JP2002231132A - Crt用パネルガラスおよびcrt、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

Crt用パネルガラスおよびcrt、並びにそれらの製造方法

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JP2002231132A
JP2002231132A JP2001223122A JP2001223122A JP2002231132A JP 2002231132 A JP2002231132 A JP 2002231132A JP 2001223122 A JP2001223122 A JP 2001223122A JP 2001223122 A JP2001223122 A JP 2001223122A JP 2002231132 A JP2002231132 A JP 2002231132A
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panel
crt
glass
transmittance
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English (en)
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Noritoshi Horie
則俊 堀江
Tsunehiko Sugawara
恒彦 菅原
Takuji Oyama
卓司 尾山
Junnosuke Mizukami
準之助 水上
Eiji Shidouji
栄治 志堂寺
Riichi Ikezawa
利一 池沢
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CRT用パネル外側面上の有効画面面内の総
合透過率分布、反射率分布が特定の数式を満たすように
該外側面上に表面処理膜が施され、フラット化パネルガ
ラスであっても、画像表示面の全面にわたり輝度、コン
トラストが均一であるCRT用パネルガラスおよびCR
T、並びにそれらの製造方法。 【解決手段】 成膜されるCRT用パネル外側面とスパ
ッタターゲットとの間にジャマ板を設置し、スパッタリ
ング法により該パネル外側面上の有効画面面内の総合透
過率分布、反射率分布が特定の数式を満たすように該外
側面上に表面処理膜を施すこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は輝度の均一性、コン
トラストが改善されたCRT用パネルガラス又はCRT
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CRTに設けられているパネルガラス
は、その画面内で表示される画像の輝度が均一に見える
ことが要求される。画像輝度を均一に表示するまたはた
めの手法として、パネルガラスの透過率を面内で一定と
する方法、パネルガラスに透過率分布が存在したまま、
電子ビームの強度分布によりそれを補正し、かつ蛍光体
の発光強度に分布を付す方法が挙げられる。しかしなが
ら、後者の方法はテレビの製法上必然的にガラス肉厚差
を有するパネルガラスが、大きな透過率分布、例えば、
パネルガラス中央部と周辺部とで10%以上の差がある
透過率分布を有する場合、それに対応出来ない技術的限
界がある。一方、従来のパネルガラスの透過率を一定と
する方法として、ガラス素地を透明にすることでガラス
肉厚による透過率差を解消することが行われているが、
この方法では中央部と周辺部が大きい最近のパネルガラ
スのフラット化に対応することができず、パネルガラス
の透過率を均一にすることが難しい。また、反射防止付
きパネルガラスとしてガラス素地の透過率を上げて、反
射防止膜の透過率を下げることで前記課題を解決するこ
とが試みられているが、内面反射が高くなり二重像が発
生するという問題があった。この結果、フラット化パネ
ルガラスの場合、均一な輝度の画像が見えないことと共
にコントラストが悪い、二重像が発生するなどの問題点
があった。また、その他の関連技術として、パネルガラ
スの前面に板厚偏差を付けたガラス製の前面パネルを樹
脂でパネル面に貼りつけることにより表示面内での総ガ
ラス厚みを一定にする方法が特開昭61−185852
号公報に開示されているが、CRTの重量増加や前面パ
ネル貼り付けによるコスト増などが伴うといった問題が
あった。また、投写型デイスプレイにおいて、コントラ
スト向上のために投射スクリーンを、その表面に外光吸
収特性を有する着色スクリーンとし、その着色濃度を中
央から周辺に向けて連続的に変化させることにより、観
測者から見たスクリーンの輝度が均一になるようにする
方法が特開平6−308614号公報に開示されてい
る。該公報にはまた、着色スクリーンの厚みに分布を持
たせることにより同様の効果が得られていることが開示
されている。これらは、デイスプレイに故意に透過率分
布を付けて表示面全面の輝度を均一化する手段として有
効であると思われるが、CRTのパネルガラスに適用す
る場合には、着色スクリーンに相当する樹脂面または全
面パネルが必要となり、前述の例と同じく、重量増加や
コスト増になると言う問題があった。また、特開平10
−177850号公報にはCRTのパネルガラスの前面
に樹脂フィルムを貼着し、樹脂フィルムを着色する、
樹脂フィルム表面上に着色コートを施す、樹脂フィ
ルムをパネルガラスに貼りつけるための粘着剤を着色す
る、のいずれかにより、中央部と周辺部の透過率を均一
化させる方法が開示されているが、やはり重量増加やコ
スト増といった問題があった。
【0003】一方で、画像表示面の平坦化に伴って、外
部像の映り込みが新たな問題となってきている。これ
は、平坦な画像表示面が鏡面のように作用し、外部像が
忠実に再現されて映り込みがより認識されやすくなるこ
とによる。この映り込みを抑えるためには、画像表示面
に反射防止処理を施すのが簡便でかつ効果的である。W
O00/44029号公報では、光吸収膜の上に更に低
屈折率膜を設けて低反射化を図っている。
【0004】しかし、本発明者らによる追試、検討によ
れば、単に低屈折率膜を設けただけでは、画像表示面の
全面にわたり均一に映り込みを抑制することは困難であ
ることが判明した。特に、コンピュータ用ディスプレイ
のように高精密な画像が要求されるCRTでは、画像表
示面における反射率が1.5%以下、特に1.0%以下
であることが好ましいとされているが、このような低反
射率を画像表示面の全面にわたり均一にすることは極め
て困難である。
【0005】図12は、光吸収膜(窒化チタン膜)と低屈
折率膜(酸化ケイ素)とからなる低反射膜を成膜したガ
ラス板について、低反射膜のみの光透過率と、低屈折率
膜側からの光に対する低反射膜の反射率との関係をシミ
ュレーションしたグラフである。このシミュレーション
の結果から、低反射膜のみの光透過率を高めようとする
と、それに伴って反射率も高くなる傾向があり、輝度の
均一化のために光透過率補正を行うと、例えば80%を
超える光透過率に設定すると、上記した低反射率を実現
できないことがわかる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
着色ガラスを用いた場合に中央部、周辺部の輝度差が顕
著になるフラット化パネルガラスであっても、均一な輝
度の画像が良好なコントラストで見えるCRT用パネル
ガラス又はCRTの製造方法を提供することにある。本
発明はまた、特に画像表示面の全面にわたり輝度、コン
トラストが均一であり、かつ反射が少なく映り込みが抑
えられたパネルガラスを提供することを目的とする。本
発明はまた、前記パネルガラスを間便な方法で、低コス
トで得ることが出来るCRT用パネルガラス又はCRT
の製造方法の提供を目的とする。本発明はまた、電磁波
遮蔽性能をも有するCRT用パネルガラス又はCRTの
製造方法の提供を目的とする。本発明はまた、低反射性
能をも有するCRT用パネルガラス又はCRTの製造方
法の提供を目的とする。また、本発明は二重像の発生が
