JP2002225950A - ガラス基板用固定具 - Google Patents

ガラス基板用固定具

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JP2002225950A
JP2002225950A JP2001023028A JP2001023028A JP2002225950A JP 2002225950 A JP2002225950 A JP 2002225950A JP 2001023028 A JP2001023028 A JP 2001023028A JP 2001023028 A JP2001023028 A JP 2001023028A JP 2002225950 A JP2002225950 A JP 2002225950A
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glass substrate
groove
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wall body
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JP2001023028A
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Yasushi Ueda
康 上田
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送中や取扱時の振動や落下衝撃等の外力が
加わってもガラス基板を安全に保護することができ、然
もガラス基板の自動挿入、取り出し適性も良好で、優れ
た形状保持性を有し、且つガラス基板と摺擦しても容易
に粉塵を生せず、耐久性に優れ、何回でも繰り返し再使
用ができ、ガラス基板梱包時にテープ等で締結した際に
ガラス基板の溝外れもないガラス基板用固定具を提供す
ること。 【解決手段】 内部に中空部を有し、表壁体及び裏壁体
を一体化し、両者の周縁部が壁端で閉塞された熱可塑性
樹脂をブロー成形した中空状構造体からなり、該構造体
は断面が略L字形を呈し、該略L字形をなす2辺の長さ
の比(短辺基準)が1.0〜3.0であって、該略L字
形の内側をなす表壁体に、該形状に沿ってガラス基板収
納溝が、溝幅がガラス基板厚みの1.0〜4.0倍、溝
深さが3〜15mm、溝ピッチが6〜100mm、で形
成されていることを特徴とするガラス基板用固定具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス基板及びそ
の基板上に各種半導体装置、例えば薄膜トランジスタ等
の電子機能素子を装着した液晶表示用装置の半完成品
や、カラーフィルター或いはプラズマ表示装置の半完成
品等(以下、これらを総称してガラス基板という。)を
搬送中の落下衝撃や振動衝撃等による損傷を防ぐために
或いは該基板を保管する場合に用いられる緩衝用固定具
であって、熱可塑性樹脂をブロー成形して内部に中空部
を形成したガラス基板用固定具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子・電気関連機器、特にパーソ
ナルコンピューターの周辺機器の一つである液晶表示装
置やプラズマ表示装置及び携帯電話に代表される携帯端
末等は、インターネットに代表される情報技術産業の発
達と共に生産量が急激な勢いで伸長している機器であ
り、その梱包や搬送等に用いられる緩衝体関連技術の開
発が強く望まれている。
【0003】中でも半導体装置等の電子部品を組み込ん
だガラス基板、例えばカラーフィルターガラス基板やT
FTガラス基板、及び液晶パネル基板等のガラス基板
は、薄く、輸送中における衝撃や振動等に弱い上、その
構成が非常に微細なため、外部からの影響を受けやす
く、取り扱いが難しい。とりわけ、加工前のガラス基板
や最終製品になる前の半完成品を搬送する場合には、上
記電子部品が剥き出しの状態で扱われるため、静電気や
塵、埃等の影響をより強く受け、その機能を損傷する場
合があった。そこで、ガラス基板を損傷することなく安
全に搬送するための梱包技術が多々提案されている。
【0004】その代表例を以下に紹介する。図1〜2
は、特開平05−319456号公報に開示されている
技術内容で、その要点は断面が略L字形を呈し、略L字
形に沿って内側には基板挿入溝を複数本設けたガラス基
板用緩衝材を用いる例である。図中4はガラス基板、1
はガラス基板用緩衝材であり、例えば発泡倍率が少なく
とも5倍以上、圧縮強度が0.088MPa以上、0.
