JP2002228853A - ライトガイド、及びこれを使用する治療及び診断用光線装置 - Google Patents

ライトガイド、及びこれを使用する治療及び診断用光線装置

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JP2002228853A
JP2002228853A JP2001030490A JP2001030490A JP2002228853A JP 2002228853 A JP2002228853 A JP 2002228853A JP 2001030490 A JP2001030490 A JP 2001030490A JP 2001030490 A JP2001030490 A JP 2001030490A JP 2002228853 A JP2002228853 A JP 2002228853A
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Japan
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light
light guide
light beam
treatment
diagnosis
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Hiroaki Kondo
宏明 近藤
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TOKYO IKEN KK
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TOKYO IKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の患部を同時に照射することができると
共に、1つの患部に対して複数の方向から照射すること
ができる治療及び/又は診断用光線装置に用いるライト
ガイドと、治療及び/又は診断用光線装置を提供する。 【解決手段】 光線を導光するライトガイド30は、導
光部31が途中で分岐器32により複数の導光部33、
34に分岐され、導光部31の一端の入光部31bは赤
外線治療器10に接続され、分岐された複数の導光部3
3、34は照射部36、37を備え、その出光部33
b、34bからの出射光を患部40、41に照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線治療器や光
線力学的診断・治療用光線装置等の光線装置に使用する
ライトガイドと、このライトガイドを使用する光線装置
に係り、特に、1つの光線装置によって複数の患部の診
断や治療が行えるライトガイドと、これを使用する光線
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の治療用光線装置としての赤外線治
療器は、赤外線ランプ等から発生される赤外線を含む光
線を反射鏡で反射させ、患部に照射させるものであっ
た。そして、赤外線を含む光線の温熱効果等により患部
を治療するものである。実公平6−27172号公報に
示される理学診療用赤外線治療器は、赤外線を含むハロ
ゲンランプから発生される赤外線を含む光から所定範囲
の波長帯の光をカットするカラーガラスフィルターを備
え、このフィルターを透過した赤外線を含む光を患部に
案内する可撓性を有する光ファイバーライトガイドを備
える。
【0003】別の治療及び診断用光線装置として、光線
力学的診断・治療装置がある。この装置は、癌等の腫瘍
(その他の患部を含む。以下同様)の新しい治療手法と
して注目されている。光線力学的診断・治療装置は、光
源部とライトガイドとから構成され、光源部から出力さ
れた特定波長の光線を、ライトガイドを通して人体の患
部に照射し、光線力学的診断(PDD:Photo D
ynamic Diagnosis)あるいは光線力学
的治療(PDT:Photo DynamicTher
apy)を行うものである。
【0004】前記した光線力学的治療は、腫瘍親和性の
ある光感受性物質を患者(被検者を含む。以下同様)に
投与し、特定の波長帯域のレーザ光線を光感受性物質が
蓄積された腫瘍に照射することにより、光感受性物質を
光励起して活性酸素を発生させ、活性酸素の強い酸化力
