JP2002233814A - 多色塗膜の形成方法および蓄光性塗装物 - Google Patents

多色塗膜の形成方法および蓄光性塗装物

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JP2002233814A
JP2002233814A JP2001030447A JP2001030447A JP2002233814A JP 2002233814 A JP2002233814 A JP 2002233814A JP 2001030447 A JP2001030447 A JP 2001030447A JP 2001030447 A JP2001030447 A JP 2001030447A JP 2002233814 A JP2002233814 A JP 2002233814A
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luminous
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coat layer
pigment
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JP2001030447A
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Masahiko Togo
正彦 東郷
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】夜間または暗い状況では長い時間、光が当らな
くても蓄光コート層として形成された塗膜によるツート
ンや図柄等の多色を視認できる多色塗膜形成方法および
この方法により得られる蓄光性塗装物を提供すること。 【解決手段】被塗基材にビヒクルおよび蓄光顔料を含有
する蓄光コートを形成する方法であって、蓄光コート層
を部分的に異色の蓄光コート層として形成する多色塗膜
の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色塗膜の形成方
法およびこの方法により得られた蓄光性塗装物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】被塗基材の夜間における視認性を向上す
るために、蛍光塗膜や蓄光塗料膜を形成することが知ら
れている。
【0003】例えば、特開平11−78402号公報に
は蓄光性顔料を含んだ塗膜が、部分的に形成された自動
車のホイール用外装部品が記載されている。しかしなが
ら上記公報では、図柄の発現を、発光塗料を形成する部
位と発光塗料を形成しない部位とで行っている。このた
め夜間には、上記の発光塗料を形成する部位に沿った模
様が視認される。しかし発光塗料を形成しない部位で
は、色彩を明確に視認することができないという問題点
を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、夜間
または暗い状況では長い時間、光が当らなくても蓄光コ
ート層として形成された塗膜によるツートンや図柄等の
多色を視認できる多色塗膜形成方法およびこの方法によ
り得られる蓄光性塗装物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.被塗基材にビヒクルおよび蓄光顔料を含有する蓄光
コートを形成する方法にであって、蓄光コート層を部分
的に異色の蓄光コート層として形成する多色塗膜の形成
方法。 2.上記蓄光コート層に、光輝性顔料および/または着
色顔料を含有している上記の多色塗膜の形成方法。 3.上記蓄光コート層の上層に、トップクリヤーコート
層を形成する上記の多色塗膜の形成方法。 4.上記トップクリヤーコート層に光輝性顔料および/
または着色顔料を含有している上記の多色塗膜の形成方
法。 5.上記蓄光コート層の下層に、淡彩色系ベースコート
層を形成する上記の多色塗膜の形成方法。 6.上記蓄光コート層が、ツートン塗膜または図柄塗膜
である上記の多色塗膜の形成方法。 7.被塗基材が、自動車車体である上記の多色塗膜の形
成方法。 8.上記の多色塗膜の形成方法により得られる蓄光性塗
装物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】多色塗膜の形成方法 本発明の多色塗膜の形成方法は、被塗基材にビヒクルお
よび蓄光顔料を含有する蓄光コート層を形成する方法に
であって、蓄光コート層を部分的に異色の蓄光コート層
として形成するものである。好ましくは、さらにその上
にトップクリヤーコート層を形成するものである。また
より好ましくは、蓄光コート層を形成する前に、淡彩色
系ベースコート層を形成しておく。
【0008】被塗基材 上記被塗基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこ
れらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリー
ト等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類
や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料
(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの
加工品が挙げられる。被塗基材としては、不透明な被塗
基材、透明な被塗基材どちらをも用いることができる。
上記被塗基材に直接または下地塗膜を介して、好ましく
は淡彩色系ベースコート層を形成し、ビヒクルおよび蓄
光顔料を含有する蓄光コート層、好ましくはトップクリ
ヤーコート層を形成する。ベースコート層を淡彩色とす
ることで、蓄光による発色を効果的に発現させることが
できるので、好ましい。
【0009】塗装された蓄光性塗装物が自動車車体およ
び部品の場合は、予め上記被塗基材に脱脂、化成処理、
電着塗装または各種プライマー塗装等による下塗り塗装
による下地処理、下地塗装を施しておくのが好ましい。
上記被塗基材としては、多色塗膜を形成し、多色性を効
果的に発揮し、多色塗膜による意匠性や夜間の視認に対
