
【0080】208はフロッピィディスク、209はC
D−ROMを示しており、これらはコンピュータを動作
させて光学素子評価装置を実現するためのプログラムを
記憶した記憶媒体である。なお、本発明においてプログ
ラムを記憶した記録媒体はフロッピィディスク208や
CD−ROM209のような可搬金型記録媒体に限定さ
れるものではなく、通信回線の先に備えられた他の記憶
装置(図示せず)や、HDDやRAM等の記録媒体であ
っても良い。これらの記録媒体に記録されたプログラム
は、本実施の形態にかかる光学素子評価装置を動作させ
る際に、ローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0081】次に本実施の形態にかかる光学素子評価装
置における処理の流れについて図3を用いて説明する。
図3に示すように、最初に光学素子またはそれを成形す
るための金型の形状誤差データg(x,y)の入力が行
われる(ステップS11)。続いて光学素子の物理定数
の入力が行なわれ(ステップS12)、更に光学素子に
おける透過光線の角度情報の入力が行われる(ステップ
S13)。なお、ステップS11、ステップS12およ
びステップS13の順序は逆であっても良いし、同時で
あっても良い。
【0082】次に、ステップS11で入力された形状誤
差データg(x,y)、ステップS12で入力された物
理定数、およびステップS13で入力された角度情報と
から、光学素子を透過する光の位相誤差データW(x,
y)の算出が行われる(ステップS14)。位相誤差デ
ータW(x,y)の算出は上記式(1)〜式(4)に基
づいて行われる。続いて、ステップS14で算出された
位相誤差データW(x,y)を上記式(6)に示すゼル
ニケ多項式に変換して、ゼルニケ多項式の係数(z0
15)の算出が行われる(ステップS15)。
【0083】最後にステップS15で得られたゼルニケ
多項式の係数(z0〜z15)が出力される(ステップS
16)。なお、ステップS16において非点収差量等の
各種収差量の出力も行うのであれば、ステップS16の
前に非点収差量の算出を行う必要がある。
【0084】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2にかかる光学素子評価装置および光学素子評価方法に
ついて、図4および図5を参照しながら説明する。図4
は本発明の実施の形態2における光学素子評価装置を概
略的に示す図である。同図(a)では光学素子評価装置
の全体の構成が示されており、同図(b)では計測部2
0の構成が具体的に示されている。図5は本発明の実施
の形態2にかかる光学素子評価装置における処理の概略
を示す流れ図である。
【0085】図4(a)に示すように、本実施の形態に
かかる光学素子評価装置も、実施の形態1と同様に、光
学素子またはそれを成形するための金型の形状誤差デー
タを処理して光学素子の評価を行うものである。本実施
の形態にかかる光学素子評価装置も、実施の形態1と同
様に、入力部21と、演算部22と、出力部23と、記
憶部24とを有している。但し、本実施の形態にかかる
光学素子評価装置は、更に計測部20を有しており、こ
の点で実施の形態1にかかる光学素子評価装置と異なっ
ている。
【0086】計測部20は光学素子またはそれを成形す
るための金型の形状データを測定するためのものであ
る。ここで、計測部20の構成について図4(b)に基
づいて説明する。同図(b)の例に示すように本実施の
形態では、計測部20は、XYステージ402と、ステ
ージ制御装置403と、触針404と、触針制御装置4
05とで構成された触針式の三次元形状計測装置であ
る。401は計測対象物であり、同図(b)ではレンズ
成形用の金型である。計測対象物401はXYステージ
402上に固定されている。
【0087】XYステージ402はX軸方向及びY軸方
向に移動可能に構成されており、ステージ制御装置40
3によって移動が制御されている。ステージ制御装置4
03は、XYステージのX座標およびY座標を検出し、
その情報を演算部22に転送するように構成されてい
る。触針404は計測対象物の形状に合わせてZ軸方向
に移動可能に構成されている。触針制御装置405は触
針404の先端が計測対象物と接触するように触針40
4をZ軸方向に移動させ、そのZ座標を検出し、その情
報を演算部22に転送するように構成されている。
【0088】形状データの計測は、ステージ制御装置4
03によってXYステージ402をX軸方向、Y軸方向
にそれぞれ移動させて計測対象物を2次元的に走査しつ
つ、この走査にあわせて触針404の先端を計測対象物
401に接触させることによって行われる。これによ
り、計測対象物401の形状データが演算部22に入力