により腫瘍を破壊して壊死させる治療手法である。光線
力学的治療は、外科的手術などとは異なり、正常組織に
はほとんど影響を与えずに治療を行えるので、術後の生
活の質(QOL:Quality Of Life)が
高いといわれている。
【0005】また、光線力学的治療と同様な原理で診断
を行う光線力学的診断も行われている。光線力学的診断
は、腫瘍親和性のある光感受性物質を患者に投与し、特
定の波長帯域のレーザ光線を光感受性物質が蓄積された
腫瘍に照射することにより、光感受性物質の光励起によ
って発生する蛍光を観察して腫瘍の有無、存在部位、広
がり等を診断するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のライ
トガイドを使用する赤外線治療器、及び光線力学的診断
・治療用光線装置は、患部に光線を照射するライトガイ
ドとしては、入光部と出光部とが1つであり、1つの治
療及び/又は診断用光線装置で、1箇所の患部の診断・
治療を行っている。このため、例えば皮膚癌等で皮膚の
表面の複数箇所に患部がある場合、患部の1つずつに対
して順番に診断・治療をする必要があり、診断・治療時
間が多大となる問題点がある。また、1つの患部に対し
て、1方向からの光線の照射しかできないため、照射時
間が長くなり、患者への負担が大きくなるという問題点
もある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、複数の患部
に同時に光線照射できるライトガイドを提供することに
ある。また、1つの患部に対して、複数の方向から光線
照射することができるライトガイドを提供することにあ
る。さらに、前記のライトガイドを使用する治療及び/
又は診断用光線装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る治療及び/又は診断用光線装置に使用する
ライトガイドは、入光部と出光部とを有する導光部を備
え、該導光部は、その導光途中で複数に分岐する分岐器
を備えていることを特徴とする。また、前記したライト
ガイドの好ましい具体的な態様としては、前記分岐器に
より分岐された複数の導光部は、それぞれ照射部を備え
ていることを特徴としている。
【0009】さらに、本発明に係る治療及び/又は診断
用光線装置に使用するライトガイドの好ましい具体的な
他の態様としては、光線を導光する導光部を備えるライ
トガイドは導光途中で複数に分岐され、一端の入光部は
光線装置に接続され、分岐された複数の導光部他端の出
光部からの出射光を患部に照射することを特徴としてい
る。そして、前記導光部は、光ファイバを束ねたファイ
ババンドルを備え、該ファイババンドルを小径の複数の
束に分割し、該複数の束をランダムに振り分けて同一直
径の前記導光部を形成することを特徴としている。
【0010】本発明に係る光線装置は、前記したライト
ガイドと、可視光線を含む広波長帯域の光線を放射する
光源と、該光源から放射される光線のうちの特定の波長
帯域の光線を選択的に透過する光学フィルタとを備え、
該光学フィルタを透過した光線を前記ライトガイドの入
光部に入射させることを特徴とし、この光線装置は治療
及び/又は診断用に使用される。
【0011】このように構成された本発明の治療及び/
又は診断用光線装置に用いるライトガイドと、治療及び
/又は診断用光線装置は、複数の患部を同時に診断・治
療することができ、診断・治療時間を短縮することがで
きる。また、1つの患部に対して複数の方向から光線を
照射することができ、患部に効率良く光線を照射するこ
とができるため診断・治療時間を短縮でき、患者への負
担を軽減することができる。そして、患部の治癒効果を
促進することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る治療及び/又
は診断用光線装置としての赤外線治療器、及びこれに使
用するライトガイドの一実施形態を図面に基づき詳細に
説明する。図1は、本実施形態に係るライトガイドを備
える赤外線治療器の斜視図、図2は、図1の一部を省略
した治療器本体の中央縦断面図、図3は図2のA−A線
断面図、図4はライトガイドの一部を省略した正面図で
ある。本実施形態に係る赤外線治療器10について、図
1〜4を参照して詳細に説明する。赤外線治療器10
は、治療器本体11と、この本体11に接続されるライ