304MPa以下のポリオレフィン系発泡ビーズの型内
成形体から構成されるものである。
【0005】ガラス基板の梱包に当たっては、複数のガ
ラス基板4を所定の間隔をもって平行配置して立方体を
形成し、各基板の角部をそれぞれ上記ガラス基板用緩衝
材1のガラス基板挿入溝2に挿入して、固定する。更
に、上記緩衝材1の外側に案内溝3を少なくとも1本設
け、これにゴム、テープ等の緊縛具5を案内して固定し
梱包する。そして、この緩衝材からなる固定具は、特定
のポリオレフィン系発泡ビーズの型内成形体特性から柔
軟性や回復性そして緩衝性能を兼備していて、搬送中に
おけるガラス基板との摺擦による耐発塵性、及び落下衝
撃時のガラス基板の保護性に関しては最良な固定具であ
る。
【0006】しかし、この固定具は高価であることから
10数回以上繰返し使用されるが、ポリオレフィン系発
泡ビーズ型内成形体から構成されることから、強度が充
分とはいえず、その発泡倍率を5倍〜30倍そして圧縮
強度(圧縮歪み;25%)を0.088MPa以上、
0.304MPa以下の特定範囲に限定しても、繰返し
使用中に容易に変形し易く、例えば略L字形の角度が7
5〜110度に変形したり、或いは反り、捻れが発生
し、再使用の都度手作業で形状を正規な形に修正しなが
ら仕方なく使用している。又、発泡ビーズ型内成形体の
特性からその表面には、発泡ビーズ間に微細な空隙や窪
みが必ず多少なりとも存在していて、この部分に塵埃が
侵入することから、繰り返し再使用毎に純水で洗浄して
も完全に除去できない。一方、繰り返し使用が可能な樹
脂製のガラス基板用固定具も検討されているが、耐衝撃
性の点で問題があり、未だ実用には至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の課題解決に鑑み、ガラス基板を断面が略L字形のガ
ラス基板用固定具で梱包するに当たって、固定具の素材
とガラス基板の保護性及び繰返し使用耐久性について長
年に渡って鋭意研究の結果、完成されたものである。そ
の目的は、ガラス基板の搬送中や取り扱い時に外力を受
けても容易に変形することなく、然も振動や落下衝撃等
に対してもでガラス基板の保護性能を有し、更にガラス
基板と摺擦しても発塵性が少なく、ガラス基板の自動挿
入、取り出し適性も良好で、且つ耐久性に優れ何回でも
繰返し再使用ができるガラス基板用固定具を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)内部に
中空部を有し、表壁体及び裏壁体を一体化し、両者の周
縁部が端壁で閉塞された熱可塑性樹脂をブロー成形した
中空状構造体からなり、該構造体は断面が略L字形を呈
し、該略L字形をなす2辺の長さの比(短辺基準)が
1.0〜3.0であって、該略L字形の内側をなす表壁
体に、該形状に沿ってガラス基板収納溝が、溝幅がガラ
ス基板厚みの1.0〜4.0倍、溝深さが3〜15m
m、溝ピッチが6〜100mm、で形成されていること
を特徴とするガラス基板用固定具であり、(2)略L字
形の内側角部の少なくとも1辺に、前記収納溝と直交す
る深さが、前記収納溝の底より更に1〜8mm深い切り
欠き部を有することを特徴とする(1)記載のガラス基
板用固定具であり、(3)裏壁体の背面には、補強用及
び/又は緊縛具案内用溝が少なくとも1本設けられてい
ることを特徴とする(1)又は(2)記載のガラス基板
用固定具であり、(4)表壁体の前記収納溝部に対峙す
る裏壁体には、前記収納溝部の裏面に溶着した溝部を有
することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載
のガラス基板用固定具であり、(5)表壁体及び/又は
裏壁体が、少なくとも2層構造であることを特徴とする
(1)〜(4)記載のいずれかに記載のガラス基板用固
定具であり、(6)表壁体及び/又は裏壁体が、熱可塑
