JP2016021978A - Pdt用内視鏡システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電子内視鏡の挿入部が挿入不能な深部の癌(例えば末梢型肺癌)であってもPDTを施すことができるPDT用内視鏡システムを得る。
【解決手段】PDT内視鏡は、基端部と先端部の間に延びる、ライトガイドファイバと、被写体画像を伝送するためのイメージファイバとを有している。PDT光源プロセッサは、PDT内視鏡のライトガイドファイバの基端部に照明光とPDTレーザ光の一方または双方を供給するための光供給手段と、PDT内視鏡のイメージファイバによる伝送画像を観察するための観察手段とを有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、PDT(Photodynamic Therapy:光線力学的療法)を施すためのPDT用内視鏡システムに関する。
癌(悪性腫瘍)の治療方法の1つとして、PDT(Photodynamic Therapy:光線力学的療法)が知られている。PDTは、腫瘍親和性のある光感受性物質を投与した後、腫瘍組織にレーザ光を照射することにより光化学反応を引き起こし、腫瘍組織を変性・壊死させる治療法である。
特許文献1には、PDTを施すためのPDT用内視鏡が開示されている。このPDT用内視鏡は、腫瘍親和性のある光感受性物質を投与した患者の体腔内に電子内視鏡の挿入部を挿入して腫瘍部位と対向させ、且つ、電子内視鏡の処置具挿通チャンネルにレーザ照射プローブを挿通して腫瘍部位に当て付けた状態で、レーザ照射プローブから腫瘍部位にレーザ光を照射するものである。
特開2008−86680号公報 特開2006−167046号公報 特開2001−299940号公報 特開2010−240078号公報
しかしながら、特許文献1のPDT用内視鏡は、電子内視鏡の挿入部が挿入可能な範囲内でしかPDTを施すことができないという問題がある。例えば、肺癌の場合、早期の中心型肺癌(肺の入口から気管支が3回枝分かれするまでの肺門部にできる癌)であれば、電子内視鏡の挿入部が挿入可能であり、PDTを施すことができる。しかし、末梢型肺癌(肺胞などの末梢部にできる癌)になると、電子内視鏡の挿入部が挿入不能であり、PDTを施すことができない。電子内視鏡の挿入部を細径化するための技術開発も進められているが、これにも自ずと限界があり、PDTの実用化の妨げとなっている。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、電子内視鏡の挿入部が挿入不能な深部の癌(例えば末梢型肺癌)であってもPDTを施すことができるPDT用内視鏡システムを得ることを目的とする。
本発明のPDT用内視鏡システムは、処置具挿通チャンネルを有する電子内視鏡と、前記電子内視鏡の前記処置具挿通チャンネルに挿通されるPDT内視鏡と、前記PDT内視鏡の基端部に接続されるPDT光源プロセッサと、を備え、前記PDT内視鏡は、基端部と先端部の間に延びる、ライトガイドファイバと、被写体画像を伝送するためのイメージファイバとを有しており、前記PDT光源プロセッサは、前記PDT内視鏡の前記ライトガイドファイバの基端部に照明光とPDTレーザ光の一方または双方を供給するための光供給手段と、前記PDT内視鏡の前記イメージファイバによる伝送画像を観察するための観察手段とを有している、ことを特徴としている。
前記光供給手段は、照明光を発する光源ランプと、PDTレーザ光を発するレーザ光源と、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光の一方を透過し他方を反射する特性を持つ反射光学素子と、前記光源ランプと前記レーザ光源のオンオフ状態を制御する制御手段とを有することができる。
前記制御手段は、前記光源ランプと前記レーザ光源の一方がオン状態となり他方がオフ状態となるように制御することで、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光のいずれか一方を選択的に前記ライトガイドファイバの基端部に供給させることができる。
前記制御手段は、前記光源ランプが連続的にオン状態となり、且つ、前記レーザ光源が間欠的にオン状態とオフ状態で切り替わるように制御することで、前記光源ランプが発した照明光を単独で前記ライトガイドファイバの基端部に供給させる第1の時間帯と、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光を混合して前記ライトガイドファイバの基端部に供給させる第2の時間帯とを順次切り替えることができる。