トガイド30から構成される。治療器本体11内には光
源としてハロゲンランプ12と、ハロゲンランプ12の
光路12aに位置する光学フィルタとして耐熱ガラス板
21、及びカラーガラスフィルタ22を備えている。
【0013】ハロゲンランプ12の周囲には、放射され
た光線を集光する凹面鏡14が位置しており、凹面鏡1
4は連結板15に固定された支持板16に固定されてい
る。連結板15には支持板23、24が平行状態に配置
固定され、これらの支持板23、24の取付溝23a、
24aに耐熱ガラス板21、カラーガラスフィルタ22
の枠が挿入固定されている。なお、凹面鏡14とハロゲ
ンランプ12が一体的に形成されたミラー一体型のもの
を使用してもよい。また、凹面鏡14は熱線域をカット
するコールドミラーを用いてもよい。
【0014】ハロゲンランプ12の後部には、電源を供
給するソケット12bが連結されており、ソケット12
bは出力可変電源手段13に接続されている。出力可変
電源手段13は、出力調整用ダイヤル13aにより、例
えば電圧を調整することができ、ハロゲンランプ12
は、例えばボリウム等の出力可変電源手段13によって
放射する光線の強度(発光量)を容易に調整することが
できる。ハロゲンランプ12は紫外線、可視光線、赤外
線を含む広波長帯域の光線を放射するものであり、例え
ば0.1〜5μm程度の波長帯の光線を放射する。
【0015】耐熱ガラス板21は結晶化ガラス等で形成
され、ハロゲンランプ12で発生する熱をカットして、
カラーガラスフィルタ22及び後述するライトガイド3
0を保護するものである。カラーガラスフィルタ22は
カラーガラス板で形成され、ハロゲンランプ12から放
射される光の波長の一部をカットするものであり、例え
ば0.1〜0.6μm程度の波長帯の光線をカットす
る。
【0016】3番目の支持板24には、中心部にコネク
タ接続孔24bが穿設され、このコネクタ接続孔24b
にハロゲンランプ12から放射された光線が集光されて
いる。前記した光路12aは、この集光された部分に相
当する。そして、コネクタ接続孔24bにライトガイド
30の導光部31のファイババンドル31aの一端が対
向し、ライトガイド30の一端は本体11に取付ねじよ
り構成される固定手段26により支持固定されている。
【0017】ここで、図4を参照してライトガイド30
について詳細に説明する。ライトガイド30は入光側の
導光部31が途中に位置する分岐器32により2本の出
光側の導光部33、34に分岐され、本例では2本に分
岐された導光部33、34は導光される光線の光量が等
しくなるように、また光線の強度分布が等しくなるよう
に分岐される。すなわち、本例ではライトガイド30内
には光ファイバを束ねたファイババンドルが装着され、
導光部31のファイババンドル31aの一端が入光部3
1bとなっており、分岐された導光部33、34のファ
イババンドル33a、34aの他端が出光部33b、3
4bとなっている。
【0018】このように、ライトガイド30は、入光部
31bを有する導光部31と出光部33b、34bを備
える導光部33、34を備え、導光部31はその導光途
中で分岐器32により複数の導光部33、34に分岐さ
れている。そして、導光部31のファイババンドル31
aは、分岐器32の部分で直径が1mm程度である小径
の複数の素線束を複数本に分割され、これらの素線束を
ランダムに振り分けて2本の同一直径のファイババンド
ル33a、34aに分岐され、同一直径の導光部33、
34に分岐される。なお、分岐器32の手前でランダム
に振り分けるようにしてもよい。
【0019】このため、ハロゲンランプ12から放射さ
れた光線は、耐熱ガラス板21、カラーガラスフィルタ
22を通してライトガイド30のファイババンドル31
aに導光され、分岐器32を介して2本の導光部33、
34のファイババンドル33a、34aに導光され、そ
の先端の出光部33b、34bから出射され、両出光部
から出射される光量及び光線の強度分布は等しくなるよ
うに設定されている。従って、凹面鏡14によってコネ
クタ接続孔24bに集光され、入光部31bに入光され
る光線の強度分布が一定でなくても、出光部33b、3
4bから出射される光線の光量や強度分布は一定となる
ように構成される。
【0020】導光部31は導光部33、34と比較して
