JP2002234721A - トリクロロシランの精製方法 - Google Patents

トリクロロシランの精製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相成長法による多結晶シリコンの製造に伴
って還元炉から排出される排ガスより得たトリクロロシ
ラン及び四塩化珪素を主成分とするクロルシラン液を蒸
留塔に通して、トリクロロシランを精製する際の品質低
下を回避する。 【解決手段】 蒸留塔10におけるトリクロロシランの
塔頂側への分離率を0.9以上、0.999未満の範囲
内に制御する。蒸留条件の変動に伴う突発的なトリクロ
ロシランへの低沸点リン化合物の混入が防止され、トリ
クロロシランの品質が高いレベルに安定化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコンの
製造に用いられるトリクロロシランの精製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの素材であるシリコン単
結晶の製造原料である高純度の多結晶シリコンは、シー
メンス法と呼ばれる気相成長法により製造されている。
この製造工程を図1により説明する。
【0003】まず、金属シリコン、四塩化珪素(ST
C:SiCl4 )及び水素ガスを原料として転化炉によ
りトリクロロシラン(TCS:SiHCl3 )が製造さ
れる。製造されたトリクロロシランは、バージン蒸留系
に送られ、ここで複数の蒸留塔に通されて高純度のトリ
クロロシランに精製される。この高純度のトリクロロシ
ランは、後述する未反応蒸留系で精製された高純度のト
リクロロシラン及び水素と共に、還元炉に供給される。
【0004】還元炉では、トリクロロシラン及び水素を
原料とする還元反応により、加熱されたシード表面に多
結晶シリコンが気相析出する。この反応に伴って、還元
炉からは、未反応のトリクロロシラン及び水素、並びに
反応生成物である四塩化珪素からなる排ガスが排出され
る。この排ガスは、水素回収工程に送られる。この工程
では、排ガスを−10℃以下に冷却して、排ガス中のト
リクロロシラン及び四塩化珪素を液化し、水素から分離
する。この工程で回収分離された水素は、還元炉に原料
ガスとして供給される。
【0005】一方、液化したトリクロロシラン及び四塩
化珪素を主成分とするクロルシラン液は、未反応蒸留系
に送られる。未反応蒸留系では、クロルシラン液を蒸留
塔に通し、トリクロロシランを四塩化珪素及び不純物か
ら分離する。塔頂部から取り出される高純度のトリクロ
ロシランは、還元炉に原料ガスとして供給される。塔底
部から取り出される不純物を含む四塩化珪素は、前出し
た転化工程に送られる。塔頂部と塔底部の間からサイド
カットにより高純度の四塩化珪素を製品として取り出す
場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、還元炉で製
造される多結晶シリコンとしては、FZ法で単結晶化し
て測定した比抵抗でN型1000Ωcm以上の高品質の
ものが必要とされており、最近では更に高い品質のもの
も望まれるようになってきた。このため、例えば未反応
蒸留系では、塔頂側へのトリクロロシランの分離率を
0.999以上の非常に高い値に管理し、還元炉で再使
用されるトリクロロシランの品質を高める努力が払われ
ている。
【0007】しかしながら、このような努力にもかかわ
らず、実際の還元炉操業では、製造される多結晶シリコ
ンの品質に変動が発生し、高品質を安定的に得ることが
困難であった。
【0008】本発明の目的は、高品質の多結晶シリコン
を安定的に製造できるトリクロロシランの精製方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】還元炉で製造される多結
晶シリコンの品質変動を解消するため、本発明者らは、
その変動の原因について調査した結果、多結晶シリコン
の品質変動の大きな原因が、未反応蒸留系でのトリクロ
ロシランの突発的な品質変動にあることを知見した。
【0010】即ち、未反応蒸留系では、図2に示すよう
に、トリクロロシラン及び四塩化珪素を主成分とするク
ロルシラン液が蒸留塔10に供給される。蒸留塔10に
供給されたクロルシラン液は、塔底部の蒸発缶11によ
り加熱される。沸点の低いトリクロロシランは、蒸気と
なって塔頂部から排出され、凝縮器12により液化され
て、高純度のトリクロロシラン液となる。このトリクロ
ロシラン液は塔頂液と呼ばれ、塔内の温度制御のために
一部が塔頂部に還流され、残りが精製製品として取り出
される。塔頂液の取り出し量Dに対する還流量Rの比
