JP2002234887A - シトラールアセタール - Google Patents

シトラールアセタール

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JP2002234887A JP2001247094A JP2001247094A JP2002234887A JP 2002234887 A JP2002234887 A JP 2002234887A JP 2001247094 A JP2001247094 A JP 2001247094A JP 2001247094 A JP2001247094 A JP 2001247094A JP 2002234887 A JP2002234887 A JP 2002234887A
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勝俊 荒
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シトラール特有のレモン香を持続させること
のできる、シトラールアセタール及びそれを含有する香
料組成物、並びにロイシン脱水素酵素(LDH)阻害
剤、及びそれを含有するデオドラント剤、化粧料並びに
皮膚外用剤の提供。 【解決手段】 一般式(1)で表されるシトラールアセ
タール、このシトラールアセタールを含有する香料組成
物、このシトラールアセタールからなるLDH阻害剤、
このLDH阻害剤を含有するデオドラント剤、化粧料並
びに皮膚外用剤。 【化1】 (式中、波線はシス体、トランス体又はこれらの混合物
であることを示し、Rは炭素数1〜9の直鎖又は分岐鎖
のアルキル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シトラールを徐放
するシトラールアセタール、及びトイレタリー製品や化
粧品等への配合成分として有用な該シトラールアセター
ルを含有する香料組成物に関する。また、本発明は、こ
のシトラールアセタールからなる、体臭の成分の一つで
あるイソ吉草酸の代謝経路に関与するロイシン脱水素酵
素(以下LDHという)阻害剤、及びそれを含有するデ
オドラント剤、化粧料並びに皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】シトラールは、天然のレモン油、レモン
グラス油等に含まれる強いレモン様香気を持つ香料であ
るが、揮発性が高く、また、空気、日光、アルカリに対
して不安定でその香りを持続させることが困難であっ
た。このような問題を解決するため、シトラールジメチ
ルアセタール及びシトラールジエチルアセタールが使用
されているが、これら化合物はレモン香ではなくネロリ
様のシトラスグリーンの香気を有し、シトラールのレモ
ン様香気を持たない。また、特表平11−513742
号にはシトラールを分子量350以上のアセタール、例
えばジゲラニルシトラールアセタールに変換し加水分解
によりシトラールを徐放させる方法も開示されている
が、これらは高分子量の化合物で蒸留などの精製法を用
いることができず、また生成する香料がゲラニオールと
シトラールであるため、シトラール特有のレモン様香気
を再現することは困難であった。このような問題に対
し、USP5378468号には、香り強度の弱いプロ
ピレングリコールを用いたシトラールプロピレングリコ
ールアセタールの加水分解でシトラールを徐放させるこ
とが記述されているが、このアセタール自体、揮発性が
ありグリーンな香調を有しシトラール特有のレモン香を
阻害することが認められた。
【0003】一方、近年清潔志向から様々な体臭抑制技
術が開発されている。中でも体臭を抑えるために古くか
ら最もよく利用されてきた方法に抗菌剤や殺菌剤の使用
が挙げられる。この方法は皮膚に存在する菌を殺菌する
方法であり、最もてっとり早く、効果感も大きい。しか
し、皮膚常在菌には皮膚のバリア機能を担っているもの
もあり、すべてを殺菌する方法は長期的に見ると人体へ
好ましくないとの報告も見受けられ、抗菌剤、殺菌剤が
敬遠されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シト
ラール特有のレモン香を持続させることのできる、シト
ラールアセタール及びそれを含有する香料組成物を提供
することにある。また、皮膚常在菌を殺菌することな
く、人体に優しい酵素阻害により、ヒトの不快な体臭の
原因物質の一つとされるイソ吉草酸の生成を抑制し、不
快な体臭を抑制することのできる、LDH阻害剤、及び
それを含有するデオドラント剤、化粧料並びに皮膚外用
剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは、シトラールと特定のグリセリルエーテルと
