JP2002228907A - 複合光学部材 - Google Patents

複合光学部材

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JP2002228907A
JP2002228907A JP2001026443A JP2001026443A JP2002228907A JP 2002228907 A JP2002228907 A JP 2002228907A JP 2001026443 A JP2001026443 A JP 2001026443A JP 2001026443 A JP2001026443 A JP 2001026443A JP 2002228907 A JP2002228907 A JP 2002228907A
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JP2001026443A
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Toshihiro Kanematsu
俊宏 金松
Hidenobu Kishi
秀信 岸
Katsuyuki Okubo
克之 大窪
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】材料が互いに異なる光学部品と筐体とを摺動可
能に組み合わせた複合光学部材について、振動等で位置
ズレを生じて複合光学部材の光学特性が損なわれること
がないように光学部品を筐体にしっかり保持させるとと
もに、光学部品と筐体の熱膨脹差に因って光学特性が低
下することがないように、光学部品に対する筐体による
保持、そのための保持機構を工夫すること。 【解決手段】材料が異なる光学部品と筐体とを摺動可能
に組み合わせた複合光学部材を前提として、上記光学部
品と筐体間の摺動抵抗を、F≦a/b×S×Eとなるよ
うにしたこと。ただし、上記のSは光学部品の光学部の
断面積、Eは光学部品の材料の縦弾性係数、aは温度変
化による、筐体に対する光学部品の長さb当たりの許容
限界線膨脹差。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラスチックレン
ズ、プラスチックミラーなどの光学素子の高精度プラス
チック成形品に関するものであり、光複写機、ファクシ
ミリ、固体走査型プリンタ、画像読取り装置等の光走査
系に用いられるプラスチックレンズ、プリズム、ミラー
等の複合光学部材に利用することができるものである。
【0002】
【従来技術】プラスチックレンズと筐体とを組合せた複
合長尺部材の形状精度を保持するためには、少なくとも
温度変化による変形を考慮する必要がある。特に異材質
を組み合わせた複合光学部材において顕著である。長尺
なプラスチックのレンズ部材はそれ自体強度が小さいこ
とと、真直度を出す加工が非常に難しい、それ故、レン
ズ部材の曲がりの矯正や真直度を維持するための強度が
強い部材(筐体)との組み合わせが必要となる(図1
(a))。レンズ部材1と筐体2を非常に緩く組合せた
場合、図1(b)のようにレンズ部材が傾いたり、図1
(c)のように曲がったりしてしまう。逆に、堅く組合
せてレンズ部材1と筐体2を強く固定した場合は、温度
変化によるレンズ部材1と筐体2との線膨張差、強度差
によってレンズ部材1に内部歪みが発生し、図1(d)
のように鏡面形状が崩れてしまう。
【0003】上記のような不都合に対する対策の1つと
して、特開平11−191827号公報に記載されたも
の(「読取り装置」)の様に、バネなどでレンズ部材を
筐体に押さえて矯正する方法がある。しかし、この従来
技術によると、バネなどの部品点数が増えるため、コス
ト高となる。また、他の特開平8−281763号公報
に記載されているもの(「複合長尺材及びその製造方
法」)では被曲げ部を有する複合長尺部材の接合部に潤
滑面を有する係合部を設け、変形を抑える方法を採用し
ている。しかし、この従来技術においては、潤滑部の摩
耗粉等の異物の逃げ場が無いので、これが摺動部に噛み