抑制されたCRT用パネルガラス又はCRTの製造方法
の提供を目的とする。また、本発明は上記製法により得
られるCRT用パネルガラス又はCRTの提供を目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は下記に示すCRT用パネルガラス又はC
RTの製造方法及びCRT用パネルガラス又はCRTが
提供されて、本発明の上記目的が達成される。 1)成膜されるCRT用パネル外側面とスパッタターゲ
ットとの間にジャマ板を設置し、スパッタリング法によ
り該パネル外側面上の有効画面面内において下記数式
(1)で定義されるA値が1未満となるように該パネル
外側面上に表面処理膜を施すことを特徴とするCRT用
パネルガラス又はCRTの製造方法。
【0008】
【数2】
【0009】上記数式(1)中:Tg(min)及びT
g(max)はそれぞれCRT用パネル自体の最小透過
率(%)及び最大透過率(%)を示す。Tgf(ma
x)及びTgf(min)はそれぞれCRT用パネルと
表面処理膜を含む一体物の最大透過率(%)及び最小透
過率(%)を示す。 2)成膜粒子を被着させるCRT用パネル外側面領域が
そのCRT用パネルの長手方向にて連続的にその外側面
幅方向の幅を狭から広を経る狭となるような形状のジャ
マ板を用いたことを特徴とする上記1)に記載のCRT
用パネルガラス又はCRTの製造方法。 3)上記2)に記載のジャマ板により成膜された表面処
理膜上にCRT用パネルの長手方向にて連続的にその外
側面幅方向の幅を広から狭を経る広となるような形状の
ジャマ板を用いて成膜粒子を被着させることを特徴とす
る上記1)に記載のCRT用パネルガラス又はCRTの
製造方法。 4)上記3)に記載の製造方法により得られることを特
徴とするCRT用パネルガラス又はCRT。 5)前記有効画面面内において、パネル外側からの入射
光に対する可視光反射率が1.5%以下である上記4)
に記載のCRT用パネルガラス又はCRT。 6)画像表示面が平面を呈し、その中央部におけるパネ
ル自体の光透過率Tg(0)と日本電子機械工業会EI
AJ−2134Bの個別規格で定められた各パネルサイ
ズでのパネル有効面端に相当する対角線上端部における
パネル自体の光透過率Tg(E)とが「Tg(0)≧T
g(E)」となる光透過率分布を有する基材ガラスの前
記画像表示面上に、光吸収膜と、その上に低屈折率膜を
積層した表面処理膜を成膜してなり、かつ画像表示面中
央部における表面処理膜を含めた総合光透過率Tgf
(0)と日本電子機械工業会EIAJ−2134Bの個
別規格で定められた各パネルサイズでのパネル有効面端
に相当する対角線上端部における表面処理膜を含めた総
合光透過率Tgf(E)とが「Tgf(E)/Tgf
(0)≧90%」となる光透過率分布を有し、画像表示
面中央部における低屈折率膜側からの光に対する反射率
Rf(0)と日本電子機械工業会EIAJ−2134B
の個別規格で定められた各パネルサイズでのパネル有効
面端に相当する対角線上端部における低屈折率膜側から
の光に対する反射率Rf(E)とが「|Rf(0)−R
f(E)|≦0.5%」となる反射率分布を有すること
を特徴とするCRT用パネルガラス。 7)Rf(0)及びRf(E)がともに0.7%以下で
あることを特徴とする上記6)に記載のCRT用パネル
ガラス。 8)画像表示面中央部における表面処理膜のみの光透過
率Tf(0)と、日本電子機械工業会EIAJ−213
4Bの個別規格で定められた各パネルサイズでのパネル
有効面端に相当する対角線上端部における表面処理膜の
みの光透過率Tf(E)との差ΔTf=|Tf(0)−
Tf(E)|が、2%以上25%以下であることを特徴
とする上記6)または上記7)に記載のCRT用パネル
ガラス。 9)Tf(0)およびTf(E)が共に60%以上90
%以下であることを特徴とする上記6)〜8)のいずれ
か一項に記載のCRT用パネルガラス。 10)光吸収膜が窒化チタンを主成分とする膜であるこ
とを特徴とする上記6)〜9)のいずれか一項に記載の
CRT用パネルガラス。 11)低屈折率膜がシリカを主成分とする膜であること
を特徴とする上記6)〜10)のいずれか一項に記載の
CRT用パネルガラス。 12)光吸収膜と低屈折率膜との間に、光吸収膜の酸化
を防止する層を介在させたことを特徴とする上記6)〜
11)のいずれか一項に記載のCRT用パネルガラス。 13)光吸収膜の酸化を防止する層の膜厚が画像表示面
中央部と日本電子機械工業会EIAJ−2134Bの個
別規格で定められた各パネルサイズでのパネル有効面端
に相当する対角線上端部とで異なることを特徴とする上
記12)に記載のCRT用パネルガラス。 14)上記6)〜13)の何れか一項に記載のCRT用
パネルガラスを具備することを特徴とするCRT。 15)上記6)〜13)の何れか一項に記載のCRT用
パネルガラスにCRT用各部品を組み付けることを特徴
とするCRTの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、成膜されるCRT用パ
ネル外側面とスパッタターゲットとの間にジャマ板を設
置し、スパッタリング法により該CRT用パネル外側面
上に表面処理膜を施すことを特徴とする。本発明におい
て、CRT用パネルとは、独立したCRT用パネルガラ
ス及びCRTに設けられているパネルガラスを含む。ま
た、CRTとは、完成されたパネルガラスにファンネル
やネックチューブが取り付けられた陰極線管を言う。本
発明において、スパッタリング法が適用される装置は、
固定されたスパッタターゲットを備えると共にCRT用
パネルを移動させてスパッタターゲット前を通過させる
手段を有していることが好ましく、例えば、「イン・ラ
イン」型もしくは「回転ドラム」型が挙げられる。イン
・ライン式の成膜装置は成膜時、CRT用パネルはキャ
リアーと称する基材を搬送させる治具に一定方向に設置
され、必要なカソード前を移動する形で必要な膜が成膜
される。また、回転ドラム型では基板CRT用パネルを
外側に向くように固定した回転ドラムが壁面側に設置さ
れたターゲット前を通過することで成膜される。
【0011】本発明のように所望の形状のジャマ板をC
RT用パネル直前に設置することで、生産性に優れ、安
価に容易に膜厚分布を付けることが出来る。通常、イン
・ライン方式のスパッタ装置はカソードが下側に固定さ
れ、表面処理される面を下になるよう固定されたCRT
用パネルを移動させ、下から上へ成膜するタイプのデポ
・アップ方式ともしくはカソードとCRT用パネルが上
下逆に設置されるデポ・ダウン方式に分けられる。高度
な成膜品質(ゴミ、欠点が極力低減させる必要がある)
が要求される電子部品関連の成膜にはデポ・アップ方式
が有効である。デポ・アップ方式においては、CRT用
パネルとジャマ板は、その長手方向が互いに平行でかつ
水平方向に平行に維持し、かつCRT用パネルは水平方
向に移動しながら、そのCRT用パネル外側面に下方か
つ略垂直方向から成膜粒子を被着させる。また、カソー
ドとCRT用パネルが向かい合う様に設置される“たて
型”方式も高度な成膜品質が要求される成膜に有効であ
る。本発明におけるジャマ板はいずれの場合も、同様に
容易に適用が可能である。使用されるカソードとして
は、マグネトロンタイプのDC(直流)カソード、RF
(高周波)カソードが挙げられる。また、カソードの形
状としては、シリンドリカルタイプなどが挙げられる。
【0012】以下、図1に記載の方法について具体的に
説明するが、この方法はデポ・アップ方式、デポ・ダウ
ン方式にも同様に適用できる。図1の方法は、たて型方
式である。即ち、CRT用パネルとジャマ板は、その長
手方向が互いに平行でかつ重力方向に平行に維持し、か
つCRT用パネルは重力方向に垂直に移動しながら、そ
のCRT用パネル外側面に略垂直方向から成膜粒子を被
着させる方式である。図1において、重力方向が紙面に
平行な方向で高位置5から低位置6の方向であるとする
と、この方法は紙面に略垂直に向かって成膜粒子を飛散
させて、矢印方向にCRT用パネルを移動させつつその