されることになる。得られた形状データは図4の例では
記憶部24に一旦記憶される。なお、本発明において計
測部20は、上記の触針式の三次元形状計測装置に限定
されるものではない。計測部20としては、例えば、光
学式の表面粗さ計等の他の形状計測装置を用いることも
できる。
【0089】入力部21には、図1で示した入力部1と
異なり、光学素子の物理定数および光学素子における透
過光線の角度情報に加え、光学素子またはそれを成形す
るための金型の基準形状データも入力される。なお、本
実施の形態でいう「基準形状データ」および「光学素子
の物理定数」は実施の形態1で説明したものと同義であ
る。入力部21への入力方法としても実施の形態と同様
の入力方法が挙げられる。
【0090】演算部22も図1で示した演算部2と異な
っている。演算部22は、光学素子を透過する光の位相
誤差データW(x,y)の算出、位相誤差データW
(x,y)のゼルニケ多項式への変換、ゼルニケ多項式
の係数(z0〜z15)の算出に加え、測定された形状デ
ータと入力された基準形状データとからの形状誤差デー
タg(x,y)の算出まで行うものである。
【0091】演算部22においても、光学素子を透過す
る光の位相誤差データW(x,y)の算出、位相誤差デ
ータW(x,y)のゼルニケ多項式への変換、ゼルニケ
多項式の係数(z0〜z15)の算出は、上記式(1)〜
(4)を用いて行われる。ここでいうゼルニケ多項式も
上記式(6)で示したものである。また、演算部22に
おいても上記式(7)に基づいて非点収差量を算出する
機能が付加されていても良い。
【0092】出力部23は、図1で示した出力部3と同
様、ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)を出力するも
のである。出力部23においても、実施形態1と同様に
非点収差量等の収差を出力する機能が付加されていても
良い。この光学素子評価装置を動作させることにより、
本実施の形態にかかる光学素子評価方法を実行すること
ができる。
【0093】本実施の形態にかかる光学素子評価装置
も、実施の形態1と同様に、図2に示すコンピュータに
プログラムをロードし、実行することによって実現でき
る。但し、本実施の形態においては、実施の形態1と異
なり、図2に示されたコンピュータに、更に計測部20
となる例えば触針式の三次元形状計測装置等の計測装置
を付加する必要がある。なお、プログラムによる処理の
流れについては以下の図5で説明する。
【0094】図5に示すように、最初に光学素子または
それを成形するための金型の形状データの測定が行われ
る(ステップS51)。次いで、測定対象となった光学
素子またはそれを成形するための金型の基準形状データ
の入力が行われ(ステップS52)、測定された形状デ
ータと前記基準形状データとから形状誤差データg
(x,y)の算出が行われる(ステップS53)。ま
た、ステップS51〜S53と並行して又はこれらのス
テップの後に、光学素子の物理定数の入力(ステップS
54)および光学素子における透過光線の角度情報の入
力(ステップS55)が行なわれる。
【0095】次に、ステップS53で算出された形状誤
差データg(x,y)、ステップS54で入力された物
理定数、ステップS55で入力された透過光線の角度情
報から、光学素子を透過する光の位相誤差データW
(x,y)の算出が行われる(ステップS56)。続い
て、算出された位相誤差データW(x,y)をゼルニケ
多項式に変換して、このゼルニケ多項式の係数(z0
15)の算出が行われる(ステップS57)。最後に、
ステップS57で得られたゼルニケ多項式の係数(z0
〜z15)の出力が行われる(ステップS58)。なお、
ステップS58において非点収差量等の各種収差量の出
力も行うのであれば、ステップS58の前に非点収差量
の算出を行う必要がある。
【0096】このように、本実施の形態にかかる光学素
子評価装置では、実施の形態1で示した光学評価装置と
異なり、計測部20を備えているため、形状データの計
測から形状誤差データg(x,y)の算出までもが行え
る。よって、本実施の形態にかかる光学素子評価装置を
用いれば、実施の形態1で示した効果に加え、容易且つ
短時間で光学素子の評価を行うことができるという効果
も得ることができる。
【0097】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3にかかる光学素子評価装置および光学素子評価方法に
ついて図6を参照しながら説明する。図6は本発明の実
施の形態3にかかる光学素子評価装置における処理の概
略を示す流れ図である。
【0098】本実施の形態にかかる光学素子評価装置