のアセタールが、精製容易でかつ加水分解によりシトラ
ール特有のレモン香を徐放することができることを見出
し、また、更に、このシトラールアセタールがヒトの不
快な体臭の原因物質の一つとされるイソ吉草酸の生成経
路に関与するBacillus属細菌等の皮膚に棲息する細菌由
来のLDHの阻害活性を有することを見出し、本発明を
完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(1)で表さ
れるシトラールアセタール(以下シトラールアセタール
(1)という)、シトラールアセタール(1)を含有す
る香料組成物、シトラールアセタール(1)からなるL
DH阻害剤、及びこのLDH阻害剤を含有するデオドラ
ント剤、化粧料並びに皮膚外用剤を提供する。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、波線はシス体、トランス体又はこ
れらの混合物であることを示し、Rは炭素数1〜9の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す。)
【0009】
【発明の実施の形態】シトラールアセタール(1)は、
一般的な方法、例えば実験化学講座(第4版、20巻、
245ページ)記載の方法で、シトラールと一般式
(2) CH2(OH)CH(OH)CH2OR (2) (式中、Rは前記の意味を示す。)で表されるグリセリ
ルエーテル(以下グリセリルエーテル(2)という)と
を反応させることにより製造することができる。
【0010】グリセリルエーテル(2)としては、総炭
素数4〜12のもので、具体的にはメチルグリセリルエ
ーテル、エチルグリセリルエーテル、n−プロピルグリ
セリルエーテル、イソプロピルグリセリルエーテル、n
−ブチルグリセリルエーテル、n−ペンチルグリセリル
エーテル、イソペンチルグリセリルエーテル、n−ヘキ
シルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリ
ルエーテル、n−ヘプチルグリセリルエーテル、n−オ
クチルグリセリルエーテル、n−ノニルグリセリルエー
テル等があげられる。グリセリルエーテル(2)の使用
量はシトラールに対し0.5〜5.0モル倍が好まし
く、1.0〜2.0モル倍が更に好ましい。
【0011】シトラールとグリセリルエーテル(2)と
の反応には、触媒として、塩酸又はp−トルエンスルホ
ン酸、クエン酸、酒石酸の様な無機酸、有機酸、あるい
はアンバーリスト15の様な担持スルホン酸触媒を用い
ることができるが、クエン酸、酒石酸等の温和な酸が好
ましい。触媒の量は、シトラールに対して0.0001
〜0.5モル倍が好ましく、更に0.001〜0.1モ
ル倍、特に0.002〜0.05モル倍が好ましい。こ
の反応は平衡反応であるので平衡をアセタール側へ移動
させるには、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘ
キサン、石油エーテル等の溶媒と共沸により水を除去す
るか、硫酸マグネシウム等の脱水剤共存下に反応させれ
ばよい。脱水剤を用いる場合には生成水に対して1〜2
モル倍用いればよい。用いる溶媒の量はシトラールに対
し0.5〜20重量倍が好ましく、1〜10重量倍が更
に好ましい。
【0012】反応温度は30〜150℃が好ましく、5
0〜100℃が更に好ましい。反応時間は反応条件によ
り異なるが、通常6〜60時間で反応は終了する。反応
終了後、反応液から中和、濾過、蒸留、抽出等の方法に
より目的のシトラールアセタールを得る。必要に応じて
さらに、シリカゲルクロマトグラフィ、蒸留等の常法に
従って精製を行う。
【0013】シトラールアセタール(1)は、シトラー
ル特有のレモン香を長期間持続することができる。ま
た、シトラールアセタール(1)は、ヒトの不快な体臭
の原因物質の一つとされるイソ吉草酸の生成経路に関与
するBacillus属細菌等の皮膚に棲息する細菌由来のLD
Hの阻害活性を有し、LDH阻害剤として有用である。
【0014】シトラールアセタール(1)を含有する本
発明の香料組成物は、シトラールアセタール(1)の少
なくとも1種のみからなってもよいし、或いはシトラー
ルアセタール(1)の少なくとも1種に、従来公知の香
料成分(例えば、「合成香料、化学と商品知識」印藤元
一著、化学工業日報社発行、1996年3月6日初版1
刷発行に記載の香料成分)等を配合したものでもよい。
本発明の香料組成物中のシトラールアセタール(1)の
含有量は、組成物の種類、目的とする調合香料の種類に
より異なるが、組成物中0.01〜90重量%が好まし
く、特に0.1〜50重量%が好ましい。また、本発明