外側面に被着させるものである。ジャマ板の形状は成膜
したい膜厚分布によって形状を変化させることにより決
定される。図3に示す形態の表面処理膜1の膜厚分布
(中央部が厚く、周囲に向かって漸次薄くなる膜厚分
布)をCRT用パネル2の外側面上に得る場合、図1に
示す1対のジャマ板3aの形状を用いれば良い。即ち、
成膜粒子が被着されるCRT用パネル外側面領域4がそ
のCRT用パネルの高位置5から低位置6に連続的にそ
の外側面幅方向の幅Xを図1に示すように狭から広を経
る狭であるようにする形状、所謂そのジャマ板1体の形
状は凹レンズ断面板状である。ジャマ板3aは、上辺
a、長辺b、下辺c及び弧dに囲まれる平面を有する板
である。長辺bはCRT用パネルの長手方向の長さ(長
辺)程度であり、上辺a及び下辺cは、CRT用パネル
の幅方向の長さ(短辺)の1/5〜1/2程度であり、
これら要素と弧dの曲率を種々選択することにより種々
のジャマ板形状が調整される。そして、両ジャマ板3
a,3aは、その弧dを対向させ、間隔(X)がCRT
用パネル2の中央で最大(X1)となり、両端に向かっ
て漸次狭くなる(X2)ようにCRT用パネル2とスパ
ッタリングターゲットとの間に設置される。また、一対
のジャマ板3a,3aは、両者を上辺aおよび下辺cに
おいて連結して一体化してもよい。ジャマ板3aの材質
は、金属からなる、セラミックスからなる、もしくは金
属にセラミックスの表面処理が施されてなることが好ま
しい。金属としては、アルミニウム、ステンレスなど
が、セラミックスとしては、アルミナ(Al23)、窒
化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)などが例示
される。ジャマ板の厚みは、1〜10mm程度である。
図4に示される表面処理膜1は、図3に示される表面処
理膜1上に形成される2層構造とすることが好ましく、
前者を後述の低屈折率膜とし、後者を後述の光吸収膜と
することが好ましく、このような光吸収膜の膜厚分布と
することにより、CRT用パネルの周辺部の透過率Tg
fとその中央部の透過率Tgfの差が極めて小さくなり
全体が均一な透過率Tgfとなる。
【0013】図4に示す形態の表面処理膜1の膜厚分布
(中央部が薄く、周囲に向かって漸次厚くなる膜厚分
布)をCRT用パネル2の外側面上に得る場合、図2に
示す1対のジャマ板3bの形状を用いれば良い。即ち、
成膜粒子が被着されるCRT用パネル外側面領域4がそ
のCRT用パネルの高位置5から低位置6に連続的にそ
の外側面幅方向の幅Xを広から狭を経る広であるように
する形状、所謂そのジャマ板1体の形状は凸レンズ断面
板状である。ジャマ板3bは、長辺bと弧dに囲まれる
平面であって最大幅eを有する板である。長辺bはCR
T用パネルの長手方向の長さ(長辺)程度であり、最大
幅eは、CRT用パネルの幅方向の長さ(短辺)の1/
5〜1/2程度であり、これら要素と弧dの曲率を種々
選択することにより種々のジャマ板形状が調整される。
そして、両ジャマ板3b,3bは、その弧dを対向さ
せ、間隔(X)が基材ガラス11の中央で最小(X1)
となり、両端に向かって漸次広くなる(X2)ようにC
RT用パネル2とスパッタリングターゲット(紙面の手
前側)との間に設置される。上記の図1及び2に示すジ
ャマ板をCRT用パネルの前、即ち成膜粒子の飛散方向
に対向する側にマスクするように設置し、ジャマ板を固
定し整列した多数のCRT用パネルを矢印方向に移動さ
せつつ成膜粒子をCRT用パネル外側面上に被着させる
ことで容易に効率的にしかも歩留まり良く表面処理膜の
膜厚分布を制御出来る。
【0014】ジャマ板の大きさ、形状は成膜範囲とも関
連するがCRT用パネルのサイズ及び有効画面の大きさ
に対応して決定される。通常、成膜範囲は、少なくとも
有効画面をカバーする範囲である。特にCRT用パネル
長手方向の周辺部の表面処理膜の導電層に電極9などを
設置させる場合、意図的にCRT用パネルサイズより小
さめのジャマ板を使用し、長手方向端部の膜厚を意図的
に厚くする場合もある。この端部は後述の有効画面外と
なることが好ましい。電極9は、アースと接続され、チ
ャージをアースに逃し電磁波遮蔽及び帯電防止効果をも
たらす。図6にこのモデル図を示す。上記したようにジ
ャマ板3a、3bの形状については、図1、2に示す様
に、外側面領域4において長手方向に対する幅方向の変
数となる幅X、特に幅X1、幅X2を特定することで作
製される。幅X2の位置は有効画面の長手方向の端部の
位置に対応し、幅X1の位置は有効画面の長手方向の中
央部の位置に対応する。
【0015】以上の記載から、表面処理膜1の膜厚分布
は、キャリアー移動速度、外側面領域への成膜粒子の印
加量、及び幅X(即ち、ジャマ板及びCRT用パネルの
サイズ及び形状)により決まることが分かり、これら変
数を選定することにより所望の膜厚分布が得られる。ジ
ャマ板の設計に際しては、予め成膜速度をガス比、スパ
ッタ時の放電条件である投入パワーなどの因子の影響を
調査する。次にキャリアー(基材ガラス)移動速度との
関係から、最終的に生産性を考慮したキャリアー移動速
度と必要膜厚を成膜するための投入パワーを決定する。
この時、必要とする中央部膜厚(必要とする中央部透過
率Tgf)と必要とする周辺部膜厚(必要とする周辺部
透過率Tgf)および反射特性から両ジャマ板の幅X
1、幅X2が決まり、ジャマ板の全体形状が設計され
る。
【0016】次にジャマ板とCRT用パネル(基材)の
距離であるが、設計したジャマ板形状を効率的に反映さ
せるためにはこの距離は極力近い方が制御しやすい。こ
れはジャマ板とCRT用パネルの間への成膜粒子7の回
り込み8が防げるためである。現実的には成膜時のプラ
ズマによる輻射熱に伴うジャマ板の変形など考慮すると
3mm以上の距離を維持させることが好ましい。逆に、
ジャマ板とCRT用パネルの距離が大きくなると成膜粒
子は回り込みが大きくなり、膜厚制御が難しくなる。現
実的には300mm程度までが制御出来る上限と言え
る。これらの状況は図5(a)、(b)に示す通りであ
る。好ましくは5mm以上、100mm以下である。
【0017】以下、CRT用パネル外側面上に設けられ
る表面処理膜及びそれを製造するためのスパッタリング
法について詳述する。表面処理膜は、例えば下記の構成
を好ましく挙げることができる。 (i)CRT用パネル上に、光吸収膜、低屈折率膜がこ
の順序で形成されている構成。 (ii)CRT用パネル上に、光吸収膜、酸化バリア膜
(光吸収膜の酸化を防止する膜)、低屈折率膜がこの順
序で形成されている構成。 (iii)CRT用パネル上に、光吸収膜、高屈折率
膜、光吸収膜、低屈折率膜がこの順序で形成されている
構成。 すなわち、光吸収膜と低屈折率膜との2層からなり、必
要に応じて、光吸収膜と低屈折率膜との間に酸化バリア
膜を有する構成や、光吸収膜と高屈折率膜と光吸収膜と
低屈折率膜との4層からなり、必要に応じて、光吸収膜
と低屈折率膜との間に酸化バリア層を有する構成、が挙
げられる。本発明においては、特に前者の構成が好まし
い。
【0018】上記光吸収膜としては、その上方に形成さ
れる低屈折率層との光干渉効果により、外光に対する表
面反射率を実質的に低減させる材料を用いることが好ま
しい。このことにより、CRT用パネルの画像のコント
ラストが優れる結果となる。また、光吸収膜は、導電性
であることが好ましい。導電性であることにより、CR
Tでの静電気防止効果や、CRT内部からの電磁波の漏
洩などを防止することとなり好ましい。このような特性
を満たす光吸収膜としては、金、銅、チタン、ジルコニ
ウム、およびハフニウムからなる群から選ばれる少なく
とも1種の金属や、該金属(金は除く)の窒化物を主成
分とするものなどが挙げられる。なかでも、チタン、ジ
ルコニウム、およびハフニウムからなる群から選ばれる
少なくとも1種の金属の窒化物を主成分とするものが、
可視光領域における屈折率および消衰係数の分散関係か
ら好ましく、上層の低屈折率膜との光干渉作用により
(膜側からの光(外光)に対して)可視光領域での低反
射領域が広がるという特長がある。また、チタン、ジル