は、図1で示した光学素子評価装置と同様に構成されて
おり、入力部と、演算部と、出力部と、記憶部を有して
いる。但し、本実施の形態にかかる光学素子評価では、
第1面と第2面とを有するレンズが評価対象となる。よ
って、形状誤差データはレンズの第1面および前記第2
面についてのもの、またはレンズの第1面を成形する金
型のプレス面および第2面を成形する金型のプレス面に
ついてのものとなる。光学素子の物理定数および光学素
子における透過光線の角度情報としては、レンズの第1
面および第2面についてのものが用いられる。
【0099】また、本実施の形態では、演算部は、レン
ズの第1面および第2面のそれぞれについて、位相誤差
データW(x,y)の算出と、ゼルニケ多項式への変換
およびその係数の算出を行い、更に後述するレンズの非
点収差量の算出までも行うように構成されている。な
お、第1面についての位相誤差データW(x,y)と
は、レンズの第1面またはそれを成形する金型のプレス
面の形状誤差データg(x,y)、第1面の物理定数、
および第1面における透過光線の角度情報から算出され
る位相誤差データをいい、第1面についてのゼルニケ多
項式とはこの位相誤差データを上記式(6)に示す式に
変換したものを言う。第2面についての位相誤差データ
W(x,y)およびゼルニケ多項式も同様の解釈であ
る。
【0100】特開平8−179198号公報または特開
平11−249007号公報等で示されているように、
レンズに意図的に非点収差が付けられる場合がある。こ
のようなレンズの場合には、形状誤差データg(x,
y)を算出するための基準形状データとしては、本来の
設計形状のデータではなく、回転対称成分だけのデータ
が用いられる。このため、形状誤差データg(x,y)
には、レンズに付加した非対称形状成分も含まれること
になる。この場合、両レンズ面のデータからレンズの非
点収差を計算するには、ゼルニケ多項式の各成分の加算
で求めることは出来ない。非点収差量は、ゼルニケ多項
式の(y2−x2)の項にて表現される成分と、(2x
y)の項にて表現される成分との合成によって求める必
要がある。
【0101】ここで、レンズの第1面の形状計測を行
い、そのレンズを裏返して、第2面の形状計測をする場
合に、レンズは計測座標のx軸あるいはy軸を回転軸と
して裏返すとする。このとき(y2−x2)の項にて表現
される非点収差成分はレンズを裏返しても符号が反転し
ないが、(2xy)の項にて表現される非点収差成分は
レンズを裏返すと符号が反転する。そのため、レンズ全
体の非点収差量の計算においては、(y2−x2)の項の
成分については足し合わせ、(2xy)の項の成分につ
いては差をとる必要がある。
【0102】即ち、レンズ両面の形状データの計測が、
計測装置における計測座標のx軸またはy軸を回転軸と
して、例えばy=xまたはy=−xの直線を回転軸とし
てレンズを回転させて行われるのであれば、(2xy)
の項にて表現される非点収差成分を加算し、(y2
2)の項にて表現される非点収差成分を減算すること
でレンズ全体の非点収差量が算出できる。
【0103】よって、本実施の形態では非点収差量は、
第1面についてのゼルニケ多項式の係数z4((y2−x
2)の項の係数)をa1、係数z5((2xy)の項の係
数)をb1とし、第2面についてのゼルニケ多項式の係
数z4をa2、係数z5をb2として、下記式(5)に基づ
いて算出される。
【0104】
【数51】
【0105】本実施の形態にかかる光学素子評価装置
も、実施の形態1と同様に、図2に示すコンピュータに
プログラムをロードし、実行することによって実現でき
る。このプログラムによる処理の流れについて図6を用
いて説明する。図6に示すように、最初にレンズの第1
面および第2面についての形状誤差データg(x,y)
または第1面を成形する金型のプレス面および第2面を
成形する金型のプレス面についての形状誤差データg
(x,y)の入力が行われる(ステップS61)。続い
てレンズの第1面および第2面についての物理定数の入
力が行われる(ステップS62)。更に、レンズの第1
面および第2面についての透過光線の角度情報の入力が
行なわれる(ステップS63)なお、ステップS61〜
ステップS63の順序は入れ替わっても良いし、これら
のステップは同時に行なわれても良い。
【0106】次に、ステップS61で入力された形状誤
差データg(x,y)、ステップS62で入力された物
理定数、およびステップS63で入力された透過光線の
角度情報から、第1面および第2面についての光学素子
を透過する光の位相誤差データW(x,y)の算出が行
われる(ステップS64)。続いて、ステップS64で
算出された位相誤差データW(x,y)をそれぞれ上記
式(6)に示すゼルニケ多項式に変換して、ゼルニケ多