の香料組成物には必要に応じて他の添加剤、例えば、
2,6−ジ−tert-ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)、2(3)−tert-ブチル−4−ヒドロキシアニソ
ール(BHA)等のフェノール類、又はヒドロキノン、
tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)等のヒドロキノ
ン類、トコフェロール等から選ばれる抗酸化剤、脂肪
酸、クエン酸、酒石酸、ヘキサヒドロフタル酸等の有機
酸及び/又はその塩、リン酸やリン酸塩等の無機酸及び
/又は無機塩等から選ばれるpH調整剤等を本発明の効
果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0015】本発明のシトラールアセタール(1)は、
シトラール特有のレモン香を長期間持続できること、ま
た、LDH阻害活性を示し、ヒトの不快な体臭の原因物
質の一つとされるイソ吉草酸生成を阻害することから、
単独で又は他の成分と組み合わせて、石鹸、シャンプ
ー、リンス、洗剤、化粧品、デオドラント剤、消臭剤、
芳香剤、入浴剤、カラーリング剤、ヘアカラー、抗菌
剤、抗カビ剤、除湿剤、寝具、タオル、衣類、テッィシ
ュ、トイレ用ペット砂、チューインガム、パック用化粧
料、工作用粘土組成物、吸収性物品、マッサージ用化粧
料、塗料、農薬、医薬、インク等の成分として使用でき
る。
【0016】シトラールアセタール(1)からなる本発
明のLDH阻害剤を含有するデオドラント剤は、皮膚の
バリアー機能の維持に関与する皮膚常在菌を殺すことな
く、不快な体臭を持続的に抑制することができる。即
ち、ヒトの不快な体臭の原因物質の一つとされるイソ吉
草酸は、汗に含まれるロイシンからのBacillus属細菌等
の皮膚に棲息する細菌による代謝を介して生成される
が、シトラールアセタール(1)はこのロイシンからの
細菌によるイソ吉草酸の生成を阻害することができ、不
快な体臭を確実に抑制することができるのである。
【0017】本発明のデオドラント剤中のシトラールア
セタール(1)の含有量は、0.1〜20重量%が好ま
しく、0.5〜10重量%が更に好ましい。
【0018】また、本発明のLDH阻害剤は、化粧料、
外用医薬品(皮膚外用剤等)又は医薬部外品等の製剤に
用いることができ、例えばクリーム、乳液、ローショ
ン、パウダー、スプレー、スティック等の形状で用いる
ことができる。
【0019】化粧料、外用医薬品又は医薬部外品として
用いる場合、シトラールアセタール(1)の含有量は、
0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%
が更に好ましく、0.5〜5重量%が特に好ましい。
【0020】これらの化粧料、外用医薬品又は医薬部外
品には、通常用いられる各種成分、例えば、化粧料成分
として、一般に使用される油分、界面活性剤、アルコー
ル類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素
類、香料等の他、紫外線吸収剤、美白剤、しわ改善剤、
保湿剤、皮膚分泌抑制剤、柔軟剤、角質保護剤、薬効
剤、酸化防止剤、溶剤等の成分を任意に組み合わせて配
合して製剤化することができる。
【0021】本発明の化粧料や皮膚外用剤は、足、腋、
頭部、陰部等の不快臭の発生しやすい箇所に局所的に適
用することにより、不快臭の発生を制御することができ
る。本発明の化粧料や皮膚外用剤の使用量は、シトラー
ルアセタール(1)の含有量により異なるが、例えば、
液状製剤の場合、皮膚面1cm2当たり1〜20mg、固
形状製剤の場合、皮膚面1cm2当たり1〜50mgとす
るのが好ましい。
【0022】
【実施例】例中の部及び%は、特記しない限り重量部及
び重量%である。
【0023】実施例1(シトラール ペンチルグリセリ
ルエーテル アセタール) 500mLの4つ口フラスコにシトラール45.6g
(0.3モル)、ペンチルグリセリルエーテル(n−ペ
ンチルグリセリルエーテル/iso−ベンチルグリセリ
ルエーテル=65/35の混合物)53.5g(0.3
3モル)、トルエン300mL、クエン酸5.8gを加
え、110℃で水を共沸留去しながら加熱攪拌した。1
4時間後、水の留出が止まったので、飽和重曹水で中
和、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾別後、溶媒を留去
した。得られた油状物を減圧蒸留して残存シトラールを
留去し、15%酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒でシリカ
ゲルクロマトグラフィにて精製することにより、85.
