JP2002233778A - 木材破砕機 - Google Patents

木材破砕機

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JP2002233778A
JP2002233778A JP2001029736A JP2001029736A JP2002233778A JP 2002233778 A JP2002233778 A JP 2002233778A JP 2001029736 A JP2001029736 A JP 2001029736A JP 2001029736 A JP2001029736 A JP 2001029736A JP 2002233778 A JP2002233778 A JP 2002233778A
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crushing
crushed
wood
conveyor
rotor
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JP2001029736A
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English (en)
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Kazunori Ueda
和憲 植田
Kazuhide Seki
一秀 関
Yoshimi Shiba
好美 柴
Tsutomu Iida
飯田  勉
Makoto Yagishita
誠 柳下
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】被破砕物の種類に応じて適切な破砕作業をする
ことができる木材破砕機を提供する。 【解決手段】破砕ロータを回転させて被破砕物を破砕す
る破砕装置3と、被破砕物を破砕装置3側へ搬送する送
りコンベア2とを設け、破砕装置3の破砕ロータの位置
を送りコンベア2の搬送方向に移動可能に構成する。ま
た、木材破砕機は、破砕装置3で破砕した木材破砕物を
破砕機本体5外へ搬出する搬出コンベア7と走行手段1
1とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、剪定枝材・間伐
材、枝木材、廃木材等を破砕対象とする木材破砕機に関
し、例えば破砕装置に設けた破砕ロータを回転させて被
破砕物を破砕する木材破砕機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、森林で伐採された木材を枝払い
するときに発生する剪定枝材・間伐材や、造成・緑地維
持管理等で発生する枝木材、あるいは木造家屋に使用さ
れた廃木材は、通常、最終的に産業廃棄物として処理さ
れる。木材破砕機は、廃棄物処理過程における廃棄物の
減容を図ったり、粉砕した後の粉砕物を発酵処理し有機
肥料として再利用することを目的に、それら枝材、枝木
材等を、運搬する前にその作業現場で所定の大きさに破
砕(粉砕)するものである。
【0003】この種の木材破砕機として、例えば、U.S.
P.5947395号に記載のように、回転して被破砕物(被破
砕木材)を破砕する破砕ロータを備えた破砕装置と、そ
の破砕した木材破砕物を破砕機本体外へ搬出する搬出コ
ンベアと、前記破砕装置側端部に設けた送りローラを有
し、前記被破砕物を前記破砕装置側へ搬送する搬送手段
(送りコンベア)と、前記被破砕物を把持し前記破砕装
置へと導入する押えローラとを備えたものがある。
【0004】この従来技術では、例えば、ほぼ水平方向
から導入された被破砕物を送りコンベアで破砕装置側へ
搬送し、破砕装置の手前でさらに押えローラで被破砕物
を把持する。すなわち、押えローラと前記送りローラと
で上下から被破砕物を挟み込むようにして、この挟み込
み部分を破砕時の破砕支点としつつ、それより破砕装置
側の被破砕物先端部を破砕ロータに向かって片持ち梁状
に突出させ、その突出した先端部を上向きに回転する破
砕ロータの破砕ビットにて次々に破砕していくようにな
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、以下のような課題が存在する。近年、再生
資源促進法(いわゆるリサイクル法)の施行(平成3年
10月)によって建設副産物再利用が義務づけられる等
のリサイクル促進の機運の下、建設廃棄物・産業廃棄物
等の発生量は年々増加している。このような背景の下、
比較的小規模な建設現場、解体現場等においてもさらに
積極的に木材破砕機を導入し剪定枝材・間伐材、枝木
材、廃木材等を再利用しよういう動きが活発化してい
る。これに伴い、木材破砕機の破砕対象物(被破砕物)
としても、抜根や丸太等比較的丈夫なものや草や竹等比
較的しなやかなものまで、多種多様なものが含まれるよ
うになってきている。
【0006】ここで、上記従来技術では、前述したよう
に、破砕時には、押えローラと送りローラによる挟み込
み部分を破砕支点として被破砕物先端部を突出させてお
り、その突出した先端部を上向きに回転する破砕ロータ
の破砕ビットにて次々に破砕していく。このとき、本願
発明者等の検討によれば、破砕効率や耐久性の観点から
みると、上記の突出長さ(破砕支点から破砕ビットの破
砕外径までの距離)の適正値が、被破砕物の特性によっ
て変化することを知見した。
【0007】すなわち、被破砕物が前述の草や竹等、比
較的しなやかなもの(柔らかいもの)である場合には、
上記突出長さが大きいと破砕ロータによる破砕力の反力
をとることが困難となるため、突出長さは比較的小さい
方が破砕効率が向上する。一方、被破砕物が前述の抜根
や丸太等、比較的頑丈なもの(硬いもの)である場合に
は、突出長さにあまり関係なく破砕ロータによる破砕力
の反力をとることが可能であるが、突出長さが小さ過ぎ
ると、破砕ロータによる破砕力が直接押えローラや送り
ローラに強く伝わってそれらローラの耐久性を低下させ
る可能性がある。
【0008】上記従来技術では、以上のような点に配慮
されておらず、押えローラ、送りローラ、破砕ロータの
位置はすべて固定されている。この結果、上記の破砕時
における被破砕物の突出長さも常に一定となるため、被
破砕物の特性に応じた適正値に対応させることができ
ず、近年の被破砕物の多種多様化に十分対応することが
困難である。本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、被破砕物の種類に応じて適切な
破砕作業をすることができる木材破砕機を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、破砕ロータを回転させて被破砕物
を破砕する破砕装置と、前記被破砕物を前記破砕装置側
へ搬送する搬送手段とを備え、前記破砕装置は、前記破
砕ロータの位置を前記搬送手段の搬送方向に移動可能に
構成する。
【0010】本発明においては、導入された被破砕物を
搬送手段で破砕装置側へ搬送し、破砕装置の手前で破砕
装置側の被破砕物先端部を破砕ロータに向かって片持ち
梁状に突出させ、その突出した先端部を回転する破砕ロ
ータの破砕ビットにて次々に破砕していく。このとき、
破砕ロータの位置が搬送手段の搬送方向に移動可能であ
ることにより、破砕ロータと搬送手段との距離を適宜変
えることができるので、上記した破砕時における被破砕
物先端部の突出長さを適宜変えることができる。したが
って、例えば被破砕物が草や竹等、比較的しなやかなも
の(柔らかいもの)である場合には、上記突出長さを比
較的小さくして破砕ロータによる破砕力の反力を容易に
とれるようにし、破砕効率を向上させることができる。
また被破砕物が抜根や丸太等、比較的頑丈なもの(硬い
もの)である場合には、上記突出長さを比較的大きくし
て、破砕ロータによる破砕力が直接搬送手段の送りロー
ラ等に強く伝わらないようにし、それら送りローラ等の
耐久性を向上させることができる。以上のようにして、
被破砕物の特性に対応して、破砕効率の向上や耐久性低
下防止の観点からそれぞれに適正な突出長さを容易に得