コニウム、およびハフニウムからなる群から選ばれる少
なくとも1種の金属の窒化物を主成分とする膜は、耐熱
性、耐薬品性、耐擦傷性の観点からも好ましい。
【0019】光吸収膜に2種以上の材料を用いる場合、
(1)複合材料として用いてもよく、(2)異なる材料
からなる膜を合計膜厚(幾何学的膜厚、以下同じ)が好
ましくは5〜25nmとなるように積層して用いてもよ
い。さらに、窒化チタンを主成分とする光吸収膜(以
下、単に窒化チタン膜ともいう)は、その光学定数の可
視光領域における値が低屈折率膜(特にシリカ膜)とよ
くマッチングして反射率を低減させるとともに、吸収係
数の値が適当で、ほどよい光吸収率を得るための膜厚が
数nm〜数十nmの範囲となるため、生産性の点からも
再現性の点からも特に好ましい。
【0020】また、低屈折率膜としては屈折率が1.3
5〜1.7である膜が好ましい。低屈折率膜としてはシ
リカを主成分とする膜(特にシリカ膜)が好ましい。シ
リカ膜の屈折率は、好ましくは1.46〜1.52(特
に好ましくは1.46〜1.47)であり、シリカ膜の
膜厚は、70〜130nmであることが低反射波長域を
可視光領域の中心部に合わせることができることから好
ましい。機械的、化学的耐久性の観点からもシリカ膜は
好ましく用いられる。シリカ膜の膜厚は80nm超12
0nm以下であることが特に好ましい。シリカの膜厚が
80nm以下では長波長側の反射率が大きくなる傾向が
現れ、120nmを超えると短波長側の反射率の立ち上
がりが長波長側にずれてくる傾向がある。
【0021】図8は本発明のパネルガラス10の一実施
形態を示す断面図であるが、基材ガラス11の上に、表
面処理膜を構成する光吸収膜12、低屈折率膜13が順
次成膜されている。基材ガラス11において、画像表示
面11aは、例えば曲率半径10,000mm以上の平
面を呈しており、裏面11bは、中央部の肉厚が最も薄
く、対角線上端部の肉厚が最も厚くなるように湾曲面で
形成されている。そして、このような断面形状とするこ
とにより、この基材ガラス11は、画像表示面11aの
中央部における光透過率Tg(0)と対角線上端部にお
ける光透過率Tg(E)とで Tg(0)≧Tg(E) となる光透過率分布、即ち中央部が最大で、周囲に向か
うのに従って漸次減少する光透過率分布を有する。
【0022】光吸収膜12は、上記の基材ガラス11の
と光透過率分布を補正して、画像表示面11aの全面に
わたり光透過率を均一にし、それにより輝度の均一化を
図るための膜である。これにより、画像のコントラスト
を良好にすることができる。
【0023】CRT用パネル上に光吸収膜を形成した
後、低屈折率膜としてのシリカ膜を成膜する際に該光吸
収膜が酸化する、または、成膜の後、加熱処理において
該光吸収膜が酸化する、という理由で所望の特性が得ら
れない場合がある。そこで、該光吸収膜とシリカ膜との
間に、図10に示すように光吸収膜の酸化を防止する層
(酸化バリア層14)を挿入することにより、成膜時の
酸化を防いだり、耐熱性を向上させることができる。酸
化バリア層は、その下に形成されている別の層の酸化を
防ぐために形成される薄膜であり、光学的には意味を持
たないものである。
【0024】図10では、酸化バリア層14が均一な膜
厚で光吸収膜12の上に成膜されている。また、酸化バ
リア層14には、図13に示すように膜厚分布を持たせ
てもよく、このような膜厚分布は図2に示したようなジ
ャマ板を用いたスパッタリング成膜で実現できる。
【0025】酸化バリア層14としては、各種の金属膜
や金属窒化物膜が好適である。その膜厚は本来の反射防
止性能を損なわないために20nm以下であることが望
ましい。また、この酸化バリア層14の膜厚が1nm未
満であると耐熱性の向上が不充分となる。したがって、
1〜20nmの膜厚の酸化バリア層14を挿入すると耐
熱性を効果的に向上させうることから好ましい。
【0026】上述したように、酸化バリア層14は、光
学的には意味を持たず、光学的には不必要な層であるた
め、この層の挿入により外光に対する反射防止性能が劣
化する場合がある。特に、酸化バリア層14が光吸収性
(例えば光吸収性のケイ素)である場合は、反射防止性
能の観点から酸化バリア層14の厚みはおおむね5nm
以下であることが好ましい。透明な酸化バリア層14を
用いる場合は、この層の屈折率により許容される膜厚が
異なる。屈折率がおよそ2.0の材料(例えば窒化ケイ
素や窒化アルミニウム)を用いた場合に最も許容膜厚が
大きくなり、およそ20nmまでの酸化バリア層を下層
の光吸収膜と上層の低屈折率膜との間に、外光に対する
低反射特性を維持しながら挿入することができる。
【0027】酸化バリア層14としては、光吸収膜とは
異なる組成からなる膜が用いられ、具体的には、クロ
ム、モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、
タンタル、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、アルミ
ニウム、インジウム、スズおよびケイ素からなる群の少
なくとも1種の金属を主成分とする膜またはこれらの窒
化物を主成分とする膜、あるいは、チタン、ジルコニウ
ムおよびハフニウムからなる群の少なくとも1種の金属
を主成分とする膜、を用いると、充分な酸化防止性能の
向上と、優れた反射防止特性の維持を両立させうるので
好ましい。特に、ケイ素を主成分とする膜または窒化ケ
イ素を主成分とする膜は、酸化バリア性能に優れるう
え、上層の低屈折率膜としてシリカ膜を導電性のSiタ
ーゲットを用いてスパッタリング法(反応性スパッタリ
ング法)により成膜する場合は、ターゲット材料を増や
す必要がない点で、生産上有利である。
【0028】特に、光吸収膜12として窒化チタンを主
成分とする膜を用い、低屈折率膜13としてシリカ膜を
用いた場合、酸化バリア層14として窒化ケイ素膜とす
ることにより、窒化チタン膜とシリカ膜との付着力が向
上する効果も得られる。
【0029】表面処理膜(光吸収膜、低屈折率膜または
酸化バリア膜)をCRT用パネル上に形成する手段は、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着
法、CVD法等を用いる。スパッタリング法は、大面積
化が容易で膜厚分布補正のしやすいという利点がある。
スプレー法では膜表面に凹凸が残るため、輝度ムラが生
じるが、スパッタ法によれば膜表面は滑らかで均一な輝
度の画像が得られる。特に、良好な膜質と膜質の均一性
が得られやすく、生産性に優れたイン・ライン型を用い
ることが好ましい。また、特に装置の大型化が容易なD
C(直流)マグネトロン型のスパッタリング法が生産性
の面から好ましい。
【0030】光吸収膜12として金属の窒化物を主成分
とするものを用いる場合、酸化バリア層14として窒化
物を主成分とする膜を用いると、光吸収膜と酸化バリア
層14を同じガス雰囲気中で成膜できる。これは、現実
のスパッタリングによる成膜設備を想定した場合には大
きな長所となる。すなわち、量産性に優れたいわゆるイ
ン・ライン型のスパッタリング装置を考えた場合、これ
らの光吸収膜12と酸化バリア層14とを同一チャンバ
(チャンバAという)内で成膜できる。したがって、ガ
ス分離のためのチャンバは、続いて上層に形成される低
屈折率膜13用のチャンバとチャンバAとの間にのみ設
ければよいことになり、きわめて効率的である。
【0031】特に、光吸収膜として窒化チタンを主成分
とする膜を用い、酸化バリア層として窒化ケイ素膜を用
いかつ低屈折率膜としてシリカ膜を用いた場合、窒化チ
タン膜と最外層のシリカ膜の付着力が向上する効果も得
られる。
【0032】また、光吸収膜12、低屈折率膜13を、
それぞれ上記の膜厚分布を持たせて成膜するには、例え
ばスパッタリングによる成膜を行う場合、膜厚補正板
(マスク、ジャマ板ともいう)を基材ガラス11とスパ
ッタリングターゲットとの間に設置してスパッタリング
を行えばよい。即ち、光吸収膜12を図8に示したよう
に略かまぼこ型に膜厚分布を持たせて成膜するには、例
