JP6923931B2 - 厚み及び形状測定における要否成分分離方法 - Google Patents

厚み及び形状測定における要否成分分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェハの厚み及び形状を測定した際に用いられる、要否成分分離方法に係るものである。
ウェハとは、シリコン等の半導体素材の種結晶を円柱状に成長させたインゴットと呼ばれる塊を、厚さ1mm程度に薄くスライスした円盤状の板のことであり、このウェハ上に、トランジスタや配線を多数形成することで、半導体デバイスが製造される。
また、従来から、半導体デバイスの製造における歩留まりを向上させるために、ウェハ表面の欠陥の検査や、厚み及び形状の測定等が行われてきた。
例えば、特許文献1には、基板のマクロ欠陥を検査するにあたり、欠陥の有無の判定を容易にし、判定に至るまでの処理時間を短縮するための、基板の欠陥検査方法が記載されている。
この基板の欠陥検査方法は、差分演算部と、合成演算部と、ゼルニケ演算と、判定部と、を備えており、CCDカメラによって撮像されたウェハの画像データが、差分演算部に出力され、正常ウェハとの差分画像が演算される。合成演算部は、この差分画像に基づき、ウェハの中心を原点として所定の角度ごとに360度回転して合成した合成画像を演算する。
そして、得られた合成画像は、ゼルニケ演算部においてゼルニケ多項式によって数値化され、そのうちの同心円成分が判定部に出力され、予め設定したしきい値と比較され、ウェハの欠陥の有無が判断される。
特許4647510号公報
ところで、ウェハの厚み測定においては、例えば、ウェハを一対のワークにより挟み込むことで測定されたウェハの表裏面形状から厚みを算出する方法や、ウェハの表面形状から予め測定されたワークの接触面の形状を差し引くことにより厚みを算出する方法、ワークの表面若しくは裏面から光を透過させ、各面の反射距離若しくは各面の干渉から厚みを算出する方法等が存在する。
ここで、特に、ウェハの厚み測定の方法として、ウェハの各面の反射距離若しくは各面の干渉から厚みを算出する方法を用いた際、厚みを二次元分布で表した測定結果は、ドープの存在や光の屈折率のムラ等に起因して、縞模様が形成された状態で出力されてしまう。
そして、このような縞模様は、幾何学的には存在しない不要な成分であるため、測定結果が本来の厚みや形状と異なってしまう、という問題があった。
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、光の透過を用いたウェハの厚み及び形状測定において、その測定結果から、必要な成分と不要な成分とを分離させることが可能な、厚み及び形状測定における要否成分分離方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ウェハの厚みを二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力工程と、
前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解する分解工程と、
前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出工程と、
前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算工程と、
前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、必要成分算出工程により算出された複数の必要成分画像データ値を合算することで、不要成分が除去された画像データを取得することが可能となる。また、合算必要成分画像データ値を初期画像データ値から差し引くことで、不要成分を表した画像データを取得することが可能となる。また、これにより、ウェハのより正確な厚み及び形状を測定することが可能となる。
本発明の好ましい形態では、前記必要成分算出工程は、前記モード画像データ値に乗算係数を掛け合わせることで、乗算モード画像データ値を算出する乗算工程と、
前記初期画像データ値から、前記乗算モード画像データ値を差し引くことで、差分画像データ値を算出する減算工程と、
前記差分画像データ値のバラつきが最小となる前記乗算係数を前記モード係数とする係数決定工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、必要成分算出工程において、不要成分の少ない必要成分画像データ値を算出することができ、不要成分算出工程により、必要な成分と不要な成分とが明確に分離された各画像データを取得することが可能となる。
本発明の好ましい形態では、前記モード画像データ値に対応する複数の乗算モード画像データ値を算出するために、前記乗算係数を変化させ、前記乗算工程を複数回行い、
前記モード画像データ値に対応する複数の差分画像データ値を算出するために、前記複数の乗算モード画像データ値ごとに、前記減算工程を複数回行い、
前記係数決定工程は、前記複数の差分画像データ値に対応する複数の標準偏差値を算出する標準偏差値算出工程と、
前記複数の標準偏差値の内、最小となる前記標準偏差値の算出に用いられる前記乗算係数を、前記モード画像データ値に対応する前記モード係数と決定する決定工程と、を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、必要成分算出工程において、より不要成分の少ない必要成分画像データ値を算出することができ、不要成分算出工程により、必要な成分と不要な成分とが、より明確に分離された各画像データを取得することが可能となる。