2倍の光ファイバを束ねたものであり、直径が大きくな
っており分岐器32に直接、接続されている。導光部3
3、34と分岐器32との接続部には折れ曲がりを防止
するスプリング35、35が固定されている。また、導
光部33、34の先端には筒状の照射部36、37が固
定され、照射部36、37と導光部33、34との接続
部には、同様に折れ曲がりを防止するスプリング38、
38が固定されている。医師は照射部36、37を手で
操作して患部に光線を照射することができ、また照射部
36、37をスタンド(図示せず)等に固定して患部に
光線を照射することができる。ファイババンドル33
a、34aの他端の出光部33b、34bは、照射部3
6、37の先端面より露出している。
【0021】ライトガイド30は、導光用ファイババン
ドルが軟性の外皮に被覆されて形成されており、全長が
2メートル程度で細径の導光部33、34が長く操作し
やすいように形成されており、前記したように大径の導
光部31の先端部がコネクタ接続孔24bに嵌入され、
固定手段26により本体11に接続されている。赤外線
治療器10には図示しない電源コードが接続され、商用
電源のコンセントに接続されて動作電源を供給する。
【0022】前記の如く構成された本実施形態の赤外線
治療器10の動作について以下に説明する。ハロゲンラ
ンプ12に出力可変電源手段13から電源が供給される
と、ハロゲンランプ12は例えば0.1〜5μm程度の
波長帯の光線を放射する。この光線は耐熱ガラス板21
により熱線がカットされ、カラーガラスフィルタ22に
入射する。ここでは例えば0.1〜0.6μm程度の波
長帯の光線がカットされ、所定の波長帯の光線がライト
ガイド30の端面に入射する。
【0023】本実施形態に係るライトガイド30は導光
部31に1つの入光部31bを有し、途中で分岐器32
により導光部33、34に分岐されて2つの出光部33
b、34bを有するものであり、ライトガイド30の端
面に入射した光線は、図5(a)に示すように、2つの
導光部33、34から出射され、2つの患部40、40
に照射部36、37を向けて同時に温熱治療することが
できる。導光部33、34の出光部33b、34bから
照射される光線の光量や強度分布が一定であるため、2
箇所の患部を同時に同一条件で治療することができ、効
率の良い治療を行える。このため、患部が複数ある場合
は治療時間を大幅に短縮することができ、患者の負担を
削減することができる。また、図5(b)に示すよう
に、患部41が皮膚より突出している場合、2本の導光
部33、34の先端の照射部36、37を複数の方向か
ら角度を変えて患部41に対向させることができ、患部
に効率良く光線を照射することができ、温熱治療を短時
間で完了することができる。
【0024】前記した実施の形態では、治療及び/又は
診断用光線装置として赤外線治療器10の例を示した
が、本発明のライトガイドは光線力学的診断・治療装置
(以下、光線装置という)50にも適用できる。この光
線装置50は、図6に示すように本体51内に、ハロゲ
ンランプ、紫外線ランプ、メタルハライドランプ、キャ
ノンランプ、白色LED等の光源52を備えている。光
源52は400〜700nm程度の広波長帯域の光線を
放射することができ、出力可変電源手段13によって放
射する光線の強度(発光量)を容易に調整することがで
きる。そして、耐熱ガラス板21、及びカラーガラスフ
ィルタ22の代わりに、特定波長域の光線を透過する2
つの光学フィルタ53、54が用いられる。他の実質的
に同等の構成については、前記した実施形態と同じ符号
を付して詳細な説明は省略する。
【0025】連結板15にはフィルタ装着手段55を構
成する支持板56、57が光線方向に向けて配置固定さ
れ、これらの支持板56、57に光学フィルタ53、5
4がマニュアル操作で挿脱できる。光学フィルタ53、
54は、本体51の上部に設けた開閉蓋51aより挿入
され、光源52の光路52a中に挿脱することができる
ものである。すなわち、支持板56、57には取付溝が
形成され、この取付溝に所定の光学フィルタ53、54
を支持する枠板を本体51の外部から落とし込むことに
より挿入できるものである。
【0026】光学フィルタ53及び光学フィルタ54
は、所望の狭い波長帯域の光線のみを透過させるバンド
パスフィルタ、あるいは所定波長以上又は所定波長以下