えば図1に示したような一対で構成されるジャマ板3
a,3aを用いてスパッタリングを行う。尚、同図にお
いて、基材ガラス11(CRT用パネル)は矢印で示す
ように紙面の左側から右側へと移動し、スパッタ粒子は
スパッタリングターゲット(紙面の手前側)から基材ガ
ラス11に向かって略垂直に飛翔するものとする。ま
た、重力は紙面に平行な方向で、かつ紙面上方から紙面
下方へと向かって作用するものとする。
【0033】また、本発明においては、酸化バリア層1
4の膜厚にも分布を与えることにより、一層細かな反射
率の制御が可能になる。その膜厚分布は、低屈折率膜と
略同様であることが好ましい。図11には、酸化バリア
層14として窒化ケイ素膜を選択し、窒化チタン膜をあ
る膜厚としたときに、窒化チタン膜(光吸収膜)と窒化
ケイ素膜(酸化バリア層)とシリカ膜(低屈折率膜)と
からなる低反射膜が最適の低反射性能を発現するシリカ
膜および窒化ケイ素膜の膜厚が示されている。酸化バリ
ア層14の膜厚に分布を持たせる場合は、膜面反射率が
最小となるように、それぞれの膜厚をこのグラフから読
み取り、膜設計を行えばよい。
【0034】本発明により製造されるCRT用パネル
は、有効画面面内の総合透過率分布が上記式(1)で定
義されるA値が1未満、好ましくは0.85以下、より
好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.5以下とな
るように、ガラス上に表面処理膜が施されている。ま
た、本発明においては、有効画面面内において、パネル
外側からの入射光に対する可視光反射率が1.5%以
下、特に0.7%以下であることが好ましい。可視光反
射率はJIS R3106で定義されるものであり、膜
面反射率Rfと同義である。ここで、有効画面とは、日
本電子機械工業会規格EIAJ ED−2136A(ブ
ラウン管用ガラスバルブの有効寸法及び有効面積)の規
定に準拠して定められるものを言う。総合透過率とは、
CRT用パネルと表面処理膜を含む一体物の透過率を言
う。総合透過率をTgfと記す。また、TgはCRT用
パネルの透過率を示し、Tg(max)及びTg(mi
n)はそれぞれCRT用パネル自体の最大透過率及び最
小透過率を示す。Tgf(max)及びTgf(mi
n)はそれぞれCRT用パネルと表面処理膜を含む一体
物の最大透過率及び最小透過率を示す。換言すれば、T
gf(max)及びTgf(min)は総合透過率の最
大値及び最小値を表す。なお、これらはCRT用パネル
の有効画面面内での値である。
【0035】上記式(1)で定義されるA値は、CRT
用パネルの透過率分布の尺度であり、この値が小さいほ
ど本発明のCRT用パネルの透過率分布が表面処理膜に
より改善されたことを示す。A値を求めるための値Tg
(max)は、通常、CRT用パネルの中央部に分布
し、Tg(min)はその周辺部に分布し、その差が大
きい。本発明では、表面処理膜によりCRT用パネル全
面においてTgfの分布差を少なくするもので、Tgf
(max)とTgf(min)との差も小さいという特
徴がある。即ち、本発明ではTg(min)/Tg(m
ax)<Tgf(min)/Tgf(max)の関係が
成立する。A値が1未満となるようにするには、上述し
たようにCRT用パネル自体の透過率分布と逆の透過率
分布を有するような膜厚分布を有する表面処理膜を前記
ジャマ板を設置することによりCRT用パネル外側面上
に成膜する。通常、CRT用パネルの中央、周辺の透過
率差と逆の透過率差を有する図3に示したような表面処
理膜(特に光吸収膜)を少なくとも成膜する。膜厚分布
の形成は、前記方法によりCRT用パネルの長手方向に
おける膜厚分布を付けることができ、総合透過率の面内
分布を小さくすることができる。CRT用パネルの幅方
向に膜厚分布を付けなくても実用上支障はない。
【0036】所望により幅方向の膜厚分布を設けて二次
元的に膜厚分布を付けることもできる。幅方向の膜厚分
布を設ける手法としては、例えば、CRT用パネルの
進行位置とターゲットへの投入電力を連動させて幅方向
の膜厚分布を得る方法、パンチングメタル(またはハ
ニカム)に似た形状のマスクをキャリアに固定し、この
開口率を幅方向で変化させることにより幅方向膜厚分布
を得る方法、などが考えられる。の方法の場合、該マ
スクとCRT用パネルとの距離を長く取って、マスク形
状が十分にぼやけた形でCRT用パネル外側面上での膜
厚に反映されるように工夫する必要がある。また、前
記ジャマ板に二次元的な分布を持たせる形状を設計する
と共に成膜条件を制御することにより膜厚分布を付ける
こともできる。CRT用パネル外側面上にその長手方向
及び幅方向の二次元的な膜厚分布を表面処理膜に設ける
には、カソード側に取り付けた長手方向の膜厚分布形成
用ジャマ板と、上記の方法とを組み合わせて用いるこ
とによって膜厚分布を付ける方法が望ましい。表面処理
膜に二次元的な膜厚分布を付ける方法は、特にCRT用
パネルのガラス厚みが二次元的な分布を有している場合
により効果的である。
【0037】CRT用パネルのガラス厚みが長手方向に
一次元的な分布を有している場合(例えば、シリンドリ
カルタイプのCRT用パネルやCRT用パネルの厚みが
長手方向及び幅方向の二次元的な分布を有している場合
(外側面がフラット状のCRT用パネルの例)でも、前
に述べたカソード側のジャマ板のみによって表面処理膜
に長手方向に一次元的な膜厚分布を付けることができ
る。この場合、長手方向の膜厚に膜厚分布を付けると、
幅方向の膜厚はほぼ一定となる。即ち、図3に示すよう
に、長手方向では膜厚分布が付く一方で、幅方向では膜
厚はほぼ一定となる。すなわち膜厚分布はCRT用パネ
ル外側面に対してその長手方向に沿う垂面による切断面
が幅方向の任意の位置で同一の「かまぼこ型」となり、
一方、幅方向に沿う垂面による切断面がほぼ矩形で、長
手方向の位置により高さが変化する。このように膜厚分
布を設けることによりCRT用パネルの中央部分の透過
率の低減は、その端部に比べてより大きくなり、透過率
の均一化が計られる。
【0038】本発明においては表面処理膜の膜厚に分布
を付けることが本願目的を達成する上で効果的である。
その場合、表面処理膜のうち光吸収膜の膜厚分布を「か
まぼこ型」とすることが好ましい。このような膜厚分布
は、図7に示すように長辺周辺部に電極を設置する場
合、幅方向の端部に相当する周辺部の光吸収膜(導電性
の膜)の膜厚が薄くないので、電磁波遮蔽のために必要
な低抵抗値を維持することができる。電極を設置する部
分の膜の表面抵抗値は1kΩ/□以下であることが好ま
しい。
【0039】反射防止の効果を維持したまま、有効画面
内の総合透過率の均一性をより改良するためには、表面
処理膜(ガラス基体は含まない)の最小透過率Tf(m
in)と表面処理膜の最大透過率Tf(max)との差
が2〜20%の範囲にあることが好ましい。なお、表面
処理膜の透過率Tfは、表面処理膜を構成する前記した
層構造全体の透過率である。ここでTfは、Tgf/T
gで定義される値である。また、Tgf(min)/T
gf(max)が、好ましくは0.8以上、より好まし
くは0.9以上であると、画面内の表示輝度が均一とな
る。
【0040】CRT用パネルの二重像の発生の解消の観
点から、Tg(max)が、70%以下、特に30〜7
0%であることが好ましい。Tg(max)が30%未
満の場合、総合透過率を実用的な値とするためにはTf
を大きくする必要があり、表面処理膜(特に導電性光吸
収膜)は薄膜化されねばならず、導電性の点から好まし
くない。逆に70%超では光吸収膜を厚膜化する必要が
生じ、(ガラス側から見て)ガラス/膜界面からの反射
による二重像の発生が問題となる。更に好ましい範囲と
しては同様の理由からTg(max)は35〜65%、
特に35〜60%の範囲にあることが好ましい。なお、
この場合、輝度、コントラストの観点からTgfを25
〜50%とすることが好ましい。
【0041】CRT用パネルの内側から見た反射率(内
面反射率)は15%以下であることが好ましく、二重像
の発生の解消に役立つ。特に10%以下とすることが好