項式の係数(z0〜z15)の算出が行われる(ステップ
S65)。更に各面について得られたゼルニケ多項式の
係数(z0〜z1 5)からレンズの非点収差量の算出が行
われる(ステップS66)。最後にステップS66で得
られたレンズの非点収差量が出力される(ステップS6
7)。
【0107】このように本実施の形態にかかる光学素子
評価装置を用いれば、レンズの両面における形状誤差デ
ータg(x、y)から、レンズの両面についての非点収
差量を簡単に算出できる。特に形状誤差データの算出が
金型について行われている場合は、試作することなく、
第1面用の金型と第2面用の金型とを組み合わせたとき
のレンズの非点収差量を知ることが出来るため、金型の
最適な組み合わせなどを決定することが可能となり、レ
ンズの生産性や、成形レンズの歩留まりの向上を図るこ
とができる。また、本実施の形態にかかる光学素子評価
装置においても、実施の形態2と同様に計測部を設ける
ことができる。この場合、実施の形態2と同様に、容易
且つ短時間で光学素子の評価を行うことができる。
【0108】なお、本実施の形態にかかる光学素子評価
装置では、出力部から非点収差量のみが出力されている
がこの例に限定されるものではない。例えば、第1面及
び第2面についてのゼルニケ多項式の係数(z0
15)のみ出力する構成であっても良いし、非点収差量
以外の収差量を出力しうる構成であっても良い。
【0109】(実施の形態4)次に本発明の金型の選択
方法について図7を参照して説明する。図7は本発明の
金型の選択方法を実行するための装置における処理の流
れの概略を示す流れ図である。本発明の金型の選択方法
は、複数のレンズ成形用の金型の中からレンズの第1面
を成形するための金型と第2面を成形するための金型と
を選択するための方法である。この方法は、図1に示す
ような入力部、演算部および出力部を少なくとも有する
装置を用いて行うことができる。具体的には、図2に示
すコンピュータにプログラムをロードし、実行すること
によって行うことができる。
【0110】このプログラムによる処理の流れについて
図7を用いて説明する。最初に図7に示すように、複数
の金型の形状誤差データg(x,y)が入力される(ス
テップS71)。この形状誤差データg(x,y)は金
型のプレス面における形状データと基準形状データとか
ら算出されるものである。形状データは実施の形態1と
同様に3次元形状計測装置を用いて測定しても良いし、
本装置に実施の形態2と同様の計測部を設け、これによ
って測定しても良い。
【0111】次いで、各金型毎の物理定数が入力される
(ステップS72)。なお、ここでいう物理定数は、各
金型のプレス面で成形されるレンズ面における物理定数
をいう。更に各金型毎の該レンズ面における透過光線の
角度情報が入力される(ステップS73)。
【0112】次に、各金型毎に、ステップS71で入力
された形状誤差データg(x,y)、ステップS72で
入力された物理定数、およびステップS73で入力され
た透過光線の角度情報から、該金型のプレス面で成形さ
れるレンズ面を透過する光の位相誤差データW(x,
y)を算出する(ステップS74)。更に、各金型毎
に、ステップS74で算出された位相誤差データW
(x,y)をゼルニケ多項式に変換して該ゼルニケ多項
式の係数(z0〜z15)を算出する(ステップS7
5)。なお、ステップS74およびS75における算出
は実施の形態1と同様にして行われる。
【0113】次に、複数の金型のうち一の金型における
ゼルニケ多項式の係数z4をa1、係数z5をb1とし、別
の一の金型におけるゼルニケ多項式の係数z4をa2、係
数z 5をb2として、これら二つの金型で成形されるレン
ズの非点収差量を算出する(ステップS76)。この非
点収差量の算出は実施の形態3と同様にして行われる。
【0114】最後に、ステップS76で算出された非点
収差量が出力される(ステップS77)。このため、ど
のような組み合わせにすると非点収差量がどのような値
となるかを知ることが出来るので、容易に、また試作す
ることなく、第1面を成形するための金型と第2面を成
形するための金型とを選択できる。
【0115】なお、本実施の形態においては任意の組み
合わせにおける非点収差量を算出し、これに基づいて選
択を行っているが、これに限定されるものではない。本
発明においては、非点収差量の他、コマ収差量、球面収
差量を算出し、これらに基づいて金型を選択することも
できる。
【0116】また、本実施の形態においては、各金型の
形状データとして、3次元形状計測装置等で測定された
データを任意の回転角で座標変換してなるデータを用い
ることができる。この場合は、金型間の回転調整を行っ