ることができるので、被破砕物の種類に応じて適切な破
砕作業を行うことができる。
【0011】また、近年の上記リサイクル促進の機運の
下、木材破砕物製品の高品質化が求められてきており、
木材破砕物の粒度がリサイクル用途に応じた所定の目標
粒度範囲内であることが要求されつつある。ここで、通
常、木材破砕物の粒度調整は、破砕装置の破砕ロータ外
周側に設ける木材破砕物挿通用の複数の開口部を備えた
篩い部材(グレート)を交換することにより行う場合が
多いが、この場合、例えば粒度をより小さくする場合に
は単純に被破砕物の破砕室における滞留時間を長くし
て、破砕ロータによる破砕動作を長時間繰り返させるこ
とで破砕物を小さく砕くこととなるため、破砕効率が低
下する。これに対して、本発明においては、上記突出長
さの大小を変えることで破砕後の破砕物の粒度の大小を
調整できるので、粒度を小さくしたい場合には突出長さ
を小さくすれば足り、被破砕物の破砕室滞留時間は同程
度で済む。すなわち、破砕効率を低下させることなく、
木材破砕物の粒度調整を容易に行えるという効果もあ
る。
【0012】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記破砕装置は、前記破砕ロータを回転自在に支持する
軸受機構を、この軸受機構を支持する支持架台に対して
前記搬送手段の搬送方向に移動可能に構成する。
【0013】(3)上記(1)において、また好ましく
は、前記破砕装置を、本体フレームに対し、前記搬送手
段の搬送方向に移動可能に設ける。
【0014】通常、破砕装置においては、破砕ロータ外
周側に木材破砕物挿通用の複数の開口部を備えた篩い部
材(グレート)が設けられており、上記のようにして被
破砕物が破砕室内で破砕されていったとき、その破砕片
のうち篩い部材の前記開口部よりなる破砕物通路を通過
したものが外部へ排出されるようになっている。このた
め、破砕ロータの位置を搬送手段の搬送方向に移動可能
に構成するとき、破砕ロータを回転自在に支持する軸受
機構のみを搬送手段の搬送方向に移動可能とした場合、
上記篩い部材との相対距離(間隔)が変化することとな
る。この結果、場合によってはある周方向位置における
破砕ロータと篩い部材との間の間隔が非常に狭くなる等
の影響で、木材破砕物の粒度や破砕効率に悪影響が出る
場合もあり得る。
【0015】これに対し、本発明においては、破砕ロー
タや上記篩い部材を含めた破砕装置全体を本体フレーム
に対し搬送方向に移動可能とすることにより、上記破砕
ロータと篩い部材との間隔は不変とできるので、木材破
砕物の粒度や破砕効率への影響を防止できる。
【0016】(4)上記(1)乃至(3)において、ま
た好ましくは、前記破砕装置は、前記破砕ロータの位置
を鉛直方向に移動可能に構成する。
【0017】破砕ロータの回転方向は、破砕ビットが被
破砕物に対し上向きに衝突して破砕する向きに回転(上
向き回転)させる場合と、破砕ビットが被破砕物に対し
下向きに衝突して破砕する向きに回転(下向き回転)さ
せる場合と両方が考えられる。そして、破砕時における
搬送手段による搬送面と破砕ロータの回転中心との位置
関係を、破砕効率の観点から上記のいずれの場合かに応
じて適切化することが好ましい。すなわち、上記上向き
回転の場合には、破砕時において搬送手段による搬送面
が破砕ロータの回転中心より上方に位置するように構成
する。これにより、搬送面上を破砕ロータに向かって突
出された被破砕物先端部が破砕ビットによって破砕され
飛散したときに、その破砕片をより確実に破砕ロータ外
周側に沿って上方へと移動させ破砕室内へと導入でき、
破砕効率を向上させることができる。逆に下向き回転の
場合には、破砕時において搬送手段による搬送面が破砕
ロータの回転中心より下方に位置するように構成するこ
とにより、破砕片をより確実に破砕ロータ外周側に沿っ
て下方へと移動させ破砕室内へと導入でき、破砕効率を
向上させることができる。
【0018】本発明においては、破砕ロータの位置が鉛
直方向に移動可能であることにより、上記した破砕時に
おける搬送手段による搬送面と破砕ロータの回転中心と
の位置関係を適宜変えることができるので、回転方向が
いずれの場合であっても破砕効率を良好にできる。
【0019】(5)上記目的を達成するために、また本
発明は、破砕ロータを回転させて被破砕物を破砕する破
砕装置と、前記被破砕物を前記破砕装置側へ搬送する搬
送手段と、前記搬送手段の上方、かつ、前記破砕装置の
近傍に設けた押えローラを有し、前記搬送手段と協働し
て前記被破砕物を把持し前記破砕装置へと導入する把持
導入手段とを備え、前記把持導入手段は、前記押えロー
ラの位置を前記搬送手段の搬送方向に移動可能に構成す
る。
【0020】本発明においては、導入された被破砕物を
搬送手段で破砕装置側へ搬送し、破砕装置の手前でさら
に把持導入手段で把持し、破砕装置へ導入する。すなわ
ち、把持導入手段のうち搬送手段の上方かつ破砕装置の
近傍にある押えローラと搬送手段の破砕装置側端部とで
協働して被破砕物を上下から挟み込むようにして、この
挟み込み部分を破砕時の破砕支点としつつ、それより破
砕装置側の被破砕物先端部を破砕装置の破砕ロータに向
かって片持ち梁状に突出させ、その突出した先端部を回
転する破砕ロータの破砕ビットにて次々に破砕してい
く。このとき、把持導入手段の押えローラの位置が搬送
手段の搬送方向に移動可能であることにより、上記挟み
込み部分(破砕支点)の位置を搬送方向に変化させるこ
とができ、この結果、その破砕支点と破砕ロータとの距
離を適宜変えることができる。したがって、上記同様、
破砕時における被破砕物先端部の突出長さを適宜変える
ことができるので、被破砕物の特性に対応して適正な突
出長さを容易に得ることができ、被破砕物の種類に応じ
て適切な破砕作業を行うことができる。
【0021】(6)上記(1)乃至(5)において、ま
た好ましくは、前記木材破砕機は、前記破砕装置で破砕
した木材破砕物を破砕機本体外へ搬出する搬出コンベア
と、走行手段とをさらに備える。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の木材破砕機の一実
施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の木材破砕機の一実施の形態の全体構造を表す側面図で
あり、図2は図1に示した本発明の木材破砕機の一実施
の形態の上面図である。これら図1及び図2において、
この木材破砕機は、自走可能な自走式木材破砕機であ
り、例えば適宜の作業具あるいは手作業によりリサイク
ル原料としての被破砕物(例えば、森林で伐採された木
材を枝払いするときに発生する剪定枝材・間伐材や、造
成・緑地維持管理等で発生する枝木材、あるいは木造家
屋に使用された廃木材、以下適宜、単に被破砕物とい
う)が投入され、その被破砕物を受け入れるホッパ1、
このホッパ1内に設けられホッパ1で受け入れた被破砕
物を搬送する送りコンベア2、及びこの送りコンベア2
で搬送された被破砕物を所定の大きさに破砕し下方へ排
出する回転式の破砕装置(この例ではいわゆるインパク
トクラッシャ)3、及び前記送りコンベア2で略水平方
向から導入された前記被破砕物を把持し前記破砕装置3
へと導入する押えコンベア4を搭載した破砕機本体5
と、この破砕機本体5の下方に設けられた走行体6と、
前記の破砕装置3で破砕され下方へ排出された木材破砕
物を受け入れて木材破砕機の後方側(図1及び図2中左
側)に運搬し搬出する排出コンベア7と、この排出コン
ベア7上を運搬中の前記木材破砕物に含まれる磁性物を
磁気的に吸引除去する磁選機8(但し、図2では図示省
略)とを有する。
【0023】前記の走行体6は、本体フレーム9と、そ
の下部に設けられた走行装置10とを備えている。本体
フレーム9は、例えば略長方形の枠体によって形成され
前記破砕装置3、前記ホッパ1、及びパワーユニット9
4(詳細は後述)等を載置する破砕機取付け部9Aと、
この破砕機取付け部9Aの下部に設けられたトラックフ
レーム部9Bとから構成される。また、前記走行装置1
0は、図1に示すように、前記トラックフレーム部9B