の光線を透過させるカットフィルタ等が用いられる。光
学フィルタ53及び光学フィルタ54の各選択、及び組
合せにより、例えば、400〜500nm、500〜6
00nm、600〜700nm、700〜800nmと
いうような特定波長帯域の光線のみ、又は所定波長以上
や所定波長以下の光線を選択的に透過させることができ
る。このように、透過させる波長帯域を細分化したの
は、患者に投与される腫瘍親和性の光感受性物質に応じ
て、光励起される光線の波長帯域が異なるからである。
ここで、光線装置50を使用して、皮膚癌を対象に光線
力学的診断及び光線力学的治療を行う場合の動作を説明
する。
【0027】(1)光線力学的診断 先ず、医師は、患者に腫瘍親和性の光感受性物質(例え
ば、ポリフィン系光感受性物質、クロリン系光感受性物
質等)を静脈注射する。この後、患者を暗室内で光感受
性物質の種類に応じて所定時間(例えば、24〜48時
間)待機させる。待機により、光感受性物質は、癌細胞
に蓄積されていく一方、正常細胞からは代謝された状態
となり、結果として癌細胞だけに光感受性物質が残留、
蓄積する。
【0028】所定時間の経過後、医師は、光線装置50
において、光線力学的診断用の波長帯域の光線(例え
ば、青から紫外線域までの短波長のブラックライト)を
透過する光線力学的診断用の光学フィルタ53を支持板
56の取付溝に挿入して取付け、光源52の光路52a
中に光学フィルタ53を挿入して、光源52を点灯す
る。光源52から放射された広波長帯域の光線は、凹面
鏡14で集光されて、光線力学的診断用の光学フィルタ
53を透過して光線力学的診断用の波長帯域の光線だけ
となり、コネクタ接続孔24bの近辺に集光される。コ
ネクタ接続孔24bの近辺に集光された光線は、入光部
31bから診断・治療用のライトガイド30のファイバ
バンドル31aに入射し、分岐器32を介して2本のフ
ァイババンドル33a、34aを通して導かれて、その
先端の2つの照射部36、37の2つの出光部から出射
される。
【0029】診断・治療用のライトガイド30の先端か
ら出射された光線力学的診断用の波長帯域の光線は、患
部の皮膚癌に照射され、光感受性物質が蓄積された癌細
胞から光感受性物質の光励起によって蛍光を発生させ
る。皮膚癌は2本のファイババンドル33a、34aか
ら出射される光線により、複数箇所の患部を同時に照射
することができる。また、1つの患部を異なる方向から
照射することができるため、光学フィルタ53の挿入に
よって癌細胞だけが蛍光を帯びて視認できる状態にな
り、医師は、癌細胞の有無、存在部位、広がり等を光線
力学的に診断することができる。このとき、医師は、必
要に応じて出力可変電源手段13の出力調整用ダイヤル
13aを操作することにより、光源52が放射する光線
の強度を変化させ、癌細胞が発する蛍光の明るさを調整
することができる。また、医師は、CCDカメラ等の撮
像装置により癌細胞の蛍光像を撮影することもできる。
【0030】(2)光線力学的治療 先ず、医師は、光線力学的診断の場合と同様に、患者に
腫瘍親和性の光感受性物質を静脈注射する。このときに
使用される光感受性物質は、治療対象腫瘍に応じて、光
線力学的診断の場合と同じこともあれば、異なることも
ある。この後、光線力学的診断の場合と同様に、患者を
暗室内で光感受性物質の種類に応じて所定時間(例え
ば、24〜48時間)待機させる。待機により、光感受
性物質は、癌細胞に蓄積されていく一方、正常細胞から
は代謝された状態となり、結果として癌細胞だけに光感
受性物質が残留、蓄積する。
【0031】所定時間の経過後、医師は、光線装置50
において、光線力学的治療用の波長帯域の光線(例え
ば、400〜500nm)を透過する光線力学的治療用
の光学フィルタ54を支持板57の取付溝に挿入して取
付け、光源52の光路52a中に光学フィルタ54を挿
入して、光源52を点灯する。このとき、光力学的診断
に用いた光学フィルタ53は離脱させており、光学フィ
ルタ54を支持板56の取付溝に挿入してもよい。
【0032】光線装置50の光源52から放射された光
線を光学フィルタ54により透過すると、光線力学的治
療用の波長帯域の光線が出力され、この光線が診断・治
療用ライトガイド30を通して皮膚癌に出射される。診
断・治療用のライトガイド30の2本のファイババンド
ル33a、34aの出光部33b、34bから出射され