前記観察手段は、前記イメージファイバによる伝送画像を画像信号に変換する撮像素子と、この撮像素子による画像信号に画像処理を施す画像処理部とを有することができる。
前記撮像素子は、前記ライトガイドファイバの基端部にPDTレーザ光が供給されているときに相対的に高速のシャッタモードで動作し、前記ライトガイドファイバの基端部にPDTレーザ光が供給されていないときに相対的に低速のシャッタモードで動作することができる。
本発明のPDT用内視鏡システムは、前記イメージファイバから前記撮像素子への伝送画像の光量出力に基づいて、PDTレーザ光の供給量をフィードバック制御する光量調整手段をさらに有することができる。
前記ライトガイドファイバは、石英ファイバから構成することができる。
本発明によれば、電子内視鏡の挿入部が挿入不能な深部の癌(例えば末梢型肺癌)であってもPDTを施すことができるPDT用内視鏡システムが得られる。
本発明によるPDT用内視鏡システムの全体構成を示す図である。 PDT内視鏡とPDT光源プロセッサの詳細構成を示す図である。 モード設定スイッチにより「混合光出射モード」が設定されている場合におけるPDTレーザ光及び照明光の照射タイミング並びに撮像タイミングを示すタイミングチャートである。 本発明によるPDT用内視鏡システムを用いて末梢型肺癌の患者にPDTを施す方法を示すフローチャートである。
図1〜図4を参照して、本発明によるPDT用内視鏡システム10について説明する。PDT用内視鏡システム10は、電子内視鏡100と、電子内視鏡用プロセッサ200と、PDT内視鏡300と、PDT光源プロセッサ400と、モニタ500とを有している。
図1に示すように、電子内視鏡100は、操作者が把持する把持操作部110と、把持操作部110から延びる挿入部120と、把持操作部110から挿入部120とは異なる方向に延びるユニバーサルチューブ130とを有している。ユニバーサルチューブ130の先端部にはコネクタ部140が設けられている。このコネクタ部140のコネクタプラグ142を電子内視鏡用プロセッサ200のコネクタ部210のコネクタソケット212に嵌め込むことで、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200が電気的に接続される。
電子内視鏡100にはライトガイドファイバ(図示せず)が内蔵されており、このライトガイドファイバは、挿入部120、把持操作部110及びユニバーサルチューブ130を通って、コネクタ部140から突出するライトガイドスリーブ144の内部まで延びている。電子内視鏡用プロセッサ200のコネクタ部210にはライトガイドスリーブ挿入孔214が形成されている。コネクタプラグ142がコネクタソケット212に嵌込接続されると、ライトガイドスリーブ挿入孔214にライトガイドスリーブ144が挿入され、電子内視鏡100と電子内視鏡用プロセッサ200が光学的に接続される。これにより、電子内視鏡用プロセッサ200に内蔵された光源ランプ(図示せず)から発せられた照明光が、ライトガイドファイバ内を導かれ、挿入部120の先端面に設けられた照明レンズ(図示せず)によって所定の配光で外方に出射される。
挿入部120の先端部には、対物レンズと撮像素子(ともに図示せず)が設けられており、対物レンズを介して撮像素子で得られた被写体の画像信号が、信号伝送ケーブル(図示せず)、コネクタプラグ142及びコネクタソケット212を通じて、電子内視鏡用プロセッサ200に入力する。電子内視鏡用プロセッサ200は、入力した画像信号に画像処理を施して撮影画像とし、これをモニタ500に表示させる。なお、電子内視鏡用プロセッサ200は、モニタ500とは別のモニタ(図示せず)に撮影画像を表示させてもよい。
電子内視鏡100は、把持操作部110と挿入部120の間に延びる処置具挿通チャンネル150を有している。処置具挿通チャンネル150の先端側は、挿入部120の先端部に設けられたチャンネル開口(図示せず)に連通している。処置具挿通チャンネル150の基端側は、チャンネル分岐部152を経て、一方が把持操作部110に突設された処置具挿通部112に連通し、他方が吸引装置の吸引管路(図示せず)に連通している。
図1に示すように、PDT内視鏡300は、電子内視鏡100の処置具挿通チャンネル150に挿通されるものである。PDT内視鏡300は、電子内視鏡100の処置具挿通チャンネル150に挿通された状態で、その先端側と基端側が処置具挿通チャンネル150から突出するような十分な長さを有している。