に回転自在に支持された駆動輪10a及びアイドラ10
bと、これらの間に掛け渡された無限軌道履帯11とを
備えており、駆動輪10a側に設けられた左・右走行用
油圧モータ12によって駆動力が与えられることにより
木材破砕機を走行させるようになっている。
【0024】前記のホッパ1は、前記本体フレーム破砕
機取付け部9A上に設けた中間フレーム13、さらにそ
の上部に設けた搭載フレーム14に対し、支持部材15
を介して略水平方向に取り付けられている。このとき、
ホッパ1は、幅方向両側の側壁1a,1a(図2参照)
と前方側の側壁1bとを備えており、このような構造に
より、前述したような被破砕物を受け入れることが可能
となっている。
【0025】前記の破砕装置3は、前記本体フレーム破
砕機取付け部9Aの前後方向ほぼ中央部上に搭載された
破砕ユニット16内に配設されている。図3は、この破
砕ユニット16付近の構造を表す図1中部分拡大側面図
であり、図4は、図3に示した構造のうち、前記押えコ
ンベア4及び前記送りコンベア2の詳細構造を表すため
の一部透視拡大側面図である。これら図3及び図4にお
いて、破砕ユニット16は、上記破砕装置3と、前記本
体フレーム破砕機取付け部9Aに取り付けられるベース
部17と、このベース部17に立設される枠体部18と
を備えている。
【0026】ベース部17は、その最下部に設けた底板
17aと、底板17a上に左・右両側に立設された側板
17bと、それら側板17b,17bを連結するように
立設された後方側の側板17cと、底板17aの後方側
(図3、図4中左側)端部に設けた台座部17dとを備
えている。
【0027】このとき、前記の底板17aには、ボルト
20を挿通させるための複数個(この例では3個)の貫
通孔17aa,17ab,17acが送りコンベア2の
搬送方向(図3中左右方向)に配列して設けられてお
り、これら貫通孔17aa〜acに挿入したボルト20
を用いて底板17aが中間部材19を介し前記本体フレ
ーム破砕機取付け部9Aに締結固定されるようになって
いる(この例では3つのうち真ん中の貫通孔17abに
挿入された場合を示している)。このような構造によ
り、ボルト20を挿通させる貫通孔17aa〜acを適
宜選択することにより、本体フレーム破砕機取付け部9
Aに対する破砕ユニット16全体の取り付け位置を送り
コンベア2の搬送方向(図3中左右方向)に移動させ、
これによって破砕ロータ21の位置を送りコンベア2の
搬送方向に移動可能になっている(後述の図6参照)。
【0028】枠体部18は、前記ベース部底板17aの
前方側に立設固定された左・右2本の前方側支柱18a
と、前記ベース部台座部17d上に立設固定された左・
右2本の後方側支柱18bと、これら前方側支柱18a
及び後方側支柱18bの上端部を覆うように設けられた
天板18cとを備えている。
【0029】破砕装置3は、いわゆるインパクトクラッ
シャであり、刃物としての破砕ビット(打撃板でもよ
い、図示せず、但しその破砕外径Rを想像線で示す)及
びそれら破砕ビットを固定する固定具(図示せず)を外
周部に取り付けたロータ(破砕ロータ)21を高速回転
させることにより、送りコンベア2より供給された被破
砕物に対し、前記破砕ビットからの打撃及び破砕ロータ
21の外周側に固定された反発板(アンビル)22a,
22bとの衝突を用いて打撃力を加え、所定の大きさに
破砕するようになっている。
【0030】このとき、破砕ビットとしては、特に詳細
を図示しないが、その刃面が破砕ロータ21の正転方向
(図3中矢印ア方向)回転に対応するような向きに配置
された正転用破砕ビットと、その刃面が破砕ロータ21
の逆転方向(図3中矢印イ方向)回転に対応するような
向きに配置された逆転用破砕ビットとが配置されてい
る。なお、以上の破砕ビット配置に対応して、前記アン
ビル22a,22bは、破砕ロータ21の正転方向(図
3中矢印ア方向)回転に対応するアンビル22aと、破
砕ロータ21の逆転方向(図3中矢印イ方向)回転に対
応するアンビル22bとの2つが設けられている。
【0031】このとき、前記破砕ロータ21は、その回
転軸21aの両端が、前記左・右の側板17b,17b
に設けた軸受機構23によって回転自在に支持されてい
る。すなわち、軸受機構23は、各側板17bの外方側
に取り付けられると共に、前記ベース部底板17a上に
設けた支持架台24上に、中間部材25を介して載置支
持されている。また、各側板17bには、その上縁部か
ら軸受機構23に至る強度補強部材26が延設されてい
る。
【0032】一方、前記枠体部18の前記前方側支柱1
8aに設けたブラケット27には、破砕装置用油圧モー
タ28がピン結合によって回動可能に連結され、前記後
方側支柱18bに設けたブラケット29には、張力調整
用レバー30がピン結合によって回動可能に連結され、
さらにそれら破砕装置用油圧モータ28と張力調整用レ
バー30とが、ピン結合によって回動可能に連結されて
いる。
【0033】そして、破砕装置用油圧モータ28の駆動
軸にはプーリ28aが取り付けられ、破砕ロータ21の
回転軸にはプーリ21aが取り付けられ、これらプーリ
28a及びプーリ21aの間にはベルト28Aが巻き回
されている。そして、破砕装置用油圧モータ28からの
駆動力が前記ベルト28Aを介し破砕ロータ21の回転
軸に与えられることにより、破砕ロータ21が回転する
ようになっている。なお、このときのベルト28Aの張
りが、前記張力調整用レバー30を操作することで調整
可能となっている。
【0034】また、破砕ロータ21の外周側には、支持
部材31により支持され、破砕物の粒度を設定するため
の多数の開口部を備えた略部分円筒面形状の篩い部材
(グレート)32が配置されている。
【0035】図1及び図2に戻り、前記の送りコンベア
2は、前述した搭載フレーム14に載置されており、上
記ホッパ1の下部に略水平方向に延設されている。そし
てこの送りコンベア2は、破砕装置3側端部に設けた例
えばスプロケット状の駆動ローラ(以下適宜、送りロー
ラという)33と、その反対側(木材破砕機前方側)に
設けた従動ローラ34と、これら送りローラ33及び従
動ローラ34の間に巻回して設けられた搬送体35(図
2参照)とを備えている。
【0036】図5は、図3中V−V面による一部断面で
示す矢視図である。この図5及び前述の図4において、
搬送体35は、木材破砕機の幅方向の左・右両側に位置
し、多数のリンク部材37をピン結合によって回動自在
に関節結合してなる無端状(エンドレス)のリンク36
と、それら無端状リンク36,36の間を木材破砕機の
幅方向に連結するように固定され被破砕木材の搬送方向
に配列された複数の下部搬送板39と、各下部搬送板3
9の搬送方向下流側(一端側)上部(循環駆動で考える
と外周側)に固定され、隣接する下部搬送板39,39
の間の隙間を覆い、かつ後述のように被搬送物の搬送力
を向上させるように設けた上部搬送板40とを備えてい
る。
【0037】そして、前記送りローラ33の木材破砕機
右側(図2中上側)に配置された送りコンベア用油圧モ
ータ41の駆動力を、カップリング42、ギヤ機構43
を介し送りローラ33の回転軸33aに伝達することに
よって送りローラ33を回転駆動して搬送体35の無端
状リンク36を駆動する。なお、このとき、従動ローラ
34の回転軸34a(図1参照)を支持する軸受機構
(図示せず)が公知の張力調整機構44によって略水平
方向に変位可能に構成されており、これによって、上記
搬送体35の張力を調整可能となっている。
【0038】上記の構造により、送りコンベア2は、ホ
ッパ1に投入され搬送体35上に載置された被破砕物を
上部搬送板39及び下部搬送板40上に載置して前記本
体フレーム破砕機取付け部9Aの後方側(図1及び図2
中左側)へと略水平方向に搬送し、前記押えコンベア4
に導くようになっている。
【0039】図1及び図2に戻り、前記の押えコンベア
4は、前述した搭載フレーム14の後方側端部の上方
に、後述のように揺動可能かつ上下方向にスライド可能
に配設されている。そしてこの押えコンベア4は、上記
送りコンベア2と同様、図4及び図5に示すように、送