性フッ素系樹脂を5〜70%含む最外層を有することを
特徴とする(5)記載のガラス基板用固定具である。
【0009】以下に、本発明のガラス基板用固定具を、
「固定具の形状・構造」、「固定具の材質」、「固定具
の使用方法」に項分けして詳細に説明する。 「固定具の形状・構造」 略L字形 固定具は、断面が略L字形の形状を有する。なお、この
「略L字形」は「L字形」及び「L字形」に近似する形
状をいう。
【0010】寸法・厚み (a)略L字形の2辺(寸法) 略L字形の2辺(寸法)は、当然ながら等辺、及び不等
辺が対象とされる。不等辺の場合は、短辺を基準とした
場合に長辺は1.0〜3.0倍が好ましい。更に、好ま
しくは1.0〜2.8倍未満である。長辺が3.0倍を
超えると、矩形形状であるガラス基板の固定安定性が悪
くなり、ガラス基板が撓んだりして損傷する危険がとも
なう。
【0011】(b)短辺の長さ 略L字形の2辺の比が上記の1.0〜3.0倍の範囲で
あっても、短辺の長さ(ガラス基板が接する長さ)は収
納されるガラス基板の短辺長さの10〜45%が好まし
い。更に好ましくは15〜40%である。 ・10%未満であると、:ガラス基板の支持部が少なく
なり、落下衝撃等を受けた場合にその部分に衝撃荷重が
集中してガラス基板が容易に損傷する。:又、ガラス基
板に架かる応力が高くなって、搬送中での振動による接
触摩擦で発塵が多くなり清浄性の面からも望ましくな
い。 ・45%をこえると、:落下衝撃等を受けた場合のガラ
ス基板保護性については、特に問題はないが、当然なが
らガラス基板との接触部が増大することから、搬送中で
の振動による接触摩擦で発塵が多くなり清浄性の面から
も望ましくない。:更に、固定具が必要以上に大型化す
ることから経済性の点からも問題である。 (c)固定具の厚み(外寸法) 固定具の厚み(外寸法)は、ガラス基板のサイズ、重
量、挿入枚数及び固定具の剛性(弾性率)等を鑑みて、
10〜65mmの範囲が好ましく、更に好ましくは15
〜60mmである。
【0012】ガラス基板収納溝 (a)溝幅 溝幅は、ガラス基板厚みの1.0〜4.0倍が好まし
い。更に好ましくは、1.2〜3.5倍である。 ・1.0倍未満であると、:ガラス基板の挿入、取り出
し時の作業性(人手)が悪くなる。特に、自動装置の場
合は、機械的に挿入するためにガラス基板の破損不良率
が高くなる。 ・4.0倍をこえると、:ガラス基板の挿入、取り出し
は、自動装置でも問題はないが、ガラス基板が搬送中で
の振動衝撃によってガタツキ、その結果、発塵が多くな
り清浄性の面からも望ましくない。
【0013】(b)溝深さ 溝深さは、ガラス基板のサイズ、重量、及び固定具の樹
脂種等を考慮して、3〜15mmの範囲で決定すればよ
い。 ・3mm未満であると、:ガラス基板が搬送中の振動衝
撃や取り扱い時に落下衝撃を受けた場合に、容易に外れ
損傷する。 ・15mmを越えると、:固定具溝部と接触するガラス
基板表面には、搬送中の振動衝撃による摺擦で微細な擦
り傷が容易に発生するため、その部分はカットしてから
液晶デイスプレー等に加工されることから、収率が悪く
なり不経済である。:又、ガラス基板との摺擦による発
塵も多くなり清浄性の点からも望ましくない。
【0014】(c)溝ピッチ 溝ピッチは、対象とするガラス基板等の種類、例えばガ
ラス単体、液晶セルパネルやプラズマディスプレーパネ
ルのサイズ、重量そして剛性、即ち撓み性等及び固定具
の樹脂種、溝幅等を鑑みて、6〜100mmの範囲で決
定すればよい。即ち、搬送中の振動衝撃や取り扱い時の
落下衝撃を受けた場合に、ガラス基板が撓んで基板同士
が接触しないピツチにすればよい。 (d)溝部の断面形状 溝部の断面形状として、その代表例を図3(a)〜
(c)に示す。ガラス基板の挿入、取り出し作業性か
ら、図3(b)〜(c)のように、溝底部をストレート
に、頂部を山形状や台形状にした二段形状が好ましい。