ましい。なお、この反射は表面処理膜とCRT用パネル
との界面からの反射、及びCRT用パネルと前面の空気
との界面からの反射に起因する総合反射率である。上記
反射率を上記範囲とするには、表面処理膜として、光吸
収膜としての窒化チタンを主成分とする層、さらには該
光吸収膜の上方に低屈折率膜としての酸化ケイ素を主成
分とする層を設けることが好ましい。なお、光吸収膜と
低屈折率膜との間には、酸化バリア層を設けることも好
ましい。また、この膜構成では低屈折率層に(場合によ
り酸化バリア層にも)膜厚分布を付けることが光学特
性、特に可視域における外光に対する低反射性能を維持
するために好ましいが、この場合、低屈折率層は光吸収
層と逆の膜厚分布、即ち図4に示すような膜厚分布を有
していることが望ましい。これは、周辺部で光吸収膜が
薄くなるために分光反射スペクトルが短波長側へずれる
のを、上層の膜厚を厚くすることによって、元へ戻す効
果があるためであり、図2のような形状のジャマ板の使
用で達成される。このように、下層と上層に逆の形の膜
厚分布を持たせることはイン・ライン型のスパッタリン
グ法によって容易に達成することができる。すなわち、
各ターゲットの成膜空間内にそれぞれ固有の膜厚分布を
持たせるためのジャマ板を設置すればよい。上層に下層
(光吸収膜)とは逆の膜厚分布を付けることは、反射色
調の面内均一化や、透過率分布の面内均一化に有効であ
る。上記光吸収膜としての窒化チタンを主成分とする層
は微量の酸素を含むことが好ましい。
【0042】また、Tgf(max)は30〜70%、
特には35〜65%の範囲にあることが好ましい。前記
の構成(i)、(ii)の表面処理膜において、内面反
射率を15%以下とするためには、第1層の光吸収膜の
厚みを30nm以下にする必要があり(膜厚の増加と共
にガラス/表面処理膜界面での反射が大きくなるた
め)、この時Tfはほぼ60%以上となる。一方、膜面
側の低反射特性を維持しながら、表面抵抗値を1kΩ/
□以下とするには第1層の光吸収膜の厚みを5nm以上
とする必要があり、この時Tfはほぼ90%以下とな
る。Tfは特に60〜85%であることが好ましい。
【0043】本発明に用いられるCRT用パネルは、パ
ネル外径が、数式(2)で算出されるR値の5倍以上の
曲率半径であるフラット化CRT用パネルが好適であ
る。 R値(単位:mm)=スクリーン対角長さ(inch)×42.5+45.0 …数式(2) 但し、スクリーン対角長さはデイスプレイの有効画面サ
イズ(inch)である。本発明により製造されたCR
T用パネルは、フラット化CRT用パネルであっても、
上記したように、上記式(1)のA値が1未満となり、
CRT用パネルの透過率が補正されて透過率の均一化が
達成されている。
【0044】本発明により製造されたCRT用パネルを
備えたCRTは、均一な輝度の画像が良好なコントラス
トで見え、二重像が発生することが実質上ない。より好
ましい態様を以下に述べる。
【0045】光吸収膜12は、上記の基材ガラス11と
表面処理膜とを合わせた総合光透過率Tgfにおいて、
画像表示面11aの中央部における総合光透過率Tgf
(0)と、対角線上端部における総合光透過率Tgf
(E)とが、 Tgf(E)/Tgf(0)≧90% となる光透過率分布を持つように、その膜厚が調整され
る。具体的には、図8に示されるような、光吸収膜12
の中央部が最も厚く、周囲に向かうに従って漸次減少す
る、略「かまぼこ型」の膜厚分布を有する。但し、最大
膜厚で数十nm程度とする。
【0046】図9は、ガラス平板上に窒化チタン膜(光
吸収膜)、シリカ膜(低屈折率膜)を順次成膜したサン
プルについて、窒化チタン膜の各膜厚において最適低反
射性能を発現するシリカ膜の膜厚を示す。なお、ここで
の膜透過率Tfはガラス自身の光透過率Tgを測定した
後、総合光透過率Tgfを測定し、Tf=Tgf/Tg
により求められたものである。上記結果によれば、例え
ば、膜透過率78%が必要な場合、窒化チタン膜の膜厚
を約5nmとし、シリカ膜の膜厚を約96nmとすれ
ば、最適低反射性能を発現する。また、別の例では、膜
透過率68%が必要な場合、窒化チタン膜の膜厚を約1
0nmとし、シリカ膜の膜厚を約92nmとすればよ
い。
【0047】このシミュレーション結果を、図8に示し
た膜厚分布を有する光吸収膜12に適用すると、図示さ
れるように、この低屈折膜13は、画像表示面11aの
中央に位置し、最も肉厚の光吸収膜12の上で最も薄
く、対角線上端部に向かうほど厚くなるような膜厚分布
をとるようになる。
【0048】上記のように、光吸収膜12および低屈折
率膜13を、それぞれ膜厚分布を持たせて成膜すること
により、光透過率が画像表示面11aの全面にわたりほ
ぼ一定で、かつ画像表示面11aの中央部における膜面
反射率Rf(0)と、対角線上端部における膜面反射率
Rf(E)とが |Rf(0)−Rf(E)|≦0.5% となる、即ち画像表示面11aの全面にわたり反射率が
ほぼ一定のパネルガラスが得られる。
【0049】また、光吸収膜12および低屈折率膜13
の膜厚を調整して、下記の特性値を得ることが本発明に
おいて特に好ましい。このような要件を更に満足するこ
とにより、輝度のむらや映り込みをより抑制して、優れ
た画像を表示することができるようになる。Rf(E)
は、白色燈の画面上での反射が気にならない程度とし
て、1.5%以下、特に0.7%以下であることが実用
上求められる。ΔTfの数値は2%以上25%以下が好
ましい。2%未満では透過率補正効果が充分でなく、2
5%超では色ムラなどの問題が顕在化する傾向にある。
窒化チタン膜とシリカ膜とを用いた膜構成においては、
Tfの範囲は60%以上90%以下であることが好まし
い。60%未満では基材ガラス側からの反射が高くなり
二重像の問題が生じやすく、90%超では低反射性能が
充分でない傾向にある。
【0050】上記した本発明のパネルガラス10は、例
えばコンピュータ用ディスプレイなどのCRTに適用す
ることができ、本発明のパネルガラスを備えたCRT
は、画像表示面の全面にわたり輝度、コントラストが均
一であり、かつ反射が少なく映り込みが抑えられて、優
れた画像を表示する。
【0051】本発明は、上記したパネルガラスを用いて
CRTを製造する方法にも関する。すなわち、予め上記
パネルガラス(表面処理膜が表面に成膜されたパネルガ
ラス)を作製しておき、該パネルガラスの内面にブラッ
クマトリックス、蛍光体、アルミバッグを塗布し、これ
にCRT用各部品(ファンネルガラス、電子銃、ネック
チューブ)を組み付けることによりCRTを作製する。
【0052】あるいは、CRTの製造に際して、内面に
ブラックマトリックス、蛍光体、アルミバッグが塗布さ
れたパネルガラスにCRT用各部品(ファンネルガラ
ス、電子銃、ネックチューブ)が組み付けられ完成した
CRTの画像表示面(パネルガラスの外面)に上記の如
く表面処理膜を成膜してもよい。
【0053】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲は実施例により制限されることは
ない。以下の実施例において、透過率は、以下の方法で
測定した。空気による透過率が100%となるように補
正された透過率計で、Tg、Tgfが測定され、Tfは
Tgf/Tgの算出に基づき測定数値として得た。反射
率は大塚電子製MPCD反射率測定機により測定した。
【0054】例1 19インチサイズのテイント素地を用いた場合のフラッ
トパネルガラス(長手方向:400mm、幅方向:30
0mm、R値:850mm、パネル外径:4300m
m)はパネル中央部のガラス自身の透過率は45.8%
で有効画面面内周辺指定位置(パネル中央部座標をx=
y=0とした時の座標位置x=±155mm,y=±9
0mm)でのガラス透過率は40.0%である。さら
に、有効面端部(x=±180mm,y=±135m
m)でのガラス透過率は38%である。このパネルガラ
スの場合、最終総合透過率(ガラス+表面処理膜込みの
透過率)はCRTとしての輝度比、コントラスト向上の
為、表面処理後のパネルガラス各位置での総合透過率を