りコンベア2の上方かつ破砕装置3の近傍(詳細には破
砕装置3側端部)に設けたスプロケット状の駆動ローラ
(以下適宜、押えローラという)45と、その反対側
(木材破砕機前方側)に設けた従動ローラ46と、これ
ら押えローラ45及び従動ローラ46の間に巻回して設
けられた搬送体(コンベアベルト)47とを備えてい
る。
【0040】搬送体47は、上記送りコンベア2の搬送
体35とほぼ同様の構造であり、自走式木材破砕機の幅
方向の左・右両側に位置し、多数のリンク部材48aを
ピン結合によって回動自在に関節結合してなる2つの無
端状(エンドレス)のリンク48と、それら無端状リン
ク48,48の間を自走式木材破砕機の幅方向に連結す
るように固定され被破砕木材の搬送方向に配列された複
数の下部搬送板49と、各下部搬送板49の搬送方向下
流側上部(循環駆動で考えると外周側)に固定され、隣
接する下部搬送板49,49の間の隙間を覆うように設
けられた上部搬送板50とを備えている。
【0041】そして、前記押えローラ45の木材破砕機
左側(図2中下側)に配置された押えコンベア用油圧モ
ータ(図示せず)の駆動力を、図示しない伝達機構を介
し押えローラ45の回転軸45aに伝達することによっ
て押えローラ45を回転駆動して搬送体47の無端状リ
ンク48を駆動する。なお、従動ローラ46の回転軸4
6aを支持する軸受機構(図示せず)が公知の張力調整
機構51によって搬送面に略平行な方向に変位可能に構
成されており、これによって、上記搬送体47の張力を
調整可能となっている。
【0042】上記の構造により、押えコンベア4は、前
記送りコンベア2によって前方側(図1及び図2中右
側)から略水平方向に導入された被破砕木材をその下方
に取り込んだ後、送りコンベア2と協働して被破砕木材
の上部を押さえ込むように把持しつつ後方側(図1及び
図2中左側)へと導出し、前記破砕装置3へと導入する
ようになっている。
【0043】ここで、上記押えコンベア4は、押えコン
ベア支持機構60によって、前述したように、揺動可能
かつ上下方向にスライド可能に配設されている。このよ
うな動作を可能とする構成について、以下詳細に説明す
る。
【0044】図3及び図5において、押えコンベア支持
機構60は、前記搭載フレーム14の前記送りコンベア
2より前方側に立設固定された左・右1対の支柱61,
61と、これら支柱61,61に沿って上下方向にそれ
ぞれスライド走行可能な左・右2つずつのガイドローラ
62,62(但し図5では煩雑を避けるために図示省
略)と、これらガイドローラ62とともに上下方向にス
ライド可能に配設されたスライダー63と、上端部が上
ブラケット64を介し前記スライダー63に連結される
とともに下端部が下ブラケット65を介し前記搭載フレ
ーム14に連結され、スライダー63を上下方向に駆動
可能な左・右1対の油圧シリンダ66,66と、下方が
開口した略箱体形状を備え、前記押えコンベア4を内部
に収納配置する支持ケース67とを備えている。
【0045】前記の各ガイドローラ62は、対応する支
柱61の木材破砕機前方側及び後方側に設けたレール6
1a,61aにガイドされて走行する上下2つの車輪6
8,68と、これら2つの車輪68,68を回転自在に
支持する車輪支持部69,69と、それら車輪支持部6
9,69を上下方向両端部に回転自在に取り付けた略平
板状のベース部70とを備えている。
【0046】前記の支柱61,61の上端部には、それ
らを連結するように略平板形状の上屋部材71が設けら
れており、その木材破砕機後方側端部は、前記の破砕ユ
ニット枠体部18の天板18cの木材破砕機前方側端部
に取り付けた接続用ブラケット18dに複数のボルト7
2(図2参照)により連結固定されている。このとき、
接続用ブラケット18dと天板18cとの接続は、接続
用ブラケット18dに設けた木材破砕機前後方向(図
2、図3中左右方向)に長い長孔18daに固定用ボル
ト18eを挿通させて天板18cあるいは支柱18aに
ねじ込み締結固定する構造となっている。これにより、
前述のように、ボルト20を挿通させる貫通孔17aa
〜acを適宜選択して本体フレーム破砕機取付け部9A
に対する破砕ユニット16全体の取り付け位置を移動さ
せたときでも、ボルト18eを一旦緩めて上記移動に対
応した位置で再締結することにより、対応可能な構造に
なっている。
【0047】前記のスライダー63は、上記左・右2つ
ずつのガイドローラ62,62にそれぞれボルト73を
介して固定された略長方形平板形状の左・右一対の側板
部63a,63aと、これら左・右側板63a,63a
の上端部を接続するように略水平方向に延設された前・
後一対の天板部63b,63b(図5参照)と、これら
天板部63b,63bのうち左・右側板部63a,63
aの上端部より前記幅方向外方に突出する木材破砕機幅
方向両側端部分に設けた左・右一対のシリンダ取付け部
63c,63cとを備えている。このとき、前記シリン
ダ取付け部63cには、前記油圧シリンダ66の上端部
が前記上ブラケット64を介して連結され、これによっ
て、油圧シリンダ66の伸縮に伴いスライダー63が上
下動可能になっている。また油圧シリンダ66を緩衝
(ダンパー)機能として用いることも可能となってい
る。
【0048】前記の支持ケース67は、前記押えローラ
45の回転軸45aを回転自在に貫通支持する軸受部7
4と、従動ローラ46の回転軸46aの両端部を回転自
在に支持する軸受部75とを備えており、これによっ
て、押えコンベア4とともに一体となって揺動するよう
になっている。
【0049】ここで、前記スライダー63の各側板部6
3a,63aの破砕装置3側の下端部には、前記支持ケ
ース67の軸受部74を貫通してそれより外方に突出し
た前記駆動ローラ回転軸45aの両端部を回転自在に支
持する軸受部76が設けられている。これにより、この
回転軸45a両端部を回動中心として、押えコンベア4
及び支持ケース67は回動可能に構成されている。この
とき、スライダー63の木材破砕機前方側端部に設けた
ブラケット63dから下方に突出して設けたストッパ7
7が支持ケース67の木材破砕機前方側端部に設けた係
合部と係合することにより、上記押えコンベア4が水平
面となす角(揺動角)θが予め定められた所定の角度
(例えばθ≒15°)未満とならないように(すなわち
その位置よりも押えコンベア4の木材破砕機前方側が下
方に下がらないように)規制されるようになっている。
【0050】以上のような構造により、スライダー6
3、ガイドローラ62、支持ケース67、及び押えコン
ベア4が一体となって、支柱61,61に沿って上下方
向にスライド移動可能であるとともに、任意のスライド
位置において、さらに支持ケース67及び押えコンベア
4が、前記駆動ローラ回転軸45aを揺動中心として揺
動可能(例えばθ≧15°)に構成され、これによっ
て、前記押えコンベア4による被破砕物の押さえ込み圧
力や、送りコンベア2の搬送体35と押えコンベア4の
搬送体47との間の間隙寸法を適宜設定可能となってい
る。なお、このとき、図4において、破砕装置3の前記
破砕ロータ21、送りコンベア2の前記送りローラ3
3、及び押えコンベア4前記押えローラ45は、破砕時
において、送りコンベア2による被破砕物の搬送面T
(図4参照)が破砕ロータ21の回転軸21aの回転中
心位置Q近傍に位置するように、配置されている。
【0051】図1及び図2に戻り、前記の排出コンベア
7は、排出側(後方側、図1及び図2中左側)部分が、
パワーユニット94(後述)から突出して設けたアーム
部材78(但し図2では図示省略)に、支持部材79,
80を介し吊り下げ支持されている。また、排出反対側
(前方側、図1及び図2中右側)部分は、本体フレーム
破砕機取付け部9Aよりも下方に位置し、支持部材81
を介し本体フレーム破砕機取付け部9Aから吊り下げら
れるように支持されている。この結果、排出コンベア7
は、本体フレーム9の下方からパワーユニット94の下
方を通って、本体フレーム9の木材破砕機後方側外方
へ、上り傾斜で配置されている。
【0052】またこの排出コンベア7は、フレーム82