【0015】緊縛具案内溝のテーパー形状 図4に示される様に、固定具6の裏壁体8に設けられる
緊縛具案内溝11は、図5に示される様に、固定具6の
角部12に向かってテーパ状に深く形成されることが好
ましい。テーパー形状にすることによって、テープ等の
緊縛具で固定した時にその締結力を角部に集中させるこ
となく固定具6の全面に渡って均等に締結できるため
に、略L字形の両端部が開脚することがない。従って、
ガラス基板収納溝10からのガラス基板の溝外れがな
く、本来の目的であるガラス基板の固定と搬送時の該基
板の保護機能を発現できる。尚、テーパー形状は固定具
6の背面の1面、又は2面に設けて良い。 ・テーパー形状の溝深さは、固定具の剛性(弾性率)、
厚み、両辺の長さ等を鑑みて、端部で0.5〜3mm、
角部で2〜15mmの範囲でテーパー形状を形成すれば
よい。 ・テーパー形状は、両辺の全長に渡って形成する必要は
なく、図5の様に両端部近傍はフラット形状にして、両
端から10〜100mmから形成した方が好適である。
【0016】緊縛具案内溝の角部形状 図5に示される様に、緊縛具案内溝の角部13を円弧
状、或いは直線状の面取りを形成することによって、角
部に過度の締結力が集中しないために、略L字形の両端
部が開脚して、その近傍のガラス基板が溝から外れると
言ったことも解消される。上記の緊縛具案内溝のテー
パー形状と併用すると尚一層効果が大となる。 ・面取りの程度は、固定具6の剛性(弾性率)、厚み、
両辺の長さ等を鑑みて、半径が3〜60mmの円弧状或
いは長さが3〜60mmの直線状に面取りすれば充分で
ある。
【0017】略L字形の内側角部の切欠き 図6に示されるように、固定具の略L字形の内側角部の
少なくとも1辺に、深さがガラス基板収納溝の底部と同
深さに設定すれば良いが、好ましくはガラス基板収納溝
の底部から1〜8mmの深さ、より好ましくは2〜6m
mの深さに切欠き部を設ければ良い。該切欠き部を形成
することにより、搬送中の振動衝撃や落下衝撃を受けた
場合に最も容易に損傷するガラス基板角部の欠けを防止
することができる。特に、略L字形をなす2辺の長さが
同じ等辺形状の場合には、角部近傍の2辺に切り欠きを
設けるのが望ましい。切り欠き深さは収納されるガラス
基板の大きさや厚み及び固定具の厚さ等を鑑みて上記範
囲に設定すればよい。 ・1mm未満では、衝撃による固定具の歪み変形を吸収
することができずガラス基板の角部が欠けて損傷する。 ・8mmを越えると、それ以上の効果を期待できないば
かりか固定具の構造強度が低下し、外力で容易に変形し
易くなり繰返し使用時に、特に略L字形の角度を初期の
所定形状に維持できず、形状維持性が発現しない。
【0018】固定具裏壁体の溝構造 固定具裏壁体の背面には、図7に示されるように溝15
が少なくとも1本設けられている固定具6の構造強度を
向上し、反り、捻れを防止するもので、深さが1〜10
mmで幅が5〜50mmの範囲内で、収納されるガラス
基板の大きさや厚み及び固定具の略L字形2辺の長さ及
び幅寸法を考慮して設定すればよい。尚、該溝15をテ
ープ等の緊縛具案内溝を兼ね配すると一層好ましい。
【0019】固定具裏壁体の溶着構造 図8に示すように、表壁体7のガラス基板収納溝部10
には、裏壁体8の一部が溶着して溝部15を形成する構
造とすると、複数のガラス基板収納溝10の位置(深さ
方向)が一定すると共に落下衝撃を受けても変形歪みが
極く僅かで、ガラス基板が該溝10から外れることがな
くガラス基板の保護性が高まる。尚、本構造は、ガラス
基板の収納溝10全てを上記構造としても差し支えない
が、収納されるガラス基板の大きさや厚み及び固定具の
略L字形2辺の長さ及び幅寸法を鑑みて、2〜5溝の間
隔をもって設けても充分な効果及び機能が発現される。 表、裏壁体の厚み寸法 表、裏壁体の厚みは、樹脂の種類と適度なクッション性
を鑑みて、少なくとも0.2mm以上、好ましくは0.