図2に示すように、PDT内視鏡300は、基端部と先端部の間に延びる長尺の外装チューブ310に、光出射光学系(複合光出射光学系)としてのライトガイドファイバ320、並びに、画像伝送光学系としての対物レンズ330及びイメージファイバ340を内蔵した構成を有している。
ライトガイドファイバ320は、その入射端面(基端部)322に供給された照明光もしくはPDTレーザ光またはこれらの混合光をその出射端面(先端部)324から出射する。ライトガイドファイバ320は、入射端面322に供給されたPDTレーザ光を損失することなく出射するような波長透過特性(波長選択特性)を持つ材料、例えば石英ファイバから構成されている。
イメージファイバ340は、対物レンズ330を介して取り込んだ被写体画像をその入射端面(先端部)342から出射端面(基端部)344に向けて伝送する。
ここで、電子内視鏡100の挿入部120の径は、近年の細径化の技術開発を以ってしても、例えば5mm〜14mm程度にすぎない。このため、電子内視鏡100の挿入部120が挿入可能な範囲には自ずと限界がある。
これに対し、PDT内視鏡300は、外装チューブ310内に、光出射光学系(ライトガイドファイバ320)と画像伝送光学系(対物レンズ330、イメージファイバ340)というPDTを施すのに必要な最小限の構成要素のみを有している。このため、PDT内視鏡300の径は、例えば0.5mm〜2mmといった極めて細径なものとなっている。その結果、PDT内視鏡300は、電子内視鏡100の挿入部120が挿入不能な深部の癌(例えば末梢型肺癌)であっても挿入可能であり、PDTを施すことができるように構成されている。
図1、図2に示すように、PDT光源プロセッサ400は、PDT内視鏡300の基端部に接続されている。
PDT光源プロセッサ400は、光源ランプ410と、ランプ用電源412と、レーザ光源420と、コリメータレンズ422と、ダイクロイックミラー(反射光学素子)430と、集光レンズ432とを有している。
光源ランプ410は、ランプ用電源412からの電力供給を受けて、白色の照明光を発する。
レーザ光源420は、例えば波長が600nm〜700nmのPDTレーザ光を発する。コリメータレンズ422は、レーザ光源420が発したPDTレーザ光を平行光束に調整する。
ダイクロイックミラー430は、光源ランプ410が発した照明光を透過して集光レンズ432に導き、且つ、レーザ光源420が発してコリメータレンズ422で平行光束に調整されたPDTレーザ光を反射して集光レンズ432に導く特性を持つ。集光レンズ432は、ダイクロイックミラー430から導かれた照明光もしくはPDTレーザ光またはこれらの混合光を集光してPDT内視鏡300のライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させる。
PDT光源プロセッサ400は、該PDT光源プロセッサ400の構成要素全般を制御するシステムコントローラ(制御手段)440を有している。このシステムコントローラ440は、光源ランプ410とレーザ光源420のオンオフ状態を制御することにより、PDT内視鏡300のライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させ出射端面324から出射させる光の種類を制御する。
システムコントローラ440は、PDT光源プロセッサ400のフロントパネル402のモード設定スイッチ404により設定された「光出射モード」に応じた制御を行う。本実施形態では、モード設定スイッチ404により、「照明光出射モード」、「PDTレーザ光出射モード」及び「混合光出射モード」のいずれか1つを選択して設定することができる。
システムコントローラ440は、モード設定スイッチ404により「照明光出射モード」が設定されているときは、光源ランプ410がオン状態となりレーザ光源420がオフ状態になるように制御することで、光源ランプ410が発した照明光を単独でライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させ出射端面324から出射させる。
システムコントローラ440は、モード設定スイッチ404により「PDTレーザ光出射モード」が設定されているときは、光源ランプ410がオフ状態となりレーザ光源420がオン状態になるように制御することで、レーザ光源420が発したPDTレーザ光を単独でライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させ出射端面324から出射させる。