と、このフレーム82に支持され排出コンベア用油圧モ
ータ83(図2参照)で駆動される駆動輪84と従動輪
(図示せず)との間に巻回して設けられたコンベアベル
ト86と、このコンベアベルト86の両側面及び搬送面
をそれぞれ支持するガイドローラ87及びローラ88を
備えており、前記排出コンベア用油圧モータ83の駆動
力でによってコンベアベルト86を駆動し、これによっ
て破砕装置3から図示しないシュートを介しコンベアベ
ルト86上に落下してきた木材破砕物を後方側(図1及
び図2中左側)へ運搬し破砕機本体5外へ搬出するよう
になっている。また、このとき、従動輪の回転軸を支持
する軸受機構(図示せず)が公知の張力調整機構85に
よって略水平方向に変位可能に構成されており、これに
よって、上記コンベアベルト86の張力を調整可能とな
っている。
【0053】前記の磁選機8は、支持部材89を介し前
記アーム部材78より吊り下げ支持されており、前記コ
ンベアベルト86の上方にこのコンベアベルト86と略
直交するように配置された磁選機ベルト90(図1参
照)を、磁選機用油圧モータ91(図1参照)によって
磁力発生手段(図示せず)まわりに駆動することによ
り、磁力発生手段からの磁力を磁選機ベルト90越しに
作用させてコンベアベルト86上の磁性物を磁選機ベル
ト90に吸着させた後、コンベアベルト86と略直交す
る方向(木材破砕機の幅方向)に運搬して、前記排出コ
ンベアフレーム82に設けたシュート92を介しコンベ
アベルト86の側方に落下させ排出するようになってい
る。前記の本体フレーム破砕機取付け部9Aの後方側
(図1、図2中左側)端部の上部には、パワーユニット
積載部材93を介して動力体としてのパワーユニット9
4が搭載されている(図1参照)。
【0054】ここで、上記送りコンベア2、破砕装置
3、押えコンベア4、排出コンベア7、磁選機8、走行
装置10、及び押えコンベア支持機構60は、この木材
破砕機に備えられる油圧駆動装置によって駆動される被
駆動部材を構成しており、これらは、上記送りコンベア
用油圧モータ41、破砕装置用油圧モータ28、押えコ
ンベア用油圧モータ、排出コンベア用油圧モータ83、
磁選機用油圧モータ91、左・右走行用油圧モータ1
2、及びスライダー63昇降用の油圧シリンダ66等の
各種油圧アクチュエータや、前記パワーユニット94内
に搭載されるエンジン(図示せず)、このエンジンによ
り駆動される少なくとも1つの油圧ポンプ(図示せ
ず)、及び複数のコントロールバルブ(図示せず)等か
らなる油圧駆動装置によって駆動される。
【0055】すなわち、例えば木材破砕機を自走させる
時には、前記の油圧ポンプからの圧油が、運転席95の
左・右操作レバー96の操作に応じて切り換えられる走
行用コントロールバルブ(図示せず)を介し走行用油圧
モータ12に供給され、これによって無限軌道履帯11
が駆動されて走行装置10が走行する。
【0056】また、破砕作業時には、例えば運転席95
に設けた操作盤(図示せず)の磁選機起動スイッチ(図
示せず)、排出コンベア起動スイッチ(図示せず)、破
砕装置起動スイッチ(図示せず)、押えコンベア用起動
スイッチ(図示せず)、及び送りコンベア起動スイッチ
(図示せず)が順次押されることで、その操作信号が図
示しないコントローラを介して駆動信号として出力され
る。そして、これらの駆動信号が、磁選機用コントロー
ルバルブ(図示せず)、排出コンベア用コントロールバ
ルブ(図示せず)、破砕装置用コントロールバルブ(図
示せず)、押えコンベア用コントロールバルブ(図示せ
ず)及び送りコンベア用コントロールバルブ(図示せ
ず)に入力されてそれらコントロールバルブが切り換え
られ、これによって前記の油圧ポンプからの圧油がこれ
らのコントロールバルブを介し対応する油圧アクチュエ
ータ91,83,28,41等に供給され、これによっ
て磁選機8、排出コンベア7、破砕装置3、押えコンベ
ア4、及び送りコンベア2が起動するようになってい
る。なお、前述した油圧シリンダ66は、基本的にメン
テナンス時にのみ伸縮させてスライダー63を強制昇降
させるためのものであり、この破砕時には昇降用として
は使用せず(但し急激な昇降を抑制するためのダンパ機
能の役割は果たす)、押えコンベア4は後述のようにそ
の自重のみによって被破砕物を把持するようになってい
る。
【0057】そして、上記油圧ポンプ及びエンジン(そ
の上部カバー97のみ図2に図示)は、このエンジンの
冷却水を冷却するラジエータを備えた熱交換器装置(図
示せず)とともに、前記パワーユニット94内の木材破
砕機後方側(図2中左側)の領域において、木材破砕機
の幅方向(図2中上下方向、前記本体フレーム9の短手
方向)に並設されている。一方、パワーユニット94の
木材破砕機前方側(図2中右側)の領域には、前記エン
ジンの燃料タンク(その給油口98のみを図2に図示)
と、前記各油圧アクチュエータを駆動する圧油(作動
油)を貯留する作動油タンク(その給油口99のみを図
2に図示)と、上述の各コントロールバルブを備えた制
御弁装置(図示せず)と、操作者が搭乗する区画である
上記運転席95とが、この順序で木材破砕機幅方向左側
(図2中上側)から右側(図2中下側)へ向かって並設
されている。
【0058】なお、以上のパワーユニット94の各機器
は、パワーユニット94の基礎下部構造をなすパワーユ
ニットフレーム101(図1参照)上に配置されてお
り、このパワーユニットフレーム101が、前記パワー
ユニット積載部材93(図1参照)を介し、前記本体フ
レーム破砕機取付け部9Aの後端部の上部に搭載されて
いる。
【0059】以上において、送りコンベア2が、被破砕
物を破砕装置側へ搬送する搬送手段を構成し、押えコン
ベア4が、搬送手段の上方、かつ、破砕装置の近傍に設
けた押えローラを有し、搬送手段と協働して被破砕物を
把持し破砕装置へと導入する把持導入手段を構成し、排
出コンベア7が、破砕装置で破砕した木材破砕物を破砕
機本体外へ搬出する搬出コンベアを構成し、無限軌道履
帯11が走行手段を構成する。
【0060】次に、本実施の形態の動作及び作用を以下
に説明する。
【0061】上記構成の木材破砕機において、破砕作業
時には、例えば適宜の作業具あるいは手作業(人力)に
よりホッパ1に被破砕物を投入すると、ホッパ1で受け
入れられた被破砕物は送りコンベア2の搬送体35上に
載置されて略水平方向に木材破砕機後方(図1、図2中
左方)に搬送される。
【0062】このように後方へと搬送されてきた被破砕
物は、送りコンベア2の後端(図1、図2中左側端)付
近まで来ると、その上部が押えコンベア4の搬送体47
の下部に入り込むようにして押えコンベア4に取り込ま
れ、押えコンベア4の自重で押さえつけられることによ
り把持され、搬送体47の回転と共に把持された状態の
まま破砕装置3へと送り込まれる。
【0063】このとき、図4において、押えコンベア4
の破砕装置3側端部にある押えローラ45と送りコンベ
ア2の破砕装置3側端部にある送りローラ33とで協働
して被破砕物W(図4に想像線で示す)を上下から挟み
込むようにして、この挟み込み部分X(図4参照)を破
砕時の破砕支点(以下適宜、破砕支点Xという)としつ
つ、それより破砕装置3側の被破砕物先端部を破砕ロー
タ21に向かって片持ち梁状に突出させ、その突出した
先端部を回転する破砕ロータ21の破砕ビットにて次々
に破砕(粉砕)していく。
【0064】このとき、本実施の形態では、前述のよう
に、破砕ロータ21の位置を破砕ユニット16ごと送り
コンベア2の搬送方向に移動可能であることにより、上
記した破砕時における被破砕物W先端部における破砕支
点Xから片持ち梁状に突出する部分の長さhを適宜変え
ることができる。
【0065】したがって、被破砕物Wが抜根や丸太等、
比較的頑丈なもの(硬いもの)である場合には、図6に
示すように、ボルト20を前記貫通孔17acに挿通さ
せた上で本体フレーム破砕機取付け部9Aに締結固定す
ることにより上記突出長さhを比較的大きくして、破砕
ロータ21による破砕力が直接送りコンベア2の送りロ
ーラ33や押えコンベア4の押えローラ45等に強く伝
わらないようにし、それらの耐久性を向上させることが