た光線力学的治療用の波長帯域の光線は患部の皮膚癌に
照射され、光感受性物質が蓄積された癌細胞から光感受
性物質の光励起によって蛍光を発生させると共に活性酸
素を発生させる。
【0033】このため、光学フィルタ54の挿入によっ
て、癌細胞だけが蛍光を帯びて視認できる状態になり、
医師は、癌細胞の存在部位、広がり等を視認しながら光
線力学的治療用の波長帯域の光線を所定時間だけ癌細胞
に照射する。この照射により光感受性物質は光励起さ
れ、発生した活性酸素によって癌細胞が破壊されて壊死
する。近隣の正常細胞は光感受性物質が蓄積していない
ため、殆んど影響を受けない。
【0034】この治療の状態を、医師は肉眼にて視認で
きる。出光部33b、34bから照射される光線の光量
や強度分布が一定であるため、2箇所の患部を同時に同
一条件で治療することができ、効率の良い治療を行え
る。例えば皮膚癌の患部が皮膚より突出している場合、
2本の導光部33、34の先端の照射部36、37を複
数の方向から角度を変えて患部に対向させることがで
き、患部に効率良く光線を照射することができ、診断・
治療を短時間で完了することができる。
【0035】1回の光線力学的治療に要する時間は、癌
細胞の存在部位、広がり等により異なるが、十数分から
数十分くらいが適当である。このとき、医師は、光線力
学的診断の場合と同様に、必要に応じて出力可変電源手
段13の出力調整用ダイヤル13aを操作することによ
り、光源52が放射する光線の強度を変化させ、癌細胞
を破壊する程度を調整することができる。癌細胞に照射
する光線の強度は、例えば約150mW/cm2程度が
適している。そして、1回の光線力学的治療の終了後、
数日経過してから光線力学的治療を再度実施して、全て
の癌細胞が壊死するまで光線力学的治療を繰り返す。
【0036】このように、前記した実施形態に係る光線
装置50を使用すれば、予め投与した光感受性物質に応
じた最適な波長帯域の光線を透過する光線力学的診断用
の光学フィルタ53を光路52a中に挿入して、光線力
学的診断用の波長帯域の光線を患部の病変部に照射して
癌細胞の光線力学的診断を行うことができる。また、光
線力学的治療用の光学フィルタ54を光路52a中に挿
入して、光線力学的治療用の波長帯域の光線を患部に照
射して癌細胞の光線力学的治療を行うことができる。
【0037】すなわち、本実施の形態では、1台の光線
装置50において光学フィルタ53、54を交換するこ
とにより、光線力学的診断用の光線装置及び光線力学的
治療用の光線装置として兼用して使用することができ
る。また、1台の光線力学的診断・治療用光線装置50
において光学フィルタ53、54を交換することによ
り、複数種類の癌細胞に対して光線力学的診断、及び光
線力学的治療を施すことができる。
【0038】また、光線装置50から出射される特定の
波長帯域の光線は、ライトガイド30により複数の出光
部33b、34bから光量と光強度分布が等しくなるよ
うに出射されるため、複数の患部を同時に、同条件で診
断すると共に、治療することができる。そして、1つの
患部の場合でも、複数の出光部33b、34bから出射
される光線を複数の方向から当てることにより、患部の
診断・治療を効率良く短時間に実施することができ、患
者の負担を軽減することができる。
【0039】なお、本実施形態では、光学フィルタ5
3、54はマニュアルで挿入することにより特定波長の
光線を選択的に透過させるように構成したが、複数の光
学フィルタを備えた回転板をモータ等により回転させ
て、光学フィルタを切換えるように構成してもよい。ま
た、モータに限らず、プランジャー等の電磁石装置によ
り光学フィルタを切換えるように構成してもよい。さら
に、光学フィルタの挿入位置として、光源とライトガイ
ドの入光部との間に挿入する例を示したが、この位置に
限られるものでなく、ライトガイドの入光部や出光部、
分岐器の前後、分岐器内部等に設置するようにしてもよ
い。
【0040】ライトガイドの1つの導光部を複数の導光
部に分岐する分岐器として、光ファイバを振り分ける例
を示したが、プリズム、反射鏡あるいは他の光学手段に
より、1つの導光部を複数の導光部に分岐し、その光量
と光強度分布が等しくなるように分岐するものでもよ
い。また、入光部に入射される光線の強度分布は一定で
なく、中心部が強く周辺部が徐々に弱くなるもので分岐