3〜4mmの範囲が構造強度を維持し反り、捻れが生じ
ない。
【0020】「固定具の材質」表、裏壁体、壁端を構成
する熱可塑性樹脂としては、例えば、ABSやAS、H
IPS等のスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピ
レン、EVA、アイオノマー等のポリオレフィン系樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、アクリル系及びメ
タクリル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン66等のポリ
アミド系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、変
性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等に代表
されるエンジニアリング樹脂等の単体及びこれらの混合
物等を挙げることができる。
【0021】しかし、ブロー成形に適した溶融流動性や
伸長性を有する樹脂であれば特に限定されるものではな
く、ガラス基板の角部や端部と摺擦した時の発塵性や弾
性率、耐衝撃性、耐薬品性、ガラス基板への汚染性して
加工安定性、経済性等を鑑みて用いられる。尚、ガラス
基板挿入固定時や取り出し時、或いは搬送中の振動によ
るガラス基板との摺擦による耐発塵性の面からは、壁体
を2層以上の複層構造として、その最外層には熱可塑性
フッ素系樹脂を5〜70%を含む混合樹脂を用いた方が
好ましい。
【0022】本発明で用いられる熱可塑性フッ素系樹脂
としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビ
ニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体等のポリフ
ッ化ビニリデンを主体とするフッ素系樹脂である。又、
ポリフッ化ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロメチル−パーフルオロビニルエーテル共重合体、テ
トラフルオロエチレン−パーフルオロエチル−パーフル
オロビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロプロピル−パーフルオロビニルエーテル
共重合体等を上記のポリフッ化ビニリデンを主体とする
フッ素系樹脂にブレンドしたものがある。
【0023】上記熱可塑性樹脂に熱可塑性フッ素系樹脂
を混合する割合は、5〜70%、好ましくは10〜60
%である。熱可塑性樹脂としては、中でもアクリロニト
リル系樹脂、アクリル系及びメタクリル系樹脂、ABS
及びポリオレフィン系樹脂が好ましい。固定具の表壁体
及び裏壁体が、2層以上の複層構造である場合に、熱可
塑性フッ素系樹脂を含む最外層の厚みは、少なくとも
0.1mm以上、好ましくは0.2以上2.5mm以下
であればよい。
【0024】「固定具の使用方法」 ガラス基板搬送用 本発明のガラス基板用固定具は、ガラス基板及びその基
板上に各種半導体装置、例えば薄膜トランジスタ等の電
子機能素子を装着した液晶表示用装置の半完成品やカラ
ーフィルター、或いはプラズマ表示装置の半完成品等が
搬送中の落下衝撃や振動衝撃等による損傷を受けるのを
防ぐために用いられる。その使用方法は、クリーンルー
ムの包装作業室に先ず本固定具を用意し、表面が平坦な
作業机等の上にそれぞれの溝間距離が、ガラス基板の寸
法プラス0.5〜1mmとなるように固定治具を用いて
対向してセットする。次に、本固定具の溝部全てにガラ
ス基板を挿入した後、上部のガラス基板角部2箇所にも
同様に本固定具を嵌合セットした後、本固定具の背面、
底面に形成されている緊縛具案内溝(2箇所)にポリプ
ロピレン(PP)バンドを配して締結し固定する。
【0025】更に、外部から塵埃が侵入しないように清
浄なポリエチレン袋等で密封し、搬送用包装体とする。