できる。一方、例えば被破砕物Wが草や竹等、比較的し
なやかなもの(柔らかいもの)である場合には、ボルト
20を前記貫通孔17aaに挿通させた上で本体フレー
ム破砕機取付け部9Aに締結固定することにより上記突
出長さhを比較的小さくして破砕ロータ21による破砕
力の反力を容易にとれるようにし、破砕効率を向上させ
ることができる。
【0066】以上のようにして破砕された木材破砕物
は、篩い部材32の開口部によって選別され、それを通
過できる粒度になったものだけが通過して篩い部材32
の外部へ排出される。排出された木材破砕物は、シュー
トを介し排出コンベア7のベルト86上に落下して運搬
され、最終的に木材破砕機の後部(図1中右端部)から
リサイクル品として排出(搬出)される。
【0067】以上説明したように、上記本発明の木材破
砕機の一実施の形態によれば、被破砕物Wの特性に対応
して、破砕効率の向上や耐久性低下防止の観点からそれ
ぞれに適正な突出長さhを容易に得ることができる。し
たがって、被破砕物Wの種類に応じて適切な破砕作業を
行うことができるので、近年の被破砕物Wの多種多様化
の傾向に十分に対応可能な木材破砕機を実現することが
できる。
【0068】またこれに加え、以下のような効果もあ
る。
【0069】破砕物の粒度調整 近年のリサイクル促進の機運の下、木材破砕物製品の高
品質化が求められてきており、木材破砕物の粒度がリサ
イクル用途に応じた所定の目標粒度範囲内であることが
要求されつつある。ここで、通常、木材破砕物の粒度調
整は、上述した破砕装置3の破砕ロータ21外周側に設
ける木材破砕物挿通用の複数の開口部を備えた篩い部材
(グレート)32を交換することにより行う場合が多い
が、この場合、例えば粒度をより小さくする場合には単
純に被破砕物Wの破砕室における滞留時間を長くして、
破砕ロータ21による破砕動作を長時間繰り返させるこ
とで破砕物を小さく砕くこととなるため、破砕効率が低
下する。
【0070】これに対して、上記本発明の一実施の形態
においては、上記突出長さhの大小を変えることで破砕
後の破砕物の粒度の大小を調整できるので、粒度を小さ
くしたい場合には突出長さhを小さくすれば足り、被破
砕物の破砕室滞留時間は同程度で済む。すなわち、破砕
効率を低下させることなく、木材破砕物の粒度調整を容
易に行える。
【0071】破砕ロータ・篩い部材間の間隔保持 上述したように、破砕装置3においては、破砕ロータ2
1外周側に木材破砕物挿通用の複数の開口部を備えた篩
い部材(グレート)32が設けられており、被破砕物W
が破砕室内で破砕されていったとき、その破砕片のうち
篩い部材32の前記開口部よりなる破砕物通路を通過し
たものが外部へ排出されるようになっている。このた
め、破砕ロータ21の位置を送りコンベア2の搬送方向
に移動させるとき、後述の変形例(1)に示すように破
砕ロータ21を回転自在に支持する軸受機構23のみを
送りコンベア2の搬送方向に移動可能とした場合、破砕
ロータ21と上記篩い部材32との相対距離(間隔)が
変化することとなる。この結果、場合によってはある周
方向位置における破砕ロータ21と篩い部材32との間
の間隔が非常に狭くなる等の影響で、木材破砕物の粒度
や破砕効率に悪影響が出る場合もあり得る。
【0072】これに対し、上記本発明の一実施の形態に
おいては、破砕ロータ21や上記篩い部材32を含めた
破砕ユニット16全体を本体フレーム9に対し搬送方向
に移動可能とすることにより、上記破砕ロータ21と篩
い部材32との間隔は不変とできるので、木材破砕物の
粒度や破砕効率への影響を防止できる。
【0073】なお、本発明は、上記図1〜図6を用いて
説明した実施の形態に限られるものではなく、その趣旨
及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可
能である。以下、そのような変形例を順次説明する。
【0074】(1)破砕ロータの軸受機構を搬送方向に
移動させる構造 図7は、破砕ロータ21の回転軸21aの両端部を支持
する軸受機構23を送りコンベア2の搬送方向に移動可
能とすることにより、破砕ロータ21の位置を搬送方向
に移動可能とした変形例の要部構造を表す、破砕ユニッ
ト16付近の拡大側面図であり、上記本発明の一実施の
形態の図4に対応する図である。
【0075】この図7において、本変形例では、破砕ロ
ータ21の外径が上記本発明の一実施の形態よりもやや
小さくなっており、これに伴って破砕ビットによる破砕
外径Rもやや小さくなっている。
【0076】このとき、軸受機構23の底板23aには
取り付け用のボルト23bを挿通させるための貫通孔2
3aaが設けられ、さらに底板23aが載置固定される
前記中間部材25には上記ボルト23bをねじ込み固定
するための複数個(この例では2個)の取り付け穴25
a,25bが送りコンベア2の搬送方向(図7中左右方
向)に配列して設けられている。そして、上記貫通孔2
3aaに挿入したボルト23bを上記取り付け穴25a
又は25bに選択的にねじ込み固定することにより、軸
受機構23が中間部材25を介し架台24に固定される
ようになっている(この例では2つのうち図7中右側の
取り付け穴25bにボルト23bが挿入された場合を示
している)。
【0077】このような構造により、ボルト23bをね
じ込む取り付け穴25a,25bを適宜選択することに
より、中間部材25に対する軸受機構23の取り付け位
置を送りコンベア2の搬送方向(図7中左右方向)に移
動させ、これによって破砕ロータ21の位置を送りコン
ベア2の搬送方向に移動可能になっている。
【0078】したがって、例えば、被破砕物が抜根や丸
太等、比較的頑丈なもの(硬いもの)である場合には、
図8に示すように、ボルト23bを前記取り付け穴孔2
5aにねじ込み固定することにより前述の被破砕物の突
出長さh(図4、図6参照)を比較的大きくし、前述と
同様、送りコンベア2の送りローラ33や押えコンベア
4の押えローラ45等の耐久性を向上させることができ
る。一方、例えば被破砕物が草や竹等、比較的しなやか
なもの(柔らかいもの)である場合には、図7に示すよ
うに、ボルト23bを前記取り付け穴25bにねじ込み
固定することにより突出長さhを比較的小さくして破砕
ロータ21による破砕力の反力を容易にとれるように
し、破砕効率を向上させることができる。
【0079】以上のように、上記変形例においても、上
記本発明の木材破砕機の一実施の形態と同様、被破砕物
の特性に対応して、破砕効率の向上や耐久性低下防止の
観点からそれぞれに適正な突出長さhを容易に得ること
ができ、近年の被破砕物の多種多様化の傾向に十分に対
応可能な木材破砕機を実現することができる。
【0080】(2)篩い部材も搬送方向に移動させる構
造 図9は、上記(1)の変形例のようにして破砕ロータ2
1の回転軸21aの両端部を支持する軸受機構23を送
りコンベア2の搬送方向に移動可能とするのに加え、こ
の移動に合わせてさらに破砕ロータ21の外周側に位置
する上記篩い部材32の位置も搬送方向に移動可能とし
た変形例の要部構造を表す、破砕ユニット16付近の拡
大側面図であり、上記(1)の変形例の図8に対応する
図(すなわち破砕ロータ21の位置を送りコンベア2及
び押えコンベア4から遠ざけた状態)である。
【0081】すなわち、前述の図8において、破砕ロー
タ21外周側の篩い部材32を支持する支持部材31の
ブラケット部31aは、前記破砕ユニット16のベース
部17に設けた支持部材取付け部17eに固定される構
造となっている。本変形例においては、この支持部材取
付け部17eとブラケット部31aとの間に、適宜のス
ペーサ部材103(予め着脱可能な形状、構造としてお
く)を介在可能な構造とする。
【0082】これにより、図8と図9とを比較して明ら
かなように、スペーサ部材103を介在させることで支
持部材31全体を図9中左側方向に移動させることがで
きる。すなわち、上記(1)の変形例で説明した軸受機
構23の移動に合わせて、支持部材31全体を移動させ
ることができる。
【0083】本変形例によっても、上記(1)の変形例