本発明の好ましい形態では、前記乗算係数の範囲を指定する範囲指定工程を含むことを特徴とする。
このような構成とすることで、不要成分が除去された画像データ及び不要成分を表した画像データを、短時間で効率的に取得することが可能となる。
本発明の好ましい形態では、前記ゼルニケ多項式の次数は、4〜7の間であることを特徴とする。
このような構成とすることで、より短時間で効率的に、かつ必要な成分と不要な成分とが明確に分離された各画像データを取得することが可能となる。
本発明は、コンピュータを、ウェハの厚みを二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力手段と、
前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解する分解手段と、
前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出手段と、
前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算手段と、
前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出手段と、として機能させることを特徴とする。
本発明は、ウェハの厚みを二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力手段と、
前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解する分解手段と、
前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出手段と、
前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算手段と、
前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、光の透過を用いたウェハの厚み及び形状測定において、その測定結果から、必要な成分と不要な成分とを分離させることが可能な、厚み及び形状測定における要否成分分離方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る要否成分分離装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る厚み測定の態様を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る初期画像データ値を、表示部に表示した際の図である。 本発明の実施形態に係る複数のモード画像データ値を、表示部に表示した際の図である。 本発明の実施形態に係る初期画像データ値、合算必要成分画像データ値及び不要成分画像データ値を、表示部に表示した際の図である。 測定結果又は処理結果の比較図である。 本発明の実施形態に係る各工程の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る要否成分分離方法の応用例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る要否成分分離方法の応用例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る要否成分分離方法の応用例を説明する図である。
以下、図1〜図10を用いて、本発明の実施形態に係る厚み及び形状測定における要否成分分離方法について説明する。本実施形態では特に、要否成分分離装置を用いて要否成分分離方法を実施する場合について説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
例えば、本実施形態では要否成分分離装置の構成、動作などについて説明するが、同様の構成の方法、システム、コンピュータプログラム、記録媒体なども、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータに前記プログラムをインストールすることができる。ここで、前記プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD−ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
図1は、本実施形態に係る要否成分分離装置1の機能ブロック構成の一例を示す図である。要否成分分離装置1は、センサ部Xと、制御部101と、キーボード等により測定者による入力を受け付ける入力部102と、出力結果や算出結果等の表示を行う表示部103と、USBメモリやSDカードなどである記憶媒体Rへの情報の出力を行う為のI/Oポート104と、HDDやSSD、フラッシュメモリなどの記憶部105と、を備えている。
制御部101は、出力手段2と、分解手段3と、必要成分算出手段4と、合算手段5と、不要成分算出手段6と、を備えている。
出力手段2は、ウェハの厚みを二次元分布で表した初期画像データ値を出力する。
分解手段3は、初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解する。