尚、本固定具の配置は図9に示すように、ガラス基板の
方向や対称、非対称配置等特に限定されるものではな
く、ガラス基板の大きさ及び挿入作業性や取り出し時の
作業性、特に自動装置の場合は取り出しの位置決めの関
連を考慮して、最良な配置を選択すればよい。
【0026】ガラス基板保管用 本発明のガラス基板用固定具は、保管用固定具としても
使用ができる。その使用方法は、図10に示すように、
プラスチック段ボールの外箱内部に本固定具が移動しな
いように留め具等て固定し、上方開口部からガラス基板
を挿入し使用するものである。場合によっては、更に塵
埃が侵入しないようにプラスチック段ボールの箱体で蓋
をするとなおさらよい。尚、この蓋体には、本固定具を
取り付けても取り付けなくてもよい。
【0027】
【実施例】(実施例1)次ののABS樹脂ペレットを
溶融押出機に供給し、ダイより押出された管状のパリス
ンを金型に挿入し、型締め後、パリスン内に圧気を注入
してブロー成形して、次のの形状・構造と図4(a)
の断面を有する固定具を得た。この固定具は次ののガ
ラス基板の搬送包装用として用いられた。 ABS樹脂 ・メルトフローレート 2.3g/10分(JIS K
7210) ・ビカット軟化点 114℃(ASTM D1525) ・曲げ弾性率 26,000kg/cm2(ASTM
D790)
【0028】略L字形固定具 ・ガラス基板収納枚数 26枚 ・寸法 短辺250mm、長辺350mm、長さ300mm、厚
さ35mm ・ガラス基板収納部溝 幅 2.0mm 深さ 12mm ピッチ 20mm 形状 台形2段形状 ストレート部6.5mm、台形
部5.5mm ・略L字形の内側角部の切り欠き ガラス基板 ・液晶表示用マザーガラス ・寸法 600×720mm ・厚み 0.7mm
【0029】(実施例2)次のの高密度ポリエチレン
樹脂を実施例1と同様にしてブロー成形して、次のの
形状・構造と図4(a)の断面を有する固定具を得た。
この固定具は次ののガラス基板の搬送包装用として用
いられた。 高密度ポリエチレン樹脂 ・密度 0.951g/cm3 ・メルトインデックス 0.3g/10分(ASTM
D1238 荷重2.16kg) ・ビカット軟化点 124℃(ASTM D1525) ・曲げ弾性率 11,500kg/cm2
【0030】略L字形固定具 ・ガラス基板収納枚数 12枚 ・寸法 短辺210mm、長辺310mm、長さ240mm、厚
さ25mm ・ガラス基板収納部溝 幅 1.5mm 深さ 7mm ピッチ 20mm 形状 山形2段形状 ストレート部3.5mm、山型
部3.5mm ・略L字形の内側角部の切り欠き ガラス基板 ・液晶表示用マザーガラス ・寸法 550×650mm ・厚み 0.7mm
【0031】実施例1、及び実施例2で得られたガラス
基板用固定具は、いずれもガラス基板の搬送中や取扱時
に振動や落下衝撃等の外力が加わっても、ガラス基板を
安全に保護することができた。そして、ガラス基板の自
動挿入、取り出し時にも変形せず、優れた形状保持性を
示した。更に、ガラス基板と摺擦しても容易に粉塵を生
せず、耐久性に優れ、何回でも繰り返し再使用ができ
た。加えて、耐久性に優れ何回でも繰返し再使用がで
き、且つ、ガラス基板梱包時にテープ等で締結した際に
ガラス基板の溝外れも無かった。以上の様に、実施例
1、及び実施例2で得られたガラス基板用固定具は、形
状保持性、耐発塵性、耐久性等を始めとしてガラス基板
用緩衝材として具備しなければならない実用特性を全て
満たしていた。
【0032】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな様に、本発
明によれば、熱可塑性樹脂のブロー成形により、搬送中
や取扱時の振動や落下衝撃等の外力が加わってもガラス
基板を安全に保護することができ、然もガラス基板の自
動挿入、取り出し適性も良好で、優れた形状保持性を有
し、且つガラス基板と摺擦しても容易に粉塵を生せず、
耐久性に優れ、何回でも繰り返し再使用ができ、ガラス