込まれて複合部材の摺動部は固着されてしまうおそれが
ある。さらに、特開平11−254481号公報に記載
されているもの(「アウトサート成形部材」)は、複数
の壁部を設けて変形を低減するアウトサート成形部材で
あるが、光学素子の場合壁部を設けることが出来ないの
でこれを適用することはできない。
【0004】
【解決しようとする課題】この発明は、材料が互いに異
なる光学部品と筐体とを摺動可能に組み合わせた複合光
学部材について、振動等で位置ズレを生じて複合光学部
材の光学特性が損なわれることがないように光学部品を
筐体にしっかり保持させるとともに、光学部品と筐体の
熱膨脹差に因って光学特性が低下することがないよう
に、光学部品に対する筐体による保持、そのための保持
機構を工夫することをその課題とするものである。
【0005】
【課題解決のために講じた手段】上記課題を解決するた
めに講じた手段は、材料が異なる光学部品と筐体とを摺
動可能に組み合わせた複合光学部材を前提として、上記
光学部品と筐体間の摺動抵抗を、F≦a/b×S×Eと
なるようにしたことである。ただし、上記のSは光学部
品の光学部の断面積、Eは光学部品の材料の縦弾性係
数、aは温度変化による、筐体に対する光学部品の長さ
b当たりの許容線膨脹差(許容歪み)である。
【0006】
【作用】上記光学部品と筐体間の摺動抵抗を、F≦a/
b×S×Eとなるようにしたことで、光学部品と筐体に
全く遊びのない状態でしっかりと保持されるから、遊び
のために光学部品が筐体に対して傾いたり、変形した
り、位置ズレを生じたりすることはない。他方、光学部
品の光学部の断面積S、光学部品の材料の弾性率(縦弾
性係数)をEとし、光学部品長さb当たりaだけ歪ませ
る力Fを計算すると、上記力F=a/b×S×Eであ
る。温度変化のための光学部品と筐体との線膨脹差(単
位長さ当たりの線膨脹差)が上記aに達し、かつ光学部
品が筐体に固着されていると、補強部材である筐体の方
が強度が大であるからから、上記力Fによって光学部品
の内部歪みが光学特性維持の観点からの許容限界に達す
る。この内部歪みによって光学部品に許容限度以上の光
学性能低下をもたらするので、光学部品を筐体に対して
滑らせて、熱膨脹差による上記内部歪みを回避する必要
がある。この膨張差を滑りで逃がすとすれば、摺動面の
摺動抵抗がこの値F以下であることが必要である。1例
を上げて具体的にいえば、レンズ部の断面積S=16m
、プラスチックの弾性率をE=0.25×1010
[Pa],a/b=0.001を代入すると、F=4
[N](N:力の単位で「ニュートン」)の摺動抵抗で
あり、この値以下の摺動抵抗が必要となる。そして、上
記摩擦抵抗Fの必要な下限値は、振動等に対して光学部
品を安定的に筐体に保持させるために必要な結合力であ
り、上記摺動抵抗力の上限値Fに比して著しく小さく、
個々の複合光学部材の種類、複合光学部材が使用される
光学機器の種類によって様々に異なる。したがって、上
記摺動抵抗の下限値は個々に定められるべきものであ
る。
【0007】
【実施態様1】実施態様1は、材料が異なる光学部品と
筐体とを摺動可能に組み合わせた複合光学部材につい
て、光学部品と筐体とを1箇所で固定し、他の部分にお
ける摺動部の摺動抵抗を、F=a/b×S×E未満にし
たことである。
【作用】光学部品と筐体とを1箇所で固定したため、温
度変化による膨脹収縮を繰り返しても、光学部品が筐体
に対して位置ズレを生じることはなく、また、他の部分
における摺動部の摺動抵抗を、F=a/b×S×E未満
にしたことで、上記解決手段におけると同様に、温度変
化による光学部品と筐体との間の熱膨張差が、光学部品
と筐体との滑りによって逃がされるから、上記熱膨張差
によって光学部品に内部歪みを生じることはない。
【0008】
【実施態様2】実施態様2は、光学部品と筐体とを摺動
可能に組み合わせた上記解決手段または実施態様1によ
る複合光学部材について、光学部品と筐体との摺動面の
いずれか一方にスライド溝を設け、他方に接触突起を設
けて上記スライド溝に嵌めて1方向にのみ摺動可能に圧