た場合の非点収差等の収差をも予測することができる。
【0117】このように本実施の形態にかかる金型の選
択方法を用いれば、任意の組み合わせの金型によって成
形されるレンズを評価できる。よって、レンズの試験成
形を行うことなく最適な金型の組み合わせを定量的に行
うことが出来る。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明のレンズ評価装置ま
たはレンズ評価方法によれば、例えば3次元形状計測装
置等で得られた光学素子または金型の形状データを用い
て、光学素子の被計測面に起因する光学収差の量を見積
もることが可能となり、かかる光学素子の評価を行うこ
とができる。また、本発明の光学素子評価装置または光
学素子評価方法によれば、光学素子がレンズである場合
に、レンズの両面の形状データから、レンズの非点収差
量を計算することも可能となる。
【0119】本発明の金型の選択方法によれば、金型が
複数ある場合に、レンズの試作を行うことなく、各金型
のデータから任意の組み合わせの金型で成形されるレン
ズの収差量を見積もることができ、最適な組み合わせを
決定することができる。このため従来に比べて時間とコ
ストの削減を図ることができる。また、本発明の金型の
選択方法によれば、金型の計測データを用いて、金型の
回転調整を精度良く行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる光学素子評価装
置の構成を概略的に示す図。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる光学評価装置を
実現するためのコンピュータの一例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態1にかかる光学素子評価装
置における処理の概略を示す流れ図。
【図4】本発明の実施の形態2における光学素子評価装
置を概略的に示す図。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる光学素子評価装
置における処理の概略を示す流れ図。
【図6】本発明の実施の形態3にかかる光学素子評価装
置における処理の概略を示す流れ図。
【図7】本発明の実施の形態3にかかる光学素子評価装
置における処理の概略を示す流れ図。
【図8】形状誤差パターンの一例をプロットした鳥瞰
図。
【図9】形状誤差パターンの他の例をプロットした鳥瞰
【符号の説明】
1 入力部 2 演算部 3 出力部 4 記憶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹埜 智彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA53 CC00 CC22 QQ03 5D119 AA38 BA01 BB01 BB04 JA43 NA05

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子またはそれを成形するための金
    型の形状誤差データg(x,y)、前記光学素子の物理
    定数および前記光学素子における透過光線の角度情報を
    入力するための入力部と、 前記形状誤差データg(x,y)、前記物理定数および
    前記透過光線の角度情報から前記光学素子を透過する光
    の位相誤差データW(x,y)を算出し、前記位相誤差
    データW(x,y)をゼルニケ多項式に変換してその係
    数(z0〜z15)を算出する演算部と、 前記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)および/また
    はそれに基づく評価基準を出力する出力部とを少なくと
    も有することを特徴とする光学素子評価装置。
  2. 【請求項2】 光学素子またはそれを成形するための金
    型の形状データを測定するための計測部と、 前記光学素子または前記金型の基準形状データ、前記光
    学素子の物理定数および前記光学素子における透過光線
    の角度情報を入力するための入力部と、 前記測定された形状データと前記基準形状データとから
    形状誤差データg(x,y)を算出し、前記形状誤差デ
    ータg(x,y)、前記物理定数および前記透過光線の
    角度情報から前記光学素子を透過する光の位相誤差デー
    タW(x,y)を算出し、前記位相誤差データW(x,
    y)をゼルニケ多項式に変換してその係数(z0
    15)を算出する演算部と、 前記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)および/また
    はそれに基づく評価基準を出力する出力部とを少なくと