基板梱包時にテープ等で締結した際にガラス基板の溝外
れもないガラス基板用固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術(特開平05−319456号公報)
で得られる緩衝材の斜視図である。
【図2】上記緩衝材を使用したガラス基板梱包体形状を
示す図である。
【図3】ガラス基板収納溝部の断面形状を説明する図で
ある。
【図4】緊縛具案内溝を説明する図((a):ガラス基
板収納溝と直交する断面図、(b):背面図)である。
【図5】緊縛具案内溝のテーパー形状を説明する図であ
る。
【図6】略L字形の内側角部の切欠き形状を説明する図
である。
【図7】固定具の裏壁体の溝構造を説明する図
((a):側面図、(b):背面図)である。
【図8】固定具の裏壁体の溶着構造を説明する図
((a):ガラス基板収納溝と直交する断面図、
(b):背面図)である。
【図9】固定具の配置を説明する図である。
【図10】固定具のガラス基板保管用途を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1 ガラス基板用緩衝材 2 ガラス基板挿入溝 3 緊縛具案内溝 4 ガラス基板 5 緊縛具 6 固定具 7 表壁体 8 裏壁体 9 壁端 10 ガラス基板収納溝 11 緊縛具案内溝 12 固定具角部 13 案内溝角部 14 略L字形内側角部 15 溝 16 溶着部 17 プラスチック外箱
フロントページの続き Fターム(参考) 3E066 AA04 BA01 CA01 KA04 LA17 NA30 NA43 3E068 AA33 AB04 AC05 BB06 BB11 CC02 CC12 DD04 DE18 EE01 EE32 3E096 AA06 BA15 BB03 CA02 CB03 DA05 DB07 EA02Y FA03 FA09 FA10 GA11 4F208 AG18 AH56 AH81 LA01 LB01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に中空部を有し、表壁体及び裏壁体
    を一体化し、両者の周縁部が壁端で閉塞された熱可塑性
    樹脂をブロー成形した中空状構造体からなり、該構造体
    は断面が略L字形を呈し、該略L字形をなす2辺の長さ
    の比(短辺基準)が1.0〜3.0であって、該略L字
    形の内側をなす表壁体に、該形状に沿ってガラス基板収
    納溝が、溝幅がガラス基板厚みの1.0〜4.0倍、溝
    深さが3〜15mm、溝ピッチが6〜100mm、で形
    成されていることを特徴とするガラス基板用固定具。
  2. 【請求項2】 略L字形の内側角部の少なくとも1辺
    に、前記収納溝と直交する深さが、前記収納溝の底より
    更に1〜8mm深い切り欠き部を有することを特徴とす
    る請求項1記載のガラス基板用固定具。
  3. 【請求項3】 裏壁体の背面には、補強用及び/又は緊
    縛具案内用溝が少なくとも1本設けられていることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のガラス基板用固定
    具。
  4. 【請求項4】 表壁体の前記収納溝部に対峙する裏壁体
    には、前記収納溝部の裏面に溶着した溝部を有すること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラス基
    板用固定具。
  5. 【請求項5】 表壁体及び/又は裏壁体が、少なくとも
    2層構造であることを特徴とする請求項1〜4記載のい
    ずれかに記載のガラス基板用固定具。
  6. 【請求項6】 表壁体及び/又は裏壁体が、熱可塑性フ
    ッ素系樹脂を5〜70%含む最外層を有することを特徴
    とする請求項5記載のガラス基板用固定具。
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