必要成分算出手段4は、各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する。
合算手段5は、複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する。
不要成分算出手段6は、初期画像データ値から合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する。
本実施形態に係る要否成分分離方法を実施する際、まず、光の透過を用いて、ウェハAの厚みを測定する。
光の透過を用いた厚みの測定方法として、例えば、ピークバレー法が用いられる。ピークバレー法は、光の干渉効果を利用した測定方法である。
即ち、図2に示すように、測定者が、センサ部Xを用いて、測定台Wに載置された薄板円盤状のウェハAの表面上の点に、可視光や赤外光のレーザLを照射すると、ウェハAの表面上の点で反射した光と測定台Wの載置面で反射した光により、干渉光が生じる。
この干渉光の強度スペクトルにおける反射率の山(ピーク)となる波長、谷(バレー)となる波長及び既知のウェハAの屈折率に基づいて、表面上の点における厚みを表す厚み情報が取得される。
そして、測定者は、センサ部Xを移動させ、レーザLをウェハAの表面上で走査させることで、ウェハA全体の厚みを測定することができる。
ここで、センサ部Xにより測定されたウェハAの厚み情報は、制御部101に適宜送信される。
そして、制御部101は、受信した厚み情報を、上述した強度スペクトルや屈折率に基づき解析し、出力手段2により二次元分布で表した初期画像データ値Dを出力する、出力工程を行う。
図3は、初期画像データ値Dを、表示部103に表示した際の図である。
なお、(b)は、(a)におけるAA´線断面の厚さプロファイルである。
図3に示すように、初期画像データ値Dの出力結果は、ドープの存在や光の屈折率のムラ等に起因して、縞模様の不要成分が形成された状態で表示されている。
以下、ゼルニケ多項式を用いて、初期画像データ値Dに対して要否成分分離を行う方法について説明する。
ゼルニケ多項式は、光学分野で汎用される半径が1の単位円上の関数であり、極座標の引数(r,θ)を有する。
このゼルニケ多項式は、光学分野では主としてレンズの収差成分を解析するために使用されており、波面収差をゼルニケ多項式に分解することで、各々独立した波面、例えば山型、鞍型等の形状に基づく収差成分を知ることができる。
そしてゼルニケ多項式を用いれば,この収差成分を、白黒や光の三原色を使用した二次元分布によって、色の濃淡に基づいた画像によって表現することが可能であり、また逆に取得した画像データは、各収差成分に基づいたゼルニケ多項式に分解して表現することが可能である。
本実施形態においては、まず、分解手段3により、初期画像データ値Dを下記の表1に示すゼルニケ多項式に分解する、分解工程が行われる。
なお、本実施形態において用いるゼルニケ多項式の次数は7であり、項数(モードNo.の数)は36であるが、これに限られず、いくつであっても良い。ただし、要否成分分離の効率及び精度の観点から、次数は、4〜7の間であることが好ましい。
Figure 0006923931
初期画像データ値Dを、上述したゼルニケ多項式の各モードに分解することで、複数のモード画像データ値d0〜d35が算出される。
図4は、モード画像データ値d1〜d35を表示部103に表示した際の図である。
図4において、例えば、モード画像データ値d1は、初期画像データ値Dに、表1のモードNo.1の項r・cos(θ)を掛け合わせることにより算出され、これを表示部103に二次元分布で表示した際の図である。また、モード画像データ値d2は、初期画像データ値Dに、表1のモードNo.2の項r・sin(θ)を掛け合わせることにより算出され、これを表示部103に二次元分布で表示した際の図である。モード画像データ値d3〜d35についても同様である。
なお、モード画像データ値d0は、初期画像データ値Dと同様の表示となるため省略している。
次に、必要成分算出手段4により、モード画像データ値d1〜d35に乗じる乗算係数zの範囲を指定する、範囲指定工程が行われる。
即ち、測定者は、任意の乗算係数zの範囲を指定し、入力部102を介して制御部101に入力する。例えば、測定者は、乗算係数zの範囲を「0〜1000」と入力する。
次に、必要成分算出手段4により、必要成分画像データ値Zd1〜Zd35を算出する、必要成分算出工程が行われる。
ここで、必要成分算出工程は、繰り返し工程として、乗算工程と、減算工程と、係数決定工程と、を含む。
なお、以下、繰り返し工程について詳述するが、説明の便宜上、繰り返し工程は、モード画像データ値d1に対して行われるものとする。
また、初期画像データ値D及びモード画像データ値d1は、極座標の引数を有し、それぞれ、D(r,θ)及びd1(r,θ)と表すことができる。即ち、初期画像データ値Dやモード画像データ値d1は、ウェハAを二次元分布で表した際の表面上の複数の点における厚み情報を有している。
上述した繰り返し工程において、最初に、乗算工程が行われる。
即ち、必要成分算出手段4は、範囲指定工程により指定された範囲内の乗算係数zから適宜複数の乗算係数zを選択し、モード画像データ値d1に、選択された乗算係数zを掛け合わせる。
ここで、例えば、まず下二桁が0の乗算係数、即ち、100、200、300、400、500、600、700、800、900を選択するものとする。