と同様の効果を得る。
【0084】また、既に述べたように、上記(1)の変
形例では、破砕ロータ21の位置を送りコンベア2の搬
送方向に移動させるとき、破砕ロータ21と篩い部材3
2との相対距離(間隔)が変化することとなる結果、場
合によってはある周方向位置における破砕ロータ21と
篩い部材32との間の間隔が非常に狭くなる等の影響
で、木材破砕物の粒度や破砕効率に悪影響が出る場合も
あり得る。これに対し、上記(2)の変形例では、上記
本発明の一実施の形態と同様、上記破砕ロータ21と篩
い部材32との間隔は不変とできるので、木材破砕物の
粒度や破砕効率への影響を防止できる。
【0085】(3)押えコンベアを搬送方向に移動させ
る構造 図10は、押えコンベア4の搬送方向に移動可能とした
変形例の要部構造を表す、破砕ユニット16付近の構造
を表す部分拡大側面図であり、上記本発明の一実施の形
態の図3に対応する図である。
【0086】この図10において、本変形例では、前記
押えコンベア支持機構60において、ガイドローラ62
のベース部70に設けるボルト73挿通用の貫通孔70
aが送りコンベア2の搬送方向(図10中左右方向)に
長い長穴となっている。これにより、ボルト73を一旦
ゆるめた後に長穴内でスライドさせることにより、ガイ
ドローラベース部70に対する前記スライダー63の側
板部63a,63aの取り付け位置を送りコンベア2の
搬送方向(図7中左右方向)に移動させ、これによって
ベース部70に接続される押えコンベア4の位置を送り
コンベア2の搬送方向に移動可能になっている。
【0087】なお、上記に対応し、油圧シリンダ66の
上端部に接続された上ブラケット64を取り付ける、ス
ライダー63のシリンダ取付け部63cに設ける、取付
け用ボルト64aの挿通用の貫通孔63caが、送りコ
ンベア2の搬送方向(図10中左右方向)に長い長穴と
なっている。これにより、ボルト64aを一旦ゆるめた
後に長穴内でスライドさせることにより、上記のように
押えコンベア4の位置を送りコンベア2の搬送方向に移
動した場合でも、これに対応してスライダーシリンダ取
付け部63cと油圧シリンダ66との鉛直方向での接続
を引き続き維持できるように構成されている。
【0088】以上の構成により、本変形例においては、
例えば、被破砕物が抜根や丸太等、比較的頑丈なもの
(硬いもの)である場合には、図11に示すように、ボ
ルト73を緩めスライダー63を破砕装置3と反対側
(図11中では右側)にスライドさせた後、ボルト73
を再締結しスライダー63をガイドローラ62に固定す
る。これにより、スライダー63に固定された押えコン
ベア4を破砕装置3と反対側(図11中では右側)に移
動させることができるので、被破砕物Wの突出長さhを
比較的大きくし、前述と同様、送りコンベア2の送りロ
ーラ33や押えコンベア4の押えローラ45等の耐久性
を向上させることができる。一方、例えば被破砕物が草
や竹等、比較的しなやかなもの(柔らかいもの)である
場合には、特に図示しないが、図11と逆に、ボルト7
3を緩めスライダー63を破砕装置3側にスライドさせ
た後、ボルト73を再締結しスライダー63をガイドロ
ーラ62に固定することにより、スライダー63に固定
された押えコンベア4を破砕装置3側に移動させること
ができる。したがって、突出長さhを比較的小さくして
破砕ロータ21による破砕力の反力を容易にとれるよう
にし、破砕効率を向上させることができる。
【0089】以上のように、この変形例においても、上
記本発明の木材破砕機の一実施の形態と同様、被破砕物
の特性に対応して、破砕効率の向上や耐久性低下防止の
観点からそれぞれに適正な突出長さhを容易に得ること
ができ、近年の被破砕物の多種多様化の傾向に十分に対
応可能な木材破砕機を実現することができる。
【0090】(4)破砕ロータの位置を上下方向に移動
させる構造 上記本発明の一実施の形態、及び上記(1)〜(3)で
は、破砕ロータ21の位置を送りコンベア2の搬送方向
(言い換えれば木材破砕機の走行前後方向)に移動可能
とする構成について説明したが、さらにこれに加え、破
砕ロータ21の位置を鉛直上下方向にも移動可能として
もよい。
【0091】具体的には、図示を省略するが、例えば上
記本発明の一実施の形態や上記(2)の変形例において
は、ベース部底板17aと中間部材19との間に着脱可
能なスペーサ部材を介在させる構成とすることにより、
そのスペーサ部材の着脱、あるいは異なる高さの複数の
スペーサ部材の入れ替えによって、破砕ユニット16全
体の設置高さを上下方向に移動させ、これによって破砕
ロータ21の位置を鉛直上下方向に移動可能とすること
ができる。
【0092】また例えば上記(1)の変形例において
は、軸受機構底板23aと中間部材25との間に着脱可
能なスペーサ部材を介在させる構成とすることにより、
そのスペーサ部材の着脱、あるいは異なる高さの複数の
スペーサ部材の入れ替えによって、軸受機構23全体の
設置高さを上下方向に移動させ、これによって破砕ロー
タ21の位置を鉛直上下方向に移動可能とすることがで
きる。
【0093】これらのように、破砕ロータ21の位置を
鉛直上下方向に移動可能とすることにより、以下のよう
な効果を得られる。
【0094】すなわち、破砕装置3において、破砕ロー
タ21の回転方向は、破砕ビットが被破砕物Wに対し上
向きに衝突して破砕する向きに回転(上向き回転、図3
中矢印ア参照)させる場合と、破砕ビットが被破砕物W
に対し下向きに衝突して破砕する向きに回転(下向き回
転、図3中矢印イ参照)させる場合との両方がありう
る。このとき、破砕時における送りコンベア2による搬
送面Tと破砕ロータ21の回転中心Qとの位置関係は、
破砕効率の観点から上記のいずれの場合かに応じて適切
化することが好ましい。すなわち、上記上向き回転の場
合には、破砕時において送りコンベア2による搬送面T
が破砕ロータ21の回転中心Qより上方に位置するよう
に構成するほうがよい。これにより、搬送面T上を破砕
ロータ21に向かって突出された被破砕物W先端部が破
砕ビットによって破砕され飛散したときに、その破砕片
をより確実に破砕ロータ21外周側に沿って上方へと移
動させ破砕室内へと導入でき、破砕効率を向上させるこ
とができる。逆に下向き回転の場合には、破砕時におい
て送りコンベア2による搬送面Tが破砕ロータ21の回
転中心Qより下方に位置するように構成することによ
り、破砕片をより確実に破砕ロータ21外周側に沿って
下方へと移動させ破砕室内へと導入でき、破砕効率を向
上させることができる。
【0095】この変形例(4)においては、上記のよう
にして破砕ロータ21の位置を鉛直上下方向に移動可能
とできるので、上記した破砕時における送りコンベア2
による搬送面Tと破砕ロータ回転中心Qとの位置関係を
適宜変えることができる。したがって、破砕ロータ21
の回転方向がいずれの場合であっても破砕効率を良好に
できる。
【0096】なお、この変形例(4)は破砕ロータ21
の位置を鉛直上下方向に移動可能とした場合を説明した
が、送りコンベア2や押えコンベア4を上下方向に移動
可能としても上記と同様の効果を得られることは言うま
でもない。
【0097】また、以上においては、被破砕物を把持し
破砕装置3へと導入する把持導入手段として、ローラと
して押えローラ45及び従動ローラ46の2つのみを備
え、搬送体47をこれらローラ45,46の外周側に単
純に巻き回した押えコンベア4を用いたが、これに限ら
れない。すなわち、3個以上の複数のローラを備え、そ
の内周側や外周側にベルトを巻き回した構造のものでも
よい。搬送手段についても同様に、送りコンベア2に限
らず、3個以上の複数のローラを備え、その内周側や外
周側にベルトを巻き回した構造のものでもよい。
【0098】さらに、以上においては、破砕装置として
破砕ロータ21の外周部に刃物(破砕ビット)を取り付
けたいわゆるインパクトクラッシャを備えた木材破砕機
を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装
置、例えば、平行に配置された軸にカッタを備え、互い
に逆回転させることにより被破砕物をせん断する破砕装