接させたことである。
【作用】光学部品と筐体との摺動面のいずれか一方にス
ライド溝を設け、他方に接触突起を設けて上記スライド
溝に嵌めて1方向にのみ摺動可能に圧接させたことで、
光学部品はスライド溝の方向(長尺方向)において筐体
に対して直線的に摺動することが可能であるが、スライ
ド溝に対して直角の方向(短尺方向)には、接触突起と
上記スライド溝との係合によって筐体に保持されるか
ら、光学部品が筐体に対して横方向の位置ズレを生じる
ことはない。
【0009】
【実施態様3】上記解決手段、実施態様1又は実施態様
2の複合光学部材について、その光学部品と筐体の摺動
面のいずれかに接触突起を設け、当該接触突起の弾性変
形による弾力で摺動面を圧接して摺動抵抗を生じさせ、
当該摺動抵抗が上記摺動抵抗以下になるようにしたこと
である。
【作用】上記光学部品を筐体に嵌め込んで組み付けた状
態での上記接触突起の変形による弾力で上記摺動面の摺
動抵抗を生じさせるのであるから、この摺動抵抗の大小
を接触突起の高さを加減することにより、比較的簡単容
易に所定の値に規定することができる。
【0010】
【実施態様4】実施態様4は、上記解決手段、実施態様
1乃至実施態様3による複合光学部材について、その光
学部品のリブを筐体の保持部で挟んで摺動可能に保持さ
せ、上記リブと上記保持部との間の隙間を50μm以下
にしたことである。
【作用】光学部品のリブと筐体11の保持部の滑合部の
クリアランスが大きいと、光学部品に局部的な傾きや曲
がりが生じ、これが光学特性に影響を及ぼす。しかし、
上記クリアランスを50μm以下にすることにより、上
記の局部的な傾きや曲りが許容限度以内に抑制されるの
で、上記の局部的な傾きや曲りのために光学部品の光学
特性が損なわれることはない。
【0011】
【実施例】1.実施例1 次いで、図2,図3を参照しつつ実施例1を説明する。
本発明の実施例1は、プラスチック成形品(レンズ部
材)と光学特性を維持する筐体とによる複合長尺光学部
材である。レンズ部材10はその両側にリブ10a,1
0aを備えており、他方、筐体11はその両側に断面コ
型の保持部11a,11aを有していて、上記リブ10
aを保持部11aに摺動可能に嵌合させて、レンズ10
を筐体11に保持させている。レンズ部材10の上記リ
ブの上下両面に所定間隔で半球状の接触突起を設けてあ
り、他方、筐体11の一方の保持部11aの底面に断面
V型の細いスライド溝12を設けてある。上記リブ10
aを保持部11aに摺動可能に嵌合させたとき、上記接
触突起と保持部内面とが摺動可能に軽く圧接した滑合部
13を構成するので、レンズ部材の上記リブ10aは筐
体11の保持部11a、11aに対して滑らかに摺動す
ることができる。また、レンズ部材10の一方のリブ1
0aの半球状の接触突起10bの先端が上記V溝に嵌ま
り合うので、これによって、レンズ部材は筐体11に対
して幅方向に位置決めされ、これで組合せ状態が安定す
る。ここでレンズ部材10はプラスチック製、ガラス
製、又はプラスチックとガラスの複合材製、あるいは、
プラスチックとは性質の異なる他のプラスチックの複合
材等である。筐体はプラスチック製、アルミや鉄等の金
属製又はセラミックス製などである。レンズ部材10、
筐体11の素材をどのような素材とするかは、個々の複
合長尺光学部材に求められる精度、使用環境、コスト等
を勘案して適宜選択できることである。
【0012】次いで、上記実施例1の温度変化に対する
特性(請求項1)について説明する。まず、前長300
mm、レンズ部幅2.5mm、左右のリブ10aを含む
全幅8mmのレンズ部材10と筐体11との間の摺動抵
抗について例をあげて述べる。この実施例1におけるレ
ンズ部材10はプラスチック、筐体はアルミであり、そ
れぞれの線膨張係数は60×10−6,23×10−6
である。ここで温度変化が25℃である場合、両者の間
に長さ1mm当たり0.0009mmの膨張差が生じ
る。しかしながら、この例におけるレンズ部材10の歪
み量の許容値は1mm当たりa=0.0001mmであ