乗算係数zとして100を用いた乗算工程を数式で表すと以下のようになる。
Figure 0006923931
次に、減算工程が行われる。
即ち、必要成分算出手段4は、乗算工程により算出された複数の乗算モード画像データ値100d1(r,θ)、200d1(r,θ)、…、900d1(r,θ)を、初期画像データ値Dから差し引くことで、複数の差分画像データ値100sd1(r,θ)、200d1(r,θ)、…、900d1(r,θ)を算出する
乗算モード画像データ値100d1(r,θ)を用いた減算工程を数式で表すと以下のようになる。
Figure 0006923931
次に、係数決定工程が行われる。
係数決定工程は、標準偏差値算出工程と、決定工程と、を含む。
標準偏差値算出工程は、複数の差分画像データ値100sd1(r,θ)、200d1(r,θ)、…、900d1(r,θ)に対応する、複数の標準偏差値100S、200S、…、900Sを算出する。
標準偏差値zSを算出する際には、以下の式を用いる。
Figure 0006923931
上述した標準偏差値zSを算出する式により、複数の差分画像データ値100sd1(r,θ)、200d1(r,θ)、…、900d1(r,θ)に対応する、複数の標準偏差値100S、200S、…、900Sが算出される。
決定工程は、まず、複数の標準偏差値100S、200S、…、900Sの内、最小の標準偏差値を特定する。本実施形態では、例えば、標準偏差値500Sが最小であったとする。
次に、最小の標準偏差値の算出に用いられた乗算係数を、モード画像データ値d1に対応するモード係数Z1と決定する。本実施形態では、標準偏差値500Sが最小であるので、乗算係数500がモード係数Z1となる。
このように、繰り返し工程を1サイクル終えた段階で、一旦、モード画像データ値d1に対応するモード係数Z1が決定される。
ここから、選択する乗算係数zの範囲を限定し、再度繰り返し工程を行う。
例えば、乗算係数500近傍で、二桁目の数値を変えた、450、460、…、540、550を乗算係数zとして、再度繰り返し工程を行う。
そして、例えば、標準偏差値450Sが、標準偏差値500Sよりも小さい場合、乗算係数450がモード係数Z1となる。
このように、選択する乗算係数zの範囲を限定しながら、繰り返し工程を複数サイクル行うことで、サイクル毎にモード係数Z1が置き換えられていき、効率的に、指定された範囲内の乗算係数zの内の、最小のモード係数Z1minが決定される。
必要成分算出工程では、繰り返し工程によりモード係数Z1minが決定された後、モード画像データ値d1にモード係数Z1minを掛け合わせることで、必要成分画像データ値Zd1が算出される。
ここで、必要成分画像データ値Zd1の算出を数式で表すと以下のようになる。
Figure 0006923931
上述した一連の必要成分算出工程は、他のモード画像データ値d2〜d35に対しても同様に行われる。
即ち、モード画像データ値d2〜d35に対応するモード係数Z2min〜Z35minが決定され、モード画像データ値d2〜d35に対応する必要成分画像データ値Zd2〜Zd35が算出される。
次に、合算手段5により、複数の必要成分画像データ値Zd2〜Zd35を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値ZDを算出する合算工程が行われる。
ここで、合算工程を数式で表すと以下のようになる。
Figure 0006923931
次に、不要成分算出手段6により、初期画像データ値Dから合算必要成分画像データ値ZDを差し引くことで、不要成分画像データ値UDを算出する不要成分算出工程が行われる。
ここで、不要成分算出工程を数式で表すと以下のようになる。
Figure 0006923931
図5は、初期画像データ値D、合算必要成分画像データ値ZD及び不要成分画像データ値UDを、表示部に表示した際の図である。
なお、図5における(a)及び(b)は、図2における(a)及び(b)と同様の図である。また、(d)は、(c)におけるBB´線断面の厚さプロファイルであり、(f)は、(e)におけるCC´線断面の厚さプロファイルである。
図5に示すように、合算必要成分画像データ値ZDは、初期画像データ値Dから、縞模様の成分である不要成分画像データ値UDが除去された状態で出力されていることが分かる。そして、合算必要成分画像データ値ZDにより、ウェハAの正確な厚み及び形状を測定することが可能となる。
図6は、ウェハを異なる方法で測定又は処理した際の測定結果又は処理結果の比較図である。
詳述すれば、三角形のプロットのデータは、ウェハを一対のワークで挟み込むことによる測定方法により、複数のウェハのSFQR値の標準偏差を測定した結果(以下、挟み込み測定結果C1)、円形のプロットのデータは、光の透過を用いた測定方法により、複数のウェハのSFQR値の標準偏差を測定した結果(以下、光透過測定結果C2)、菱形のプロットのデータは、光透過測定結果C2に対して本実施形態に示した処理工程を施すことで得られた合算必要成分画像データ値ZDの処理結果(以下、要否成分分離結果C3)である。
また、横軸は、測定に用いたウェハの枚数(25枚)であり、縦軸は、各ウェハのSFQR値の標準偏差である。