する安全性の観点から、自動車車体が好適である。
【0010】蓄光コート層の形成 本発明の多色塗膜の形成方法でいう、多色性とは蓄光塗
膜の一部が異色発光する蓄光塗膜により形成され、夜間
または暗いところで蓄光された発色が多色として視認さ
れる効果を奏することをいい、具体的には蓄光塗膜によ
るツートン塗膜や、蓄光塗膜の一部に蓄光塗膜で図柄や
模様(以下、総称して「デザイン」ともいう。)が形成
されることをいう。従って、蓄光により発色したものの
色相が2色以上のデザインを形成することをいうが、上
記多色塗膜は、蓄光塗膜の一部が異色であればよい。具
体的には、ツートン塗膜または図柄塗膜によるデザイン
を有する塗膜である。
【0011】本発明の多色塗膜の形成方法に用いる蓄光
コート層は、被塗基材に好ましくは淡彩色系ベースコー
ト層を形成し、部分的に異色の蓄光コート層を形成する
蓄光性顔料およびビヒクルを含有する蓄光性塗料により
形成される塗膜層である。また上記蓄光コート層には、
蓄光機能を妨げない範囲で光輝性顔料および/または着
色顔料を含有することができる。さらに上記蓄光コート
層の上層に、トップクリヤーコート層を形成し、このト
ップクリヤーコート層にも透明性を妨げない範囲で光輝
性顔料および/または着色顔料を含有することができ
る。
【0012】上記蓄光コート層やトップクリヤーコート
層にデザイン、蓄光機能または透明性を妨げない範囲で
光輝性顔料および/または着色顔料を含有させることに
より、昼間等に発光の視認ができない塗膜に色相を付与
し、部分的に光輝性顔料および/または着色顔料で多色
塗膜を形成することができる。蓄光顔料は、蓄光による
発色が異なっても、明るいところでは白色系で多色とは
ならないためデザインが確認できず、上記のように光輝
性顔料および/または着色顔料を用いることで、昼間
は、光輝性顔料および/または着色顔料で多色塗膜を形
成し、夜間は、異色の蓄光コート層によりデザインが確
認できる。
【0013】本発明の多色塗膜の形成方法における蓄光
コート層に含有される蓄光性顔料は、人間の視感度のス
ペクトルに近似した発光スペクトル(発光ピーク波長5
20nm)を示し、また短波長領域の紫外線に対しても
励起効率の高いブロードな励起スペクトル(発光ピーク
波長約365nm)を示すとともに、残光輝度は、従来
広く使用されているZnS:Cu(約0.4cd/
2)に比べて約5〜10倍以上(約2cd/m2)と極
めて高く、またその残光時間の減衰も緩やかなものを用
いることができる。上記蓄光性顔料は、従来のZnS:
Cuの約200分に比べて約5〜10倍以上の約30時
間以上という性能である。ここで、残光時間とは、常用
光源D65を用い、1000ルックスの照度で5分間照
射した後、残光輝度が0.3mcd/m2まで減衰する
時間をいい、残光輝度とは、常用光源D65を用い、1
000ルックスの照度で5分間照射した後、1分経過後
の残光輝度をいう。
【0014】上記蓄光性顔料は、塗膜中で光により励気
されていない場合には白色を呈し、光により励気される
とグリーンやイエロー等に発色する粒子状のものであ
り、平均粒子径は、2〜60μmである。蓄光性顔料の
平均粒子径が2μm未満の場合には、自然発光性、放光
反射性が低下する恐れがあり、一方平均粒子径が60μ
mを超えると塗膜性能に影響を与える恐れがある。
【0015】上記蓄光性顔料として、例えば「N夜光ル
ミノーバ」(根本特殊化学社製)等を用いることができ
る。
【0016】上記蓄光性顔料の上記蓄光性塗料中の含有
量(PWC)は、1%〜60%が好ましく、5%〜40
%がより好ましい。1%を下回ると蓄光性が十分に得ら
れない恐れがあり、60%を超えると塗膜性能が低下す
る恐れがある。
【0017】上記蓄光性塗料に含まれるビヒクルは、上
記蓄光性顔料を溶解または分散するものであって、塗膜
形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。上
記ビヒクルを構成する上記塗膜形成用樹脂としては、例
えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、
(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキ
シ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル
樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組
み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂
およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
【0018】また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を
有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を
有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイ
プの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン
酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬
化反応を進行させることができる。また、硬化性を有し
ないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、硬化性を有す
るタイプと併用することも可能である。
【0019】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50重量%、架橋剤が10〜50重
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60重
量%であり、架橋剤が15〜40重量%である。架橋剤
が10重量%未満では(塗膜形成用樹脂が90重量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50重量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50重量%