る。レンズ部材10と筐体11との膨張差がレンズ部材
の歪み量になるとすれば、その温度変化でレンズ面に許
容限界を越えた歪みが生じ、光学特性が低下することに
なる。そこで、レンズ部材10のレンズ部の断面積を
S、プラスチックの弾性率(縦弾性係数)をEとし、レ
ンズ部材10を、長さ方向b当たりaだけ歪ませる力F
を計算すると、この力F=a/b×S×Eである。この
膨張差を滑合部13における滑りとして逃がすとすれ
ば、その摺動面の摺動抵抗はこの値以下であることが必
要である。1例を上げて具体的にいえば、レンズ部の断
面積S=16mm 、プラスチックの弾性率E=0.2
5×1010[Pa],a=0.001mm,b=1m
mを代入すると、F=4[N]の摺動抵抗であり、この
値以下の摺動抵抗であることが必要である。また、この
光学系の長手寸法bを300mmとすると、a=0.0
01×b=3mmとなり、全体でもF=4[N]以下に
する必要がある。また、温度変化が繰り返された場合に
何の拘束も無いと、長手方向に位置ズレを生じる可能性
があるから、この位置ズレを防ぐには、どこかでレンズ
部材を筐体11に固定する必要があるが、上記の膨張差
を無理なく逃がしつつ、長手方向の位置ズレを防ぐに
は、図4に示すように、レンズ部材の長手方向中央の一
点で固定するのが望ましい。この例では中央の半球状の
接触突起10bを筐体11の保持部11aの底面の凹部
に係合させて、これを固定部15にしている。なお、短
手方向拘束が無いと、温度変化により短手方向に位置ズ
レが生じるが、上記のように、リブ10aの半球状の接
触突起10bがV溝12に係合しているので、これによ
って短手方向の位置ズレは防止される。
【0013】半球状の接触突起10bと保持部11aの
上下内面とは、その接触面が弾性変形して、所定面圧で
圧接され(滑合部13における摺動面の面圧)ている。
この摺動面の面圧は、レンズ部材10と筐体11との間
の温度変化による膨脹に対してはこれらの間の相対的な
動きを許容しつつ、振動などによる相対的な動きに対し
ては上記接触突起10bと保持部11aの上下内面との
摩擦抵抗によって阻止する程度のものである。上記接触
突起10bと保持部11aの上下内面との摩擦抵抗が上
記の作用を奏するように、リブ10を保持部11aに嵌
め込んだときの上記摺動面の面圧を規定することが肝要
である。この例においては、上記Fについて、F≦20
00[N]にすればよい。また、上記接触突起10bと
V溝12との摺接面に摩耗粉などの異物が介入しても、
その異物は接触突起10b,10b間の空間に逃げられ
るので、摺接面に噛み込んで、接触突起10bの摺動を
阻害することはない。
【0014】また、この例においては短手方向の位置ズ
レ防止手段(長手方向の摺動案内手段)はV溝12と接
触突起10bの嵌合であるが、V溝12を断面逆V形の
筋状突起に換え、リブ10aの接触突起10bを断面逆
V形の溝に換えて、これらを嵌合させる構造にすること
もできるが、しかし、この場合には、筋状突起と断面逆
V形の溝との嵌合面に異物が介入したときにその逃げ場
がなくならないように、筋状突起を比較的短い間欠的な
ものにすることが必要である。また、以上の実施例にお
いても、レンズ部材10のリブ10aと筐体11の保持
部11aの滑合部のクリアランスが大きいと、レンズ部
材に局部的な傾きや曲がりが生じ、これが光学特性に影
響を及ぼす。しかし、上記クリアランスを50μm以下
にすることにより、上記の局部的な傾きや曲りが防止さ
れるので、上記の局部的な傾きや曲りのためにレンズ部
材の光学特性が損なわれることはない(図3参照)。
【0015】2.実施例2 以上は平板状の長尺光学レンズに本発明を適用した例で
あるが、次いで、本発明を単レンズに適用した例を説明
する。図4に示すものは、円筒状のレンズ部材71を中
空円筒状の筐体72に嵌め込んで構成された複合単レン
ズである。このものは筐体72の内周面に縦のスライド
溝73を等間隔で4つ設けてあり、このスライド溝73
に対向してレンズ部材71の外周に半球状の接触突起7