6g(0.29モル)のシトラール ペンチルグリセリ
ルエーテル アセタール(以下本発明化合物1という)
を得た(収率96%)。
【0024】本発明化合物1の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)を図1に、赤外線吸収ス
ペクトルを図2に示す。
【0025】実施例2(シトラール n−オクチルグリ
セリルエーテル アセタール) ペンチルグリセリルエーテルのかわりにn−オクチルグ
リセリルエーテル67.3g(0.33モル)を用いた
他は実施例1と同様に反応させ、85.0g(0.25
モル)のシトラール n−オクチルグリセリルエーテル
アセタール(以下本発明化合物2という)を得た(収
率84%)。
【0026】本発明化合物2の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)を図3に、赤外線吸収ス
ペクトルを図4に示す。
【0027】実施例3(シトラール 2−エチルヘキシ
ルグリセリルエーテル アセタール) 4つ口フラスコにシトラール15.2g(0.1モ
ル)、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル20.4
g(0.1モル)、ヘキサン200mL、p−トルエン
スルホン酸2mgを加え、90℃で水を共沸留去しなが
ら加熱攪拌した。27時間後、水の留出が止まったの
で、飽和重曹水で中和、無水炭酸カリウムで乾燥、濾別
後、溶媒を留去した。得られた油状物を減圧蒸留して残
存シトラールを留去し、10%酢酸エチル/ヘキサン混
合溶媒でシリカゲルクロマトグラフィにて精製すること
により、24g(0.07モル)のシトラール 2−エ
チルヘキシルグリセリルエーテル アセタール(以下本
発明化合物3という)を得た(収率70%)。
【0028】本発明化合物3の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)を図5に、赤外線吸収ス
ペクトルを図6に示す。
【0029】試験例1(徐放性の測定) 実施例1〜3で得られた本発明化合物1〜3、及び比較
として、市販のシトラールジメチルアセタール(CITRAL
DMA,IFF社製)、シトラールジエチルアセタール(CITR
AL DEA,長谷川香料社製)、シトラールプロピレングリ
コールアセタール(CITRAL PGA,井上香料社製)、シト
ラールのそれぞれシトラール0.5gに相当する量を、
5cm×5cmろ紙(厚さ1.5mm)に含浸させて、
直射日光のあたらない室内に放置し、時間経過による1
0cm離した位置での匂いの強度を、下記の6段階尺度
で、1人の熟練したパネラーにより官能評価した。結果
を表1に示す。
【0030】<6段階尺度> 5:強い 4:やや強い 3:ふつう 2:やや弱い 1:弱い 0:匂わない
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明化合物は
いずれも1〜4週間にわたってシトラール特有のレモン
香を発香した。
【0033】試験例2(LDH阻害活性の測定) 実施例1〜3で得られた本発明化合物1〜3、及び比較
として、市販のシトラールプロピレングリコールアセタ
ール(CITRAL PGA,井上香料社製)、シトラールヘキシ
レングリコールアセタール(CITRAL HGA,井上香料社
製)の各基剤の0.1%濃度におけるLDH阻害活性を
下記の方法で測定した。結果を図7に示す。
【0034】<LDH阻害活性測定法>LDH阻害活性
は補酵素NADHの生成抑制率で測定した。測定溶液
は、0.25Mグリシンバッファー(pH10.5)溶
液1.5mL、60mM L−ロイシン溶液1.0m
L、100mM NAD+0.093mL、基剤0.0
3mL、水0.337mL、計3mLの溶液(30℃)
に対して、コントロールは0.25Mグリシンバッファ
ー(pH10.5)溶液1.5mL、60mM L−ロ
イシン溶液1.0mL、100mM NAD+0.09
3mL、水0.34mL、計3mLとし、LDH 10
μLを添加した。5分後、30℃、340nmでの吸光
度測定を行い、NAD+が還元されたNADHの生成量
を測定し、下記計算式によりLDH阻害率を求めた。
【0035】LDH阻害率(%)=(A/B)×100 A:(各基剤の5分後の吸光度)−(ブランクの5分後
の吸光度) B:(ブランクの0分後の吸光度)−(ブランクの5分
後の吸光度) 試験例3(官能評価) 実施例1〜3で得られた本発明化合物1〜3、及び比較
として、市販のシトラールプロピレングリコールアセタ
ール(CITRAL PGA,井上香料社製)、シトラールヘキシ
レングリコールアセタール(CITRAL HGA,井上香料社
製)の各0.1%エタノール溶液を調製し、素足に2g
塗布した。もう一方の素足(ブランク)にはエタノール
溶液2gを塗布し、それぞれ靴下を履き、8時間後の靴
下の臭い(イソ吉草酸)の強度を、下記の6段階尺度
で、1人の熟練したパネラーにより官能評価した。結果
を表2に示す。
【0036】<6段階尺度> 5:強い 4:やや強い 3:ふつう 2:やや弱い 1:弱い 0:臭わない
【0037】
【表2】
【0038】表2から明らかなように、LDH阻害活性
を示す本発明の化合物を素足に塗布することで、実際系
でもイソ吉草酸強度が抑えられていることがわかった。
