JP2002226432A - ビニル酢酸エステルの製造方法 - Google Patents

ビニル酢酸エステルの製造方法

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JP2002226432A
JP2002226432A JP2001030738A JP2001030738A JP2002226432A JP 2002226432 A JP2002226432 A JP 2002226432A JP 2001030738 A JP2001030738 A JP 2001030738A JP 2001030738 A JP2001030738 A JP 2001030738A JP 2002226432 A JP2002226432 A JP 2002226432A
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palladium
compound
carbon
acetic acid
allyl
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JP2001030738A
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Kenichiro Nishiwaki
建一郎 西脇
Takao Takeuchi
孝夫 竹内
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂の改質剤及び医薬品中間体の原料となる
ビニル酢酸エステルを容易に、かつ安価に製造する方法
を提供すること。 【解決手段】 アリル化合物と一酸化炭素とアルコール
とを塩基の存在下にパラジウム化合物を触媒として用い
ることを特徴とする一般式CH2=CHCH2COOR1
(式中のR1は炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、分岐
した2級及び3級の炭素のアルキル炭素化合物)で表さ
れるビニル酢酸エステルの製造法を構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル化合物の共
重合用モノマーとして樹脂改質剤、及び塗料改質剤とし
て用いられるビニル酢酸の前駆体として用いられる、ビ
ニル酢酸エステルをアリル化合物と一酸化炭素とアルコ
ールとを塩基の存在下に、パラジウム化合物を触媒とし
て用いるビニル酢酸エステルを製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、ビ
ニル酢酸エステルを合成する方法としては、アリル化合
物、一酸化炭素及び塩基から触媒を用いてカルボニル化
する反応は、一般的にはHeck反応として知られている
が、今まで実用化の例はほとんど報告されていない。
【0003】アリルおよびアリール化合物のカルボン酸
エステルの合成については、アリール化合物と一酸化炭
素及び塩基化合物からパラジウム触媒を用いた合成法が
報告されている(A.Schoenberg.I.Bartoleitti.R.F.Heck
J.Org.Chem.,39.3318.1974)。原料としては、一般式、
RaCH=CHRb(Ra及びRbは炭素数が1〜4の直鎖
炭化水素あるいはベンゼン環)、PhCH2X、PhX
(Phはフェニル基、Xはハロゲン)で表されるフェニ
ル基のついたアリール化合物であり、最も単純なアリル
化合物を原料に用いた、エチレン骨格を有した化合物で
ある、ビニル酢酸エステルの製造法については知られて
いなかった。
【0004】また、パラジウムを触媒として用いる場合
は、活性炭に担持したパラジウム金属あるいは塩化パラ
ジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラ
ジウム、PdCl2(PPh32、PdCl2(PPT
S)2 (PPTSはトリス・メタ・スルフォンフェニ
ル)、で表される配位子の付いた錯体構造が有効であ
る。
【0005】本発明は、樹脂又は塗料改質剤として有用
なビニル酢酸エステルあるいはこれらの改質剤となる、
ビニル酢酸の原料として有用なビニル酢酸エステルの製
造方法に関し、鋭意研究を重ねた結果、原料として工業
的に容易に入手しうるアリル化合物、一酸化炭素(気
体)、アルコール、及び塩基を用い、パラジウム化合物
を触媒として用いることにより、ビニル酢酸エステル類
を容易に、かつ安価に製造する方法を見出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)アリル化合物と一酸化炭素とアルコールとを塩基
の存在下にパラジウム化合物を触媒として用いることを
特徴とする一般式 CH2=CHCH2COOR1 (式中のR1は炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、分岐
した2級及び3級の炭素のアルキル炭素化合物)で表さ
れるビニル酢酸エステルの製造法、(2)パラジウム化
合物が、一般式、PdX22 (Xはハロゲン、又は酢
酸基であり、Lはトリフェニルホスフィン配位子)で表
されるパラジウム塩あるいは錯体、又は、活性炭にパラ
ジウム金属を吸着させたものである(1)記載のビニル
酢酸エステルの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、さらに詳しく本発明を説明
する。本発明に用いられるアリル化合物として、一般式
CH2=CHCH2X(XはCl、Br、Iのハロゲン
基)、CH2=CHCH2OCOCH3、CH2=CHCH
2OCOOR(Rはアルキル基が1〜8の飽和炭素水
素)、CH2=CHCH2OCONHR、CH2=CHC
2OPh、CH2=CHCH2OP(O)(OR)2、C
2=CHCH2NO2 、CH2=CHCH2NR3X(R
はアルキル基が1〜8の飽和炭素水素、Xはハロゲ
ン)、及びCH2=CHCH2SR2X(Rはアルキル基