5を設けてある。レンズ部材71を中空円筒状の筐体7
2に嵌合させたとき、接触突起75がスライド溝73に
嵌合して圧接され、その面圧による摩擦抵抗で温度変化
による筐体72とレンズ部材71との熱膨脹による長手
方向の相対的な動きを許容しつつ、振動などによる長手
方向への動きを阻止している。その摩擦抵抗力の適正値
は実施例1の場合と同様にして定めればよい。
【0016】3.実施例3 図8に示す実施例3は、本発明を2次元レンズアレイに
適用した例である。多数のレンズを備えた四角な平板状
のレンズ部材81を筐体82a,82bで挟んで保持さ
せて、複合2次元レンズアレイを構成している。レンズ
部材81、筐体82a,82bは縦横両方向に熱膨張す
るので、熱膨脹によるレンズ部材81と筐体82a,8
2bとの相対的な動きの方向はレンズ部材81の中心を
原点とする2次元方向であり、その方向は上記原点に対
する位置関係によって異なり、図8に示すスライド溝8
3の方向である。レンズ部材81のレンズ間の仕切りの
交点に、半球状の接触突起84を設けてあり、これが筐
体82a,82bの上記スライド溝83に対向してい
る。筐体82a,82bのほぼ中央の接触突起に対応す
る一つの溝は単純な凹部からなる固定部85であって、
これによって、レンズ部材81と筐体82a,82bと
を位置決めしている。したがって、レンズ部材81と筐
体82a,82bとは、上記固定部85を固定点として
ほぼ放射方向に、熱膨張によって相対的に動くことにな
る。レンズ部材81を筐体82a,82bで挟んで固定
したとき、接触突起84がスライド溝83に嵌合して圧
接され、その面圧による摩擦抵抗で、温度変化による筐
体82a,82bとレンズ部材81との熱膨脹による2
次元方向の相対的な動きを許容しつつ、振動などによる
同方向への動きを阻止している。その摩擦抵抗の適正値
は実施例1の場合と同様にして定めればよい。また、筐
体82bの一対の対向辺に支柱86を突設してあって、
この支柱86で筐体82a,82b間の間隔を規定する
ことで、半球状の接触突起84とスライド溝83の圧接
面における圧接力を規制して、摩擦抵抗が所定未満にな
るようにしている。
【0017】以上の実施例は、光学部材がレンズである
光学複合部材であるが、複合光学部品がプリズム、ミラ
ーである場合も同様であり、これらの光学部品による複
合光学部材を光学プリンター、光学複写機、画像形成装
置又は画像読取り装置などに用いることにより、これら
の光学機器の性能の長期安定性を著しく向上させること
ができる。
【0018】
【発明の効果】この発明は以上の述べたとおりである
が、その効果を纏めると次のとおりである。複合光学部
材においては、光学部品と筐体との結合が緩いと、振
動、熱膨張の繰り返しや複合光学部材の傾きにより、そ
の光学部品が筐体に対して位置ズレを生じあるいは傾斜
し、他方、結合が強すぎると、温度変化による光学部品
と筐体との熱膨脹差によって光学部品に内部歪みを生
じ、この内部歪みによる光学特性が低下するが、光学部
品と筐体との摩擦結合強度を請求項1に記載したとおり
にし、また、光学部品の一部を筐体に一点で結合させた
ことによって、この発明は上記両問題を共に解消するこ
とができたものである。なお、光学部品と筐体の素材が
プラスチック、金属、ガラスなどのいずれであっても、
また、光学部品と筐体の材料が互いに異なる複合光学部
材であっても、本発明を適用することにより上記効果を
生じる。また、温度変化の繰り返しにかかわらず、複合
光学部材の光学特性が当初の高いレベルに維持されるか
ら、本発明の複合光学部材を用いることにより、プリン
タ、複写機、画像形勢装置、画像読取り装置などの種々
の光学機器の供用中の性能低下を長期間効果的に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は従来の複合レンズの斜視であり、
(b)乃至(d)は従来の複合レンズの問題点を示す断
面Bの断面図である。
【図2】(a)は実施例1の斜視図であり、(b)は
(a)におけるA断面の断面図であり、(c)は(a)