システムコントローラ440は、モード設定スイッチ404により「混合光出射モード」が設定されているときは、図3のタイミングチャートに示すように、光源ランプ410が連続的にオン状態となり、且つ、レーザ光源420が間欠的にオン状態とオフ状態で切り替わるように制御する。これにより、光源ランプ410が発した照明光を単独でライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させ出射端面324から出射させる「第1の時間帯」と、光源ランプ410が発した照明光とレーザ光源420が発したPDTレーザ光を混合した混合光をライトガイドファイバ320の入射端面322に入射させ出射端面324から出射させる「第2の時間帯」とが順次切り替えられる。
光源ランプ410、レーザ光源420、ダイクロイックミラー430(反射光学素子)及びシステムコントローラ(制御手段)440は、PDT内視鏡300のライトガイドファイバ320の入射端面(基端部)322に、照明光とPDTレーザ光の一方または双方を供給するための「光供給手段(複合光供給手段)」を構成している。
PDT光源プロセッサ400は、PDT内視鏡300のイメージファイバ340の出射端面344の直後に位置させて、集光レンズ450と、撮像素子460とを有している。集光レンズ450は、イメージファイバ340による伝送画像を集光して撮像素子460に導く。撮像素子460は、集光レンズ450が集光したイメージファイバ340による伝送画像を画像信号に変換する。撮像素子460の前面には、光学フィルタ(カバーガラス)462が設けられている。
撮像素子460は、ライトガイドファイバ320の入射端面(基端部)322にPDTレーザ光が供給されているとき(本実施形態では「PDTレーザ光出射モード」または「混合光出射モードの第2の時間帯」)、相対的に高速のシャッタモードで動作する。一方、撮像素子460は、ライトガイドファイバ320の入射端面(基端部)322にPDTレーザ光が供給されていないとき(本実施形態では「照明光出射モード」または「混合光出射モードの第1の時間帯」)、相対的に低速のシャッタモードで動作する。これにより、PDTレーザ光の照射時に観察画像がハレーションを起こすのを効果的に防止することができる。
撮像素子460は、モード設定スイッチ404により「混合光出射モード」が設定されているときは、図3のタイミングチャートに示すように、1フレームのうち、ライトガイドファイバ320の入射端面322にPDTレーザ光が供給されていない1フィールド分を使用して撮像を行う。
PDT光源プロセッサ400は、増幅器470と、画像処理部480とを有している。増幅器470は、撮像素子460による画像信号を増幅する。画像処理部480は、増幅器470が増幅した撮像素子460による画像信号に画像処理を施して撮影画像とする。画像処理部480による撮影画像は、モニタ500に表示される。
撮像素子460と画像処理部480は、PDT内視鏡300のイメージファイバ340による伝送画像を観察するための「観察手段」を構成している。
図4のフローチャートを参照して、本実施形態によるPDT用内視鏡システム10を用いて末梢型肺癌の患者にPDTを施す方法について説明する。
まず、ステップS1において、術者(医師)は、患者に対して、ヘマトポルフィリン誘導体やタラポルフィンナトリウム等の腫瘍親和性のある光感受性物質を静脈内注射によって投与する。光感受性物質の投与から所定時間(例えば4〜6時間)が経過すると、光感受性物質が患者の腫瘍部位に十分に蓄積する。
次いで、ステップS2において、術者は、電子内視鏡100の挿入部120を患者の体腔内の気管支の太い部分(肺の入口から気管支が3回枝分かれするまでの肺門部の辺り)に挿入する。
次いで、ステップS3において、術者は、電子内視鏡100の処置具挿通部112を介して処置具挿通チャンネル150にPDT内視鏡300を挿通していき、PDT内視鏡300の先端部を、処置具挿通チャンネル150の先端部(挿入部120の先端部に設けられたチャンネル開口)から突出させる。
次いで、ステップS4において、術者は、モード設定スイッチ404により「照明光出射モード」を設定した状態で、PDT内視鏡300の先端部を電子内視鏡100の挿入部120が挿入不能な深部の癌(肺胞などの末梢部の癌)に向けて挿入していく。このとき、照明光による観察画像がモニタ500に表示されるので、術者は、照明光による観察画像から腫瘍部位やその近傍の形状を見ることにより、癌に侵された腫瘍部位を容易に特定することができる。そして、術者は、PDT内視鏡300の先端部を癌に侵された腫瘍部位に対向させる。なお、PDT内視鏡300は、PDD(Photodynamic Diagnosis)と呼ばれる蛍光観察(診断)用の撮影系を備えていてもよい。この場合、癌に侵された腫瘍部位が光感受性物質によって蛍光するので、癌に侵された腫瘍部位を容易に特定することができる。