未満では)、蓄光性塗料の貯蔵安定性が低下するととも
に硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0020】上記蓄光性塗料は、蓄光性を妨げない範囲
の量で、以下の光輝性顔料および/または着色顔料を含
有することができる。上記光輝性顔料としてアルミニウ
ムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔
料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、グラファイト
顔料、干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、金属チタンフ
レーク顔料、ステンレスフレーク顔料、板状酸化鉄顔
料、フタロシアニンフレーク顔料、金属めっきガラスフ
レーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料または
ホログラム顔料等が挙げられる。上記着色顔料として有
機着色顔料では、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノ
フタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系
顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げ
られ、また、無機着色顔料では、例えば、黄色酸化鉄、
ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げら
れる。
【0021】また上記蓄光性塗料は、上記成分の他に、
脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや
酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体である
ポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機
高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、
滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加し
て含有することができる。これらの添加剤は、通常、上
記ビヒクル100重量部(固形分基準)に対して例え
ば、それぞれ15重量部以下の割合で配合することによ
り、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0022】上記蓄光性塗料は、上記構成成分を、通
常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤
としては、ビヒクルを溶解または分散するものであれば
よく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶
剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙
げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭
化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソ
ルブ等のエステル類、アルコール類等である。環境面の
観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水
を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機
溶剤を含有させてもよい。また上記蓄光性塗料は、溶剤
型であっても、粉体型であってもよい。
【0023】上記蓄光性塗料が、溶剤型塗料である場合
は、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂
塗料等のような二液型塗料を用いてもよい。上記各成分
の分散には、通常、塗料製造に用いられているペイント
シェーカー、ボールミル、サンドグラインドミル、ニー
ダ等の装置を用いることができる。
【0024】トップクリヤーコート層の形成 上記多色塗膜の形成方法においては、上記蓄光コート層
を形成した後、その上にトップクリヤーコート層を形成
することが好ましい。この場合のトップクリヤーコート
層とは、下層の蓄光コート層を隠蔽しない層である。上
記蓄光コート層の上にトップクリヤーコート層を形成す
ることにより、光沢向上および蓄光顔料の突出を防止す
ることができる。このトップクリヤーコート層として
は、無色透明なクリヤー塗膜を用いることができ、さら
には半透明感を付与した、いわゆる濁りクリヤー塗膜や
カラークリヤー塗膜を用いてもよい。トップクリヤー塗
料としては、上塗り用として一般に使用されているもの
を用いることができ、上記蓄光性塗料のビヒクルを用い
ることができる。トップクリヤーコート層として用いる
場合には、特公平8−19315号公報に記載されたカ
ルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーと
を含有するクリヤー塗料が、耐酸性雨対策という観点か
ら好ましく用いられる。
【0025】また、これらのトップクリヤー塗料には、
必要に応じて、その透明性を損なわない範囲で、上記の
着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリン
グ剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能
である。また、トップクリヤーコート層は、溶剤型塗料
または粉体型塗料から形成してもよい。溶剤型塗料とし
ては、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹
脂塗料等のような二液型塗料を用いてもよい。ビヒク
ル、その他の成分は、上記した蓄光性塗料で用いるもの
と同じである。