置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、ロ
ール状の回転体(ロータ)に破砕用の刃物を取り付けた
ものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転さ
せ、それら回転体の間に被破砕物を挟み込んで破砕を行
う回転式の破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む
6軸破砕機等)や、被破砕物をチップ状にするいわゆる
木材チッパーを備えた木材破砕機にも適用可能である。
これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
【0099】また、以上は、本発明を自走可能な自走式
木材破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、こ
れに限られず、牽引して走行可能な移動式木材破砕機、
若しくは例えばクレーン等により吊り上げて運搬可能な
可搬式木材破砕機、さらにはプラント等において固定機
械として配置される定置式木材破砕機に適用しても良い
ことは言うまでもなく、これらの場合も同様の効果を得
る。
【0100】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、破砕ロー
タの位置が搬送手段の搬送方向に移動可能であるので、
破砕時における被破砕物先端部の突出長さを適宜変える
ことができる。したがって、被破砕物の特性に対応し
て、破砕効率の向上や耐久性低下防止の観点からそれぞ
れに適正な突出長さを容易に得ることができるので、、
被破砕物の種類に応じて適切な破砕作業をすることがで
きる。請求項3記載の発明によれば、破砕ロータや篩い
部材を含めた破砕装置全体を本体フレームに対し搬送方
向に移動可能とするので、破砕ロータと篩い部材との間
隔は不変とできるので、木材破砕物の粒度や破砕効率へ
の影響を防止できる。請求項4記載の発明によれば、破
砕ロータの位置が鉛直方向に移動可能であるので、破砕
時における搬送手段による搬送面と破砕ロータの回転中
心との位置関係を適宜変えることができ、回転方向がい
ずれの場合であっても破砕効率を良好にできる。請求項
5記載の発明によれば、把持導入手段の押えローラの位
置が搬送手段の搬送方向に移動可能であるので、破砕支
点の位置を搬送方向に変化させることができ、この結
果、その破砕支点と破砕ロータとの距離を適宜変えるこ
とができる。したがって、上記同様、破砕時における被
破砕物先端部の突出長さを適宜変えることができるの
で、被破砕物の特性に対応して適正な突出長さを容易に
得ることができ、被破砕物の種類に応じて適切な破砕作
業をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材破砕機の一実施の形態の全体構造
を表す側面図である。
【図2】本発明の木材破砕機の一実施の形態の全体構造
を表す上面図である。
【図3】本発明の木材破砕機の一実施の形態の破砕ユニ
ット付近の構造を表す図1中部分拡大側面図である。
【図4】図3に示した本発明の木材破砕機の一実施の形
態の破砕ユニット付近の構造のうち、押えコンベア及び
搬送コンベアの詳細構造を表すための一部透視拡大側面
図である。
【図5】図3中V−V面による一部断面で示す矢視図で
ある。
【図6】図4に示した本発明の木材破砕機の一実施の形
態に備えられる破砕装置の詳細構造を表すための一部透
視拡大側面図である。
【図7】本発明の木材破砕機の一実施の形態において破
砕ロータの軸受機構を搬送方向に移動可能とした変形例
の要部構造を表す、一部透視拡大側面図である。
【図8】本発明の木材破砕機の一実施の形態において破
砕ロータの軸受機構を搬送方向に移動可能とした変形例
の、軸受機構を移動させた状態を表す一部透視拡大側面
図である。
【図9】本発明の木材破砕機の一実施の形態において破
砕ロータ及び篩い部材の位置を搬送方向に移動可能とし
た変形例の要部構造を表す、一部透視拡大側面図であ
る。
【図10】本発明の木材破砕機の一実施の形態において
押えコンベアを搬送方向に移動可能とした変形例の要部
構造を表す、破砕ユニット付近の部分拡大側面図であ
る。
【図11】本発明の木材破砕機の一実施の形態において
押えコンベアを搬送方向に移動可能とした変形例の、押
えコンベアを破砕装置と反対側に移動とした状態を表す
破砕ユニット付近の部分拡大側面図である。
【符号の説明】
2 送りコンベア(搬送手段) 3 破砕装置 4 押えコンベア(把持導入手段) 5 破砕機本体 7 排出コンベア(搬出コンベア) 9 本体フレーム 11 無限軌道履帯(走行手段) 21 破砕ロータ 23 軸受機構 24 支持架台 W 被破砕物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴 好美 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 飯田 勉 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 柳下 誠 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 4D065 AA06 AA09 EB20 ED02 ED12 ED28 4D067 DD04 DD08 DD13 DD14 GA11 GB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】破砕ロータを回転させて被破砕物を破砕す
    る破砕装置と、 前記被破砕物を前記破砕装置側へ搬送する搬送手段とを
    備え、 前記破砕装置は、前記破砕ロータの位置を前記搬送手段
    の搬送方向に移動可能に構成したことを特徴とする木材
    破砕機。
  2. 【請求項2】請求項1記載の木材破砕機において、前記
    破砕装置は、前記破砕ロータを回転自在に支持する軸受
    機構を、この軸受機構を支持する支持架台に対して前記
    搬送手段の搬送方向に移動可能に構成したことを特徴と
    する木材破砕機。
  3. 【請求項3】請求項1記載の木材破砕機において、前記
    破砕装置を、本体フレームに対し、前記搬送手段の搬送
    方向に移動可能に設けたことを特徴とする木材破砕機。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載の木材破砕機におい
    て、前記破砕装置は、前記破砕ロータの位置を鉛直方向
    に移動可能に構成したことを特徴とする木材破砕機。
  5. 【請求項5】破砕ロータを回転させて被破砕物を破砕す
    る破砕装置と、 前記被破砕物を前記破砕装置側へ搬送する搬送手段と、 前記搬送手段の上方、かつ、前記破砕装置の近傍に設け
    た押えローラを有し、前記搬送手段と協働して前記被破
    砕物を把持し前記破砕装置へと導入する把持導入手段と
    を備え、 前記把持導入手段は、前記押えローラの位置を前記搬送
    手段の搬送方向に移動可能に構成したことを特徴とする
    木材破砕機。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載の木材破砕機におい
    て、前記木材破砕機は、前記破砕装置で破砕した木材破
    砕物を破砕機本体外へ搬出する搬出コンベアと、走行手
    段とをさらに備えた自走式木材破砕機であることを特徴
    とする木材破砕機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR200466217Y1 (ko) 2012-12-04 2013-04-03 김동현 원목절단 및 파쇄장치
CN110359953A (zh) * 2019-07-05 2019-10-22 太原理工大学 一种煤矿井下空巷快速低成本充填系统装置

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