なお、SFQR(Site front surface referenced least squares range)とは、ウェハの表面上に任意の寸法のセルを決め、このセル表面について最小2乗法により求めた面を基準面としたときの、この基準面からの正および負の範囲である。
図6に示すように、光透過測定結果C2は、縞模様の成分の影響を受け、SFQR値の値にバラつきが生じているのに対し、要否成分分離結果C3は、光透過測定結果C2だけでなく、挟み込み測定結果C1よりもバラつきが少ない結果となっていることが分かる。
図7を用いて、初期画像データ値Dの要否成分を分離するまでの全体の流れについて説明する。
まず、出力工程により、初期画像データ値Dを出力する(ステップS1)。
次に、分解工程により、初期画像データ値Dをゼルニケ多項式に分解する(ステップS2)。
次に、範囲指定工程により、分解工程により算出された一のモード画像データ値diに掛け合わせる乗算係数zの範囲が指定される(ステップS3)。
次に、必要成分算出工程により、必要成分画像データ値Zdiが算出される(ステップS4)。
詳述すれば、まず、必要成分算出工程において、乗算工程により、乗算モード画像データ値zdiが算出される(ステップS4−1)。
なお、乗算工程は、範囲指定工程により指定した範囲内で複数の乗算係数zが選択されることにより、この複数の乗算係数zの数だけ複数回行われ、複数の乗算係数zに対応する複数の乗算モード画像データ値zdiが算出される。
次に、必要成分算出工程において、減算工程により、差分モード画像データ値zsdiが算出される(ステップS4−2)。
なお、減算工程は、複数の乗算モード画像データ値zdiの数だけ複数回行われ、複数の乗算モード画像データ値zdiに対応する複数の差分モード画像データ値zsdiが算出される。
次に、必要成分算出工程において、係数決定工程により、モード係数Z1が算出される(ステップS4−3)。
詳述すれば、まず、係数決定工程において、標準偏差値算出工程により、複数の差分モード画像データ値zsdiに対応する複数の標準偏差値zSが算出される(ステップS4−3−1)。
次に、係数決定工程において、決定工程により、複数の標準偏差値zSの内、最小の標準偏差値zSの算出に用いられた乗算係数zを、一のモード画像データ値diに対応するモード係数Ziと決定する(ステップS4−3−2)。
次に、必要成分算出工程において、選択される複数の乗算係数zの範囲を限定し、ステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3を再度行う(ステップS4−4でN)。
なお、ステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3の工程を繰り返し工程(ステップS−R)とする。
次に、必要成分算出工程において、ステップS−Rを複数回行うことで、モード係数Ziminが決定される(ステップS4−4でY)。
次に、必要成分算出工程において、一のモード画像データ値diにモード係数Ziminを掛け合わせることで、必要成分画像データ値が算出される(ステップS4−5)。
次に、必要成分算出工程において、他のモード画像データ値diについて、ステップS3及びステップS4−1からステップS4−5までを行う(ステップS4−6でN)。
分解工程により算出された全てのモード画像データ値diについて、ステップS3及びステップS4−1からステップS4−6までが行われたら(ステップS4−6でY)、次に、合算工程により、合算必要成分画像データ値ZDが算出される(ステップS5)。
最後に、不要成分算出工程により、不要成分画像データ値UDが算出される(ステップS6)。
以上の各ステップにより、初期画像データ値Dにおいて、要否成分分離が行われる。
このように、本実施形態によれば、短時間で効率的に、かつ必要な成分と不要な成分とが明確に分離された各画像データを取得することが可能となる。
なお、本実施形態では、初期画像データ値Dに含まれる不要な縞模様の成分を、不要成分画像データ値UDとして分離する場合を示したが、縞模様の成分以外の不要な成分が表れている初期画像データ値Dに対しても、本実施形態と同様の方法を用いることで、要否成分分離を行うことができる。
例えば、図8において、(a)に示すように、初期画像データ値Dにザラザラとした粗い成分が含まれている場合、本実施形態と同様の方法を用いることで、(b)に示す合算必要成分画像データ値ZDと、(c)に示す不要成分画像データ値UDと、に分離することができる。
また、図8において、(d)に示すように、初期画像データ値Dにソーマークや干渉縞、設定エラーによる模様といった粗い成分が含まれている場合、成分が含まれている場合、本実施形態と同様の方法を用いることで、(e)に示す合算必要成分画像データ値ZDと、(f)に示す不要成分画像データ値UDと、に分離することができる。
また、図9において、(a)に示すように、初期画像データ値Dに特定のパターン模様を表す成分が含まれている場合、本実施形態と同様の方法を用いることで、(b)に示す合算必要成分画像データ値ZDと、(c)に示す不要成分画像データ値UDと、に分離することができる。
また、図9において、(d)に示すように、初期画像データ値Dに測定台Wの揺動を表す成分が含まれている場合、本実施形態と同様の方法を用いることで、(e)に示す合算必要成分画像データ値ZDと、(f)に示す不要成分画像データ値UDと、に分離することができる。