におけるB断面の断面図である。
【図3】は、光学部品のリブと筐体の保持部との間のク
リアランスを示す、図2におけるB断面の断面図であ
る。
【図4】は実施例2の斜視図である。
【図5】は実施例3の分解斜視図である。
【図6】は実施例3の斜視図である。
【符号の説明】
1,10,71,81・・・・・・・レンズ部材 2,11,72,82a,82b・・筐体 10a ・・・・・・・・リブ 10b,75,84・・・・・・・・接触突起 11a ・・・・・・・・保持部 12,73 ・・・・・・・・スライド溝 13 ・・・・・・・・滑合部 15,85 ・・・・・・・・固定部 86 ・・・・・・・・支柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大窪 克之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号株式会 社リコー内 Fターム(参考) 2H043 AE04 AE09 AE23 2H044 AB06 AB13 AC01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】材料が異なる光学部品と筐体とを摺動可能
    に組み合わせた複合光学部材において、 上記光学部品と筐体間の摺動抵抗を、F≦a/b×S×
    Eとなるようにした複合光学部材。ただし、Sはレンズ
    部材のレンズ部の断面積、Eはレンズ部材の縦弾性係
    数、aは温度変化による膨脹差によるレンズ部材の長さ
    bでの許容歪み。以下同じ。
  2. 【請求項2】材料が異なる光学部品と筐体とを摺動可能
    に組み合わせた複合光学部材において、 光学部品と筐体とを1箇所で固定し、他の部分における
    摺動部の摺動抵抗を、F=a/b×S×E未満にした複
    合光学部材。
  3. 【請求項3】光学部品と筐体とを摺動可能に組み合わせ
    た複合光学部材において、 光学部品と筐体との摺動面のいずれか一方にスライド溝
    を設け、他方に接触突起を設けて上記スライド溝に嵌め
    て1方向にのみ摺動可能に圧接させた、請求項1又は請
    求項2の複合光学部材。
  4. 【請求項4】光学部品と筐体の摺動面のいずれかに接触
    突起を設けてあり、当該接触突起の弾性変形による弾力
    で摺動面を圧接して摺動抵抗を生じさせ、当該摺動抵抗
    が上記摺動抵抗以下になるようにした、請求項1乃至請
    求項3の複合光学部材。
  5. 【請求項5】光学部品のリブを筐体の保持部で挟んで摺
    動可能に保持させ、上記リブと上記保持部との間の隙間
    が50μm以下である請求項1乃至請求項4の複合光学
    部材。
  6. 【請求項6】上記光学部品及び筐体が平板状の長尺な部
    材である請求項1乃至請求項5の複合光学部材。
  7. 【請求項7】上記光学部品が樹脂材料であり、筐体が金
    属部材である請求項1乃至請求項3、請求項5、請求項
    6又は請求項7の複合光学部材。
  8. 【請求項8】光学部品がガラス部材又は樹脂とガラス部
    材との複合材料である請求項1乃至請求項3、請求項5
    又は請求項6の複合光学部材。
  9. 【請求項9】光学部品及び筐体が共に樹脂である請求項
    1乃至請求項6の複合光学部材。
  10. 【請求項10】上記筐体がセラミックス材料である請求
    項1乃至請求項6の複合光学部材。
  11. 【請求項11】上記光学部品がレンズ、プリズム、ミラ
    ーを複数配列した単一の光学部材であり、当該光学部品
    の縁部を筐体の保持部に摺動可能に保持させた請求項1
    乃至請求項11の複合光学部材。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項11の複合光学部材
    を備えた光プリントヘッド、画像形成装置又は画像読取
    り装置。
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