    も有することを特徴とする光学素子評価装置。
  3. 【請求項3】 上記光学素子がレンズであり、上記形状
    誤差データg(x,y)が該レンズのレンズ面または該
    レンズ面を成形する金型のプレス面についてのものであ
    り、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記演算部が、式(1)および式(2)に基づいて、上
    記位相誤差データW(x,y)を算出する請求項1また
    は2に記載の光学素子評価装置。 【数1】 【数2】
  4. 【請求項4】 上記光学素子がレンズであり、上記形状
    誤差データg(x,y)が該レンズのレンズ面または該
    レンズ面を成形する金型のプレス面についてのものであ
    り、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記演算部が、式(1)および式(3)に基づいて、上
    記位相誤差データW(x,y)を算出する請求項1また
    は2に記載の光学素子評価装置。 【数3】 【数4】
  5. 【請求項5】 上記光学素子がレンズであり、上記形状
    誤差データg(x,y)が該レンズのレンズ面または該
    レンズ面を成形する金型のプレス面についてのものであ
    り、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第3の角度情
    報αからなり、 上記演算部が、式(1)および式(4)に基づいて、上
    記位相誤差データW(x,y)を算出する請求項1また
    は2に記載の光学素子評価装置。 【数5】 【数6】
  6. 【請求項6】 上記光学素子が第1面と第2面とを有す
    るレンズであり、 上記形状誤差g(x,y)データが前記第1面および前
    記第2面、または前記第1面を成形する金型のプレス面
    および前記第2面を成形する金型のプレス面についての
    ものであり、 上記光学素子の物理定数および上記光学素子における透
    過光線の角度情報が前記第1面および前記第2面につい
    てのものであり、 上記演算部が、前記第1面についての上記位相誤差デー
    タW(x,y)と、前記第2面についての上記位相誤差
    データW(x,y)とを算出し、これらをそれぞれゼル
    ニケ多項式に変換し、更に前記第1面についてのゼルニ
    ケ多項式の係数z4をa1、係数z5をb1とし、前記第2
    面についてのゼルニケ多項式の係数z4をa2、係数z5
    をb2として、式(5)に基づいて前記レンズの非点収
    差量を更に算出するものであり、 上記出力部が上記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15
    に基づく評価基準として前記非点収差量を出力するもの
    である請求項1〜5のいずれかに記載の光学素子評価装
    置。 【数7】
  7. 【請求項7】 光学素子またはそれを成形するための金
    型の形状誤差データg(x,y)、前記光学素子の物理
    定数および前記光学素子における透過光線の角度情報か
    ら前記光学素子を透過する光の位相誤差データW(x,
    y)を算出する工程と、 前記位相誤差データW(x,y)をゼルニケ多項式に変
    換して該ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)を算出す
    る工程とを少なくとも有することを特徴とする光学素子
    評価方法。
  8. 【請求項8】 上記光学素子がレンズであり、上記形状
    誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を成
    形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(2)に基づいて行われる請求項7に記載の光学素
    子評価方法。 【数8】 【数9】
  9. 【請求項9】 上記光学素子がレンズであり、上記形状
    誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を成
    形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(3)に基づいて行われる請求項7に記載の光学素
    子評価方法。 【数10】 【数11】
  10. 【請求項10】 上記光学素子がレンズであり、上記形
    状誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を