【0039】 処方例1:グレープフルーツタイプの調合香料 リモネン 550部 グレープフルーツ油 100部 ゲラニルニトリル 30部 フロロパール 30部 (2,4,6-トリメチル-2-フェニル-1,3-ジオキサン) トリプラール 10部 (2,4-ジメチル-3-シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド) 酢酸o−t−ブチルシクロヘキシル 30部 ジヒドロジャスモン酸メチル 50部 計 800部 上記調合香料800部に本発明化合物2を200部加え
ることにより、シンプルなグレープフルーツタイプの調
合香料を得た。この香料を用いシート型芳香剤を調製し
たところ、レモン香の発香によって使用期間(3週間)
後半のシトラス感の低減を防ぐ事ができた。
【0040】 上記調合香料800部に本発明化合物3を200部加え
ることにより、フローラルミューゲタイプの調合香料を
得た。これを用い粉末衣料用洗剤を調製したところ、洗
濯終了後の脱水布を干し終えて収納し、再び1,2週間
後、収納容器から衣料を取り出すと、レモン香が発香
し、清潔感の高い残香を有する洗剤が得られた。
【0041】 処方例3:デオドラントスティック 本発明化合物3 3.0% アルミニウムヒドロキシクロライド 15.0% タルク 10.0% ミリスチン酸イソプロピル 10.0% ステアリルアルコール 12.0% 硬化ヒマシ油 4.0% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0% セスキステアリン酸ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0% 香料 0.1% メチルシクロポリシロキサン(D4) バランス 上記組成のデオドラントスティックを調製した。
【0042】 処方例4:ボディーローション 本発明化合物3 1.0% タルク 3.0% プロピレングリコール 1.0% 香料 0.1% エタノール バランス pH 7.2 上記組成のボディーローションを調製した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明化合物1の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)である。
【図2】 本発明化合物1の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図3】 本発明化合物2の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)である。
【図4】 本発明化合物2の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図5】 本発明化合物3の1H−NMRスペクトル
(400MHz、CDCl3)である。
【図6】 本発明化合物3の赤外線吸収スペクトルであ
る。
【図7】 試験例2で行った、LDH阻害活性の測定結
果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/00 A61P 17/00 43/00 111 43/00 111 C11B 9/00 C11B 9/00 X (72)発明者 秋葉 俊一 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 荒 勝俊 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 石田 浩彦 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4C083 AB332 AB432 AC072 AC102 AC122 AC352 AC432 AC841 AC842 AD172 AD202 BB41 CC01 CC17 DD11 DD21 DD23 EE18 4C086 AA01 AA02 AA03 BA12 MA01 MA04 MA16 MA34 MA63 NA14 ZA89 4H059 BA17 BB15 BB23 BB44 DA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるシトラールアセ
    タール。 【化1】 (式中、波線はシス体、トランス体又はこれらの混合物
    であることを示し、Rは炭素数1〜9の直鎖又は分岐鎖
    のアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    シトラールアセタールを含有する香料組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(1)で表される
    シトラールアセタールからなるロイシン脱水素酵素(L
    DH)阻害剤。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のLDH阻害剤を含有する
    デオドラント剤。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のLDH阻害剤を含有する
    化粧料。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のLDH阻害剤を含有する
    皮膚外用剤。
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