37.0%になるように設計する。膜透過率はシミュレ
ーションの結果、中央部=約81%、周辺指定位置(周
辺部)=約92.5%、有効面端部=97%となる。こ
こではこの透過率補正を行う必要及び良好な低反射性能
を発現させる必要から、ガラス基材上にガラス側から窒
化チタン膜(透過率補正用導電膜)/窒化ケイ素膜(酸
化防止膜)/シリカ膜(低反射性能発現、耐久性改善
膜)をこの順に成膜することとした。この場合、使用す
るターゲットは窒化チタン膜用にTiターゲット、窒化
ケイ素膜及びシリカ膜用には多結晶Siターゲットを準
備した。まず、透過率補正を行うための第1層目の窒化
チタン膜の厚みを制御することで、中央部の膜透過率=
81%、周辺部指定位置での膜透過率=92%、有効面
端部=97%となるように成膜する。この総合透過率分
布が各場所でおおよそ37.0%一定となるようにジャ
マ板形状をシミュレーションにより設計した。また、こ
こではパネルガラスの表面(外側表示面)からジャマ板
までの距離は30mmとした。また、図1に示したよう
に長辺bはパネルガラス長手方向の長さと同じ長さ40
0mmに上下各20mmを加えた440mm、上辺aお
よび下辺cは各々100mmとり、かつ弧dの曲率半径
=約400mmの形状を有するジャマ板1対をイン・ラ
インタイプのたて型スパッタ装置の各カソードとパネル
ガラスの間にX1が300mm、X2が200mmとな
るように設置する。即ち、パネルガラスとジャマ板は、
その長手方向が互いに平行でかつ重力方向に平行に維持
し、かつパネルガラスは重力方向に垂直に移動しなが
ら、そのパネルガラス外側面に略垂直方向から成膜粒子
を被着させるようにパネルガラス及びジャマ板の設置方
向はたて置きとした。ジャマ板の該曲率半径は適用する
CRT用パネルのガラス透過率分布により決定した。こ
こではいずれも一律の曲率半径を有するアルミニウムか
らなるジャマ板を採用した。2.66×10-3Paまで
真空引きした後、Arガス=200sccm、N2ガス
=150sccm導入し、放電圧力0.332Paに設
定し、DCマグネトロンカソードにより投入パワー=
9.2kW、CRT用パネルの搬送速度は約1.0m/
分で第1層目の窒化チタン膜(微量の酸素を含む)を成
膜した。この時の中央部の窒化チタン膜厚は約7nm、
周辺部膜厚は約4nm、有効面端部膜厚は約2nmとし
た。第2層目及び3層目の窒化ケイ素膜及びシリカ膜は
最終的な低反射性能を発現させるために第1層目と同様
に最適なジャマ板設計が必要となる。ジャマ板形状並び
に第2層目及び3層目の成膜条件については以下の表1
に整理する。ジャマ板は、図2に示す形状と同様のもの
を第2層目及び3層目の各膜の形成に各々1対用いた。
第2層目の中央部の窒化ケイ素膜厚は約3nm、周辺部
膜厚は約5nm、有効面端部膜厚は約6nmとした。第
3層目の中央部のシリカ膜厚は約96nm、周辺部膜厚
は約105nm、有効面端部膜厚は約110nmとし
た。
【0055】
【表1】
【0056】これらの条件で作製した透過率補正CRT
用パネルの膜特性は以下の通りである。 中央部 周辺部 有効面端部 総合透過率 37.0% 36.8% 36.5% 平均反射率(450-650nm) 0.35% 1.2% 1.5% 最大反射率( 〃 ) 1.5% 2.5% 3.1% 可視光反射率 0.3% 1.1% 1.4% 表面抵抗値( Ω/□ ) 250Ω/□ 550Ω/□ 770Ω/□ 本発明品でのCRTの特性は従来の中央と周辺の輝度比
が改善され、コントラストも良好で、また二重像の発生
もなかった。表2及び表3に従来品(比較例)と本発明
品におけるCRT用パネル各場所でのガラスと表面処理
膜を含めた総合透過率等の結果を整理した。尚、従来品
は、膜分布を補正せず、第1層の膜厚を約7nm、第2
層の膜厚を約3nm及び第3層の膜厚を約96nmとし
た均一な膜厚で成膜した以外は上記と同様にCRT用パ
ネルを作製した。また、中間部とは、座標位置x=±1
00mm,y=±60mmである。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】また、上記フラットパネルガラスに代え
て、同サイズのCRTに上記と同様の処理を施した本発
明品及び比較品も上記と同様の結果が得られた。上記フ
ラットパネルガラスに代えて、長手方向:420mm、
幅方向:335mm、R値:850mm、パネル外径:
4300mmであって、各位置におけるガラス透過率は
上記フラットパネルガラスと同じであるフラットパネル
ガラスを用いて、上記と同様の処理を施した結果、上記
と同様の結果が得られた。なお、用いたジャマ板の長辺
bは460mmとした。また、上記の“たて型”のスパ
ッタにかえて、デポ・アップ方式のスパッタで行ったと
ころ同様の結果が得られた。
【0060】例2 19インチサイズのテイントガラス素地からなるフラッ
トパネル(長径部:430mm、短径部:300mm、
画像表示面の曲率半径:4300mm,裏面の曲率半
径:850mm)を基材ガラスとして用いた。この基材
ガラスの画像表示面の中央部(対角線の交点)における
光透過率Tg(0)は53.6%で、前記中央部の座標
をx=y=0としたときの座標位置x=±162mm、
y=±117mmにおける点(以下、「有効面端部」と
呼ぶ)での光透過率Tg(E)は45.0%であった。
そして、この基材ガラスを用いて、最終的な表面処理膜
を含めた総合光透過率Tgfが、中央部でのTgf
(0)が40.0%で、有効面端部でのTgf(E)が
36.5%となるように膜設計を行った。図9に示した
ように、表面処理膜の膜透過率Tfは、中央部でのTf
(0)が74.6%で、有効面端部でのTf(E)が8
1.1%である。また、光吸収膜として窒化チタン膜を
選択し、低屈折率膜としてシリカ膜を選択し、酸化バリ
ア層として窒化ケイ素膜を選択した。
【0061】先ず、窒化チタン膜を、画像表示面の中央
部での膜厚が約7.5nm(膜自体の透過率=75%)
で、有効面端部での膜厚が約4.8nm(膜自体の透過
率=80%)となるように、中央部から有効面端部まで
一様に膜厚が減少するように成膜した。次いで、窒化チ
タン膜の全面に、窒化ケイ素膜を3nmの膜厚で均一に
成膜した。その上に、シリカ膜を中央部での膜厚が約9
3nm、有効面端部での膜厚が約98nmとなるよう
に、中央部から有効面端部まで一様に膜厚が増加するよ
うに成膜した。
【0062】成膜は、連続成膜可能なインライン型スパ
ッタ装置を用いて行った。第1の成膜チャンバには、金
属チタンターゲットと金属シリコンとを配置し、またD
Cマグネトロンプレーナタイプのターゲットとした。先
ず、基材ガラスを第1の成膜チャンバに設置した後、全
体の背圧を2.7×10-3Paまで真空引きした。次い
で、チャンバ内に放電ガスとしてアルゴンを200sc
cm、窒素ガスを70sccm導入し、放電圧力として
0.33Paにコンダクタンスを設定した。その後、チ
タンターゲットに9.3kWの直流電圧(電力密度は約
4.0W/cm2)を印加して窒化チタン膜を成膜し、
続けて、同じ雰囲気でシリコンターゲットに13.5k
Wの直流電圧を印加して窒化ケイ素膜を成膜した。この
ときの基材ガラスの搬送速度は約1.00m/分とし
た。なお、窒化チタン膜の成膜には、図1に示すような
ジャマ板を用いた。
【0063】次に、窒化チタン膜および窒化ケイ素膜を
成膜した基材ガラスを、金属シリコンターゲットを配置
した第2の成膜チャンバに移送し、この第2の成膜チャ
ンバ全体の背圧を2.5×10-3Paまで真空引きし
た。次いで、チャンバ内に放電ガスとしてアルゴンを2
00sccm、酸素ガスを150sccm導入し、放電
圧力として0.33Paにコンダクタンスを設定した。
その後、シリコンターゲットにAC電源を用いて周波数
約40kHzの電力を印加してシリカ膜を成膜した。こ
のときの基材ガラスの搬送速度は約1.00m/分とし
た。なお、成膜に際して、図2に示すようなジャマ板を
用いた。
【0064】得られたパネルガラスについて、膜面反射
率Rfを測定したところ、中央部でのRf(0)が0.