    成形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第3の角度情
    報αからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(4)に基づいて行われる請求項7に記載の光学素
    子評価方法。 【数12】 【数13】
  11. 【請求項11】 上記光学素子が第1面と第2面とを有
    するレンズであり、 上記形状誤差データg(x,y)が前記第1面および前
    記第2面、または前記第1面を成形する金型のプレス面
    および前記第2面を成形する金型のプレス面についての
    ものであり、 上記光学素子の物理定数および上記光学素子における透
    過光線の角度情報が前記第1面および前記第2面につい
    てのものであり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出および上記ゼル
    ニケ多項式の係数(z 0〜z15)の算出が前記第1面と
    第2面とについて行われており、 第1面についてのゼルニケ多項式の係数z4をa1、係数
    5をb1とし、第2面についてのゼルニケ多項式の係数
    4をa2、係数z5をb2として、式(5)に基づいて前
    記レンズの非点収差量を算出する工程をさらに有してい
    る請求項7〜10のいずれかに記載の光学素子評価方
    法。 【数14】
  12. 【請求項12】 光学素子またはそれを成形するための
    金型の形状誤差データg(x,y)を入力するステップ
    と、 前記光学素子の物理定数を入力するステップと、 前記光学素子における透過光線の角度情報を入力するス
    テップと、 前記形状誤差データg(x,y)、前記物理定数および
    前記透過光線の角度情報から前記光学素子を透過する光
    の位相誤差データW(x,y)を算出するステップと、 前記位相誤差データW(x,y)をゼルニケ多項式に変
    換して該ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)を算出す
    るステップと、 前記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)および/また
    はそれに基づく評価基準を出力するステップとを少なく
    とも有することを特徴とするプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  13. 【請求項13】 光学素子またはそれを成形するための
    金型の形状データを測定するステップと、 前記光学素子または前記金型の基準形状データを入力す
    るステップと、 前記光学素子の物理定数を入力するステップと、 前記光学素子における透過光線の角度情報を入力するス
    テップと、 前記測定された形状データと前記基準形状データとから
    形状誤差データg(x,y)を算出するステップと、 前記形状誤差データg(x,y)、前記物理定数および
    前記透過光線の角度情報から前記光学素子を透過する光
    の位相誤差データW(x,y)を算出するステップと、 前記位相誤差データW(x,y)をゼルニケ多項式に変
    換して該ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)を算出す
    るステップと、 前記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)および/また
    はそれに基づく評価基準を出力するステップとを少なく
    とも有することを特徴とするプログラムを記録したコン
    ピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記光学素子がレンズであり、上記形
    状誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を
    成形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(2)に基づいて行われる請求項12または13に
    記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。 【数15】 【数16】
  15. 【請求項15】 上記光学素子がレンズであり、上記形
    状誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を