【0026】淡彩系ベースコート層の形成 上記多色塗膜の形成方法に好ましく用いる淡彩系ベース
コート層は、上記蓄光コート層の下層の塗膜として形成
しておく。淡彩系ベースコート層を形成することによ
り、蓄光コート層の蓄光の発色を鮮明にすることができ
る。淡彩系ベースコート層は、着色顔料を含有している
ものであり、淡彩ベースコート層の明度が、マンセル表
示系の明度N6以上となるようにすることが好ましい。
上記淡彩系ベースコート層は、溶剤型塗料または粉体型
塗料により形成することができる。溶剤型塗料として
は、一液型塗料を用いてもよいし、二液型ウレタン樹脂
塗料等のような二液型塗料を用いてもよい。ビヒクル、
その他の成分は、上記した蓄光性塗料で用いるものと同
じである。
【0027】塗膜形成手順 本発明の多色塗膜の形成方法においては、以下の手順で
複層塗膜を形成する。上記被塗基材に淡彩系ベースコー
ト層を好ましくは形成する。淡彩系ベースコート層を形
成する場合、その膜厚は、20〜50μmが好ましく、
この範囲を外れると塗膜外観が不充分となる恐れがあ
る。より好ましくは25〜35μmである。
【0028】この場合、上記淡彩系ベースコート層の上
にウェットオンウェット(W/W)法、またはウェット
オンドライ(W/D)法により、部分的に異色の上記蓄
光コート層を形成し、デザインを発現することができ
る。なお上記W/W法とは下地塗装をした後、風乾等に
より乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下地塗膜に
塗装する方法であり、これに対して、上記W/D法とは
下地塗膜を焼き付けて硬化させた下地塗膜に塗装する方
法である。
【0029】蓄光コート層による、デザインの発現は、
第1色目を全面に形成し、その上に所望のデザインを形
成し、第1色目をデザインより広めに形成し、塗り際線
をマスキング材でマスキングし、第2色目以降の塗膜を
形成することができる。
【0030】上記蓄光コート層の膜厚は、5〜60μm
が好ましく、5μm未満では、蓄光性が不充分の恐れが
あり、60μmを超えると塗膜性能不良を生じる恐れが
ある。より好ましくは20〜40μmである。
【0031】上記蓄光コート層を形成後、先のW/W法
またはW/D法により蓄光コート層上に、トップクリヤ
ーコート層として少なくとも1層形成することができ
る。トップクリヤーコート層を2層以上形成する場合、
最表層は、上記カルボシキル基含有ポリマーとエポキシ
基含有ポリマーとを含有するクリヤー塗料により、トッ
プクリヤーコート層を形成することが、上記と同じ理由
で好ましい。
【0032】なおデザインの点から、塗り際をマスキン
グ材で見切る場合には、マスキング材を貼付するために
は、塗り重ね塗膜をW/D法で行う。
【0033】上記トップクリヤーコート層の形成は、上
記蓄光コート層を硬化させてから行うことができるが、
未硬化状態または半硬化状態の上記蓄光コート層に対し
て行う、W/W法を用いることもできる。また、トップ
クリヤーコート層を複数回形成する場合には、最終のト
ップクリヤーコート層を形成した後に、同時に焼き付け
ればよく、初期にトップクリヤーコート層を形成した段
階では完全に硬化させなくてもよい。トップクリヤーコ
ート層の膜厚は、20〜50μmが好ましく、この範囲
を外れると塗膜性能が不充分となる恐れがある。より好
ましくは25〜35μmである。
【0034】各塗膜層を形成する方法は特に限定されな
いが、スプレー法、ロールコーター法等が、粉体塗料の
塗装は静電塗装が好ましく、また、複数回塗装すること
も可能である。乾燥条件は、80〜160℃で所定時間
焼き付けられ、塗膜を得ることができる。
【0035】蓄光性塗装物 本発明の塗膜形成方法によって得られる蓄光性塗装物
は、被塗基材に、多色の蓄光コート層、次いでトップク
リヤーコート層が、被塗基材の上に形成されている。好
ましくは蓄光コート層を形成する前に、淡彩系ベースコ
ート層を形成しておくものである。
【0036】本発明の蓄光性塗装物は、上記多色塗膜の
形成方法により、多色塗膜が形成されたもので、自動車
車体、自動車バンパー等の自動車部品、二輪車等の乗物
外板・部品、容器外面、コイルコーティングされた建材
等、家電、通信関連の電気機器等または出入り口用パネ
ル、スイッチ、誘導表示板、ガードレール、非常用器
具、避難用器具等に塗装される。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり重量部を表す。
【0038】実施例1〜10、比較例1 蓄光性塗料の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、
水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、メラ
ミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社
製、固形分60重量%)とを80:20の固形分重量比
で配合して得たビヒクルに対し、以下の蓄光性顔料を、
表1に示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエ
ン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70
/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度
になるように攪拌混合し、蓄光性塗料を調製した。
【0039】<蓄光性顔料> 1:光励気後の発色が黄緑色系の蓄光顔料(「ルミノー
バG−300」、根本特殊化学社製) 2:光励気後の発色が青緑系の蓄光顔料(「ルミノーバ
BG−300」、根本特殊化学社製) 3:光励気後の発色がバイオレット色系の蓄光顔料
(「ルミノーバV−300」、根本特殊化学社製)
【0040】被塗基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅300mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付けた
後、中塗塗料(「オルガS−90シーラーグレー(N−
8)」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が30μmとな
るようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼
き付けて淡彩系ベースコートを形成し、これを被塗基材
とした。ただし実施例1については、上記中塗塗料
(「オルガS−90シーラーグレー(N−8)」、日本
ペイント社製)を省略した。
【0041】多色塗膜の形成方法 上記被塗基材に、先に得た蓄光性塗料を表1の組み合せ
で、第1色目用として乾燥膜厚が25μmになるように
約半面を塗装し、第1色目の蓄光コート層を形成し、1
40℃の温度で30分間焼き付けた。その後、第1色目
の塗膜をカバーし、第2色目用として乾燥膜厚が25μ
mになるように残りの約半面を塗装し、第2色目の蓄光
コート層を形成し、140℃の温度で30分間焼き付
け、マスキング材を剥がした。塗装は静電塗装機(「A
uto REA」、ABBインダストリー社製)を用
い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。次いで実施例
9および10についてはトップクリヤー塗料を全面に乾
燥膜厚が35μmになるように塗装し、室温で10分間
セッティングし、140℃の温度で30分間焼き付け
た。なお、使用したクリヤー塗料は、アクリル/メラミ
ン樹脂系クリヤー塗料1(商品名:「スーパーラックO
−130クリヤー」、日本ペイント社製)または、カル
ボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを
含有するクリヤー塗料2(「マックフローO−520ク
リヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。また実
施例8では、蓄光塗料に着色顔料を配合した例を、表1
に示す組み合せで実施した。比較例1では、表1に示す
組成で蓄光性顔料を含まない塗膜を形成した。上記で得
られた塗膜の蓄光性および多色性を下記評価方法で評価
した。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】評価方法 (蓄光性)上記で得られた各塗膜をJIS Z 9100
(蓄光安全標識板)8.3により、暗所に3時間外光を
遮断した状態で保管後、蛍光灯の光を200ルックスの
明るさで30分間照射し、照射を停止し、60分後の各
塗膜の発光程度を目視で評価した。 4:十分に光を放っている感あり 3:光を放っている感あり 2:弱いが光を放っており、認識は可能である 1:光を放っていない (多色性)上記蓄光性評価における発光程度を評価した
際の塗膜外観を目視で評価した。 3…第1色目と第2色目との色相が明確に異なり、多色
塗膜として認められる 2…第1色目と第2色目との色相が一応異なり、ほぼ多
色塗膜として認められる 1…第1色目と第2色目とで色相に差がなく、多色塗膜
として認められない
【0044】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の多色塗膜の形成方法により塗膜を形成した
もので、多色性塗膜としてデザインが形成され、また夜
間等の状況において蓄光性が良好で、視認性が向上する
塗装物が得られた。一方、比較例では、蓄光性顔料を用
いていないため蓄光性がよくない結果となった。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明は、被塗基材に、ビ
ヒクルおよび蓄光顔料を含有する蓄光コート層を形成す
る方法にであって、蓄光コート層を部分的に異色の蓄光
コート層として形成する方法であり、これらの方法によ
って得られる蓄光性塗装物は、蓄光塗膜による多色性で
あり、光による励気後は、暗視野においても励気された
蓄光顔料の異色の発色により、ツートン塗膜として視認
され、さらに夜間または暗くなる状況において自動的に
塗膜が発光するので、視認性の向上による安全面がより
確保されることになる。具体的な使用の例として、自動
車車体、自動車バンパー等の自動車部品、二輪車等の乗
物外板・部品、容器外面、コイルコーティングされた建
材等、家電、通信関連の電気機器等また出入り口用パネ
ル、階段の縁、配電盤、ハンドレール、ハンドル、誘導
表示板、ガードレール、非常用器具、避難用器具等に塗
装される。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗基材にビヒクルおよび蓄光顔料を含有
    する蓄光コート層を形成する方法であって、蓄光コート
    層を部分的に異色の蓄光コート層として形成する多色塗
    膜の形成方法。
  2. 【請求項2】前記蓄光コート層に、光輝性顔料および/
    または着色顔料を含有している請求項1記載の多色塗膜
    の形成方法。
  3. 【請求項3】前記蓄光コート層の上層に、トップクリヤ
    ーコート層を形成する請求項1または2記載の多色塗膜
    の形成方法。
  4. 【請求項4】前記トップクリヤーコート層に光輝性顔料
    および/または着色顔料を含有している請求項3記載の
    多色塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】前記蓄光コート層の下層に、淡彩色系ベー
    スコート層を形成する請求項1から4いずれか1項記載
    の多色塗膜の形成方法。
  6. 【請求項6】前記蓄光コート層が、ツートン塗膜または
    図柄塗膜である請求項1から5いずれか1項記載の多色
    塗膜の形成方法。
  7. 【請求項7】被塗基材が、自動車車体である請求項1か
    ら6いずれか1項記載の多色塗膜の形成方法。
  8. 【請求項8】請求項1から7いずれか1項記載の多色塗
    膜の形成方法により得られる蓄光性塗装物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007317476A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Kansai Paint Co Ltd ヘッドランプ
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