(R/D)は還流比と呼ばれ、トリクロロシランの精製
度に影響する。
【0011】一方、沸点の高い四塩化珪素は塔底部から
缶出液として抜き取られ、四塩化珪素より高沸点のPC
3 は、この缶出液中に濃縮され、トリクロロシランか
ら分離除去される。また、塔底部と塔頂部の間からサイ
ドカットにより高純度の四塩化珪素を製品として抜き取
る場合もある。ちなみに、大気圧下におけるトリクロロ
シランの沸点は約32℃、四塩化珪素の沸点は約58
℃、PCl3 の沸点は、四塩化珪素の沸点より更に高い
約76℃である。
【0012】ここで、トリクロロシランの品質は、多結
晶シリコンの品質と同様、蒸留塔で精製されたトリクロ
ロシランを、検定炉と呼ばれる小型の還元炉へ定期的に
送って実際に多結晶シリコンのサンプル品を製造し、更
にそのサンプル品からFZ法により製造したシリコン単
結晶の比抵抗を測定することで、間接的に評価される。
これは、要求される不純物濃度が低いために、通常の化
学分析法では不純物量を正確に測定することができない
からである。そして、このトリクロロシランの品質とし
ては、上記比抵抗でN型3000Ωcm以上が要求され
ている。
【0013】従来からも、未反応蒸留系の蒸留塔から還
元炉へ送られるトリクロロシランの品質の重要性につい
ては十分に認識されており、その品質を高めるために、
例えば塔頂側へのトリクロロシランの分離率が0.99
9以上の非常に高い値に管理されることは前述したとお
りである。この分離率を高めると、塔頂液中の四塩化珪
素濃度が低下すると共に、四塩化珪素より更に高沸点の
PCl3 の除去率が上がり、トリクロロシランの品質、
ひいては多結晶シリコンの品質が向上することになる。
【0014】ところが、意外なことに、塔頂側へのトリ
クロロシランの分離率の高さが、多結晶シリコンの品質
に悪影響を与えていることが、本発明者らによる調査か
ら判明した。即ち、多結晶シリコンの品質は、分離率が
0.999以上のときより、0.996程度まで低下さ
せたときの方が、むしろ向上するのである。その理由は
以下のように考えられる。
【0015】多結晶シリコンの品質を低下させるリン化
合物として、PCl3 (三塩化リン)の他に、微量のP
HCl2 (二塩化リン)の存在が考えられる。大気圧下
におけるPHCl2 の沸点は約44℃と、PCl3 の沸
点(約76℃)よりかなり低く、トリクロロシランの沸
点(約32℃)と四塩化珪素の沸点(約58℃)の中間
に位置し、むしろトリクロロシランの沸点(約32℃)
に近い。
【0016】塔頂側へのトリクロロシランの分離率を極
端に高めた場合、トリクロロシランは塔頂側へ集中し、
四塩化珪素は塔底側へ集中する傾向が強まるが、トリク
ロロシランに近い沸点のPHCl2 は塔内の塔頂側に偏
る傾向となり、蒸留条件の僅かな変動によって塔頂液に
混入し、トリクロロシランの品質、ひいては多結晶シリ
コンの品質を低下させる危険性が高くなる。そこで、こ
の状態から塔頂側へのトリクロロシランの分離率を若干
低下させる。そうすると、塔頂液中の四塩化珪素濃度が
上がり、トリクロロシランの純度は若干低下するが、同
時にPHCl2は塔内に拡散され、塔頂液中への混入量
が比較的少なくなる。一方、PCl3 は四塩化珪素より
高沸点のため、トリクロロシランの分離率を若干下げて
も、塔頂液中へ混入する事態は回避される。その結果、
多結晶シリコンの製造原料としてのトリクロロシランの
品質が向上し、且つ安定化する。
【0017】本発明のトリクロロシランの精製方法は、
かかる知見に基づいて開発されたものであり、気相成長
法による多結晶シリコンの製造に伴って還元炉から排出
される排ガスから得たトリクロロシラン及び四塩化珪素
を主成分とするクロルシラン液を蒸留塔に通して、トリ
クロロシランを塔頂側へ分離するトリクロロシランの精
製方法において、前記トリクロロシランの塔頂側への分
離率を0.9以上かつ0.999未満に維持することに
より、多結晶シリコンの製造原料としてのトリクロロシ
ラン品質を高レベルに安定化させるものである。
【0018】トリクロロシランの塔頂側への分離率が
0.999以上の場合は、PHCl2の混入と考えられ
るトリクロロシランの突発的な品質低下が生じやすくな
り、多結晶シリコン品質の変動が大きくなる。ただし、
塔頂液中の四塩化珪素濃度は低位に抑制され、トリクロ
ロシランは高純度である。一方、この分離率が0.9未
満の場合は、四塩化珪素濃度の上昇及びこれに伴うトリ
クロロシランの純度低下が問題になる。また、PCl3
の混入による品質低下の危険性が高まり、多結晶シリコ
ン品質の変動が大きくなる。特に好ましい分離率は0.