が1〜8の飽和炭素水素、Xはハロゲン)で表される化
合物を出発原料とするものである。
【0008】本発明に用いられるアリル化合物は、塩化
アリル、アルコキシアリル、アセトキシアリル、アセト
酢酸アリル、アミドアリルフェノキシアリル、ニトロア
リル、及びエポキシアリル等が挙げられる。すなわち、
アリル位に電子吸引基の付いた化合物でなくてはなら
ず、アリルアルコールでは反応は進行しない。
【0009】本発明に用いられる一酸化炭素は気体であ
ることが好ましい。
【0010】本発明に用いられるアルコールは、一般
式、R2OH(R2は炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、
分岐した2級及び3級の炭素のアルキル炭素化合物)で
表される。例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、及びn−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0011】本発明に用いられる塩基は、炭酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、カセイソーダ、及びトリエチルア
ミン等が挙げられる。
【0012】本発明に用いられるパラジウム化合物は、
活性炭に担持した金属パラジウム、2価のパラジウム化
合物である塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パ
ラジウム、酢酸パラジウム、及び塩化パラジウムビスト
リフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0013】本発明の一般式、CH2=CHCH2COO
1で表されるビニル酢酸エステルにおけるR1は、炭素
数1〜8の直鎖状アルキル基、分岐した2級及び3級の
炭素のアルキル炭素化合物のいずれでもよく、例えば、
メチル基、エチル基、直鎖プロピル基、イソプロピル
基、直鎖ブチル基、イソブチル基、3級ブチル基、アリ
ール基、及びフェニル基等が挙げられる。
【0014】本発明の反応温度は、50〜150℃が好
ましい。50℃以下では反応速度が遅く、150℃以上
では反応の選択性が落ち副生物が増えて好ましくない。
さらに好ましくは60〜90℃である。
【0015】本発明の反応の圧力は0.2MPa以上で
ある。反応中は一酸化炭素(気体)の圧力は除々に低下
するので、新鮮な一酸化炭素(気体)を追加供給した方
が好ましい。反応圧力は0.2MPa以下では収量が低
く好ましくない。
【0016】このようにして得られた反応混合物から、
目的化合物を分離するには、まず、反応液をろ過によ
り、副生する塩類を除去し、ろ液を減圧蒸留することに
より得られる。このようにして得られた目的化合物は液
体化合物であり、容易に精製して高純度のものとするこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて更に具体的に本発明を
説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。 実施例1 1リットルオートクレーブに、塩化アリル76g(1m
ol)、エチルアルコール51g(1.1mol)、塩
基として炭酸ナトリウム116g(1.1mol)およ
び触媒として塩化パラジウム0.9g(0.005mo
l)を加え、これに一酸化炭素(気体)を0.9MPa
で圧入した。反応の進行と共に圧力は低下していくの
で、適宜、一酸化炭素(気体)を反応器に圧入した。反
応終了後、得られた液をろ過し、副生した塩を除去した
後に、蒸留により精製した。まず、常圧蒸留によりエチ
ルアルコールを除去した後、更に減圧蒸留にて目的化合
物を得た。沸点58.5℃(80Torr)の目的化合
物である、ビニル酢酸エチルが97g得られた。結果を
表1に示す。
【0018】実施例2 エチルアルコールのかわりにメチルアルコールとした他
は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0019】実施例3 塩化パラジウムのかわりに酢酸パラジウムを用いた他は
実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0020】実施例4 塩基である、炭酸ナトリウムのかわりに酢酸ナトリウム
を用いた他は実施例1と同様に行った。結果を表1に示
す。
【0021】実施例5 塩化パラジウムのかわりに活性炭に担持したパラジウム
金属を用いた他は、実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ビニル
酢酸エステルを容易に、かつ安価に製造することができ
る。本発明で得られたビニル酢酸エステルは、樹脂及び
塗料の原料として提供することができる。またこれを原
料に合成されるビニル酢酸は、樹脂の改質剤及びメチル
酢酸基を置換基とする医薬品中間体を合成する重要な原
料となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリル化合物と一酸化炭素とアルコール
    とを塩基の存在下にパラジウム化合物を触媒として用い
    ることを特徴とする一般式 CH2=CHCH2COOR1 (式中のR1は炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、分岐
    した2級及び3級の炭素のアルキル炭素化合物)で表さ
    れるビニル酢酸エステルの製造法。
  2. 【請求項2】 パラジウム化合物が、一般式 PdX22 (Xはハロゲン、又は酢酸基であり、Lはトリフェニル
    ホスフィン配位子)で表される又は、活性炭にパラジウ
    ム金属を吸着させたものである請求項1記載のビニル酢
    酸エステルの製造方法。
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