また、図10において、(a)に示すように、初期画像データ値Dに表面の傷を表す成分が含まれている場合、本実施形態と同様の方法を用いることで、(b)に示す合算必要成分画像データ値ZDと、(c)に示す不要成分画像データ値UDと、に分離することができる。
1 要否成分分離装置
101 制御部
102 入力部
103 表示部
104 I/Oポート
105 記憶部
2 出力手段
3 分解手段
4 必要成分算出手段
5 合算手段
6 不要成分算出手段
R 記憶媒体
X センサ部
A ウェハ
L レーザ
W 測定台
D 初期画像データ値
d1〜d35 モード画像データ値
ZD 合算必要成分画像データ値
UD 不要成分画像データ値

Claims (8)

  1. ウェハの厚み及び形状情報を二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力工程と、
    前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解し、各モード画像データ値を個別に表示する分解工程と、
    前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出工程と、
    前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算工程と、
    前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出工程と、を備えることを特徴とする、厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  2. 前記必要成分算出工程は、前記モード画像データ値に乗算係数を掛け合わせることで、乗算モード画像データ値を算出する乗算工程と、
    前記初期画像データ値から、前記乗算モード画像データ値を差し引くことで、差分画像データ値を算出する減算工程と、
    前記差分画像データ値のバラつきが最小となる前記乗算係数を前記モード係数とする係数決定工程と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  3. 前記モード画像データ値に対応する複数の乗算モード画像データ値を算出するために、前記乗算係数を変化させ、前記乗算工程を複数回行い、
    前記モード画像データ値に対応する複数の差分画像データ値を算出するために、前記複数の乗算モード画像データ値ごとに、前記減算工程を複数回行い、
    前記係数決定工程は、前記複数の差分画像データ値に対応する複数の標準偏差値を算出する標準偏差値算出工程と、
    前記複数の標準偏差値の内、最小となる前記標準偏差値の算出に用いられる前記乗算係数を、前記モード画像データ値に対応する前記モード係数と決定する決定工程と、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  4. 前記必要成分算出工程は、複数回の前記乗算工程、複数回の前記減算工程、前記標準偏差値算出工程、前記決定工程の四工程を繰り返し単位とした、繰り返し工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  5. 前記乗算係数の範囲を指定する範囲指定工程を含むことを特徴とする、請求項2〜4の何れかに記載の厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  6. 前記ゼルニケ多項式の次数は、4〜7の間であることを特徴とする、請求項2〜5の何れかに記載の厚み及び形状測定における要否成分分離方法。
  7. コンピュータを、ウェハの厚み及び形状情報を二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力手段と、
    前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解し、各モード画像データ値を個別に表示する分解手段と、
    前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出手段と、
    前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算手段と、
    前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出手段と、として機能させることを特徴とする、厚み及び形状測定における要否成分分離プログラム。
  8. ウェハの厚み及び形状情報を二次元分布で表した初期画像データ値を出力する出力手段と、
    前記初期画像データ値をゼルニケ多項式により、複数のモード画像データ値に分解し、各モード画像データ値を個別に表示する分解手段と、
    前記各モード画像データ値に対応するモード係数を掛け合わせることで、複数の必要成分画像データ値を算出する必要成分算出手段と、
    前記複数の必要成分画像データ値を足し合わせることで、合算必要成分画像データ値を算出する合算手段と、
    前記初期画像データ値から前記合算必要成分画像データ値を差し引くことで、不要成分画像データ値を算出する不要成分算出手段と、を備えることを特徴とする、厚み及び形状測定における要否成分分離装置。
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