99以上0.999未満である。
【0019】塔頂液中の四塩化珪素濃度としては0.4
〜1.0モル%が好ましい。四塩化珪素濃度が0.4モ
ル%未満の場合は、前述のように、塔頂液中へのPHC
2の混入が多くなり、塔頂液の品質が低下する。1.
0モル%を超える場合は、還元炉に投入されるトリクロ
ロシラン中の四塩化珪素濃度が上昇するため、還元炉に
おける反応効率が低下する。
【0020】なお、塔頂液中の四塩化珪素濃度の上昇
は、トリクロロシランの収率を低下させるが、不純物を
伴うものでなければ、多結晶シリコンの品質低下にはつ
ながらない。なぜなら、四塩化珪素は、還元炉での反応
に伴って生成される物質であり、汚染物質ではないから
である。
【0021】トリクロロシランの分離率を低下させる方
法としては、単純には、濃縮部の段数が少ない低能力の
蒸留塔を使用することが考えられるが、この場合は、
0.9以上、好ましくは0.99以上の分離率が得られ
ないおそれがあり、仮にこの分離率が得られても、本来
の目的であるトリクロロシランへのPCl3 の混入防止
能力に劣り、所望の多結晶シリコン品質が得られないお
それがある。従って、この方法は好ましくない。好まし
い方法は、0.999以上の分離率を得ることができる
高性能の蒸留塔において、還流比の低下や蒸留塔へのク
ロルシラン液の供給量の増大等により、意図的に分離率
を0.999未満に制御する方法であり、この点におい
て、本発明の精製方法は、旧式塔を使う方法とは根本的
に相違する。トリクロロシランの分離率を下げる他の方
法としては、還流量の調整により塔頂部と塔底部の温度
差を縮める方法等がある。
【0022】なお、本発明ではトリクロロシランがジク
ロロシラン(SiH2 Cl2 )を含むことを排除しな
い。なぜなら、ジクロロシランもトリクロロシランと同
様に還元反応の原料として用いられるので、その混在は
操業上特に問題とならないからである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図2に
基づいて説明する。
【0024】本実施形態のトリクロロシランの精製方法
は、還元炉を使用した気相成長法による多結晶シリコン
の製造、特にその未反応蒸留系に適用される。未反応蒸
留系へは、前述したとおり、還元炉の排ガスから分離さ
れたトリクロロシラン及び四塩化珪素を主成分とするク
ロルシラン液が送給される。
【0025】未反応蒸留系においては、クロルシラン液
がタンクを経て蒸留塔10へ供給される。蒸留塔10
は、クロルシラン液を塔底部の蒸発缶11により加熱
し、トリクロロシランと四塩化珪素に分離する。沸点の
低いトリクロロシランは、蒸気となって塔頂部から排出
され、凝縮器12により液化されて、高純度のトリクロ
ロシラン液となる。この塔頂液は、塔内の温度制御のた
めに一部が塔頂部に還流され、残りが製品として取り出
される。
【0026】一方、沸点の高い四塩化珪素はPCl3
どの不純物と共に塔底部から缶出液として抜き取られ
る。また、塔底部と塔頂部の間からサイドカットにより
高純度の四塩化珪素製品として抜き取られる。
【0027】ここで、蒸留塔10は、塔頂側へのトリク
ロロシランの分離率として0.999以上を確保できる
性能を保有しており、従来は0.999以上の定格条件
で運転されていた。これに対し、本実施形態では、分離
率を0.9以上0.999未満、好ましくは0.99以
上0.999未満の範囲内に下げる。
【0028】具体的には、蒸留塔10内に供給されたク
ロルシラン液に対する加熱量を定格値より低下させるこ
とにより、塔頂液の還流比、即ち塔頂液の取り出し量D
に対する還流量Rの比(R/D)を低下させる。加熱量
を低下させると、塔内における蒸発量が減少する。ここ
で、蒸留塔自体の物質収支は変化がない。このため、蒸
発量の減少分に相当する量の還流量が減少し、還流比
(R/D)が低下する。還流比(R/D)が低下する
と、塔内において主成分であるトリクロロシランと四塩
化珪素の分離効率が低下し、トリクロロシランの分離率
が低下する。
【0029】トリクロロシランの分離率の低下により、
多結晶シリコンの製造原料としてのトリクロロシランの
突発的な品質低下が防止され、その品質が高いレベルに
安定化されることは、前述したとおりである。
【0030】なお、塔頂へのトリクロロシランの分離率
とは、蒸留塔に供給されたクロルシランに含まれるトリ
クロロシランが塔頂から抜き取られる比率である。塔頂
へのトリクロロシランの分離率を測定する方法について
は、蒸留塔10内に供給されるクロルシラン液と塔頂か
ら抜き出される液の各々の組成と流量を測定すれば分離
率は算出できる。液の組成を測定する方法としては、ガ
スクロマトグラフィ装置による連続的又は断続的な測定
を行えばよい。また、サイドカット液や塔底から抜き出
される液の組成と流量も同時に測定すれば、塔頂へのト
リクロロシランの分離率を更に高精度に算出することが
できる。
【0031】表1は本発明の実施例及び従来例を示して
いる。
【0032】
【表1】
【0033】従来例では、塔頂液の還流比(R/D)は
定格の7.6で、トリクロロシランの分離率は0.99
9以上の0.9995である。塔頂液中の四塩化珪素濃
度は0.36モル%である。この塔頂液を、バージン蒸
留系から供給されるトリクロロシランと混合し、還元炉
へ供給して製造される多結晶シリコンの平均品質は、F
Z法による単結晶化後の比抵抗でN型2000Ωcm、
その標準偏差は800Ωcmであった。
【0034】本発明例1では、還流比(R/D)を7.