次いで、ステップS5において、術者は、モード設定スイッチ404により、「照明光出射モード」から「PDTレーザ光出射モード」または「混合光出射モード」への設定の切り替えを行う。これにより、癌に侵された腫瘍部位にPDTレーザ光が照射され、PDTレーザ光と光感受性物質の光化学反応によって産生される一重項酸素(活性酸素)の強い酸化作用により、腫瘍組織を変性・壊死させることができる。とりわけ「混合光出射モード」にあっては、PDTレーザ光を間欠的に照射している最中でも、通常の観察画像(照明光のみによる観察画像と色や明るさが殆ど変わらない観察画像)を得ることができる。なお、PDT内視鏡300は、PDD(Photodynamic Diagnosis)と呼ばれる蛍光観察(診断)用の撮影系を備えていてもよい。この場合、癌に侵された腫瘍部位の蛍光色の変化に基づいて、PDTの処置進行程度を把握することができる。
最後に、ステップS6において、術者は、モード設定スイッチ404により、「PDTレーザ光出射モード」または「混合光出射モード」から「照明光出射モード」に切り替えた上で、PDT内視鏡300を電子内視鏡100の処置具挿通チャンネル150から引き抜く。さらに、術者は、電子内視鏡100の挿入部120を患者の体腔内から引き抜く。
このように、本実施形態のPDT用内視鏡システム10によれば、PDT内視鏡300が、基端部と先端部の間に延びる、ライトガイドファイバ320と、被写体画像を伝送するためのイメージファイバ340とを有しており、PDT光源プロセッサ400が、PDT内視鏡300のライトガイドファイバ320の基端部322に照明光とPDTレーザ光の一方または双方を供給するための光供給手段(410、420、430、440)と、PDT内視鏡300のイメージファイバ340による伝送画像を観察するための観察手段(460、480)とを有している。これにより、電子内視鏡100の挿入部120が挿入不能な深部の癌(例えば末梢型肺癌)であってもPDTを施すことができる。
以上の実施形態では、PDT内視鏡300のライトガイドファイバ320を石英ファイバから構成した場合を例示して説明したが、PDT内視鏡300のライトガイドファイバ320は、石英ファイバ以外の他のファイバから構成することも可能である。この場合、ライトガイドファイバは、PDTレーザ光を損失することなく出射するような波長透過特性(波長選択特性)を持つ材料から構成することが好ましい。
以上の実施形態では、光源ランプ410が発した照明光を透過してレーザ光源420が発したPDTレーザ光を反射する反射光学素子としてダイクロイックミラー430を用いた場合を例示して説明したが、ダイクロイックミラー430以外の他の反射光学素子を用いることも可能である。
以上の実施形態では、ダイクロイックミラー430が、光源ランプ410が発した照明光を透過してレーザ光源420が発したPDTレーザ光を反射する特性を持つ場合を例示して説明したが、これとは逆に、ダイクロイックミラー430に、光源ランプ410が発した照明光を反射してレーザ光源420が発したPDTレーザ光を透過する特性を持たせることも可能である。
以上の実施形態では図示を省略しているが、PDT光源プロセッサ400は、イメージファイバ340から撮像素子460への伝送画像の光量出力に基づいて、PDTレーザ光の供給量をフィードバック制御する光量調整手段をさらに有することも可能である。
以上の実施形態では図示を省略しているが、PDT光源プロセッサ400は、PDTレーザ光の照射時に観察画像がハレーションを起こすのを防止するために、レーザ光源420が発したPDTレーザ光を減衰させるフィルタ部材をさらに有することも可能である。
10 PDT用内視鏡システム
100 電子内視鏡
110 把持操作部
112 処置具挿通部
120 挿入部
130 ユニバーサルチューブ
140 コネクタ部
142 コネクタプラグ
144 ライトガイドスリーブ
150 処置具挿通チャンネル
152 チャンネル分岐部
200 電子内視鏡用プロセッサ
210 コネクタ部
212 コネクタソケット
214 ライトガイドスリーブ挿入孔
300 PDT内視鏡
310 外装チューブ
320 ライトガイドファイバ
322 入射端面(基端部)
324 出射端面(先端部)
330 対物レンズ
340 イメージファイバ