された複数の導光部から出射される光線も中心部が強く
周辺部が徐々に弱くなるものでもよい。
【0041】さらに、前記した実施形態では、ライトガ
イドは分岐部から2本に分岐された例を示したが、これ
に限られるものでなく、例えば3本以上に分岐するよう
にしてもよい。これにより、多数の患部を同時に診断・
治療することができ、また1つの患部に対して、例えば
3以上の方向から光線を照射して診断・治療することが
できるので効率良く診断・治療を行うことができる。
【0042】前記した第1の実施形態では、治療用光線
装置として赤外線治療器の例について説明し、第2の実
施形態では光線力学的診断・治療装置の例について説明
したが、本発明は、治療用のみに使用する光線装置や、
診断用のみに使用する光線装置にも適用できることは勿
論である。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の治療及び/又は診断用光線装置、及びこの装置に用
いるライトガイドは、複数の患部を同時に診断・治療す
ることができ、診断・治療時間を短縮することができ
る。また、1つの患部に対して、光線を複数の方向から
照射することができ、患部に対する診断・治療を効率良
く行うことができ、患者の負担を軽減することができ
る。さらに、患部の治癒効果を促進することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るライトガイドを備え
る赤外線治療器の斜視図。
【図2】図1の一部を省略した治療器本体の中央縦断面
図。
【図3】図2のA−A線断面図。
【図4】ライトガイドの一部を省略した正面図。
【図5】(a)は2つの患部に照射する動作状態を示す
説明図、(b)は1つの患部に2方向から照射する動作
状態を示す説明図。
【図6】本発明に係る治療及び診断用光線装置の他の実
施形態である光線力学的診断・治療用光線装置の断面
図。
【符号の説明】
10 赤外線治療器(治療用光線装置) 11 治療器本体 12 ハロゲンランプ 20 フィルタ装着手段 21 耐熱ガラス(光学フィルタ) 22 カラーガラスフィルタ(光学フィルタ) 30 ライトガイド 31 導光部 31a ファイババンドル 31b 入光部 32 分岐器 33、34 分岐された導光部 33a、34a ファイババンドル 33b、34b 出光部 36、37 照射部 40、41 患部 50 光線力学的診断・治療用光線装置(治療及び診断
用光線装置) 52 光源 53、54 光学フィルタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入光部と出光部とを有する導光部を備
    え、該導光部は、その導光途中で複数に分岐する分岐器
    を備えていることを特徴とするライトガイド。
  2. 【請求項2】 前記分岐器により分岐された複数の導光
    部は、それぞれ照射部を備えていることを特徴とする請
    求項1記載のライトガイド。
  3. 【請求項3】 光線を導光する導光部は導光途中で複数
    に分岐され、一端の入光部は光線装置に接続され、分岐
    された複数の導光部他端の出光部からの出射光を患部に
    照射することを特徴とするライトガイド。
  4. 【請求項4】 前記導光部は、光ファイバを束ねたファ
    イババンドルを備え、該ファイババンドルを小径の複数
    の束に分割し、該複数の束をランダムに振り分けて同一
    直径の前記複数の導光部を形成することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のライトガイド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のライ
    トガイドと、可視光線を含む広波長帯域の光線を放射す
    る光源と、該光源から放射される光線のうちの特定の波
    長帯域の光線を選択的に透過する光学フィルタとを備
    え、該光学フィルタを透過した光線を前記ライトガイド
    の入光部に入射させることを特徴とする光線装置。
  6. 【請求項6】前記光線装置は、治療及び/又は診断に使
    用されることを特徴とする請求項5記載の光線装置。
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