1%であり、有効面端部でのRf(E)が0.4%であ
った。
【0065】以下に、例2で作製されたパネルガラスの
表面処理膜の構成およびその膜厚分布、並びに光学特性
を列記する。 中央部 有効面端部 座標 x=y=0 x=±162mm,y=±117mm [基材ガラス] ガラス素地 テイント素地(EIAJで規定されているガ ラスコードH5702の素地) 基材ガラスの光透過率Tg(%) 53.6 45.0 [表面処理膜構成と膜厚(nm)] 窒化チタン膜 7.5 4.8 窒化ケイ素膜 3.0 3.0 シリカ膜 93.0 98.0 総合光透過率Tgf(%) 40.0 36.5 膜透過率Tf(%) 74.6 81.1 ΔTf(%) 6.5 膜面反射率Rf(%) 0.1 0.4 ΔRf(%) 0.3
【0066】上記の例において、有効面端部がx=±1
85mm、y=±135mmである設計に変更して上記
と同様に行ったところ、同様の結果が得られた。
【0067】例3 基材ガラスの肉厚分布が異なる以外は、例2と同様の基
材ガラスを作製した。そして、最終的な表面処理膜を含
めた総合光透過率Tgfが、中央部でのTgf(0)が
40.0%で、有効面端部でのTgf(E)も40.0
%と同一になるように、画像表示面の上に窒化チタン
膜、窒化ケイ素膜およびシリカ膜を、膜厚を下記に示す
ように調整して成膜した。例3においては、下記に示す
ように窒化ケイ素膜にも図13に示すような膜厚分布を
持たせた。成膜は例2と同一のインライン型スパッタ装
置を用い、窒化ケイ素膜の成膜時にシリカ膜の成膜時に
使用したジャマ板を用いた以外は同様の成膜条件により
各膜を成膜した。
【0068】以下に、例3で作製されたパネルガラスの
表面処理膜の構成およびその膜厚分布、並びに光学特性
を列記する。 中央部 有効面端部 座標 x=y=0 x=±162mm,y=±117mm [基材ガラス] ガラス素地 テイント素地(EIAJで規定されているガ ラスコードH5702の素地) 基材ガラスの光透過率Tg(%) 52.4 46.0 [表面処理膜構成と膜厚(nm)] 窒化チタン膜 7.8 2.0 窒化ケイ素膜 3.0 30.0 シリカ膜 94.0 102.0 総合光透過率Tgf(%) 40.0 40.0 膜透過率Tf(%) 76.4 87.0 ΔTf(%) 10.6 膜面反射率Rf(%) 0.2 0.6 ΔRf(%) 0.4
【0069】上記の例において、有効面端部がx=±1
85mm、y=±135mmである設計に変更して上記
と同様に行ったところ、同様の結果が得られた。
【0070】上記、例2および例3で作製したパネルガ
ラスを用いて実際にCRTを作製し、画像を表示したと
ころ、画像表示面の全面にわたり輝度、コントラストが
均一で、しかも外部像の映り込みも少なく、見やすい画
面であった。
【発明の効果】本発明は、フラット化CRT用パネルで
あっても、均一な輝度の画像が良好なコントラストで見
えるCRT用パネルを簡便な方法で低コストで得ること
ができる。本発明によれば、また、電磁波遮蔽性能や低
反射性能をも有するCRT用パネルも提供できる。さら
に、二重像の発生も抑制されたCRT用パネルも提供で
きる。さらに、映り込みも少ないCRT用パネルも提供
できる。また、本発明により得られるCRT用パネル
は、上記の優れた特性を有するCRTを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ジャマ板の形状及びジャマ板とCRT用パネル
の位置関係及び本発明の製法例を説明するための図。
【図2】ジャマ板の形状及びジャマ板とCRT用パネル
の位置関係及び本発明の製法例を説明するための図。
【図3】図1に示すジャマ板により成膜される表面処理
膜の長手方向に沿う垂直面による断面形状を説明するた
めの断面図。
【図4】図2に示すジャマ板により成膜される表面処理
膜の長手方向に沿う垂直面による断面形状を説明するた
めの断面図。
【図5】ジャマ板とCRT用パネル(基材)の距離の大
きさの違いによる成膜粒子のCRT用パネルに対する挙
動の相違を説明するための図。
【図6】CRT用パネルサイズより小さめのジャマ板を
使用し、長手方向端部に電極が設けられることを説明す
るための図。
【図7】CRT用パネルの長辺周辺部に電極が設けられ
ることを説明するための図。
【図8】本発明のガラスパネルの一実施形態を示す断面
図である。
【図9】シリカ膜(低屈折率膜)の膜厚による光透過率
の変化をシミュレーションしたグラフである。
【図10】本発明のガラスパネルの他の実施形態を示す
断面図である。
【図11】窒化ケイ素(酸化バリア層)の膜厚による光
透過率の変化をシミュレーションしたグラフである。
【図12】窒化チタン膜(光吸収膜)とシリカ膜(低屈
折率膜)とを成膜したガラス板の光透過率と膜面反射率
との関係をシミュレーションしたグラフである。
【図13】本発明のガラスパネルの更に他の実施形態を
示す断面図であり、同時に例3で作製したパネルガラス
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表面処理膜 2 CRT用パネル 3、3a、3b ジャマ板 4 外側面領域 5 高位置 6 低位置 7 成膜粒子 8 回り込み 9 電極 a 上辺、b 長辺、c 下辺、d 弧、e 最大幅 10 パネルガラス 11 基材ガラス 12 光吸収膜 13 低屈折率膜 14 酸化バリア層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C03C 17/36 G02B 1/10 Z (72)発明者 尾山 卓司 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 水上 準之助 千葉県船橋市北本町1丁目10番1号 旭硝 子株式会社内 (72)発明者 志堂寺 栄治 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 池沢 利一 千葉県船橋市北本町1丁目10番1号 旭硝 子株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA05 AA06 BB02 CC02 CC14 CC42 DD04 EE00 4G059 AA07 AB17 AC04 DA02 DA03 DA04 DA05 DA07 DA08 DA09 EA05 EA12 GA02 GA05 GA12 GA14 5C028 AA10 5C032 AA02 DD02 DE05 DF05 DG01

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成膜されるCRT用パネル外側面とスパッ
    タターゲットとの間にジャマ板を設置し、スパッタリン
    グ法により該パネル外側面上の有効画面面内において下
    記数式(1)で定義されるA値が1未満となるように該
    パネル外側面上に表面処理膜を施すことを特徴とするC
    RT用パネルガラス又はCRTの製造方法。 【数1】 上記数式(1)中:Tg(min)及びTg(max)
    はそれぞれCRT用パネル自体の最小透過率(%)及び
    最大透過率(%)を示す。Tgf(max)及びTgf
    (min)はそれぞれCRT用パネルと表面処理膜を含
    む一体物の最大透過率(%)及び最小透過率(%)を示
    す。
  2. 【請求項2】成膜粒子を被着させるCRT用パネル外側
    面領域がそのCRT用パネルの長手方向にて連続的にそ
    の外側面幅方向の幅を狭から広を経る狭となるような形
    状のジャマ板を用いたことを特徴とする請求項1に記載
    のCRT用パネルガラス又はCRTの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のジャマ板により成膜され
    た表面処理膜上にCRT用パネルの長手方向にて連続的
    にその外側面幅方向の幅を広から狭を経る広となるよう
    な形状のジャマ板を用いて成膜粒子を被着させることを
    特徴とする請求項1に記載のCRT用パネルガラス又は
    CRTの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の製造方法により得られる
    ことを特徴とするCRT用パネルガラス又はCRT。
  5. 【請求項5】前記有効画面面内において、パネル外側か
    らの入射光に対する可視光反射率が1.5%以下である
    請求項4に記載のCRT用パネルガラス又はCRT。
  6. 【請求項6】画像表示面が平面を呈し、その中央部にお
    けるパネル自体の光透過率Tg(0)と日本電子機械工
    業会EIAJ−2134Bの個別規格で定められた各パ
    ネルサイズでのパネル有効面端に相当する対角線上端部
    におけるパネル自体の光透過率Tg(E)とが「Tg
    (0)≧Tg(E)」となる光透過率分布を有する基材
    ガラスの前記画像表示面上に、光吸収膜と、その上に低
    屈折率膜を積層した表面処理膜を成膜してなり、かつ画
    像表示面中央部における表面処理膜を含めた総合光透過
    率Tgf(0)と日本電子機械工業会EIAJ−213
    4Bの個別規格で定められた各パネルサイズでのパネル
    有効面端に相当する対角線上端部における表面処理膜を
    含めた総合光透過率Tgf(E)とが「Tgf(E)/
    Tgf(0)≧90%」となる光透過率分布を有し、画
    像表示面中央部における低屈折率膜側からの光に対する
    反射率Rf(0)と日本電子機械工業会EIAJ−21
    34Bの個別規格で定められた各パネルサイズでのパネ
    ル有効面端に相当する対角線上端部における低屈折率膜
    側からの光に対する反射率Rf(E)とが「|Rf
    (0)−Rf(E)|≦0.5%」となる反射率分布を
    有することを特徴とするCRT用パネルガラス。
  7. 【請求項7】Rf(0)及びRf(E)がともに0.7
    %以下であることを特徴とする請求項6に記載のCRT
    用パネルガラス。
  8. 【請求項8】画像表示面中央部における表面処理膜のみ
    の光透過率Tf(0)と、日本電子機械工業会EIAJ
    −2134Bの個別規格で定められた各パネルサイズで
    のパネル有効面端に相当する対角線上端部における表面
    処理膜のみの光透過率Tf(E)との差ΔTf=|Tf
    (0)−Tf(E)|が、2%以上25%以下であるこ
    とを特徴とする請求項6または請求項7に記載のCRT
    用パネルガラス。
  9. 【請求項9】Tf(0)およびTf(E)が共に60%
    以上90%以下であることを特徴とする請求項6〜8の
    いずれか一項に記載のCRT用パネルガラス。
  10. 【請求項10】光吸収膜が窒化チタンを主成分とする膜
    であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に
    記載のCRT用パネルガラス。
  11. 【請求項11】低屈折率膜がシリカを主成分とする膜で
    あることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一項に
    記載のCRT用パネルガラス。
  12. 【請求項12】光吸収膜と低屈折率膜との間に、光吸収
    膜の酸化を防止する層を介在させたことを特徴とする請
    求項6〜11のいずれか一項に記載のCRT用パネルガ
    ラス。
  13. 【請求項13】光吸収膜の酸化を防止する層の膜厚が画
    像表示面中央部と日本電子機械工業会EIAJ−213
    4Bの個別規格で定められた各パネルサイズでのパネル
    有効面端に相当する対角線上端部とで異なることを特徴
    とする請求項12に記載のCRT用パネルガラス。
  14. 【請求項14】請求項6〜13の何れか一項に記載のC
    RT用パネルガラスを具備することを特徴とするCR
    T。
  15. 【請求項15】請求項6〜13の何れか一項に記載のC
    RT用パネルガラスにCRT用各部品を組み付けること
    を特徴とするCRTの製造方法。
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