    成形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第1の角度情
    報φと、第2の角度情報ψとからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(3)に基づいて行われる請求項12または13に
    記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。 【数17】 【数18】
  16. 【請求項16】 上記光学素子がレンズであり、上記形
    状誤差データが該レンズのレンズ面または該レンズ面を
    成形する金型のプレス面についてのものであり、 上記光学素子の物理定数が、前記レンズ面の有効径D
    と、前記レンズ面の設計波長λと、前記レンズを構成す
    る材料の前記設計波長における屈折率nとからなり、上
    記光学素子における透過光線の角度情報が第3の角度情
    報αとからなり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出が式(1)およ
    び式(4)に基づいて行われる請求項12または13に
    記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。 【数19】 【数20】
  17. 【請求項17】上記光学素子が第1面と第2面とを有す
    るレンズであり、 上記形状誤差データg(x,y)が前記第1面および前
    記第2面、または前記第1面を成形する金型のプレス面
    および前記第2面を成形する金型のプレス面についての
    ものであり、 上記光学素子の物理定数および上記光学素子における透
    過光線の角度情報が前記第1面および前記第2面につい
    てのものであり、 上記位相誤差データW(x,y)の算出および上記ゼル
    ニケ多項式の係数(z 0〜z15)の算出が、前記第1面
    と前記第2面とについて行われており、 前記第1面についてのゼルニケ多項式の係数z4をa1
    係数z5をb1とし、前記第2面についてのゼルニケ多項
    式の係数z4をa2、係数z5をb2として、式(5)に基
    づいて前記レンズの非点収差量を算出するステップをさ
    らに有し、 上記ゼルニケ多項式の係数(z0〜z15)に基づく評価
    基準として前記非点収差量が出力される請求項12〜1
    6のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュー
    タ読み取り可能な記録媒体。 【数21】
  18. 【請求項18】 複数のレンズ成形用の金型の中からレ
    ンズの第1面を成形するための金型と第2面を成形する
    ための金型とを選択するための方法であって、 各金型毎に、そのプレス面で成形されるレンズ面の物理
    定数、該レンズ面における透過光線の角度情報および該
    プレス面における形状誤差データg(x,y)から該レ
    ンズ面を透過する光の位相誤差データW(x,y)を算
    出する工程と、 各金型毎に、前記位相誤差データW(x,y)をゼルニ
    ケ多項式に変換して該ゼルニケ多項式の係数(z0〜z
    15)を算出する工程と、 各金型のゼルニケ多項式の係数に基づいて第1面を成形
    するための金型と第2面を成形するための金型とを選択
    する工程とを少なくとも有することを特徴とする金型の
    選択方法。
  19. 【請求項19】上記複数の金型のうち一の金型における
    ゼルニケ多項式の係数z4をa1、係数z5をb1とし、別
    の一の金型におけるゼルニケ多項式の係数z4をa2、係
    数z5をb2として、式(5)に基づいて、これら二つの
    金型で成形されるレンズの非点収差量を算出する工程を
    さらに有し、 上記算出された非点収差量に基づいて第1面を成形する
    ための金型と第2面を成形するための金型とが選択され
    る請求項18に記載の金型の選択方法。 【数22】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101155742B1 (ko) 2010-09-15 2012-06-12 한국산업기술대학교산학협력단 빔 스팟 프로파일 측정방법 및 빔 스팟 프로파일 측정방법을 구현하는 프로그램을 기록한 기록 매체
CN115358132A (zh) * 2022-10-19 2022-11-18 中国科学院西安光学精密机械研究所 一种基于光机热集成分析的干涉仪热稳定性优化方法

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