342 入射端面(先端部)
344 出射端面(基端部)
400 PDT光源プロセッサ
402 フロントパネル
404 モード設定スイッチ
410 光源ランプ(光供給手段、複合光供給手段)
412 ランプ用電源
420 レーザ光源(光供給手段、複合光供給手段)
422 コリメータレンズ
430 ダイクロイックミラー(反射光学素子、光供給手段、複合光供給手段)
432 集光レンズ
440 システムコントローラ(制御手段、光供給手段、複合光供給手段)
450 集光レンズ
460 撮像素子(観察手段)
462 光学フィルタ(カバーガラス)
470 増幅器
480 画像処理部(観察手段)
500 モニタ

Claims (8)

  1. 処置具挿通チャンネルを有する電子内視鏡と、
    前記電子内視鏡の前記処置具挿通チャンネルに挿通されるPDT内視鏡と、
    前記PDT内視鏡の基端部に接続されるPDT光源プロセッサと、
    を備え、
    前記PDT内視鏡は、基端部と先端部の間に延びる、ライトガイドファイバと、被写体画像を伝送するためのイメージファイバとを有しており、
    前記PDT光源プロセッサは、前記PDT内視鏡の前記ライトガイドファイバの基端部に照明光とPDTレーザ光の一方または双方を供給するための光供給手段と、前記PDT内視鏡の前記イメージファイバによる伝送画像を観察するための観察手段とを有している、
    ことを特徴とするPDT用内視鏡システム。
  2. 請求項1記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記光供給手段は、照明光を発する光源ランプと、PDTレーザ光を発するレーザ光源と、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光の一方を透過し他方を反射する特性を持つ反射光学素子と、前記光源ランプと前記レーザ光源のオンオフ状態を制御する制御手段とを有しているPDT用内視鏡システム。
  3. 請求項2記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記制御手段は、前記光源ランプと前記レーザ光源の一方がオン状態となり他方がオフ状態となるように制御することで、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光のいずれか一方を選択的に前記ライトガイドファイバの基端部に供給させるPDT用内視鏡システム。
  4. 請求項2記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記制御手段は、前記光源ランプが連続的にオン状態となり、且つ、前記レーザ光源が間欠的にオン状態とオフ状態で切り替わるように制御することで、前記光源ランプが発した照明光を単独で前記ライトガイドファイバの基端部に供給させる第1の時間帯と、前記光源ランプが発した照明光と前記レーザ光源が発したPDTレーザ光を混合して前記ライトガイドファイバの基端部に供給させる第2の時間帯とを順次切り替えるPDT用内視鏡システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記観察手段は、前記イメージファイバによる伝送画像を画像信号に変換する撮像素子と、この撮像素子による画像信号に画像処理を施す画像処理部とを有しているPDT用内視鏡システム。
  6. 請求項5記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記撮像素子は、前記ライトガイドファイバの基端部にPDTレーザ光が供給されているときに相対的に高速のシャッタモードで動作し、前記ライトガイドファイバの基端部にPDTレーザ光が供給されていないときに相対的に低速のシャッタモードで動作するPDT用内視鏡システム。
  7. 請求項5または6記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記イメージファイバから前記撮像素子への伝送画像の光量出力に基づいて、PDTレーザ光の供給量をフィードバック制御する光量調整手段をさらに有するPDT用内視鏡システム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載のPDT用内視鏡システムにおいて、
    前記ライトガイドファイバは、石英ファイバから構成されているPDT用内視鏡システム。
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