0に低下させることにより、トリクロロシランの分離率
を0.999未満の0.997に下げた。塔頂液中の四
塩化珪素濃度は0.55モル%と若干増大したが、還元
炉で製造される多結晶シリコンの平均品質は、前記比抵
抗でN型2500Ωcm、標準偏差は200Ωcmと、
大幅に改善された。
【0035】本発明例2では、還流比(R/D)を更に
小さい6.8に低下させることにより、トリクロロシラ
ンの分離率を0.992にまで下げた。塔頂液中の四塩
化珪素濃度は0.62モル%になった。一方、還元炉で
製造される多結晶シリコンの平均品質は、前記比抵抗で
N型2400Ωcm、標準偏差は200Ωcmと良好で
あった。
【0036】本発明例3では、還流比(R/D)を更に
小さい6.6に低下させることにより、トリクロロシラ
ンの分離率を0.95に下げた。塔頂液中の四塩化珪素
濃度は0.82モル%になった。一方、還元炉で製造さ
れる多結晶シリコンの平均品質は、前記比抵抗でN型2
200Ωcm、標準偏差は220Ωcmと良好であっ
た。
【0037】これに対し、比較例では、還流比(R/
D)を6.1に低下させることにより、トリクロロシラ
ンの分離率を0.9未満の0.88にまで下げた。塔頂
液中の四塩化珪素濃度は1.8モル%と大幅に増大し
た。加えて、還元炉で製造される多結晶シリコンの平均
品質は、前記比抵抗でN型1700Ωcm、標準偏差は
500Ωcmと逆に悪化した。
【0038】なお、上記実施形態では、トリクロロシラ
ンの分離率を下げるために還流比(R/D)を低下させ
たが、これに代えて或いはこれと共に、蒸留塔へのクロ
ルシラン液の供給量を増加させることも可能である。ク
ロルシラン液の供給量を増加させると、物質収支的に塔
頂液の抜き出し量が増加する。加熱量は一定のため、蒸
発量も一定である。そのため、塔頂液の抜き出し量の増
加分に相当する量の還流量が減少し、還流比が低下する
ことにより、トリクロロシランの分離率が下がる。
【0039】両者を比較した場合の得失としては、蒸留
塔へのクロルシラン液の供給量を増加させる方が、還元
炉で使用する塔頂抜き出しのトリクロロシラン量が増加
するメリットがある。
【0040】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明のトリク
ロロシランの精製方法は、蒸留塔を用いてトリクロロシ
ランを精製する際の塔頂側へのトリクロロシランの分離
率を0.9以上かつ0.999未満に制御することによ
り、蒸留条件の変動による突発的な品質低下を防止で
き、これにより高品質の多結晶シリコンを安定的に製造
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】気相成長法による多結晶シリコンの製造フロー
図である。
【図2】未反応蒸留系に使用される蒸留塔の構成図であ
る。
【符号の説明】
10 還元炉 11 蒸発缶 12 凝縮器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相成長法による多結晶シリコンの製造
    に伴って還元炉から排出される排ガスから得たトリクロ
    ロシラン及び四塩化珪素を主成分とするクロルシラン液
    を蒸留塔に通して、トリクロロシランを塔頂側へ分離す
    るトリクロロシランの精製方法において、前記トリクロ
    ロシランの塔頂側への分離率を0.9以上かつ0.99
    9未満に制御することを特徴とするトリクロロシランの
    精製方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸留塔における塔頂液の還流比を、
    前記分離率が0.9以上かつ0.999未満となるよう
    に制御することを特徴とする請求項1に記載のトリクロ
    ロシランの精製方法。
  3. 【請求項3】 前記分離率は0.99以上0.999未
    満であることを特徴とする請求項1に記載のトリクロロ
    シランの精製方法。
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